当第2四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、33年ぶりの高い水準となった賃上げを背景に景気の拡大が期待されているものの、実質賃金の減少による個人消費の伸び悩み、中国経済の停滞や人手不足の常態化等により、景気の足踏み状態が続くことが懸念されています。
当社グループが属する出版業界でも、電子書籍の市場が堅調に拡大しているものの、紙媒体の雑誌および書籍の落ち込みにより、紙と電子を合わせた市場規模は減少傾向にあり、当第2四半期連結累計期間の書籍・雑誌の推定販売金額も前年同期比5.6%減少(出版科学研究所)するなど縮小傾向が続いております。
このような状況の中、当社グループは、読者ニーズを的確に捉えた企画立案、物価高に対応した価格設定やマーケティング、既刊本の販売強化と返品減少対策など、高コスト化する出版流通への対応などを主要なテーマに活動を行いました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の連結売上高は1,570,781千円(前年同四半期比2.1%減)、営業利益82,865千円(前年同四半期比21.4%増)、経常利益88,975千円(前年同四半期比24.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益51,388千円(前年同四半期比2.4%増)となりました。
事業別の概況は次のとおりです。
(出版事業)
会計分野では、質の高い研究成果としてIASB(国際会計基準審議会)を20年間にわたって詳細に分析した『IASBの基準開発メカニズム』を刊行したほか、業績管理会計の理論に帰属意識の視点を加え、数理モデルを用いて理論構築をした『アイデンティティ業績管理会計』を刊行いたしました。実務書としては、2024年4月開始年度から適用される改訂内部統制基準等をフォローした『内部統制の仕組みと実務がわかる本〈第2版〉』、また、昨年6月に公表され、わが国の関連基準の開発にも大きな影響を与えているIFRSサステナビリティ開示基準を解説書した『IFRS国際サステナビリティ開示基準の実務』および『Q&AでわかるIFRSサステナビリティ開示基準』を刊行し、いずれも発売後まもなく増刷が決まるなど好評を博しています。また、実務上のニーズをとらえた『経理のExcelベーシックスキル』、『原価計算なるほど用語図鑑』も好評でした。
経営・経済分野では、環境経済学の第一人者による『持続的農業の経済学』を刊行いたしました。また、働き方改革や人材版伊藤レポート等によってますます注目を集めている人事労務分野で、定量的な施策をするための入門書として『人事のためのデータの見方・使い方』を刊行したほか、急速に広がる新しい賃金の決め方をいち早く解説した『ジョブ型・マーケット型人事と賃金決定』を刊行し、出版記念として開催したオンラインセミナーも盛況でした。
税務分野では、月刊誌『税務弘報』で長年連載を継続している「裁決事例研究」をベースに編集した『租税正義の実践的展開』や、ここ数年の税制改正のテーマを真正面から扱った『研究開発税制の実務ガイダンス』が注目されるほか、毎年ご好評いただいている『図解・表解 確定申告書の記載チェックポイント』が例年にも増して順調に推移しております。
法律分野では、契約業務の基礎と実践力を身につけるための『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』の売れ行きが好調で、刊行後すぐに複数回重版をいたしました。また、組織内弁護士協会が監修する好評シリーズ「Q&Aでわかる業種別法務」新刊として『医薬品』、『医療機器』が加わり、計10点のラインナップとなりました。
企業実務分野では、経済産業省等が選定する「DX銘柄」に3年連続で選定されたデジタル先進企業・旭化成のDXへの取組み等を紹介した『旭化成のデジタル共創戦略』が好調です。また、不正発見の端緒となる“何となくおかしい”という感覚を20のケースでひもといた『数字の「違和感」で見抜く不正の兆候』もよい滑り出しを見せています。また、地方公共団体の厳しい財政状況等を背景に事例が増えている官民連携について解説した『これ1冊ですべてがわかるPPP/PFIの教科書』も、発売開始後即重版となりました。
資格試験分野では、定番本として定着しつつある『宅建士 出るとこ集中プログラム〈2024年版〉』、『宅建士 出るとこ10分ドリル〈2024年版〉』を刊行したほか、中高年がキャリアを見直す際の参考書として『行政書士 45歳からの合格・開業のリアル』、『社労士 45歳からの合格・開業のリアル』を刊行いたしました。また、『ビジネスマネジャー検定試験公式問題集〈2024年版〉』は昨年版に続けてスマホで問題演習できるアプリ付きで刊行し、今年も売れ行きが好調です。
生活・実用分野では、受注している雑誌など定期刊行物の編集業務が堅調に推移し、やや好調に推移しました。
以上により、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,525,726千円(前年同四半期比1.9%減)、営業利益は87,014千円(前年同四半期比69.8%増)となりました。
(出版付帯事業)
出版付帯事業の主力事業は、当社雑誌への広告請負代理及び商品・製品の出荷業務を営む2社で構成されていましたが、そのうちの1社である株式会社CKDを期中に吸収合併したことなどにより売上が減少するとともに営業損失となりました。
以上により、当第2四半期連結累計期間の売上高は45,054千円(前年同四半期比9.1%減)、営業損失4,280千円(前年同四半期は営業利益16,972千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結累計期間末における資産合計は6,041,708千円となり、前連結会計年度末に比べ109,964千円増加いたしました。これは主に未収還付消費税等の減少96,953千円、未収還付法人税等の減少23,398千円及び短期貸付金の減少21,500千円があったものの、現金及び預金の増加171,911千円、売掛金の増加46,377千円及び商品及び製品の増加29,905千円などによる流動資産の増加116,984千円、投資有価証券の増加41,326千円があったものの、建物及び構築物の減少44,196千円などによる固定資産の減少7,019千円があったことによるものです。
(負債)
負債は1,717,507千円となり、前連結会計年度末に比べ43,522千円増加いたしました。これは主に長期借入金の減少12,504千円などによる固定負債の減少8,232千円があったものの、支払手形及び買掛金の増加50,578千円などによる流動負債の増加51,755千円などがあったことによるものです。
(純資産)
純資産は4,324,200千円となり、前連結会計年度末に比べ66,442千円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加31,789千円、自己株式の減少20,315千円及び利益剰余金の増加14,080千円などがあったことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,631,220千円となり、前連結会計年度末に比べ181,696千円増加いたしました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は169,309千円(前年同期は130,793千円の使用)となりました。これは主に未収還付消費税の減少96,953千円、税金等調整前四半期純利益59,954千円及び仕入債務の増加55,655千円があったものの、売上債権の増加51,077千円、法人税等の支払額25,887千円及び棚卸資産の増加13,393千円などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は42,154千円(前年同期は371,812千円の使用)となりました。これは主に定期預金の減少25,200千円及び貸付金の回収による収入21,500千円などがあったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は29,611千円(前年同四半期は165,492千円の獲得)となりました。これは主に子会社の所有する親会社株式の売却による収入20,036千円があったものの、配当金の支払額37,130千円及び長期借入金の返済による支出12,504千円などがあったことによるものです。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(連結子会社の吸収合併)
当社は、2023年12月18日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社CKDを吸収合併することを決議し、2024年3月1日付で吸収合併を行いました。
なお、詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。