当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
総資産は、受取手形・完成工事未収入金等の増加などから、前連結会計年度末に比べ18億78百万円増加し、1,555億95百万円となりました。
負債は、預り金の減少などから、前連結会計年度末に比べ10億88百万円減少し、786億44百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ29億67百万円増加し、769億51百万円となりました。
また、自己資本比率は前連結会計年度末の46.7%から1.1ポイント増加し、47.8%となりました。
②経営成績
当社グループは、①“守りから攻め”への転換、②“高収益モデル”への転換、③“資本効率経営”への転換を柱とした5ヶ年の中期経営計画(2023年度~2027年度)を策定し、更なるレジリエント企業への進化、成長に向けて取り組んでおります。また、DXの推進により生産性向上や働き方改革に努めるほか、“攻め”を支える多様な人財の獲得・育成にも取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同四半期比(以下、同期比較)17.5%増の1,372億24百万円となり、営業利益は48.9%増の76億17百万円、経常利益は42.8%増の70億42百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、52.0%増の44億16百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
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前第3四半期 連結累計期間 (百万円) |
当第3四半期 連結累計期間 (百万円) |
対前年同四半期 増減率(%) |
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売上高 |
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116,802 |
137,224 |
17.5 |
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国内土木事業 |
53,864 |
69,552 |
29.1 |
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国内建築事業 |
47,511 |
47,836 |
0.7 |
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海外建設事業 |
14,930 |
19,222 |
28.7 |
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不動産・その他 |
496 |
612 |
23.4 |
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営業利益または損失(△) |
5,115 |
7,617 |
48.9 |
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国内土木事業 |
3,167 |
3,858 |
21.8 |
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国内建築事業 |
2,391 |
2,280 |
△4.7 |
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海外建設事業 |
△659 |
1,306 |
- |
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不動産・その他 |
215 |
172 |
△20.0 |
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経常利益 |
4,932 |
7,042 |
42.8 |
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親会社株主に帰属する 四半期純利益 |
2,904 |
4,416 |
52.0 |
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〔国内土木事業〕
高い競争力を有する本事業においては、事業量の確保及び収益力の強化に向けて、官庁海洋工事における大型プロジェクトの確実な受注、また民間及び官庁陸上工事の受注拡大に努めております。成長ドライバーである洋上風力事業においては、将来に向けて人財を育成するとともにケーブル敷設分野を中心とする多様なポジションでの参入に向けて取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間は、防衛関連工事や港湾、空港などのインフラ整備工事のほか、民間工事の受注及び施工に注力いたしました。前期からの繰越工事の増加により、売上高は29.1%増の695億52百万円となり、セグメント利益は21.8%増の38億58百万円となりました。
また、洋上風力事業では国内最大級の自航式ケーブル敷設船の建造と洋上風力事業本部の新設(2024年4月1日付)を決定いたしました。なお、自航式ケーブル敷設船建造の投資判定にあたっては、取締役会において資本コストや資本収益性を意識した協議、検討を行いました。
〔国内建築事業〕
市場環境が急激に変化する中でも収益を拡大できるよう、組織営業力の強化及びストック市場への取り組み強化策であるReReC®(Renewal、Renovation、Conversion)や非請負分野の開拓に向けた体制整備のほか、DXの推進などによる生産性の向上や人財の育成に努めております。
当第3四半期連結累計期間は、工場、物流施設、事務所、教育施設など中期経営計画に掲げる分野での受注及び施工に注力いたしました。売上高は手持工事の順調な進捗などにより0.7%増の478億36百万円となりましたが、セグメント利益は一部で採算が低下した工事が生じたことから4.7%減の22億80百万円となりました。
〔海外建設事業〕
フィリピンなど当社進出国を中心に地域に根差した事業展開を継続し、ODA案件の獲得及びフィリピン現地法人CCT CONSTRUCTORS CORPORATIONによる民間工事の拡大のほか、現地人財の育成に取り組み、収益基盤の構築に努めております。
当第3四半期連結累計期間は、手持工事の順調な進捗により売上高は28.7%増の192億22百万円となり、セグメント利益は前期に発生した一過性の費用引当の繰入が当期はなくなったことから13億6百万円となりました。
〔不動産事業〕
売上高は0.7%増の3億42百万円、セグメント利益は37.3%減の1億23百万円となりました。
〔その他事業〕
保険代理店業、物品の販売・リース事業などであり、売上高は72.8%増の2億69百万円、セグメント利益は161.3%増の48百万円となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、18億50百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動について重要な変更はありません。
当社は、2023年12月8日開催の取締役会において、以下のとおり自航式ケーブル敷設船を建造することを決議し、2023年12月11日付で建造契約を締結いたしました。
(1)建造理由
洋上風力発電は着床式を中心に順調に案件形成が進捗しており、更に浮体式の技術開発やEEZ拡大検討なども進めつつ、政府目標である2050年カーボンニュートラル実現に向けて着実に進展しています。当社は、市場拡大が期待される洋上風力発電をはじめとした沖合建設工事用に、国内最大級の自航式ケーブル敷設船を建造いたします。
(2)ケーブル敷設船の概要
建造するケーブル敷設船は、国内の自然条件及び施工条件に適合するために最適な船体設計を行うことで、水深の浅い海域から浮体式洋上風力発電や直流送電事業を対象とする大水深海域までの広い海域において、高い稼働率での施工を可能としました。
また、本船は自航式ケーブル敷設船として活躍するとともに、高性能クレーンと広いデッキ面積によって、着床式基礎工事、浮体式洋上風力係留工事及び海洋資源関連事業等の多目的な分野に適用することができます。
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主な仕様 |
総トン数約19,000t、推進出力約13,000kw、DPS Class2 |
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船級Class NK |
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宿泊90名(全室個室、シャワー・トイレ完備) |
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船体主要寸法 |
全長150m×幅28m×深さ12m 最大喫水7.0m |
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ケーブルタンク |
容量9,000t(可搬式含む) |
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主/副クレーン |
250t/100t吊級(動揺低減機能付) |
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その他設備 |
ヘリデッキ、4点係留装置(浅海域施工時)、2×ROVシステム、バッテリー蓄電システム |
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投資金額 |
約300億円 |
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資金調達 |
自己資金及び銀行借入(※グリーンローンを予定) |
(3)契約先の概要
契約先は外国法人であり、当社と譲渡先との間には、記載すべき資本関係、人的関係及び取引関係はありません。また、契約先は当社の関連当事者には該当しません。
(4)建造日程
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取締役会決議日 |
2023年12月8日 |
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契約締結日 |
2023年12月11日 |
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完成引渡時期 |
2026年上期 |
(5)今後の見通し
当投資による当期の連結業績に与える影響は軽微であります。また、2023年3月23日に公表いたしました中期経営計画においても、当投資を反映しており連結業績に与える影響は軽微であります。