第3 【第三者割当の場合の特記事項】
1 【割当予定先の状況】
当社グループは、事業の選択と集中を掲げシステムイノベーション事業の強化を進めるとともに、データセンター事業を今後の主軸事業と捉え、システムイノベーション事業の収益強化、データセンター事業の収益化及び企業価値の向上に努めております。
システムイノベーション事業においては、収益力の高い開発案件の受託やシステムエンジニアの稼働人員の増加により売上高が増加し営業利益も増加しましたが、グループ全体の費用を賄えず営業損失を計上する状況となっております。また、システムイノベーション事業の強化によるシステムエンジニアの人員増加や収益性の高い開発案件の受託による人件費等の先行支払い、データセンター事業への先行投資が増加したことにより資金繰りの状況は厳しい状況が続いております。
当社グループは上記のとおり組織再編の途中であり、当社グループの業績は、2022年12月期において、連結売上高574百万円(前期比43.4%減)、連結営業損失412百万円(前年同期は連結営業損失625百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失408百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,440百万円)となりました。また、2023年12月期においては、連結売上高609百万円(前年同期比6.1%増)と増加いたしましたが、連結営業損失477百万円(前年同期は営業損失412百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失510百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失408百万円)となり、依然として厳しい業績で推移しております。
また、当社は2023年2月27日に発行した第13回新株予約権にてデータセンター開発資金の一部を資金調達する計画でしたが、市場環境や当社業績等の影響を受けて、2023年9月初旬以降の当社株価が行使価額である43円を下回って推移する状況が続きましたが、行使価額を下回る状況においても割当先であった水たまり投資事業組合のご理解もあり、新株予約権の行使がなされたものの、96,150個(発行新株予約権は335,400個)が行使期間の到来により権利失効となりました。
当社グループの業績、資金繰りの状況から、システムイノベーション事業強化によるシステムエンジニアの人員増強や、データセンター事業への先行投資など、手元資金のみでは運転資金、事業資金及び設備投資資金が賄えない状況であったことから、当社の代表取締役社長である吉田弘明(以下、「当社代表の吉田」といいます。)が、2023年12月下旬から4年ほど前から交流があった株式会社豊崎会計事務所の代表者である豊﨑氏に資金調達について相談いたしました。豊﨑氏との資金調達に関する相談の中で、上場会社の新株予約権を譲受けた実績のある株式会社Your Turnの代表取締役である鶴原智也氏(以下、「鶴原氏」といいます。)を紹介いただき、2024年1月中旬に鶴原氏に対しても資金調達の必要性について相談してまいりました。その後、豊﨑氏については、新株式の発行等による資金調達は難しいものの、貸付による資金調達には応じていただけることとなり、2024年2月29日及び3月15日にそれぞれ250百万円合計500百万円を借入いたしました。
当社は、上記「第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載のとおり、当社グループの本第三者割当にて調達する資金は必要な資金であり、今回の資金調達の目的であるグループ運転資金やデータセンター開発資金は資金調達の確実性が高い新株式の発行が望ましいものの、当社の業績や希薄化の規模等から新たな資金調達手段について検討しておりました。その中で、株式会社Your Turnに、当社の資金調達について検討いただきました。その後、当社の業績や希薄化の規模からそのすべてを新株式の発行によるものではなく、株式会社Your Turnにて新株式及び新株予約権の引き受ける旨のご提案をいただきました。当社といたしましても、当社の現状から、他の資金調達手段及び他社からの資金調達は難しい一方で、前述のとおり必要資金であることから、株式会社Your Turnを割当予定先とする、本新株式及び本新株予約権による資金調達を行うことといたしました。
本新株式の保有方針は純投資を目的とした保有である旨を口頭で確認しております。なお、当社は、割当予定先である株式会社Your Turnから、割当予定先が払込期日から2年以内に本新株式により取得した当社普通株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に対し書面により報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定であります。
本新株予約権の行使により取得する当社株式に関する割当予定先の保有方針は純投資である旨を口頭で確認しております。また、割当予定先が本新株予約権を第三者に譲渡する場合には、当社取締役会での承認が必要となり、取締役会承認前に、譲受人の本人確認、反社会的勢力でないことの確認、本新株予約権の保有方針の確認、当社が割当予定先との間で契約する取得等の権利・義務についても譲受人が引き継ぐことを条件に検討・判断いたします。なお、当社取締役会にて譲渡が承認された場合には、その内容を開示いたします。
割当予定先の払込みに要する財産の存在については、当社代表の吉田が2024年3月に割当予定先の代表者である鶴原氏から、割当予定先を名義人とする2024年3月29日作成の証券会社口座の取引残高報告書(対象期間:2024年1月1日から2024年3月31日))の写しを入手し、約10億円の資金を有していることを確認いたしました。しかしながら、本新株式及び本新株予約権の発行における払込に必要な資金を有しているものの、本新株予約権の全ての行使に必要な資金を有しておりませんでした。そのため、当社は当社代表の吉田が払込に要する資金の調達について確認したところ、本新株予約権の行使に必要な資金の一部については、鶴原氏が代表を務めるYour Turn Inc.(1136 Union Mall #405 Honolulu HI96813 USA 代表者 鶴原 智也)を貸主とする金銭消費貸借契約を締結し資金を調達する意向であることを確認いたしました。当社は、割当予定先に貸し付けるYour Turn Inc.の貸付原資がYour Turn Inc.の自己資金であることについて鶴原氏より当社代表の吉田が口頭にて確認しており、Your Turn Inc.との金銭消費貸借契約書(貸付金額:10億円、貸付日:本有価証券届出書の提出から7日以内、返済期限:貸付日より3年間、利率:3%)の写し及びYour Turn Inc.の預金残高証明書の写し(2024年3月31日時点)を受領しております。上記自己資金及び借入のみでは行使全額に満たないものの、本新株予約権の権利行使の一部は、本新株予約権の権利行使により取得した当社普通株式を売却した資金で行う予定であることを鶴原氏より当社代表の吉田が口頭にて確認しており、本新株予約権の権利行使における払込みについて、問題ないと判断いたしました。
割当予定先である株式会社Your Turn及び同社の役員、主要株主及び関連会社並びに借入先であるYour Turn Inc.(以下、「割当予定先等」と総称します。)が反社会的勢力との関係を有しているか否か、並びに割当予定先等が違法行為に関与しているか否かについて、第三者の信用調査機関であるリスクプロ株式会社(東京都港区芝大門二丁目11番8号、代表取締役 小板橋 仁)に調査を依頼いたしました。その結果、いずれの割当予定先等についても、いわゆる反社会的勢力との関係を有することを示唆する情報、違法行為に関与していることを示唆する情報は確認されず、また、重要な懸念点、問題事項も確認されなかったとの回答を得ております。当社は、上記のとおり割当予定先等が反社会的勢力等とは一切関係がないことを確認しており、別途割当先が反社会的勢力と関係がないことを示す確認書を株式会社東京証券取引所に提出しております。
2 【株券等の譲渡制限】
本新株式(本新株予約権の行使により交付される株式を含みます。)について当該事項はありません。但し、割当予定先との間で締結予定の新株引受契約書にて、払込期日から6か月間を経過する日までの間は、本新株式(本新株予約権の行使により交付される株式は含みません。)の全部又は一部を第三者に譲渡しないこととする譲渡制限を設けております。また、当該譲渡制限に違反した場合には、割当予定先は当社に対し、譲渡対象株式の払込金額と譲渡金額の差額を支払う旨をを定めております。但し、次の各号に掲げる事由が生じ、かつ、「割当予定先」が「当社」に対して当該事由により「本新株式」の全部又は一部を譲渡したい旨を記載した書面を提出し、「当社」の承諾を得た場合は、この限りではないという条文が定められております。
(1)「割当予定先」の経営又は資産の状況が著しく悪化した場合
(2)「本新株式」の全部又は一部を譲渡することが社会通念上やむを得ないと認められる場合
本新株予約権には譲渡制限は付されていません。但し、本引受契約において、本新株予約権について、その譲渡の際に当社取締役会の承認が必要である旨が定められます。なお、当社は、割当予定先が本新株予約権の全部又は一部を譲渡する場合には、当社取締役会における承認の前に、譲受人の本人確認、反社会的勢力と関わりがないことの確認、行使に係る払込原資の確認、本新株予約権の保有方針の確認を行い、本割当契約に係る行使制限等の権利義務について譲受人が引継ぐことを条件に、承認の可否を判断する予定です。また、当社取締役会において本新株予約権の譲渡を承認した場合には、当該内容を開示いたします。
3 【発行条件に関する事項】
本新株式における発行価額は、割当予定先との協議の結果、本新株式に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年4月18日)までの株式会社東京証券取引所スタンダード市場における当社普通株式の終値の3ヶ月平均を基準とし、135円といたしました。
上記発行価額とした経緯としましては、上記「第2 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況 b.割当予定先の選定理由」に記載しておりますが、割当予定先との協議時点における当社普通株式の株価は40円前後を推移している状況でしたが、2024年2月27日付「特別利益計上に関するお知らせ」にて公表した5百万円の特別利益を計上したものの、2024年3月22日付「特別損失計上に関するお知らせ」にて公表した12百万円の特別損失を計上していること等、当社業績等が直近株価に反映されたものではなく、2024年2月28日から急騰している状況であること、当社が現在証券取引等監視委員会より、金融商品取引法に基づく開示検査を受けていることなどから、今後株価の急落のリスクが想定されることから、割当予定先との協議・交渉の結果、割当予定先も本新株式の取得後6ヶ月間売却出来ないことを条件に、割当予定先の要望、急騰日からの日数等(本届出書提出日の前日まで36営業日、払込期日まで50営業日)を加味し、また、割当予定先も相当のリスクを追うこと等を踏まえ、3か月の平均株価を基準とすることといたしました。
なお、当該発行価額は、本第三者割当増資に関する取締役会決議日の直前取引日の終値である242円から44.21%のディスカウント、当該直前取引日までの1か月間の終値平均である252.68円から46.57%のディスカウント、当該直近取引日までの3か月の終値平均である134.11円から0.66%のプレミアム、当該直近取引日までの6か月間の終値平均である86.90円から55.35%のプレミアム、当該直近取引日までの12か月間の終値平均である65.09円から107.42%のプレミアムとなっております。
以上のことから、当社取締役会においては、今回の資金調達の目的、他の調達手段の選択肢を考慮するとともに、本新株式の発行条件について十分に討議、検討を行い、本新株式の発行価額は、適正かつ妥当な価額であり、有利発行には該当しないものと判断いたしました。
また、当社監査役3名(うち2名は社外監査役)全員からも、取締役会において決定された発行価額は、本第三者割当による増資規模(7.5億円)の必要性、本第三者割当で発行する当社株式の流通量が既存株主に与える影響(詳細は、下記「(2) 発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠」を参照)、当社の業績及び信用リスク、割当予定先である株式会社Your Turnが負う価格下落リスクの諸観点から当該ディスカウント率の合理性について十分な検討が行われていること及び第三者委員会の意見書から、有利発行でないことについて異論がない旨の意見が述べられております。
新株予約権の発行価額の公正価値の算定には、他社上場企業の第三者割当増資における公正価値の算定実績をもとに選定した第三者機関であるエースターコンサルティング株式会社(住所:東京都港区西麻布3丁目19番13号、代表者:代表取締役 三平 慎吾)に依頼し、本新株予約権の評価報告書を取得いたしました。
当該機関は、割当予定先の権利行使行動及び株式売却動向並びに当社の本新株予約権取得動向について合理的に想定される仮定を置くとともに、当社の株価(2024年4月18日の終値)、当社株式の市場流動性、配当率(0%)、割引率(リスクフリーレート0.107%)、ボラティリティ(151.37%)、クレジット・コスト(22.86%)及び1日当たりの売却可能株式数(直近1年間にわたる発行会社普通株式の1日当たり平均売買出来高(10%))等の諸条件等について一定の前提を置いて、権利行使期間(2024年5月13日から2025年5月12日まで)その他の発行条件の下、一般的な株式オプション価値算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを用いて評価を実施した結果、本新株予約権1個の払込金額を462円(1株当たり4.62円)と算定いたしました。割当予定先の権利行使行動に関しては、株価が行使価額を超過し行使が可能な場合には割当予定先は、1日当たりの売却可能株式数(直近1年間にわたる発行会社普通株式の1日当たり平均売買出来高(10%))を目途に直ちに権利行使を実施することを想定しています。
当社は、算定に用いられた手法、前提条件及び合理的に想定された仮定等について、特段の不合理な点はなく、エースターコンサルティング株式会社が実施した本新株予約権の算定結果は妥当であると判断いたしました。この算定結果をもとに割当予定先と協議した結果、本新株予約権1個の払込金額を金462円(1株当たり4.62円)といたしました。また、本新株予約権の行使価額は、当社の業績動向、財務動向、株価動向(取締役会決議日の直前営業日までの1か月間、3か月間、6か月間及び12か月間の終値平均株価等)を勘案するとともに、当社株式の流動性に鑑みると割当予定先がすべての本新株予約権を行使するには相当程度の長期間にわたることなどを総合的に勘案し、割当予定先と協議した結果、当該発行に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年4月18日)の株式会社東京証券取引所スタンダード市場における当社普通株式の普通取引の終値の3か月平均を基準とし、135円としました。
本新株予約権の行使価額を直前取引日までの3か月間の終値平均とした経緯としましては、上記「第2 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況 b.割当予定先の選定理由」に記載しておりますが、割当予定先との協議時点における当社普通株式の株価は40円前後を推移している状況でしたが、2024年2月27日付「特別利益計上に関するお知らせ」にて公表した5百万円の特別利益を計上したものの、2024年3月22日付「特別損失計上に関するお知らせ」にて公表した12百万円の特別損失を計上していること等、当社業績等が直近株価に反映されたものではなく、2024年2月28日から急騰している状況であること、当社が現在証券取引等監視委員会より、金融商品取引法に基づく開示検査を受けていることなどから、今後株価の急落のリスクが想定されることから、割当予定先との協議・交渉の結果、当社の業績動向、財務動向、株価動向(取締役会決議日の直前営業日までの1か月間、3か月間、6か月間及び12か月間の終値平均株価等)を勘案するとともに、今後の当社株価の急落リスク等を踏まえ、3か月の平均株価を基準とすることといたしました。
なお、本新株予約権の行使価額の当該直前取引日の終値である242円から44.21%のディスカウント、当該直近取引日までの1か月間の終値平均である252.68円から46.57%のディスカウント、当該直近取引日までの3か月間の終値平均である134.11円から0.66%のプレミアム、当該直近取引日までの6か月間の終値平均である86.90円から55.35%のプレミアム、当該直近取引日までの12か月間の終値平均である65.09円から107.42%のプレミアムとなっております。
なお、本日開催の当社取締役会に出席した当社監査役3名(うち2名は社外監査役)全員から、エースターコンサルティング株式会社は、当社と継続的な取引関係は無いことから当社経営陣から一定程度独立していると認められること、割当予定先からも独立した立場で評価を行っていること、また、本新株予約権の価額算定方法としては市場慣行に従った一般的な方法で行われている同社の新株予約権算定報告書において報告された評価額と同等額の払込金額を決定していること及び第三者委員会の意見書から、有利発行でないことについて異論がない旨の意見が述べられております。
本新株式の発行により増加する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ5,560,000株及び24,080,000株の合計29,640,000株となり、2024年4月18日現在の発行済株式総数84,644,600株(議決権数846,273個)に対して、合計35.02%(議決権比率35.02%)の希薄化が生じます。
また、本新株式の発行及び本新株予約権が行使された場合の最大交付株式数29,640,000株に対して、当社株式の過去1年間における1日あたり平均出来高は、2,068,686株であり、1日あたり平均出来高は最大交付株式数の6.98%であります。本新株式の発行及び本新株予約権が行使された場合の最大交付株式数29,640,000株を行使期間である1年間(245日/年間営業日数で計算)で売却すると仮定した場合の1日当たりの株式数は120,979株となり、上記1日あたりの平均出来高の5.85%となるため、これらの売却が市場内にて短期間で行われた場合には、当社の株価に影響を与える恐れがありますが、当社は割当予定先に対して当社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行うことを書面にて確認していることから、本資金調達が及ぼす株価への影響は限定的なものになると考えております。また、交付した株式が適時適切に市場で売却されることにより、当社株式の流動性向上に資することが期待されます。
当社といたしましては、上記に記載のとおり、今回の資金調達を、上記「第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途、(2) 手取金の使途に記載する使途に充当することにより当社グループが今後、収益を確保し、かつ、安定的に成長していくためには必要不可欠であり、当社及び当社グループの企業価値の向上が進むことによって既存株主様の利益につながるものであることから、今回の第三者割当による新株式及び新株予約権の発行による株式の発行数量及び希薄化の規模は、一定の合理性を有しているものであると判断いたしました。
4 【大規模な第三者割当に関する事項】
当社が本第三者割当により発行する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ5,560,000株及び24,080,000株の合計29,640,000株となり、2024年4月18日現在の発行済株式総数84,644,600株(議決権数846,273個)に対して、合計35.02%(議決権比率35.02%)の希薄化となり、希薄化率が25%以上となることから、本第三者割当は、「企業内容等の開示に関する内閣府令第二号様式記載上の注意(23―6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。
5 【第三者割当後の大株主の状況】
(注) 1.所有株式数及び総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2023年12月31日現在の株主名簿、2024年4月18日までに当社が確認したストックオプションの行使による増加及び2024年4月18日までに当社が確認した大量保有報告書等に基づき算定しております。
2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、本新株式の第三者割当後の総議決権数901,873個に対する割合です。
(注) 1.所有株式数及び総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2023年12月31日現在の株主名簿、2024年4月18日までに当社が確認したストックオプションの行使による増加及び2024年4月18日までに当社が確認した大量保有報告書等基づき算定しております。
2.割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、本新株式の割当及び全ての新株予約権が権利行使された場合に交付される29,640,000株を加算した総議決権数1,142,673個に対する割合です。
3.上記「1 割当予定先の状況 d.株券等の保有方針」に記載のとおり、割当予定先である株式会社Your Turnは、割当を受けた本新株式及び本新株予約権の行使により交付された当社株式の保有方針は純投資を目的であるため、割当後の総議決権に対する所有議決権数の割合は、上表から変動する可能性があります。
6 【大規模な第三者割当の必要性】
(大規模な第三者割当を行う理由)
当社は、「第3 第三者割当の場合の特記事項 1 割当予定先の状況 b.割当予定先の選定理由」に記載のとおり、システムイノベーション事業の強化の強化、また、今後データセンター事業を主軸事業と捉え、各セグメントの収益改善と企業価値の向上に努めておりますが、収益力の高い開発案件の受託やシステムエンジニアの稼働人員の増加により売上高が増加し営業利益も増加いたしましたが、ディベロップメント事業において、再生エネルギー機器の販売によって売上計上したものの、太陽光設備販売案件の不振やエンターテインメント事業の不振により厳しい状況が続いていること等から、当社は、2022年12月期において、連結売上高574百万円(前期比43.4%減)、連結営業損失412百万円(前年同期は連結営業損失625百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失408百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,440百万円)となりました。また、2023年12月期においては、連結売上高609百万円(前年同期比6.1%増)と増加いたしましたが、連結営業損失477百万円(前年同期は営業損失412百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失510百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失408百万円)となり、依然として厳しい業績で推移しております。
このような状況の下、当社は上記「第1 募集要項 2 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途」に記載のとおり、本第三者割当により調達した資金は、運転資金、借入金の返済、データセンター事業におけるデータセンター開発資金の一部へ充当する予定であります。当社は、当社が早期に持続的な経営の確立を図り、財務体質の改善と企業価値の向上を実現するうえで、資金調達は必要不可欠であると考えております。
当社では、本第三者割当以外の方法による資金調達手法について、前記「第1 募集要項 2 新規発行による手取金の使途 (2) 手取金の使途<本資金調達方法を選択した理由>」に記載のとおり、その他の資金調達方法についても検討いたしました。当社の現状を勘案し、上記記載のとおり、当社の資金需要及び資金の支出予定時期から、行使期間を1年とし、行使を制限する条件が無い本第三者割当による資金調達が、当社として最適な資金調達方法であると判断し、本第三者割当を行うことといたしました。
(既存の株主への影響についての取締役会の判断の内容)
前述「4 大規模な第三者割当に関する事項」に記載のとおり、当社が本第三者割当により発行する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ5,560,000株及び24,080,000株の合計29,640,000株となり、2024年4月18日現在の発行済株式総数84,644,600株(議決権数846,273個)に対して、合計35.02%(議決権比率35.02%)の希薄化が生じることとなります。
しかしながら、前述「3 発行条件に関する事項」「(2) 発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠」に記載のとおり、今回の資金調達は、当社グループが今後、収益を確保し、かつ、安定的に成長していくためには必要不可欠であり、当社及び当社グループの企業価値の向上が進むことによって既存株主様の利益につながるものであることから、今回の第三者割当による新株式及び新株予約権の発行による株式の発行数量及び希薄化の規模は、一定の合理性を有しているものであると判断いたしました。
よって、当社は、本第三者割当増資は、それを通じた当社の企業価値の向上を図るために必要な限度で行われるものであり、中長期的には、上記の希薄化を上回る当社の企業価値の向上につながるものと考えられるため、本第三者割当増資に係る株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると判断しております。
前述「4 大規模な第三者割当に関する事項」に記載のとおり、本第三者割当増資は大規模な第三者割当に該当することから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条の規定に基づき、①経営者から一定程度独立した者による当該割当の必要性及び相当性に関する意見の入手又は②当該割当に係る株主総会決議などによる株主の意思確認手続のいずれかが必要となります。当社は、本第三者割当による資金調達について、一部が新株予約権であり、直ちに株式の希薄化をもたらすものではないこと、また現在の当社の財務状況及び2024年9月までに約38億円を本第三者割当による資金調達を実施する必要があることを鑑みると、本第三者割当に係る株主総会決議による株主の意思確認の手続きを経る場合には、臨時株主総会決議を経るまでに2~3カ月の日数を要すること、また、臨時株主総会の開催に伴う費用についても、相応のコストを伴うことから、総合的に勘案した結果、経営者から一定程度独立した第三者委員会による本第三者割当の必要性及び相当性に関する意見を入手することといたしました。
当社は、当社及び割当予定先との間に利害関係のない社外有識者である宍田拓也弁護士以下、「宍田弁護士」といいます。)※(シシダ法律事務所)、大谷龍生弁護士(日比谷見附法律事務所)、大槻直弁護士(弁護士法人平田法律事務所)の3名によって構成される第三者委員会(以下「本第三者委員会」といいます。)に、本第三者割当の必要性及び相当性に関する客観的な意見を求め、以下の内容の意見書を2024年4月18日に入手しております。
※ 当社はGFA株式会社(以下、「GFA社」といいます。)に対し金銭の貸付けを行っており、宍田弁護士はGFA社の社外監査役となります。しかしながら、宍田弁護士はGFA社との間に特別の利害関係はなく、独立役員に指定されております。
当社は、本第三者割当増資においてGFA社との間で利害関係がないことから、当社及び割当予定先との間にも利害関係のない社外有識者として、第三者委員会の委員として選任しております。
なお、本第三者委員会の意見の概要は以下の通りです。
(本第三者委員会の意見の概要)
第1 結論要旨
本第三者割当には必要性及び相当性いずれも認められる。
第2 結論に至る理由
1 資金調達の必要性
(1)貴社グループは、事業の選択と集中を掲げシステムイノベーション事業の強化を進めるとともに、データセンター事業を今後の主軸事業と捉え、システムイノベーション事業の収益強化、データセンター事業の収益化及び企業価値の向上に努めているとのことである。システムイノベーション事業においては、収益性の高い開発案件の受託やシステムエンジニアの稼働人員の増加により売上高が増加し営業利益も増加した一方で、システムイノベーション事業の強化によるシステムエンジニアの人員増加や収益性の高い開発案件の受託によって人件費等が増加し、データセンター事業への先行投資が増加したことにより資金繰りの状況は厳しい状況が続いているところである。
具体的には、貴社グループの業績は、2022年12月期において、連結売上高574百万円(前期比43.4%減)、連結営業損失412百万円(前年同期は連結営業損失625百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失408百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,440百万円)となり、また、2023年12月期においては、連結売上高609百万円(前年同期比6.1%増)と増加したが、連結営業損失477百万円(前年同期は営業損失412百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失510百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失408百万円)となり、依然として厳しい業績で推移している。
貴社グループが強化しているシステムイノベーション事業に関しては、貴社は、2023年2月27日に発行した第13回新株予約権においてデータセンター開発資金の一部を調達する計画であった。しかし、市場環境や貴社業績等の影響を受けて、2023年9月初旬以降の貴社株価が行使価額である43円を下回って推移する状況が続き、96,150個(発行新株予約権は335,400個)が行使期間の到来により権利失効となってしまった。
貴社グループが行うシステムイノベーション事業について、これを強化するためにシステムエンジニアの人員増強や、データセンター事業への先行投資が必要であるという点は理解できるところである。しかしながら、貴社グループの手元資金や既存事業による収益によって、これらの資金や貴社グループの運転資金、事業資金及び設備投資資金を捻出することは困難であると考えられる。
このような状況下において、貴社グループが、資金調達を行うことなく、システムイノベーション事業を強化するとともに、データセンター事業を今後の主軸事業と捉え、各セグメントの収益改善を図り、もって、貴社グループの企業価値向上、収益の安定化を実現することは極めて困難であるといえる。
(2)なお、貴社は現在、証券取引等監視委員会より、金融商品取引法に基づく開示検査を受けているところであり、当該開示検査の結果によっては、貴社は課徴金納付命令等の行政処分を受ける可能性がある。そして、貴社が本第三者割当を行った場合に、その後課徴金納付命令を受けることとなると、金融商品取引法第172条の2に基づき、本第三者割当の額に応じ命じられる課徴金の額が加算され、貴社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性がある。
しかしながら、上記開示検査やその後の行政処分がいつ、どのような結果となるかは現時点では明らかではない一方で、貴社が証券取引等監視委員会より開示検査を受けている事実をもって上記の資金調達の必要性が否定されるとも考えられない。特に、貴社グループの手元資金や既存事業による収益によって運転資金等を捻出することが困難である現状においては、上記開示検査を受けている最中であっても、本第三者割当による資金調達を行うことは必要かつ相当であると考えられる。
(3)以上を勘案すると、貴社グループの運転資金や財務基盤の健全性を維持し、かつ、機動的な投資を行うことができるようにするために早期に資金調達を行う必要性が高いというべきである。
したがって、当委員会として検討した結果、本第三者割当に関する貴社の説明に不合理な点は見当たらず、本第三者割当による資金調達は、貴社によって必要であると認められる。
2 本第三者割当の相当性
(1)他の手法との比較
(ア)前述の前述の資金の必要性からすると、銀行借入や普通社債による調達も考えられる。
しかし、上記で述べたような貴社グループの業績や財務内容を踏まえると、銀行借入や普通社債という方法で貴社が必要とする資金を調達することは困難であり、しかも、既に2024年2月29日に250万円の借入れ(弁済期:2024年5月31日。利率:年12%。)を受け、また、2024年3月15日に250万円の借入れ(弁済期:2024年9月13日。利率:年12%。)を受けたばかりであることから、追加での銀行借入はより一層困難であると思料される。
(イ)エクイティ・ファイナンス手法での資金調達については、公募増資や株主割当増資の手法も考えられる。
しかし、貴社においては数年にわたり無配の状況が続いていること等を踏まえると、いずれも参加率が不透明であり、貴社が希望する十分な資金を調達できるか不透明であること、また相当な時間を要すると考えられることから、これらの手法の実効性は低いと思料される。
(ウ)ライツ・オファリングについては、コミットメント型ライツ・オファリングに関しては国内で実施された実績が乏しく、資金調達手法としてまだ成熟が進んでいない段階にあることに加え、引受手数料等のコストが増大することが予想され、適切な資金調達方法ではない可能性がある。
また、ノンコミットメント型ライツ・オファリングは、東京証券取引所有価証券上場規程304条1項3号aにより、最近2年間において経常利益の額が正である事業年度がない場合には、ノンコミットメント型ライツ・オファリングは実施できないとされているところ、貴社はかかる基準を満たしておらず、ノンコミットメント型ライツ・オファリングを実施できない状況にある。
(エ)今回の新株式の発行と新株予約権の引受けの併用という資金調達の方法によれば、貴社が必要とする一定程度の資金を確実に調達することが可能になるとともに、調達を必要とする資金について支出時期が段階的となっている本件において一度に大規模な希薄化が生じることを回避しつつ資金調達が可能になるものである。
(オ)以上から、他の手法と比較しても、本第三者割当によることの相当性が認められる。
(2)増資金額の妥当性(資金使途の合理性)
ア はじめに
貴社の説明によれば、本新株式の発行により調達する資金については、①グループ運転資金、②借入金返済資金、及び③データセンター事業におけるデータセンター開発資金の一部に、また本新株予約権の発行により調達する資金については、①データセンター事業におけるデータセンター開発資金の一部、②グループ運転資金、及び③借入金返済資金に充当することを予定しているとのことである。
イ 本新株式の発行により調達する資金の使途の合理性について
(ア)グループ運転資金について
貴社の説明によれば、本新株式の発行により調達する資金のうち、250百万円をグループ運転資金(2024年5月~9月分の給与・社会保険等の人件費、家賃、採用費)の一部に充当することを計画(支出予定時期:2024年5月~9月)しているとのことである。上記のとおり、貴社グループの業績は依然として厳しい業績で推移している。加えて、貴社グループの現金預金残高は2023年12月末日時点で177百万円 となっている。
貴社グループの事業収益によりすべての運転資金を捻出することは困難である状況にあるといえ、本新株式の発行により調達する資金のうち250万円をグループ運転資金に充当することは合理的であると認められる。
(イ)借入金返済資金について
貴社は、運転資金及びデータセンター事業に関してデータセンター事業資金の確保のために、2024年2月29日に250万円の借入れ(弁済期:2024年5月31日。利率:年12%。)を行っている。
貴社グループにおいては、既存事業による収益によって貴社の経営を安定化させることはできていない状況にある。
貴社の資金繰りを考慮すると、借入金の返済も困難であることが相当程度予想される。
また、貴社の説明によれば、上記借入金については、2024年2月から本件資金調達の実施までの間の運転資金及びデータセンター事業資金の確保を目的としているものであり、リスケジュールの交渉も困難であるとのことである。
したがって、貴社が本新株式の発行によって調達した資金のうち250百万円を借入金の返済に充当することは妥当であると認められる。
(ウ)データセンター事業におけるデータセンター開発資金の一部について
貴社の子会社であるピクセルハイ合同会社(本社:福島県双葉郡大熊町大字下野上字清水1、代表者:代表社員 ピクセルカンパニーズ株式会社)は、日本のデジタルインフラ強化に貢献することを目的に、現在福島県双葉郡大熊町の大熊中央産業拠点において、2024年9月までの完成、テスト運用の開始、2024年12月の本格稼働開始を目標にデータセンターの開発を進めている。
当該事業の立ち上げに必要な資金(建物取得費用や設備費用等に係る費用)としては総額で約4,910百万円(建築工事費420百万円、設備費4,090百万円、諸経費400百万円)を見込んでいるとのことであり、そのうち約3,000百万円については、2021年12月14日に自立・帰還支援雇用創出企業立地補助事業の実施事業者として採択されており、2022年8月5日付で2,999百万円の交付決定を受けている。
その余の事業費については、第13回新株予約権において598百万円(未充当237百万円)を充当する計画であるが、なお不足が生じているところである。
したがって、本新株式の発行により調達する資金のうち250百万円をデータセンターの開発費用(建築工事費、設備費、諸経費)の一部に充当(支出予定時期:2024年5月から2024年6月)するという貴社の計画について不合理な点は認められない。
ウ 本新株予約権の発行により調達する資金の使途の合理性について
(ア)データセンター事業におけるデータセンター開発資金
上記のとおり、貴社の子会社であるピクセルハイ合同会社は、現在福島県双葉郡大熊町の大熊中央産業拠点において、2024年9月までの完成、テスト運用の開始、2024年12月の稼働開始を目標にデータセンターの開発を進めている。
当該事業の立ち上げに必要な資金について、補助金や第13回新株予約権及び本新株の発行により調達した資金を充当する計画であることは上記のとおりであるが、なお不足が生じるところである。
したがって、本新株予約権の発行により調達する資金のうち2,841百万円を建物取得費用や設備費用等に係る費用の一部に充当(支出予定時期:2024年5月から2024年9月)するという貴社の計画について不合理な点は認められない。
(イ)グループ運転資金について
上記のとおり、貴社グループにおいては、一定期間は事業収益によるすべての運転資金の捻出が難しい状況が想定されることから、本新株予約権の発行及び行使により調達した資金のうち250百万円をグループ運転資金(2024年9月から2025年1月分給与・社会保険等の人件費、家賃、採用費)に充当(支出予定時期:2024年9月から2025年1月)することは合理的であると認められる。
(ウ)借入金返済資金について
貴社は、強化しているデータセンター事業に関してデータセンター事業資金の確保のために、上記のほか、2024年3月15日に250万円の借入れ(弁済期:2024年9月13日。利率:年12%。)を行っている。
上記のとおり、貴社グループにおいては、既存事業による収益によって貴社の経営を安定化させることはできていない状況にあり、貴社の資金繰りを考慮すると、借入金の返済も困難であることが相当程度予想される。
また、貴社の説明によれば、上記借入金については、2024年3月から本件資金調達の実施までの間のデータセンター事業資金の確保を目的としているものであり、リスケジュールの交渉も困難であるとのことである。
したがって、貴社が本新株予約権の発行及び行使により調達した資金のうち250百万円を借入金の返済に充当することは妥当であると認められる。
エ 小括
よって、各資金使途は合理的なものであると認められる。
(3)割当予定先の相当性
ア 貴社において、本株式及び本新株予約権の割当予定先である株式会社Your Turn及び同社の役員、主要株主及び関連会社並びに下記「(5)」で後述する借入先であるYour Turn Inc.(以下総称して「割当予定先等」という。)が反社会的勢力との関係を有しているか否か、並びに割当予定先等が違法行為に関与しているか否かについて、第三者の信用調査機関であるリスクプロ株式会社(東京都港区芝大門二丁目11番8号、代表取締役 小板橋 仁)に調査を依頼した結果、いずれの割当予定先等についても、いわゆる反社会的勢力との関係を有することを示唆する情報、違法行為に関与していることを示唆する情報は確認されず、また、重要な懸念点、問題事項も確認されなかったとの回答を得ている。
そのほか、貴社は、上記のとおり割当予定先等が反社会的勢力等とは一切関係がないことを確認しており、別途割当先が反社会的勢力と関係がないことを示す確認書を株式会社東京証券取引所に提出している。
イ 次に、本第三者割当により取得する貴社株式に関する割当予定先の保有方針は純投資である旨とのことであるが、割当予定先が払込期日から2年以内に本新株式により取得した貴社普通株式の全部または一部を譲渡した場合には、その内容を貴社に対し書面により報告すること、貴社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意することにつき、確約書を取得する予定である。
また、割当予定先が万が一本新株予約権を譲渡する場合には、割当予定先と貴社との引受契約により、貴社取締役会での承認が必要となり、取締役会承認前に、譲受人の本人確認、反社会的勢力でないことの確認、本新株予約権の保有方針、本新株予約権に係る行使制限等の権利・義務についても譲受人が引き継ぐことを条件に検討・判断することとされている。このような方法に拠ることに特段不合理な点は見当たらない。
ウ 小括
以上の理由から、株式会社Your Turnは割当先として相当であると認められる。
(4)発行条件の相当性
ア 本第三者割当の方法について
本第三者割当は、募集株式の発行と新株予約権の引受けを併用するものであるが、この方法は、貴社が必要とする一定程度の資金を確実に調達することが可能になるとともに、調達を必要とする資金について支出時期が段階的となっている本件において一度に大規模な希薄化が生じることを回避しつつ資金調達が可能になるものであるから、相当であるといえる。
イ 本新株式の払込価額について
本新株式の発行における発行価額の決定方法については、本新株式に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年4月18日)までの株式会社東京証券取引所スタンダード市場における貴社普通株式の終値の3か月平均を基準とし、135円とされている。
上記発行価額の決定方法については、貴社の直近株価は貴社業績等を反映したものではなく、2024年2月28日から急騰している状況であること、貴社が現在証券取引等監視委員会より開示検査を受けていること、今後株価の急落のリスクが想定されること、割当予定先が本株式の取得後6か月間第三者に譲渡出来ない条件が付されていることなど、割当予定先も相当のリスクを負っている。
なお、当該発行価額は、本第三者割当増資に関する取締役会決議日の直前取引日の終値である242円から44.21%のディスカウント、当該直前取引日までの1か月間の終値平均である252.68円から46.57%のディスカウント、当該直近取引日までの3か月間の終値平均である134.11円から0.66%のプレミアム、当該直近取引日までの6か月間の終値平均である86.90円から55.35%のプレミアム、当該直近取引日までの12か月間の終値平均である65.09円から107.42%のプレミアムとなっている。過去の平均株価から見た場合には一定程度のプレミアムになっていること、貴社の株価が貴社の業績等を反映した株価ではなく急騰していること、割当予定先も株価の急落リスクを負うことなどからすれば、本新株式の発行における発行価額は有利発行には該当せず、相当なものと認められる。
ウ 本新株予約権の発行価額及び行使価額について
本新株予約権の発行における発行価額については、貴社は、発行価額の決定に際して、公正を期すために、他社上場企業の第三者割当増資における公正価値の算定実績をもとに選定した第三者機関であるエースターコンサルティング株式会社(住所:東京都港区西麻布3丁目19番13号、代表者:代表取締役 三平慎吾)に依頼し、評価報告書を受領している。それによると、割当予定先の権利行使行動及び株式売却動向並びに貴社の本新株予約権取得動向について合理的に想定される仮定を置くとともに、貴社の株価(2024年4月18日の終値)、貴社株式の市場流動性、配当率(0%)、割引率(リスクフリーレート0.107%)、ボラティリティ(151.37%)、クレジット・コスト(22.86%)及び1日当たりの売却可能株式数(直近1年間にわたる発行会社普通株式の1日当たり平均売買出来高(10%))等の諸条件等について一定の前提を置いて、権利行使期間(2024年5月13日から2025年5月12日まで)その他の発行条件の下、一般的な株式オプション価値算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを用いて評価を実施した結果、本新株予約権1個の払込金額を462円(1株当たり4.62円)と算定されている。
当該算定は、貴社との取引関係のない独立した外部の第三者算定機関であるエースターコンサルティング株式会社が公正な評価額に影響を及ぼす可能性のある行使価額、貴社株式の市場売買高及び株価、権利行使期間、株価変動性、金利等の前提条件を考慮して、新株予約権の評価額の算定手法として一般的に用いられているモンテカルロ・シミュレーションを用いて公正価値を算定していることから、当該第三者算定機関の評価額は合理的な公正価格と考えられる。
また、本新株予約権の行使価額は、貴社の業績動向、財務動向、株価動向(取締役会決議日の直前営業日までの1か月間、3か月間、6か月間及び12か月間の終値平均株価等)を勘案するとともに、貴社株式の流動性に鑑みると割当予定先がすべての本新株予約権を行使するには相当程度の長期間にわたることなどを総合的に勘案し、割当予定先と協議した結果、当該発行に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年4月18日)の株式会社東京証券取引所スタンダード市場における貴社普通株式の普通取引の終値の3か月平均を基準とし、135円とされている。
このような行使価額の設定については、貴社の業績動向、財務動向、株価動向(取締役会決議日の直前営業日までの1か月間、3か月間、6か月間及び12か月間の終値平均株価等)を勘案するとともに、今後の貴社株価の急落リスクを踏まえれば、不合理な点は見当たらない。
なお、本新株予約権の発行価額は、貴社と独立した第三者機関であるエースターコンサルティング株式会社により、割当予定先から独立した立場で評価が行われており、また、本新株予約権の価額算定方法としては市場慣行に従った一般的な方法で行われている同社の新株予約権算定報告書において報告された評価額と同等額の払込金額を決定していることから、本新株予約権の発行は有利発行には該当せず、公正なものであると思料される。
以上から、本新株予約権の発行価額及び行使価額は発行条件として相当であると認められる。
エ 小括
よって、本新株式の払込価額並びに本新株予約権の発行価額及び行使価額は発行条件として相当であると認められる。
(5)払込みの確実性
貴社において、割当予定先である株式会社Your Turnの代表取締役である鶴原智也氏から、株式会社Your Turnを名義人とする2024年3月29日作成の証券会社口座の取引残高報告書(対象期間:2024年1月1日から2024年3月31日))の写しを入手し、約10億円の資金を有していることを確認した。これは、本新株式及び本新株予約権の発行における払込みに必要な資金を超えるものであるものの、本新株予約権の全ての行使に必要な資金には満たないものである。そこで、貴社において鶴原氏に対し、本新株予約権の行使に要する資金の調達について確認したところ、払込みに必要な資金については、鶴原氏が代表を務めるYour Turn Inc.(1136 Union Mall #405 Honolulu HI96813 USA 代表者 鶴原 智也)を貸主とする金銭消費貸借契約を締結し資金を調達する意向であることを確認したとのことである。
その上で、貴社は、割当予定先に貸し付けるYour Turn Inc.の貸付原資がYour Turn Inc.の自己資金であることについて鶴原氏より貴社代表の吉田弘明氏が口頭にて確認するとともに、Your Turn Inc.との金銭消費貸借契約書(貸付金額:10億円、貸付日:本有価証券届出書の提出から7日以内、返済期限:貸付日より3年間、利率:3%)の写し及びYour Turn Inc.の預金残高証明書の写し(2024年3月31日時点)を受領し、その内容を確認している。
これらの確認が事実に即しているとすれば、本新株式及び本新株予約権の発行における払込みの確実性については、問題がないものと思料される。
他方、本新株予約権の権利行使資金については、上記自己資金及び借入のみでは行使全額に満たないものの、本新株予約権の権利行使は、本新株式及び本新株予約権の権利行使により取得した貴社普通株式の一部を売却した資金で行う予定であることを貴社代表の吉田氏が鶴原氏から口頭にて確認しているとのことである。
したがって、これらの確認が事実に即しているとすれば、本新株予約権の権利行使における払込みについても問題がないものと思料される。
(6)既存株主への影響
貴社が本第三者割当により発行する株式数及び本新株予約権に係る潜在株式数は、それぞれ5,560,000株及び24,080,000株の合計29,640,000株となり、2024年4月18日現在の発行済株式総数84,644,600株(議決権数846,273個)に対して、合計35.02%(議決権比率35.02%)の希薄化の希薄化が生じることとなる。
また、本新株式の発行及び本新株予約権が行使された場合の最大交付株式数29,640,000株に対して、貴社株式の過去1年間における1日あたり平均出来高は、2,068,686株であり、1日あたり平均出来高は最大交付株式数の6.98%である。本新株式の発行及び本新株予約権が行使された場合の最大交付株式数29,640,000株を行使期間である1年間(245日/年間営業日数で計算)で売却すると仮定した場合の1日当たりの株式数は120,979株となり、上記1日あたりの平均出来高の5.85%となるため、これらの売却が市場内にて短期間で行われた場合には、貴社の株価に影響を与える恐れがある。
しかし、貴社は割当予定先に対して貴社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行うことを確認していること、また、割当予定先が払込期日から2年以内に本新株式により取得した貴社普通株式の全部または一部を譲渡した場合には、その内容を貴社に対し書面により報告すること、貴社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること及び当該報告内容が公衆の縦覧に供されることに同意していることから、本資金調達が及ぼす株価への影響は限定的なものになると思料される。
さらに、貴社グループは、事業の選択と集中を掲げシステムイノベーション事業の強化、また、今後データセンター事業を主軸事業と捉え、各セグメントの収益改善と企業価値の向上に努めているところであり、本第三者割当による調達をもって機動的な投資を行うことで、貴社グループが今後収益を確保し、かつ、安定的に成長を目指せるものであり、これにより貴社グループの業績回復が進めば既存株主の利益にも寄与することが期待される。
そうとすれば、本第三者割当による新株式及び新株予約権の発行による株式の発行数量及び希薄化の規模は、一定の合理性を有していると思料される。
(7)小括
よって、当委員会が慎重に検討した結果、本第三者割当による資金調達は、必要性、相当性いずれも認められる。
7 【株式併合等の予定の有無及び内容】
該当事項はありません。
8 【その他参考になる事項】
該当事項はありません。