第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

当第1四半期における世界経済は、米国を中心に経済活動の正常化が徐々に進みつつありますが、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や米中緊張関係の継続による資源高や世界的なインフレ等による諸コストの高騰、中国経済の回復遅延や投資活動の抑制、新興国における外貨不足など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

一方、AI/IoT/5G/VR等技術革新の加速や、Afterコロナの市場/顧客の変化によるビジネス展開が進展しており、このようなニューノーマルな環境に対応した新しいビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております。また“持続可能な開発目標(SDGs)” を受け、長期的な展望で持続可能な社会の実現に向けた取り組みは社会全体で更に加速しております。

当社を取り巻く事業環境は、今年度の前半は中国・東南アジアにおける需要回復の遅れや新興国における外貨不足による設備投資の遅れの継続が懸念される一方で、年間ではインド以西、中南米、東欧、アフリカなどの成長する経済圏における設備投資需要の拡大が見込まれ、また新技術の活用による新たなビジネスチャンスに繋がる動きも益々活発化、具体化しています。

このような事業環境の中、当第1四半期は、米国の自動車ストライキ、ロシア・ウクライナ紛争長期化の影響などにより欧米の売上が伸び悩む一方で、インド以西等一部地域での売上が回復し始めたことなどにより、売上高は232億3千7百万円(対前年比5.8%増)となりました。

また、財務体質健全化の観点からコロナ以降の世界的な部品供給や物流の混乱を受け部品確保のため積み上がった在庫の削減に努めました。その結果、工場稼働率の低下により生産における利益面はマイナスになりましたが、在庫は前連結会計年度での55億5百万円の削減に続き当第1四半期も前連結会計年度末に比べ8億2千1百万円の減少となりました。

また、厳しい事業環境への対応として、生産コストや物流費の削減、販売拠点の人員削減等のコスト構造改革を徹底するとともに、将来のスリムで高効率な事業構造を構築するため、中国における工場再編と各地域の販社の統合等を推進しております。

利益面につきましては、上記のとおり生産減の影響はありましたが、コスト構造改革で固定費を削減したことなどにより、営業損失は1億4千5百万円(前年同期は11億9千万円の損失)、経常損失は5億8千1百万円(前年同期は14億9千6百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は8億3千3百万円(前年同期は13億8千5百万円の損失)となりました。

 

(主なセグメント別の概況)

①縫製機器&システム事業

工業用ミシンの売上高は、米国の自動車ストライキ、ロシア・ウクライナ紛争長期化の影響などにより欧米の売上が伸び悩む一方で、インド以西等一部地域での売上が回復し始めたことなどにより、縫製機器&システム事業全体の売上高は150億8百万円(対前年比11.5%増)となりました。

利益面においては、生産減の影響はありましたが、コスト構造改革で固定費を削減したことなどにより、セグメント損失(経常損失)は5億4千2百万円の損失(前年同期は12億5千9百万円の損失)となりました。

 

 

②産業機器&システム事業

産業装置の売上は、欧米では前年比では売上を伸ばしましたが中国の売上が伸び悩み、全体の売上は前年比減収となりました。また、国内を中心とした受託加工等のグループ事業の売上も、前年比低調に推移しました。この結果、産業機器&システム事業全体の売上高は81億4千6百万円(対前年比3.0%減)となりました。

利益面においては、固定費の削減や円安の効果もあり、セグメント利益(経常利益)は8千4百万円(前年同期は1億2千7百万円の損失)となりました。

 

(2) 財政状態

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産が減少する一方で売上増に伴い売掛金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ22億4千7百万円増加して1,415億5千1百万円となりました。負債は、買掛金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ16億4百万円増加して1,085億3千7百万円となりました。純資産は、純損失や配当金支払により利益剰余金が減少する一方で、為替換算調整勘定が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ6億4千3百万円増加して330億1千4百万円となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、9億7千3百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社間の吸収合併)

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、米国の完全子会社であるJUKI AMERICA,INC.を存続会社、同じく米国の完全子会社であるJUKI AMERICAS HOLDING INC.及びJUKI AUTOMATION SYSTEMS,INC.を消滅会社とした吸収合併をすること、並びに、中国の完全子会社である重機(中国)投資有限公司を存続会社、同じく中国の完全子会社である東京重機国際貿易(上海)有限公司を消滅会社とした吸収合併をすることを決議し、同日付で合併契約を締結いたしました。

 

(連結子会社における固定資産の譲渡)

当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、連結子会社である重機(上海)工業有限公司が保有する固定資産を譲渡することについて決議いたしました。

 

詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)及び(重要な後発事象)」をご参照ください。