第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結累計期間(以下、当第2四半期)の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものです。

なお、2023年1月に行われたFazWaz Thailand Co. Ltd,との企業結合、及び、2023年3月に行われたMedios de Clasficados, S.De R.L. de CVとの企業結合について前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当第2四半期に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いております。

 

(1)経営成績の状況

当社グループは「常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念として掲げ、あらゆるステークホルダーに配慮した健全な事業活動を通じ、当社グループの企業価値向上を追求するだけでなく、持続的な社会の発展に貢献することを目指しております。

当期における事業環境は、国内においては、雇用・所得環境に改善の動きがみられること等を背景に、緩やかな回復基調が続いているものの、エネルギー高騰や円安基調の継続等に起因する物価上昇感から個人消費の回復は限定的となっております。

当社の主要な事業領域である建設・不動産業界においては、新築着工件数の減少と、資材・人件費高騰等による新築物件の価格上昇が継続しており、当第2四半期(10月~3月)の全国移動者数は前年から1.4%減少しております。

海外においては、世界的な金融引き締めに伴う影響や海外景気の下振れなどもあり、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

 

このような環境のもと、当社グループは、主力事業であるHOME'S関連事業と海外事業を中心に、中期経営計画(2021年~2025年)の達成に向け収益力の拡大に努め、中長期的な事業成長の継続を目指した積極的な投資を継続すると共に、主力事業へ経営リソースの集中を行っております。2024年2月には、「LIFULLトランクルーム」の運営を行っていた株式会社LIFULL SPACEの株式譲渡を実施しました。

 

これらの結果、当第2四半期の売上収益は17,360百万円(前年同期比、以下同△9.4%)となりましたが、前期に計上されている一時的な地方創生ファンドの売上収益2,117百万円を除くと、前年同期比+309百万円(+1.8%)の増収となっております。

一方で海外事業の売上及び収益性拡大のために経営体制の見直しを行っており、前CEOの退任や体制移行に伴う一時的な費用が発生していることや、国内のHOME'S関連事業の広告宣伝費の投下時期の前年との違い等により、営業利益971百万円(同△43.2%)、税引前四半期利益813百万円(同△48.0%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益119百万円(同△89.4%)と減益となりました。

 

 

また、当第2四半期におけるセグメント毎の売上収益及びセグメント利益(損失△)は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

売上収益

セグメント利益(損失△)

金額

前年同期比(%)

金額

前年同期比(%)

(1) HOME'S関連事業

12,106

1.2

1,095

△17.8

(2) 海外事業

4,079

5.1

△732

(注2)

(3) その他

1,177

△64.6

△252

(注3)

 

(注1) セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

(注2) 前年同期のセグメント損失は223百万円であります。

(注3) 前年同期のセグメント利益は55百万円であります。

 

①HOME'S関連事業

当セグメントは、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」や不動産投資と収益物件の検索サイト「健美家」及び関連事業で構成されています。

当期は前期から引き続き、クライアント・ユーザーへの価値提供の向上と競争力強化に向けて、より一人ひとりにぴったりな住まい探しを提案し成約確度の高い送客を行えるよう、AI技術を活用した新技術の開発や、UX・UIを含むユーザー体験の向上に向けた改修、クライアントネットワークの拡大・強化に取り組んでいます。

当第2四半期では、国内の移動者数がほぼ横ばいの状況の中、各種施策の効果によりトラフィックは順調に進捗しており、売上収益は12,106百万円(前年同期比+1.2%)となりました。期初計画に沿って、繁忙期(2024年1月~3月)にテレビCMやリスティング広告を投下しており、2023年9月期との広告宣伝費の投下時期の違いから、セグメント利益は1,095百万円(同△17.8%)となりました。

 

②海外事業

当セグメントは、主にLIFULL CONNECTが運営する不動産・住宅情報のポータルサイトとアグリゲーションサイト、DXエージェント等により構成されています。

当期も、引き続き成長戦略「Moving to Direct」(ユーザーとクライアントへのサービス提供価値を高めながらDXエージェントビジネス(※)やポータルサイトへの投資を強化する戦略)に注力しており、売上の拡大と収益性の回復に向けて、2023年12月から役員と経営体制の変更を行っております。

※DXエージェントビジネス:テクノロジーを活用した不動産取引。2023年1月より連結したFazWaz Thailand Co. Ltd,を中心に展開。

当第2四半期の売上収益は4,079百万円(前年同期比+5.1%)となりました。2023年1月にFazWaz Thailand Co. Ltd,、2023年3月にMedios de Clasificados, S. De R.L. de CVを連結開始したことが主な増収要因となります。一方で、アグリゲーションサイトの減収に加え、前CEOの退任や体制移行に伴う一時的な費用が発生していることから 、セグメント損失は732百万円(前年同期はセグメント損失223百万円508百万円の悪化)となりました。

ポータルサイトでは営業人員とクライアントネットワーク強化が順調に進捗しておりますが、アグリゲーションサイトで事業環境の変化による世界的なトラフィック減少が継続しており、DXエージェントではエージェントの品質向上のために一時的に採用計画に遅れが生じ、当第2四半期までの計画に遅延が生じております。 

売上収益と収益性の拡大に向けて、経営体制の変更のほか、アグリゲーションサイトでは、トラフィック改善に向けたUX・UIの改修と、新商品の拡販等によるCPC単価の拡大等に取り組んでおります。DXエージェントは、当第2四半期連結会計期間(1月~3月)のエージェント数増加に伴い、足元では成約件数が拡大しております。

 

 

③その他

その他は、老人ホーム・介護施設の検索サイト「LIFULL 介護」、地方創生事業等により構成されています。

当第2四半期の売上収益は1,177百万円(前年同期比△64.6%)、セグメント損失は252百万円(前年同期はセグメント利益55百万円308百万円の悪化)となりました。前期に地方創生ファンドのホテル案件売却により一時的に売上が増加したことによる減収であり、その売上(2,117百万円)を除くと売上収益は前年同期比△2.6%となります。

 

以下の項目等、より詳しい決算内容に関しては、当社投資家情報サイトより、2024年5月14日発表の「2024年9月期 第2四半期決算説明資料」をご覧ください。

参考URL:https://ir.lifull.com/ir/ir-data/

 

<決算説明資料の主な項目>

・営業損益の推移      ・・・ 主な費用の増減要因と売上収益に占める比率の推移等

・サービス別売上収益の推移 ・・・ セグメント別売上収益の推移と増減要因

・業績予想の進捗状況    ・・・ セグメント別売上収益、主な費目毎の業績予想に対する進捗状況

・トピックス        ・・・ セグメント毎の主な取組状況

・四半期毎のデータ     ・・・ 損益計算書(簡易版)、セグメント別売上収益、セグメント別損益

・外部統計データ集      ・・・ マンション発売戸数、マンション価格、新設住宅着工戸数、日本全国移動者数、人口・世帯数

 

 

(2)財政状態

 (流動資産)

流動資産の残高は22,544百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)に比べ519百万円減少しております。主な要因は、現金及び現金同等物減少1,362百万円売掛金及びその他の短期債権増加271百万円その他の短期金融資産増加260百万円、及び、その他の流動資産増加311百万円であります。

 (非流動資産)

非流動資産の残高は28,074百万円となり、前期末に比べ28百万円減少しております。主な要因は、有形固定資産減少77百万円使用権資産減少257百万円のれん増加494百万円無形資産減少397百万円持分法で会計処理されている投資増加48百万円その他の長期金融資産増加410百万円、及び、繰延税金資産減少267百万円であります。

 

以上の結果、当第2四半期末の資産合計は50,619百万円となり、前期末に比べ547百万円減少しております。

 

 (流動負債)

流動負債の残高は11,851百万円となり、前期末に比べ275百万円減少しております。主な要因は、買掛金及びその他の短期債務増加311百万円借入金減少777百万円リース負債増加4百万円未払法人所得税減少46百万円、及び、その他の流動負債増加232百万円であります。

 (非流動負債)

非流動負債の残高は6,159百万円となり、前期末に比べ325百万円減少しております。主な要因は、借入金増加2百万円リース負債減少257百万円、その他の長期金融負債の減少68百万円繰延税金負債減少32百万円、及び、その他の非流動負債増加30百万円であります。

 

以上の結果、当第2四半期末の負債合計は18,011百万円となり、前期末に比べ601百万円減少しております。

 

 (資本)

当第2四半期末における資本の残高は32,607百万円となり、前期末に比べ53百万円増加しております。主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益による利益剰余金の増加119百万円、その他の包括利益によるその他の資本の構成要素の増加557百万円、株式報酬取引による資本剰余金の減少21百万円、非支配持分株主との資本取引による資本剰余金の減少51百万円、及び、剰余金の配当による利益剰余金の減少545百万円等であります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

区分

前第2四半期

連結累計期間

(自 2022年10月1日

至 2023年3月31日)

当第2四半期
連結累計期間

(自 2023年10月1日

 至 2024年3月31日)

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

2,655

△12

△2,668

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△990

74

1,065

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△4,497

△1,593

2,903

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)(百万円)

△2,729

△1,362

1,367

 

 

当第2四半期における現金及び現金同等物(以下、資金)は、15,148百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は12百万円となり、前第2四半期連結累計期間(以下、前第2四半期)の増加した資金2,655百万円と比べ、2,668百万円の減少となりました。主な要因は、税引前四半期利益が813百万円と前第2四半期に比べ750百万円減少したこと、減価償却費及び償却費1,010百万円と前第2四半期に比べ8百万円減少したこと、売掛金及びその他の短期債権の増減額が△145百万円と前第2四半期に比べ613百万円増加したこと、買掛金及びその他の短期債務の増減額が△38百万円と前第2四半期に比べ31百万円減少したこと、その他が△1,232百万円と前第2四半期に比べ2,524百万円減少したこと、及び、法人所得税の支払額が491百万円と前第2四半期に比べ73百万円減少したこと等であります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は74百万円となり、前第2四半期の減少した資金990百万円と比べ、1,065百万円の増加となりました。主な要因は、前第2四半期は子会社の取得による支出1,096百万円関連会社の売却による収入858百万円それぞれ発生していたこと、当第2四半期は資本性金融資産の取得による支出98百万円子会社株式の売却による収入939百万円関連会社株式の取得による支出124百万円それぞれ発生したこと、有形固定資産の取得による支出が51百万円と前第2四半期に比べ32百万円減少したこと、無形資産の取得による支出が57百万円と前第2四半期に比べ263百万円減少したこと、貸付による支出が1,567百万円と前第2四半期に比べ264百万円増加したこと、貸付金の回収による収入が997百万円と前第2四半期に比べ78百万円増加したこと、及び、その他34百万円と前第2四半期に比べ1百万円減少したこと等であります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は1,593百万円となり、前第2四半期の減少した資金4,497百万円と比べ、2,903百万円の増加となりました。主な要因は、前第2四半期は自己株式の取得による支出1,000百万円発生していたこと、当第2四半期は長期借入れによる収入100百万円非支配持分からの子会社持分取得による支出65百万円非支配持分からの払込による収入100百万円それぞれ発生したこと、短期借入れによる収入300百万円と前第2四半期に比べ200百万円増加したこと、短期借入金の返済による支出914百万円と前第2四半期に比べ585百万円減少したこと、長期借入金の返済による支出200百万円と前第2四半期に比べ1,177百万円減少したこと、配当金の支払額544百万円と前第2四半期に比べ248百万円増加したこと、及び、非支配持分への配当金の支払額1百万円と前第2四半期と比べ54百万円減少したこと等であります。

 

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第2四半期の研究開発費の総額は64百万円であります。

 

(6)従業員数

当第2四半期において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。