第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであり

ます。

 

重要事象等について

 当社グループは、2018年8月期に重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、債務超過となったことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められると判断しておりました。

 その後、当社グループは、当該状況を早急に解消し、今後の事業再生と事業継続に向け、財務体質の抜本的な改善を図るため、2019年6月28日付で産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「事業再生ADR手続」という)の利用申請を行い、事業再生計画案に対して事業再生ADR手続の対象債権者となるすべてのお取引金融機関からご同意をいただき、2019年9月27日付で事業再生ADR手続が成立いたしました。また、本事業再生計画に基づき以下の施策を着実に実施してまいりました。

 事業上の施策といたしましては、①エリアマネージャー制の導入等、②返品率の減少、③文具販売の強化、④不採算店舗の閉鎖、⑤本部コスト等の削減、⑥組織再編等に取り組み、収益力の改善を実現してまいりました。

 財務面につきましては、お取引金融機関により、①債務の株式化、②債務の返済条件の変更によるご支援をいただきました。

 また、大株主である日販グループホールディングス㈱からは、①店舗の競争力を維持・強化するため、500百万円の出資、②既存債務の一部支払いの条件変更、③その他事業面、人事面でのご支援をいただき、財務状態の安定化を図ってまいりました。

 以上の結果、当第2四半期連結累計期間において、営業利益31百万円、経常利益46百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益38百万円を計上し、純資産額は1,306百万円となりました。

 しかし、物価高や海外景気の下振れリスク等本事業再生計画への影響が不透明であることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 今後、引き続き事業再生計画における施策を実行、新規事業の展開へ注力することで、継続企業の前提に関する重要事象等を解消できるものと考えております。したがって、継続企業の前提に関する不確実性は認められないものと判断し、「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、物価高や海外経済減速などの下押し要因から経済回復には一服感がみられております。雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されておりますが、物価上昇や海外景気の下振れリスク等の影響により依然として先行き不透明な状況が続いております。

 出版流通業界におきましては、書籍・雑誌ともに市場は縮小傾向にあります。また、個人の消費支出の動向としては、賃金増加を上回る物価上昇が家計の購買力を削いでおり、教養娯楽使用品への支出は減少傾向にあり、厳しい業績推移が続いております。

 このような状況下において、当社グループにおきましては、2019年9月27日に成立した事業再生ADR手続において同意を得た事業再生計画に基づいて、引き続き事業構造改革に取り組んでまいりました。

 各事業の運営状況は次のとおりであります。

 

 主力の書店事業については、引き続き厳しい経営環境の下、売上高拡大と利益率の改善のため、販売数に応じた出版社からの単品報奨金の獲得を強化する一方で、一部雑誌タイトルについて買い切り方式での仕入に転換することによって仕入原価を抑え、発売から一定期間が経過した商品については値下げ販売を行い売り切るスキームに注力してまいりました。

 また、札幌ルーシー店に㈱バンダイナムコアミューズメントが企画・運営・プロデュースするカプセルトイ専門店「本屋さんのガシャポンのデパート」を導入しました。お客様より高い支持を受け好調に推移しております。

 不採算店舗に置きましては、1店舗の閉店を行ってまいりました。

 

 教育プラットフォーム事業では、「プログラミング教育 HALLO powered by Playgram × やる気スイッチ TM」へFC加盟し、展開するプログラミング教育HALLOの出店施設内での広告宣伝の強化や、体験会の開催などで認知度向上、需要の喚起に努めてまいりました。

 

 これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は不採算店舗の閉店により7,642百万円(前年同四半期比4.2%減)、営業利益は31百万円(前年同四半期比24.5%減)、経常利益は46百万円(前年同四半期比12.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38百万円(前年同四半期比33.8%減)となりました。

 なお、当社グループの報告セグメントは販売業及び教育プラットフォーム事業でありますが、教育プラットフォーム事業の全セグメントに占める割合が僅少であり、開示情報としての重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)財政状態の状況

 当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、9,517百万円となり、前連結会計年度末に比べて397百万円減少いたしました。主な要因は、商品が40百万円増加した一方、現金及び預金が446百万円減少したことなどによるものです。

 負債合計は8,210百万円となり、前連結会計年度末に比べて436百万円減少いたしました。主な要因は、買掛金が324百万円、借入金が70百万円減少したことなどによるものです。

 純資産合計は1,306百万円となり、前連結会計年度末に比べて38百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が38百万円増加したことによるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて446百万円減少し424百万円となりました。

 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 「営業活動によるキャッシュ・フロー」は主に、棚卸資産の増加額41百万円や仕入債務の減少額324百万円などの要因により、使用した資金は373百万円(前年同四半期は203百万円の支出)となりました。

 「投資活動によるキャッシュ・フロー」は主に、有形固定資産の取得による支出11百万円、無形固定資産の取得による支出2百万円、差入保証金の回収による収入12百万円などの要因により、使用した資金は2百万円(前年同四半期は7百万円の支出)となりました。

 「財務活動によるキャッシュ・フロー」は主に、短期借入金の純減額34百万円、長期借入金の返済による支出35百万円の要因により、使用した資金は70百万円(前年同四半期は198百万円の支出)となりました。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。