文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」というVISIONのもと、回転寿司レストランチェーンを中核事業に、現在、1,123店舗(国内986店舗(うち、テイクアウト専門店12店舗、FC17店舗)、海外137店舗)を展開し、年間約1億5千万人のお客様にご来店いただいております。
今後も、それぞれの地域で皆様に喜ばれ、なお一層必要とされる店作りを目指してまいります。
当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業を展開し、株主の皆様に対する利益の最大化を図ってまいります。
当社グループは、高品質な食材の仕入れ、鮮度管理の徹底、店内調理へのこだわり、きめ細やかな清掃・接客により、地域に喜ばれる店舗を作ってまいりました。今後、国内のみならず海外も含めたお客様に、一層喜ばれ必要とされる店舗づくりのため、顧客ニーズへの柔軟な対応、より強固な組織体制の整備、市場競争力の向上が必要であると認識しており、以下の重点施策に取り組んでいく所存であります。
当社グループは、回転寿司「スシロー」を郊外のロードサイドを中心に出店してきましたが、将来的に国内の人口減少や出店余地の減少が予測されることから、ロードサイドに加え出店余地の大きい都市部への出店もより本格化してまいります。
当社グループは、他社とのサービスの一層の差別化を図り、既存店の収益力を強化することが重要であると認識しております。
ⅰ.来店客数の増加
当社グループの優位性は、創業以来「うまさ」にこだわり、それを維持してきたことにあります。店舗数を拡大していくにつれ、各店舗における高い満足度を提供するためにサービスの均一化を図ってきた一方で、今後はより地域特性に応じたサービスの提供、キャンペーンやオリジナル商品の投入、PR戦略を推進することで既存店舗の来店客数の増加を図ってまいります。
また、カフェ利用など、利用シーンを拡大していくことで顧客の再来店を促していくほか、アイドルタイムにおける稼働率の向上やスマートフォンアプリを活用した「まいどポイント」等の顧客ロイヤリティ向上施策を実施することで来店客数の更なる増加を図ってまいります。
ⅱ.定番商品への取り組み
当社グループでは、競合他社との差別化、効率化を求めてきましたが、改めて「うまさ」に対するこだわりを見つめ直すことが重要であると考えております。特に強みである店内調理に着目し、あえて手間をかけること、当社グループの調達力を活かしてうまい部位を使用すること等により商品に磨きをかけ、お客様の期待する本格的なすしの味を提供することで差別化することに注力してまいります。また、これらを実行するために体系化された研修制度や従業員の定着率向上によって店内調理ノウハウを蓄積し、研鑽を積んだ従業員が店内調理を担当することで高品質な商品の提供に取り組んでまいります。
ⅲ.顧客ニーズへの対応
アプリの登録者情報、店舗での発券等の顧客情報に基づき、お客様の特性に応じたサービスの提供、客単価の向上、オリジナルメニューの強化を推進してまいります。
また、オンライン注文システムの改善やテイクアウト専用メニュー、デリバリー、自動土産ロッカーの導入を実施することでテイクアウトニーズへの対応をさらに推進していくほか、ICチップ内蔵の皿を用いたビッグデータ分析やタッチパネル注文システムの改善などITシステムを活用することで、高品質な接客・サービスで顧客ニーズに対応してまいります。
このほか、お客様等からのアンケートや外部業者を活用した店舗サービスの評価を利用し、店舗ごとの課題を特定、改善することでオペレーションの改善を図ってまいります。
ⅳ.コストの最適化
中長期的に原材料費、人件費等の市況推移によるコスト上昇が想定されております。当社グループにおいては、食材調達にあたって本社一括調達によるスケールメリットを図る、取引先様との協力体制・長期的な関係構築を図るなどして調達コストの削減や価格の安定化に努めてまいります。また、人件費については、機材による自動化を含む店舗オペレーションの効率化や従業員の教育、標準化による生産性の向上等により、人件費の最適化に取り組んでまいります。加えて、AIを活用した需要予測システムにより食材の調達量・店舗からの発注量の精度を向上させることで、本社・店舗のオペレーションの効率化とフードロス削減に取り組んでまいります。
当社グループはスシロー業態を中心とするすし事業において成長を続けておりますが、当社グループが培ってきた調達力、オペレーション力はスシロー業態以外の飲食事業においても事業創出機会を生み出せるものであります。国内においては、持ち帰り寿司・回転寿司を運営する「京樽」事業と寿司居酒屋である「杉玉」の事業拡大を積極的に図ってまいります。
当社グループは、韓国、台湾、シンガポール、香港、タイ、中国大陸に店舗を展開しており、海外事業の拡大は今後当社グループの重要な成長要素であります。スシローの「うまいすし」をより一層海外に広げていくために海外事業展開を本格化させ、東アジア、東南アジア、北米等を始めとする市場規模・成長性のある市場に対して事業拡大の機会を積極的に図ってまいります。当期には、インドネシア、アメリカへ進出すべく、現地法人を設立いたしました。
さらに、寿司居酒屋である「杉玉」を香港に新規出店しており、すしだけでなく日本酒の魅力を海外に広げるブランドとして今後の事業展開を図ってまいります。
④ ガバナンス体制の強化
昨今、当社子会社である株式会社あきんどスシローが消費者庁より景品表示法に基づく措置命令を受け、当社グループ一丸となって再発防止に向け、対策を講じて参りました。今後とも、投資家・お客様をはじめとするスクーホルダーの皆様からの信頼の回復に向け、コンプライアンスを重視した、さらなるガバナンス体制・内部統制システムの強化に取り組んで参ります。
当社グループでは2024年9月期から2026年9月期を対象とした中期経営計画を公表しており、2026年9月期には売上高5,200億円、営業利益350億円(営業利益率6.7%)を目標として掲げております。
当社グループを取り巻く外食業界の経営環境におきましては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴い原材料価格やエネルギー価格が高止まりしているのみならず、円安の進行や、様々な物価の高騰等により、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」をVISIONに掲げ、安全で美味しい食をお客さまに届け続けるためには、事業活動における未来を見据えた持続可能(サステナブル)な取り組みが不可欠と捉えております。
中でも、天然の海洋水産資源が減少傾向にある昨今において「水産物の持続可能な調達」また、事業活動を行う地域での「雇用創出とダイバーシティ」は重要な取り組みとなります。
当社グループは、日本の食文化を国内で磨き海外に展開し、経済的な成長と共に、持続可能な水産物の調達を可能とするための様ざまな施策を実施し、人財の活躍ができる環境整備に努めて、豊かで持続的な社会となるよう進めて参ります。
サステナビリティに関する情報はこちらをご参照ください。
https://www.food-and-life.co.jp/sustainability/
サステナビリティに対する取組を推進するために、代表取締役社長CEOを委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。サステナビリティ推進委員会は、原則年に4回実施し、経営会議に対し気候変動対応を含むサステナビリティに関する状況を適宜報告し、指示・助言を受けることとしています。さらに、代表取締役社長は必要に応じてそれらの状況を適宜取締役会に報告し、取締役による監督や助言を得ております。

① 持続可能性の基盤となる7つのマテリアリティ
【現状分析とマテリアリティ候補の抽出】
当社グループの事業活動をサプライチェーン全体で捉え、グローバルな社会課題への影響を分析しました。ESG,ISO26000での分析も行い、新たに取り組むべき社会課題を加えて、SDGsの169ターゲットと紐づけをした上で、マテリアリティの候補を抽出しました。
【マテリアリティの重要度評価と外部有識者との意見交換】
マテリアリティの候補に対し、サステナビリティ推進委員会にて、経営視点とステークホルダー視点の両面から影響度と重要度を評価し、重要度マップにマッピングしました。客観性と妥当性を強化するために、外部有識者とマテリアリティについて意見交換を行いました。
【7つのマテリアリティへの絞り込みと担当役員の選任】
経営層を交えて重要度マップの妥当性について協議を重ね、7つのマテリアリティに絞り込みました。マテリアリティごとに取り組む社会課題を明確化し、担当役員を選任して、紐づけられたSDGs169ターゲットを指針に、具体的な施策のロードマップの策定を行いました。
【経営会議と取締役会での承認】
ESG/SDGsマトリクスにて整理した7つのマテリアリティを、サステナビリティ推進委員会を経て、最終的に経営会議での協議と取締役会の承認を経て、特定させました。今後、当社グループは、選任した担当役員を中心に、マテリアリティへの取り組みを遂行していきます。
【7つのマテリアリティ】
・公正な取引によるサステナブルな調達の実施
・DX推進などによるお客さまの体験価値の向上
・食品ロス削減と海洋水産資源などの有効活用
・食の安全・安心
・カーボンニュートラルの実現
・人的資本経営の充実
・コーポレートガバナンスとコンプライアンスの強化
② 人財の育成及び社内環境整備に関する方針
当社グループのVISION「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」を実現するために、その原動力となる従業員に対して、個性を活かして成長、活躍できる職場環境を提供できるように努めております。美味しさを通じた良質な顧客体験を、国内外問わず、持続的に向上させていくため、取り組むべき領域が様々あるなかでも「人財の育成」「D&Iの推進」には特に重きをおいて取り組んでおります。
イ.人財の育成
グループのVISIONを体現できる人財を育成することを方針とし、当社およびグループ会社にて教育研修プログラムを策定、実施しております。
当社においては、アセスメントを通じて従業員の特徴や強み、弱みを見える化した上で、フィードバックを通じて気付きを与えることで、個々人が日々の業務経験を通じて自律的に成長することができるように教育研修施策を立案、実施しております。
当連結会計年度では、部下のジョブアサインメントを行う管理職層、そして、その管理職層の任免を行う役員向けの施策を中心に実施いたしました。
今後は、経営戦略上の重要なポジションを担う人財やグローバルでグループのVISIONを体現できる人財にフォーカスした育成施策の実施を検討してまいります。
ロ.D&Iの推進
当社グループでは、すべてのステークホルダーの皆さまへ価値を提供し続けるため、多様性を受け入れ、一人ひとりの個性を活かすように人財をマネジメントすることが不可欠だと考えており、当社およびグループ会社にて施策を企画、実施しております。
当連結会計年度においては、グループ会社と協同して以下のような取り組みに注力をいたしました。
・ニュースレターの定期配信
D&Iに関する理解の促進、意識の醸成のため、毎月、D&Iを軸に作成した記事を国内全社員に配信
・育児休業の取得推進
男性の出生時育児休業を含む育児休業の総称を「ファミリータイム」とし、上記ニュースレターにて取得された方の声を発信するなど、育児休業取得に関する理解を促進するような啓蒙を実施
・有給休暇の備蓄制度導入
失効する年次有給休暇を翌年度以降に持ち越し私傷病の治療や介護、看護などに利用できる制度を国内全法人にて導入
・障がい者の雇用促進と定着支援
個店ごとのオペレーションをベースとした従来の雇用・定着支援に加えて、特例子会社にて、業態を跨いだ店舗の清掃業務、店舗以外の部署を対象としたシェアードサービス業務を受託し、更なる雇用機会を創出
・ワークショップの開催と経営への提言
多様な人財で構成されたメンバーで、グループ全体でD&Iを推進するための各種取り組みについて検討するワークショップを開催して経営へ提言しつつ、提言された内容に基づいた改善施策が行われるように支援
当社グループではサステナビリティ推進委員会が中心となり、気候関連のリスクの把握・分析・評価をしております。サステナビリティ推進委員会は代表取締役社長を委員長としており、把握・分析・評価された気候変動関連リスクについて、適宜、必要に応じて各グループ会社・各部門等に対応策の策定及びその報告を求めております。
また、当社グループでは企業の継続的発展を脅かすあらゆるリスクを把握し、リスクマネジメント体制を整備するため、「リスク管理規程」を定め、内部統制委員会を設置しております。グループ経営上重要なリスクは、内部統制委員会において、把握・分析・評価を行い、改善策を策定するなど、適切な危機管理を行う体制を整えており、気候変動関連リスクにつきましても、サステナビリティ推進委員会と内部統制委員会が連携して対応してまいります。
① 水産資源及び気候変動関連の指標及び目標
水産資源の安定調達へ向けた取り組みとして、養殖の調達割合を拡大させ、養殖割合35%から将来的には50%を目指しております。
天然:養殖の比率を50%:50%としております。
また、気候変動関連については、事業活動により排出されるCO2排出量の削減を最優先で進めるため、当社の中核事業である株式会社あきんどスシローのCO2排出量目標を設定しております。
2030年度:CO2排出量(Scope1+2)の2013年度対比で原単位50%以上の削減
2050年度:カーボンニュートラル
② 人財の育成及び社内環境整備に関する指標及び目標
当社がグループ全体の基幹ポストのアサインメントおよびサクセッション、D&Iの推進に関する方針を示した上で、その実現に向けては、グループ会社にて人的資本に関する指標や目標を定めて取組みを進めていますが、多様性に向けたコミットメントに関しては、グループ全体で下記目標を定めております。
・2024年9月期までに、当社グループ全体における女性の管理職比率を10%以上にすることを目指す。
当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。また、必ずしも、そのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの店舗の大部分が日本国内に所在しているため、日本国内の景気変動や、消費税率引上げを含む政府の経済政策により、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。特に、雇用水準等の変化による消費者の可処分所得の減少、回転寿司を含む外食又はテイクアウトへの支出の減少、為替相場の変動(主に円安)による鮮魚類の仕入コストの増加は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ファミリーレストラン、ファストフード店等の飲食店、個人経営及び家族経営の飲食店といった同業他社に加え、コンビニエンスストア、テイクアウト及び宅配サービス、スーパーマーケット等とも競合関係にあります。
当社グループの事業における最も重要な競争要因は、品質、味及び価格であると考えておりますが、立地、利便性及びアクセスのしやすさ、メニューの幅、当社グループのブランド認知度といった他の要因も重要であると考えております。当社グループは、寿司の品質及び味において競合他社との差別化を図ることに努めており、厳選した素材を調達し、新鮮で高品質な寿司を提供するために競合他社よりも若干高い売上原価率の維持に努めております。価格に基づく競争は、低価格回転寿司業界においては特に熾烈であり、当社グループは、寿司及びサイドメニューの質及び品数の豊富さの確保にも重点を置きつつ、競合他社の価格に対抗することが求められる可能性があります。
さらに、日本の人口減少により、日本のレストラン及び飲食業界の全体的な規模の成長が鈍化する可能性があり、それにより競争が激化する可能性があります。これに加えて、低価格回転寿司業界における寿司店数の増加は、1店舗当たりの来店客数の減少につながる可能性があり、当社グループは、低価格回転寿司業界の主要な競合他社とのみでなく、当社グループの店舗同士でも競合が生じる可能性があります。当社グループは、メニューの改善により、顧客に提供する価値及び平均客単価を上げることが、競争力を維持するために重要であると考えておりますが、競争力を維持することができなかった場合、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
競争において優位に立つためには、とりわけ、顧客を惹き付けるために広告宣伝費をかけ、マーケティングに経営資源を投入する必要があります。しかしながら、かかるマーケティング戦略は成功しない可能性があります。例えば、来店客数増加を目的とした新しい種類のメニューの導入や、季節限定、地域限定又は販促目的のキャンペーンは成功しない可能性があり、その場合、収益が減少する可能性があります。加えて、当社グループの競合他社の中には、当社グループに比べ、マーケティング及び広告宣伝活動により多くの資源を投入できる企業が存在する可能性があります。また、レストラン業界全体の統合又は当社グループの主要な競合他社がより大きなレストラン・チェーンに買収されることにより、かかる競合他社が当社グループよりも大きな購買力及びマーケティング力を得る可能性もあります。もし当社グループの競合他社がマーケティング及び広告宣伝活動への支出を当社グループに比べて増加させた場合、当社グループの来店客数の減少及び店舗当たり売上高の減少を招く可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を展開するレストラン及び飲食サービス業界は、急速に変化する消費者の嗜好の影響を受けます。当社グループは、清潔で快適な回転寿司の形式により、質の高い接客とともに、新鮮で高品質な寿司を、魅力的な価格で提供することを使命としております。当社グループとしては、低価格回転寿司は幅広い顧客に支えられた安定的な市場であると考えておりますが、消費者の嗜好が当社グループの核となるスシローの店舗コンセプト又は当社グループが主に提供するメニューから乖離した場合、当社グループの事業及び当社グループの店舗の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、近時、当社グループは、顧客により多くの選択肢を提供すべく、寿司及び寿司以外のメニューをそれぞれ拡張しており、また、ピーク以外の時間帯における来店客数を増やすための方策を講じております。しかしながら、これらの取組みが、当社グループの業績に期待どおりの影響をもたらす保証はありません。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大時の行動規制に見られるように、感染症等の影響等により、来店型のビジネスモデルに対する消費者の嗜好に大きな変化が生じた場合、当社グループの事業及び当社グループの店舗の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが消費者の嗜好を正確に予測若しくは把握できない場合、又はそれに応えていくことができない場合、当社グループはマーケット・シェアを失う可能性があり、その結果、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの基本メニューは、海産物をはじめとする各種食材によって構成されており、それらが適切に調達、保管、輸送、調理又は提供されなかった場合には、食の安全の問題が発生する可能性があります。食の安全は、当社グループの最重要事項であり、当社グループは、調達、保管、輸送、調理及び提供の全過程において、食品衛生法等の食の安全に関する適用法令を遵守し、食の安全に関連する事故のリスクを減少させるために多大な資源を投じております。また、当社グループの成長戦略による新たな取り組み、具体的な事例としてはセントラルキッチンの保有、フランチャイズ店舗の増加、テイクアウト等販売形態の多様化、海外展開によるリスクの変化に合わせて、管理体制の刷新を行っております。新型コロナウイルス等、食を介してではなく人を介して広がる感染症についても、新たなリスクと認識して対策を行っております。
しかしながら、当社グループの努力にかかわらず、ノロウイルス、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、その他要因による食中毒事故や、食品表示法違反等による製品回収が発生する可能性を完全に排除することは困難です。当社グループが海産物等の原材料について第三者である供給業者に依存していることに伴い、当社グループがコントロールできない要因によって食中毒事故が発生するリスクがあります。また、予防策に対する耐性を持つ新たな若しくは異なる系統の疾病又は潜伏期間の長い疾病が発生する可能性があり、これによって、原因を迅速に特定し、改善措置をとることが困難となる可能性があります。加えて、新型コロナウイルス等重篤な感染症が発生した場合、当社グループが運営する施設内でお客様や従業員間に感染が拡がり、お客様及び従業員の安全が脅かされる可能性があります。
さらに、当社グループ又は飲食業界全体の食の安全性(食中毒、異物混入又は汚染の事故を含みます。)や感染症の拡大に関連する報道、風評又は苦情(根拠の有無を問いません。)により、当社グループに対する信用に悪影響が及ぶ可能性があり、その場合、当社グループの評判並びに事業、財政状態及び経営成績が重大な悪影響を受ける可能性があります。
当社グループは食中毒事故を対象とする保険に加入しておりますが、セントラルキッチン製造製品や原材料を原因とする食中毒事故、製品回収が発生した場合は、多数のお客様、販売業者、当社グループ店舗が影響を受ける可能性があります。また、当社グループの在庫の食品のうち一部に汚染があった場合、汚染が確認されていない部分についても在庫を処分することが必要となる可能性があります。これらの結果、一時的に膨大なコストがかかる可能性があります。
また、当社グループは食品衛生法をはじめとする数多くの健康及び食の安全に関する法的規制に服しております。当社グループが健康又は食の安全に関する法規制を遵守しなかった場合には、セントラルキッチンや店舗の営業許可の取消しや営業停止を含む行政処分や、罰金その他制裁を受ける可能性があります。また、健康及び食の安全に関連する法律、規則又は規制の導入または改定により、当社グループ全体の運営コストが増加する可能性があります。
当社グループの事業の採算性を維持するためには、鮮魚類等の食材及び店舗用品の価格変化を正しく予測し、適切に対応することが重要となります。鮮魚類等の食材及び店舗用品の価格は、例えば、国内外のインフレーションの進行、天候不順・異常気象・自然災害の発生、新興国の継続的な成長による急激な需要の増加及び価格の高騰、物流上の障害、政府による輸入制限処置の発動、国際的な漁獲制限、取引先の倒産又は事故・災害による供給停止、食品衛生上の問題又は放射能汚染等による出荷制限・風評被害、為替の変動、増税等の影響を受けます。これらを当社グループがコントロールできず、予測の困難な要因により原材料等の調達不安や価格高騰が発生した場合には、売上原価率の上昇等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの使用する鮮魚、米その他の生鮮食材の価格が将来的に高騰し、当社グループがかかる価格の高騰を顧客に転嫁することができない場合には、当社グループの営業利益は減少します。さらに、日本におけるインフレーション又は為替相場の変動により、生鮮食材の調達コストがさらに上昇する可能性があります。これらのコスト上昇を効果的に調整することができない場合には、売上及び顧客基盤に影響を与えない方法により調達業務の効率化又はコスト上昇分の価格転嫁を行うとしても、当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
店舗の水道光熱費(主に電気、水道及びガスの費用)の増加についても、増加費用を顧客に転嫁することができない場合又は転嫁しないことを選択した場合には、当社グループの営業利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
円安や水産資源の減少等による食材の調達コスト、物流費、地代、人件費、設備・建設資材の高騰などの急激な環境の変化を受け、当社グループは国内の回転すし店において、2022年10月1日より商品販売価格の改定を行っております。この改定により、顧客が競合他社に流出してしまう場合や、消費行動を変えることとなる場合に、当社グループの来店客数の減少及び店舗当たり売上高の減少を招く可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の放出に伴う輸入規制や風評被害、各国政府の対応状況等により、進出エリアによっては食材等の調達方法を変更せざるを得なくなる可能性があります。適正な調達方法から変更した場合には、売上原価率の上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは2023年11月に「2024年9月期-2026年9月期 中期経営計画」(以下「中期経営計画」という。)を公表しており、①海外展開拡大、②国内事業強化、③サステナブル経営の重点課題への取り組み強化を軸とした成長戦略を掲げています。
しかしながら、当社グループがかかる目標を達成することができるか否かは、本項に記載された事項を含む多くのリスクや課題の影響を受けます。
中期経営計画を策定する中で、当社グループは様々な前提を置いております。このような前提は必ずしも正しいという保証はなく、仮にかかる前提が誤っていた場合であっても、当社グループはこれに対応して成長戦略又は事業運営を適時に変更することができない可能性があります。
当社グループは、中期経営計画のもと、着実な新規出店の継続を通じた成長を目指しております。当社グループは、店舗開発チームを強化し、売上予測並びに店舗賃貸借及び立地の選択に係るシミュレーションを改善すること等により、店舗開発能力の向上に努めております。現時点において、当社グループの中心事業である国内のすし事業は、郊外の大型店舗及び都市部への出店に加え、駅中・駅前ビルにおけるテイクアウト専門店などを中心に進めていく出店方針であります。
当社グループの出店に要する初期コストは出店場所により異なるため、想定される該当店舗の営業利益ベースで投資回収ができなかった場合、また、出店余地の減少により出店計画どおり出店できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの将来の店舗業績は、当社グループとしてどのような新規市場及び店舗立地を選定するか、当社グループの店舗のコンセプトがどの程度当該市場において受け入れられるか、並びに当社グループの店舗のコンセプトをどう都市部に当てはめるか、といった様々な要因の影響を受けます。郊外エリア又は都市部に向けた当社グループの店舗のコンセプトは、当社グループのブランド認知度が低い地域の顧客に対しては十分に魅力的でない可能性があり、また、既存市場においても当社グループの店舗のコンセプトの人気に陰りが生じる可能性があります。さらに、新規店舗が成功しない可能性もあり、1店舗当たり売上高を従前のように維持できない可能性もあります。
加えて、計画どおりの費用対効果で新規出店数を達成できない可能性があります。新規出店の遅延又は失敗は当社グループの成長戦略及び業績予測に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの出店立地条件及び店舗の特徴は、幹線道路に沿った郊外型が中心であり、また店舗規模については、当社グループの店舗運営上の効率性を踏まえ、客席数が概ね200席程度の大型店舗が出店の中心となっております。このため、店舗建設にあたっては駐車場を含む十分なスペースの確保が必要条件となっております。また、当社グループの店舗は借地又は賃借用の建物を使用しております。そのため、当社グループが事業を継続する上では、これらの場所を好条件で賃借し続けることができるか否かに影響を受けます。
新規店舗及び既存店舗において賃料の大幅な増加がある場合、当社グループの運営コストは増加します。加えて、当社グループがより好条件の立地において賃貸借契約を締結し、維持し又は更新することができるかは、賃貸人が賃貸借期間の終了時に更新に合意するか否か等、賃貸人に関するリスクにさらされており、当該リスクが顕在化した場合、当該立地において賃貸借契約を維持できず、移転を余儀なくされる可能性があります。さらに、出店場所を新たに検討する際において、他のレストランその他の潜在的な賃借人との競合が生じた場合、賃料等のコストが増加する可能性があり、仮にかかるコストをかけることができなかった場合には魅力的な機会を失う可能性があります。また、このようなコストの増加は、一般的には都市部においてより高額となる可能性があります。また、当社グループは、賃貸借終了や採算性等を理由に閉店を余儀なくされた場合、資産の処分による損失その他関連する損失を被る可能性があります。さらに、賃借先である家主の破産等が発生した場合には、敷金及び保証金、建設協力金の回収不能が生ずる可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、全国及び海外に店舗を配置しており、当社グループが事業を展開する地域や国において、大規模な地震や洪水、台風、感染症の大流行等の自然災害、又は大惨事、社会・政治的な事件若しくは動乱が発生した場合、原材料の調達の阻害、本社機能の停止、店舗の損壊、顧客の外食離れ等の悪影響をもたらし得ることから、当社グループの事業、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記自然災害等により影響を受ける地域では日常生活が打撃を受け、その結果、当社グループの店舗において機会損失が生じ、また、当社グループの本社、店舗及び設備を含む資産、又は材料が運搬される物流施設が損傷する可能性や、水道、電気、ガス等のライフラインの利用が制限され、当社グループの店舗運営が停止する可能性があります。さらに、当社グループの仕入先が同様の状況に陥り、その結果、サプライ・チェーンが寸断される可能性があります。また、感染症の流行も、顧客の外食傾向及び当社グループの従業員の労働能力の双方に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの店舗運営コストの大部分は、固定費及び準固定費であるため、上記要因による売上の減少は営業利益を減少させ、営業損失につながる可能性があります。当社グループが加入する災害保険は回復に要するコストをカバーするのに十分でない可能性があります。
当社グループは、多くの店舗を運営する事業を展開しており、比較的多くの人数の社員を確保する必要があります。近年、我が国は少子高齢化という深刻な問題に直面しています。出生率の低下を主たる要因として若年労働者の数が減少し、国全体の労働力人口の減少が続いています。また、円安による外国人労働者の流入量の減少も労働力人口の減少に影響しています。円安が進むと、日本で働く外国人労働者にとって給与水準が下がるため、他国と比較して相対的に魅力を感じなくなってしまいます。このような環境下では、従前と同様の人材の質及び量の確保が困難となる可能性が高まります。
他方、我が国において過去と比較して労働者が転職しやすい環境が整ってきています。このような労働市場の流動性の高まりは、当社グループにとっても人材の定着を高めるための施策実施の必要性を意識することとなっています。さらに、若い世代における就労に対する意識が変化してきています。仕事に対する価値観やキャリア観が変わってきており、高い金銭的な報酬を得ることよりも個人の成長やライフスタイルの充実を重視する傾向が見られます。当社グループとしましても、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、性別にとらわれず社員が働きがいを感じることのできる職場環境の整備や人事制度の見直し、教育研修やキャリア支援の充実などに取り組んでいく方針を掲げています。
これらの施策が十分な効果を発揮しない場合に、今後の新規出店や海外展開など当社グループの事業運営に支障をもたらす可能性があります。このような人材確保及び定着に関するリスクを踏まえた戦略的な取り組みが、当社グループの持続的な発展に必要不可欠と考えております。
当社グループは、日本国内に多くの店舗を展開しており、1店舗当たり多くの人数のパートタイマー及びアルバイトを雇用することで効率的に店舗を運営してきています。近年、我が国では労働力人口の減少が続いており、特に、出生率低下による若年層人口の減少が著しく、従来から主たる労働力として活躍してきた高校生を含む学生アルバイトの応募者数が減少してきています。加えて、外国人留学生の減少も労働力不足の要因となっています。都市部を中心として多くの店舗では、留学生がパートタイマー及びアルバイト従業員として勤務しています。しかし、新型コロナウイルス感染症や円安の影響により、日本に留学を希望する留学生の数が減少していることから、店舗運営における労働力不足が深刻化しています。
また、日本政府により継続的な賃上げ方針が示され、今後も最低賃金の引き上げが毎年実施されることは不可避です。労働力人口の減少に加えて、継続的な最低賃金の引き上げにより、労働市場においてパートタイマー及びアルバイトの時給水準が上がることによって、必然的に店舗運営における人件費の上昇が見込まれます。このことが、当社グループの事業において、経営成績に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
さらに、「年収の壁」問題も重要な要素となります。最低賃金の引き上げにより、これまでよりも「年収の壁」に到達するパートタイマー・アルバイトの人数が増加し、従来と比較して、年後半からシフトに入る回数や時間を控える傾向が強まります。そのため、店舗運営においてパートタイマー・アルバイトの稼働時間を確保することが困難となり、店舗で提供するサービスの品質や効率に悪影響を及ぼす可能性を否定できません。
このような状況において、十分な労働力や稼働時間が確保できない場合や人件費の上昇を業務効率化等で吸収できない場合、当社グループの事業運営に支障をもたらす可能性があります。
当社グループは、事業運営全般にわたり、サプライ・チェーンの管理、受付システム、タッチパネル注文、注文及びレーン上の管理並びに廃棄の管理等において、情報通信システムに大きく依存しております。また、当社グループは2015年2月に店舗の予約、待ち時間の確認、テイクアウトの注文等の機能を備えたスマートフォン向けのスシローアプリを導入しました。そのため、当社グループが事業全体を効果的に管理し、メニュー品の調理、配送及び販売を相互に効果的に連携するためには、これらのシステムの信頼性及び能力が非常に重要となります。これらのシステムが効果的に稼働しない場合、アップグレード又は代替のシステムへの移行に問題が発生した場合、サイバー攻撃の結果としてこれらのシステムのセキュリティに重大なネットワーク侵害があった場合、又はそれ以外の原因により継続的かつ安全なオンライン・プラットフォームを維持することができない場合には、顧客サービスに遅延が生じ、当社グループの経営の効率が下がり、問題を改善するために多額の設備投資が必要となり、又は当社グループの評判を毀損する風評が生じる可能性があります。
かかるシステムの維持において、運営面でアプリケーション・サービス・プロバイダに委託しており、また、当社グループのデータ管理のためにクラウド・サービス・プロバイダに委託しております。アプリケーション・サービス・プロバイダ又はクラウド・サービス・プロバイダのミス等により、個人情報及び秘密情報の漏洩又はその他のセキュリティ違反及び当社グループのシステムの混乱が生じる可能性があります。また、アプリケーション・サービス・プロバイダ又はクラウド・サービス・プロバイダが何かの理由で運営を停止することにより、当社グループの運営が妨げられるリスクが存在します。さらに、当社グループの競合他社がより効果的な情報通信システムを開発し、それによって競合他社が顧客にとってより魅力的となる又はその店舗若しくは事業運営が強化される可能性があります。
当社グループが保有する商標等の不正利用、商品への異物混入や苦情等、インターネット上での様々な書き込み・動画投稿により風評被害が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社グループの事業、財政状態、業績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。また、従業員又は第三者が関与する不適切行為その他の事故によっても、当社グループの事業、財政状態、業績、ブランドイメージ及び社会的信用は損なわれる可能性があります。
風評被害は、違法、不公平又は一貫性のない従業員の行為の申立て、従業員の不満、病気、傷害、メディア報道又はインターネット若しくはSNSサイトへの不適切な書き込み・動画投稿、犯罪行為、データプライバシー侵害、内部統制の不備、又は当社グループの従業員若しくは同一若しくは類似の業界における他社の従業員が関与するスキャンダルによって発生する可能性があります。申立てや苦情が認められるか否かにかかわらず、当社グループの店舗、競合他社の店舗、回転寿司市場又はより広範な日本の食品サービス業界に関する好意的ではない評判は、当社グループの全店舗に関する信用性に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ又はその業界に関する風評(食の安全、食品に関する政府若しくは業界団体の調査結果、魚の乱獲に関する環境問題又は当社グループの店舗における業務上の問題に関するものを含みます。)は、当社グループの評判を毀損し、当社グループの集客及び売上に悪影響を及ぼし、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「世界中のお客様に、うまいすしを届けたい。」を掲げ、海外戦略を具体的に推進するため、韓国、台湾、シンガポール、香港、タイ、中国大陸において当連結会計年度末現在135店舗を運営しております。これら海外の店舗における売上収益は、当社グループの当連結会計年度の売上収益合計の約22%です。また、当社グループは、他のアジアを中心とする国外市場等へと海外事業を拡大させる可能性を検討しております。
海外での店舗運営の実績が限定的であることに加えて、当社グループは、海外事業の運営全般において、消費者の嗜好、価格意識、外食の性向及び消費傾向の相違、ブランド認知度の低さ、地元の店舗での外食等の他の選択肢との競合、消費動向又は原材料費、流通費及び人件費に影響を及ぼす現地の経済状況の変化、材料費及び外国為替相場の変動、戦争行為、テロ攻撃、伝染病の大流行、政変及び当社グループがコントロールできないその他の事由、当該市場における当社グループの経営能力又は事業を行うコストに影響を及ぼす現地の法律上及び規制上の要件の変更等の多くの課題等に直面する可能性があります。これらの課題等は、当社グループの財政状態、経営成績及び成長戦略に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の放出に伴う輸入規制や風評被害、各国政府の対応状況等が進出エリア毎に異なる状況であることから、その業績に与える影響についても進出エリア毎に大きく異なる状況となります。今後海外事業の拡大に伴い、このような事象が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及び成長戦略に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループには、通常の業務において発生する製造物責任、契約違反、人身被害並びに労働及び雇用等に関する請求に関し、顧客、賃貸人、納入・供給業者及び従業員を含む第三者からの訴訟のリスクが存在します。当社グループに対する請求が有効であるか否か、また当社グループが最終的に責任を負うこととされるか否かにかかわらず、かかる請求があった場合には防御に費用がかかる可能性があり、また、時間と費用がかかり、結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。かかる請求が当社グループの加入する保険の対象とされていない場合又は保険の担保範囲を大きく超える判決があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。これらの申立てから生じる風評もまた、当社グループの評判又は見通しに悪影響を及ぼし、さらに当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、多数の個人の顧客から様々な情報を取得し保有しております。当社グループは、顧客情報について、個人情報の保護に関する法律に基づき、個人情報取扱事業者として、個人情報保護に係る義務等の遵守が求められております。
当社グループは、クレジットカード処理システム及び当社グループの顧客向けロイヤリティ・ポイント・システムを含むスマートフォン向けのスシローアプリやウェブサイトを利用した注文システム等を通じて個人情報を定期的に収集しております。個人情報が漏洩した場合には、損害賠償請求及び行政処分等により、当社グループの評判が毀損し、多額の是正費用が必要となり、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業の運営においては、当社グループが日本及び海外で用いる店舗名やロゴ、当社グループの店舗のデザイン等の商標、特許その他の当社グループが専有する知的財産権を活用してブランドの価値を構築し維持することが重要となります。当社グループがその知的財産権を保護することに失敗した場合、又は第三者が当社グループの知的財産権を悪用若しくは侵害し、若しくは当社グループの知的財産権が競合他社に知られ若しくは競合他社により独自に開発された場合には、当社グループのブランドの価値が損なわれる可能性があり、これにより当社グループの事業が重大な悪影響を受け、当社グループのブランドが市場で受け入れられなくなり、又はブランド価値を維持することができなくなる可能性があります。また、当社グループは、当社が事業を行う又は行おうとする分野における類似の知的財産権の先使用権者から請求を受ける可能性があります。これにより、当社グループのイメージ、ブランド又は競争力が損なわれ、当社グループが多額のペナルティ及び費用を負担することとなる可能性があります。
当社グループの運営は外国為替相場の変動及び外国為替に係る規制の変化により影響を受けます。商社及び卸売業者等の当社グループの直接の仕入先から仕入れる生鮮食材の調達コスト等の大部分は円貨建てとなっておりますが、一部の仕入先に係る調達費用は外貨建てとなっております。これらの外貨が日本円に対して強くなる場合、また、仕入先がかかる相場変動によるコスト増を当社グループに転嫁しようとする場合、当社グループの調達コストは増加する可能性があります。かかる為替相場の変動のリスクに対処するために、当社グループは将来的にヘッジ取引その他の為替変動リスクを最小限に抑える方策を行う可能性がありますが、かかる方策を行ったとしても、外国為替相場の変動リスクを十分回避できる保証はありません。
無形資産(特にブランド)及びのれんは当社グループの資産の相当な部分を占めます。当社グループのブランド及びCEILジャパン株式会社が2012年9月に行った前株式会社あきんどスシローの買収等により発生したのれんは、当連結会計年度末現在それぞれ53,596百万円及び30,371百万円であり、合わせて当社グループの総資産の23.9%を占めています。IFRSのもとでは、ブランド及びのれんは償却の対象とはならず、毎年及び減損の兆候があると認められた場合にはその都度、減損テストが実施されます。また、当社グループの事業資産も、帳簿価額を回収することができない可能性を示す事象や状況変化があった場合には減損テストが実施されます。
減損を計上すべきか否かの決定には、高度な判断が必要となります。特に、当該資産から利益を得る店舗の将来キャッシュ・フローの大幅な減少、法的要因又は事業環境における重大な不利な変化等の要因は減損につながる可能性があります。こうした要因について不利な変化があった場合、これらの資産の回収可能性に重大な影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。当社グループは、資産の減損の金額及び時期を正確に予測することができません。当社グループの資産の価値が減損した場合、当社グループの財政状態及び経営成績が重大な悪影響を受ける可能性があります。
当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し借入れを行っていると共に、社債発行による資金調達を行っております。資金調達を機動的に実施できるか否かは当社グループの事業に重要な影響を与える可能性があります。
また、当社グループが将来リファイナンスをすることができるかについては、金融市場及び資本市場並びにその時点の当社グループの財政状態より影響を受けます。当社グループが良い条件でリファイナンスすることができる保証はなく、そのことにより当社グループの財政状態及び事業運営は悪影響を受ける可能性があります。
当社グループの借入金の一部については、元本が円建ての変動金利となっているため、市場金利の変動の影響を受けます。金利政策に変更等があり、円金利が上がった場合には、当社グループの変動金利による借入れに適用される金利は上昇し、当該借入れに係る金利の支払い額はヘッジがなされない限りにおいて増加します。加えて、当社グループの長期借入れの一部は固定金利のため、市場金利の上昇は、当該借入れをリファイナンスする場合又は事業資金若しくは設備投資資金のために借入れを増加させる場合に、当社グループの金利の支払い額は増加します。
さらに、借入契約には、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば同契約上の期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金の確保が必要となり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、利息等の返済原資は主にキャッシュ・フローによるものと考えており、当社グループがこれらの支払いを行うことができるか否かは、当社グループの将来の業績により左右されます。当社グループに十分な資金がない場合、当社グループは、既存の借入れの全部又は一部のリファイナンス、資産の売却又は更なる金銭の借入れが必要となる可能性があります。当社グループは、これらの代案を当社グループが受入可能な条件によって行うことができず、又は全く行うことができない可能性があります。
なお、財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.社債及び借入金」に記載しております。
当社は、当社及び当社子会社の役員及び従業員に対しインセンティブ付与のため、新株予約権の発行及びストック・オプション制度を採用しております。
また、今後も優秀な人材を確保するために、ストック・オプション制度を活用していく可能性があり、現在付与している新株予約権に加えて、今後付与する新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社グループは、会社法、税法、労働関係法などの一般的な法令に加え、食品衛生法、景品表示法など当社グループの運営する事業に関連して国内外の様々な法的規制を受けております。これらの法的規制が強化された場合、それに対応するために新たな費用が発生することにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、こうした法的規制に違反した場合、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業買収・業務提携・合弁会社の設立等を通じて、事業の拡大及び競争力の強化を図っています。企業買収等の検討段階では、対象企業のデューデリジェンスを行い、買収や出資後の対象企業の運営について検証を行っています。しかしながら、当初に期待した効果が得られない場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、食品廃棄物、プラスチックをはじめとする容器包装リサイクル、廃棄物処理及び気候変動対策などに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。気候変動による物理的リスクとして気温上昇による原材料魚介類の収量減・品質への影響や渇水・洪水による操業停止の可能性や、炭素税や排出取引制度によるコスト増や事業活動への制限が加えられる可能性があります。
加えて、気候変動、プラスチック容器や食材ロスなどの環境問題において、当社グループの対応が不十分と評価された場合、レピュテーションが低下し、結果として当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類へ移行され、行動制限が撤廃されたこと等から、人の動きに回復傾向がみられる一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴い原材料価格やエネルギー価格が高止まりしているのみならず、円安が進行しており、様々な物価が高騰し、先行き不透明な状況が続いております。
外食業界におきましても、同様にロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う原材料価格やエネルギー価格の高止まりや円安の進行、様々な物価の高騰等により引き続き厳しい状況になっております。
このような状況の中、当社グループでは、「変えよう、毎日の美味しさを。広めよう、世界に喜びを。」をVISIONとして、日々の食を美味しくすることで、お客様の生活や人生までゆたかにしたいという願いに向けて、商品開発、店内調理、安心・安全の取り組み及びサービスの向上に取り組んでまいりました。
また、業態別店舗数は以下のとおりであります。
[当社グループ業態別店舗数]
( )内は内数でテイクアウト専門店・FCの店舗数
以上の結果、財政状態及び経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
(資産)
総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ18,699百万円増加し、350,682百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3,409百万円増加し、71,401百万円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権が1,060百万円及びその他の金融資産が932百万円増加したこと等によるものであります。
非流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ15,291百万円増加し、279,280百万円となりました。これは主に、新店出店等により有形固定資産が14,125百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,090百万円増加し、278,937百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ27,425百万円増加し、81,491百万円となりました。これは主に、社債の一部における非流動負債からの振り替えに伴い、社債及び借入金が19,998百万円増加したこと及び営業債務及びその他の債務が2,645百万円増加したこと等によるものであります。
非流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ15,335百万円減少し、197,446百万円となりました。これは主に、社債の一部における流動負債への振り替え及び借入金の返済等により、社債及び借入金が23,971百万円減少した一方でリース負債が9,065百万円増加したこと等によるものであります。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末に比べ6,610百万円増加し、71,744百万円となりました。これは主に、配当金の支払により2,603百万円減少した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により7,899百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の経営成績は、売上収益301,747百万円(前連結会計年度比7.3%増)、営業利益11,001百万円(前連結会計年度比8.7%増)、税引前利益9,864百万円(前連結会計年度比30.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益7,899百万円(前連結会計年度比119.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(国内スシロー事業)
国内スシロー事業につきましては、円安や水産資源の減少等による食材の調達コスト、物流費、地代、人件費、設備・建設資材の高騰など、飲食業を含めて事業会社を取り巻く環境の変化はこれまでに無いほど急激で大きなものがあり、2022年10月1日より、国内におけるスシロー全店において、価格の改定を行っております。
そのような中、2023年1月には、スシロー店舗における迷惑動画がSNSにおいて掲載され、拡散されました。このような行為は、お客さまへ安全・安心な「おすし」を提供する上で、お客さまとの信頼関係を損なう重大な事案であると重く受け止めております。お客さまの信頼回復に向けて、対象店舗において、すべての湯呑の洗浄、しょうゆボトルの入れ替えを実施し、今後の防止策としては、テーブルに備え付けの食器や調味料にご不安をお感じになられた場合の消毒済のものへの交換、全国の郊外型店舗に対してアクリル板の設置の実施などを行っております。
業績回復に向けた取り組みとして、「スタミナ祭」では、大切りうなぎやキムチを使ったうま辛ネタなどのスタミナ満点の商品を提供し、「ハイキュー!!」とのコラボでは、初となるアニメとのコラボとして、「盛ってこーい!!!ハイキュー!!頂すし!」のコラボメニューやコラボグッズ付き商品の販売、コラボグッズが当たるSNSキャンペーンなどの企画をお客さまにお楽しみいただき、「満腹 デカネタ祭」では、本鮪大切り中とろやダブルジャンボ貝柱、えび天マウンテンなどをご堪能いただきました。
また、2023年7月より、"スシローのこだわりの語り部"として落語家の笑福亭鶴瓶さんを起用し、新TV-CMを全国で放映し、同年9月より、デジタルビジョンと回転レーンを融合した「デジタル スシロー ビジョン」(通称:デジロー)を一部店舗にてトライアル導入しております。
以上の結果、国内スシロー事業の売上収益は205,906百万円(前連結会計年度比5.6%減)、セグメント利益は4,881百万円(前連結会計年度比44.7%減)となりました。
(海外スシロー事業)
海外スシロー事業につきましては、新型コロナウイルスの影響から完全に脱し強い回復傾向にあった中、8月末から開始されたALPS処理水放出による輸入規制および風評被害を受けて、9月は中国大陸を中心に客数が落ち込みました。処理水放出の影響は一時的と見ており、集客力回復に向けて効果的な施策を検討してまいります。
そのような環境の中、積極的な事業展開に向けて、中国大陸においては成都、武漢への出店を含め、当期に合計25店舗を出店しました。その他の地域では、台湾8店舗、香港8店舗、タイ6店舗、シンガポール1店舗と、新規出店を継続し、海外スシロー事業において130店舗オープンを達成しております。
また、来店客数の維持・拡大に向けて、夏フェア(中国大陸)、スシロープレミア(韓国)、世界厳選ネタフェア(台湾)、感謝祭(香港)、4周年創業祭(シンガポール)、三貫盛り(タイ)など、魅力的な販促・マーケティング政策を各地域で継続的に実施いたしました。
以上の結果、海外スシロー事業の売上収益は66,132百万円(前連結会計年度比72.7%増)、セグメント利益は5,293百万円(前連結会計年度比は141.6%増)となりました。
(京樽事業)
京樽事業につきましては、テイクアウト事業では、月1回のキャンペーンに加えて週替りでお得な商品を提供させて頂く「週得祭」をスタートさせるなどの商品ラインアップの強化に加え、陳列方法の改善・接客強化等の取組みを実施致しました。加えて「京樽」ブランドのロゴを刷新する等のリブランディングを図り、伝統を継承しつつも現代にマッチしたブランドへ進化すべく各種取り組みを実施し収益力の強化を図ると共に、不採算店を閉店する等による収益力の改善を進めて参りました。
みさきブランドでは、販促の強化に加え、赤シャリの更なる改良を図る等により、売上は好調に推移しました。また「すしみさき」へのブランド転換についても好調であり、引き続き立地条件に応じたブランド転換を計画しております。加えて、店舗オペレーションの効率化を実施すると共に接客の強化を図ることで店舗体験価値の向上に努め収益力の強化を進めて参りました。
以上の結果、京樽事業の売上収益は24,446百万円(前連結会計年度比14.2%増)セグメント損失は653百万円(前連結会計年度セグメント損失3,023百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ591百万円増加し、51,228百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、42,360百万円(前連結会計年度比43.5%増)となりました。
これは主に、税引前利益9,864百万円、減価償却費及び償却費26,586百万円、減損損失4,975百万円の計上及び営業債務及びその他の債務の増加が2,580百万円、法人所得税の還付額が2,414百万円があった一方で、営業債権及びその他の債権の増加が2,295百万円、法人所得税の支払額が3,026百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、17,888百万円(前連結会計年度比9.0%減)となりました。
これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出が15,755百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、23,876百万円(前連結会計年度は10,539百万円の獲得)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出が17,297百万円、長期借入金の返済による支出が4,009百万円、配当金の支払額が2,598百万円あったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1) 仕入実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて「仕入実績」を記載しております。
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
(2) 受注実績
当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、連結財務諸表の報告日の資産、負債、収益及び費用の金額に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、前提条件やその後の環境等に変化がある場合には、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態」に記載しております。
(売上収益・売上総利益)
売上収益は、前連結会計年度に比べ20,447百万円増加(前連結会計年度比7.3%増)し、301,747百万円となりました。これは主に、国内43店舗及び海外50店舗の新規出店を行ったこと等によるものであります。
売上原価は、134,229百万円となり、売上原価率は前連結会計年度に比べ1.8ポイント低下し44.5%となりました。これは2022年10月より国内スシロー事業において行った価格改定の影響等によるものであります。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ16,504百万円増加(前連結会計年度比10.9%増)し、167,518百万円となりました。
(販売費及び一般管理費・その他の収益・その他の費用・営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ14,412百万円増加(前連結会計年度比10.4%増)し、152,437百万円となりました。これは主に、店舗数の増加に伴う人件費及び減価償却費及び償却費が増加したこと等によるものであります。
その他の収益は、前連結会計年度に比べ3,245百万円減少(前連結会計年度比71.2%減)し、1,313百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の補助金収入が減少したこと等によるものであります。また、その他の費用は、前連結会計年度に比べ2,030百万円減少(前連結会計年度比27.3%減)し、5,393百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ減損損失が1,845百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ878百万円増加(前連結会計年度比8.7%増)し、11,001百万円となりました。
(金融収益・金融費用・持分法による投資損益・親会社の所有者に帰属する当期利益)
金融収益は、前連結会計年度に比べ175百万円減少(前連結会計年度比35.0%減)し、325百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ為替差益が242百万円減少したこと等によるものであります。また、金融費用は、前連結会計年度に比べ511百万円増加(前連結会計年度比50.9%増)し、1,514百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に比べ支払利息が488百万円増加したこと等によるものであります。
持分法による投資損益は、持分法適用会社であるWasabi Participations Limitedの株式売却等により、持分法投資利益52百万円(前連結会計年度は持分法投資損失2,056百万円)となりました。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ4,292百万円増加(前連結会計年度比119.0%増)し、7,899百万円となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因の分析について)
当社グループの売上及び費用は、経済情勢、他社との競合、消費者の嗜好の変化、食材価格、水道光熱費、新規出店、不動産賃料、自然災害、人件費等による影響を受けます。これらの変動要因が発生し、当社グループが適切に対応できなかった等の場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える他の要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループは、設備投資や運転資金のために、最適な資金確保と流動性の保持及び健全な財政状態を維持することを財務方針としております。
資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、銀行とコミットメントライン契約を締結しており、成長を維持するために必要とされる十分な流動性を確保していると考えております。
資金の流動性の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社は、既存借入金のリファイナンスを目的として、国内金融機関4社各社のそれぞれと金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。
主な契約内容は以下のとおりであります。
株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社日本政策投資銀行
総額35,000百万円
3.借入実行日
2021年3月31日
2029年6月30日、2031年3月31日
変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)、固定金利
当社は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が更に長期化するリスクに備え、財務基盤の安定性を高めると共に、企業価値向上に資する成長投資を継続することを目的として、国内金融機関3社各社のそれぞれと金銭消費貸借契約を締結し、借入を実行しております。
主な契約内容は以下のとおりであります。
①株式会社三井住友銀行、②株式会社三菱UFJ銀行、③株式会社みずほ銀行
総額34,000百万円
①2022年2月28日、②2022年3月3日、2022年3月9日、③2022年3月31日
4.返済期日
①2027年2月28日、②2029年3月9日、2032年3月3日、③2029年3月31日
固定金利
6.主な借入人の義務
①財務制限条項を順守すること
・各連結会計年度末における連結財政状態計算書における資本合計の金額を、2021年9月期末日における金額の50%に相当する金額以上に維持すること。
・各連結会計年度末における連結損益計算書に記載される税引前利益を2回連続して損失としないこと。
当社は、今後の当社グループの事業展開における資金需要に対して安定的かつ機動的な資金調達体制を構築することを目的として、2021年3月19日付で株式会社三井住友銀行をエージェントとするコミットメントライン契約を締結しております。
主な契約内容は以下のとおりであります。
株式会社三井住友銀行、株式会社みずほ銀行
20,000百万円
自 2021年3月31日 至 2026年3月30日
変動金利(基準金利に一定のマージンを加算)
・各連結会計年度末における連結財政状態計算書における資本合計の金額を、2020年9月期末日における金額の50%に相当する金額以上に維持すること。
・各連結会計年度における連結損益計算書における当期損益を2期連続して損失としないこと。
該当事項はありません。