第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等の

リスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間における経済環境は、米国では、個人消費は底堅さを保っているものの、インフレ対策としての金融引き締め効果発現により労働市場の軟化、インフレ鈍化傾向が続いており、全体としては景気拡大ペースの鈍化が継続しています。欧州においても、インフレ対策としての金融引き締め効果発現により、生産、消費活動の低迷が明確となり、内外需ともに経済活動の復調の勢いは乏しい状態が続いています。わが国では、各種政策の効果もあり景気は緩やかに回復しているものの、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等に注視する必要があります。

 このような状況のもと、当社グループは2021年を起点とする5ヵ年の中期計画「中計'21」を策定し、その中で掲げた各種経営指標を実現するため、これまで培ってきた得意分野や独自性、研鑽してきた機能別組織機能、変革・強化を図ってきたガバナンスやコンプライアンス体制をベースに置きながら、取り巻く変化に迅速、かつ柔軟に適応する力を当社グループ全体で強化することに取り組みました。

 この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は127,557百万円(前年同期比1,602百万円減、1.2%減)、営業利益は25,975百万円(前年同期比11,401百万円増、78.2%増)、経常利益は31,880百万円(前年同期比16,078百万円増、101.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は23,058百万円(前年同期比12,174百万円増、111.9%増)となりました。

 

 セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

① タイヤ事業

 北米市場における市販用タイヤについては、インフレの長期化やアジア品を中心とした安価なタイヤの流入があり、販売量は前年度を下回りましたが、OPEN COUNTRY A/T Ⅲ(オープンカントリー・エーティースリー)や昨年上市をしたCELSIUS II(セルシアスツー)などの重点商品は需要が堅調で商品ミックスが改善したため、売上高は前年度を上回りました。

 欧州市場における市販用タイヤについては、採算性を意識した供給戦略の推進に加えて、紅海情勢悪化による物流遅延の影響等を受けて、販売量及び売上高ともに前年度を大きく下回りましたが、値上げや商品ミックスの改善による収益性の改善に努めました。

 国内市場における市販用タイヤについては、国内需要の減少に加え、寒波の影響による夏タイヤへの履き替えの遅れから販売量は前年度を大きく下回りました。新商品PROXES CF3(プロクセス・シーエフスリー)や OPEN COUNTRY(オープンカントリー)シリーズなど付加価値商品の販売への注力、並びに昨年実施した値上げ効果を受けて、価格及び商品ミックスは改善しましたが、販売量の減少が影響し売上高も前年度を大きく下回りました。

 新車用タイヤについては、自動車メーカーの生産は回復基調となりましたが、当社製品装着車種の販売が低調であったことなどにより、販売量及び売上高ともに前年度を大きく下回りました。

 その結果、タイヤ事業の売上高は116,566百万円(前年同期比1,389百万円減、1.2%減)、営業利益は25,654百万円(前年同期比11,041百万円増、75.6%増)となりました。

 

② 自動車部品事業

 自動車部品事業については、自動車メーカーの生産が回復基調となり、自動車部品事業の売上高は10,991百万円(前年同期比208百万円減、1.9%減)、営業利益は314百万円(前年同期は38百万円の営業損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第1四半期連結会計期間末の総資産は660,455百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,974百万円増加しました。これは、主として、棚卸資産や有形固定資産が増加したことによります。

 また、負債は241,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,051百万円減少しました。これは、主として、未払金や未払法人税等が減少したことによります。なお、有利子負債は110,637百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,923百万円増加しました。

 当第1四半期連結会計期間末の純資産は419,224百万円となり、前連結会計年度末に比べ24,025百万円増加しました。これは、主として、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金、円安の影響により為替換算調整勘定が増加したことによります。

 この結果、自己資本比率は63.5%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、当第1四半期連結累計期間において、その内容に重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3,050百万円であります。

 当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更は、次のとおりであります。

 

 当社は、使用原材料の90%にサステナブル原材料を用いたコンセプトタイヤを開発しました。 サステナブル原材料を使用して開発した当社製タイヤにおける、過去最高使用比率は50%であり、これを飛躍的にしのぐ開発内容になります。 今回のコンセプトタイヤには、リニューアブル原材料としてバイオマス由来ブタジエンゴム、バイオマス由来スチレンブタジエンゴム、籾殻灰シリカ、植物由来オイル、バイオマス由来ポリエステル繊維などを採用(全体の約60%)し、リサイクル原材料としては富山大学との共同開発で成功したCO2由来のブタジエンゴムをはじめ、再生カーボンブラック、再生ビードワイヤー、再生スチールコードなどを使用(全体の約30%)しています。

 

〔タイヤ事業〕

 国内市販用タイヤについては、グローバル・フラングシップタイヤブランド「PROXES」シリーズにおいて、低燃費コンフォートタイヤ「PROXES CF3(プロクセス シーエフスリー)」を1月より発売しました。「PROXES CF3」は、低燃費性能とウェットグリップ性能を高次元で両立した商品です。非対称のトレッドパターンを採用することによって機能の分担を図り、制動性と操縦安定性を高め、また静粛性を確保し、スムーズで快適な走りに寄与しています。またコンパウンドにはシリカ分散剤を採用し、転がり抵抗の低減、ウェット性能及び耐摩耗性能の向上に効果を発揮するシリカをより均一に分散させることで、これらの性能を高次元で最適化させています。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。