当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは“「くふう」で暮らしにひらめきを”を経営理念とし、「毎日の暮らし」及び「ライフイベント」において、生活者であるユーザーにとっての利便性や豊かさを最優先に考え、情報格差の解消や利便性の高いサービスづくりに取り組むとともに、ユーザーの主体的な意思決定や行動につながる価値提供を目指しております。
(2)経営戦略等
当社グループでは、毎日の暮らしから住まいや結婚といった人生の転機となるライフイベントまで、生活に関連した事業テーマを扱っており、生活者であるユーザーにとっての利便性や豊かさを最優先に考える「ユーザーファースト」を徹底したサービスづくりに注力しております。足元のAI技術のめざましい進歩を背景に、当社グループでは「AI for User First」を掲げ、各領域においてAIの活用を推進しながら、「日々の小さな選択」から「ライフイベント時の大きな意思決定」まで、ユーザーの問題解決を支援するサービスづくりを推進しております。また、ユーザーニーズへの対応をより一層強化していくとともに、更なる事業規模拡大及び持続的成長により企業価値の向上を図るため、新規事業開発やM&A等も機動的に実施しております。
(3)経営環境
日本経済における新型コロナウイルス感染症の影響は、5類移行等の行動制限の緩和が進み、経済活動も徐々に回復の兆しが見えてきた一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安・物価高など社会生活を取り巻く環境は不透明な状況が続いております。当社グループにおいては、コロナ禍による社会変化や生活者の行動変容を踏まえた新たな課題に向き合い、暮らしを豊かにするサービスを創出するためには、近年、急速に発展する AI 技術をサービス開発に活用し、ユーザーにとってよりよいサービスを提供することで、継続的な企業価値向上を実現していく必要があると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、生活者であるユーザーに対して「毎日の暮らし」から「ライフイベント」までのあらゆるシーンを網羅的に支援していくと共に、「ユーザーファースト」を徹底し、個々のユーザーの生活圏や地域社会に最適化した情報やサービスを提供していくことを目指しております。そのためには、グループ各社がそれぞれの得意分野を活かし、グループシナジー効果を最大限に発揮していくことが重要な課題であると考え、以下の事項を重点項目として対処してまいります。
① グループのブランドの確立
当社グループは、グループ各社において様々なサービスを展開しております。当社グループ全体が持続的に成長するためには、当社グループのサービスがより一層ユーザーの問題解決を支援するサービスとなり、またその認知度を向上させることにより、さらに多くのユーザーに利用していただくことが重要であると考えております。この課題に対応するため、当社グループ各社は引き続きユーザーニーズに対応したサービス開発を進めると同時に、それぞれのサービスブランドについて統合を推進し、グループ全体としてのブランドの強化を図ってまいります。
② グループ内におけるサービス連携の強化
当社グループは各事業領域においてメディア、ツール、専門・相談サービスといったサービスを展開しておりますが、ユーザーの利便性を高めるためには、グループ内サービスの連携をより一層高めていくことが重要であると考えております。この課題に対応するため、グループ内サービスの共通ユーザーIDの導入を通じて、ユーザーひとりひとりのニーズに沿った行動提案や多様な問題解決ができるワンストップサービスの実現を目指してまいります。
③ グループ全体のデータ活用基盤の整備
当社グループの各サービスでは、ユーザーの各種行動データが日々蓄積されております。この貴重なデータをグループサービスにおけるユーザーへの行動提案強化や、事業パートナー等に対する付加価値向上の支援に活用することが、ユーザーの利便性強化に繋がると考えております。この課題に対応するため、グループサービスにおいて蓄積されたデータの解析やデータソリューションの開発等、サービス強化に繋がるデータ活用基盤の整備を進めてまいります。
④ 事業パートナー向けサービスの付加価値向上
当社グループの顧客である小売店舗、不動産会社、工務店、結婚式場といった事業者は、ともにユーザーに対して情報やサービスを提供する事業パートナーであると考えております。当社グループがユーザーに対してより良質な価値提供を行うためには、これらの事業パートナーに対して付加価値の高いサービスを提供してくことや情報を共有していくことが必要不可欠であります。この課題に対応するため、サービスの機能開発等による付加価値の向上や事業パートナー拡大のための営業強化に取り組んでまいります。
⑤ 経営者・起業家の積極的な採用及び育成
当社グループが保有する事業ポートフォリオは「毎日の暮らし」から「ライフイベント」まで生活者のあらゆるシーンへ拡大しております。生活者をさらに網羅的に支援する新たな事業領域を開拓するためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。この課題に対応するため、優秀な経営者、起業家人材の獲得と育成に取り組み、グループ経営力の強化に注力することで、当社グループの新たな価値提供と企業価値向上を目指してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ事業の再構築、新規事業への進出等を行い、継続的な企業価値の向上を目指した将来の成長基盤を築いております。中期では各事業領域における事業成長を重視し、EBITDAを重要指標として位置付けております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社はサステナビリティに関する課題への対応を、収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、執行役で構成するサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティに関する方針や重要事項等の検討・審議をしております。また、取締役会に対しサステナビリティ対応全般に係る推進状況について報告する体制を構築しております。
(2)戦略
当社グループは、「ユーザーファースト」の視点をもち、社会の課題解決企業として、社会に貢献していくために、サステナビリティへの取組方針として以下の3つを定め、推進してまいります。
① ユーザーの暮らしを、もっと便利に楽しくします。
ユーザーから常に必要とされ、使わない理由がないと感じられるサービスを提供していくことが、当社グループの存在価値であると考えております。事業者とユーザーの情報格差を解消し、様々な無駄を無くし、生活課題に応えるとともに、地域に最適化した情報やサービスの提供を通じて、暮らしを便利で楽しくすることを目指してまいります。
② 多様な人材の活躍と成長を後押しします。
「ユーザーファースト」なサービスを提供し続けていくためには、多様な考えを持つ人材が活躍し、成長していくことが重要であると考えております。また、各々が自立と自律を常に意識し、健康的な生活を送り、やりがいをもって働ける職場であることが、事業の持続的な発展へと繋がります。そのためには、多様な価値観を尊重しあい、働き方を選択できる制度や環境づくりに取り組むとともに、「失敗を恐れず挑戦することで、飛躍的に成長できる組織」の風土醸成を図ってまいります。
③ 健全な事業成長を通じて社会に貢献します。
サステナブルな社会を維持・発展させていくためには、環境に配慮した事業運営と健全な事業成長を通じて、
雇用創出や納税など地域や社会に対して直接・間接的に貢献していくことが重要であると考えております。ユーザーの課題を解決するサービスの提供を通じて事業成長を実現し、地域や社会への還元を積極的に行ってまいります。
(3)リスク管理
サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについては、グループ全体の経営意思決定機関である執行役会において、当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関する議論を行い、当該リスク等に関する評価及び対応策の検討を行っております。当連結会計年度末におけるリスク管理についての詳細は、「
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した多様な人材の活躍と成長の後押しに関して、次の指標を
用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
|
指標 |
目標(2030年9月期) |
実績(当連結会計年度) |
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女性従業員比率 |
50% |
54% |
|
女性管理職比率 |
40% |
21% |
(注)女性従業員比率は当連結会計年度末において目標値を達成しておりますが、2030年9月期においても目標値を維持できていることを目指しております。
当社グループの事業展開上、リスク要因となり得る主な事項を以下に記載しております。
当社グループは、グループ全体の経営意思決定機関である執行役会において、当社グループを取り巻くリスクや不確実性に関する議論を行い、当該リスク等に関する評価及び対応策の検討を行っております。以下の主要なリスクについては、その対応状況等を各担当執行役から執行役会へ報告・議論されるとともに、取締役会に対してもその内容を報告することを通じて、当社グループのリスクヘの対応力の向上と健全で透明性の高い経営の実践に努めております。緊急度の高いリスク事象に対しては、発生時における情報共有の仕組みを構築し、当社グループ全体で速やかに情報を共有の上、対応し、再発防止策を立案・実施しております。また、以下の主要なリスクは経営上回避すべきネガティブなリスクを主に記載しておりますが、執行役会では、経営においての機会となるポジティブなリスクについても議論しております。マーケットの変化を見極めながら、事業成長に必要なリスクテイクを慎重かつ積極果敢に行うことを通じて、当社の持続的成長につなげていく方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
(1)経済環境及び事業環境全般に係るリスクについて
① ユーザーニーズ対応の遅延・不徹底について
(発生可能性:大 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、ユーザーニーズの変化が非常に早く、その変化に機動的かつ柔軟に対応することが必要となります。しかしながら、ユーザーニーズの変化に対応できない場合、ユーザーへの訴求力の低下等によりユーザー数が減少し、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、ユーザーファーストを徹底し、ユーザー利便性を向上させる機能やコンテンツの拡充を進めるとともに、新規事業やサービスの開発に努めております。
② サービス提供環境について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが提供するインターネットサービスにおいては、多くのユーザーが大手プラットフォーマーの提供する検索サイトやスマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末等)上でのアプリケーション等を利用してサービスを受けていることから、大手プラットフォーマーの事業運営方針、事業戦略の変化、提携料率の変更、提携解消、風評被害の発生等が生じた場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、これら大手プラットフォーマーの動向を注視するとともに、当該動向に応じた機動的な対応が図れる体制の構築に努めております。
③ 競合環境について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループの各事業領域においては、複数の競合相手が存在することから、競合他社との差別化による優位性が十分に確立できない場合、競争の激化によるユーザーの流出やコストの増加等により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、市場動向を注視し、提供する情報やサービスの充実、ユーザー利便性の向上、信頼性・ブランド力の強化等を図ることで、ユーザー満足度がより一層高まるサービスの提供に努めております。
④ 技術革新について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、恒常的に技術変化が進行しており、日々新たなサービスが生み出されております。技術革新への対応が遅れ、当社グループが提供するサービスの競争力が低下した場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、優秀な人材の確保や教育による技術力の向上に積極的に取り組むとともに、提供するサービスに対して、IT技術の進展に伴う新たな機能の追加を行う等、ユーザビリティーの強化を継続して実施し、技術革新に迅速に対応できるよう努めております。
⑤ システム障害について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが提供するインターネットサービスへのアクセスの急増等による一時的な過負荷、電力供給の停止、当社グループのソフトウエアの不具合、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故、役職員等の人為的ミス等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生じさせる可能性があります。また、コンピュータシステムにおける作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が低下し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求が発生する場合も想定され、このような場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、システムの冗長性及び信頼性の向上に関する取り組みや、システムに応じた様々なセキュリティ対策の強化を継続的に行っております。
⑥ 自然災害、感染症等について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループは、地震、台風及び津波等の自然災害、火災、停電、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症の発生、その他の不測の事態が発生し、事業設備が使用不能な状態、あるいは役職員が就業不能な状態になる等、正常な事業活動ができなくなった場合、又は、感染症の蔓延等に伴うユーザーの消費購買意欲の減退、ユーザーの自発的な行動抑制等、当社グループの想定以上の影響が生じた場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、BCP(事業継続計画)の策定をはじめ、安否確認の実施手順や社内備蓄品等の整備、テレワーク環境の構築、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための体制構築に努めております。
(2)当社グループの事業運営に係る業界特有のリスクについて
① 住まい領域における事業について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが行う住まい領域における事業においては、不動産物件の売買仲介、サブリースの他、一部、自己勘定による売買等を行っております。不動産市場は経済情勢、地価動向、金利動向、為替変動、住宅税制、自然災害や人為災害等の影響を受けやすい特性があることから、経済情勢や政策の内容等により不動産市況が悪化する場合、不動産販売価格の下落や、棚卸資産に評価損が発生する可能性及び販売計画に影響を及ぼす可能性があります。買取再販事業及び建築施工事業については、資材の供給遅延等により工期が長期化する場合があります。高額不動産物件取引については、一取引当たりの金額が大きく、取引発生の時期により業績が変動する場合があります。また、当社グループが扱う物件が契約の内容に適合しない場合、追完のための費用が発生することが考えられます。これらの事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、不動産市況を注視しながら事業活動を行い、市況に合わせた仕入を適切に行うことにより、販売計画に支障が出ないよう努めております。また、既存住宅売買瑕疵保険を積極的に活用することにより、リスク低減に取り組んでおります。
② 結婚領域における事業について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが行う結婚領域における事業のうち、結婚式プロデュース事業においては、ユーザーに対する結婚式開催までのプランニング全般を扱っております。天候要因や大規模な自然災害の発生、重篤な感染症の流行等により、当社グループが取り扱う結婚式を開催することが困難になった場合や、当社グループが取り扱う結婚式において、食中毒等の安全衛生上の事故が発生した場合は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、ユーザーの安全を確保しつつも、各種災害による生活様式や行動様式の変化に対応したサービスの開発や挙式におけるガイドラインの作成等により、事故の防止に努めております。
③ 少額短期保険事業について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが行う投資・事業開発領域における事業のうち、少額短期保険事業においては、個人のライフスタイルの変化に関わる様々な保険商品や、死亡保障・医療保障に係る保険商品を販売し、そのリスクを引き受けております。保険料設定時に想定している経済情勢や保険事故発生率等が、その想定に反して変動した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響が生じる可能性があります。このような場合に備えて、当社グループは保険業法の定めにより異常危険準備金等を積み立てておりますが、この準備金等が実際の保険金支払に対して十分ではない可能性もあります。また、引き受けた保険責任を分散し収益を安定させることを目的として、一部のリスクについては再保険を利用しておりますが、再保険市場の環境変化により再保険料が高騰する場合や十分な再保険の手当てが出来ない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、保険商品の保険料は過去の統計データ等に基づき適正な算定を行い、保険事故発生率や将来の収益動向を分析して、必要に応じて契約引受の査定基準や保険料の改定を行うことに加え、再保険に関しては、出再先の再保険会社のモニタリング等について適切に行うことによって、リスクの低減を図っております。
④ 投資事業について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが行う投資・事業開発領域における事業のうち、投資事業においては、収益獲得の多角化や将来の事業成長を図るべく、有価証券等への投資や資本業務提携等を実施しております。投資先企業等の事業展開や業績によっては、期待した投資成果を上げることができず、また、価格変動の影響を受ける有価証券等においては時価等が下落し、減損、評価損、評価差額等の発生により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、投資対象の株式等について取得原価を上回る価額で売却できる保証はなく、期待されたキャピタルゲインが実現しない可能性や投資資金を回収できない可能性があります。
このようなリスクの対応策として、投資先の選定にあたって、投資資金の回収可能性を含めたリスクを慎重に評価し適正な企業価値の評価に努めております。
⑤ サイト運営の健全性、適切性について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが提供するインターネットサービスにおいては、提供サービスの関連情報、独自編集による記事情報、ユーザーからの投稿情報等を掲載しておりますが、事実と異なる情報や記事あるいは誤解を招く表現による情報や記事が掲載された場合、その他不適切な投稿等がなされた場合には、当社グループが提供するサービスあるいは当社グループ全体に対する社会的信用やブランドイメージが毀損され、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、情報掲載に関するマニュアルを整備し、当該マニュアルに沿った適切な運用を行うことにより、情報の正確性を担保する体制を構築するとともに、サイトの利用規約等を整備し、投稿チェックによる不適切な投稿等を規制する監視体制を構築しております。また、第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意を払った事業活動を行うことに加え、弁護士等の外部の専門家と円滑な連携が可能な体制を構築しております。
⑥ 法規制等について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが行う事業においては、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」におけるアクセス管理者の立場から不正アクセス行為に対する必要な防御の措置を取る必要があります。また、ユーザーの個人情報を取得・取り扱う場合等においては、「個人情報の保護に関する法律」及び関連するガイドライン等の適用を受けます。広告宣伝メールの送信に対して「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」の適用を受けます。当社グループはシステム開発やコンテンツ制作の一部を外注する場合があり、「下請代金支払遅延等防止法」の対応が求められます。また、一般消費者に商品又は役務を提供する事業において「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けます。店舗販売、訪問販売、電子商取引、その他各種の商取引においては「特定商取引に関する法律」、「電子消費者契約に関する民法の特例に関する法律」、「消費者契約法」、「割賦販売法」の対応が求められます。ユーザーからの口コミ投稿ができるサービスでは、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」に基づく一定の対応が要求される他、婚礼衣装等の中古品の販売においては「古物営業法」の適用を受けます。不動産に関する事業においては、「宅地建物取引業法」、「不動産の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、また、海外で提供するサービスについて現地法の規制が適用されます。家計簿サービスにおいては、電子決済等代行業者として関東財務局に登録し、「銀行法」に基づく役務の提供を行っております。また、少額短期保険業については、少額短期保険業者として関東財務局に登録し、「保険業法」及び関連する諸法令に基づいた管理体制を構築しております。求人情報事業については、職業安定法等の適用を受けます。当社グループが行う投資事業においては「金融商品取引法」の適用を受けます。
当社グループは法令遵守に努めており、当該法的規制等に抵触する事実はないものと認識しておりますが、今後これらの法令が改正された場合若しくは当社グループの行う事業を適用対象とする新たな法令が制定された場合、又は、当社グループの行う事業が行政処分等の対象となった場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、法令改正等の情勢を注視し、顧問弁護士との連携や社内教育体制の整備を行うことでリスクの低減に努めております。
(3)当社グループの組織運営体制その他のリスクについて
① グループ経営について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループは、当社を純粋持株会社とし、当社グループが営む各事業についてはそれぞれを担う事業会社が裁量を持って自立運営することで、経営責任の明確化と事業運営上の機動性強化を推進しております。当社グループのガバナンス体制としては、当社執行役が各事業領域を分担して管掌し、各事業会社の経営を領域単位で取り纏め、管理調整を行っております。また、当社は、各事業会社の運営上必要な管理業務機能を集約しており、各事業会社に対して経営支援契約に基づき経営支援を行っております。しかしながら、各領域内、あるいは、グループ全体での事業方針と各事業会社の方向性に齟齬が生まれた場合や、各事業会社の内部管理体制不備による法令違反等が発生した場合、又は各事業会社での自立運営の結果としてグループ内部で無駄な重複業務が生じた場合、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクへの対応策として、各事業会社への当社役職員の派遣、各事業会社からの定期的な情報収集や領域会議の開催、執行役会での情報共有等を通じて、グループ全体と各事業会社の意思疎通の強化を図るとともに、グループ基本ルールに則った内部管理体制整備、内部統制機能の強化を推進しております。
② 人材確保と育成について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループは人材が最大の財産であると考え、安定的に成長していくためには、継続して高い意欲を持った優秀な人材の確保が必要であると考えております。特にユーザー向けサービスの構築及び運用面においては高度な技術スキルを有する人材が求められることから、それに見合う優秀な人材を適切に確保・育成する必要があります。しかしながら、必要な人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合や既存社員の流出及び勤労意欲減退による生産性の低下を防止できない場合には、競争力の低下や業容拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、今後の業容拡大に応じて、必要な人材の積極的な採用に取り組むとともに、社内教育や職場環境の充実及び社内コミュニケーションの強化を図ることによって、人材の流出の防止に努めております。
③ 情報漏洩について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループは、事業活動を通じて個人情報及び機密情報を取得する場合があります。これらの情報を保護するため、個人情報管理の仕組みの整備・運用や、情報セキュリティシステムの構築等を行い、情報漏洩の防止に努めておりますが、コンピュータウイルスの感染、不正アクセスや盗難、人的ミス、その他不測の事態により個人情報又は機密情報が消失、社外に漏洩した場合には、当社グループの社会的信頼の低下や損害賠償請求が発生するなど、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、ISMS認証の取得を通じた役職員への意識改革や教育を行い、情報管理体制の構築及び情報漏洩の防止に努めております。
④ 訴訟について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社グループが事業活動を行う中で当社グループ役職員の法令違反等の有無に関わらず、取引先、協力会社、ユーザー等との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。これら訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化等により、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクの対応策として、役職員に対するコンプライアンス教育を徹底し、法令違反等の発生リスクの低減に努めるとともに、弁護士事務所と顧問契約を結び、適切に法的対応ができる体制を構築しております。また、諸契約の締結時には事前のリーガルチェックを徹底することで契約上のリスク排除に努めております。
⑤ 支配株主について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社の支配株主である穐田誉輝氏は、当社発行済株式総数(自己株式を除く)の67.2%(38,978,520株)を所有しております。将来において、支配株主との関係に現時点では想定していない大きな変化が生じた場合には、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは“「くふう」で暮らしにひらめきを”を経営理念とし、「毎日の暮らし」及び「ライフイベント」において、生活者であるユーザーにとっての利便性や豊かさを最優先に考え、情報格差の解消や利便性の高いサービスづくりに取り組むとともに、ユーザーの主体的な意思決定や行動につながる価値提供を目指しております。
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行等の行動制限の緩和が進み、経済活動も徐々に回復の兆しが見えてきた一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安・物価高など社会生活を取り巻く環境は不透明な状況が続きました。このような経営環境のもと、グループサービスの付加価値向上や事業運営の効率化を目指し、生活者のニーズの変化への対応、急速に発展するAI技術を活用したサービス開発の強化、グループ内組織再編等に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の経営成績については、売上高は20,486百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益は1,882百万円(前年同期比20.8%増)、経常利益は1,735百万円(前年同期比17.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は548百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
<毎日の暮らし事業>
当事業は主に、株式会社ロコガイドによるチラシ・買い物情報サービス「トクバイ」、暮らしに関する総合情報メディア「くふうLive!」、株式会社くふうAIスタジオによるオンライン家計簿サービス「Zaim」、株式会社キッズスターによる子ども向け社会体験アプリ「ごっこランド」、株式会社しずおかオンラインによる地域情報メディア・サービス等の日常・地域生活領域の事業で構成されております。
当連結会計年度において、「トクバイ」導入店舗の開拓においては、新領域におけるトライアル導入を推進するとともに、サービスオプションの採用等が進捗しましたが、価格改定や新規導入が難航しました。また、暮らしに関する総合情報メディア「くふうLive!」(旧「ヨムーノ」)は検索エンジンのアルゴリズム変更の影響等によりユーザーの流入が減少し、ネットワーク広告収入が減少しました。株式会社しずおかオンラインで行っていた地域密着型の住まいメディア及び相談サービス事業は第3四半期連結会計期間より、株式会社くふう住まいに承継し、計上セグメントを毎日の暮らし事業からライフイベント事業へ変更いたしました。さらに、AIを活用し、個々のユーザーに合わせた行動提案ができるサービスの開発をグループ一体となって推進していくことを目指し、2023年7月1日付で株式会社Zaimを存続会社として、グループ内の技術支援を担い「その他」セグメントに計上していた株式会社Da Vinci Studioを吸収合併し、株式会社くふうAIスタジオに商号変更いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における毎日の暮らし事業の売上高は4,409百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は955百万円(前年同期比25.3%減)となりました。
<ライフイベント事業>
当事業は主に、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社によるコンサルティング事業及び建築施工事業、株式会社くふう住まいによる住宅・不動産専門メディア及び相談サービス、事業者向けSaaSツール、買取再販・仲介サービス、株式会社Seven Signatures Internationalによる富裕層向けコンサルティングサービス等の住まい領域の事業、並びに株式会社エニマリによるウェディング総合情報メディア、結婚式プロデュースサービス等の結婚領域の事業で構成されております。なお、住まい領域における経営の効率化を図るため、2022年10月1日付で株式会社くふう中間持株会社を存続会社として株式会社オウチーノ及び株式会社おうちのくふうを吸収合併し、株式会社くふう住まいに商号変更いたしました。また、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社において、太陽熱利用システムの開発・販売を行うOMソーラー株式会社の株式を取得し、第1四半期連結会計期間より連結子会社としました。
当連結会計年度において、住まい領域は、コンサルティング事業について、新規受注数は伸び悩みましたが、加盟店企業に対するモデル住宅建設支援等を推進いたしました。建築施工事業については、拠点閉鎖による整理を実施し、利益率の改善が進んだものの、一部建物の引渡しが翌期にずれ込みました。不動産会社向け営業支援SaaSツールは堅調に販売が推移した一方、生活者向け買取再販サービスは在庫の整理を推進しました。また、富裕層向けコンサルティングサービスにおいて、複数のスポット案件が成約し、収益に貢献いたしました。結婚領域は、有料広告掲載式場数の減少によりメディア事業は減収となったものの、結婚式プロデュース事業は受注の回復傾向がみられました。
以上の結果、当連結会計年度におけるライフイベント事業の売上高は13,154百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は986百万円(前年同期比6.0%減)となりました。
<投資・インキュベーション事業>
当事業は主に、当社や株式会社くふうキャピタルによる投資事業、くふう少額短期保険株式会社及び株式会社くふうジオデータの事業で構成されております。
当連結会計年度において、当社グループの企業価値を高める出資やM&A等を実行するとともに営業投資有価証券の一部売却を実施いたしました。また、新たな領域でのサービス開発を視野に、旅行・おでかけメディア「RETRIP」を運営する株式会社RETRIPを連結子会社といたしました。さらに、KCC1号投資事業有限責任組合の名称をくふうAIファンド投資事業有限責任組合に改め、AI技術を活用することによって価値創造が期待できる事業への機動的な投資が実行できる環境整備をすすめました。株式会社保険のくふうでは、位置情報と行動データに基づいたマーケティング支援を行う位置情報プラットフォーム事業を開始し、株式会社くふうジオデータに商号変更いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における投資・インキュベーション事業の売上高は2,966百万円(前年同期比427.8%増)、営業利益は1,112百万円(前年同期比512.6%増)となりました。
<その他>
その他は、株式会社Da Vinci Studio(現株式会社くふうAIスタジオ)による当社グループ内外向け技術支援等の支援機能であります。なお、当該会社は2023年7月1日付で株式会社Zaimに吸収合併されております。
当連結会計年度におけるその他の売上高は196百万円(前年同期比34.3%増)、営業損失は143百万円(前年同期は営業損失124百万円)となりました。
財政状態については以下の通りであります。
当連結会計年度末における総資産は20,973百万円となり、前連結会計年度末と比較し356百万円減少しました。これは主に現金及び預金が2,136百万円増加した一方で、販売用不動産が1,525百万円、営業投資有価証券が1,645百万円減少したことによるものであります。
負債は9,376百万円となり、前連結会計年度末と比較し290百万円減少しました。これは主に買掛金が273百万円増加した一方で、短期借入金が709百万円減少したことによるものであります。
純資産は11,596百万円となり、前連結会計年度末と比較し66百万円減少しました。これは主に利益剰余金が548百万円増加した一方で、資本剰余金が564百万円、その他有価証券評価差額金が412百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、9,369百万円となり、前連結会計年度末と比較し2,130百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、増加した資金は4,754百万円となりました。これは主に、販売用不動産の売却による減少1,531百万円、営業投資有価証券の売却等による減少1,010百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、減少した資金は886百万円となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出457百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出413百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、減少した資金は1,749百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入850百万円があった一方で、短期借入金の減少1,003百万円、長期借入金の返済による支出1,098百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
毎日の暮らし事業(百万円) |
4,409 |
100.2 |
|
ライフイベント事業(百万円) |
13,154 |
96.4 |
|
投資・インキュベーション事業(百万円) |
2,966 |
527.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
20,530 |
110.3 |
|
その他(百万円) |
196 |
134.3 |
|
調整額(百万円) |
△240 |
- |
|
合計(百万円) |
20,486 |
110.0 |
(注)1.調整額はセグメント間取引消去等であります。
2.投資・インキュベーション事業について、営業投資有価証券の売却額が増加したことにより、販売実績が増加しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、事業運営のための人件費等の運転資金、当社グループの企業価値を高める出資及びM&A等の投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため取引銀行と当座貸越契約等を締結することにより手元流動性を確保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。
当社グループが行っております会計上の見積りのうち特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは2021年10月の発足以降、グループ事業の再構築、新規事業への進出等を行い、継続的な企業価値の向上を目指した将来の成長基盤を築いております。中期では各事業領域における事業成長を重視し、EBITDA(営業利益に減価償却費及びのれん償却額を加算した額)を重要指標として位置付け、2026年9月期にEBITDA及び有償ストック・オプションに関する株式報酬費用の合計額100億円の達成を掲げております。当連結会計年度のEBITDA及び株式報酬費用の合計額は、2,926百万円となりました。
(1) 株式交換による株式会社Zaimの完全子会社化
当社は、2023年5月15日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、当社の連結子会社である株式会社Zaim(現株式会社くふうAIスタジオ)を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、2023年7月1日付で実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
(2) 株式交換によるハイアス・アンド・カンパニー株式会社の完全子会社化
当社及びその完全子会社である株式会社くふう住まい(以下「くふう住まい」といいます。)と、当社の連結子会社であるハイアス・アンド・カンパニー株式会社(以下「ハイアス」といいます。)は、2023年11月14日開催のそれぞれの取締役会において、くふう住まいを株式交換完全親会社とし、ハイアスを株式交換完全子会社とする株式交換を行うことについての決議を行い、同日、くふう住まい及びハイアスの間で株式交換契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(3) 第三者割当による新株式発行
当社は、2023年11月14日開催の取締役会において、第三者割当による新株式発行(以下「本第三者割当」といいます。)を行うことについて決議しました。なお、本第三者割当は、株式会社くふう住まい(以下、「くふう住まい」といいます。)を株式交換完全親会社、ハイアス・アンド・カンパニー株式会社を株式交換完全子会社とし、当社の普通株式を株式交換の対価とする株式交換を実施するために必要となる株式交換対価を株式交換完全親会社であるくふう住まいに取得させることを目的としております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のグループ全体の研究開発活動の金額は主にセグメント区分「その他」(株式会社Da Vinci Studioが株式会社Zaim(現株式会社くふうAIスタジオ)に吸収合併されたため、第4四半期連結会計期間より「毎日の暮らし事業」)に含まれる支援業務で発生した50百万円であります。当社グループでは、特定の事業領域にとどまらない先端技術や革新的なサービスを生み出すためのテクノロジー及びデザインへの取り組みは必要不可欠と考えております。また、当社グループが生活者であるユーザーへ、情報格差の解消や利便性の高いサービスを展開していくためには、研究開発活動が事業の一環としてプロダクトに直結することが重要となります。これらを実現するために、テクノロジーとデザインの力で当社グループ全体の企業価値向上を支援する株式会社くふうAIスタジオでは、専門性の高い研究開発や共同研究及びグループ内外の開発・デザイン業務を通じてノウハウを集約し、新規事業を支援・発信することに努めております。