当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは経営の基本的な考え方、目指すべき姿として「常に高い志を持ち、社会のルールを守り、持続的成長・発展を通じ、豊かな社会の実現に貢献する。」を掲げ、株主・顧客・従業員・社会の視点から見た企業価値の向上を図ることを通じて、豊かな社会の実現に貢献していくことを基本的な姿勢としております。
(2) 経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間の中期経営計画「ONE TAKANO」を策定し、計画に基づき、経営を進めております。
中期経営計画「ONE TAKANO」の概要および目標指標は以下のとおりです。
①中期経営計画基本方針
「構造改革とプロセス改革により、高付加価値事業へシフトし、新たな成長路線を構築する」
②中期経営計画スローガン
「ONE TAKANO」 ~総合力を発揮する。~
③中期経営目標
2024年3月期目標 連結売上高 26,300百万円
連結営業利益 1,700百万円(売上高営業利益率 6.5%)
(※2023年5月12日公表の2024年3月期の業績予想では、さまざまな事業環境の変化を受け、連結売上高25,900百万円、連結営業利益1,250百万円としております)
④全社的重点施策の概要
(1) 高付加価値な商品・サービスへのシフト
・技術的優位性を追求し、研究開発型経営を指向
・AI、IoT、センサー、ソフトウェアを組み込んだ高付加価値な商品・サービスの開発提供
(2) 重点分野の設定と資源の重点配分による成長の加速
・医療機器関連事業分野
・半導体等関連事業分野
・ニューノーマル(新常態)関連事業分野
・海外展開の強化(中国拠点・北米拠点の機能拡充と強化)
(3) 生産性向上に向けたプロセス改革による組織・運用の見直し
・クロスファンクション組織を通じた会社全体の総合力の発揮
・プロセスの徹底的デジタル化
・DX(デジタルトランスフォーメーション)によるモノづくり革新と間接業務改革
・次世代の人材育成と人事制度の見直し
(4) M&A・コラボレーション等の推進
・事業構造改革のスピードをあげるため、オープンイノベーション・コラボレーション・M&Aを積極化
(5) ESG・SDGs等に関する体制整備と施策実行
(3) 経営環境
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の我が国経済への影響が終息する一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰、不安定な為替相場など景気の先行きについては不透明な状況は継続しております。
このような状況のなか、当社グループの主力製品が関係するオフィス家具業界においては、新しいオフィスのあり方に対応した製品分野の需要の増加が期待され、また検査計測装置業界におきましては、FPDメーカー各社の設備投資が減少する一方で、半導体製造業界向けの検査装置については旺盛な需要が見られ、これに対応すべく事業構造の変換を進めてまいります。産業機器事業におきましても引き続き好調な半導体製造装置向けの電磁アクチュエータの増産に向けて体制を整えてまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
以上のような経営環境のなか、当社グループでは、原材料やエネルギーの価格高騰等による経営上の影響を最小化させるための施策を継続実施するとともに、中期経営計画「ONE TAKANO」に定める重点施策の着実な実行を図り、プロセス改革と事業構造改革を進めてまいります。
当社グループの主力製品であるオフィス用椅子が含まれる住生活関連機器事業においては、製品設計・機能・コスト等の抜本的な見直しを通じて、需要を喚起し、販売の拡大に繋がりうる新しい働き方に即した新製品の開発を行うこと、グローバルな調達体制を整備しコストダウンを推進すること、ロボット・3Dプリンター等の新しい設備やIoTの活用等により、製造ラインの更なる合理化と生産性の向上を果たすことおよびニューノーマルな働き方に則した製品分野の事業展開に注力することを重要な課題として認識しております。また、事業横断的な営業情報活用により、既存事業のノウハウを活かせる新製品・新分野の事業化、販売拡大を行うことも重要な課題として認識しております。
当社グループのもう一つの主力製品である検査計測装置が含まれる検査計測機器事業においては、従来のFPD向け検査装置を中心とした事業構造から、既に半導体・高機能フィルム・電池部材関連分野等の検査装置分野に事業の中心がシフトしつつあり、今後さらに経営資源をシフトし、早期の販売拡大を通じてバランスのとれた事業構造を確立することが重要な課題と認識しております。
一昨年より成長しております、産業機器事業につきましては、好調な半導体製造装置向けの電磁アクチュエータの増産体制を整え、需要増に応えていくことが重要な課題と認識しております。
また、新規事業の事業化スピードの向上を図り、早期に新規事業を基盤として確立し、将来の成長性を確保することを重要な課題として認識しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、サステナビリティ関連のリスクおよび機会を監視し、管理する機関としては、経営会議がこれに当たることとしております。経営会議の体制につきましては、「
(2)重要なサステナビリティ項目
当社を取り巻く環境は、産業や経済のグローバリゼーションの進展により競争がますます激しくなり、競争相手は国内企業だけではなく新興国も交えたグローバルな競争となっております。また、少子化・高齢化が進展して様々な分野での内需が減少し続け、企業存続のためには新たな需要の創造・開拓がより重要な課題となっております。このような厳しい事業環境に打ち勝っていくためには人材の育成、活用が急務であり、社員のモチベーションを高め、組織としての力、企業としての力を強化していくことが不可欠との認識から「新役割主義人事制度」を制定しております。
〇「新役割主義人事制度」導入目的
① 今後の事業環境に対応できる人材育成に資する制度の構築
・事業の競争力の強化
・新規事業展開
・グローバル化への対応
② 公正で納得感のある仕組みづくり
・よりチャレンジを促進する仕組み
・努力や結果を公正に評価する仕組み
・賞与、昇給、昇格等の処遇に適切に反映する仕組み
〇「新役割主義人事制度」における、人材育成面での施策
①の今後の事業環境に対応できる人材育成の観点では、資格等級の定義において、部課長職(管理職)の担当業務として管理業務に加え、「計画的に人材育成を行う」「後進を指導育成する」ことを明確化しております。また一般社員層(係長・リーダークラス)においても、「部下・後輩の指導育成を行う」「下位等級者のレベルアップを支援する」ことを担当業務・期待レベルとして定義づけております。
②の公正で納得感のある仕組みづくりの中では、評価の基本として「役割遂行度」「目標達成度」「業務貢献度」の3つの項目を設け、そのうち目標達成度において「チャレンジ性」、役割遂行度において「積極的な行動」を評価項目に加えることで、人材の成長を促す評価制度としております。
以上の制度に従った、各社員の昇格・登用や、半期ごとの目標達成度評価などを通じて、人材の育成を図ることとしております。なお、当社では競争力強化や評価の公正性の確保に関する実務運用を優先し、人材の多様性の確保を含む人材育成方針に関しては、未だ社内での議論が継続中であり、方針制定までは至っておりません。
社内環境整備の面では、2023年3月期の人事部方針の中で、人材育成に関するものとして以下のような施策を行うこととしております。
1.経済的側面として
採用や教育への人的投資を行うこと
2.心理的側面として
働き方改革、女性活躍を推進すること
3.職務的側面として
教育体系の充実、ダイバーシティ、全社員活躍の推進
これらの施策に関連する指標としては次の通りです。なお、次世代管理職育成研修以外の項目の目標値に関しては、理論的かつ現実的な目標値の検討に時間を要しており、設定できておりません。人的資本に関する戦略、人材の多様性の確保を含む人材の育成、その環境整備に関する方針に関し、どのような指標を採用するか、その数値の設定も含めて、引き続き検討作業を進めてまいります。
施策 |
指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) (注2) |
働き方改革 |
男性労働者の育児休業者の取得率 |
- |
66.7% |
女性の活躍 全社員活躍の推進 ダイバーシティ |
管理職に占める女性労働者の割合 |
- |
3.2% |
労働者の男女の賃金の差異 |
- |
62.6% |
|
人的投資 教育体系の充実 |
次世代幹部育成研修受講者 (注1) |
毎年3名以上受講 |
6名(うち女性1名) |
(注)1.幹部職員の高齢化、定年退職の増加への対応として、次世代幹部育成研修(対象者は主として30歳代の職員)を2021年3月期から実施しております。
2.当該指標に関する実績は、連結子会社が「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社のみの実績を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
(1) 当社グループが採用している経営方針
① 参入事業分野が多岐にわたっていることに係るリスク
当社グループでは、「事業にはライフサイクルがある。」との考え方から単一事業を行うことによるリスクを回避するため、継続的に新規事業開発に取り組んでまいりました。そのため、オフィス用家具、福祉・医療用椅子、検査計測装置、産業機器、エクステリア製品など事業分野が多岐にわたっております。このような方針をとり、参入分野が多岐にわたっているため、経営資源の集中化を行うことによる事業成長が阻害される可能性があり、それが当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業開発はそれが必ず一定の事業化まで結びつくという保証はなく、新規事業開発に経営資源を傾注させ、それが実を結ばなかった場合には、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 検査計測機器事業の特許戦略について
検査計測機器事業においては、知的財産権の出願により技術が公開され、第三者への技術流出を防ぐという観点から、知的財産権の出願を積極的には実施しておりません。そのため、他社が当該事項に関する特許を出願した場合には、特許が成立する可能性があります。
また、当社グループでは製品開発の際に入念な知的財産権の調査を行うよう努めておりますが、第三者の知的財産権を侵害しない保証はなく、第三者から知的財産権侵害を理由とした販売差し止めや損害賠償請求等の訴えが提起される可能性があります。
(2) 財政状態、経営成績の異常な変動
投資有価証券の評価損に係るリスク
当社では、投資目的による有価証券の保有および事業の展開上必要と思われる企業への出資を行っており、今後も行う可能性がありますが、そのような有価証券への投資においては、株価の著しい下落および投資先企業の業績が著しく低迷した場合、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) キャッシュ・フローの状況の異常な変動
検査計測機器事業の資金回収期間に係るリスク
検査計測機器事業における検査計測装置の納入から検収までの期間は、業界の慣行から、当社グループの他の事業と比較して長期にわたるため、販売が急拡大した場合、同事業における受取手形、売掛金及び契約資産は増加する傾向があり、それにともない運転資金も拡大し、営業キャッシュ・フローに異常な変動を与える要因となる可能性があります。
(4) 研究開発活動及び人材育成等について
① 研究開発活動に係るリスク
検査計測機器事業の属する業界は先端技術分野に属するため、技術の優劣が事業活動を左右することとなります。そのため、当社グループは研究開発活動を通じて常に先端技術の取り込みを行っておりますが、当該研究開発活動が予想された結果を出し、業績に結びつくという保証はありません。また、当社グループが技術革新に乗り遅れた場合においては、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
② 人材の確保と育成に係るリスク
当社グループの事業は特定の経営者、有能な技術者に依存している部分があります。また、今後事業の成長を果たしていくためには、有能な技術者、経験豊富な営業・管理スタッフの確保・育成が重要な課題となってまいります。そのような人材を確保・育成できない場合または優れた人材が大量に離職した場合には、当社グループの事業活動が制約を受け、将来の成長、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定事業への依存について
① 住生活関連機器事業における主要顧客企業への依存に係るリスク
当社グループの住生活関連機器事業は、2023年3月期において当社グループの売上高の48.7%を占めており、特にオフィス用椅子等を販売しているコクヨ株式会社への2023年3月期における当社グループ販売高比率は38.9%となっております。これらの分野における顧客企業への売上高は、顧客企業個別の要因等の当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。顧客企業の予期しない契約の打ち切り、顧客の調達方針の変化、値下げ要求等は、当社グループの経営成績と財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
② 検査計測機器事業における特定業界への依存に係るリスク
当社グループの検査計測機器事業は、2023年3月期において当社グループの売上高の28.2%を占めております。検査計測機器事業の主力製品である半導体検査計測装置の主要な需要先は日本・台湾・米国における半導体メーカーであり、同事業の約4割を占めております。また同装置事業の経営成績は半導体製造業界の設備投資動向に大きな影響を受けます。これらの業界の設備投資は市況の影響を受け、大きな需要変動が生じる可能性があります。また産業機器事業の2023年3月期における売上高は、当社グループの売上高の12.8%ですが、セグメント利益は当社グループ全体の利益の46.5%を占めております。産業機器事業の売上高のうち、約4割は半導体製造装置メーカーに対する売上であり、検査計測機器事業と同様に半導体製造業界の設備投資動向に大きな影響を受けます。
当社グループにおいては、日頃から顧客や外部機関等からの情報を分析することにより急激な需要変動を予測し、適切な経営判断を行えるよう努力をするとともに、急激な需要減少に備え、固定的費用に依存しない形での生産能力の向上に努めてはおりますが、当社グループの予想を超えて設備投資動向が急減した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) その他
① 固定資産の減損会計について
当社グループにて保有している固定資産について、業績の状況および将来の見込みによっては、固定資産の減損により経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 競合について
当社グループの各事業では、安易な価格競争に陥ることの無いよう、製品開発、技術開発で競合他社に一歩先んじることにより、差別化を図り、競争力を堅持するとの方針に基づいて事業展開を行っておりますが、競合他社により当社の技術、当社の製品の機能を上回る画期的新製品が開発・製造され、当社製品の競争力が低下する可能性は否定できません。また、市場環境・需要動向によっては競合他社との激しい価格競争を余儀なくされる可能性もあり得ます。このような場合、当社製品の競争力低下、価格の下落等により、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
③ 製品の欠陥に係るリスク
当社グループにおいては、製品品質の向上を経営の最重点課題のひとつとして認識し、全社的な品質保証活動、品質管理活動に努めており、ほぼ全社の事業部門において世界的に求められている品質管理基準に従い各種製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来品質保証に係る損失が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にまかなえるという保証もありません。大規模な品質保証上の問題や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上高が低下し、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響がおよぶ可能性があります。
④ 住生活関連機器事業における為替・カントリーリスク
住生活関連機器事業の海外仕入比率は約3割であり、主に中国を中心とするアジア地域からの部材の仕入取引であり、今後も海外仕入比率は増加傾向で推移することが予測されます。
現在、同事業の主要な取引条件は、米ドル等の外貨建て取引であり、今後も外貨建て取引が増加する傾向となっていくと見込まれます。外貨建て取引がさらに拡大した場合においては円換算時の為替レート変動の影響を受けます。当社グループにおいては、必要に応じて為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じておりますが、予測を超えた為替変動は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの国等において予期せぬ法規制の変更、不利な政治的要因、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱が生じた場合、経営成績、財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 地震等の天災地変に係るリスク
当社グループの主要事業所は長野県南部を中心として設置されております。
長野県南部は東海地震の想定対象範囲に属しており、震災等が発生した場合には、震度6弱の地震が想定されております。当社グループは、将来予測される大地震の発生に備え、当社資産が損傷、損失しないよう対策を順次講じており、事業継続計画の策定等も行っておりますが、その対応には限界があり、大地震発生後には一時的に生産活動が停止する可能性があるとともに、当社生産設備等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 公的規制に関するリスク
当社グループは、事業活動を行ううえで日本国内のみならず事業活動を行う各国において、国や公的機関からの事業・投資の許認可、独占禁止、通商、租税、労働、特許等の知的財産権、環境規制等のさまざまな公的規制を受けております。当社グループにおいては、これらの公的規制の遵守に努めているものの、公的規制は変化することが予想され、将来これらの公的規制を当社グループが遵守できない場合、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような公的規制がかけられた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に悪影響を与える可能性があります。
⑦ 外部製造委託先に関するリスク
当社グループにおいては、製品製造の一部を外部製造委託先に委託しております。重要工程での製造は社内において行うことを原則としており、また、2社以上の委託先に注文を行うよう努めてはおりますが、一部には重要な工程の外部委託、特定1社の委託先への継続注文も存在しております。
そのため、特定の外部委託先が事業継続困難となった場合には、製品の生産および販売に支障をきたす可能性があります。このような場合、製品の供給遅延等にともなう損害賠償、信用の低下等により、当社グループの経営成績に悪影響が生ずる可能性があります。
⑧ M&A、業務提携に関するリスク
当社グループは、今後求められる経営能力の早期獲得を目的に、業務提携、M&Aに関して積極的な姿勢を持っております。
業務提携、M&Aに関しては十分精査し、実施してまいりますが、その業務提携、M&Aにより期待された成果が出るという保証はなく、提携等の交渉が不調に終わった場合には当社の将来にわたる経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、現在提携関係にあるものとの不一致等により提携関係を維持できなくなった場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 情報通信システムとセキュリティーに関するリスク
コンピュータネットワークや情報システムの果たす役割は年を追うごとにその重要性は高まり、情報システムの構築およびセキュリティー対策の確立は事業活動の継続にあって、不可欠のものとなっております。
当社グループにおいても、情報システムの保守、重要データの管理およびセキュリティー管理などの対策に万全を期しておりますが、情報通信ネットワークの断絶、基幹情報システムの停止、社内情報の漏洩・流出等が生じない保証はありません。このような場合、情報システムの利用不能にともなう損害、信用力低下、契約上の損害賠償請求等の損害が発生し、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩ 重要な訴訟等に関するリスク
当社グループの国内外の活動においては、係争事件等により訴訟が提起される可能性を持っております。本資料提出日現在、経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼす係争事件等はございませんが、今後そのような係争事件等が発生する可能性は皆無ではありません。
⑪ 役職員の不正行為に関するリスク
当社グループはコンプライアンスに関して内部統制の整備を行い、リスク対応力をつけるべく、より充実した内部管理体制を目指して努力してまいりますが、その内部統制は合理的範囲にとどまり、役職員による重大な過失、役職員の共謀等による不正、違法行為がなされないという保証はありません。かかる当社のリスク認識を超えた事象が発生した場合、予期せぬ損害が発生するとともに、当社の信用の失墜を招き、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響が生ずる可能性があります。
⑫ 感染症の蔓延に関するリスク
未知の感染症が大流行した場合、従業員の感染による健康被害に加え、それにともなう事業場の閉鎖、および事業場内での流行による事業活動の制限や生産性の低下、また部品供給の停滞による生産活動の停止、物流・販売の停滞などの影響により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナ・アフターコロナへの動きが進む一方で、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇やサプライチェーンの混乱、内外金利差拡大による急激な為替変動の影響を大きく受けたものとなりました。
かかる中、半導体関係の需要増に応えるべく、生産体制の整備・事業構造のシフトに努めるとともに、部材不足への対応や原材料価格・仕入れ価格の上昇の当社製品価格への転嫁などの対応を進めてまいりました。
また、当社グループのもう一つの主力製品である検査計測装置の関連では、液晶をはじめとするFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)製造装置業界におきましては需要減少により設備投資に陰りがみられる一方で、各種半導体不足を背景に、半導体製造装置関連の需要は拡大基調で推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は前連結会計年度末と比較し、1,751百万円増加の25,098百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金および契約資産の合計額が277百万円、債券の償還により有価証券が300百万円減少した一方、商品及び製品が266百万円、仕掛品が1,388百万円、原材料及び貯蔵品が462百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における固定資産は前連結会計年度末と比較し、13百万円増加の14,282百万円となりました。これは主に、減価償却費の計上等により有形固定資産合計が87百万円、投資その他の資産のその他に含まれる長期性預金が250百万円減少した一方、のれんが251百万円、投資有価証券が173百万円増加したこと等によるものです。
この結果、当連結会計年度末における総資産は39,380百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,764百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末と比較し、826百万円増加の7,692百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計額が290百万円、未払法人税等が255百万円、賞与引当金が114百万円減少した一方、検査計測装置の大口物件の納入により契約負債が1,499百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における固定負債は前連結会計年度末と比較し、152百万円増加の1,001百万円となりました。これは主に、長期借入金が118百万円、退職給付に係る負債が36百万円増加したこと等によるものです。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は8,694百万円となり、前連結会計年度末と比較し、979百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末と比較し、785百万円増加の30,686百万円となりました。これは主に、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が585百万円、保有する有価証券の時価評価額の上昇等により、その他有価証券評価差額金が140百万円増加したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の79.5%から77.9%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、当社グループの主力製品が関係するオフィス家具業界におきましては、新規のオフィスビルの供給が少なかった影響などで減収となった一方、産業機器事業および検査計測機器事業において半導体業界向けの販売が増加したこと等により、当連結会計年度の売上高は23,037百万円で、前連結会計年度比288百万円、1.3%の増収となりました。
一方、利益面につきましては、原材料・エネルギー価格の上昇による利益率の悪化および販売力強化にともなう人件費や広告宣伝費など固定費の増加により、営業利益999百万円(前連結会計年度比143百万円、12.6%の減益)、経常利益1,103百万円(前連結会計年度比134百万円、10.8%の減益)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は828百万円(前連結会計年度比65百万円、7.3%の減益)となりました。
セグメントごとの経営業績は次のとおりです。
(住生活関連機器)
当セグメントは、当社、連結子会社上海鷹野商貿有限公司および株式会社ユーキ・トレーディングで構成され、主にオフィス用、福祉・医療施設用の椅子等の製造販売を行っております。
当セグメントにつきましては、働き方の変化に対応した新たなオフィスの価値を創造するオフィス家具の開発・生産、特にWEB会議の機会拡大で需要が拡大している個室空間製品に注力してまいりました。
しかしながら、今年度はオフィスビルの新規供給が少ないことなどの要因により、売上高は11,231百万円で前連結会計年度比863百万円、7.1%の減収となりました。利益面では固定費の圧縮には努めたものの、減収にともなう粗利益額の減少や円安影響を含む仕入れ部材価格の上昇により、セグメント損失5百万円(前連結会計年度はセグメント利益446百万円)となりました。
(検査計測機器)
当セグメントは、当社、連結子会社タカノ機械株式会社および台湾鷹野股份有限公司で構成され、主に液晶や半導体・高機能フィルム用の検査計測装置等を製造販売しております。
当セグメントにつきましては、引き続き設備投資需要が拡大している半導体関連検査装置や電池部材向け検査装置の開発、販売に注力してまいりました。
この結果、売上高は6,499百万円で前連結会計年度比594百万円、10.1%の増収となりました。利益面では、主に粗利率の改善によりセグメント利益は457百万円で、前連結会計年度比256百万円、127.3%の増益となりました。
(産業機器)
当セグメントは、当社、連結子会社香港鷹野国際有限公司およびTakano of America Inc.で構成され、主に電磁アクチュエータ、ユニット(ばね)製品等を製造販売しております。
当セグメントにつきましては、半導体製造装置向けの電磁アクチュエータの旺盛な需要に応えるべく増産に取り組んでまいりました。
この結果、売上高は2,941百万円で前連結会計年度比285百万円、10.7%の増収となりました。一方、利益面では、増産体制整備にともなう機械設備投資や人員増のため固定費が増加し、セグメント利益は464百万円で、前連結会計年度比8百万円、1.8%の減益となりました。
(エクステリア)
当セグメントは、当社が主に跳ね上げ式門扉、カーポート、テラス、オーニング、ガーデンファニチャー等のエクステリア製品を製造販売しております。
当セグメントにつきましては、新型コロナウイルス対応の終息によるホテル・レストラン業の事業回復を睨み、展示会やWEBを活用したプロモーション等の販売促進活動に注力してまいりました。
この結果、売上高は916百万円で前連結会計年度比44百万円、5.1%の増収となりました。利益面では売上増にともなう粗利益額の増加等により、セグメント損失は10百万円(前連結会計年度はセグメント損失49百万円)と改善しております。
(機械・工具)
当セグメントは、株式会社ニッコーによる機械・工具等の仕入販売に関する事業です。
当セグメントにつきましては、顧客である製造業でのIoT化・ロボット化の動きを捉え、新規顧客の開拓および既存顧客の需要掘り起こしに注力してまいりました。この結果、売上高は1,448百万円で前連結会計年度比227百万円、18.7%の増収となりました。セグメント利益は93百万円で、前連結会計年度比8百万円、9.7%の増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金および現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して167百万円増加し、7,641百万円(前連結会計年度比2.2%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度と比較して62百万円増加の733百万円となりました。これは主に、賞与引当金の減少額117百万円、棚卸資産の増加額2,058百万円、仕入債務の減少額310百万円、法人税等の支払額481百万円等により資金が減少した一方、税金等調整前当期純利益1,103百万円、減価償却費912百万円、売上債権の減少額336百万円、契約負債の増加額1,499百万円等により資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により支出した資金は、前連結会計年度と比較して496百万円減少し、400百万円となりました。これは主に、定期預金の預入と払戻にかかる収支248百万円、有価証券の売却及び償還による収入300百万円等により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出639百万円、子会社株式の取得による支出250百万円等により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により支出した資金は、前連結会計年度と比較して89百万円増加し、223百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入150百万円により資金が増加した一方、親会社による配当金の支払額243百万円等により資金が減少したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
住生活関連機器(千円) |
10,705,489 |
△9.3 |
検査計測機器(千円) |
7,974,082 |
19.2 |
産業機器(千円) |
2,667,953 |
9.1 |
エクステリア(千円) |
921,162 |
4.9 |
機械・工具(千円) |
- |
- |
合計(千円) |
22,268,688 |
2.1 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間取引は相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(千円) |
前年同期比 (%) |
住生活関連機器 |
11,173,115 |
△7.8 |
814,500 |
△6.6 |
検査計測機器 |
7,056,218 |
△30.2 |
8,170,970 |
7.3 |
産業機器 |
2,965,437 |
11.0 |
231,166 |
11.4 |
エクステリア |
902,636 |
2.0 |
38,920 |
△26.7 |
機械・工具 |
1,397,555 |
6.2 |
89,519 |
△36.3 |
合計 |
23,494,963 |
△13.3 |
9,345,077 |
5.2 |
(注) セグメント間取引は相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
住生活関連機器(千円) |
11,231,016 |
△7.1 |
検査計測機器(千円) |
6,499,052 |
10.1 |
産業機器(千円) |
2,941,798 |
10.7 |
エクステリア(千円) |
916,834 |
5.1 |
機械・工具(千円) |
1,448,536 |
18.7 |
合計(千円) |
23,037,238 |
1.3 |
(注)1.セグメント間取引は相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
コクヨ株式会社 |
9,668,323 |
42.5 |
8,956,601 |
38.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項に記載した予想、見込み等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月28日)現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性が内在されております。そのため、予測等の将来に関する事項は実際の結果と大きく異なる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりです。
a.財政状態及び経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える主な要因は以下のとおりです。
当社グループは経営方針として、グローバル販売を含めた、グローバル化の推進を掲げておりますが、当社グループが今後とる海外市場向けの事業展開等によっては、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループ住生活関連機器事業の主力であるオフィス家具業界において、企業の設備投資意欲の減退により、需要が大幅に減少した場合、また、国内オフィス家具市場に東南アジア等で生産される廉価品のオフィス椅子が大量に流入した場合は住生活関連機器の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループ検査計測機器事業の主力製品である検査計測装置の主要な需要先は日本・台湾・北米における半導体製造業界であり、また当社グループ産業機器部門の主力製品である電磁弁の主要な需要先は日本の半導体製造装置業界です。両事業の経営成績は半導体製造業界の設備投資動向に大きな影響を受けます。これらの業界の設備投資は市況の影響を受け、大きな需要変動が生じる可能性があり、今後の設備投資動向によっては、検査計測機器事業と産業機器事業の経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、当社グループは新規事業開発を積極的に取り組み、経営資源を新規事業開発に傾注させておりますが、新規事業開発に関する活動は予想された結果を出し、業績に必ず結びつくという保証はありません。新事業開発活動が順調に進まず、成果が実現できない場合は当社グループの将来にわたる経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
その他に、経営成績に重要な影響を与える要因には「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した要因が考えられます。
c.経営戦略の現状と見通し
当社グループといたしましては、これらの状況をふまえて、中期的な基本方針として「構造改革とプロセス改革により、高付加価値事業へシフトし、新たな成長路線を構築する」を掲げ、新たな取り組みにより新しい価値の創造と次の成長基盤の構築を目指しております。
セグメント別では、住生活関連機器事業においては、資材の調達コストの低減とIT・IoT・AI等の情報技術及びロボット等の活用によるさらなる製造ラインの合理化に努め、コスト競争力の強化を図るとともに、ニューノーマルな働き方に則した製品分野の事業展開に注力してまいります。
検査計測機器事業においても、引き続きプロセス改革活動を今後さらに推進し、固定費圧縮を通じた利益体質の構築を図るとともに、半導体関連検査装置、高機能フィルム検査装置、電池部材向け検査装置等の分野の販売拡大でバランスのとれた事業構造を構築すべく、新技術開発による既存FPD向け高パフォーマンス検査装置の市場投入と高機能フィルム・電子部品・電池部材・自動車関係等のFPD向け以外の検査装置分野のさらなる販売拡大を行うべく、資源を傾注させてまいります。
加えて、既存事業における競争力の向上のための研究開発投資および設備投資、新規事業の開発のための投資など、攻めの施策を引き続き、重点的に行い、事業構造の改革と新たな成長路線の構築を果たしてまいります。
なお、当社グループでは2024年3月期を最終目標年度とし、売上高26,300百万円、営業利益1,700百万円を目指す中期経営計画の推進を行っておりますが、今後策定いたします次期中期経営計画において、さらなる成長に向けた戦略を組み込んでまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料・部品の購入のほか、製造に係る労務費・経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものおよび売上債権・仕掛品等の運転資金です。検査計測機器事業は当社グループにおける他の事業分野と比較して運転資金の回収期間が長期にわたります。そのため、今後、売上高の成長が見られた場合、運転資金もそれに応じて増加していくことが見込まれます。
また、コストダウンをさらに推進するため、製造ラインの合理化にかかるロボット等の製造設備投資に、また、デジタル化の推進によるモノづくり革新と間接業務改革を進めるべく、情報通信の高度化に向けた投資に資金を投じていく予定です。
さらに、製品・サービスの競争力を向上させていくために、今後積極的かつ継続的に研究開発活動を行っていく必要があると認識しており、研究開発の推進に係る費用も当社グループの重要な資金投下であると考えている他、経営戦略上必要な提携・M&A等にかかる費用等も重要な資金投下であると考えております。
当社グループの財務状態としては、当連結会計年度末における流動比率326.3%、固定比率は46.5%、また、自己資本比率は77.9%であり比較的健全な財務状態であると認識しております。また、有利子負債424百万円に対して、現預金7,967百万円を保有しており、流動性についても懸念はないと認識しておりますが、万が一の状況に備えて、現在、不測の事態に備え、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的に、金融機関2行と総額45億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入残高はございません。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当社は、2023年2月3日開催の取締役会において、株式会社ユーキ・トレーディングの全株式を取得し子会社化することを決議し、2023年2月10日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、2023年3月31日付で当該株式の取得を完了しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
当社グループの研究開発活動は「お客様に習う」をモットーとし、開発時からの総合的なコストダウンならびに環境への配慮を主眼に開発活動を進めております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
(1) 住生活関連機器事業
当連結会計年度における住生活関連機器事業の研究開発費用は
①オフィス用椅子
オフィス用椅子の研究開発は、当社ファニチャー部門開発部が担当しており、「オフィスの生産性向上」を基本コンセプトに、新しい機能の考案、新素材の採用、加工技術の開発に取り組むとともに、製品の環境影響に留意した開発を行っております。当連結会計年度における主要テーマは、新製品に使用するための素材・部材開発およびニューノーマルな働き方に対応した製品分野、環境分野に関する技術開発・研究開発等であり、継続開発に取組んでおります。
②福祉・医療施設用椅子
福祉・医療施設用椅子の研究開発は、主に当社ヘルスケア部門開発部が担当しており、移乗・移動・シーティングを助け、高齢者・障害者の自立した生活を可能とする製品および医療関連機器の研究・開発を行っております。当連結会計年度における主要テーマは、障害者向け介助用具および車いす用クッションの製品開発であり、障害者向け介助用具は継続開発中、車いす用クッションは開発を終了させ、製品の上市を行っております。
(2) 検査計測機器事業
検査計測機器事業の研究開発は、当社画像計測部門技術部等が担当しております。当部門では開発リスクや開発効率を考慮し、優秀な先端技術を有する大学等を積極的に活用することにより、委託研究や共同開発を進め、その成果を取り込んでおります。当連結会計年度における主要テーマは、高速・高分解能カメラおよび画像処理装置の開発等であり、開発を終了させ、製品の上市を行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費用は
(3) 産業機器事業
産業機器事業の研究開発は、当社産業機器部門営業開発部が担当しております。当連結会計年度における主要テーマはマスフローバルブにかかわる技術開発・研究開発等であり、継続開発中です。なお、当連結会計年度における研究開発費用は
(4) エクステリア事業
当セグメントにおいては研究開発活動を行っておりません。
(5) 機械・工具事業
当セグメントにおいては研究開発活動を行っておりません。