当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下を経営理念として、全てのステークホルダーの更なる発展に貢献して参ります。
経営理念
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企業価値向上に貢献する Vitalize Company グループ 我々企業グループ全社は知的アスリート集団を目指します。 当社グループは常にもてる知識を結集し、創造力を発揮し、 最高品質のサービスでイノベーションとビタミンを社会に提供し続けます。 |
共通施策・コンセプト
当社グループの共通施策として、①ビジネスモデルの変革への対応、②提案力の強化、③人材育成に努めてまいります。また、当連結会計年度では、グループ共通コンセプト「Pro’s TeQ(プロズテック)」を掲げ、収益力(Profit)、営業力(Sales)、技術力(Technology)、品質力(Quality)を高めるために取り組んで参ります。
(2)経営戦略等
当社グループは、独立系のシステムインテグレーターとして、30年以上の実績を積み重ねてまいりました。
システムインテグレーションサービスにおいては、大手メーカー、大手システムインテグレーターから各種の社会インフラ系基幹システム開発及び、ネットワーク基盤構築の受注を柱にしております。特に、公共(中央省庁、自治体)、通信(携帯キャリア)、金融(銀行、クレジット、保険)、エネルギー(電力、ガス)、運輸・物流の分野における開発実績とノウハウの蓄積を強みに、顧客との長期的な継続取引により安定した受注を確保しており、今後も安定的な成長を見込むことが可能であります。また、大手システムインテグレーターでは対応できない多くの中小規模事業者に向けて、生産性向上につながるシステム化コンサルティングサービスを提供し、事業拡大を目指して参ります。
DXソリューションサービスにおいては、デジタルマーケティング、図面DXソリューションにおける保守料、サービス利用料収入により、高い利益率と安定したストックビジネスを確立させつつ、新たな製品の研究開発、新サービス提供に繋げていくことが可能であります。また、ワークスタイルの変化と共に、クラウドサービスの利用拡大、ペーパーレス化、デジタルカタログ・電子ブックの配信、図面電子化などの流れが加速し、DXソリューションサービスの需要拡大を見込んでおります。営業拠点としては、千葉、東京、大阪、秋田、福岡に拠点を置いており、全国規模でのサービス提供が可能であります。
(3)経営環境
新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、各種行動制限が緩和され社会経済活動の正常化が進みつつある一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰及び円安進行による物価高騰等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、引き続き、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速しており、あらゆる産業において、企業の競争力強化のためのIT投資意欲は拡大していくことが見込まれております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、利益の株主の皆様への還元と社員への還元を図るために収益力の向上を目標としており、当期の目標達成状況を判断するため、システムインテグレーションサービスにおいて、売上高と人月工数を重要な経営指標としております。
上記指標を重視する理由としては、期首に月次での売上目標を社員に提示しており、進捗状況の把握が容易であり未達の場合の度合いがわかりやすい点であります。また、工数については月次工数が増加することにより業務の拡大が明確になるためであります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが属する情報サービス業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、IT投資は今後も拡大していくものと予測しております。システムインテグレーションサービスにおいては、引き続き堅調な受注が見込まれる「公共」「金融」「エネルギー」分野のニーズを背景に、人材の確保、キャリア採用、高度技術者の育成を推進するとともに、パートナー企業との連携強化及びグループ企業による共同提案、共同開発などのシナジー効果を高め、高付加価値ビジネスへの変革を推進してまいります。
DXソリューションサービスにおいては、当社グループの自社商材である「Wisebook」及び「DynaCAD」の高利益率ビジネスへの選択と集中を強化し、販路拡大の積極的な投資と新たな製品の研究開発に取り組み、更なる受注拡大と収益力向上を目指しております。
このような環境の下、当社グループは、2022年12月にスタートした中期経営計画<2023年11月期~2025年11月期>の重点施策である①人材の確保と育成、②自社商材ソリューションサービスの拡大、③M&Aによる業容の拡大を中心に取り組み、企業価値向上に努めてまいります。
また、当社は2022年4月の東証の市場再編に伴い、スタンダード市場に上場しております。現状では「流通株式時価総額」について上場維持基準を充たしていないことから、上場維持基準への対応も優先的に取り組むべき課題と捉えております。
① 人材の確保と育成
当社グループの持続的な成長のために、優秀な人材の確保と育成は今後の重要な課題のひとつと認識しております。システムインテグレーションサービスにおいては、新卒採用を主軸とし、海外人材の採用、他業種からのキャリアチェンジを含む未経験者採用からの育成枠を増員して人材の確保に努めてまいります。また、エンジニアとして多様な働き方ができる環境づくりを進めることで、キャリア、年齢、家庭環境などの個別事情による制限をできる限り取り払い、埋もれている優秀な人材の発掘と育成にも注力してまいります。
② 自社商材ソリューションサービスの拡大
当社グループの自社商材であるWisebook、DynaCADの高利益率ビジネスへの選択と集中を強化し、DXソリューションサービスの収益拡大を図ってまいります。Wisebookについては、2023年に開始したEdTechサービスにより教育分野への参入と更なる販路拡大を図り、2025年11月期末までに累計導入社数を3,000社まで増加させる計画を推進してまいります。DynaCADについては、公共事業におけるi-Construction、BIM/CIMの3D化推進の流れに沿った三次元CADのDynaCAD CUBEの拡大により、自治体導入数を300自治体まで増加させる計画を推進してまいります。
③ M&Aによる業容の拡大
当社グループは、事業拡大の効率的な手法の一つとしてM&Aを行っております。今後も、投資効果、対象企業の提供サービスにおける事業規模や成長性、当社グループとのシナジー効果を十分に検討したうえで、当社グループの企業価値向上につながるM&Aを進めてまいります。
④ スタンダード市場の上場維持基準への適合
当社は、2022年4月の東証の市場再編に伴い、スタンダード市場に上場しております。しかしながら、「流通株式時価総額」については基準を充たしていないことから、2023年2月17日に「スタンダード市場上場維持基準の適合に向けた計画書」を提出しており、流通株式時価総額の構成要素である時価総額の向上を中心に取り組み、2025年11月期末までに上場維持基準の適合を目指してまいります。
基準への適合に向けては、2025年11月期を最終年度とする中期経営計画(2023年11月期~2025年11月期)の重点施策である上記①~③を実施していくことで、業績拡大による時価総額の向上を図り、IRの強化と株主還元の充実にも努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループがサステナビリティに関する基本方針と重要課題を決める際、取締役会が中心となって監督します。
各部門から上がってくるリスクをリスクコンプライアンス委員会が詳細に分析、対応方針を検討、決定して取締役会に報告することで、取締役会がサステナビリティに関わる問題を管理することができます。
また、当社はサステナビリティをはじめとする幅広い視点に立った経営方針を持ち、環境、社会、そして経営の透明性(ESG)の向上にも注力しています。さらに、当社は経営理念を実現するために経営のしくみを強化しており、内部監査室が業務の効率や法令遵守をチェックし、経営推進センターは株主や投資家への情報提供を迅速かつ正確に行い、経営の透明性を高めるために努力しています。
(2)戦略
当社グループは、サステナビリティに関して、ステークホルダーの関心や当社の経営戦略に基づき、重要課題を特定し、優先的に取り組んでいます。具体的には、「第2 事業の状況」に記されている通り、以下の4つの分野に注力しています。
1.人材の確保と育成
2.自社製品やサービスの拡充
3.M&Aによる事業拡大
4.スタンダード市場での上場基準への適合
当社グループは、人材の確保と育成に特に重点を置いており、新しい技術に適応することができ、変化し続けることができる人材の育成と、社員の多様性や個性を尊重した安心して働ける職場環境の整備を基本方針としています。
この方針を実現するための戦略は以下のとおりです。
・海外人材の採用:当社グループの海外子会社(非連結)であるVision Links Myanmar Co.,Ltd.を通じた人材活用や、外国人学生のインターンシップを積極的に受け入れます。
・他業種からのキャリアチェンジ:業界未経験者や職業訓練生を積極的に採用し、前職の経験を活かせる職位を提供します。
・個別事情による採用制限の撤廃:年齢や家庭環境に応じた柔軟な就労条件を設けます。
・高度技術者の育成:AIやアジャイル開発を重点としたプロジェクトチームを組織し、高度技術者の育成に取り組みます。
当社グループは、これらの取り組みを通じて、課題解決に向けて持続的に努力しています。さらに、多様な人材の採用と育成を強化するとともに、教育サービスと連携した社内研修制度を強化し、健康管理にも力を入れています。
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティを含むリスク管理を経営の大切な課題として捉えています。このため、「リスク管理規程」を設け、その規程に基づきリスクコンプライアンス委員会を設置しています。この委員会では、当社の事業に関連するリスクを定期的にチェックし、社会や経済環境、さらには当社事業の変化に応じて、その評価を見直し続けています。具体的に見つかったリスクには、その都度、対応策を考え、実行しています。そして、特に重要なリスクは取締役会に報告されます。なお、リスクの詳細については「3 事業等のリスク」をご確認ください。
(4)指標及び目標
当社グループでは、人材育成と社内環境の整備を含むサステナビリティ関連のリスクと機会を長期的に評価し管理するため、次の指標を用いています。
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指標 |
目標 |
2023年度実績 |
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管理職に占める女性労働者の割合 |
2025年度末までに 20.0%超 |
14.6% |
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男性労働者の育児休業取得率 |
毎年 100.0% |
100.0% |
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労働者の男女の賃金の差異率 |
2025年度末までに 85.0%超 |
79.7% |
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有給休暇取得率 |
毎年 80.0% |
74.2% |
当社グループの事業その他に関してのリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのような事業上のリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループは、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の回避に努めるとともに、発生した場合の的確な対応に努めてまいります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため将来発生する可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。
(1)事業環境について
当社グループの事業は、顧客企業によるIT投資動向によって影響を受ける傾向にあります。国内の経済情勢の変化や景気の悪化等により顧客企業のIT投資が減少した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各種の社会インフラ系基幹システム開発及び、ネットワーク基盤構築の受注を柱にしております。特に、公共(中央省庁、自治体)、通信(携帯キャリア)、金融(銀行、クレジット、保険)、エネルギー(電力、ガス)、運輸・物流の分野における開発実績とノウハウの蓄積を強みに、顧客との長期的な継続取引により安定した受注を確保しており、特定業種に依存しないことで当該リスクの低減に努めてまいります。
(2)人材の確保について
当社グループでは、継続的な新卒採用、即戦力である中途採用及び未経験者採用を行っており、優秀な人材の確保に努めております。優秀な技術者やシステムエンジニア、管理者等、必要とする人材を採用、育成することは当社グループにとって重要であり、これに対して新卒採用や中途採用の促進及び研修制度の各施策を実施しておりますが、このような人材を採用又は育成することができない場合、また、人材の流出があった場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、多様な人材が活躍できる風土、人事制度、従業員が働きやすい環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、教育研修費予算を十分に確保し、階層別研修、ITスキル研修、資格取得支援など、教育・研修体制の充実化に努めてまいります。
(3)特定顧客への依存について
当社グループのシステムインテグレーションサービスにおいては、長期にわたり、顧客との安定的な取引関係を築いています。2023年11月期において、当社グループの売上全体の10%以上を占める顧客は、株式会社日立社会情報サービス(13.3%)、富士通株式会社(11.6%)となっており、特定顧客の経営状況の変化や事業方針の変更が、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、既存顧客との関係を強化して継続的に受注を獲得するとともに、新規顧客の獲得にも注力してまいります。
(4)外注先パートナーの確保について
当社グループは、システムインテグレーションサービスにおいて、顧客要請への迅速で適切な対応を実現し、機会損失を防ぐために、必要に応じてパートナー企業に外注しております。今後も事業を拡大するにあたり、万が一適切な技術者、外注先が確保できない場合及び外注コストが高騰した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、パートナー企業との安定的な取引関係を保つとともに、パートナー企業の新規開拓を行ってまいります。
(5)価格競争について
システムインテグレーションサービス業界においては、システムエンジニア等の人材不足や人件費の高騰等の原因により、海外でシステム開発や運用管理を海外事業者に委託する「オフショア開発」によるコスト低減を図る傾向にあります。顧客からの要望も相まって競争価格は激化の傾向が当面続くと考えられます。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、付加価値の高いサービスを提供することに努め更に、「ニアショア開発」等による低価格競争への対応も図ってまいります。しかしながら更なる価格の競争の激化が続く場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)労務管理について
システムインテグレーションサービスのプロジェクトにおいては、納期厳守と高い品質の確保が要求されるため、予想外のトラブルや開発環境等の変化が生じた場合、品質や納期を遵守するため一時的に長時間労働が発生することがあります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、長時間労働の発生を未然に防ぎ、従業員の健康を損なうことがないよう、労務管理体制を整備しておりますが、やむを得ない事情により長時間労働が発生した場合には、システム開発の生産性の低下や従業員の士気の低下等により、社会的・法的な労務問題につながり、当社グループの業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)不採算プロジェクトの発生について
システムインテグレーションサービスのプロジェクトにおいては、対価や納期を定めた請負契約において不採算プロジェクトが発生する可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、対価や納期を定めた請負契約によるプロジェクト開発を受託するにあたり、プロジェクト判定会議等により発生が見込まれるコストやリスクを判定しております。また、プロジェクトの受注後は、進捗状況等を把握し管理を徹底しており、毎週プロジェクトのレビューを行うことで未然防止に努めております。しかしながら、予測できない要因により、採算が大幅に悪化したプロジェクトが発生した場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権の対応について
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することがないよう常に留意しております。当連結会計年度末現在において、過去に第三者から知的財産権の侵害に関して訴訟を提起されたことはありません。しかしながら、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、サービス等の提供前に開発又は提供予定の技術や製品が他社の特許に抵触していないかを確認する調査を行う他、弁理士などの専門家に調査を依頼することにより、その防止に努めております。
(9)情報セキュリティ管理について
当社グループは業務に関連して個人情報・機密情報を取扱う場合があります。当社グループではISMS(ISO/IEC27001)やプライバシーマークの認証を取得し、全社的にセキュリティ対策に取り組んでおります。当連結会計年度末現在においては、個人情報及び機密情報の漏洩は確認されておりませんが、今後不正アクセスその他により、情報漏洩が発生した場合には、当社グループの社会的信用の失墜や顧客との取引停止、損害賠償請求等により、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、情報セキュリティ方針に基づき、情報セキュリティ管理規程及びセキュリティガイドラインを定め、情報の適切な管理を行うとともに、社員への教育・研修を通じて意識向上に努めています。また、外敵からの脅威に対する施策としては、ファイヤーウォール、ウイルス対策ソフト等を導入し、安全性の高い情報システム体系の構築に努めております。
(10)ストック・オプションの権利行使による株式価値の希薄化について
当社は、当社グループの役員及び従業員に対するストック・オプションを発行しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、新株式が発行されることによって株式価値及び議決権割合が希薄化される可能性があります。当連結会計年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は67,800株であり、発行済株式総数の3.2%に相当しております。
(11)自然災害について
地震、風水害等の自然災害や戦争、テロ等により当社グループにおいて人的または物理的被害が発生した場合、またはコンピュータネットワーク等に障害が発生した場合は、正常な事業運営が行えなくなる可能性があり、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、事業継続計画(BCP)を策定し、自然災害の発生等を想定したリスク管理体制の整備を実施しております。
(12)配当政策について
当社の利益配分につきましては、業績の推移を見据え、将来の事業の発展と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、連結配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。しかしながら、業績の低迷等により安定的な配当を維持できなくなる可能性があります。
(13)コンプライアンスについて
当社グループは、システムの受託開発などにおいてクライアント内にプロジェクトチームを編成して開発業務を行なう場合等において、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(労働者派遣法)」「職業安定法」「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」、「著作権法」、「不正競争防止法」などの関係法規の適用を受けます。当社グループでは関係法規の遵守につとめておりますが、法的規制の変更があった場合又は法令に違反した場合等、当社が的確に対応できなかった場合には、当社グループの事業活動が制限されるとともに、当社グループの信用失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、今後事業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えており、「コンプライアンス規程」、「リスク管理規程」を策定し、全役員及び全従業員に対しコンプライアンス重視の経営を徹底しておりますが、コンプライアンスリスクを完全に排除することは困難であるため、今後の当社グループの事業運営に関して他の法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの企業価値が毀損し、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、グループ全従業員に対し、法令や社内規程を遵守するよう、教育・研修などを通じた啓発活動を行うことにより従業員のコンプライアンス意識を高めるとともに、社内外通報窓口の設置によりコンプライアンス違反の把握と未然防止に努めております。
(14)許認可について
当社グループは、顧客先に従業員を派遣してシステム開発等を行う場合があるため、労働者派遣事業者として厚生労働大臣の許可等を受け事業を行っております。当社グループの許可・届出状況については以下のとおりであります。
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取得・登録者名 |
許可名称及び所管官庁 |
許可番号 |
取得年月 |
有効期限 |
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株式会社システムイオ |
労働者派遣事業許可 厚生労働省 |
派 12-300921 |
2018年7月1日 |
2026年6月30日 |
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株式会社NetValue |
労働者派遣事業許可 厚生労働省 |
派 27-300657 |
2006年6月1日 |
2024年5月31日 |
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株式会社エーピーエス |
労働者派遣事業許可 厚生労働省 |
派 13-316661 |
2023年6月1日 |
2026年5月31日 |
当社グループは、労働者派遣法に基づく労働者派遣事業の許可を厚生労働大臣から取得して事業を行っております。労働者派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業者として欠格事由(派遣法第6条)に該当した場合や当該許可の取消事由(派遣法第14条)に該当した場合には、許可の取り消しや事業の全部または一部を停止できる旨を定めております。
当社グループではこれらのリスクに対応するため、労働者派遣契約及び業務請負契約の締結時、プロジェクト運営時のチェック体制を整備いたしました。また、定期的にコンプライアンス研修をグループ全従業員向けに実施しております。これらにより再発防止の徹底に努めておりますが、万一、当社グループ各社にて、重大な法令違反が発生し、許可の取り消し、または事業の停止を命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、現在そのような事由は発生しておりません。
(15)海外子会社について
当社は、2015年にミャンマーのヤンゴン市にVision Links Myanmar Co.,Ltd.(以下、VLMという。)を設立し、ICTを通じて日本とミャンマーの未来に貢献する企業となるべく事業を運営してまいりました。2021年2月に発生した同国の政変により、政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。
当社グループでは、VLM従業員の安全を最優先に考え、全員が在宅リモートワークにより業務を継続しておりますが、今後、ミャンマーの位置づけを中長期的観点から再検討してまいります。
なお、VLMは非連結子会社であり、当社グループの連結売上高に対するVLMの売上の割合は1%未満と僅少であるため、リスクの重要性は乏しいと考えております。
(1)経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は2,274,294千円となり、前連結会計年度末と比べて481,967千円の増加となりました。流動資産は1,633,068千円となり、前連結会計年度末と比べて301,967千円の増加となりました。これは主に現金及び預金の増加253,231千円及び、受取手形、売掛金及び契約資産の増加57,750千円によるものであります。固定資産は632,728千円となり、前連結会計年度末と比べて180,071千円の増加となりました。これは主に顧客関連資産の増加103,481千円、のれんの増加40,728千円、ソフトウエア仮勘定の増加97,103千円及び、ソフトウエアの減少59,751千円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は1,722,479千円となり、前連結会計年度と比べて446,186千円の増加となりました。流動負債は957,738千円となり、前連結会計年度末と比べて264,707千円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加100,000千円、1年内返済予定の長期借入金の増加44,559千円、未払費用の増加40,931千円、及び未払法人税等の増加32,863千円によるものであります。固定負債は764,740千円となり、前連結会計年度末と比べて181,478千円の増加となりました。これは主に長期借入金の増加166,729千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は551,815千円となり、前連結会計年度末と比べて35,780千円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益47,524千円の計上及び、配当金の支払いによる利益剰余金の減少13,854千円によるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年12月1日から2023年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、各種行動制限が緩和され社会経済活動の正常化が進みつつある一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰及び円安進行による物価高騰等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する情報サービス産業におきましては、引き続き、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが加速しており、あらゆる産業において、企業の競争力強化のためのIT投資意欲は拡大していくことが見込まれております。
このような環境の下、当社グループは、中期経営計画<2023年11月期~2025年11月期>を策定し、IT技術を通じて多様性社会を元気にするウェルネスな仕組みを提供する『ITプラットフォーム ビルダー&プロバイダー』として、TECH企業へと変革を目指しております。着実で安定的な成長が見込まれるシステムインテグレーションサービスを経営基盤とし、DX市場の拡大を追い風にDXソリューションサービスの戦略的な拡大成長を推進しております。
当連結会計年度において、2023年2月1日付けで有限会社ネット企画(2023年4月3日付けで株式会社ネットウィンクスに商号変更)を連結子会社化いたしました。同社がグループに加入することにより、当社グループの図面DXソリューションサービスとのシナジー効果を追求することで、より一層の企業価値向上に取り組んでまいります。
また、2023年9月1日付けで連結子会社である株式会社エーピーエスを存続会社、当社孫会社である株式会社オレンジコンピュータを消滅会社とする吸収合併を行いました。経営資源を統合することにより、事業運営の合理化、営業力の強化、経営のさらなる効率化を図ることを目的としております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、システムインテグレーションサービスにおいては、首都圏を中心に顧客からの受注が堅調に推移し、また新規顧客獲得による案件拡大も達成したことにより、売上高、利益ともに当初計画を上回る結果となった一方、DXソリューションサービスにおいては、図面DXソリューションの第4四半期(9月~11月)DynaCADキャンペーン販売実績が、建築業界の景気動向悪化を受けて予想を下回る結果となったこと、デジタルマーケティングの Wisebook 案件において受注は堅調に推移したものの、10月中旬以降に小規模案件の導入延伸や、大型案件の機能拡大による仕様取り纏め遅延に伴い納品が翌期にずれ込んだことなどにより、売上高は4,786,307千円(前期比9.8%増)となりました。また、足元の物価高騰を受けて当連結会計年度に実施した賃上げや賞与などの従業員還元及び人的資本への投資を実施した一方、新規顧客開拓による受注案件の拡大と、それに伴う要員の確保、受注単価アップや高利益率案件等へのシフトに注力したことで、売上総利益は1,061,551千円(同10.3%増)となりました。第1四半期に成約したM&A関連費用やのれん償却費の計上、営業・間接人員の増強による人件費の増加及び、広告宣伝等の販促費用の拡大等により販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は84,181千円(同29.9%減)となり、経常利益は94,740千円(同21.2%減)、また、法人税等調整額△24,106千円等を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は47,524千円(同4.6%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、764,479千円となり、前連結会計年度末と比べて250,731千円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は234,720千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額101,495千円、減価償却費の計上額120,173千円による資金増加と、法人税等の支払額102,266千円の資金減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は62,730千円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入118,187千円、投資有価証券の売却による収入38,481千円の資金増加、連結範囲の変更に伴う関係会社株式の取得による支出68,629千円、無形固定資産の取得による支出138,597千円の資金減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は78,740千円となりました。これは主に、社債の発行による収入197,081千円、長期借入金の借入による収入100,000千円の資金増加と、社債の償還による支出220,000千円の資金減少によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注状況
当社グループの事業は、受注から売上計上までの所要日数が短く、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
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サービス区分 |
当連結会計年度 (自 2022年12月1日 至 2023年11月30日) |
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販売高(千円) |
前期比(%) |
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システムインテグレーションサービス |
4,140,515 |
107.0 |
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DXソリューションサービス |
645,792 |
132.4 |
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合計 |
4,786,307 |
109.8 |
(注)1.当社グループは、情報サービス事業の単一セグメントであるため、サービス区分別の実績を記載しております。なお、当連結会計年度の期首から、主要サービスのソリューションサービスをDXソリューションサービスに名称を変更し、DXソリューションサービスの各ソリューションをデジタルマーケティング、図面DXソリューション、クラウドソリューションの3つに統合、システムインテグレーションサービスの一部サービスをDXソリューションサービスのクラウドサービスに区分を変更して記載しており、同区分において前連結会計年度との比較分析を行っております。
2.サービス間の取引については、相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年12月1日 至 2022年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年12月1日 至 2023年11月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社日立社会情報サービス |
595,083 |
13.7 |
637,012 |
13.3 |
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富士通株式会社 |
703,619 |
16.1 |
554,743 |
11.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況について連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表作成のための重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、会計上の見積りにおいて、新型コロナウイルスによる影響は軽微であると判断し見積りを行っております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度の売上高は4,786,307千円(前期比9.8%増)となり、売上総利益は1,061,551千円(同10.3%増)となりました。
主力のシステムインテグレーションサービスは、首都圏を中心とする株式会社システムイオ、株式会社エーピーエスにおいて、公共分野(中央省庁向け運用案件)、金融分野(クレジット、独立法人向け開発)、エネルギー分野(ガス、電力向け開発)における既存顧客からの受注が堅調に推移したことに加え、GIGAスクール運用サポート業務のサービス領域拡大及び、新規顧客開拓による受注案件の拡大と、それに伴う要員の確保、受注単価アップや高利益率案件等へのシフトに注力したことにより、当初計画を上回る結果となりました。一方、西日本を中心とする株式会社NetValueにおいて、エンジニアの確保が難航したことによるリソース不足が補えず一部機会損失が発生いたしました。その結果、システムインテグレーションサービスの売上高は、4,140,515千円(前期比7.0%増)となりました。
また、DXソリューションサービスは、デジタルマーケティング、図面DXソリューション、クラウドソリューションの各種サービスを行っております。当期は、グループ加入した株式会社ネットウィンクスが手掛ける大規模修繕工事に伴う足場の仮設計画図などのCAD製図サービスが、図面DXソリューションを牽引して売上高が拡大、デジタルマーケティングは受注が拡大したものの一部案件の納期延伸が発生したことにより、売上高は645,792千円(前期比32.4%増)となりました。
各ソリューション別の状況は以下のとおりであります。
a.デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは、デジタルブックの制作・配信並びに、紙媒体の電子化サービス、電子書籍化サービス、社内文書管理サービス、教育現場での電子教科書への対応及び、閲覧データ解析によるマーケティングツールとしても活用できる「Wisebook」のサービスを提供しております。当期は、展示会への出展やキャンペーンによる販売促進及びOEM提供等による販路拡大に注力した結果、顧客向けカスタマイズ案件のプライベートサーバーの受注は堅調に推移したものの、小規模案件の延伸や一部大型案件の納品が翌期にずれ込んだことにより、売上高は177,524千円(前期比7.1%増)となりました。
b.図面DXソリューション
図面DXソリューションは、当連結会計年度の期首より、従来のCADソリューション(高機能で幅広い互換性を持つ2次元汎用CADである「DynaCAD」シリーズの開発・販売や自治体の電子化に伴うコンサルティング、紙図面の電子化サービス)、ドローンソリューション(ドローン操縦技術者講習等を実施するDrone International Association「DIA」)に加え、株式会社ネットウィンクスが手掛けるビルやマンションの大規模修繕工事に伴う足場の仮設計画図・外壁下地調査図などのCAD製図サービスを統合いたしました。当期は、足場の仮設計画図などのCAD製図サービスが牽引して売上高が大幅に拡大した一方、建築業界における民間工事件数の減少、建設資材の高騰、人手不足等が設備投資の抑制につながり、DynaCADの10月~11月販売キャンペーンにおいても購入延期や案件規模の縮小が重なった結果、売上高は354,292千円(前期比62.6%増)となりました。
c.クラウドソリューション
クラウドソリューションは、当連結会計年度の期首より、従来の認証ソリューション(3D顔認証を始めとした生体認証機器の販売及びモバイル認証や非接触型ICカード入退管理システム、勤怠管理システムとの連携などによる総合クラウド認証サービス)及び、中小規模事業者向けシステムソリューション、自社クラウドサービスを利用したシステムサービスを統合いたしました。当期は、システム開発案件におけるインボイス及び電子帳簿法対応の追加開発などの案件増加により、売上高は113,976千円(前期比9.5%増)となりました。
売上原価及び売上総利益につきましては、足元の物価高騰を受けて当連結会計年度に実施した賃上げや賞与などの従業員還元及び人的資本への投資を実施した一方、新規顧客開拓による受注案件の拡大と、それに伴う要員の確保、受注単価アップや高利益率案件等へのシフトに注力したことで、売上原価は3,724,756千円(前期比9.7%増)となり、売上総利益は1,061,551千円(前期比10.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当社グループの販売費及び一般管理費は、人件費、賃借料、支払手数料が7割以上を占めております。当期は、グループ子会社の加入によるM&A関連費用やのれん償却費の計上、営業・間接部門の増強による人件費の増加により、販売費及び一般管理費は977,369千円(前期比16.1%増)となり、営業利益は84,181千円(前期比29.9%減)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、人材開発支援助成金などの助成金収入、保険金の解約返戻金、受取保険金が8割以上を占めており、当期は21,338千円(前期比133.1%増)となりました。営業外費用は、金融機関からの借入金等に係る支払利息が大半を占めており、当期は10,779千円(前期比18.6%増)となりました。この結果、経常利益は94,740千円(前期比21.2%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、投資有価証券売却益7,058千円を特別利益に計上し、株式会社ビーガルに関連する減損損失304千円を特別損失に計上いたしました。法人税、住民税及び事業税は78,078千円となり、また、繰延税金資産を計上したことにより法人税等調整額△24,106千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は47,524千円(前期比4.6%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要は、労務費、外注費、経費並びに販売費及び一般管理費等の支払いを目的とした運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当しておりますが、資金調達が必要な場合には、案件の都度、金融機関からの借入又は新株発行による資金調達の検討を行っております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析
当社グループの売上高の8割以上はシステムインテグレーションサービスとなっております。システムインテグレーションにおいては、基準生産性を基にした工数管理が一般的な指標であることから、人月工数と売上高を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における上記指標は、人月工数の年間合計は6,537工数(前期比5.8%増)であり、その結果、売上高は4,140,515千円(前期比7.0%増)となりました。
これらの指標につきましては、引き続き改善できるよう努めてまいります。
(取得による企業結合)
当社は、2023年1月13日開催の取締役会において、有限会社ネット企画(2023年4月3日付けで株式会社ネットウィンクスに商号変更)の全株式を取得して子会社化することを決議し、2023年2月1日に株式を取得いたしました。
また、2023年6月15日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社エーピーエスを存続会社、当社子会社である株式会社オレンジコンピュータを消滅会社とする吸収合併を行いました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)(取得による企業結合)」に記載しております。
当社グループの株式会社ビーガルでは、国土交通省が推進する「CIM導入ガイドライン(注)」におけるロードマップに合わせて、現行のDynaCADシリーズ及び、3次元CAD「DynaCAD CUBE」機能拡張のための研究開発を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は
なお、当社グループの事業は情報サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注)「CIM(Construction Information Modeling, Management)導入ガイドライン」とは、国土交通省が推進している取り組みであり、計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて、事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産システムの効率化・高度化を図ることを目的とした取組みであります。