当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復や雇用・所得環境の改善等により個人消費が伸張したことで、回復基調となりました。一方で、更なる円安の進行やロシア・ウクライナ情勢に端を発した原材料・エネルギー価格の高騰は、中東情勢の緊迫化などにより依然として継続しており、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような経営環境の下、当社グループは、グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上を図るべく、中長期戦略「長期ビジョン100」で掲げた5本の柱を軸とした諸施策を引き続き進めてまいりました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、18,827百万円(前年同期比9.7%減)となりました。利益面では、営業利益は624百万円(前年同期比28.7%減)、経常利益は673百万円(前年同期比23.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は498百万円(前年同期比37.5%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
販売実績
(注)令和5年5月15日付で、加工用澱粉事業を展開していた株式会社サニーメイズの株式を一部譲渡したため、同
社を連結の範囲から除外しております。これに伴い、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントから
「加工用澱粉」を除外しております。
<酒類事業>
酒類事業につきましては、国内の人口減少や少子高齢化、飲酒機会の減少に加え、物価上昇による節約志向の高まりから、競争が益々激化しております。このような環境の下、売上高は17,444百万円(前年同期比4.7%減)となりました。また、利益面につきましては、295百万円の営業利益(前年同期比39.1%減)となりました。
和酒部門のうち焼酎につきましては、本格焼酎の「博多の華」シリーズやしそ焼酎「鍛高譚」が好調に推移したものの、PB商品等の減少により、売上高は減少いたしました。同カテゴリーでは、しそ焼酎「鍛高譚」が「第20回 ガラスびんアワード 2024」において、ガラスびん市場の発展とイメージアップに貢献したことが評価され、日本ガラスびん協会特別賞を受賞しました。
チューハイなどのRTD分野につきましては、日本各地の厳選素材を使用したチューハイ「NIPPON PREMIUM」シリーズが好調に推移したものの、PB商品等の減少により、売上高は減少いたしました。本年、発売10周年を迎えた「NIPPON PREMIUM」シリーズは、10周年記念ロゴマークをパッケージに記載することでロングセラー商品としてアピールするなど、販売強化を図っております。
清酒につきましては、市場の低迷が続いておりますが、お手頃価格の「蔵人の譽 淡麗辛口」や「福徳長 米だけのす~っと飲めてやさしいお酒 純米吟醸酒」が好調に推移し、売上高は増加いたしました。
販売用アルコールにつきましては、工業用アルコール及び酒類原料用アルコールが減少したため、売上高は減少いたしました。
洋酒部門につきましては、梅酒や、炭酸水で割るだけで手軽に居酒屋の味わいを家で楽しむことができるチューハイの素などが好調に推移したほか、ハイボールに最適なウイスキー「香薫(こうくん)」などが伸張したことにより、売上高は増加いたしました。同カテゴリーでは、ウイスキー「香薫」シリーズ5品種について、樽由来のまろやかさと甘みと香りのある原酒を一部使用することで、より食事に合わせやすい味わいに変更し、装いも新たにリニューアル発売しております。
<酵素医薬品事業>
酵素医薬品事業につきましては、酵素部門における海外での販売が好調に推移し、売上高は1,078百万円(前年同期比17.1%増)となりました。しかしながら、原価の上昇や販売費及び一般管理費の増加などにより、営業利益は172百万円(前年同期比34.9%減)となりました。
<不動産事業>
不動産事業につきましては、売上高は283百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益は152百万円(前年同期比16.5%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産につきましては、55,367百万円となり、棚卸資産は増加したものの、売上債権が減少したため、前連結会計年度末と比較して64百万円の減少となりました。
負債につきましては、32,633百万円となり、短期借入金が増加したものの、未払酒税や未払金が減少したため、前連結会計年度末と比較して571百万円の減少となりました。
純資産につきましては、22,734百万円となり、前連結会計年度末と比較して506百万円の増加となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者とは、当社グループの財務、事業の内容及び当社の企業価値を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。
当社株式について大規模な買付けがなされる場合であっても、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主全体の意思により決定されるべきであり、特定の者の大規模な買付けに応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株主の判断に委ねられるべきものだと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付けの中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買収に応じることを株主に強要するおそれがあるものなど、被買収会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社としては、そのような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大規模な買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、そのような者による大規模な買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
ア.企業価値の最大化に向けた経営戦略
当社は、企業理念の下、酒類や酵素医薬品の分野において、普遍概念「顧客志向」「収益志向」を両軸として、「将来価値の共創」に向けた取組みを実行してまいりました。また、当社は、「長期ビジョン100」を策定し、当社グループの持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上に向けた取組みを進めております。
「長期ビジョン100」は、企業理念に基づくグループの使命・将来像を描いた7つの指針と、これを実現するにあたっての最重要課題である5本の柱で構成されております。
<7つの指針>
① 顧客重視の経営
② 収益重視の経営
③ 株主重視の経営
④ グループ全体最適化
⑤ 経営監督機能の強化
⑥ 強固な財務体質の確立
⑦ 社会的良識を意識した経営
<5本の柱>
① 焼酎事業に集中
② アルコール事業販売の拡大
③ 生産改革
④ 酵素医薬品事業の新展開
⑤ CRE戦略
当社は、かかる「長期ビジョン100」を着実に実行していくことが、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に繋がるものと考えております。
イ.コーポレート・ガバナンスに関する取組み
当社は、「長期ビジョン100」において経営監督機能の強化を指針の一つとして掲げ、独立社外取締役の監督機能を活かしたコーポレート・ガバナンス体制の強化を進めております。
コーポレート・ガバナンスの具体的な内容につきましては、当社ウェブサイト(https://www.oenon.jp/)をご参照ください。
ウ.不適切な支配防止のための取組み
当社は、当社を取り巻く経営環境等の変化、金融商品取引法による大量買付行為に関する規制の整備の浸透状況などを鑑み、大規模買付ルールの取り扱いについて慎重に検討を重ねた結果、平成28年3月23日の第109回定時株主総会終結の時をもって、大規模買付ルールを継続しない(廃止する)こととさせていただきました。
なお、当社は、本大規模買付ルールの有無に関わらず、今後とも中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。また、当社は本大規模買付ルール終了後も、大規模買付行為を行おうとする者に対しては、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
③ 基本方針の実現に資する取組みについての当社取締役の判断及びその判断に係る理由
上記②基本方針の実現に資する取組みは、いずれも、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し向上を目的とするものであります。その結果として、当社の企業価値及び株主の共同の利益を著しく損なう大量買付者が現れる危険性を低減するものとなり、上記①株式会社の支配に関する基本方針に沿うものであると考えます。
また、当該取組みは、当社の企業価値を向上させるものであることから、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社取締役の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えます。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は115百万円であります。
また、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。