第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、昨年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行後、国内外の人流が活発化し、国内景気は回復傾向の動きに向かいつつあります。一方で、ウクライナ紛争の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の悪化懸念、世界的な原材料価格の高騰や円安といった経済活動に影響を与える要因が払拭できず、景気の先行きは不透明な状況が続いています。

 このような状況の中、当社は「独自の技術とノウハウを開発し、地域社会にとって価値のある新しいインターネットサービスを提供する」という企業理念のもと、インターネットを通じて「地域社会の活性化」を行うことを使命とし、日々、事業活動を行っています。

 当第3四半期累計期間において、当社が保有する「SURFPOINT™」データベース及び「SURFPOINT™」をweb上で利用できる「どこどこJP」の機能強化・価値向上を中心に取り組んでいます。また、コンテンツ管理マネージャ(CMS)のトップシェアであるWordPressに、IP Geolocationが活用できるプラグインの提供、IR動画メディア「IRTV」や最新テクノロジーやデジタル社会に関連するニュースを扱うテクノロジーメディアサイト「GIZMODO」での動画公開、各種セミナー開催など、会社やサービスの認知向上に努めております。

 これら機能追加と認知向上策と並行し、自治体向けDXメニューや既存・新規顧客向けにポストCookie対策としての解析支援サービス、セールスマーケティング支援メニューを整備し、積極的に営業を推進しております。

今後も引き続き、売上高増と技術力や企業価値の向上に努めて参ります。

 これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は550,443千円(前年同四半期比7.8%減)、営業利益は54,197千円(前年同四半期比51.9%減)、経常利益は54,904千円(前年同四半期比51.5%減)、四半期純利益は19,324千円(前年同四半期比74.8%減)となりました。なお、投資有価証券のうち、実質価額が著しく低下したものについて減損処理を行い、投資有価証券評価損18,450千円を特別損失に計上しております。

 

 セグメント別の状況は次のとおりであります。

 

(IP Geolocation事業)

 IPアドレスに様々な情報を紐づけしたデータベースの利用サービスである「SURFPOINT™」及び、Webサイトを訪問した企業のリスト化や経路分析などの本格的なウェブ解析を簡単に行うことのできる「らくらくログ解析」は、既存の取引先に安定的な継続利用をしていただいており、この2つのサービスの売上高は堅調に推移しております。12月には「SURFPOINT™」において、企業情報やWifiスポット等の情報量を増やした結果、全体の容量は14万件から18.3万件に増加しており、当四半期においては、既存の金融関連案件の追加受注を3件確定させております。第4四半期においてはこれら受注案件の売上貢献が見込まれ、引き続き、金融関連サービスやメディア関連企業へのアプローチを強化して参ります。

 「SURFPOINT™」をWeb上で利用できる「どこどこJP」は、前第3四半期累計期間と比較して 解約数は同時期を大きく下回り、売上高につきましては前第3四半期累計期間と比較して7%ほど上回っております。これは、今期のはじめから行われている価格改定とGA4設定やWebサイトアクセス解析レポートなどの作成支援サービスの効果が表れてきており、今後も引き続き積極的な受注活動を推進いたします。また、前事業年度より提供を開始している、自社サイトへアクセスした企業の情報が管理画面で表示できる「BtoBアクセス企業レポート」に加えて、Wifiアクセスレポート機能とChatGPTによる分析機能を付加したこと、2023年8月にリリースした無料プランにつきましては、お申込みいただいたお客様の約12%が有償プランに移行頂いたことが売上高の増加と解約数の減少に貢献致しました。今後も引き続き有力販売代理店への営業支援、新規顧客開拓に積極的に取り組むと共に、webサイトの作成で多く利用されているコンテンツ管理マネージャ(CMS)のWordPressにプラグイン機能を提供するなど、更なる機能追加を積極的に行うことでサービスの品質向上、顧客満足に努めて参ります。

 インターネットユーザーのIPアドレスから位置情報や気象情報を判定し、それらの情報を活用するターゲティング広告配信サービス「どこどこad」は、前第3四半期会計期間に売上に貢献した大型案件の獲得に至らず、予算を下回りました。Webマーケティングサポートやシティプロモーション支援といった「web制作・各種受託開発」では、当第3四半期会計期間中に予定されていた各種アプリケーション開発等が滞りなく納品・検収されました。しかしながら、第3四半期会計期間の「web制作・各種受託開発」に関する売上予算を達成するための案件獲得ができず予算は未達となりました。

 これらの結果、当第3四半期累計期間における同事業の売上高は532,886千円(前年同四半期比2.3%減)、セグメント利益は37,952千円(前年同四半期比39.6%減)となりました。

 

(IPアドレス移転事業)

 予算で計画していた案件の仲介ができたことにより、当第3四半期累計期間における同事業の売上高は17,557千円(前年同四半期比66.0%減)、セグメント利益は16,245千円(前年同四半期比67.3%減)となりました。

 なお、売上高及びセグメント利益が前年同四半期比で減少しておりますが、これは予算どおりの結果となっております。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 流動資産は前事業年度末と比較して21,169千円増加し、676,803千円となりました。これは主に、売掛金が19,373千円、現金及び預金が2,704千円増加したことによるものであります。

 固定資産は前事業年度末と比較して23,802千円減少し、23,931千円となりました。これは主に、投資有価証券が18,450千円、長期前払費用が4,122千円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、前事業年度末と比較して2,633千円減少し、700,734千円となりました。

 

(負債)

 流動負債は前事業年度末と比較して14,733千円減少し、126,567千円となりました。これは主に、賞与引当金が7,018千円増加した一方、未払法人税等が12,536千円、前受金が10,224千円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、前事業年度末と比較して14,733千円減少し、128,907千円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は前事業年度末と比較して12,100千円増加し、571,827千円となりました。これは主に、四半期純利益の計上等により利益剰余金が11,580千円増加したことによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は959千円であります。

 なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。