第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する中、個人消費に足踏みが見られるものの景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、全般的な物価の上昇に加え、地政学的リスクの長期化や欧米各国の金融引き締めによる世界経済の後退が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当アパレル・ファッション業界におきましては、生活防衛意識の更なる高まりによる個人消費の減速が懸念されるものの、円安を背景としたインバウンド需要が拡大するなど、総じて回復基調で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは、2024年を初年度とする中期経営計画(2024年~2028年)を策定し、「収益基盤の更なる拡大」、「資本政策の充実化」、「ESG戦略の強化」に着手し、安定的な利益構造の確立に向けた事業戦略に取り組んでおります。安定した事業基盤の構築として、主力ブランドの新規出店やブランド価値向上を目的としたイベントの実施にも注力してまいりました。

その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は139億3千9百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は9億3千2百万円(前年同期比21.2%減)、経常利益は10億1千万円(前年同期比23.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6億6千8百万円(前年同期比23.3%減)となりました。

 

セグメント別の業績の概況は次のとおりであります。

 

(アパレル関連事業)

「日本」につきましては、主要インポートブランドにおける価格改定を前にした前期末の駆け込み需要の反動もあり、年初は厳しいスタートとなりました。その中で、主力ブランドである「A.P.C.」や「マリメッコ」において新規出店を推し進め、「マリメッコ」においては、ブランドを象徴するウニッコ柄誕生60周年にあたり、日本初のランウェイショーを開催するなど、ブランド価値向上に取り組むとともに、日本限定商品を発売したこともあり、店頭での販売が好調に推移いたしました。「A.P.C.」においては、インバウンド需要を継続的に取り込むことができた結果、売上高が堅調に推移いたしました。EC事業においても、「マリメッコ」のウニッコ柄60周年記念商品を販売するなどの施策により売上高が拡大いたしました。しかしながら、3月の気温が例年より低かった影響によりアパレルブランドの春物販売に苦戦したほか、専門店からの受注減により卸売販売が減少した結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は65億7千8百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益は6億1千7百万円(前年同期比18.1%減)となりました。

「韓国」につきましては、韓国経済において輸出の回復に伴い景気不振の緩和傾向は見られるものの、依然として消費動向は低調な推移となっております。株式会社アイディールック、株式会社アイディージョイにおきましては、例年に比べ、3月の気温が上がらず春物販売に苦戦するなど百貨店インショップの売上高は減少しましたが、アウトレットでのセール販売や自社ECサイトでの売上高は堅調に推移いたしました。この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は69億1千3百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は4億3千8百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

「欧州」につきましては、主にイタリアの直営店が、アジアからの観光客の増加などにより順調に推移いたしました。一方、主力の卸売事業においては、地政学リスクが長期化している中東地域や欧州域内の受注額が大きく減少した結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は7億2千6百万円(前年同期比39.8%減)、営業損失は9千8百万円(前年同期は1億6百万円の営業利益)となりました。

 

「その他海外」(米国)につきましては、米国において「イル ビゾンテ」の小売事業、卸売事業いずれも堅調に推移いたしました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は9千3百万円(前年同期比14.7%増)、営業損失は1千万円(前年同期は2千万円の営業損失)となりました。

これらの結果、アパレル関連事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は143億1千2百万円(前年同期比1.5%減)、営業利益は9億4千6百万円(前年同期比27.6%減)となりました。

 

(生産及びOEM事業)

「生産及びOEM事業」につきましては、株式会社ルックモードにおいて、グループ内の売上高が減少した一方、外部受注が増加した結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は7億3千3百万円(前年同期比1.8%増)となりましたが、製造費用等が増加した結果、営業利益は3千1百万円(前年同期比23.5%減)となりました。

 

(物流事業)

「物流事業」につきましては、株式会社エル・ロジスティクスにおいて、グループ内への売上高が減少した結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は3億6百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は2千3百万円(前年同期比2.3%減)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、商品及び製品が12億3千7百万円、投資有価証券が16億1千4百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ35億8千5百万円増加し、604億4千4百万円となりました。

負債は、借入金が12億1千2百万円減少しましたが、15億円の社債を発行したことに加えて、支払手形及び買掛金が6億2千9百万円、繰延税金負債が5億9千8百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ14億9千7百万円増加し、239億3千2百万円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金が10億2千8百万円、為替換算調整勘定が7億7千9百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ20億8千7百万円増加し、365億1千1百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は60.4%となりました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当第1四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。