当社は、2024年4月15日付の会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第370条による取締役会決議(書面決議)により、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)を併合すること(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2024年5月15日開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。以下「法」といいます。)第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号。その後の改正を含みます。)第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1.株式併合を行う目的
当社が2024年2月27日に公表した「MBOの実施に関する賛同の意見表明及び応募の推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、株式会社BCJ-78(以下「公開買付者」といいます。)は、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を非公開化することを目的とするいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注1)のための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式に対する法及び関係法令に基づく公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施することを決定しております。
(注1) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
その後、当社が2024年3月28日に公表した「株式会社BCJ-78による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」(以下「本公開買付け結果プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、公開買付者は、2024年2月28日から2024年3月27日まで本公開買付けを実施した結果、2024年4月3日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株式108,007,885株(所有割合(注2):85.72%)を保有するに至りました。
(注2) 「所有割合」とは、当社が2024年2月19日に公表した「2023年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「本決算短信」といいます。)に記載された2023年12月31日現在の発行済株式総数(126,026,200株)から、本決算短信に記載された2023年12月31日現在の当社が所有する自己株式数(23,592株)を控除した数(126,002,608株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
本公開買付け並びに本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおりですが、以下に改めてその概要を記載いたします。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、Bain Capital Private Equity, LPが投資助言を行う投資ファンド及びそのグループ(以下、個別に又は総称して「ベインキャピタル」といいます。)により議決権の全てを間接的に所有されている株式会社BCJ-77(以下「公開買付者親会社」といいます。)の完全子会社であり、当社株式を所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主たる目的として2023年10月2日に設立された株式会社とのことです。
当社は、2023年7月5日に、当社の創業者であり代表執行役会長兼社長であった土井春彦氏(当社が2024年2月27日に公表した「代表執行役の異動に関するお知らせ」(以下「代表執行役の異動プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、2024年3月29日の第27期の任期満了を以て当社の代表執行役会長兼社長を退任し、名誉会長となっております。以下「土井氏」といいます。)から本取引を実施する可能性について初期的な説明を受け、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2023年8月9日に、ベインキャピタルから本公開買付けに関する概要及び本取引後の経営方針についての初期的な意向を表明する提案書(以下「本意向表明書」といいます。)を受領し、同日、当該提案を検討する旨をベインキャピタルに対して回答いたしました。これを受けて、当社は、同日開催の当社取締役会において、当該提案の内容について検討するにあたり、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)及びその他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置することを決議いたしました。当社取締役会は、本取引に関する本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしないことを決議しております。さらに本特別委員会に対しては、本取引の相手方との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やアドバイザーを通じた間接的な交渉を含む。)を行うこと、委嘱事項について検討するに当たり、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担することとしております。)、又は当社のアドバイザー等を指名し、若しくは承認(事後承認を含む。)する権限(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができることとしております。)、本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、当社グループ(2023年12月31日時点で、当社、連結子会社225社及び持分法適用会社2社で構成されており、以下「当社グループ」といいます。)の役職員から本取引に関する検討及び判断に合理的に必要な情報を受領する権限及びその他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項に係る権限を付与することを決議しております。また、当社は、2023年7月5日に、土井氏から本取引を実施する可能性について初期的な説明を受けたことを受けて、本取引に係る手続の公正性に関する助言を得るため、同年8月2日に、当社並びに公開買付者、公開買付者親会社、ベインキャピタル及び土井氏(以下総称して「公開買付者ら」といいます。)から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任しました。また、同月28日にファイナンシャル・アドバイザーとして野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を選任し、ベインキャピタルからの提案を検討するための体制を整備し、検討を進めてまいりました。さらに、同月28日、本特別委員会は、本特別委員会の独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を選任いたしました。
かかる体制の下で、当社は、本意向表明書に記載された本取引の目的を含む本公開買付けの概要、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容を踏まえ、森・濱田松本法律事務所及び野村證券の助言を受けながら、本取引の実行の是非及び取引条件の妥当性について検討してまいりました。
また、本特別委員会は、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画、経営課題等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。その中でも、ベインキャピタルに対して提示する2023年12月期から2026年12月期までの事業計画、及び野村證券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の株式価値の算定において基礎とする事業計画に関しては、本特別委員会は、当該事業計画が、公開買付者らから独立した者により作成されていることを確認するとともに、その作成過程においても、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。また、本特別委員会は、ベインキャピタル及び土井氏と直接面談を行うこと等を通じて、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、当社の事業に関する評価、本取引の諸条件、本取引後の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。具体的には、2023年9月5日にベインキャピタル及び土井氏に対して本取引及び本取引後の経営方針を含む質問事項を送付し、同月11日に書面による回答を受領し、同月14日にベインキャピタル及び土井氏と直接面談を実施しました。また、2023年11月11日にベインキャピタル及び土井氏に対して社内ガバナンス体制の構築・強化に関する具体的施策及び本取引を通じた企業価値向上施策・シナジーの具体的内容を含む質問事項を送付し、同月20日に書面による回答を受領し、同月28日にベインキャピタルと直接面談を実施しました。本特別委員会は、ベインキャピタルとの質疑応答を通じ、本取引の実行後のガバナンス体制に関して、ベインキャピタルが、当社が2023年11月14日に公表した再発防止策の内容に賛同していること、また、新たに当社グループの内外から社長を含む執行陣を登用した上で、土井氏は執行を行わない会長職に専念し、当社グループの経営の執行は担わないことを想定している旨の説明を受けました。本特別委員会としては、ベインキャピタルによる当社の業務執行に対する監督・牽制を効かせることで当社の内部統制を強化することが可能となり、土井氏についてはその役割を変更した上で当社経営への必要な範囲内でその関与を得ながら、適切なガバナンス・内部管理体制の再構築・強化を行い、社会からの信頼を回復した上で再上場を目指すことは、当社の企業価値の向上に繋がるものと判断しました。さらに、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、ベインキャピタルは豊富な投資経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定であるとのこと、また特に抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築に向けた取組は喫緊の課題であることから、(ア)コンプライアンス責任者の招聘を含む社内コンプライアンス・ガバナンス体制を強化、(イ)海外事業の管理体制の国内事業レベルへの引き上げ、(ウ)ベインキャピタルメンバーのマルチリージョナルな関与、といった支援の実行を予定していることについても、ベインキャピタルの日本国内外における過去の投資実績に基づけば、当社に対して実際にこれらの支援を実行することができると考えることは合理性があり、また、当社が本取引を通じて、当社の企業価値向上に資する各種施策を迅速に実行する体制を築くことが可能になることに加え、ベインキャピタルのポートフォリオカンパニーを活用したシナジーの創出といった当社に生じるメリットのほか、従業員や顧客・取引先等のステークホルダーに対してもメリットを提供することが可能であると判断しました。なお、本特別委員会が当社取締役会に対して2023年12月8日付で提出した答申書(以下「2023年12月8日付答申書」といいます。)の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。
また、本公開買付価格については、本特別委員会は、2023年9月22日にベインキャピタルから本公開買付価格を1,675円とする旨の提案を受けた後、野村證券及びプルータス・コンサルティングからベインキャピタルとの交渉方針等を含めた財務的な意見を踏まえ、森・濱田松本法律事務所からの助言を受けながら、2023年9月25日に、当該提案価格は、当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格とは言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年9月27日、ベインキャピタルから、同日時点で2023年8月1日に公表した「外部調査委員会の設置に関するお知らせ」及び2023年8月10日に公表した「外部調査委員会による調査の経緯及び進捗に関するお知らせ」でお知らせしたとおり、当社の連結子会社である株式会社アウトソーシングテクノロジー(以下「アウトソーシングテクノロジー」といいます。)において、雇用調整助成金(以下「雇調金」といいます。)の支給申請手続の一部が適切に行われていなかった事実が確認され、また、募集媒体会社等との取引プロセスの一部に疑義があることが判明したことを受け、透明度の高い調査を実施するため設置された、外部専門家による外部調査委員会(以下、「本外部調査委員会」といいます。)の調査結果が確認できておらず、当社への影響が不透明であること等を踏まえ、本公開買付価格を1,675円とする旨の提案を受領したものの、2023年10月1日に、当該提案価格は、当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格と言えないとして、ベインキャピタルに対し本公開買付価格の引き上げを含めた提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年11月16日、ベインキャピタルから、本外部調査委員会からの調査報告書(以下「本調査報告書」といいます。)の公表や当社からの足元業績等に関する追加の情報開示による影響等を慎重に検討するとともに、2023年10月1日の本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を真摯に考慮した上で、本公開買付価格を1,680円とする旨の提案を受領したものの、2023年11月22日に、当該提案価格は、当社の現在及び将来の事業及び財務の状況を総合的に勘案すると、当社の企業価値を十分に反映しておらず、当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格と言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年11月25日、ベインキャピタルから、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を改めて真摯に考慮した結果として、本公開買付価格を1,690円とする旨の提案を受領したものの、2023年11月28日に、当該提案価格は、引き続き当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格とは言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年11月29日、ベインキャピタルから、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を改めて真摯に考慮した結果として、本公開買付価格を1株当たり1,700円とする旨及び本取引のストラクチャーについて、土井氏が所有する当社株式の全てについて本公開買付けに応募しないことを前提とするストラクチャーから土井氏が所有する当社株式の全て(当社と土井氏の間の2023年4月30日付譲渡制限付株式割当契約書に基づき土井氏が取得した27,800株、当社と土井氏の間の2022年4月15日付譲渡制限付株式割当契約書に基づき土井氏が取得した6,900株及び当社と土井氏の間の2021年4月15日付譲渡制限付株式割当契約書に基づき土井氏が取得した5,800株(合計40,500株)を除く15,761,400株、所有割合:12.51%)について本公開買付けに応募することを前提とするストラクチャーに変更する旨の提案を受領したものの、2023年11月30日に、当該提案価格は、引き続きの当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格とは言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年12月4日、ベインキャピタルから、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を改めて真摯に考慮した結果として、本公開買付価格を1株当たり1,710円とする旨の提案を受領したものの、2023年12月5日に、当該提案価格は、引き続き当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格とは言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年12月6日、ベインキャピタルから、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を改めて真摯に考慮した結果として、本公開買付価格を1株当たり1,720円とする旨の提案を受領したものの、2023年12月6日に、当該提案価格は、引き続き当社の少数株主の利益に十分に配慮した価格とは言えないとして、ベインキャピタルに対し提案内容の再検討の要請を行いました。その後、2023年12月7日、ベインキャピタルから、本特別委員会からの本公開買付価格の引き上げ要請を改めて真摯に考慮した結果として、本公開買付価格を1株当たり1,755円とする旨の提案を受領いたしました。これを受け、本特別委員会は同日にベインキャピタルとの間で対面での協議・交渉を行い、2023年12月8日、本特別委員会は、かかる交渉の結果を踏まえ、ベインキャピタルに対して、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会決議を経てなされるという前提のもと、本公開買付価格を1,755円とする旨の提案を受諾することが相当である旨回答いたしました。以上の交渉過程において、本特別委員会が、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券を通じて、ベインキャピタルとの間で協議・交渉を行う際には、野村證券は、事前に本特別委員会において審議の上で決定した再提案価格の提示方法、具体的な再提案価格やベインキャピタル又はそのアドバイザーとの間でコミュニケーションをとる場合には、その内容等の交渉方針に従って対応を行っており、また、ベインキャピタルから本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行っております。また、本特別委員会は、土井氏を除く当社経営陣から、当社が2023年12月8日付で公開買付者との間で締結した公開買付契約の交渉状況について適時に報告を受け、交渉方針について指示をしており、かかる交渉の過程において、本取引に係る本公開買付価格以外の諸条件について確認し、合意された条件は合理的な内容であると判断しております。
さらに、当社は、森・濱田松本法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2023年12月8日付で2023年12月8日付答申書の提出を受けました。なお、当社は、本特別委員会より、2023年12月8日付答申書と併せて、2023年12月8日付で本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた当社株式の株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり1,755円が当社の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出を受けております(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、2023年12月8日付で野村證券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。概要については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2023年12月8日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。
当社としても、当社は、国内における非製造業分野の拡大、M&Aを活用したグローバル展開により、急速な成長を遂げてきた一方で、内部統制・ガバナンス体制については経営課題があるものと認識しております。過去M&A戦略を積極的に行ってきたことにより、2023年9月30日時点で236社の連結子会社及び1社の持分法適用会社(2023年12月31日時点では225社の連結子会社及び2社の持分法適用会社)を有する複雑な企業体となっており、グループ各社の内部統制等の経営課題も顕在化し、グローバルガバナンス体制においても経営課題を有しているものと認識していることに加え、2021年11月に判明した2021年12月28日付「調査委員会調査報告書の受領に関するお知らせ」でお知らせした不適切な会計処理事案(以下「不適切会計事案」といいます。)及び2023年8月に判明した当社及び当社グループ5社において雇調金の不正受給に該当する可能性が高いと認められたこと、アウトソーシングテクノロジーにおいて募集費の支出先である委託業者の選定に元役員が関与をしていたこと等(以下「本不適切申請等事案」といいます。)が発生しており、本調査報告書において、雇調金の不正受給について、コンプライアンス意識の欠如、経営管理本部による牽制の不在及びこれを招いた組織風土、利益獲得に向けたプレッシャー、現場の状況を顧みない獲得目標等が原因として指摘され、また、募集費については、役務提供の不存在、請求金額の水増し、取引先への業務発注の必要性の不存在等は認められなかったものの、その調査の過程で、元役員によるアウトソーシングテクノロジーの事業運営への関与、取締役会の軽視等、管理部門の脆弱さ、並びに稟議手続及び取引先見直しの形骸化という不適切会計事案を受けて策定した再発防止策が形骸化している状況が確認された旨が指摘されていることを踏まえても、内部統制の強化は喫緊の課題であると認識しております。そのような状況においては、当社としては、成長分野における積極的な投資のみならず、抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築に向けた取組を実行する必要性を認識しており、ガバナンス基盤構築を至急推し進めていく必要があると考えており、2023年11月14日に再発防止策を決議するとともに、再発防止策を徹底することのできる新たな企業風土の醸成・浸透を進めるため、ガバナンス委員会を設置し、企業不祥事を防止する内部統制環境の向上を図ることとしております。
そして、当社は、ベインキャピタルとの協議・交渉の過程において、当社の株式を非公開化した後は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、豊富な投資経験に基づくハンズオン経営支援、中長期の成長に向けた現経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMI支援等の施策を実施することを予定しており、また特に抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築に向けた取組は喫緊の課題であり、(ア)コンプライアンス責任者の招聘を含む社内コンプライアンス・ガバナンス体制を強化、(イ)海外事業の管理体制の国内事業レベルへの引き上げ、(ウ)ベインキャピタルメンバーのマルチリージョナルな関与、といった支援の実行を予定しているとの伝達を受けました。
当社は、ベインキャピタルより、これらの意向の提示を受けたところに加え、当社株式を非公開化することで、株式市場からの短期的な収益改善圧力に左右されることなく、中長期的な観点から、①オーガニック成長の加速、②グローバル規模での人材流動ネットワークの確立、③グローバルにおける内部統制の強化を通じた経営の効率化、④M&A後のPMI加速とシナジーの最大化等により企業価値向上が可能であるというベインキャピタルの判断のみならず、ベインキャピタルが過去の投資事例におけるグループ再編、内部統制・ガバナンス体制の改善におけるノウハウを有していることから、当社独自の経営努力に加えてベインキャピタルの経営資源も活用することで当社の喫緊の課題である抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築を加速させることができると考えております。また、当社は、ガバナンス・内部管理体制の強化により長期的には経営の効率化による企業価値の向上が見込まれることに加え、上場企業である限り発生する上場維持費用、金融商品取引法上の開示及び監査に対応するリソース・費用、IR費用等の株主対応に関する経営資源を事業への投資に振り向けることができることから、本取引は当社の企業価値向上に資するものと判断しております。さらに、当社は、次世代の経営体制構築に向けた引継ぎを新たに選定された経営陣に対して行うためには引き続き土井氏の当社事業に対する知識・経験等を還元してもらうことが有益であると考えられることを踏まえ、ベインキャピタルからの提案のとおり、本取引の実行後は土井氏が会長職に就任することによって当社グループの経営の執行から離れ、成長戦略及びビジョンの策定等により大局的な観点から当社の経営に関与してもらうことは、当社の持続的な成長に資するものと考えております。加えて、当社としても、適切なガバナンス・内部管理体制の再構築・強化を行い、社会からの信頼を回復した上で再上場を目指すことは、当社の企業価値の向上に繋がるものと考えております。
なお、本取引の実施により、当社株式の非公開化が企図されているところ、これが実現されれば、上記施策の着実な促進、迅速な意思決定、上場コストの削減といった効果も併せて見込まれ、これらは当社の企業価値の向上に資するものであると判断しております。また、当社は、2023年12月8日付で公表した「公認会計士等の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、当社の会計監査人である有限責任監査法人トーマツより、監査契約の更新について、次年度の監査品質を維持するための体制を組むことが困難として、2024年3月27日開催予定の第27期定時株主総会の終結の時をもって、任期満了により、契約更新は行わず、当社の会計監査人を退任する旨の通知を受けました。これにより、法第193条の2第1項及び第2項の監査証明を行う公認会計士等の異動が生じることとなりました。後任の会計監査人は2023年12月8日時点においては未定です(2024年2月27日時点及び本日時点においても同様です。)が、後任の会計監査人を選任することができず、当社の2024年12月期第1四半期に係る財務諸表について会計監査人の四半期レビュー報告書を取得できない事態が発生した場合には、東京証券取引所の有価証券上場規程に定める上場廃止基準に該当し、上場を維持することができなくなるおそれがあることを踏まえると、本取引により、当社の株主の皆様に当社株式の売却の機会を付与することは、当社の株主の皆様の利益に資するという意味もあると判断しております。他方で、一般的に上場廃止に伴うデメリットとして懸念される、資本市場から資金調達ができなくなる点、金融機関からの借入その他の取引条件に係る点、人材確保の観点等の事項については、今後事業上必要となる資金は金融機関からの借入による調達を想定していること、また社会的な信用力及び知名度の向上による金融機関との取引関係及び優れた人材の確保等は、当社の事業活動により獲得される部分もあること、当社がこれまで培ってきたブランド力や知名度により、非公開化が金融機関からの資金調達及び人材確保に与える影響は大きくないと考えられること等を考慮すれば、当社の企業価値を大きく毀損するおそれは低いと考えており、当社としては、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断しております。以上を踏まえ、当社取締役会は、本取引の実施は、当社グループの企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付価格1,755円が下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載の理由から、当社取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
以上より、当社は、2023年12月8日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、本公開買付けは、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載している本公開買付け開始の前提条件(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合には、速やかに開始されることが予定されており、2023年12月8日時点で、公開買付者は、国外の競争法令等及び国内外の投資規制法令等に要する期間を正確に予想することは困難であるものの、2024年1月下旬を目途に本公開買付けの開始を目指していたとのことですが、本公開買付けが開始される際に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2023年12月8日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対して、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること(以下「追加諮問事項」といいます。)、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
当社が2024年1月31日に公表した「株式会社BCJ-78による株式会社アウトソーシング(証券コード:2427)に対する公開買付け実施に向けた進捗状況のお知らせ」(以下「2024年1月31日付プレスリリース」といいます。)でお知らせしたとおり、公開買付者より、2024年1月22日に、公開買付者は、欧州連合におけるEU域内市場を歪める外国補助金に関するEU規則(以下「FSR規則」といいます。)に関するクリアランスの取得以外の本公開買付前提条件がいずれも充足されている(本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)と判断している旨の連絡を受けておりました。また、当社は、公開買付者より、2024年1月22日に、FSR規則上の手続に関しては、2024年1月17日(現地時間)付で欧州委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出が同日付で受理されており、かかるクリアランスについても、2024年2月下旬に得られる見込みであり、公開買付者は、2024年2月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを目指している旨の連絡を受けておりました。
その後、今般、当社は、公開買付者から、2024年2月22日に、2024年2月21日(現地時間)付で、欧州連合におけるFSR規則に基づく企業結合に関する事前届出に係る予備審査期間が満了したため、国外の競争法令等及び国内外の投資規制法令等に基づく各必要許認可等についてのクリアランスの取得が全て完了したことから、その他の本公開買付前提条件が充足されることを前提として、2024年2月28日に本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。
また、代表執行役の異動プレスリリースに記載のとおり、土井氏は、次世代の経営体制構築の重要性に鑑み、第27期の任期満了の時をもって代表執行役会長兼社長から退任することといたしました。土井氏は、退任後は、名誉会長として次世代の経営体制構築に向けた引継ぎ及び経営陣のサポートを行うことを予定しております。当社は、2024年1月11日から2024年2月26日までに開催された計6回(合計6時間)の特別委員会において、各委員に対して、当社及び公開買付者らの状況等の情報を共有いたしました。また、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、追加諮問事項について慎重に検討した結果、2024年2月27日付で、当社の取締役会に対して、2023年12月8日付で当社の取締役会に対して表明した意見に変更はないことを内容とする追加答申書(以下「2024年2月27日付答申書」といいます。)を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2024年2月27日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2023年12月8日以降の、当社の業績や市場環境の変化並びに土井氏の当社代表執行役会長兼社長及び取締役からの退任等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に協議及び検討いたしました。その結果、当社は、2023年12月20日に東京証券取引所により公表措置が実施され、改善状況報告書の徴求を受けたことを受け、本取引を実行することによる当社のガバナンス・内部管理体制の強化及びコンプライアンス意識の一層の醸成等の必要性を改めて認識したところ、本取引を実行することにより、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」記載のベインキャピタルが予定しているコンプライアンス責任者の招聘を含む社内コンプライアンス・ガバナンス体制の強化について支援を受けることが期待できることも踏まえれば、2024年2月27日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成するための意義や必要性に変わりはなく、その他にも2023年12月8日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年2月27日、会社法第370条による取締役会決議(書面決議)により、利害関係を有しない取締役全員の一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
そして、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、本意見表明プレスリリースに記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとするため、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、当社株式18,000,000株を1株に併合する株式の併合を実施することとし、本臨時株主総会に付議することといたしました。
本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、18,000,000株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.株式併合を行う目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その端数に応じて、その売却により得られた代金を株主の皆様に交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、当社株式が2024年6月6日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,755円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付できるような価格に設定する予定です。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
株式会社BCJ-78
③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を含む本取引の実行に係る資金を、公開買付者親会社である株式会社BCJ-77から出資を受けることで賄う予定とのことです。
当社は、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、株式会社BCJ-77からの出資に関する2024年2月26日付出資証明書を確認しており、また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払いに支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また今後発生する可能性も認識していないとのことです。したがって、当社は、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払いのための資金を確保する方法については相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、2024年6月中旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却し、公開買付者において当該当社株式を買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2024年7月上旬を目途に公開買付者において買い取りを行う方法により当該当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行ったうえで、2024年8月下旬から9月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合においては上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である1,755円を乗じた金額に相当する金銭を、株主の皆様に交付することを予定しております。
本公開買付価格(1,755円)につきましては、(ⅰ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている野村證券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、(a)市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限額を上回っていること、(b)類似会社比較法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回っていること、かつ、(c)ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であること、(ⅱ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されているプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、(a)市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限額を上回っていること、かつ(b)DCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、また、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンを取得していること、(ⅲ)本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2023年12月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,172.5円に対して49.68%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,187円に対して47.85%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値1,155円に対して51.95%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値1,216円に対して44.33%のプレミアムをそれぞれ加えた価格であり、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事例(2019年1月1日以降に公表され、2023年12月8日までに公開買付けが成立した日本国内のMBO事例50件)におけるプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して39.34%、公表日前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して39.67%、公表日前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.37%、公表日前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.63%)と比較しても、相応のプレミアムが付された価格であると評価できることに加え、本不適切申請等事案の公表後に市場株価が下落したという事実が存することを踏まえても、この時期に本取引を行うことが不合理とはいえないこと、(ⅳ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主への配慮がなされていると認められること、(ⅴ)上記本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社とベインキャピタルとの間で協議・交渉が複数回行われ、より具体的には野村證券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定結果の内容や本特別委員会との協議、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言等を踏まえながら、真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(ⅵ)本特別委員会の要請により、本公開買付けに関する価格提案の有意な引き上げが実現されていること、(ⅶ)いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件よりも厳格な買付予定数の下限が設定されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は、2023年12月8日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議した後、本臨時株主総会の招集を決定した2024年4月15日付の取締役会決議時点に至るまでに、本取引に関する判断を変更すべき要因が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理の方法及び端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付けのいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の下限を83,961,300株と設定しており、本公開買付けに応じて売付け等がなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(83,961,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないこととしていたとのことです。かかる買付予定数の下限は、本決算短信に記載された2023年12月31日現在の当社の発行済株式総数(126,026,200株)から、(ⅰ)本決算短信に記載された当社が12月31日現在所有する自己株式数(23,592株)、及び(ⅱ)土井氏が所有する当社株式の数(15,801,900株)を控除した株式数(110,200,708株)の過半数(55,100,355株。いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する数)を上回るものであるとのことです。これにより、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、当社の少数株主の皆様の意思を重視して、本公開買付けを含む本取引を行わないこととしていたとのことです。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び公開買付者らから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、野村證券に当社株式の株式価値の算定を依頼し、2023年12月8日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しました。野村證券は、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、野村證券の独立性及び適格性に問題がないことを確認した上、当社の第三者算定機関とすることについて承認しております。
野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定に当たり採用すべき算定方法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価平均法を、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が複数存在し、類似会社との比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、当社の株式価値の算定を行いました。
本株式価値算定書(野村證券)において、上記各算定方法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法:1,155円~1,216円
類似会社比較法:1,208円~1,792円
DCF法 :1,517円~2,606円
市場株価平均法では、2023年12月7日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値1,172.5円、直近5営業日の終値単純平均値1,175円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,187円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,155円、直近6ヶ月間の終値単純平均値1,216円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,155円~1,216円と算定しております。
類似会社比較法では、完全には類似していないものの、当社と比較的類似する事業を営む上場会社として、Adecco Group AG、Groupe Crit SA、Hays plc、ManpowerGroup, Inc.、Randstad NV、SThree Plc、Synergie SA、パーソルホールディングス株式会社、UTグループ株式会社を類似会社として選定した上で、企業価値に対する償却前営業利益(以下「EBITDA」といいます。)の倍率(以下「EBITDAマルチプル」といいます。)、時価総額に対する純利益倍率、及び時価総額に対する株主資本倍率を用いて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,208円~1,792円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2023年12月期から2026年12月期までの4期分の事業計画における収支予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2023年12月期第4四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,517円~2,606円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、6.00%~6.50%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及びマルチプル法を採用し、永久成長率は-0.25%~0.25%を採用しており、EBITDAマルチプルは5.5倍~7.5倍として、当社株式の1株当たり株式価値を算定しております。
野村證券が、DCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。当該財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年12月期において、営業利益が前期比で約34%の大幅な増益となることを見込んでおりますが、これは、2023年12月期が国内技術系アウトソーシング事業において固定資産の減損損失162百万円、国内製造系アウトソーシング事業においてのれんの減損損失が1,366百万円、海外製造系及びサービス系事業においてのれんの減損損失が648百万円発生したことにより営業利益が一時的に伸び悩んだことからの回復によるものです。なお、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込んでいる事業年度は含まれておりません。本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当社の事業計画には加味されておりません。
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(単位:百万円) |
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2023年12月期 (3ヶ月) |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
2026年12月期 |
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売上高 |
197,970 |
782,643 |
843,022 |
894,575 |
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営業利益 |
8,019 |
32,050 |
36,177 |
40,095 |
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EBITDA |
13,909 |
51,861 |
55,382 |
59,078 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
5,229 |
23,540 |
22,795 |
25,666 |
(注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の事業計画については、当社の土井氏を除く経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2023年12月7日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 当社における独立した法律事務所からの助言の取得
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社及び公開買付者らから独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、森・濱田松本法律事務所は、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会において、森・濱田松本法律事務所の独立性及び適格性に問題がないことを確認した上、当社のリーガル・アドバイザーとすることについて承認しております。また、森・濱田松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
(ⅰ)特別委員会の設置等の経緯
当社は、本取引が、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)として行われるものであること、また、ベインキャピタルから本意向表明書を受領した2023年8月9日時点で、本取引については、公開買付者が当社の一般株主のスクイーズアウト手続を行い、土井氏が公開買付者親会社に再出資することが想定され、公開買付者と利益を共通にしていることから、土井氏と、当社の一般の株主との間に構造的な利益相反が存在することを踏まえ、本取引の是非や取引条件の妥当性についての検討及び判断が行われる過程全般にわたって、その公正性を担保する観点から、2023年8月9日開催の取締役会において、当社及び公開買付者らから独立し、高度な識見を有すると考えている阿部博友氏(当社独立社外取締役)、嵜山淳子氏(当社独立社外取締役)、藤田研一氏(当社独立社外取締役)、小澤浩子氏(当社独立社外取締役)、向井俊雄氏(当社独立社外取締役)の5名によって構成される本特別委員会(なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更しておらず、また、委員の互選により、本特別委員会の委員長として阿部博友氏を選定しております。)を設置することを決議いたしました。
当社は、取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(a)本公開買付けについて当社取締役会が賛同するべきか否か、及び、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨するべきか否かを検討し、当社取締役会に勧告を行うこと(なお、(a)の検討に際しては、①当社の企業価値の向上に資するか否かの観点から、本取引の是非について検討・判断するとともに、②当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性について検討・判断するものとしております。)、(b)当社取締役会における本取引についての決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下「本諮問事項」といいます。)、について諮問し、これらの点についての2023年12月8日付答申書を当社に提出することを委嘱いたしました。
また、当社取締役会は、本取引に関する本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行うものとし、本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は当該取引条件による本取引の承認をしないことを決議しております。さらに本特別委員会に対しては、本取引の相手方との間で取引条件等についての交渉(当社役職員やアドバイザーを通じた間接的な交渉を含む。)を行うこと、委嘱事項について検討するに当たり、必要に応じ、自らの財務のアドバイザー若しくは第三者算定機関及び法務のアドバイザーを選任又は指名すること(この場合の費用は当社が負担することとしております。)、又は当社のアドバイザー等を指名し、若しくは承認(事後承認を含む。)する権限(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができることとしております。)、本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、当社グループの役職員から本取引に関する検討及び判断に合理的に必要な情報を受領する権限及びその他本取引に関する検討及び判断に際して必要と本特別委員会が認める事項に係る権限を付与することを決議しております。
なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、時間単位の報酬を支払うものとされ、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2023年8月17日から2023年12月8日までの間に計25回(合計約50時間)開催され、本諮問事項についての協議及び検討を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画、経営課題等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。その中でも、ベインキャピタルに対して提示する事業計画、及び野村證券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の株式価値の算定において基礎とする事業計画に関しては、本特別委員会は、当該事業計画が、公開買付者らから独立した者により作成されていることを確認するとともに、その作成過程においても、作成中の事業計画案の内容、重要な前提条件等について説明を受け、最終的な事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認の上、承認しております。また、本特別委員会は、ベインキャピタル及び土井氏と直接面談を行うこと等を通じて、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、当社の事業に関する評価、本取引の諸条件、本取引後の経営方針等について説明を受け、質疑応答を行いました。具体的には、2023年9月5日にベインキャピタル及び土井氏に対して本取引及び本取引後の経営方針を含む質問事項を送付し、同月11日に書面による回答を受領し、同月14日にベインキャピタル及び土井氏と直接面談を実施しました。また、2023年11月11日にベインキャピタル及び土井氏に対して社内ガバナンス体制の構築・強化に関する具体的施策及び本取引を通じた企業価値向上施策・シナジーの具体的内容を含む質問事項を送付し、同月20日に書面による回答を受領し、同月28日にベインキャピタルと直接面談を実施しました。本特別委員会は、ベインキャピタルとの質疑応答を通じ、本取引の実行後のガバナンス体制に関して、ベインキャピタルが、当社が2023年11月14日に公表した再発防止策の内容に賛同していること、また、新たに当社グループの内外から社長を含む執行陣を登用した上で、土井氏は執行を行わない会長職に専念し、当社グループの経営の執行は担わないことを想定している旨の説明を受けました。本特別委員会としては、当社を非公開化した状況において、土井氏から当社経営への必要な関与を得ながら、適切なガバナンス・内部管理体制の再構築・強化を行い、社会からの信頼を回復した上で再上場を目指すことは、当社の企業価値の向上に繋がるものと判断しました。さらに、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、ベインキャピタルは豊富な投資経験に基づくハンズオン経営支援、長期の成長に向けた既存経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、M&A及びPMIの支援を通じて、当社の企業価値の最大化を実現するための施策を支援していく予定であるとのこと、また特に抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築に向けた取組は喫緊の課題であることから、(ア)コンプライアンス責任者の招聘を含む社内コンプライアンス・ガバナンス体制を強化、(イ)海外事業の管理体制の国内事業レベルへの引き上げ、(ウ)ベインキャピタルメンバーのマルチリージョナルな関与、といった支援の実行を予定していることについても、ベインキャピタルの日本国内外における過去の投資実績に基づけば、当社に対して実際にこれらの支援を実行することができると考えることは合理性があり、また、当社が本取引を通じて、当社の企業価値向上に資する各種施策を迅速に実行する体制を築くことが可能になることに加え、ベインキャピタルのポートフォリオカンパニーを活用したシナジーの創出といった当社に生じるメリットのほか、従業員や顧客・取引先等のステークホルダーに対してもメリットを提供することが可能であると判断しました。
加えて、上記「1.株式併合を行う目的」に記載のとおり、当社が、2023年9月22日にベインキャピタルから本公開買付価格を1株当たり1,675円とする提案を受領して以降、本特別委員会は、第三者算定機関である野村證券及びプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定結果やベインキャピタルとの交渉方針等を含めた財務的な助言及び森・濱田松本法律事務所からの本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言等を踏まえ、公開買付者らの影響を排除した公正な手続によって、本公開買付価格の検討を重ね、野村證券を通じて複数回にわたり公開買付者との交渉を行ってまいりました。
なお、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに当社のリーガル・アドバイザーである森・濱田松本法律事務所について、それぞれの独立性の程度、専門性及び実績等を確認した上でこれらの選任を承認しております。
これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング、野村證券及び森・濱田松本法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2023年12月8日付で、当社取締役会に対して、委員の全員の一致で、大要以下の内容の2023年12月8日付答申書を提出しました。
1.答申内容
(1)当社取締役会は、本公開買付けに関して、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議するべきであると考える。
(2)当社取締役会において、本公開買付けに関して、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。また、本公開買付けが成立した後における公開買付者による当社の非公開化は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
2.答申の理由
(1)本取引の是非
以下の点より、本取引は当社グループ全体の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理性を有すると認められる。
当社は、当社グループを取り巻く事業環境について、国内技術系アウトソーシング事業においてはマーケットの底堅い推移が想定される一方、採用競争の激化等厳しい経営環境は継続することが想定されていること、国内製造系アウトソーシング事業においては人材派遣需要が高まることが見込まれる一方、採用競争の激化等により顧客へのチャージアップを行う等の継続的な企業努力が必要となること、国内サービス系アウトソーシング事業においては、足元は資材の供給が不安定であり、調達の遅れが長期化しており厳しい経営環境となっている一方で、足元以上の経営環境悪化は想定しておらず、緩やかながらも中長期的な事業成長を想定していること、海外技術系事業においては、主力のアイルランド、オセアニアにおいては、コロナ禍に伴う制限措置がほぼ解消し、直近期においては人材紹介事業が好調である一方で、進行期においては、ポストコロナにおける需要増の反動や、オセアニアにおけるリセッション懸念から減速が見受けられること、海外製造系及びサービス系事業においては、主としてオランダ、ドイツといった西欧諸国において事業活動を行っているところ今後人材需要が高く推移し、特にドイツにおいては自動車が生産回復をすること等による派遣人材の需要が高まることが想定されると認識している。本特別委員会としても、上記のような当社における事業環境の認識については特に異論はない。
本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」記載のとおり、当社グループにおいては、不適切会計事案の発生を受けて再発防止策が講じられたにもかかわらず本不適切申請等事案が発覚したことによって、社会からの当社のガバナンス・内部管理体制に対する信頼性が低下し、これが中長期的には当社グループの事業成長の阻害要因となりかねないことから、当社は、ガバナンス・内部管理体制の早急な強化が必要であるとの認識を有するに至っている。当社は、本調査報告書による原因分析と再発防止策の提言を真摯に受け止め、2023年11月14日に当社が公表した「再発防止策の策定等に関するお知らせ」に記載のとおり、再発防止策を実行・徹底し、社外取締役をトップとして社外の専門家及び社内の人材を構成員とするガバナンス委員会を設置した上で再発防止策の検証と実行を担うことを決定・公表している。また、当社グループは2023年9月30日時点で236社の連結子会社及び1社の持分法適用会社(2023年12月31日時点では225社の連結子会社及び2社の持分法適用会社)を有する複雑な企業体となっており、グループ各社のガバナンス・内部管理体制等の経営課題が顕在化している。本特別委員会としても、当社グループにおいては、企業風土の改革や組織体制の再構築等のガバナンス体制・内部統制機能の強化の必要性が認められること、また、当社グループが多数の連結子会社を有する複雑な企業体となっていることを是正することが当社のガバナンス・内部管理体制の改善に寄与すると考えられることを踏まえれば、当社の経営課題に関する上記認識は合理的であると判断した。
土井氏を含む当社の経営陣は、当社の経営課題に対処しながら当社の更なる成長及び企業価値向上を実現するためには、当社独自の経営努力に加え、外部の経営資源も活用することが有益であると考えていた中で、土井氏はベインキャピタルより打診を受け、継続的な議論を通じて、ベインキャピタルが有するグローバルネットワーク、グループ再編の支援及びガバナンス・内部管理体制強化における豊富な経験、実績、人材、経営ノウハウを活用し、短期間でそれらを着実に実行できる体制を構築することが当社の企業価値最大化のために最適であるとの認識を持ち、土井氏が当社との資本関係を一定程度維持しつつ引き続き経営に関与することを前提として、また、本不適切申請等事案等の問題を受け、最適なガバナンス体制の構築は当社における喫緊の課題であり、所有と経営が一体となった迅速な意思決定が可能な体制を早急に構築することが必要であることから、このタイミングで、ベインキャピタルと共同で当社に対してMBOを実施する考えに至ったとのことである。ベインキャピタルは、非公開化により短期的な収益目標達成ではなく、より中長期的な企業価値向上を目指す企業風土への改革をサポートし、同種の事案を防ぐことを推進したいと考えているとのことであり、土井氏の本取引後の処遇については、次期事業年度以降の土井氏の取締役への就任は今後協議予定であるとし、新たに当社グループの内外から社長を含む執行陣を登用した上で、土井氏は執行を行わない会長職に専念し成長戦略及びビジョンの策定にベインキャピタルとともに関与することを想定しているとのことである。当社としても、ベインキャピタルの過去の実績等を踏まえて当社の経営課題であるガバナンス・内部管理体制の再構築を行う上での有力なパートナーであると考えている。さらに、当社は、本取引の実行後に、土井氏が会長職に就任することによって当社グループの経営の業務執行から離れ、成長戦略及びビジョンの策定等のより大局的な観点から当社の経営に関与してもらうことが、当社の持続的な成長に資すると考えている。本特別委員会としても、新たな体制の構築にあたって、当社の事業を深く理解し、かつ、当社の経営課題と同種の経営課題を有していた企業においてこれらの改善を行った実績を有する外部の経営資源を活用することは有益であると考えており、本取引においてベインキャピタルをパートナーとすることは適切かつ合理的であると考えられること、上場を維持した状態で上記の経営課題に対する施策を実施する場合には、短期的には利益水準の低下やキャッシュ・フローの悪化を生じさせ、当社株主が不利益を被る可能性が否定できないこと、ベインキャピタルとともに当社を非公開化し、ベインキャピタルによる当社の業務執行に対する監督・牽制を効かせることで当社の内部統制を強化することが可能となり、土井氏についてはその役割を変更した上で当社経営への必要な範囲内でその関与を得ながら、適切なガバナンス・内部管理体制の再構築・強化を行い、社会からの信頼を回復した上で再上場を目指すことは、当社の企業価値の向上に繋がるものと考えられること等を踏まえ、本取引は、当社グループ全体が喫緊の経営課題であるガバナンス・内部管理体制の整備を推し進める手段として有効な選択肢であり、当社グループ全体の企業価値の向上に資するものであるから、本取引の目的は合理性を有すると判断した。
ベインキャピタルからは、本取引の実施後に公開買付者が企図している当社の企業価値向上策として、①豊富な投資経験に基づくハンズオン経営支援、②中長期の成長に向けた現経営陣を支える人材及び組織基盤の強化、③M&A及びPMI支援が挙げられている。また、当社は、当社の本業の成長という観点からも、ベインキャピタルの協力の下で、子会社の統廃合による組織再編、当社グループのガバナンスの強化、及び必要に応じた経営人材強化等を実行することにより、当社の企業価値向上に資する各種施策を迅速に実行する体制を築くことが可能になることに加え、ベインキャピタルのポートフォリオカンパニーを活用したシナジーの創出も期待することができると考えている。本特別委員会としても、ベインキャピタルの日本国内外における過去の投資実績等に基づけば、ベインキャピタルが当社に対して実際にこれらの支援を実行することができると考えることは合理性があり、また、当社が本取引を通じて各ステークホルダーに対して提供することが可能と考えているメリットは、いずれも本取引によるベインキャピタルとの協働を通じて創出することが可能であると合理的に考えられるものであり、ステークホルダーに対してメリットを提供することができると判断した。
本取引のデメリットとして、上場廃止に伴い、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に悪影響を及ぼす可能性があり、また、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなること等が挙げられるものの、当社は、アウトソーシング業界におけるリーディング企業として十分な知名度・信用力を有するため、顧客との関係や優秀な人材の確保等におけるネガティブな影響は大きくないと考えられる上、上場廃止により、資本市場からエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなるものの、ベインキャピタルが、運転資金の手当て等一時的な資金ニーズに充当可能な金融機関からの資金調達枠の確保や資金調達の支援を行うことを予定している。以上から、本取引のデメリットが当社の事業に与える影響は大きくないと考えられる。
(2)取引条件の妥当性
以下の点より、本特別委員会は、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の取引条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性は確保されていると判断するに至った。
当社及び公開買付者らから独立した本特別委員会の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングは当社株式価値の算定手法として市場株価法及びDCF法を採用しているところ、本特別委員会は、当該算定方法を選択した理由等について説明を受け、その内容や当該算定の重要な前提について質疑応答を行った上で、その合理性を確認した。また、当社及び公開買付者らから独立した当社の第三者算定機関である野村證券は当社株式価値の算定手法として市場株価平均法、類似会社比較法及びDCF法を採用しているところ、本特別委員会は、当該算定方法を選択した理由等について説明を受け、その内容や当該算定の重要な前提について質疑応答を行った上で、その合理性を確認した。これらの算定内容は、下記のとおり、その前提となる事業計画の内容に合理性が認められることも踏まえると、現在の実務に照らして妥当なものであると考えられる。
プルータス・コンサルティング及び野村證券がDCF法の算定の前提としている当社の事業計画案について、本特別委員会は、その作成経緯について、利益相反のおそれのある役職員を除いた構成メンバーにより作成されたことを確認したほか、事業計画案の内容、重要な前提条件及び作成経緯、2023年12月期から2025年12月期までの3か年の新中期経営計画「VISION2025:Building a New Stage」(以下「本中期経営計画」といいます。)との主な差異及び差異が生じた理由等についてその合理性を確認した。また、本特別委員会は、当該事業計画については、公表済みの本中期経営計画は努力目標の含まれた数値(当社として目指すアグレッシブな数値)に基づき作成されたものであったところ、本中期経営計画を基礎に、より蓋然性の高い事業計画として再策定を行う観点から売上高、営業利益等の数値目標の調整を行った上、対象期間を2026年度まで伸長したものであるが、当該見直しの理由を含め、その合理性を確認した。
本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)における当社株式の株式価値評価に照らすと、本公開買付価格は、市場株価法による算定結果の上限値を上回っており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内である。また、本株式価値算定書(野村證券)における当社株式の株式価値評価に照らすと、本公開買付価格は、市場株価平均法による算定結果の上限値を上回っているほか、類似会社比較法及びDCF法により算定された価格帯の範囲内にある。
本特別委員会は、本特別委員会の第三者評価機関であるプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンを取得しており、本フェアネス・オピニオンにおいて、プルータス・コンサルティングは、本公開買付価格が当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の意見を述べているところ、本特別委員会は、本フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容に特に不合理な点は認められないことを確認した。
本公開買付価格のプレミアムは、近時の他のマネジメント・バイアウト(MBO)事例におけるプレミアムの中央値と比較しても、相応のプレミアムが付された価格であると評価できる。この点、本不適切申請等事案の公表以前の市場株価に対する本公開買付価格のプレミアムは、過去のMBO事例におけるプレミアム水準と比較した場合には低い水準であるが、本不適切申請等事案の公表前の市場株価は当社の直近の状況を反映したものであるとは考えにくいこと等を踏まえると、本取引の公表日の前営業日である2023年12月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,172.5円は、むしろ現在の当社株式の本来的な企業価値を反映したものであると考えることも合理的である。
本特別委員会と公開買付者らとの間では真摯かつ継続的に協議・交渉が行われたものと評価できる。
本取引は、2023年8月1日に本不適切申請等事案の公表の影響を受けて当社株式の市場価格が下落し、その後軟調に推移している中、同年11月2日に本不適切申請等事案に関する本調査報告書の公表、同年11月14日に公表が再延長されていた第2四半期決算発表及び第3四半期決算発表、本調査報告書を踏まえた同日付「再発防止策の策定等に関するお知らせ」の公表、及び同日付「第2四半期累計期間連結業績予想値と実績値の差異に関するお知らせ」の公表が行われた後に公表されるものであり、これらの公表事実は当社株式の市場株価に影響が生じる可能性が否定できないものと考えられるものの、本特別委員会は、最適なガバナンス体制の構築は当社における喫緊の課題であると認識しており、事業成長とガバナンス・内部管理体制の抜本的な改革を両立するためには、所有と経営が一体となった迅速な意思決定が可能な体制を早急に構築することが合理的であると考えられることからすると、この時期に本取引を実行することに不合理な点は認められないこと、本不適切申請等事案及び本調査報告書の公表は金融商品取引所の実務上適時開示を行うことが必要とされており、当社経営陣のこれらの公表時期の判断に恣意性が認められず、当該検討過程及び開示時期について公開買付者らの関与がなかったこと、調査結果の公表時点における公開買付者との本公開買付価格の交渉状況等を踏まえると当該時点において本取引が行われることが確実であったとまでは言えず調査結果の公表時点において本取引を検討している事実を公表しないという当社経営陣の判断は不合理ではないこと、上記2023年11月14日付の各公表は関東財務局の承認及び有価証券上場規程に従ってかかるタイミングで公表されたものであり、本取引の公表に先立ち当社株式の株価を下落させることを目的として恣意的に公表が行われたものではないこと、本不適切申請等事案の公表以前の市場株価に対する本公開買付価格のプレミアム水準は過去のMBO事例におけるプレミアム水準と比較した場合には低い水準となるが、本不適切申請等事案は当社経営陣により恣意的な公表がなされたものではないこと、本不適切申請等事案の公表により当社株式の市場価格は一時的に大きく下落したものの上昇に転じて推移していること、本不適切申請等事案の公表から4ヶ月以上が経過しており、また、その間には本不適切申請等事案の調査結果及び再発防止策に加え、当社の2024年3月期第2四半期及び第3四半期の決算が公表されており、本不適切申請等事案の公表前の市場株価は当社の直近の状況を反映したものであるとは考えにくいこと等を踏まえると、本取引の公表日の前営業日である2023年12月7日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,172.5円は、むしろ現在の当社株式の本来的な企業価値を反映したものであると考えることも合理的であることに加え、本公開買付価格は、本不適切申請等事案の公表前における当社株式の市場価格を踏まえて交渉がなされているため、本不適切申請等事案の公表により当社の株価が下がったことにより、本来的な企業価値よりも低い公開買付価格により本取引を実行することが企図されていたわけではないと認められることを確認し、本不適切申請等事案の公表の影響を受けた株価が下落したという事実が存することを踏まえても、この時期に本取引を行うことが不合理とはいえないと判断した。
本取引は、一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合を行うという方法を提案されているが、この種の非公開化取引においては一般的に採用されている方法であり、一般株主は、本公開買付け又は株式売渡請求若しくは株式併合のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されている。また、本公開買付けは、公開買付開始公告に先立ち公開買付けの実施予定を公表する、いわゆる予告型の公開買付けであるため、公開買付けの予告を行ったものの公開買付けが行われない可能性が存在し、その場合には株式市場や当社の地位を不安定にする側面を有するものであることは否定できないものの、公開買付けの開始に係る前提条件はいずれも充足の有無を客観的かつ明確に判断できるものであってその数も限定的であること等を踏まえれば、本公開買付けが実行される蓋然性が高いと認められ、予告型の公開買付けの方法を選択することは不合理ではないと考えられる。なお、土井氏は、本取引後に、公開買付者親会社株式を所有する形で当社に間接的に再出資することになるが、公開買付価格の均一性の趣旨に抵触しないよう、当社の株主を公開買付者のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の完了後、土井氏が5%を上限として、公開買付者親会社の普通株式を引き受けることにより出資すること(以下「本再出資」といいます。)における公開買付者親会社の普通株式1株当たりの払込価額を決定する前提となる当社株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格とされており、これは当社の一般株主の利益に鑑みても不合理ではないといえる。
(3)手続の公正性
以下の点より、本特別委員会は、本取引に係る取引条件の公正性を担保するための手続として十分な公正性担保措置が実施されており、当社の一般株主の利益を図る観点から、本取引の手続には公正性が認められると判断するに至った。
本特別委員会は、当社の社外取締役5名により構成される委員会であり、本特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、当社取締役会が、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保されており、また、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能するために必要な権限等が付与されていると認められる。
本特別委員会は、当社と公開買付者との間の買収対価等の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与していたと認められる。
本特別委員会は、当社及び公開買付者らから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得している。
当社は、当社及び公開買付者らから独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から本株式価値算定書(野村證券)を取得している。
当社取締役会は、取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点につき、当社及び公開買付者らから独立した法務アドバイザーである森・濱田松本法律事務所から独立した専門的助言を受けている。
当社の社内に構築した本取引の検討体制は、森・濱田松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて確認の上、本特別委員会の承認を得ている。
当社は、利害関係を有する取締役である土井氏を、本特別委員会が設置された以降の本取引に係る当社取締役会の審議及び決議に参加させておらず、当社の立場で、本取引に係るベインキャピタルとの協議及び交渉に参加させていない。
当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案を自ら勧誘しないことに合意しているものの、第三者から真摯な買収提案を受けた場合には、当該買収提案の提案者と協議することは禁止されないこととされており、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。
公開買付期間は20営業日であるものの、本公開買付けの予定を公表した2023年12月8日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、本公開買付けの予定の公表後、公開買付者以外の者による対抗提案が可能な期間が実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間が設定されているため、いわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められる。なお、当社は、市場における潜在的な買収者の有無を調査する積極的なマーケット・チェックは行っていないものの、情報管理の観点等からその実施については慎重な検討が必要であることに加え、本取引では上記のとおり、公正性担保措置として充実した措置が取られ、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると評価できる。
本公開買付けにおける買付予定数の下限が、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティに相当する数を上回っており、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件よりも厳格な条件が設定されている。
2023年12月8日付プレスリリース及び当社が提出予定の意見表明報告書において、(a)委員の独立性や適格性、(b)本特別委員会に付与された権限の内容、(c)本特別委員会における検討経緯、公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、(d)本取引の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性についての本特別委員会の判断の根拠・理由の概要を含む2023年12月8日付答申書の内容の概要、(e)本特別委員会委員の報酬体系、(f)本取引を実施するに至った経緯、(g)当社の取締役等が本公開買付けに関して有する利害関係の具体的な内容や当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無等、(h)当社と公開買付者との間で行われた取引条件等に関する協議・交渉の具体的な経緯等に関して、一般株主が適切な判断機会を確保可能な程度に、また、金融商品取引法令及び東京証券取引所の適時開示基準に準拠し、経済産業省が2019年6月28日付で公表した「公正なM&Aの在り方に関する指針」を適切に考慮した、充実した情報開示が予定されている。
本取引では、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの決済完了後速やかに本スクイーズアウト手続が行われる予定であり、当社の株主に対して価格決定請求権又は株式買取請求権が確保されない手法は採用されないこと、また、一般株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社の株式売渡請求若しくは株式併合のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが公表される予定であることから、本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、本スクイーズアウト手続の適法性も確保されているといえる。
以上の点に加え、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、当社が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められない。
3.総括
以上から、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められることを踏まえ、本特別委員会は、当社取締役会は、本公開買付けに関して、2023年12月8日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議するべきであると考える。
本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、当社の一般株主の利益を図る観点から、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められる。したがって、当社取締役会において、本公開買付けに関して、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。また、本公開買付けが成立した後における公開買付者による当社の非公開化は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
そして、当社は、2024年1月31日付プレスリリースでお知らせしたとおり、公開買付者より、2024年1月22日に、公開買付者は、FSR規則に関するクリアランスの取得以外の本公開買付前提条件がいずれも充足されている(本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)と判断している旨の連絡を受けておりました。また、当社は、公開買付者より、2024年1月22日に、FSR規則上の手続に関しては、2024年1月17日(現地時間)付で欧州委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出が同日付で受理されており、かかるクリアランスについても、2024年2月下旬に得られる見込みであり、公開買付者は、2024年2月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを目指している旨の連絡を受けておりました。
その後、今般、当社は、公開買付者から、2024年2月22日に、2024年2月21日(現地時間)付で、欧州連合におけるFSR規則に基づく企業結合に関する事前届出に係る予備審査期間が満了したため、国外の競争法令等及び国内外の投資規制法令等に基づく各必要許認可等についてのクリアランスの取得が全て完了したことから、その他の本公開買付前提条件が充足されることを前提として、2024年2月28日に本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。
また、代表執行役の異動プレスリリースに記載のとおり、土井氏は、次世代の経営体制構築の重要性に鑑み、第27期の任期満了の時をもって代表執行役会長兼社長から退任することといたしました。土井氏は、退任後は、名誉会長として次世代の経営体制構築に向けた引継ぎ及び経営陣のサポートを行うことを予定しております。
当社は、2024年1月11日から2024年2月26日までに開催された計6回(合計6時間)の特別委員会において、各委員に対して、当社及び公開買付者らの状況等の情報の共有を行いました。
本特別委員会は、2024年2月26日開催の特別委員会において、当社に対して、2023年12月8日以降本取引に影響を及ぼしうる重要な状況変化が発生しているかに関する事実関係の確認等を行い、追加諮問事項について検討を行った結果、2023年12月8日以降、2024年2月27日までの事情を勘案しても、2023年12月8日付で当社の取締役会に対して表明した意見を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2024年2月27日、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、2024年2月27日付答申書を提出しました。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む取引条件の妥当性を確保するために、当社及び公開買付者らから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の株式価値の算定及び本公開買付価格の財務的観点からの公正性についての意見表明を依頼し、2023年12月8日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得いたしました。
なお、当社取締役会は、2023年12月8日、本特別委員会から2023年12月8日付答申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの提出を受けており、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容も踏まえて、下記「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認」に記載の決議を実施しました。
プルータス・コンサルティングは、当社及び公開買付者らの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に関するプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
プルータス・コンサルティングは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討した結果、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値を算定しております。
プルータス・コンサルティングが上記の手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :1,155円から1,216円
DCF法 :1,588円から1,975円
市場株価法では、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2023年12月7日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,172.5円、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,187円、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,155円及び同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,216円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,155円から1,216円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2023年12月期から2026年12月期までの財務予測及び直近までの業績の動向に基づき、当社が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,588円から1,975円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、7.85%~9.10%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用しており、永久成長率は0%として当社株式の価値を算定しております。
プルータス・コンサルティングが、DCF法の算定の前提とした当社の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。当該財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2024年12月期において、営業利益が前期比で約34%の大幅な増益となることを見込んでおりますが、これは、2023年12月期が国内技術系アウトソーシング事業において固定資産の減損損失162百万円、国内製造系アウトソーシング事業においてのれんの減損損失が1,366百万円、海外製造系及びサービス系事業においてのれんの減損損失が648百万円発生したことにより営業利益が一時的に伸び悩んだことからの回復によるものです。なお、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動を見込んでいる事業年度は含まれておりません。本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当社の事業計画には加味されておりません。
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(単位:百万円) |
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2023年12月期 (3ヶ月) |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
2026年12月期 |
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売上高 |
197,970 |
782,643 |
843,022 |
894,575 |
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営業利益 |
8,019 |
32,050 |
36,177 |
40,095 |
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EBITDA |
10,348 |
40,877 |
44,532 |
48,057 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
6,898 |
24,724 |
26,020 |
29,021 |
プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の土井氏を除く経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、野村證券から取得した本株式価値算定書(野村證券)並びに本特別委員会がプルータス・コンサルティングから取得した本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された2023年12月8日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより少数株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議を行いました。
その結果、上記「1.株式併合を行う目的」に記載のとおり、当社の喫緊の課題である抜本的な内部管理体制及びグローバルガバナンス体制の再構築に向けた取組が実行できる蓋然性が高く、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本株式価値算定書(野村證券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の算定結果、本フェアネス・オピニオンによる財務的観点からの公正性の意見、本公開買付価格のプレミアム及びベインキャピタルとの交渉過程等に照らし、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2023年12月8日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員の全員一致(土井氏を除く当社の取締役11名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
また、上記「1.株式併合を行う目的」に記載のとおり、本公開買付けは、本公開買付前提条件が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合には、速やかに開始されることが予定されており、2023年12月8日時点で、公開買付者は、国外の競争法令等及び国内外の投資規制法令等に要する期間を正確に予想することは困難であったものの、2024年1月下旬を目途に本公開買付けの開始を目指していたとのことです。本公開買付けが開始される際に、本特別委員会に対して、本特別委員会が2023年12月8日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対して、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
そして、当社は、2024年1月31日付プレスリリースでお知らせしたとおり、公開買付者より、2024年1月22日に、公開買付者は、FSR規則に関するクリアランスの取得以外の本公開買付前提条件がいずれも充足されている(本公開買付け開始時点で判断される事項については、当該時点で充足される見込みである)と判断している旨の連絡を受けておりました。また、当社は、公開買付者より、2024年1月22日に、FSR規則上の手続に関しては、2024年1月17日(現地時間)付で欧州委員会に対して事前届出を行い、当該事前届出が同日付で受理されており、かかるクリアランスについても、2024年2月下旬に得られる見込みであり、公開買付者は、2024年2月下旬を目途に、本公開買付けを開始することを目指している旨の連絡を受けておりました。
その後、今般、当社は、公開買付者から、2024年2月22日に、2024年2月21日(現地時間)付で、欧州連合におけるFSR規則に基づく企業結合に関する事前届出に係る予備審査期間が満了したため、国外の競争法令等及び国内外の投資規制法令等に基づく各必要許認可等についてのクリアランスの取得が全て完了したことから、その他の本公開買付前提条件が充足されることを前提として、2024年2月28日に本公開買付けを開始することを予定している旨の連絡を受けました。
また、代表執行役の異動プレスリリースに記載のとおり、土井氏は、次世代の経営体制構築の重要性に鑑み、第27期の任期満了の時をもって代表執行役会長兼社長から退任することといたしました。土井氏は、退任後は、名誉会長として次世代の経営体制構築に向けた引継ぎ及び経営陣のサポートを行うことを予定しております。
当社は、2024年1月11日から2024年2月26日までに開催された計6回(合計6時間)の特別委員会において、各委員に対して、当社及び公開買付者らの状況等の情報を共有いたしました。また、本特別委員会は、追加諮問事項について慎重に検討した結果、2024年2月27日付で、当社の取締役会に対して、2024年2月27日付答申書を提出いたしました。
その上で、当社は、本特別委員会から提出された2024年2月27日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、2023年12月8日以降の、当社の業績や市場環境の変化並びに土井氏の当社代表執行役会長兼社長及び取締役からの退任等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件について改めて慎重に協議及び検討いたしました。その結果、当社は、2023年12月20日に東京証券取引所により公表措置が実施され、改善状況報告書の徴求を受けたことを受け、本取引を実行することによる当社のガバナンス・内部管理体制の強化及びコンプライアンス意識の一層の醸成等の必要性を改めて認識したところ、本取引を実行することにより、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本公開買付け後の経営方針」に記載のベインキャピタルが予定しているコンプライアンス責任者の招聘を含む社内コンプライアンス・ガバナンス体制の強化について支援を受けることが期待できることも踏まえれば、2024年2月27日時点においても、本取引の目的や当該目的を達成するための意義や必要性に変わりはなく、その他にも2023年12月8日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年2月27日、会社法第370条による取締役会決議(書面決議)により、利害関係を有しない取締役全員の一致で、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、土井氏は、公開買付者との間で2023年12月8日付で応募契約を、2023年12月8日付で、BCPE Originとの間で株主間契約を締結するとともに、公開買付者親会社への本再出資について、公開買付者と土井氏との間で協議の上決定することを予定しており、本取引後も当社の経営に一定期間関与することから、本取引に関して当社との間で利益相反関係が存在する可能性があるため、2023年12月8日開催の取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場においてベインキャピタルとの協議及び交渉には一切参加しておりません。また、土井氏からは、上記2024年2月27日付取締役会決議(書面決議)に係る同意の意思表示も受けておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日と設定していますが、本公開買付けの予定を公表した2023年12月8日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間設定となる予定となり、当社の一般株主の本公開買付けに対する応募についての判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。
また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案を自ら勧誘しないことに合意しているものの、第三者から真摯な買収提案を受けた場合には、当該買収提案の提案者と協議・合意することは禁止されないこととされており、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しています。
⑦ 強圧性の排除
本取引では、公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することが前提とされているところ、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの決済完了後速やかに本スクイーズアウト手続が行われる予定であり、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用されないこと、また、一般株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社の本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが公表される予定であることを踏まえると、本取引において強圧性は排除されていると考えているとのことです。
4.本株式併合がその効力を生ずる日
2024年6月8日(土)(予定)
以 上