当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、 投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業 等のリスク」についての重要な変更はありません。
2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、個人消費については当初、経済の正常化とともに緩やかにコロナ危機前の水準へと回復が見られましたが、物価上昇と、それに賃金の伸びが追いつかない実質賃金のマイナス状態が継続し、その回復ペースは鈍化しつつあります。また、長期化するロシア・ウクライナ戦争や中東情勢の緊迫といった地政学リスクが引き続きグローバル経済に不透明感を与えており、円安傾向の定着と相まって日本国内において、消費者の生活防衛意識が再び高まりを見せはじめています。
個人消費につきましては、急激な物価高を背景に、従前にも増して節約や低価格志向が根強くなりながらもその動向は必ずしも節約・低価格の一辺倒なものではなく、個人の価値観や嗜好性に応じたメリハリのある消費スタイルが浸透し、特にインターネットを介した消費行動においてその傾向は顕著であります。そのような社会環境下、当社グループは多様化する消費行動や賢い消費を求める消費者に対し、その人にとって最適な消費の選択肢を提供する「最適化商社」を目指し、昨今の世界的な潮流であるSDGsの実現に向けた経済活動であるサーキュラーエコノミー(循環型経済)発展の一翼を担うべくその実現に向けた事業を展開しております。
当社グループは「持続可能な社会を実現する最適化商社」をビジョンに掲げ、多様化する消費行動や様々な消費スタイルに対し、個々人そして一部の商品・サービスにおいては事業者や法人にまでその枠を広げ、インターネットを通じて最適な消費の選択肢を提供するべく事業を推進しております。
当社グループは最新の外部および内部環境の変化・動向を踏まえ、2023年8月14日にローリング方式による新たな中期経営計画を公表しております。その最終年度(2026年6月期)の業績目標(売上高300億円、営業利益20億円)の達成に向け、現在、主として個人向けリユース分野における成長を促進することにより、拡大を続けるリユース市場での当社のプレゼンスを確立することを目標としております。本計画の実現に向け、当第3四半期連結累計期間に行った取組の内容は以下のとおりであります。
これらの取組の結果、売上高は13,258,904千円(前年同期比18.8%増)、営業利益は106,594千円(前年同期比169.1%増)、営業外費用としてデリバティブ評価損を計上したこと等により経常損失は227,141千円(前年同期は89,267千円の利益)、特別損失として減損損失を計上したこと等により親会社株主に帰属する四半期純損失は651,324千円(前年同期は106,512千円の損失)となりました。
当セグメントでは、販売店舗を有せずインターネットに特化したリユース品の買取及び販売に関するサービスを展開しており、当社グループの基幹事業であります。
買取においては「高く売れるドットコム」を総合買取サイトの基軸とし、商品カテゴリー別に分類された複数の買取サイトを自社で運営しております。販売において「Yahoo!オークション」はじめ、「楽天市場」、「Amazon」、「メルカリ」、自社ECサイト「ReRe(リリ)」など複数サイトへ同時出品し、インターネットを通じて商品を販売しております。主に「大型」「高額」「大量」といった、CtoC(個人間取引)では梱包や発送が難しい商品を取扱い、CtoBtoCというプロセスで当社が取引に介入することで、品質担保をはじめ、リユース品の売買に対して顧客に安心感を提供しております。近年ではこれらで培ったナレッジ・ノウハウを元に農機具分野へ参入し、国内のみならず農機具輸出事業を展開するなど、既存事業とのシナジーを活かして商材の多様化に努めております。また、リユースプラットフォーム「おいくら」(全国のリユースショップが加盟し、売り手である一般消費者と買い手であるリユースショップをマッチングするインターネットプラットフォーム)の基盤拡充に向けた施策を行っております。
当第3四半期連結累計期間の各分野における状況は、以下のとおりであります。
(個人向けリユース分野)
消費者の旺盛な買取ニーズに対応し更なる商圏拡大と取扱量の増加に対応すべく2023年9月に広島リユースセンターおよび大阪リユースセンター東住吉店を、また、コンタクトセンターの能力増強のため2023年11月に錦糸町支社を、それぞれ新規に開設いたしました。このほか、商品買取に関する出張買取バイヤーの採用及び教育研修の強化等を行いました。これら投資によって各種リソースが整備されたことにより、引き続き出張買取の強化に取り組むとともに、お客様との重要なタッチポイントとなるコンタクトセンターを含めた営業人員配置の見直しおよび買取チャネルの最適化を図ったことで、当第3四半期累計期間においては買取件数の水準を維持しつつ買取1件あたりの収益増加を図るとともに、上述の各種DX施策を推進しております。この他、2023年9月より新たな商材として中古自動車の買取・販売を本格的に開始しました。
これらの取組の結果、個人向けリユース分野における収益力は着実に向上し、第3四半期連結会計期間における収益は中間期末時点における想定を上回って進捗しました。
(農機具分野)
中古農機具については在庫収容能力拡充のため2024年1月に北関東第2ヤードを新規に開設しました。仕入高については、例年1~2月には売買の動きが鈍るといった季節要因を背景として第3四半期連結会計期間においては一時的に落ち込みを見せましたが、第3四半期連結累計期間全体を通しては安定的に推移しました。売上については特に海外販売について前四半期より対策を講じていたことから好調に推移しました。以上のように、仕入安定化のため継続的に法人買取を強化していることに伴い粗利率は低下しましたが、売上が好調に推移したこともあり利益ベースで引き続き黒字を維持することができました。
(おいくら分野)
「おいくら」については、リユースプラットフォームとしての中長期的な収益基盤拡充に向けた継続的なシステム改修や官民協働でのSDGsの実現(不要品の二次流通促進による廃棄物の削減及び環境負荷軽減)に向けた地方自治体との連携を推進し、その連携数は当第3四半期連結累計期間末日現在で、119自治体(前四半期比25自治体の増加)と100自治体を超え、また、人口カバー率(日本の総人口に占める連携自治体の人口合計)は30.9%となり、初めて総人口の3割を上回りました。このように、買取依頼件数増加のための取組が順調に進捗し、加盟店数および売上高は引き続き安定的に推移しました。また、自治体連携の拡大により、利益ベースでは買取依頼数の獲得コストが低下し利益体質の強化が進むとともに、おいくらが仲介する買取依頼数は引き続き増加が見込まれるため、今後も自治体連携数の増加に伴い加盟店および本分野における収益が増加していく見通しに変更はありません。
これらの結果、売上高は7,921,129千円(前年同期比29.1%増)、セグメント利益は357,913千円(前年同期比64.8%増)となりました。
当セグメントでは、賢い消費を求める消費者に対し、その消費行動に資する有益な情報をインターネットメディアで提供するサービスを展開しており、以下の9つのメディアを運営しております。
・モバイル通信に関するメディア :「iPhone格安SIM通信」「SIMCHANGE」「カシワン」
・モノの売却や処分に関するメディア :「高く売れるドットコムMAGAZINE」「おいくらMAGAZINE」
・モノの購入に関するメディア :「ビギナーズ」「OUTLET JAPAN」
・モノの修理に関するメディア :「最安修理ドットコム」
・中古農機具の買取・販売プラットフォーム:「中古農機市場UMM」
当第3四半期連結累計期間におきましては、従来より提供メディアの分散化や検索エンジンアルゴリズムに対応した掲載記事のメンテナンスといったリスク対策に取り組んできた一方、主にGoogle社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更により良質なコンテンツの選別が進んだ結果、主要なメディアの検索ランキングに影響が生じたものの、当社メディアコンテンツの表示順位は一部で回復傾向となりました。また、第3四半期連結会計期間は例年広告需要の高まる時期であり、当第3四半期連結会計期間においてはこうした需要を適切に捉えるとともに、各種クリエイティブの製作についてより慎重にコストマネジメントを行った結果、事業収益には復調の兆しが見えはじめております。
これらの結果、売上高は506,151千円(前年同期比11.9%減)、セグメント利益は260,503千円(前年同期比21.1%減)となりました。
当セグメントでは、連結子会社の株式会社MEモバイルが、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開しており、主力サービスとして、「カシモ(=”賢いモバイル”の略称)」というブランド名のもと、主にモバイルデータ通信のサービスを提供しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、メディア事業との連携により自社通信メディアからの送客を図るとともに、新たに2024年2月から試験的にTVCMを開始するなど他社が運営するメディアの積極的活用を図ったことから新規回線の獲得数は順調に推移しました。また、その保有回線数は2024年3月末日時点において9万回線を超え、引き続き契約回線数の積み上げによる安定的なストック型収入(ユーザーとの契約期間において月ごとに計上される収入)の確保と、新規回線獲得によるショット型収入(新規回線獲得時に一括して計上される収入)の確保により収益拡大を図ってまいります。
これらの結果、売上高は4,881,788千円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益312,202千円(前年同期比16.8%増)となりました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産については、前連結会計年度末に比べて203,108千円増加し、5,056,959千円となりました。これは主に、売掛金の増加428,737千円等に伴う流動資産の増加568,881千円があった一方で、減損損失の計上にともなう有形固定資産の減少159,076千円並びにのれんの減少51,297千円および投資その他の資産の減少144,575千円等に伴う固定資産の減少365,773千円があったことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債については、前連結会計年度末に比べて781,533千円増加し、3,933,484千円となりました。これは主に、短期借入金の調達による増加845,834千円があったことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産については、前連結会計年度末に比べて578,425千円減少し、1,123,475千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失651,324千円の計上によるものであります。
当第3四半期連結累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。