第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「サブスクで世の中を豊かに」をパーパスとして掲げ、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネス支援に特化したサービスとして「サブスクストア」「たまごリピート」「サブスクストアB2B」「サブスクアット」を提供するとともに、事業成長を支援するソリューションをさらに拡大・充実させ、サブスクリプションビジネスの成功に欠かせない“サブスク総合支援企業”を目指します。

 

(2) 経営環境及び経営戦略等

 当社グループの事業に関連する国内電子商取引市場は、「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、2022年のBtoC-EC市場規模が前年比9.91%増の22.7兆円、BtoB-EC市場規模が前年比12.8%増の420.2兆円となりました。また、ECの普及率を示す指標であるEC化率も、BtoC-ECで9.13%、BtoB-ECで37.5%と増加傾向が続いており、商取引の電子化は引き続き進展していくものと見込まれます。

 このような経営環境のもと、当社グループは、経済環境が悪化した中でも安定した収益を確保しやすいサブスクリプションビジネスを総合的に支援するとともに、顧客の事業成長に貢献し続けることが成長の鍵だと考え、①ターゲット領域の拡大、②サブスクバリューチェーンの拡充という事業戦略を推し進め、サブスクリプションビジネスを総合的に支援するとともに、顧客の事業成長に貢献し続けることで事業成長を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するために客観的な指標等  

当社グループは、継続的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び経常利益を重視しており、投資対効果を適切に図る観点から以下の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

・1人当たり売上高 20,000千円

・売上高営業利益率   20%

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、環境の変化に敏感に対応しながら以下の経営課題に取り組んでまいります。

 既存領域での着実な成長

 当社グループは、主にSaaS方式によるサブスクリプションサービスを提供しており、顧客のニーズの変化に応えるべく継続的なサービスの改善に努めてまいりました。今後においても、既存領域での継続性が収益拡大の基盤として必要不可欠なものであると考えております。
 そのため、引き続き継続的なサービス機能の拡充、ユーザビリティの向上、保守体制の強化等に努め、サービスの価値と信頼性をさらに高めていくことで、既存領域での着実な成長を図ってまいります。

 

② ターゲット領域の拡大
 当社グループのさらなる成長を実現するためには、当社グループのサービスを導入する顧客セグメントを拡大していくことが必要であると考えております。
 当社グループにおいて主要な顧客セグメントである化粧品・健康食品の顧客セグメントに加えて、短期的にはリピート通販において今後の成長が見込まれる食品や生活雑貨といった顧客セグメントの開拓に注力するとともに、中長期的には、デジタルコンテンツ、シェアリングサービス、BtoBサブスクなど、サブスクリプションビジネス全般をターゲット領域とし、拡大を図ってまいります。
 また、顧客の事業規模にも着目し、パートナーシップやアライアンスを強化し、エンタープライズ領域での販売網や顧客支援体制を拡充するとともに、アーリーステージ領域の顧客に対しては、アーリーステージ向けの競争力強化とプロモーションを行い、拡大を図ってまいります。

 

③ サブスクバリューチェーンの拡充
 当社グループのさらなる成長を実現するためには、顧客の成長事例を輩出し、多くの事業者が参入する好循環を作り、さらにサブスクリプションビジネスを拡大させることが必要であると考えております。
 そのため、当社グループの支援領域を拡大し、カートシステムの提供にとどまらず、広告、コールセンター、物流、運営代行なども含めた総合的な支援を行い、顧客のサブスクリプションビジネスの成功を実現することで、様々なサブスクリプションビジネスのニーズに対し、多様なソリューションを提供し、サブスクバリューチェーンの拡充を図ってまいります。

 

④ 新規事業の創出による事業規模の拡大
 当社グループは、急激な事業環境の変化にも対応しながら収益を拡大していくためには、新たな収益源の創出による事業規模の拡大が必要であると考えております。そのために、顧客の潜在的なニーズをいち早く読み取り、新規事業の創出に積極的に取り組むことで、さらなる事業規模の拡大を図ってまいります。
 
⑤ 他企業との業務提携やM&Aの活用
 当社グループは、既存事業の発展や新規事業の創出をスピーディに実現していくためには、他企業との業務提携やM&Aなどの手段が有効であると考えております。そのため、今後の事業展開においても、引き続き他企業との提携等の可能性を常に考慮に入れたうえで進めてまいります。
 
⑥ 技術革新への対応
 当社グループは、情報技術の進歩や革新に対して適時に対応を進めることが、事業展開上重要な要素であると認識しております。
 そこで当社グループは、業界内の主要ベンダーや技術コミュニティから発せられる最新の情報を定期的に入手し、自社サービスに最新の技術を迅速に反映させることで、サービスの競争力や安定性を確保していく方針であります。
 
⑦ 人材の拡充と社員の能力の向上
 当社グループの今後の成長のためには、高い専門性を有する人材の獲得に加え、その能力の継続的な向上が不可欠であると考えております。
 事業の拡大やサービスの多様化により、必要な人材を十分に確保することが重要な経営課題となっております。そのため、積極的な人材採用活動はもちろんのこと、実力・能力主義の報酬体系の実施、教育研修制度の充実、業務の効率化、外部ノウハウの活用などの取り組みによって、人材の拡充と能力の向上を図ってまいります。
 
⑧ 情報管理体制の強化 
 当社グループは、インターネットを経由するSaaS方式でのサービスを展開しており、様々な情報資産を保持していることから、情報管理体制の強化は重要課題と認識しております。
 そのため、機密情報を取り扱う際の業務フローや社内規程の整備、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等により、引き続き情報管理体制の強化を行ってまいります。なお、情報資産を適切に管理するために、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。
 
⑨ 内部管理体制の強化
 当社グループは、企業価値の持続的な向上を実現するためには、コンプライアンスの徹底およびコーポレート・ガバナンスの強化が重要であると考えております。今後も、コンプライアンス体制の充実や内部統制システムの整備・運用などを通じて、内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサスティナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、サステナビリティに関する方針、重要事項については、業務執行取締役及び部長等を構成メンバーとする経営会議で審議のうえ、対応策の推進を図っております。また、重要な課題は、経営会議参加者を主体とする経営合宿で議論し、対応策を検討するとともに、取締役会の中で取り上げ、議論、決議することとしております。なお、経営会議は原則、週次の開催、経営合宿は四半期に1回の開催としております。

 

(2)戦略

 当社は「サブスクで世の中を豊かに」というパーパスのもと、サブスクに特化したテクノロジーとノウハウで事業者支援を行い、サブスクで世の中を豊かにすべく、事業を展開しております。サブスクリプション型のビジネスモデルには収益が安定するなど事業運営上のメリットがあることはもちろんのこと、需要の予測が立てやすく計画的で無駄の少ない生産を実現し、廃棄ロスを削減するなど、エコロジカルな世界の実現にも貢献すると、当社は考えております。当社が事業成長し、事業者の支援領域を拡大することで、パーパスを実現し、サステナビリティを巡る課題にも対応してまいります。

 そして、当社が事業を成長させ、パーパスを実現するためには、当社社員がパーパスに共感するとともに、9つの行動指針(※)を体現する人材を育成していくことが最も重要であると認識しております。 

(※)9つの行動指針

・強みを作ってとがらせる

・なぜなぜ思考を深める

・スピーディーに行動する

・変化と失敗を恐れずチャレンジする

・相手の期待値を超える行動をする

・みんなのためにぶっちゃけ合う

・当事者として取り組む

・ポジティブを伝播する

・利他的に行動する

 パーパスに共感し、9つの行動指針を体現する人材を育成することが、継続的にマーケットを開拓し、顧客のニーズにあったサービスを提供し続けることを可能とし、持続可能な企業価値の向上を推進すると考えており、その考えから、以下の施策を行っております。

 

①テモイズムフォーラムの開催

テモイズムとは、当社のパーパス・戦略・行動指針の3つの総称になります。このフォーラムは、テモイズムについて、疑問や解釈を話し合い、理解を促進し、自らの成長につなげ、それらを共有する場となります。テモイズムフォーラムがパーパスの浸透と成長を実感する場として存在しており、さらには部門横断的なコミュニケーションの促進など組織の活性化にもつながっております。なお、テモイズムフォーラムは、全社員を対象に、部門や役職を横断した形で5~6名を1つのチームとし、毎月1回、1回あたり90分間で開催しております。

また、テモイズムという価値観の醸成に加え、当社では、「人」が最大の財産と考え、持続的な成長を実現するための組織構築に資する人的資本の形成のため、以下の施策を行っております。

 

②全社員が参加するグループディスカッション

グループディスカッションとは、「みんなのためにぶっちゃけ合う」という当社行動指針の価値観のもとに、グループ・会社・事業の成長のために必要なことをぶっちゃけて話す場となります。なお、グループディスカッションは当社の組織単位であるグループごとに半期に1回開催しており、集まった全社的な課題に対しては、全グループ長による課題検討会で審議の上、経営会議・経営合宿で最終検討され、各種課題に対する対応の推進を図っております。

 

③自主的な社内改革を促すUnity活動

Unity活動とは、従業員自らがチャンスを得る環境を作るため、ELTV(※)の向上を目指し、現場からの改善活動を行う組織の活動です。Unityは有志により運営されており、ELTV向上のため、研修制度、コミュニケーション活性化のイベント企画、業務効率化のためツール導入など様々な社内改革を推進しております。また、Unityには独自の予算割当があり、早期から予算執行の経験をすることで次世代育成にもつながっております。

(※)ELTV

当社は、ELTVを「Employer Lifetime Value(会社が従業員に与える価値)」「Employee Lifetime Value(従業員が会社に与える価値)」として双方向の価値提供と定義しております。

 

④人材採用と登用

当社は、性別や国籍、新卒採用者・中途採用者に関係なく、能力や適性を重視し人物本位で人材を採用しております。持続的な成長と企業価値向上を実現するために多様な視点や価値観を尊重することが重要と考え、経験・技能・キャリアが異なる人材が活用できるよう社内環境整備に努めております。また、現在当社は比較的小規模な人員構成で運営されており、管理職への登用は、スキル・経験等を総合的に判断しております。そのため、管理職の女性比率に対する具体的な目標は定めておりませんが、多様性確保の観点から、女性の新卒採用比率は一定の指針を持って運営しており、引き続き、人材採用・育成及び社内環境整備に努めていくこととしております。

 

⑤社内環境整備

当社は、「働きやすい環境づくり」として、フレックス制度や時間休制度、福利厚生や各種制度充実による従業員の働き方の裁量やライフワークバランスを向上させる取組みを行っております。また、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、社員間のコミュニケーション活性化や連携をより強化するために出社による働き方も試行し、現在は、週3日の出社制度へとハイブリッド型での働き方に移行しております。出社頻度の増加に際しては、従来からの施策である社内のBar利用制度を活性化させるとともに、Unityの一貫としてコミュニケーションの活性化施策の強化などを実施しております。さらに、タレントマネジメントによる労働時間や体調管理、従業員エンゲージメントサーベイ等のデータ分析を行い、事故の発生の防止や未病対策に努めております。

 

(3)リスク管理

 当社は、事業運営及び事業継続に関わるビジネスリスクに対して、情報の収集体制を整えるとともに、業務フローの改善や規程等の制定などにより、リスクの抽出及び対応方針の検討・決定を行い、適切なリスクマネジメントを行うための体制を構築しております。

 また、経営視点での事業運営及び事業継続に関わるビジネスリスクだけでなく、当社従業員目線でのリスク収集体制として、半期に1回、各グループ単位で全社員が参加するグループディスカッションを開催し、リスクの収集とその改善策を検討し、集まった課題に対して、全グループ長による課題検討会で審議し、経営会議・経営合宿での最終検討のうえで各種課題に対する対応の推進を図ることとしております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、インターネットを中心としたサービス提供という特性を鑑みて、当社グループの事業活動が気候変動等のサスティナビリティに直接的な影響を及ぼす可能性は限定的と考え、リスクに関する指標及び目標は定めておりませんが、持続的な成長を実現するための組織構築に資する人的資本の形成のための指標に関する目標及び実績は次の通りであります。

指標

目標

実績(当事業年度)

新卒採用に占める女性労働者の割合

40%

47%

社員の有休消化率

80%

70%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは、当社の事業活動を理解する上で重要であると考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。また、以下の記載はすべてのリスク要因を網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① ビジネスモデルに関するリスク

当社グループのビジネスモデルは、インターネット環境が進化することにより、EC市場等のインターネット関連市場が今後も拡大していくことを事業展開の前提と考えて、構築しております。仮に、新たな法的規制の導入、技術革新の停滞、通信コストの改定等の予期せぬ要因によりインターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② EC市場について

EC市場は、インターネットの普及に伴い市場規模の拡大を続けております。当社グループでは今後もEC市場が拡大することを想定しております。しかしながらEC市場を取り巻く法規制強化や、トラブルの発生等により、当社グループの期待通りにEC市場が発展しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合サービスについて

当社グループは、EC市場を主たる事業領域としておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① サービス機能の充実について

当社グループは、顧客のニーズに対応するため、「サブスクストア」、「たまごリピート」、「サブスクストアB2B」及び「サブスクアット」のサービス機能拡充を進めております。しかしながら、今後、利用顧客のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 「サブスクストア」、「たまごリピート」、「サブスクストアB2B」及び「サブスクアット」のロイヤリティ収入について

当社グループが提供する「サブスクストア」、「たまごリピート」、「サブスクストアB2B」及び「サブスクアット」では、決済代行事業者など、様々なパートナーからのロイヤリティ収入により収益を上げております。したがって、当該パートナーの経営状態に問題が生じた場合、当社グループへのロイヤリティ収入の減少へとつながり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 「サブスクストア」、「たまごリピート」及び「サブスクアット」利用企業の属する市場に関するリスク

当社グループが提供する「サブスクストア」、「たまごリピート」及び「サブスクアット」の利用企業の多くは、健康食品・サプリメント、化粧品といった消耗品を扱っております。そのため、健康食品・サプリメント、化粧品といった市場を取り巻く法規制等の強化や改正等により、これら消耗品等の定期通販市場が発展しない場合や当該市場が予期せぬ事象により縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 外注先に関するリスク

当社グループが提供する「サブスクストア」、「たまごリピート」及び「サブスクストアB2B」は、サーバー及びサーバーを設置するラックの供給を外注先に依存しております。当該外注先は、入退室時の情報管理等の管理体制が整備された防災装置・安全対策等を行っているデータセンターを運営する信頼性の高い業者に限定しております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や不法行為などが生じ、当該外注先の役務提供の遅れや提供不能などの事態が生じた場合には、当社グループもサービス提供の遅れや提供不能などの事態が生じるおそれがあり、その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ プログラム不良によるリスク

開発したプログラムの不具合を原因として、システム動作不良等が発生し、当社グループの提供するサービスが中断または停止する可能性があります。当社グループでは、システムの開発にあたり、綿密な開発計画の策定からテストの実施まで十分な管理を行っており、可能な限りこのような事態の発生を未然に防ぐための開発体制の構築に努めております。しかしながら、このような事態が発生した場合には、当社グループの提供サービスに対する信頼が失われ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ システムに関するリスク

当社グループが提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されております。サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンターでのシステム運用を行っておりますが、不正手段による当社グループのシステムへの侵入、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害、地震・津波等の自然災害及び火災・事故・停電等の予期せぬ事象の発生によりサーバーがダウンした場合等には、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害の賠償金の支払等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 保有しているビッグデータについて

当社グループが提供するサービスは、分析基盤となるビッグデータを保有しております。今後の事業展開において、保有しているビッグデータを用いることで、ユーザーターゲティングを行う等のビッグデータを用いたサービス展開を強化していく予定でありますが、予期せぬシステム障害のため、保有しているビッグデータを消失した場合、当初の計画していた事業計画を変更しなければならず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 知的財産権に関するリスク

当社グループは、第三者の特許権、商標権等の知的財産権に関して、外部の弁理士などを通じて調査する等、その権利を侵害しないよう留意するとともに、必要に応じて当社の知的財産権の登録等について申請することで、当該リスクの回避を検討しております。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性や当社の事業分野で第三者による知的財産権が成立する可能性があること等から、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性は否定できず、仮に当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より、損害賠償請求、使用差し止め請求、ロイヤリティの支払い要求などが発生する可能性があり、その場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 個人情報・機密情報について

当社グループはその事業運営に際し、関係者の個人情報及び機密情報を少なからず保有しており、当社グループの個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されます。そのため、当社グループでは個人情報を取り扱う際の業務フローや社内体制を明確化し、個人情報管理に関する規程を制定しております。併せて役員及び従業員を対象とした社内教育を通じて、関連ルールの存在を周知徹底し、意識の向上を図り、2014年7月にプライバシーマークを取得し、2019年3月にISMS認証を取得しております。

しかしながら、個人情報が当社グループの関係者や業務提携先の故意又は過失により、外部へ流出もしくは悪用される事態が発生した場合には、当社グループが損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社グループ並びに運営サービスの信頼性やブランドが毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 新規事業について

当社グループは今後も、積極的に新サービスもしくは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、展開した新領域での新規事業の拡大・成長が当初の予定どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

① 人材について

当社グループは、小規模組織であり、現状、内部管理体制もこの規模に応じたものになっておりますが、今後、事業拡大に伴い、積極的な採用活動を行っていくとともに、従業員の育成に取り組み、人員の増強を進め、内部管理体制の一層の拡充を図る方針であります。しかしながら、優秀な人材をタイムリーに獲得することは容易ではないため、必要な人材を採用できない、あるいは採用が遅れた場合には、適切かつ充分な組織対応ができず、効率的な事業運営に支障をきたす可能性があります。また、各部署において相当数の従業員が、短期間のうちに退職した場合にも、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の経営者への依存について

当社グループの代表取締役社長である佐川隼人は最高経営責任者であり、当社グループの経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。佐川隼人に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないように、経営体制の整備、権限委譲及び次代を担う人材の育成強化を進めておりますが、不測の事態により、佐川隼人が職務を遂行できなくなった場合、当社グループの事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 内部管理体制の強化について

当社グループでは、企業価値の継続的な増大を図るにはコーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底して参りますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 法規制に関するリスク

① 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)

「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」では他人のID、パスワードの無断使用の禁止が定められており、アクセス管理者はアクセス制御機能が有効に動作するために必要な措置を講ずるよう努めることとされております。当社グループもこの法の趣旨に則り、必要な措置を講ずるように努めておりますが、今後、アクセス管理者が必要な措置を講ずることについて、より重い法的義務を課すように法令の改正がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② EC事業者に対する法的規制等について

当社グループの顧客であるEC事業者の事業活動は「特定商取引に関する法律(特商法)」「不当景品類及び不当表示防止法(景表法)」「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の法令による規制やルールの対象となるため、今後、更なる法的義務が課された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ その他

現在もインターネット及び電子商取引を取り巻く法的規制は、議論がなされている状態であり、今後、インターネット利用や関連するサービス及び事業者を規制対象とする法令等が制定された場合や、既存の法令等の適用解釈が明確になった場合に備え、迅速に行動できるように常に情報収集に努めております。

しかしながら、新たに制定された法律等に対応するためのコスト負担が重く、対応困難となるような場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他のリスク

① 株式価値の希薄化について

当社グループは役員及び従業員に対し、当社グループの業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しております。当社グループは今後、新株予約権発行のほか、新株、新株予約権付社債等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、これらの行使による需給の変化が当社株式の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 配当政策について

当社グループは、更なる財務体質の強化及び競争力の確保を経営の重要課題の一つとして位置付けております。そのため、現時点においては内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資を積極的に行っていくことが株主に対する最大の利益還元につながると考えております。しかしながら、当社グループは株主への利益還元も重要な経営課題であると認識しており、将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針ですが、今後の配当政策が株価へ、株価が資金調達へ影響することで、最終的には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウクライナ危機を背景とした国際情勢の不安定化、米欧での金融引き締めに伴う世界経済の減速や円安の長期化等により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
 当社グループの事業に関連する国内電子商取引市場は、「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によりますと、2022年のBtoC-EC市場規模が前年比9.91%増の22.7兆円、BtoB-EC市場規模が前年比12.8%増の420.2兆円となりました。また、ECの普及率を示す指標であるEC化率(※1)も、BtoC-ECで9.13%、BtoB-ECで37.5%と増加傾向が続いており、商取引の電子化は引き続き進展していくものと見込まれます。

 

このような経営環境のもと、当社グループは、経済環境が悪化した中でも安定した収益を確保しやすいサブスクリプションビジネスを総合的に支援するとともに、顧客の事業成長に貢献し続けることが成長の鍵だと考え、①ターゲット領域の拡大、②サブスクバリューチェーンの拡充という事業戦略を推し進め、サブスクリプションビジネスを総合的に支援するとともに、顧客の事業成長に貢献し続けることで事業成長を図ってまいります。

 

当社グループの経営成績は、次のとおりであります。

 

当連結会計年度は、サービス利用アカウント総数や流通総額が減少したものの、システムの受託開発収益などが拡大するとともに、エンジニアリング事業の収益も加わり売上高は2,341,027千円(前期比3.9%増)となりました。

売上原価は、受託開発収益の増加に伴う外注費の増加や、エンジニアリング事業の原価も加わったことから、1,108,696千円(前期比15.5%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、採用費やAIS株式会社及び株式会社サックルに対する株式取得関連費用が減少したことから、1,316,061千円(前期比11.7%減)となりました。

また、当社が保有する投資有価証券について、財政状態や今後の見通しについて判定を行った結果、減損処理による投資有価証券評価損49,999千円を特別損失として計上しております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業損失83,730千円(前年同期は営業損失195,641千円)、経常損失76,529千円(前年同期は経常損失194,390千円)、親会社株主に帰属する当期純損失127,956千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失175,715千円)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

(a)EC支援事業

EC支援事業では、サブスクリプションビジネスに特化したECサイトを構成するシステムの提供や、サブスクリプションビジネスの運営を支援する集客、顧客対応、ロジスティクスなどに関連したサービスを提供しております。

 EC支援事業におけるサービス別の業績を収益区分別に示すと次のとおりであります。

(単位:千円)

サービスの名称

収益区分

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額

構成比(%)

金額

構成比(%)

a

サブスクストア

リカーリング収益

398,345

20.7

373,959

19.9

受託開発収益

136,192

7.1

223,422

11.9

その他収益

69,400

3.6

105,628

5.6

たまごリピート

リカーリング収益

462,510

24.1

393,655

21.0

受託開発収益

その他収益

64,998

3.4

47,547

2.5

小計

1,131,446

58.8

1,144,213

60.9

b

決済手数料

GMV連動収益

536,775

27.9

479,135

25.5

c

その他

リカーリング収益

42,869

2.2

79,926

4.3

受託開発収益

165,624

8.6

125,496

6.7

その他収益

45,885

2.4

50,195

2.7

小計

254,379

13.2

255,618

13.6

合計(a+b+c)

1,922,601

100.0

1,878,967

100.0

 

 

a.「サブスクストア」のサービス利用アカウント数は477件(前期も同件数)、「たまごリピート」のサービス利用アカウント数は482件(前期比12.8%減)となり、これらのサービス利用アカウント総数は959件(前期比6.9%減)となりました。アカウント数の減少からリカーリング収益(※2)は減少しておりますが、「サブスクストア」のカスタマイズ等の受託開発収益(※3)が伸張したことから売上高は1,144,213千円(前期比1.1%増)となりました。

 

b.当社グループの提供するサービスに係る流通総額は、サービス利用アカウント総数の減少などから、1,298億円(前期比11.7%減)となり、GMV連動収益(※4)も、479,135千円(前期比10.7%減)となりました。

 

c.リアル店舗向けのサービスである「サブスクアット」のアカウント数(契約法人数)が180件(前期比21.6%増)となったことや、BtoB事業者向けのサービスである「サブスクストアB2B」のアカウント数が22件(前期比37.5%増)となったことなどから、リカーリング収益が79,926千円(前期比86.4%増)に伸張したものの、「サブスクアット」に付随するWebページ制作サービスが減少したことから、受託開発収益が125,496千円(前期比24.2%減)となりました。その結果、その他サービスの売上高は、255,618千円(前期比0.5%増)となりました。

 

 以上の結果、EC支援事業の売上高は1,878,967千円(前期比2.3%減)、セグメント損失は113,407千円(前年同期はセグメント損失138,394千円)となりました。

 

(b)エンジニアリング事業

 エンジニアリング事業では、株式会社サックルにおいて、システム開発を請け負うサービスや、顧客にソフトウェアエンジニアのスキルを提供するシステムエンジニアリングサービスを提供しております。

 エンジニアリング事業の売上高は593,436千円(前期比56.2%増)、セグメント利益は32,493千円(前期比2,222.4%増)となりました。

 

※1 EC化率      :全ての商取引市場規模に対するEC市場規模の割合。

※2 リカーリング収益 :利用した月に応じて定額で課金するサービスの収益。

※3 受託開発収益   :当社のシステムのカスタマイズなど、受託開発による収益。

※4 GMV連動収益   :顧客の流通総額に連動して発生する収益。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,200,545千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、229,716千円の収入となりました。これは主に、減価償却費147,309千円や売上債権の減少額115,390千円等の資金の増加要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、146,170千円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出146,113千円等の資金の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、122,036千円の収入となりました。これは、長期借入金の借入による収入400,000千円等の資金の増加要因と、長期借入金の返済による支出179,464千円等による資金の減少要因によるものであります。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

(2)受注状況

当社グループのサービス提供の実績は販売実績と一致しておりますので、受注実績に関しては「(3) 販売実績」をご参照ください。

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

販売高(千円)

前期比(%)

EC支援事業

1,878,967

△2.3

エンジニアリング事業

462,060

39.5

合計

2,341,027

3.9

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当連結会計年度における割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果についての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、当社は、売上高、営業利益及び経常利益を重視しております。

当社グループは、「サブスクで世の中を豊かに」をパーパスとして掲げ、ストック型のビジネスモデルをより普及させるべく、サブスクリプションビジネスに特化したショッピングカートシステム「サブスクストア」「サブスクストアB2B」「サブスクアット」の機能向上に注力し、ターゲット領域の拡大を進めてまいりました。また、「サブスクストア」や「たまごリピート」の提供を通して培ったノウハウを活用し、サブスクリプションビジネスを総合的に支援するべく、広告、コールセンター、物流といった様々な領域でのサービスを展開しております。

これらの経営戦略等に基づく業績予想の達成状況は以下のとおりであります。

なお、経営成績等の分析につきましては、「(4)経営成績の分析」に記載のとおりであります。

 

売上高

営業損失(△)

経常損失(△)

業績予想(A)    (千円)

2,328,427

△65,197

△64,233

実績(B)      (千円)

2,341,027

△83,730

△76,529

増減額(C=B-A) (千円)

12,600

△18,532

△12,295

達成率(C÷A)    (%)

0.5

 

 また、当社は投資対効果を適切に図る観点から1人当たり売上高20,000千円、売上高営業利益率20%の指標により経営上の目標達成状況を判断しております。

 これらの指標に基づく目標の達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

売上高(A)         (千円)

2,341,027

営業損失(△)(B)      (千円)

△83,730

平均正社員数(C)       (人)

169.9

1人当たり売上高(A÷C)  (千円)

13,778

売上高営業利益率(B÷A)   (%)

△3.6

 

 

 

(3)財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度における資産の残高は、前連結会計年度末に比べて51,607千円減少し、2,254,539千円となりました。この主な要因は、未収還付法人税等が減少したことなどにより、その他の流動資産が128,472千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて58,043千円増加し、1,163,157千円となりました。この主な要因は、短期借入金が100,000千円減少し、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が220,536千円増加したことなどによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて109,651千円減少し、1,091,382千円となりました。この主な要因は、利益剰余金が127,956千円減少したことによるものであります。

 

(4)経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、2,341,027千円となりました。

売上高の分析につきましては、「(業績等の概要) (1) 業績」をご参照ください。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、1,108,696千円となりました。

この主な要因は、システムの受託開発や開発工数の増加などにより給与手当が122,711千円増加したことであります。

以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は1,232,331千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失、経常損失)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,316,061千円となりました。

この主な要因は、採用費が51,664千円減少したことに加えて、AIS株式会社及び株式会社サックルに対する株式取得関連費用が減少したことなどから支払手数料が50,911千円減少したことであります。

以上の結果、当連結会計年度の営業損失は、83,730千円となりました。

 

当連結会計年度の経常損失は、営業外収益13,173千円、営業外費用5,972千円を計上した結果、76,529千円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純損失

当連結会計年度は、法人税、住民税及び事業税21,891千円、法人税等調整額△20,465千円(△は益)を計上しております。

この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は、127,956千円となりました。

 

 

(5)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(業績等の概要)(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループは、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの主な資金需要は、システム開発等に係る人件費、サービスサポートに係る人件費、新規事業の拡大に係る人件費であります。これらの資金需要につきましては、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入で調達する方針であります。

なお、現在、支出が予定されている重要な資本的支出はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。今後さらなる成長を実現するためには、「ターゲット領域の拡大」と「サブスクバリューチェーンの拡充」が必要であると考えており、この成長戦略を推進することで事業成長を図ってまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度において研究開発費とすべき研究開発活動はございません。

なお、「サブスクストア」等の既存サービスの追加開発に係る活動費は、その性質に応じて売上原価又はソフトウエアとして計上しております。