第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生したリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社グループは前連結会計年度まで3期連続して重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当第3四半期連結累計期間において重要な営業損失1,221百万円、経常損失1,250百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失1,179百万円を計上しています。これにより、当社グループの資金繰りに重要な影響があることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 このような状況の解消を図るべく、当社グループでは以下の施策により、収益性の改善及び財務基盤の安定に努めてまいります。

 

①収益力の向上

 当社グループは、当第3四半期連結累計期間におきまして、新規タイトルの複数開発を進めていた中で、その開発期間の長期化により当初想定していた時期からリリースが延長したことに伴う開発コストの増加や既存タイトルにおける他社参入に伴う競争の激化によって売上高が低迷したことにより、想定よりも利益が増加しなかったことを受け、現在の当社グループにおいては既存タイトルの収益の改善を進めるべく、他社との差別化を図る施策及びグローバルなサービス展開によって利益回復及び収益基盤の構築に努めてまいります。

 既存タイトルである「オンラインクレーンゲーム・トレバ」(以下、「トレバ」)につきましては、現在当社グループが取り扱っているプライズアイテムが日本独自の文化やアニメ・ゲーム作品関連のものが多いという特性に鑑みて、日本のカルチャーとの親和性が高く、また、比較的大きい市場である中国市場を皮切りに海外展開を目指しております。現在においては、中国市場に適した機能拡張開発及び景品仕入基盤の構築による安定した運営をもって、今後における事業成長の促進に向けたタイトルのカスタマイズに注力してまいります。

 また、新規タイトルの「テラビット」においては、著名なインフルエンサーとのコラボ等を含めたコンテンツの拡充を進めており、より魅力的に遊戯性を高めることによってユーザーの皆様へ継続的に長く楽しんで頂けるよう、より質の高いものを開発し提供することを主眼とした開発体制の強化も進めております。

 その他タイトルにおきましても、効果的なプロモーションの実施と共に各種コンテンツ拡充等によるタイトルのブラッシュアップによってクオリティの向上に注力することで、当社グループにおけるオンラインゲーム事業の収益性の安定化及び確保を図ってまいります。

 

②経費削減

 当社グループは、現在、既存タイトルである「トレバ」における景品仕入や広告宣伝、配送業務を含めた外注先の再検討による外注費用の削減を進めております。加えて、現状における運営・管理体制に見合った規模へ営業所を縮小すると共に一時的に使用していない区画の転貸による営業所賃借料の削減、及び人員配置の見直しによる各発生費用の削減、役員報酬の削減等、既に実施されている施策もあり、今後においても全社的に削減可能な内容を洗い出し検討の上で早期実行してまいります。

 

③経営資源の集中

 現時点において将来の収益性に期待できる事業及び子会社を選択すると共に検討によっては事業売却及び子会社閉鎖を進めることで子会社の管理にかかるコストを削減し、当社グループにおける経営資源を収益性の期待できる事業及び主力事業へ集中することにより、今後の事業の成長を促してまいります。

 

④財務基盤の強化

 当社グループでは、当第3四半期連結累計期間において、行使価額修正条項付第39回及び第40回新株予約権の発行並びに第三者割当による新株式の発行による資金調達を実施しております。また、今後の事業資金の確保につきましては、その他の資金調達手段を含め当社グループにて最適な手法の模索及び検討を進めると共に上記の継続的なコスト削減に取り組み、事業資金の安定的な確保と維持に向けてまいります。

 

 

 以上の施策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な疑義を解消すべく取り組んでおりますが、その対応策は実施途上にあり、今後の収益性の改善や追加的な資金調達の状況等によっては、当社の資金繰りに重要な影響があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

 なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表に反映しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化に伴い、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、ウクライナ・中東情勢を契機とした資源・原材料価格の上昇や円安による物価上昇、世界的な金融引き締めがもたらす影響等に対して、十分に注意する必要があります。

当社グループが属するオンラインゲーム市場においては、スマートフォンやタブレット等、情報端末の普及が減速したことに伴うユーザー数の鈍化に懸念はあるものの、海外向けサービスの堅調な成長が見受けられ、グローバルにユーザーの獲得競争が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループでは引き続き既存サービスの拡大及び収益性の向上に注力すると共に、培ってきた開発技術を応用した新規サービスの開発を進めてまいりました。

現在、主力事業である「トレバ」におきましては、現在まで集客及び継続率向上に対するアプローチを強く進めてきており、世代を問わず継続的なプロモーションによる顧客層の拡大を進めると共に定期的なシステムの点検及び強化による快適な操作性の実現や常に新しいプライズアイテムを追加することによって長く楽しんで頂ける内容を主眼としてサービス展開することに努めてまいりました。

売上高におきましては、「トレバ」含め新規・既存その他タイトルにおいて安定的な運営を主眼とした、定期的なキャンペーンの実施や積極的な人気IP景品の取り扱いによるサービス展開を進めてまいりましたが、業績の向上に対する効果は想定より下回って推移いたしました。

コスト面におきましては、新規タイトルへの投資が進んだことを受け、既存タイトルにおいて継続的に削減可能な内容の洗い出しを実施すると共に各タイトルにおける運営・管理体制の見直しによる開発コストの削減へ向けた施策を進めてまいりました。

この結果、当第3四半期連結累計期間においては、売上高は2,252百万円となり、前年同期に比べ、26.6%の減収となりました。

利益面につきましては、営業損失1,221百万円(前年同期は営業損失853百万円)、経常損失1,250百万円(前年同期は経常損失868百万円)、税金等調整前四半期純損失1,284百万円(前年同期は税金等調整前四半期純損失909百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,179百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失936百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

従来、当社グループの報告セグメントは、「オンラインゲーム事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しておりましたが、前連結会計年度に株式会社ブルームズを連結子会社化したことにより、前連結会計年度から「エンターテインメント事業」を報告セグメントとして追加し、セグメント情報を開示しております。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報を当第3四半期連結累計期間の報告セグメントの区分方法により作成した情報については、「オンラインゲーム事業」以外の事業セグメントの重要性が乏しく開示を行っていないため、前年同期比の記載は省略しております。

(オンラインゲーム事業)

オンラインゲーム事業は、主に「トレバ」を展開した事業であります。

オンラインゲーム事業においては、外部顧客への売上高は2,124百万円、セグメント損失は487百万円となりました。

 

(エンターテインメント事業)

エンターテインメント事業は、主に音響制作及び声優プロダクション事業であります。

エンターテインメント事業においては、外部顧客への売上高は127百万円、セグメント損失は5百万円となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,340百万円減少し、1,998百万円となりました。これは主に、現金及び預金1,166百万円の減少が生じたことによるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ304百万円減少し、712百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金105百万円、未払金102百万円及び転換社債型新株予約権付社債100百万円の減少が生じたことによるものであります。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,036百万円減少し、1,285百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上による利益剰余金1,179百万円の減少が生じたことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は78百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。