【要約四半期連結財務諸表に関する注記事項】
1.報告企業
花王株式会社(以下、当社)は、日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、本社は東京都中央区に所在しております。
当社及びその子会社(以下、当社グループ)は、ファブリックケア製品、ホームケア製品、サニタリー製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、パーソナルヘルス製品、ライフケア製品、化粧品の一般消費財及びオレオケミカルや界面活性剤等の化学品を製造し、当社グループの販売会社や取引先等の国内外のネットワークを通じて、製品をお客様へお届けすることを主な事業としております。その詳細については、注記「5.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2の「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。
要約四半期連結財務諸表は、年度の連結財務諸表で要求されている全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものであります。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。
3.重要性がある会計方針
当社グループの要約四半期連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定並びに報告期間の末日現在の偶発事象の開示等に関する経営者の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は過去の実績及び報告期間の末日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は経営者により継続して見直しております。会計上の見積り及び仮定の見直しによる影響は、その見積りを見直した期間及びそれ以降の期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.セグメント情報
各報告セグメントの主要な製品は、以下のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
(注1) 営業利益(又は損失)の調整額(220)百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
(注1) 営業利益(又は損失)の調整額(877)百万円には、セグメント間取引に係る棚卸資産の調整額等の消去のほか、各報告セグメントに配分していない全社費用が含まれております。
(注2) セグメント間の内部売上高及び振替高は、主に市場価格や製造原価に基づいて算出しております。
6.企業結合
(1) 企業結合の内容
被取得企業の名称:ボンダイサンズ社
事業内容:セルフタンニングや日やけ止め、スキンケア商品等の開発、販売
取得日:2023年11月1日
取得企業が被取得企業の支配を獲得した方法:現金を対価とする株式の取得
被取得企業に関して取得した議決権比率:100%
(2) 企業結合の主な理由
ボンダイサンズ社は、セルフタンニングや日やけ止め、スキンケア商品等を、オーストラリア・英国・米国など32カ国を中心に展開しており、その品質の高さやサステナブルな取り組みにより、消費者の高い支持を得ております。
当社グループは、中期経営計画においてスキンケア事業を成長ドライバーのひとつに位置付けています。今般、ボンダイサンズ社を買収することにより、スキンケア事業の中でも“紫外線等の外部環境から肌を守る「スキンプロテクション領域」”に注力し、まずは、日やけ止め及びセルフタンニング市場においてグローバルで確固たる地位を確立していきます。当社グループがこれまで培ってきた日本市場でのUVケア技術とアメリカ市場でのセルフタンニング技術も活用することで、グローバルでの事業ポートフォリオの拡充を図り、さらなる事業成長を目指します。
(3) 被取得企業の取得原価及びその内訳
被取得企業の取得原価 41,247 百万円
取得原価の内訳 現金 41,247 百万円
買収契約に基づく最終支払額が未確定であるため、取得原価は確定しておらず暫定的な金額であります。
(4) 企業結合日における資産及び負債の公正価値
流動資産 5,682 百万円
商標権 15,587 百万円
顧客関係 3,616 百万円
その他の非流動資産 1,231 百万円
資産合計 26,116 百万円
流動負債 8,704 百万円
固定負債 976 百万円
負債合計 9,680 百万円
取得原価の配分が完了していないため、現時点で入手可能な情報に基づいて算出された暫定的な公正価値であります。
(5) 発生したのれんの金額等
発生したのれんの金額 20,961 百万円
のれんを構成する要因
当該企業結合により生じたのれんは、新たに獲得したブランド、製品、販売網を活用することによる将来の超過収益力を反映しております。
認識したのれんの一部は、税務上損金算入可能と見込んでおります。
のれんの金額は、取得原価の確定及びその配分が完了していないため、暫定的に算出された金額であります。
(6) 取得した事業の売上高及び利益
当該企業結合に係る取得日以降の損益情報は、要約四半期連結損益計算書に与える影響額に重要性がないため記載しておりません。
7.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
要約四半期連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物の残高は、一致しております。
8.有形固定資産及びコミットメント
有形固定資産の取得及び、売却又は処分の金額は、前第1四半期連結累計期間においてそれぞれ、14,064百万円、289百万円、当第1四半期連結累計期間においてそれぞれ、15,829百万円、981百万円であります。
有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、前連結会計年度末、当第1四半期連結会計期間末においてそれぞれ、20,975百万円、30,113百万円であります。
9.配当金
配当金の支払額は、以下のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
(注) 配当金の総額のうち、持分法適用関連会社が保有する自己株式に係る配当金の持分相当額及び役員報酬BIP信託が保有する当社株式に係る配当金を控除しております。
なお、控除前の金額は、34,470百万円であります。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
(注) 配当金の総額のうち、持分法適用関連会社が保有する自己株式に係る配当金の持分相当額及び役員報酬BIP信託が保有する当社株式に係る配当金を控除しております。
なお、控除前の金額は、34,936百万円であります。
10.収益
当社グループは、コンシューマープロダクツ事業部門を構成する4つの事業分野(ハイジーン&リビングケア事業、ヘルス&ビューティケア事業、ライフケア事業、化粧品事業)及びケミカル事業部門の5つの事業を基本にして組織が構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの5事業で計上する収益を売上高として表示しております。なお、物流受託業務で計上する物流受託収益は、上記5事業に含まれないため、その他の営業収益に含めて表示しております。
当社グループは、顧客との契約から生じる収益を顧客との契約に基づき、コンシューマープロダクツ事業を化粧品事業と化粧品事業以外に区分するとともに、ケミカル事業を区分して分解しております。また、地域別の収益は、販売元の所在地に基づき分解しております。これらの分解した収益とセグメント売上高との関連は、以下のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2023年1月1日 至 2023年3月31日)
(百万円)
(注) コンシューマープロダクツ事業の売上高は、外部顧客への売上高で表示しており、ケミカル事業の売上高は、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めて表示しております。
当第1四半期連結累計期間(自 2024年1月1日 至 2024年3月31日)
(百万円)
(注) コンシューマープロダクツ事業の売上高は、外部顧客への売上高で表示しており、ケミカル事業の売上高は、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めて表示しております。
11.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
12.その他の営業収益
その他の営業収益の内訳は、以下のとおりであります。
13.その他の営業費用
その他の営業費用の内訳は、以下のとおりであります。
14.金融収益
当社グループでは、為替差益を金融収益に含めて表示しております。前第1四半期連結累計期間において金融収益に為替差益345百万円、当第1四半期連結累計期間において金融収益に為替差益1,262百万円が含まれております。
15.1株当たり利益
(注)当第1四半期連結累計期間の希薄化後1株当たり四半期利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
16.金融商品
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値
レベル2・・・レベル1以外の資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は、以下のとおりであります。
(ⅰ)短期投資(償却原価で測定される短期投資を除く)
短期投資は現金及び現金同等物に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。短期投資は主に公社債投信及び金銭の信託であり、その公正価値は金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅱ)デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債は、それぞれその他の金融資産及びその他の金融負債に含まれ、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産及び金融負債に分類しております。これらは為替予約、通貨スワップ及び金利スワップ等であり、主に外国為替相場や金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅲ)株式
株式はその他の金融資産に含まれ、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しております。レベル3に区分されているものは非上場株式であり、主として純資産に基づく評価モデル(株式発行会社の純資産に基づき、時価評価により修正すべき事項がある場合は修正した金額により、企業価値を算定する方法)等により測定しております。
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の末日において認識しております。なお、前連結会計年度及び当第1四半期連結会計期間において、レベル1、2及び3の間の振替はありません。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当第1四半期連結会計期間(2024年3月31日)
レベル3に分類された金融商品の期首から四半期末までの変動は、以下のとおりであります。
(注)利得又は損失はすべて、各報告期間の末日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に関するものであります。これらの利得又は損失は要約四半期連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動」に認識されております。
レベル3に分類されている金融商品は、主に非上場株式により構成されております。非上場株式の公正価値は、当社グループの担当部門がグループ会計方針等に従って、四半期ごとに入手可能な直前の数値を用いて測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告がなされ、必要に応じて経営者にも報告がなされております。
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は、以下のとおりであります。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は、以下の表に含めておりません。
(ⅰ)現金及び現金同等物(公正価値で測定される短期投資を除く)、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
これらは短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値と近似しております。
(ⅱ)社債及び借入金
社債の公正価値は、市場価格に基づいております。借入金の公正価値は、残存期間における元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
償却原価で測定される主な金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(2023年12月31日)
当第1四半期連結会計期間(2024年3月31日)
17.重要な後発事象
該当事項はありません。
18.要約四半期連結財務諸表の承認
本要約四半期連結財務諸表は、2024年5月14日に、当社代表取締役社長執行役員 長谷部 佳宏及び当社執行役員会計財務部門統括 牧野 秀生により承認されております。