第一部 【証券情報】

第1 【募集要項】

1 【新規発行社債(短期社債を除く。)】

銘柄

電源開発株式会社第89回無担保社債

(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド)

記名・無記名の別

券面総額又は振替社債の総額(円)

金10,000百万円

各社債の金額(円)

金1億円

発行価額の総額(円)

金10,000百万円

発行価格(円)

各社債の金額100円につき金100円

利率(%)

年1.121%

利払日

毎年4月20日及び10月20日

利息支払の方法

1.利息支払の方法及び期限

(1)本社債の利息は、払込期日の翌日から2034年4月20日(以下「償還期日」という。)までこれをつけ、2024年10月20日を第1回の利息支払期日としてその日までの分を支払い、その後毎年4月及び10月の各20日にその日までの前半か年分を支払う。

(2)利息を支払うべき日が銀行休業日にあたるときは、その前銀行営業日にこれを繰り上げる。

(3)半か年に満たない期間につき利息を計算するときは、その半か年の日割をもってこれを計算する。

(4)償還期日後は利息をつけない。

2.利息の支払場所

別記((注)「12.元利金の支払」)に記載のとおり。

償還期限

2034年4月20日

償還の方法

1.償還価額

各社債の金額100円につき金100円。

2.償還の方法及び期限

(1)本社債の元金は、償還期日にその総額を償還する。

(2)償還すべき日が銀行休業日にあたるときは、その前銀行営業日にこれを繰り上げる。

(3)本社債の買入消却は、払込期日の翌日以降、別記「振替機関」欄の振替機関が別途定める場合を除き、いつでもこれを行うことができる。

3.償還元金の支払場所

別記((注)「12.元利金の支払」)に記載のとおり。

募集の方法

一般募集

申込証拠金(円)

各社債の金額100円につき金100円とし、払込期日に払込金に振替充当する。申込証拠金には利息をつけない。

申込期間

2024年4月4日(木)

申込取扱場所

別項引受金融商品取引業者の本店及び国内各支店

払込期日

2024年4月10日(水)

振替機関

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区日本橋兜町7番1号

担保

本社債には担保及び保証は付されておらず、また本社債のために特に留保されている資産はない。

 

 

 

財務上の特約(担保提供制限)

1.担保提供制限

(1)当会社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当会社が国内で既に発行した、または国内で今後発行する他の社債に担保権を設定する場合には、本社債にも担保付社債信託法に基づき、同順位の担保権を設定する。

(2)前号に基づき設定した担保権が本社債を担保するに十分でない場合、当会社は本社債に担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定する。

2.留保資産提供制限

(1)当会社は、本社債の未償還残高が存する限り、本社債発行後、当会社が国内で既に発行した、または国内で今後発行する他の社債のために当会社の特定の資産を留保(以下「留保資産提供」といい、かかる特定の資産を「留保資産」という。)する場合には、本社債のためにも、社債管理者が適当と認める留保資産提供を行う。この場合、当会社は社債管理者との間に、その旨を定める契約を締結する。

(2)前号の契約において、当会社は社債管理者との間に次の①から⑥についても特約する。

①当会社は前号の契約締結の時点において、留保資産のうえには本社債の社債権者の利益を害すべき抵当権、質権その他の権利(以下「抵当権等」という。)またはその設定の予約もしくは設定の予約と同視しうるものが存在しないことを保証し、また本社債の未償還残高が存する限り、社債管理者の事前の書面による承諾なしに留保資産のうえに抵当権等を設定し、またはその設定の予約もしくは設定の予約と同視しうる行為をしない旨。

②当会社は社債管理者の事前の書面による承諾なしに留保資産を他に譲渡もしくは貸与しない旨。

③当会社は原因の如何にかかわらず留保資産の価額の総額が著しく減少したときは、ただちに書面により社債管理者に通知する旨。

④当会社は社債管理者が必要と認め請求したときは、遅滞なく社債管理者の指定する資産を留保資産に追加する旨。

⑤当会社は本社債の未償還残高の減少またはやむを得ない事情がある場合には、社債管理者の書面による承諾を得て、留保資産の一部または全部につき社債管理者が適当と認める他の資産と交換し、または、留保資産から除外することができる旨。

⑥当会社は社債管理者が本社債権保全のために必要と認め請求したときは、本社債のために遅滞なく留保資産のうえに担保付社債信託法に基づき担保権を設定する旨。

3.担保提供制限及び留保資産提供制限の例外

  次の各場合のいずれかに該当するときは、本欄第1項及び第2項は適用されない。

①当会社が、国内で既に発行した担保付社債(下記④に定める合併または会社法第2条第29号により定められた吸収分割により承継された担保付社債を含む。)に担保の変更または追加により担保付社債信託法に基づき担保権を設定する場合。

②当会社が、国内で既に留保資産提供を行っている無担保社債(下記④に定める合併または会社法第2条第29号により定められた吸収分割により承継された留保資産提供を行っている社債を含む。)のために留保資産を変更または追加する場合。

③当会社が、社債の償還のための減債基金の積立または償還準備資産の預託として、当会社の所有する資産の上に担保権を設定する場合。

④当会社が、合併または会社法第2条第29号に定められた吸収分割により担保権の設定されている、または留保資産提供が行われている、吸収合併消滅会社または吸収分割会社の資産を承継する場合。

 

 

 

財務上の特約(その他の条項)

1.担保付社債への切換

(1)当会社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債に担保付社債信託法に基づき、社債管理者が適当と認める担保権を設定することができる。

(2)当会社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または前号により本社債に担保権を設定する場合は、当会社は、ただちに登記その他必要な手続を完了し、かつ、その旨を担保付社債信託法第41条第4項の規定に準じて公告する。

(3)当会社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または本項第(1)号により本社債に担保権を設定した場合、以後、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項から第3項まで及び別記(注)4.は適用されない。

2.特定資産の留保

(1)当会社は、社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債のために留保資産提供を行うことができる。

(2)前号の場合、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項の規定を準用する。

(3)当会社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項または本項第(1)号及び第(2)号により本社債のために留保資産提供を行った場合、そのための契約が締結された日の翌日以後、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項は適用されない。

 

(注)

1.信用格付

  本社債について信用格付業者から取得した信用格付及び取得日、申込期間中に各信用格付業者が公表する情報の入手方法は以下のとおり。(電話番号はシステム障害等により情報が入手できない場合の各信用格付業者の連絡先)

(1)株式会社日本格付研究所(以下「JCR」という。)

信用格付:AA+(取得日 2024年4月4日)

入手方法:JCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「ニュースリリース」右端「一覧を見る」をクリックして表示される「ニュースリリース」(https://www.jcr.co.jp/release/)に掲載されている。

問合せ電話番号:03-3544-7013

(2)株式会社格付投資情報センター(以下「R&I」という。)

信用格付:A+(取得日 2024年4月4日)

入手方法:R&Iのホームページ(https://www.r-i.co.jp/rating/index.html)の「格付アクション・コメント」及び同コーナー右下の「一覧はこちら」をクリックして表示されるリポート検索画面に掲載されている。

問合せ電話番号:03-6273-7471

   信用格付は債務履行の確実性(信用リスク)についての現時点における各信用格付業者の意見であり事実の表明ではない。また、信用格付は、投資助言、販売推奨、または情報もしくは債務に対する保証ではない。信用格付の評価の対象は信用リスクに限定されており、流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて言及するものではない。各信用格付業者の信用格付は信用リスクの評価において各信用格付業者が必要と判断した場合に変更され、または情報の不足等により取り下げられることがある。各信用格付業者は評価にあたり信頼性が高いと判断した情報(発行体から提供された情報を含む。)を利用しているが、入手した情報を独自に監査・検証しているわけではない。

2.社債、株式等の振替に関する法律の規定の適用

   本社債は、その全部について社債、株式等の振替に関する法律(以下「社債等振替法」という。)第66条第2号の定めに従い社債等振替法の規定の適用を受けることとする旨を定めた社債であり、社債等振替法第67条第2項に定める場合を除き、社債券を発行することができない。

3.期限の利益喪失に関する特約

  当会社は、次の各場合には本社債について期限の利益を失う。ただし、別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項または別記「財務上の特約(その他の条項)」欄第1項第(1)号により当会社が本社債に担保付社債信託法に基づき社債管理者が適当と認める担保権を設定したときには、本項第(2)号または第(3)号に該当しても期限の利益を失わない。

(1)当会社が別記「利息支払の方法」欄第1項または別記「償還の方法」欄第2項の規定に違背したとき。

(2)当会社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第1項の規定に違背したとき。

(3)当会社が別記「財務上の特約(担保提供制限)」欄第2項の規定に違背したとき。

(4)当会社が本(注)4.、(注)5.、(注)6.、(注)7.及び(注)9.の規定、条件に違背し、社債管理者の指定する1か月を下回らない期間内にその履行または補正をしないとき。

(5)当会社が本社債以外の社債について期限の利益を喪失したとき、または期限が到来したにもかかわらずその弁済をすることができないとき。

(6)当会社が、社債を除く借入金債務について期限の利益を喪失したとき、もしくは当会社以外の社債またはその他の借入金債務に対して当会社が行った保証債務について履行義務が発生したにもかかわらず、その履行をすることができないとき。ただし、当該債務の合計額(邦貨換算後)が10億円を超えない場合は、この限りではない。

(7)当会社が、破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の申立てをし、または解散(合併の場合を除く。)の決議を行ったとき。

(8)当会社が、破産手続開始、民事再生手続開始もしくは会社更生手続開始の決定、または特別清算開始の命令を受けたとき。

(9)当会社がその事業経営に不可欠な資産に対し差押もしくは競売(公売を含む。)の申立てを受け、または滞納処分を受けたとき、またはその他の事由により当会社の信用を害損する事実が生じたときで、社債管理者が本社債の存続を不適当であると認めたとき。

4.担保提供通知

   当会社は、本社債発行後、他の社債のために担保提供(当会社の資産に担保権を設定する場合、当会社の特定の資産につき担保権設定の予約をする場合及び当会社の特定の資産につき特定の債務以外の債務の担保に供しない旨を約する場合をいう。)を行う場合には、あらかじめ書面によりその旨並びにその事由、社債の内容及び担保物その他必要な事項を社債管理者に通知する。

5.社債管理者への通知

   当会社は、次の各場合には、あらかじめ書面により社債管理者に通知しなければならない。ただし、当該書面による通知については、当会社が有価証券上場規程に定める適時開示を行った旨、または官報もしくは本(注)9.に定める方法により公告を行った旨を遅滞なく社債管理者に通知する場合は省略することができる。

(1)事業経営に不可欠な資産を譲渡または貸与しようとするとき。

(2)事業の全部もしくは重要な事業の一部を休止もしくは廃止しようとするとき。

(3)資本金または準備金の額の減少、組織変更、合併、会社分割、株式交換または株式移転(いずれも会社法において定義され、または定められるものをいう。)をしようとするとき。

6.社債管理者の調査権限

   社債管理者は、社債管理者の権限を行使し、または義務を履行するために必要であると判断したときは、当会社並びに当会社の連結子会社及び持分法適用会社の事業、経理、帳簿書類等に関する資料または報告書の提出を当会社に請求し、または自らこれらにつき調査することができる。

7.社債管理者への事業概況等の報告

(1)当会社は、随時社債管理者にその事業の概況を報告し、また、毎事業年度の決算及び剰余金の配当(会社法第454条第5項に定める中間配当を含む。)については書面をもって社債管理者にこれを通知する。当会社が、会社法第441条第1項の定めに従い一定の日において臨時決算を行った場合も同様とする。ただし、当該通知については、当会社が次号に定める書類の提出を行った場合は当該通知を省略することができる。

(2)当会社は、金融商品取引法に基づき作成する有価証券報告書、半期報告書、確認書、内部統制報告書、臨時報告書、訂正報告書及びこれらの添付書類について、金融商品取引法第27条の30の3に基づき電子開示手続の方法により提出を行う。なお、本社債発行後に金融商品取引法(関連法令を含む。)の改正が行われた場合、改正後の金融商品取引法に従って開示手続を行うものとする。

8.債権者の異議手続における社債管理者の権限

   会社法第740条第2項本文の定めは、本社債には適用されず、社債管理者は、会社法第740条第1項に掲げる債権者の異議手続において、社債権者集会の決議によらずに社債権者のために異議を述べることはしない。

9.公告の方法

   本社債に関し社債権者に対し通知を行う場合は、法令または契約に別段の定めがあるときを除き、当会社の定款所定の電子公告(ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、当会社の定款所定の新聞紙並びに東京都及び大阪市において発行する各1種以上の新聞紙。重複するものがあるときは、これを省略することができる。)または社債管理者が認めるその他の方法によりこれを行う。また、社債管理者が社債権者のために必要と認める場合には、社債管理者の定款所定の公告方法によりこれを行う。

10.社債権者集会

(1)本社債及び本社債と同一の種類(会社法の定めるところによる。)の社債(以下「本種類の社債」と総称する。)の社債権者集会は、当会社または社債管理者がこれを招集するものとし、社債権者集会の日の3週間前までに社債権者集会を招集する旨及び会社法第719条各号所定の事項を本(注)9.に定める方法により公告する。

(2)本種類の社債の社債権者集会は東京都においてこれを行う。

(3)本種類の社債の総額(償還済みの額を除く。また、当会社が有する本種類の社債の金額の合計額は算入しない。)の10分の1以上に当たる社債を有する社債権者は、社債等振替法第86条第1項及び第3項に定める書面を社債管理者に提示のうえ、社債権者集会の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を当会社または社債管理者に提出して、社債権者集会の招集を請求することができる。

11.発行代理人及び支払代理人

   株式会社みずほ銀行

12.元利金の支払

   本社債に係る元利金は、社債等振替法及び別記「振替機関」欄の振替機関の業務規程その他の規則に従って支払われる。

 

 

2 【社債の引受け及び社債管理の委託】

(1) 【社債の引受け】

引受人の氏名又は名称

住所

引受金額
(百万円)

引受けの条件

SMBC日興証券株式会社

東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

3,000

1.引受人は本社債の全額につき共同して買取引受を行う。

2.本社債の引受手数料は各社債の金額100円につき金30銭とする。

みずほ証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目5番1号

2,000

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

東京都千代田区大手町一丁目9番2号

2,000

野村證券株式会社

東京都中央区日本橋一丁目13番1号

1,500

しんきん証券株式会社

東京都中央区京橋三丁目8番1号

1,500

10,000

 

 

(2) 【社債管理の委託】

社債管理者の名称

住所

委託の条件

株式会社みずほ銀行

東京都千代田区大手町一丁目5番5号

本社債の管理委託手数料については、社債管理者に、期中において年間100万円を支払うこととしている。

 

 

3 【新規発行による手取金の使途】

(1) 【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額(百万円)

発行諸費用の概算額(百万円)

差引手取概算額(百万円)

10,000

35

9,965

 

 

(2) 【手取金の使途】

上記差引手取概算額9,965百万円は、2024年9月末までに全額を陸上風力発電である新苫前ウィンビラ発電所、新さらきとまないウインドファーム、新仁賀保高原風力発電所、上ノ国第二風力発電所及び南愛媛第二風力発電所並びに地熱発電である鬼首地熱発電所の建設資金のリファイナンスに充当する予定です。なお、調達資金の全額が充当されるまでの間、現金または現金同等物にて管理する予定です。

 

第2 【売出要項】

該当事項はありません。

 

 

【募集又は売出しに関する特別記載事項】

グリーンボンドとしての適格性について

当社は、2022年11月に策定しましたグリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク(以下「本フレームワーク」という。を以下の通り改定しました。

当社は、第三者評価機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社より、本フレームワークにつき関連する以下の原則等への適合性に係るセカンド・パーティ・オピニオンを取得しております。

・クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック(国際資本市場協会(ICMA))(注1)

・クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁・経済産業省・環境省)(注2)

・グリーンボンド原則2021(ICMA)(注3)

・グリーンボンドガイドライン2022年版(環境省)(注4)

・グリーンローン原則2023(ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)他)(注5)

・グリーンローンガイドライン2022年版(環境省)(注6)

・サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020(ICMA)(注7)

・サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版(環境省)(注8)

・サステナビリティ・リンク・ローン原則2023(LMA他)(注9)

・サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版(環境省)(注10)

(注1)「クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」とは、グリーンボンド・ソーシャルボンド原則執行委員会の主導の下でクライメート・トランジション・ファイナンス・ワーキング・グループにより策定され、特に排出削減困難なセクターにおいて、トランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定した債券またはサステナビリティ・リンク・ボンドの発行に際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要素を明確化することを目的にしたハンドブックです。

(注2)「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」とは、金融庁・経済産業省・環境省の共催で、クライメート・トランジション・ファイナンスを普及させ、より多くの資金の導入による国内における2050年カーボンニュートラルの実現とパリ協定の実現への貢献を目的として策定されたものです。

(注3)「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021」とは、ICMAが事務局機能を担う民間団体であるグリーンボンド原則執行委員会(Green Bond Principles Executive Committee)により策定されているグリーンボンドの発行に係るガイドラインです。

(注4)「グリーンボンドガイドライン2022年版」とは、グリーンボンド原則との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がグリーンボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、グリーンボンドを国内でさらに普及させることを目的に、環境省が2017年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインです。

(注5)「グリーンローン原則2023」とは、ローン市場協会(LMA)、アジア太平洋地域ローン市場協会(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディング協会(LSTA)により2021年2月に策定・公表、2023年2月に改訂された環境分野に使途を限定する融資のガイドラインです。

(注6)「グリーンローンガイドライン2022年版」とは、環境省が2020年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンローンについてグリーンローン原則との整合性に配慮しつつ、グリーンローンを国内でさらに普及させることを目的として、借り手、貸し手その他の関係機関の実務担当者がグリーンローンに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈が示されています。

(注7)「サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020」とは、ICMAが2020年6月に公表したサステナビリティ・リンク・ボンドの商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドラインです。

(注8)「サステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン2022年版」とは、サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020との整合性に配慮しつつ、市場関係者の実務担当者がサステナビリティ・リンク・ボンドに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈を示すことで、我が国におけるサステナビリティ・リンク・ボンド市場の健全かつ適切な拡大を図ることを目的に、環境省が2022年7月に策定・公表したガイドラインです。

(注9)「サステナビリティ・リンク・ローン原則2023」とは、ローン市場協会(LMA)、アジア太平洋地域ローン市場協会(APLMA)及びローンシンジケーション&トレーディング協会(LSTA)により2021年2月に策定・公表、2023年2月に改訂されたサステナビリティ・リンク・ローン等の商品設計、開示及びレポーティング等に係るガイドラインです。

(注10)「サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2022年版」とは、環境省が2020年3月に策定・公表し、2022年7月に改訂したガイドラインをいいます。同ガイドラインでは、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンについてグリーンローン原則及びサステナビリティ・リンク・ローン原則との整合性に配慮しつつ、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンを国内でさらに普及させることを目的として、借り手、貸し手その他の関係機関の実務担当者がグリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンに関する具体的対応を検討する際に参考とし得る、具体的対応の例や我が国の特性に即した解釈が示されています。

 

J-POWERグループ

グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク

(資金使途特定型・不特定型)

 

クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック等における4つの要素

1 トランジション戦略とガバナンス

2021年2月、J-POWERグループは、カーボンニュートラルと水素社会実現に向けた取り組みとしてJ-POWER “BLUE MISSION 2050”を策定し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けたアクションプランやロードマップを公表しました。

同年4月、当社はJ-POWER “BLUE MISSION 2050”に基づくカーボンニュートラルへの挑戦の第一歩として、2021~2023年度の3ヵ年の取り組みを新たな中期経営計画として策定しました。また、2023年5月、2030年度のCO2排出量削減目標の引上げを行いました。

2030年度のCO2排出量削減目標引き上げや、J-POWERグループのアクションプラン及びロードマップは、エネルギー基本計画で示される2030年度の温室効果ガス削減割合や、分野別ロードマップ(電力)とも整合する取組です。

 

2030年度までのアクションプラン

アクション

内容

再生可能エネルギー開発の加速

長年の再生可能エネルギー(水力、陸上風力、地熱)の開発・保守・運転で得られた多くの知見を強みに、洋上風力及び太陽光を含む新規開発と既設設備の価値向上に取り組み、2025年度までに2017年度比で1,500MW以上の新規開発を進めます。

CO2フリー発電としての原子力発電の推進

安全を大前提に大間原子力発電所計画を推進し、CO2フリー発電の選択肢を追加します。大間原子力発電所は、日本全国の原子力発電所で発生する使用済燃料を再処理加工したMOX燃料をすべての燃料として使用できるため、日本の原子力発電所の安定稼働による電力の安定供給やCO2削減にも貢献します。

石炭からCO2フリー水素発電への移行開始

国内石炭火力については、第6次エネルギー基本計画で示された2030年に向けた政策対応に沿って、老朽・経年化した発電所から順次フェードアウトしつつ、既存設備にガス化設備とガスタービンを付加することにより水素を利用した高効率な発電システムとしてアップサイクルし、2030年度に国内の発電事業CO2排出量を2013年度実績比で46%削減します。また、2030年の目標達成に向けて、中間地点の2025年度までに2013年度実績比で920万トン削減します。水素利用を推進し、国内における新たなエネルギー社会の実現に貢献します。

基幹インフラとして電力ネットワーク増強(注)

日本の電力ネットワークを支える基幹インフラ強化として、2027年度までに新佐久間周波数変換所新設等の工事を完了予定です。さらに今後再生可能エネルギーの大量導入に向けて必要となる地域間連系線や直流送電線等の増強プロジェクトへの貢献を目指します。

 

(注)電力ネットワーク増強は、電源開発送変電ネットワーク株式会社の取り組みです。

 

定量目標

項目

目標値

J-POWERグループ国内発電事業CO2排出量

2025年度目標:920万トン削減*

2030年度目標:46%/2,250万トン削減*

*2013年度実績比

2050年:実質排出0

再生可能エネルギー

2025年度目標:グローバルに1,500MW以上新規開発(2017年度比)、水力発電電力量3億kWh/年増加(2017年度比)

 

 

J-POWERグループの国内CO2排出量削減目標はScope1の範囲に係るものです。J-POWERグループにおけるCO2排出量では国内発電事業由来が大半を占めるScope1が78%を占め最も大きく、トランジション戦略において中核となる事業分野に該当します。

 

当社では、サステナビリティ基本方針やマテリアリティ特定をはじめ、ESGに関する会社の重要な方針については常務会での議論を経て取締役会で決定しています。また、ESG総括担当役員を責任者としたサステナビリティ推進体制を構築しています。会議体として「サステナビリティ推進会議」を設けているほか、グループ全体として「J-POWERグループサステナビリティ推進協議会」を設置し、気候変動に関する取り組みを含めたサステナビリティの推進を図っています。

また、2023年度より、再生可能エネルギーの新規開発目標や CO2 削減目標の達成等の気候変動対応を含む5つのマテリアリティを非財務指標として役員の業績連動報酬の評価に導入しています。

 

2 ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ(マテリアリティの特定)

当社はJ-POWERグループにとって重要な社会的な課題を抽出し、その課題の中からステークホルダーの方々の関心、企業理念との関連、事業への影響等を考慮して、「気候変動対応」を含む5つのマテリアリティを特定し、2022年度から目標(KPI)を設定しました。

マテリアリティである「気候変動対応」及び「気候変動対応」での具体的な取り組み項目と目標(KPIs)はアクションプランやロードマップ、定量目標の中核となるものです。

今後は目標(KPI)への取り組みを着実に進めることでSDGsの達成へ貢献するとともに、中長期的な企業価値向上に努めていきます。

 

3 科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略(目標と経路を含む)

J-POWERグループのトランジション戦略及び中長期目標は、我が国の電力事業にかかる地域性・業種特性を考慮して策定された分野別ロードマップ(電力)を参照しています。当該ロードマップは、グリーン成長戦略、エネルギー基本計画、NDC(パリ協定に基づく温室効果ガス排出削減目標)等と整合するものであり、我が国の2050年カーボンニュートラル及びパリ協定の目標の実現に必要な削減目標とそのための政策を踏まえた、科学的根拠を有する内容です。したがって、当該ロードマップに整合するJ-POWERグループのトランジション戦略及び中長期目標も科学的根拠を有しているものと考えます。

 

4 実施の透明性

当社は2021年2月に、J-POWER “BLUE MISSION 2050”を公表し、2050年におけるカーボンニュートラル社会の実現に向けた当社の取り組みの方向性と道筋を示しました。技術の力でエネルギーの安定供給とCO2排出量の削減を同時に実現し、「1 トランジション戦略とガバナンス」に示した通り、2050年のカーボンニュートラルと2030年度のCO2排出量46%削減等を目標としています。

J-POWERグループは2030年度までに、老朽・経年化した石炭火力の稼働抑制・廃止計画の具体化及び実現を通じてCO2削減目標の達成を目指します。さらに2050年に向けては、目標を達成するための3つの柱、「CO2フリー電源の拡大」、「CO2フリー水素エネルギーと電源のゼロエミッション化」、「電力ネットワーク」を掲げています。J-POWERグループは、2030年度のCO2排出量削減目標達成に向けた取り組みに対し、2023-2030年度で再生可能エネルギー開発等含めて7,000億円の戦略投資を予定しています。

 

資金使途特定型における4つの要素

 

1 調達資金の使途

本フレームワークに基づき資金使途特定型のグリーン・ファイナンス及びトランジション・ファイナンスを活用して調達した資金は、以下の適格クライテリアに該当するプロジェクト(適格プロジェクト)に対する新規投資及びリファイナンスに充当される予定です。

 

No.

アクションプラン項目

適格クライテリア

CO2フリー水素エネルギー

水素発電

アップサイクル(既存設備へのガス化炉追加)

アップサイクル(CO2分離・回収設備追加)

CO2フリー水素発電設備※

燃料製造

(CO2フリー水素)

CO2フリー水素製造設備※

CO2フリー発電

再生可能エネルギー

水力・風力・地熱・太陽光発電※

原子力

大間原子力発電

電力ネットワーク

安定化

分散型エネルギーサービス※

増強

周波数変換所等増強

再エネに対応するネットワーク増強

10

国内石炭火力

老朽・経年化火力休廃止

11

バイオマス・アンモニア混焼・専焼等対応設備

 

※グリーンプロジェクト候補。当社による選定及び評価プロセスもしくは外部評価機関による個別評価においてグリーンプロジェクトとしての適格性が確認された場合、グリーン・ファイナンスを実行する際の資金使途とする場合があります。

 

2 適格プロジェクトの選定及び評価

 資金使途とする適格プロジェクトは、各事業を所管する部が前項の適格クライテリアに基づいて候補を選定し、財務部が適格クライテリアに適合していることを確認して決定します。資金使途は、新規投資に加え、リファイナンスについては、実施日から遡って24ヶ月以内に運転開始した事業または出資した事業を充当対象とします。

 

3 調達資金の管理

 調達した資金の充当と管理は、財務部が行います。常時、追跡できる管理方法として、適格プロジェクトに資金管理コードを付し適格プロジェクトへの充当額を確認するとともに、経理システムで未充当資金の残高を確認します。なお、調達資金の全額が適格プロジェクトへ充当されるまでの間、現金または現金同等物にて管理する予定です。

 

4 レポーティング

 調達資金の全額が充当されるまでの間、年次で公表される「J-POWERグループ統合報告書」または当社ウェブサイトにて以下の項目を開示、もしくは貸し手に対して開示(ローンの場合)します。また、償還もしくは弁済完了までの間、資金充当状況やインパクトに重大な変化があった場合も、その旨年次で公表する「J-POWERグループ統合報告書」または適時当社ウェブサイトにて開示、もしくは貸し手に対して開示(ローンの場合)する予定です。

 

(1)資金充当状況のレポーティング

・ 充当金額

・ 未充当金の残高

・ 調達資金のうちリファイナンスに充当された部分の概算額(または割合)

 

(2)インパクトレポーティング

 適格プロジェクトによる環境改善効果等については、守秘義務の範囲内、かつ、合理的に実行可能な限りにおいて、対象設備・工事概要、CO2排出削減量(t-CO2/y)(t/年間)等の指標より、いずれかまたは全てを開示します。

 

 

第3 【第三者割当の場合の特記事項】

該当事項はありません。

 

第4 【その他の記載事項】

該当事項はありません。