第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社は、「私たちは常に前向きです」を企業の理念とし、企業の経営理念として、

1.お客様に役立つ企業、社会に役立つ企業をめざします。

2.専門性の高い精鋭企業として常にトップを走り続けます。

3.常に挑戦し、学び、革新していく企業をめざします。

4.独自の価値を生み出すONLY ONE企業をめざします。

5.個人の夢を実現できる自由闊達な企業風土をめざします。

6.個性ある、優秀な人々が集う広場としての役割も担います。

を掲げ、経営における行動指針としております。

(2)経営環境

当社は主に金融機関宛にシステムを開発・販売しております。金融機関は都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合と業態が分かれており、当社は、特に地方銀行や信用金庫、信用組合等地域金融機関を主要な販売先としております。これら金融機関をユーザーとする当社システム利用のシェアは非常に高く、安定的な営業基盤を有しております。金融機関の業務にとりシステムは必要不可欠であり今後も安定した営業基盤であると考えております。

 

(3)経営戦略等

①信用リスク関連システムの拡販

当社は、会計・税務・金融に特化した専門家集団として、「金融機関の信用リスク管理分野のリーディングカンパニー」を標榜しております。主要販売先は金融機関でこれは今後も変わるものではありません。地域金融機関である信用金庫や信用組合への拡販は進んでおりますが、今後は、大手銀行宛の販売に一層注力していきたいと考えております。

 

②信用リスク管理業務から営業推進に係るシステムの充実

当社は金融機関の融資部や審査部向けに「担保不動産評価管理システム」、「法人格付システム」、「自己査定支援システム」等の信用リスク管理業務全般の品揃えを充実させてきました。これらの業務知識や、開発ノウハウを基に、各信用リスク管理システムやデータベースを連携させて「融資稟議支援システム」や「契約書作成支援システム」、「案件管理システム」など営業推進に係るシステムを展開しております。今後とも、金融機関の信用リスク管理業務や営業推進を増強させるシステム展開を図っていきたいと考えています。

 

③総務・経理業務への展開

当社はこれまで金融機関の融資部や審査部向けのシステムを展開してきましたが、金融機関からの信頼を背景に、総務部や経理部などにもアプローチし、金融機関自身に関わる総務や経理業務に対応した「固定資産管理システム」や「決算業務支援システム」、「経費支払事務支援システム」、「有価証券管理システム」、「出資金管理システム」、「人事業務支援システム」なども開発・提供しております。さらに「反社会的勢力情報チェックシステム」など社会的な要請に応じたシステムの提供もしております。このように総務・経理業務にもシステムを展開していきたいと考えております。

 

④技術革新への対応

IT業界での様々な技術革新に伴い、これまでもWEB化やクラウドコンピューティング、携帯端末、人工知能の登場などがありました。これらの技術や更なる技術革新に伴い、当社の主要な販売先である金融機関の情報系データの扱いが大きく変わっていきます。当社はこのようなIT技術革新に対応して、必要なシステム開発をしていき、ユーザーのニーズにも対応していく考えであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①技術革新と既存システムのリニューアル(DX対応)

近年の情報技術革新は目覚ましく、生成AI(Chat GPTなど)やAI-OCR(AIを文字認識技術に融合させたもの)などの技術が文書作成や画像作成などの面で人間に近い対応が可能となってきています。これら技術の検討と活用を進め、システム開発・サービス開発に繋げていくことが必要と考えております。

また、これに先立ち、既存システムのリニューアルを推進します。システムのレガシー化を食い止め、サステナブルなシステム提供を実現し、若い人材が次世代のシステム開発を担い活躍できるよう努めます。

 

②サステナブルな人事体制の構築

継続的に顧客のニーズに対応していくためには、優秀な人材が必要不可欠です。当社の未来を担う人材を新卒・第二新卒採用において、また即戦力人材を中途採用において採用できるよう、採用活動に努めております。また、新人研修や階層別の研修、外部研修への派遣を行うなど、社員のスキルアップに積極的に投資を行っております。長期的に優秀な人材が健康的に安心して働ける環境を整備すべく、福利厚生の充実、並びに多様な働き方の導入を進め、優秀な人材の確保と定着に努めていきます。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は、安定的な成長を目指す企業であるとの認識に立ち、①売上高営業利益率30%以上、②一人当たり売上高20百万円以上の二点を目標とすべき経営指標として掲げ、企業価値の最大化を目指しております。これら指標につきましては、当事業年度において①売上高営業利益率43.9%、②一人当たり売上高25.1百万円となりました。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、企業理念として、「お客様に役立つ企業、社会に役立つ企業」を目指しており、持続可能な成長(サステナビリティ)は社会に役立つ企業であること、お客様に役立つ企業であること、そしてそれを実現する社員が満足してより良いシステムを開発し提供することと考えています。

 当社の取締役会は、監査等委員を除く取締役4名と監査等委員である取締役3名の計7名で構成されており、社外取締役が2名おりますので、独立性と客観性が確保され業務執行取締役に対する実効性の高い監督を行うことができる体制をとっております。このような体制の下で、当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要課題と位置づけ対応しております。

 当社グループは、社員149名、臨時従業員18名(2023年9月30日現在)が本社(東京)、大阪営業部、名古屋営業部、大宮支社、札幌サテライトオフィスと子会社2社にてシステムの開発・販売・メンテナンス及び不動産賃貸等の事業活動を行っています。また取引先の大半が金融機関となっており、このような事業特性から当社は「人材」を重要課題と位置づけております。

ただし、当社グループでは、子会社については、規模も小さく体制づくりに時間を要するため、戦略等については当社単体について記載しております。

 なお、気候変動に関する事業影響については、当社の事業形態では各営業部における電力消費量が主な管理対象であると認識しております。サステナビリティに関する取り組みとして、気候変動対策となるCO2排出量削減を目指しておりますが、当社のCO2排出量は119t/年と推計しており、社員一人当たり0.92t/年となっています。この値は一般家庭の単身・若中年世帯のCO2排出量1.43t/年(2023年3月環境省「令和3年度家庭部門のCO2排出実態調査結果」)と比較すると半分程度であり、僅少と考えております。今後も気候変動に関してCO2排出削減への取り組み努力は継続するものの具体的な目標設定はしておりません。

 

(2)人的資本に関する戦略

 金融機関宛てシステム開発は専門性が高く優秀な人材が欠かせません。また技術開発の進展は著しいため社員教育も必須となっております。そのため優秀な人材の確保と活用が重要となってきます。さらにシステム開発や営業においては男女関係なく平等に働いてもらえるよう考えております。結婚後女性が働きやすい勤務形態や勤務時間の選択ができたり、出産後も復帰しやすいなど女性が働きやすい職場環境になっています。

 

①HR部創設

 2023年4月に人的資本経営強化のために、総務部から人事関連業務を独立させHR部を創設しました。就労人口が減少する中での継続的な社員の確保、社員研修の充実を通じ社員のスキル向上、並びに福利厚生の充実を図る体制を強化しました。

 

②採用面

 採用面では、新卒採用に加え、中途採用を強化しています。新卒、中途共に女性の割合が高くなっており、女性社員の比率も上昇しております。

決算期

2021/9

2022/9

2023/9

社員に占める女性社員の割合

22.0%

21.9%

27.9%

 

③人材育成

 当社では人材育成を重視しており、新入社員研修、システム・業務研修、外部講師を招いてのマネージャー向け研修等の社内研修を実施しております。また社員のビジネス関連資格取得を推進するため、資格手当制度を整備しスキル向上をサポートする体制を整えております。

 

④働きやすい職場環境

 社員のライフステージ等に合わせて多様な働き方ができるように、エリア総合職制度の設置、フレックスタイム制度の導入、育児や介護のための休業や時短制度の導入・時間外労働時間の制限、育児時間の確保などの体制を整えております。

 

⑤全社員の健康管理

 社員の健康維持・促進のために、置き型健康食品の導入やフィットネス関連チケットへの補助の実施、時間外勤務の管理の徹底、有給休暇の取得の促進など働きがいのある健康に配慮した経営を行っております。

 

(3)リスク管理

 「第2事業の状況 3事業等のリスク (6)人材の確保について」に記載の通り、当社が今後の安定的な成長を実現していくためには、会計・税務・金融業界に精通した専門家に加え、営業、技術の各部門において優秀な人材を確保していくことが重要な課題であります。これらのリスクについては、HR部を創設し、新卒採用並びに中途採用を強化し、人材育成にも注力しております。しかしながら、当社が求める要件を満たす人材の確保・育成が計画通りに進まない場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(4)指標及び目標

 当社は、上記「(2)人的資本に関する戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 当該指標に関する目標及び実績は以下のとおりであります。

 

目標

実績(当年度)

管理職に占める女性労働者の割合

20%以上

13.2%

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から積極的に開示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の季節変動について

当社グループのシステムインテグレーション部門につきましては、第2四半期及び第4四半期に売上高が集中する傾向にあります。これは、エンドユーザーである金融機関の中間決算期末(9月)と、新年度が始まる前の本決算期末(3月)にシステムの納品が多くなるためであります。

一方、システムサポート部門の売上高につきましては、路線価(7月公表)及び基準地価(9月公表)のデータベースを基本的に毎年11月までに納品する契約となっているため、第1四半期に売上高が集中する傾向にあります。

(2)特定の取引先への依存について(エンドユーザーの特定の業界への依存について)

当社グループは、金融業界、その中でも特に地方銀行、第二地方銀行、信用金庫及び信用組合等を主要エンドユーザーとして経営資源を集中してまいりました。このため、各期ともに売上高の9割以上が金融機関向けとなっております。

当社グループは主に信用リスク管理に係るシステムを金融機関向けに開発・販売してまいりましたが、システムの導入は金融機関が対応すべき法的、制度的な要請あるいは景気などによるシステム投資動向に左右される傾向にあります。

当社グループといたしましては、信用リスク管理に係るシステム投資は金融機関にとって法的、制度的な観点、及び他の金融機関との差別化ツールとしての観点からも重要かつ必要なものであると考えており、今後も金融機関のシステム投資需要を絶えず喚起していく方針ではありますが、金融機関に対する行政方針自体の転換次第では金融機関のシステムに対する投資動向、導入方針等が変わり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

(3)競合について

当社グループの信用リスク管理や総務経理関係に係るシステムには、競合する開発会社が複数存在しております。当社グループといたしましては、信用リスク管理システムについては、社内に有する公認会計士等の会計、税務知識や、金融業界に精通した専門家の業務知識、経験、ノウハウ等を活かし、一連のパッケージの提供を図ること、また総務経理関係のシステムについてもこれまでの開発経験、ノウハウ、専門知識を活かした利便性や費用対効果の高いシステムを提供することなどにより、競合他社との差別化を図っていく方針でありますが、競合他社及び新規参入会社との競合により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

(4)知的財産権について

当社が開発したパッケージシステムに係る著作権は基本的に当社が保有していますが、当社の認識の範囲外で、第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。また、今後新たに開発を行うパッケージシステム等の著作物に関しましても、著作権を当社が保有し、経営資源として活用する方針でありますが、取引先からのシステム開発受託の際の条件として将来にわたり維持できるという保証はありません。

特許権、特にビジネスモデル特許に関してはどのように適用されるか(特に金融技術分野において)が困難なため、当社といたしましては弁護士事務所等と協力し法的対応を進めておりますが、当該対応が思うように進展しない場合や、当社の認識していない第三者の特許やビジネスモデル特許等が成立している場合には、当該第三者より損害賠償請求及び使用差止の訴え等を起こされる可能性があり、このような場合には当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 なお、現在までに当社に対する訴訟、係争事件等は発生しておりません。

 

(5)共同利用型システムについて

 最近の中小金融機関においては、信用リスク管理の分野におけるシステムの利用形態は初期投資負担の軽減及び業界内での標準化を図るため、個別の金融機関が単独でシステム投資を行うのではなく、システム本体は系統のシステム会社等が購入し、各金融機関が利用できる共同利用型のシステムが増加する傾向になっております。

 当社につきましては、全国の信用組合及び信用組合連合会が出資する信組情報サービス株式会社に対しては共同利用型の「決算書登録システム」「法人格付システム」「個人事業主格付システム」「担保不動産評価管理システム」「自己査定支援システム」「貸倒実績率算定システム」「経営計画策定支援システム」「債権償却・引当金管理システム」「信用リスク計量化システム」「契約書作成支援システム」「決算事務支援システム」「特定口座管理システム」「決算速報作成支援システム」「融資稟議支援システム」「ベンチマーク集計システム」「配当金通知不着管理システム」「出資受付・証券不発行管理システム」「SAMLシステム」「経費支払事務支援システム」「営業店窓口支援システム」を提供しております。

 当社では機器提供、データ移行サービス、研修、コンサルティングを行っております。これにより、全国のユーザーの初期投資負担を軽減し、共同利用型システムの特徴を最大限提供できる仕組みといたしました。

 今後も個別金融機関への販売と並行してこれら共同利用型システムの系統システム会社等へのシステム提供を行う方針であります。しかしながら、当社が共同利用型システムへの依存度を高めるに伴い、共同利用型システムの投資動向次第では、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

(6)人材の確保について

 当社グループが今後の安定的な成長を実現していくためには、会計・税務・金融業界に精通した専門家に加え、営業、技術、管理及びシステムサポートの各部門において優秀な人材を確保していくことが重要な課題であります。当社グループは、新卒採用による人員補充、育成を中心とし、中途採用とあわせてバランスの取れた組織を構築することを人事方針とし、優秀な人材を獲得するための努力を行っております。

 現在、新卒採用並びに中途採用は鋭意実施しておりますが、当社グループの求める要件を満たす人材の確保・育成が計画どおりに進まない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

(7)情報管理について

 当社グループは、システムの開発、販売、コンサルティング等において、顧客企業の情報に接する機会を有しております。これら情報の取り扱いにつきましては、個人情報保護法に準拠して社内規程の制定、従業員教育、内部監査等を実施しております。

 しかし、このような対策にも関わらず、不測の事態により漏洩する事件、事故等が発生した場合には、当社グループの信頼低下や損害賠償請求等が発生することが想定され、経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)不動産市場の動向

 不動産賃貸事業におきましては、空室率の上昇、賃料水準の下落、近隣賃貸不動産の供給状況など不動産市場の動向次第では、賃料収入に影響を与える可能性があります。

(9)自然災害、不測の事態

自然災害やその他不測の事態により、保有不動産が毀損した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済については、原材料の高騰の影響はあるものの、株価は上昇傾向にあり為替も円安基調で景気は緩やかに改善しています。また当社グループの主要な販売先である金融機関の業況も改善しており、当社グループの受注活動は順調に進んでおります。

業況につきましては、「システム事業」は、「財務分析・企業評価支援システム」が地方銀行や信用金庫を中心に数多くの受注を獲得し売上が増加したほか、「担保不動産評価管理システム」も大手金融機関や地方銀行中心に受注を伸ばし売上に貢献しています。システム開発に係る「システムインテグレーション部門」とシステムのメンテナンスを行う「システムサポート部門」の当連結会計年度の売上高は共に前期比増収となり、営業利益も前期比増益となっています。

「不動産賃貸事業」につきましても、賃貸収入の売上高は前期比増収となっています。

 

以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

イ.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、6,723,238千円となりました。主な内訳は、現金及び預金2,655,633千円、有形固定資産2,667,051千円であります。

当連結会計年度末の負債合計は、1,226,723千円となりました。主な内訳は、契約負債488,507千円、未払法人税等184,194千円であります。

当連結会計年度末の純資産合計は、5,496,515千円となりました。

ロ.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高3,528,383千円、営業利益1,413,693千円、経常利益1,398,536千円、親会社株主に帰属する当期純利益は964,217千円となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

システム事業

「システムインテグレーション部門」

「財務分析・企業評価支援システム」については、「総合決算書リーディングシステム」の地方銀行宛ての受注が増加しており、信用金庫向けには主にリニューアル案件が増加し、前期比増収となっています。「自己査定支援システム」は大手金融機関からの大型案件の受注があり前期比増収となったほか、主要なシステムである「担保不動産評価管理システム」も大手金融機関や地方銀行宛てに受注が増加しており、売上高に貢献しています。「融資稟議支援システム」は信用金庫宛てに根強く販売され増収となり、「契約書作成支援システム」は電子契約対応が評価され地方銀行や信用金庫から多く受注しています。さらに消費税の改正に伴うインボイス対応をした「経費支払事務支援システム」も売上高を伸ばしました。

この結果、システムインテグレーション部門の売上高は、2,202,387千円、セグメント内の売上高構成比は66.0%となりました。

「システムサポート部門」

メンテナンスの売上高は、例年の路線価データの納品やシステム導入が進み増収となり、システムサポート部門の売上高は1,135,512千円、セグメント内の売上高構成比は34.0%となりました。

以上の結果、システム事業の売上高は3,337,900千円、セグメント利益は1,409,026千円となりました。

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業は、2023年1月から会社分割により株式会社アイピーサポートで行っており、賃貸マンション3棟、立体駐車場1棟、賃貸オフィス1棟及び賃貸店舗2件の計7物件を所有し展開しております。当連結会計年度の売上高は、賃貸収入190,483千円、セグメント利益は4,666千円となっております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、当連結会計年度末には2,655,633千円となりました。

当連結会計年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は680,528千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,398,536千円、売上債権及び契約資産の増加による資金の減少264,491千円、法人税等の支払額402,068千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は92,815千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出48,408千円、差入保証金の支払による支出32,895千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,211,049千円となりました。これは主に自己株式の取得による支出831,399千円、配当金の支払301,421千円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

システム事業(千円)

3,337,900

109.7

不動産賃貸事業(千円)

合計(千円)

3,337,900

109.7

(注)金額は販売価格によっております。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム事業

3,302,101

116.9

461,870

92.8

不動産賃貸事業

合計

3,302,101

116.9

461,870

92.8

 

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

システム事業(千円)

3,337,900

109.7

不動産賃貸事業(千円)

190,483

101.9

合計(千円)

3,528,383

109.2

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

信組情報サービス㈱

369,920

11.4

409,426

11.6

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等

(売上高)

売上高は、3,528,383千円となっております。事業別の内訳は、システム事業が3,337,900千円、不動産賃貸事業が190,483千円となっております。

(売上総利益)

売上総利益は、売上高3,528,383千円、システム事業の売上原価1,103,916千円、不動産賃貸事業の売上原価91,997千円により、2,332,468千円となっております。

(営業利益、経常利益)

営業利益は、売上総利益2,332,468千円、販売費及び一般管理費918,774千円により、1,413,693千円となりました。これを受けて経常利益は、1,398,536千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

上記の結果、税金等調整前当期純利益は、1,398,536千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税が366,253千円、法人税等調整額が68,065千円により、964,217千円となりました。

ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。現在、金融機関からの借入は行っておらず、設備投資等の調達につきましては、自己資金の利用を原則としております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は下記のとおりシステム利用契約を締結しております。

相手先

契約内容

期間

信組情報サービス㈱

同社の株主である全国の信用組合及び信用組合連合会に対し、当社の共同利用型の決算書登録システム、法人格付システム、個人事業主格付システム、担保不動産評価管理システム、自己査定支援システム、貸倒実績率算定システム、経営計画策定支援システム、債権償却・引当金管理システム、信用リスク計量化システム、契約書作成支援システム、決算事務支援システム、融資稟議支援システム、ベンチマーク集計システム、配当金通知不着管理システム、出資受付・証券不発行管理システム、経費支払事務支援システム、営業店窓口支援システムの再使用許諾を行う。また、特定口座管理システム、決算速報作成支援システム、SAMLシステムの使用許諾を行う。

更新日から1年間(注)

(注)期間満了2ヶ月前までにいずれからも書面による申し出が無い場合は、さらに1年間延長することになっております。

 

6【研究開発活動】

当社は、他社との製品上の競合において、より優位な地位を占めるための努力を継続していく必要があるため、新製品・システムの研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費総額は、32,345千円で、その主な内容は、システム事業における新規システムの開発であります。