第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、代表取締役社長 眞邉勝仁が、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に被災地を訪れ、太陽光で稼働する浄水設備を届けたことをきっかけに、2012年に創業いたしました。当社グループは「持続可能なエネルギーを届け、生き生きと暮らせる未来を実現します」というビジョンの下、これを実現するために以下の3つのミッションを掲げて事業を行っております。

①クオリティの高い再生可能エネルギー発電所をつくり、安全に運営します

②金融のノウハウを活かし、再生可能エネルギーをひろげます

③再生可能エネルギーで地域社会を元気にします

 

(2)経営環境

①再生可能エネルギー事業を取り巻く状況

当社グループが位置する再生可能エネルギー事業は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の締結を契機に脱炭素化に向けた取組みが世界的な潮流となっており、日本を含む150ヶ国以上の国がカーボンニュートラルを表明しております。日本においては、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとし、カーボンニュートラルの実現を目指すこと、そのために、省エネルギーを徹底し再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、規制改革等の政策を総動員しグリーン投資の更なる普及を進めること等が宣言されました。また、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、2030年度の再生可能エネルギーの電源構成の占める割合は、従来の第5次エネルギー基本計画の22~24%から36~38%へと1.5倍以上に引き上げられました。

再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しており、今後も再生可能エネルギー市場はより一層拡大していく見通しです。

 

②再生可能エネルギーにおける太陽光発電の市場規模

日本国内における太陽光発電の市場規模は、資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討」及び「第6次エネルギー基本計画」によると、日本の太陽光発電導入量は、2019年度の55.8GWから2030年度には103.5~117.6GWとなる見込みであり、2019年度の導入量の約2倍の市場に拡大する見込みです。また、これまで太陽光発電所の開発はFIT制度に基づき開発されてまいりましたが、今後はFIP制度(Feed in Premium制度)に基づく開発及びNon-FIT開発が中心になってきます。

 

③FIT制度による再生可能エネルギーの導入拡大とFIP制度・Non-FITへの移行

FIT制度は、日本のエネルギー自給率が低水準であること及び温室効果ガスの削減を主たる目的として、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「再エネ特措法」といいます。)に基づき2012年7月より開始しました。FIT制度は、太陽光発電等再生可能エネルギー電源で発電した電気を国が定める期間、固定価格で送配電事業者が買い取ることを義務付ける制度です。FIT制度は長期的に安定した収益が得られるため、主に太陽光発電所を中心に急速に拡大しました。一方で、FIT制度に基づく再生可能エネルギーによる発電の普及が進むにつれ電力の買取も増加し、国民負担となる再エネ賦課金が大きくなってきました。そこで、2022年4月1日より施行された「強靭かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(以下「エネルギー供給強靭化法」と言います。)」では、FIT制度に加え、新たに市場価格にプレミアムを上乗せして交付する制度であるFIP制度が創設されました。FIP制度は、再生可能エネルギーのFIT制度からの自立化、卸電力取引市場への統合、国民負担の抑制を図ることを主たる目的としています。

また、「Non-FIT」による再生可能エネルギーの普及も期待されており、Non-FITの場合は、発電した電力を電力卸市場にて取引することや相対で買取価格・契約期間を決めることができます。当社グループは、FIT制度に依存しない再生可能エネルギー電源の普及・拡大に向け、相対契約での売電事業や、JPEX(一般社団法人 日本卸電力取引所)における売電事業を実施しております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①事業領域の拡大への取組み

当社グループは、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、太陽光発電所を中心として、水力発電所や風力発電所の開発を行っております。また、再生可能エネルギー発電所の開発にとどまらず、蓄電池の活用などの検討を積極的に進めております。

また、スペイン王国において現地法人を設立し、南欧を中心とした地域において海外における発電所の開発/取得も実施しております。

当社グループは、多様な再生可能エネルギー発電所の開発、蓄電池などの新技術の活用、海外展開等により事業領域の拡大に努めてまいります。

 

②循環モデルによる事業拡大

当社グループの収益構造は、安定的な積み上げが期待できる売電事業及び発電所運営管理事業からのストック収益と、発電所の売却収入等のフロー収益から構成されております。

開発した発電所を自社保有して安定的な売電収入を得ることに加え、発電所の一部を私募ファンド等に売却することでバランスシートをコントロールしつつ、その売却収入を再投資資金として新たな開発を行う循環モデルにより成長を加速させてまいります。加えて、売却先ファンドのAM業務や、O&M業務を受託することで、安定的なストック収益を確保していきます。また、O&M事業については、外部受注の拡大を進め、更なる成長を目指してまいります。

 

③Non-FITへの対応

当社グループは、従来、固定買取価格制度(以下、FIT)の認定を受けた再生可能エネルギー発電所の開発及び保有により事業の拡大を進めてまいりましたが、将来においては、電力をエンドユーザーや卸売市場へ相対で売却(以下、Non-FIT)するような形に移行するものと考えております。

そのようなNon-FIT時代において、当社グループの再生可能エネルギー事業の収益性を維持するためには、発電所開発コストの低減が必要となります。

開発コストのうち、造成コストについては、ゴルフ場の活用、屋根上への設置、遊休地の活用など、造成を伴わない開発案件の検討を進めております。

EPCコストについては、より低コストで高品質な発電所建設を目指し、建設の初期段階である設計時から費用削減の意識を高めて、最終的な発電所建設コストの低減に努めております。

開発コストの他、発電所完成後のランニング・コストについても低減する施策を検討しております。

 

④地域との共存・共生

地域との共存・共生について、当社グループの地方における開発事業及びO&M事業の拠点は、年々増加しており、当連結会計年度末時点において全国30か所となりました。また、その事務所のある地域の方々の雇用に加えて、地域住民、地方公共団体及び地域の企業などと連携し事業展開することにより地方の活性化に貢献しております。

また、当社では書籍の寄贈や住民を招いての環境勉強会など開催しておりますが、そういった取り組みが、当社の事業創出の機会にもつながると考えております。

今後も、このような活動を積極的に増やし、地方の活性化に貢献してまいります。

 

⑤財務体質の強化

当社グループは、再生エネルギー発電所にかかる開発資金を、金融機関からの借入等により調達しています。今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大から生み出される余剰資金及び財務活動による増資等により、有利子負債依存度の改善を進め、財務体質の強化に努める方針です。
 

(4)目標とする経営指標

当社グループは、多額の設備投資を必要とする発電事業の割合が高まっており、減価償却費等の割合が大きくなっております。減価償却費等の一過性の償却負担に過度に左右されることなく、株式価値の向上を目指すことが重要と認識していることから、EBITDAを目標とする経営指標としております。
(注)EBITDA=経常利益+支払利息+支払手数料+減価償却費+のれん償却額+その他償却(EBITDAは、会計監査又は四半期レビューを受けておりません)

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 当社は、再生可能エネルギーを普及・拡大させることで、重要な社会インフラであるエネルギーの安定供給を実現すること、地域社会を元気にすること、そして世界の共通課題である気候変動への対応に向けてCO2削減に貢献することを掲げ、再生可能エネルギー事業に取り組んでおります。

 サステナビリティに関しましては、下記の「サステナビリティ基本方針」を定めております。

 サステナビリティ基本方針https://www.rn-j.com/sustainability/rj/

  リニューアブル・ジャパンは、企業理念の実践を通じて、持続的な社会の形成に貢献します。

  ・再生可能エネルギーの普及に努め、気候変動をはじめとした社会課題を解決します。

  ・地域社会をはじめとしたステークホルダーとの関係を重視し、強固な信頼を築きます。

  ・国際ルール・法令を遵守するとともに、公平・公正かつ透明性の高い経営を行います。

 当社は、取締役会においてサステナビリティに関する考え方及び各種方針を定め、サステナビリティに関する取組事例と合わせて企業サイト上で公開しております。

 サステナビリティページhttps://www.rn-j.com/sustainability/

 

(1)ガバナンス

 当社はコーポレート・ガバナンスの一環として、人的資本をはじめとするサステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンス体制を整備しております。

 気候変動問題及び人的資本等のサステナビリティ関連のリスク及び機会については、社長室及び人事・IT部にて検討し代表取締役社長に提言するとともに、適宜社外取締役にも説明を行っております。また、各案件に係るサステナビリティ関連のリスク及び機会については、個々のビジネスジャッジの中で、当社の定める決裁基準に基づき適正に報告・判断しております。

 

(2)戦略

 サステナビリティについては、2023年1月に策定した中期経営計画により、国内での発電所開発、海外での発電所開発、及び国内O&Mを柱に再生可能エネルギー事業を拡大し、その機会に対応するとともに、脱炭素社会に貢献してまいります。

 また、当社は「環境基本方針」及び「調達基本方針」を定め、自社に加えサプライヤー各社に対しても、エネルギー・資源の効率的使用及び廃棄物の削減等、環境への配慮を呼び掛けており、リスクに対応してまいります。

  環境基本方針https://www.rn-j.com/sustainability/environment/

  調達基本方針https://www.rn-j.com/sustainability/social/

 

 人的資本については、変化し続ける市場環境に対応し迅速に事業成長できる組織へ対応できるように、性別、国籍を問わず様々な経験を持つ人材を活用していく方針の下、人材の育成及び採用を行っております。具体的には、社員のスキル向上及び自律的なキャリア構築の支援を目指し、様々な資格取得支援制度を整備しております。加えて、再生可能エネルギーの普及に伴う電気主任技術者不足解消を目的に、社内教育制度である「RJアカデミー」を開始し、社内人材の育成及びスキルアップに努めております。

 また、当社は、社員が心身ともに健康で個性や能力を最大限に発揮することが組織活性化と企業成長につながると考えており、社員の健康を保持・増進するという「健康経営」を職場環境整備の柱としております。具体的には、毎年度社員サーベイを実施して意見を収集し、継続的な職場改善及び風土改革に取り組んでおります。

  RJアカデミーhttps://www.rn-j.com/news/business/2023/0227.pdf

  健康経営https://www.rn-j.com/sustainability/social/

 

(3)リスク管理

 当社は、グループ全体のリスク管理に関する統括機関であるRJグループリスク・コンプライアンス委員会において、サステナビリティ関連のリスク及び機会を含むリスク対応を協議する体制を構築しております。事業活動上の重大なリスクが発生した場合には、RJグループリスク・コンプライアンス委員会に対して報告を行い、対策について協議するプロセスを構築しております。

 RJグループリスク・コンプライアンス委員会の体制は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポ―レート・ガバナンスの概要」に記載のとおりです。

 

 

 

 

(4)指標及び目標

 サステナビリティに関する指標及び目標としては、再生可能エネルギー事業を引き続き推進していくことにより温室効果ガス削減に貢献してまいります。

 

GHG排出削減貢献量(単位:t-CO2)

実績(当連結会計年度)

164,642

目標(2024年12月期から2026年12月期の累積)

522,818

 

2023年12月期GHG排出量(単位:t-CO2)

Scope1

Scope2

合計

228.3

261.8

490.1

(注)Scope1、2は提出会社の数値になります。

 

 人的資本に関する指標及び目標としては、2026年度までに、労働者に占める女性労働者の割合を25%(当事業年度20.1%)、管理職に占める女性労働者の割合を12%(同8.8%)、有給休暇の取得率を70%(同62.5%)としており、社内環境整備に努めてまいります。

 (注)連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、人的資本に関する指標及び目標は提出会社の数値としております。

 

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)太陽光発電に関するリスク

①運転開始済みの太陽光発電所について

太陽光発電における発電量は「日射量」に比例するところ、当社グループでは事前の日射量シミュレーションを実施していますが、かかる日射量は当社グループによるコントロールが及ぶ事象ではありません。国内においては、日射量の多い春季から秋季にかけての全国的な長期間の悪天候、新しい建物の建築や樹木の成長等による周辺環境の変化、また、降灰・粉じん・黄砂・ガス等による直達光・散乱光の減少さらに冬季にかけての降雪等により、当社グループの太陽光発電所が設置された地域における日射量が低下し、これにより当社グループの太陽光発電における年間総発電量が想定より減少した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、上記のような事象が発生した場合にこれに対応するための補修や追加設備の導入等に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなる場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②開発中の太陽光発電所について

当社グループは、太陽光発電所の開発に関して、EPC事業者との間で資材調達及び工事の諸条件を定めた契約を締結します。当該契約は、原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された固定金額の工事請負契約です。しかしながら、EPC事業者との契約範囲外の事由により、設計当初に想定しなかった追加工事が発生した場合や、天災、感染症等の不可抗力事由の発生により事業計画に遅延が生じた場合、又は発注先のEPC事業者の信用悪化事由の発生等により工事期間に影響が生じる場合には、工事請負契約の金額が増加したり、運転開始時期が遅延することにより当初の予定どおりに売上を上げることができなかったり、FIT売電期間が短縮化する可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③認定取得済みの太陽光発電所について

太陽光発電所の着工に至るためには、地権者との交渉及び調整並びに関係省庁・自治体からの許認可の取得及び関係省庁・自治体への届出等が必要です。当社グループが手掛ける太陽光発電所の発電規模は相対的に大きいため、開発には一定の期間が必要となります。当社グループは、地権者、関係省庁・自治体と十分な調整を図り事業を進めておりますが、一定期間を過ぎても合理的な理由なく開発を進捗できず、管轄省庁の聴取に対して合理的な説明を行うことができない場合には、管轄省庁の判断にて既取得の事業計画認定が取り消される可能性があります。

 

④入札中の太陽光発電所について

当連結会計年度末現在、新規の事業計画認定取得は原則として入札制度となっており、他社との競合により当社グループが開発を予定していた発電所について落札できず事業計画認定が取得できなかった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)その他太陽光発電以外の電源に関するリスク

当社グループは、太陽光発電の他再生可能エネルギー電源の多様化を目的として、今後水力発電所及び風力発電所など太陽光発電以外の電源の開発にも着手しており、今後も更に拡大していくことを検討してまいります。水力発電及び風力発電等においても、関係省庁・自治体からの各種許認可の取得が必要になることに加え、環境アセスメントや地権者との十分な調整を図る必要があります。

当社グループは、開発シミュレーションを含む事前の十分な調査、地域や行政との十分な連携を図り、事業計画に遅延が生じないように対応しておりますが、環境アセスメントや地権者との調整において、当初予定していた期間を超過する場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの発電所の発電量は、水量や風況等に左右されます。当社グループは事前にシミュレーションを実施していますが、これらの水量や風況等は当社グループによるコントロールが及ぶ事象ではありません。

これらの水量や風況等が低下し、年間総発電量が想定より減少した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これにより当社グループの想定外の事象が発生し、これらに対応するための補修や追加設備の導入等に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなる場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、上記のような事象やその他想定外の事象が発生し、これに対応するための補修や追加設備の導入等に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなる場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)エネルギーに関する国内外の施策及び各種法令の変更リスク

当社グループの主要事業である再生可能エネルギー事業においては、FIT制度に基づいた一般送配電事業者又は小売電気事業者等の購入者との契約により、長期間にわたる買取期間において固定価格で再生可能エネルギー電源からの電力供給を行っていますが、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制との両立を図るため、再エネ特措法が2017年4月1日に施行されたことに加え、2020年6月には、再エネ特措法の改正を含む、「エネルギー供給強靭化法」が成立し、2022年4月1日より施行されました。

また、当社グループが海外で事業を実施するにあたっては、事業を実施する国や地域における法令・制度に従う必要があります。

このような各国政府のエネルギーに関する施策の変更及び各種法令の改定が行われ、当社グループが、新制度に適時かつ適切に対応できない場合、又はこれに対応するためのコストや負担が増加した場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)FIP制度に関する売電収入変動リスク

エネルギー供給強靭化法の施行により、FIT制度に加え、市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付するFIP制度が創設され、当該制度においては電力市場における需要量に応じて売電収入が変動することになります。FIP制度への移行後において電力市場における需要量が当社グループの想定よりも少なかった場合等には当社グループは想定どおりの売電収入を得ることができず、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5)出力制御に関するリスク

我が国の電力市場においては、年間のうち電力需要が小さい時期・時間帯において、火力発電及びバイオマス発電の抑制、地域間連系線を活用した他エリアへの送電等を行い、それでもなお発電量が需要量を上回る場合には太陽光発電及び風力発電の制御が行われ、その次に水力発電の制御が行われます。なお、需給バランスの調整のための太陽光発電及び風力発電に関する出力制御は、2021年4月1日以降に新規に接続を申し込む事業について、全国で無制限・無補償ルールが適用されます。また、電力会社による系統工事等に伴い、上記出力制御とは別に計画停電がなされることがあります。2018年10月、国内で初めて九州本土で離島を除く広域での出力制御が実施されました。九州本土における出力制御は、現在も継続して実施されています。

当社は、出力制御の実施予測についてシミュレーション分析を行った上で事業化の可否を判断していますが、かかる分析の結果、事業化を断念せざるを得なくなった場合又は事業化に成功した場合であっても想定を上回る出力制御が実施されることにより想定した売電収入を得られなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)事業環境に関するリスク

太陽光発電事業は、FIT制度の導入によって大量の事業者が市場に参入しましたが、買取価格の段階的引き下げに伴い、事業者の淘汰が進んでいます。当社は、このような厳しい事業環境のなかでも従来どおり開発案件の増強に努めるため、全国各地の地方公共団体、地域金融機関、地元の建設会社等とのネットワークを活用し、効率的に開発案件を発掘する体制を構築していますが、今後は、平坦地で造成コストが低く、開発コストが相対的に安価となる土地を発掘・取得することが徐々に困難になる可能性が考えられ、開発に適した土地が入手できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、開発事業の他、事業拡大の手段として、他の発電事業者等から稼働済みの太陽光発電事業の事業譲受を進めています。事業譲受は、直ちに売電収入が望めるという利点があるものの、デューデリジェンスによる正確な収益評価が重要になります。そのため収益評価の正確性が不十分な場合は、当社が期待する収益が計上されずに当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)系統連系に関するリスク

FIT制度の導入により太陽光発電事業が急拡大し、一部の電力事業者において、太陽光発電所による電力供給が系統内の電力需要量を上回り電力設備・接続条件が上限に到達したために、系統連系への接続遅延及び接続見合わせが発生しています。当社グループが開発を予定している太陽光発電所について、当初のスケジュールでの系統連系への接続が行われずに遅延、保留が発生し、その影響を受けて売電開始時期が遅延した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8)事業計画認定に関するリスク

当社グループの再生可能エネルギー発電事業においては、FIT制度に基づいた「事業計画認定」を取得しています。しかし、FIT制度の規定に違反する等、認定された事業計画どおりに事業を実施していない場合や、認定時の基準に適合しなくなったと経済産業大臣が認めた場合には、当該認定は取り消されることがあります。当社グループとしては、発電を既に開始した発電設備の「事業計画認定」を取り消される可能性は相当程度限定的と考えていますが、取り消された場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)法令の遵守に関するリスク

当社グループは、事業運営において「建設業法」「建築基準法」「再エネ特措法」「電気事業法」「電気工事士法」「電気工事業の業務の適正化に関する法律」「宅地建物取引業法」等の法規制を受けており、特にEPC事業に関して特定建設業の許可を受けています。また、当社は、主に金融機関(以下「レンダー」といいます。)や機関投資家等の特定投資家(以下「投資家等」といいます。)に対する開発事業への匿名組合出資や集団投資スキームの私募の取扱業務等に関して、第二種金融商品取引業及び助言代理業の登録を受けており、「金融商品取引法」及び「犯罪収益移転防止法」を遵守する必要があります。当社は役職員の入社時及び継続的なコンプライアンス研修の実施により、役職員のコンプライアンス意識の強化・向上に努めていますが、役職員がその法令を十分に理解せずに業務を遂行した場合は、法令違反による罰則の対象となったり、許可・登録の取消等が行われたりすることで、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)自然災害・天候等に関するリスク

太陽光発電所をはじめとした再生可能エネルギー発電所は、山林を伐採し、造成を行い、適切な土地の形状にし、開発を行う場合があります。当社グループは、発電所開発時に詳細なデューデリジェンスを実施しておりますが、台風、豪雨あるいは地震といった自然災害が整地、造成された土地の崩落や太陽光発電所に設置された設備や機器の損傷、故障を引き起こし、期待された売電量を確保できずに当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

当社は開発の進捗に応じて開発報酬を売上計上しています。したがって、自然災害等により、開発進捗が遅延した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは太陽光発電所開発を全国で展開しており、局所的な自然災害等の影響を最小化できると考えていますが、過度の積雪や降灰といった自然災害だけでなく、天候不順により太陽光発電所のパフォーマンスが十分に発揮されない場合、火災や停電、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの感染等により、発電所設備や遠隔監視システム等が正常に稼働しなくなった場合のほか、感染症(新型コロナウイルス感染症を含む。)により社会機能の障害が発生した場合、戦争、武装紛争等の人的災害、送電障害等の主要な社会的インフラ障害等が発生した場合には、当社グループの発電所について適切な管理やメンテナンスができなかったり、長期間の操業停止や発電所設備の大規模な修繕が必要となったりすることで、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)特定事業への依存に関するリスク

当社グループは、再生可能エネルギー事業を主な事業とする単一セグメントであり、そのなかでも太陽光発電所の開発に経営資源を集中させています。今後は、例えば太陽光発電以外の再生可能エネルギー(風力発電やバイオマス発電)発電所の開発や、小売電気事業といった新たな事業を育成し、収益力の拡大とともに事業の分散を図ることを検討していますが、事業環境の変化により、太陽光発電所の開発事業が縮小しその変化へ適切な対応ができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(12)外注業者及び外注管理に関するリスク

再生可能エネルギー発電所の開発にあたり、測量や造成工事及びEPC工事等を外注業者に発注する場合があります。この場合、建築資材の価格や工事労務費の高騰により工事請負金額が上昇した場合には、開発コストが上昇する可能性があります。また、外注業者の信用情報の収集に努めていますが、外注業者が経営破綻した場合、工事遅延や請負契約の不履行等が発生する可能性があり、また、将来における外注業者が請け負うべき保証責任が履行されない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

外注業者への工事発注については、測量や造成工事及びEPC工事等、工事毎に直接見積取得を行っています。工事毎に見積もりを取得するのは、適正な競争が行われること、また各業者と直接交渉するため施工の信頼性や品質の確保等が期待できます。当社の施工業務には多数の外注業者が関わることになりますが、開発件数の増加や開発エリアの拡大に伴い外注業者を十分に確保できない場合、又は、外注業者の経営不振や繁忙等により工期が遅延した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(13)再生可能エネルギー発電所開発に際しての土地所有者や周辺住民との調整に関するリスク

再生可能エネルギー発電所の開発にあたっては、建設地の周辺環境に配慮し、関係する法律や自治体の条例等を遵守して開発計画を立案し、事前に土地所有者や周辺住民に対して説明会を実施しています。ただし、開発計画に対して土地所有者や周辺住民の理解が得られず調整が難航する場合があります。その場合、開発計画の変更、工事期間の延長、追加費用の発生等が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14)契約不適合責任に関するリスク

再生可能エネルギー発電所の開発において、当社がEPC工事を手掛ける場合、その工事請負契約において、目的物の契約不適合責任を負うことが定められています。当社は、これまでのEPC開発において得た知見の活用により契約不適合責任を負うことのないように努めておりますが、当該期間中に重大な契約不適合が認められた場合は、その修補を行う必要があるだけでなく、損害賠償金の支払いも求められる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15)重大事故の発生に関するリスク

当社は開発工事における安全対策や品質管理には万全を期していますが、人身や施工物に関わる重大な事故が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(16)訴訟等に関するリスク

当社グループは取引先等との紛争未然防止に努めていますが、何らかの理由により訴訟が発生する場合があります。例えば、開発工事にあたっては周辺環境への配慮を含めた安全対策や品質管理に努めていますが、訴訟により当社に損害賠償責任等が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(17)当社グループの業績に関するリスク

当社グループは、再生可能エネルギー発電所開発事業において、開発事業の進捗管理を徹底するなど発電開始時期の遅延が生じないよう努めております。EPC等工事請負においては、工事請負契約のうち、一定の期間にわたり履行義務が充足される契約については、履行義務の充足に係る進捗率を見積もり、当該進捗率に基づき一定期間にわたり収益を認識しております。このため、発電開始時期(引渡時期)の偏りや同時期が期末を超えて遅延した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

再生可能エネルギー発電所の取得においては、主に匿名組合出資を通じ、リスクを出資額に限定しながら再生可能エネルギー発電所の取得を行っており、取得した物件の売却の決済時に引渡しとともに売上高を計上していますが、取得した物件の売却が予定どおりに進まなかった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(18)開発プロセスの進捗に伴う開発報酬に関するリスク

当社グループにおける再生可能エネルギー発電所の開発事業においては、地権者との協定書締結、各種許認可取得、エンジニアリング、ファイナンスの組成、建設管理といったプロセスがあります。当社は、再生可能エネルギー発電所を所有するSPCに対して、再生可能エネルギー発電所設立に係る重要な許認可の取得、エンジニアリング、土地確保及びファイナンス関連契約の締結に係る開発支援等の業務を提供しており、開発支援に係る役務の提供完了をもって、SPCから開発報酬を受領する場合があります。開発報酬の計上金額は、各連結会計年度における新規発電所に係る開発支援業務完了の有無又はその規模・件数により変動します。そのため、開発報酬の計上の時期により売上収益及び利益は増減する傾向にあります。

当社は、開発段階におけるSPCに対する匿名組合出資持分が持分法適用会社である場合は、当該開発報酬は当社の未実現利益を控除した金額を売上計上します。開発報酬を計上したものの、開発報酬を受領する前に何らかの事由により開発が中止された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが推進する再生可能エネルギー発電所の開発スケジュールの遅延が生じた場合には、開発報酬の計上時期も遅延することとなり、当該連結会計年度における当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)発電所売却に係る収益構造と連結財務諸表における会計処理に関するリスク

当社グループの収益構造は、フロー型収益である開発報酬、EPC報酬及び発電所売却収入と、ストック型収益である売電収入等、AM報酬及びO&M報酬から成りますが、フロー収入を構成する合同会社による発電所の売却にあたっては、連結子会社である合同会社が保有する販売用発電所について設備売却を行う場合と当社が匿名組合出資持分の売却を行う2つの売却手法があります。匿名組合出資持分の売却は、当社が売主となり、投資家は、匿名組合出資持分を取得するとともに実質的に発電所を保有する合同会社を取得するという形態となります。この場合、合同会社が借入れた借入金や、その他合同会社が有する全ての債権債務や権利義務の全てを承継することになります。発電事業者は引き続き合同会社であるため、発電事業者としての経済産業省への登録変更手続きなどは生じませんが、一方、投資家におけるデューデリジェンスは、発電設備と合同会社の両方を実施することになり、投資家は、発電設備と合同会社の両方のリスクを負うことになります。設備売却は、合同会社が売主となり、投資家は、発電設備の購入資金を自ら調達し、発電事業者としての経済産業省への登録変更手続きなども必要になります。発電設備の購入は、合同会社が有する全ての債権債務等から切り離されますので、投資家は合同会社のリスクを負うことはありません。

連結子会社である合同会社が設備売却により発電所の売却を行う場合には、発電所の売却価額総額を売上計上し、発電所の簿価が売上原価として計上される一方、当社が売主として匿名組合出資持分の売却を行う場合には、当社の匿名組合出資持分部分のみが売却価額となり、また、売却価額と簿価の差額が売上高又は売上原価として計上されます。基本的には、いずれの会計処理方法によっても親会社株主に帰属する当期純利益には影響を及ぼしませんが、当社グループがいずれの売却手法を採るかは、投資家の判断にも拠るものであり、売却手法によって当社の連結財務諸表上の売上高に大きな差が生じます。当社グループの計画策定においては、原則として保守的に匿名組合出資持分の売却を所与として策定しておりますが、当初計画上見込んでいた売却手法と異なる売却方法を採った場合、当社グループの売上高は大きく変動する可能性があります。

 

(20)関係会社におけるスポンサーサポートに関するリスク

当社グループにおいて発電事業を運営するSPC各社は、発電所建設に際して、レンダーからの資金調達(借入金)を行います。SPCの業績悪化等、一定の条件が発生した場合には融資関連契約に従い、当社を含むSPCへの出資者はSPCに対するスポンサーサポート義務を負う場合があります。太陽光発電所に関してはプロジェクトファイナンスの組成実績が豊富であるため、一般的に融資関連契約に規定されるスポンサーサポートは他の再生可能エネルギー電源に比べると限定的となる傾向にあります。

当社グループの太陽光発電所を運営するSPC各社において、不測の事態により発電を行うことができない場合や、想定以上の悪天候が複数年連続した場合等、これらの要因により工事費の計画超過又は財務制限条項の指標の悪化等融資関連契約に定められた事象に該当したときは、当社はSPCの出資者として、一定の限度額内において追加出資等の義務を負う場合があります。また、当社が出資する太陽光発電以外のSPCにおいては、不測の事態により収益性が計画を大きく下回った場合等により、当社による追加出資が必要となる場合があります。これらの場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(21)東急不動産グループとの関係に関するリスク

①東急不動産グループとの資本的関係について

当連結会計年度末現在、東急不動産株式会社(以下「東急不動産」といいます。)は当社株式の16.38%(2023年12月31日時点)を保有しており、同社及び同社の100%親会社である東急不動産ホールディングス株式会社(以下「東急不動産ホールディングス」といいます。)は当社のその他の関係会社となります。当社と東急不動産グループとの間における主な取引は、東急不動産の保有する太陽光発電所のAM業務及びO&M業務の受託があります。

 東急不動産グループとの取引に当たっては、当社のガイドラインである「関連当事者取引ガイドライン」に則り、検討を経た上で適切に実施しております。

 

②東急不動産ホールディングス及び東急不動産の承認等について

 当社には東急不動産ホールディングス及び東急不動産の事前承認又は事前報告を必要とする取引や業務は存在しません。

 

③東急不動産の競合関係について

 東急不動産は再生可能エネルギー事業を行っており、当社グループとの間で開発用地取得や発電所の開発に際して競合関係が発生する可能性があります。また、稼働済みの発電所の取得の場面においても競合関係となる場合があります。そのため、当社グループが特定の事業候補地で事業開発を進めるにあたり、東急不動産が当該候補地を確保することや公募事業で東急不動産が採択される等により、当社グループの予定している開発を中止又は変更した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④東急不動産との取引関係について

当社と東急不動産は、2017年8月に再生可能エネルギー事業の共同推進を目的とし、資本業務提携契約を締結し、2023年9月に南欧地域における再生可能エネルギー事業の推進に係る協定を締結いたしました。当社グループは、再生可能エネルギー発電所の開発・運営に関する国内外の事業用SPCに対して東急不動産と共同出資しています。

また、同社又は同社が出資するSPC等との間に、発電所の売買契約、O&M契約及びPJM(プロジェクトマネジメント)契約等を締結する形で取引が発生しています。

上記のとおり当社グループは東急不動産ホールディングス及び東急不動産とは資本・業務上において密接な関係があり、今後とも東急不動産ホールディングス及び東急不動産とは良好な関係を継続する所存ですが、同社の事業戦略方針の転換等により、同社との関係に変化が生じる場合には、再生可能エネルギー発電所の開発・運営に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(22)海外からの調達に伴うリスク

当社は太陽光パネルを海外から調達していますが、海外の政治・経済の情勢等により、太陽光パネルの価格の高騰や供給停止等といった事象が発生する可能性があります。例えば太陽光パネルの主要な原材料である金属シリコンは世界シェアの約8割が中国で生産されていますが、米国の中国からの金属シリコンの輸入禁止措置により価格が高騰しており、太陽光パネルの価格も影響を受ける可能性があります。今後、太陽光パネルの価格上昇や供給停止等が発生しかつ代替品の確保が困難な状況等が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(23)半導体不足が太陽光発電事業に与える影響に関するリスク

当連結会計年度末現在、世界的に半導体不足が深刻化し太陽光発電事業にも影響が出始めており、今後、当社が調達している太陽光発電システムの主要部品であるパワーコンディショナー(発電した直流電力を交流電力に変換する機器)の生産遅延が発生する可能性があり、その動向は常に注視しておりますが、それにより開発中又は開発予定の太陽光発電所の工事が遅延する等の影響が出た場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(24)企業統治に関するリスク

当社グループは企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題の一つと位置付けており、内部監査室による内部監査の実施や監査役監査の実施等で適切な監査体制を維持・構築しております。一方、当社グループは、取締役会設置会社及び監査役会設置会社としてガバナンス体制を構築してから日が浅いことや、急速な事業拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、事業遂行に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(25)特定経営者への依存に関するリスク

代表取締役社長である眞邉勝仁は、再生可能エネルギー業界に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定、重要な取引先との交渉、利益計画の策定・推進等、会社運営の全てにおいて重要な役割を担っています。今後、エネルギー事業の専門家等優秀な人材の採用・育成等、同人に過度に依存しない経営体制の整備を進めてまいりますが、何らかの事情により、同人が離職した場合、又は十分な業務執行が困難となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(26)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化に関するリスク

当社グループは、役員、従業員及び取引先へのインセンティブ付与を目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」といいます。)を付与しており、発行済株式総数に対して2.26%(2023年12月31日時点)の潜在株式が存在しています。このストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、ストック・オプションの行使により発行された当社普通株式が株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(27)レピュテーションに関するリスク

再生可能エネルギー業界を対象とした否定的な内容の報道、インターネット上の掲示板への書き込み等がなされ、拡散した場合に顧客や市場関係者間の評判が悪化することにより、当社グループの業務遂行及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(28)情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、個人情報や取引先の機密情報を取り扱っています。これらの情報管理に万全を期するため、管理体制の構築、社内規程の整備、システム上のセキュリティ対策をはかるとともに、研修等により役職員の情報管理意識の向上に努めています。しかしながら、万一、当社グループの故意・過失、又は第三者のサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合、当社グループに対する損害賠償や信用力の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(29)人権問題に関するリスク

世界的な人権に対する配慮の高まりにより、当社グループだけでなくそのサプライチェーンでの人権問題にも配慮が求められており、当社グループは内規である「行動規範」に基づき、顧客のみならず、地域社会、国際社会等からの信頼と信用の下に成り立っている事を認識し、また、グローバルレベルで社会に対する責任を負っている事を認識し行動しておりますが、当社グループ又は当社グループと取引関係にあるサプライチェーンによる人権問題への取組みが不十分とみなされた場合、当社グループにおける社会的信用の毀損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(30)金利変動に関するリスク

当社グループは、レンダー及び投資家等から資金調達し事業運営に取り組んでいます。レンダー及び投資家等が国債等の市場金利を投資判断の指標としている場合に、金利水準が上昇し、再生可能エネルギー発電所への貸付及び投資から得られる利回りが相対的に低下すると、資金調達が困難になり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(31)インフレに伴うリスク

当社グループが保有する大部分の再生可能エネルギー発電所は、FIT制度に基づき、固定価格により一般送配電事業者又は小売電気事業者等に対し売電しております。売電価格は固定であるため、インフレに伴い、発電所の管理運営に係る費用が増大した場合、売電価格に転嫁できない構造となっております。インフレが進行し、費用増大が売電事業の採算を悪化させた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(32)為替変動によるリスク

当社は、当社が100%出資する海外子会社のRJ EURODEVELOPMENT, S.L.(以下「RJE」といいます。)を通じ、海外に所在する再生可能エネルギー発電所を開発・取得しております。また、所有している発電所が発電した電力を現地の需要家(電力会社等)に売電することで、売電収入を得ております。為替変動が生じた場合、RJE及びRJEを通じて出資した発電所の出資持分について、日本円における価値が変動することで、当社の純資産額が増減するほか、売電収入についても、日本円に換算した際に為替の影響を受けることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(33)資金繰りに関するリスク

開発事業において、レンダー及び投資家等から資金調達する前に発生する測量調査等の諸経費は、自己資金やコーポレートローン等により調達した資金で賄っています。自己資金あるいは当社の信用力に基づくコーポレートローンの資金調達ができず、資金繰りが困難となった場合、開発事業がスケジュールどおりに進捗せず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(34)有利子負債依存度に関するリスク

当社グループは、再生エネルギー発電所にかかる開発資金を、金融機関からの借入等により調達しています。最近2連結会計年度における、有利子負債残高、有利子負債依存度及び支払利息の推移は下表のとおりであります。

今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大から生み出される余剰資金及び財務活動による増資等により、有利子負債依存度の改善を進めるほか、プロジェクトボンドへの借換等を活用し、超長期で金利を固定化することにより、支払利息等の負担を軽減することで財務体質の強化に努める方針ですが、事業の拡大に伴い金融機関からの借入が増加し、金融情勢の変動により金利が大幅に上昇した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

前連結会計年度
(2022年12月31日)

当連結会計年度
(2023年12月31日)

有利子負債残高(百万円)

137,923

131,184

有利子負債依存度(%)

82.7

82.4

支払利息(百万円)

1,701

2,023

(注)1.有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定を含む。)、ノンリコース長期借入金(1年内返済予定を含む。)、社債(1年内償還予定を含む。)及びリース債務(1年内返済予定を含む。)の合計額です。

2.有利子負債依存度とは、総資産に占める有利子負債の比率です。

 

(35)棚卸資産の評価に関するリスク

当社グループは、売却前の太陽光発電所を棚卸資産として計上しており、これらの棚卸資産として計上している太陽光発電所に関して連結会計年度末に資産の評価を行いますが、その結果、収益性が低下していると判断される場合には当該資産について簿価の切下げを行うことがあります。簿価の切下げが行われ、その金額が大きい場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(36)配当政策に関するリスク

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けています。しかしながら、現在当社グループは成長拡大の過程にあると考えており、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保の充実を図り、財務体質の強化及び事業拡大に向けた投資に充当することで、さらなる事業拡大を実現することが株主に対する利益還元の最大化に繋がると考えており、設立以来無配となっています。将来的には、財政状態、経営成績、事業計画等を勘案しながら株主への利益還元策を決定していく方針ですが、現時点において、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定です。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループの事業において、国内開発事業については、自社開発及びセカンダリー双方で発電所の取得を進めた結果、稼働済み発電所の保有設備容量(設備容量に当社グループ持分割合を乗じたもの)は317.8MWとなりました。2023年8月、当社における海外3案件目となるキナノス太陽光発電所(スペイン王国、設備容量5.4MW)を、2023年9月には、東急不動産株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:星野 浩明、以下「東急不動産」)との共同出資により、マンサナレス太陽光発電所(スペイン王国、設備容量に当社グループ持分割合を乗じたもの13.9MW)を取得いたしました。2023年12月31日時点で当社が海外において保有する発電所は4件、設備容量(設備容量に当社グループ持分割合を乗じたもの)は49.1MWとなりました。

 これにより、当社グループが保有する稼働済み発電所のネット設備容量(設備容量に当社グループ持分割合を乗じたもの)は、2023年12月31日時点で合計366.9MWとなりました。

 2023年9月には、先述の通り、東急不動産と今後、数年を目途にスペインを中心にイタリアなど南欧地域で合計1GW(=1,000MW)の再生可能エネルギー発電所の開発および保有を目標として、共同出資に係る協定書を締結いたしました。本締結は、再生可能エネルギーの拡大という共通目標のもと、両社が蓄積した事業ノウハウを結集し、海外でも環境に配慮したエネルギー供給の促進に貢献することを目指すとともに、東急不動産の総合ディベロッパーとしてのリソースと当社の開発から運用・管理の一気通貫体制を組み合わせ、国際的な脱炭素社会の実現に貢献することを目的としたものです。

 2023年12月には当社グループが保有する太陽光発電所を計18物件約43.8MW(当社単体:15物件25.9MW、当社連結子会社:3物件17.9MW)を私募ファンドへ売却いたしました。

 また、2023年4月には、松川水力発電所(山形県米沢市、設備容量965kW、商業運転開始予定日2025年7月、以下、「本発電所」)の建設工事を開始いたしました。本発電所は当社がプロジェクト立ち上げから、水力発電所を開発する初めての案件となります。

 O&M事業については、外部からの受注を強化したことにより、他社からの受託が累計154件,設備容量1,233MW、総計は340件、設備容量1,921MWとなり、当社の開発事業及びO&M事業の拠点は全国30か所となりました。

 また2023年2月にO&M技術者教育制度「RJアカデミー」を開校いたしました。RJアカデミーとは、再生可能エネルギー発電所のO&M(保守管理業務)を担当する技術者の教育制度であり、当社に所属する技術者の更なる技術力向上を図るとともに、次世代の技術者の育成および我が国の再生可能エネルギー普及・拡大の課題である技術者不足解決を目的としております。

 

 当社グループは、今後も再生可能エネルギー事業の拡大を通じてCO2削減に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 これらの結果、当連結会計年度における売上高は33,604百万円(前期比89.7%増)、営業利益は3,591百万円(前期比178.5%増)、経常利益は2,028百万円(前期は1,360百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,088百万円(前期は1,526百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 なお、当社グループは、再生可能エネルギー事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は49,996百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,505百万円増加いたしました。主な増加要因は、販売用発電所の増加(10,449百万円)、営業投資有価証券の増加(5,012百万円)並びに現金及び預金の減少(△1,040百万円)です。固定資産は109,108百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,129百万円減少いたしました。主な減少要因は、機械装置及び運搬具の減少(△16,929百万円)並びに建設仮勘定の増加(5,416百万円)です。

 この結果、総資産は159,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,624百万円減少いたしました。

 

 

 

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は29,178百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,318百万円増加いたしました。主な増加要因は、短期借入金の増加(3,945百万円)並びに1年内償還予定の社債の増加(1,048百万円)です。固定負債は115,797百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,463百万円減少いたしました。主な減少要因は、ノンリコース長期借入金の減少(△8,803百万円)、長期借入金の減少(△2,633百万円)です。

 この結果、負債合計は144,975百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,145百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は14,129百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,520百万円増加いたしました。主な増加要因は、利益剰余金の増加(1,079百万円)、為替換算調整勘定の増加(314百万円)、非支配株主持分の増加(75百万円)です。

 この結果、自己資本比率は6.7%(前連結会計年度末は5.6%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,040百万円減少し、13,404百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,686百万円(前期比93.8%増)となりました。主な増加要因は、棚卸資産の増減額の減少(8,403百万円)、長期未払金の増減額の減少(△6,202百万円)です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は3,201百万円(前期比81.7%減)となりました。主な減少要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式等の取得による支出の減少(16,197百万円)、有形固定資産の取得による支出の増加(△5,156百万円)です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,468百万円(前期は財務活動の結果得られた資金は12,101百万円)となりました。主な減少要因は、長期借入れによる収入の減少(△45,365百万円)、長期借入金の返済による支出の減少(20,289百万円)です。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループで行う事業は、受注生産を行っていないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当社グループは、再生可能エネルギー事業の単一セグメントであり、フロー型収益、ストック型収益の当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

 

 

売上高

(百万円)

前期比

(%)

売上総利益

(百万円)

前期比

(%)

フロー型収益

17,175

778.4

3,122

221.3

ストック型収益

売電事業等

14,595

103.5

3,573

98.5

O&M事業

2,337

117.7

1,794

133.3

調整額

△504

88.3

△504

89.7

合計

33,604

189.7

7,986

137.1

(注)1.「フロー型収益」は、開発業務、EPC等工事請負、発電所売却および匿名組合出資持分売却による収益

     であります。

   2.「ストック型収益」は、売電事業、O&M事業、AM事業、匿名組合からの分配損益および地代等による収

     益であります。

   3.「調整額」は、O&M事業において連結子会社との取引消去されている収益であります。

   4.前連結会計年度においては、AM事業を独立掲記しておりましたが、当連結会計年度より、金額的重要

     性がないことから売電事業等に含めております。

   5.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下

     のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2022年1月1日

至  2022年12月31日)

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

合同会社RJソーラー3

-

-

15,656

46.6

東北電力ネットワーク株式会社

4,167

23.5

5,226

15.6

中部電力ミライズ株式会社

2,275

12.8

-

-

   6.前連結会計年度における合同会社RJソーラー3の販売実績はないため記載をしておりません。

   7.当連結会計年度における中部電力ミライズ株式会社の販売実績は総販売実績に対する割合が100分の

     10未満のため記載をしておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの財政状態の分析等は「第2 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
 

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ89.7%増加し、33,604百万円となりました。これは主に、販売用発電所の私募ファンド売却に伴う発電所売却収入の増加14,827百万円等によるものであります。当連結会計年度は安定的な積み上げが期待できる売電事業及び発電所運営管理事業からのストック収益と発電所の売却等のフロー収益の両立を確保できたことにより売上高が増加いたしました。

 

(売上原価・売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比べ115.4%増加し、25,618百万円となりました。これは主に、発電所売却原価の増加13,285百万円等によるものであります。

以上の結果、売上総利益は、前連結会計年度と比べ37.1%増加し、7,986百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ△3.1%減少し、4,394百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一時的に発生したTOB関連費用の内、外部報酬の減少320百万円等によるものであります。

以上の結果、営業利益は前連結会計年度と比べ178.5%増加し、3,591百万円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ175.7%増加し、849百万円となりました。これは主に、受取保険金の増加387百万円等によるものであります。また、営業外費用は、18.4%減少し、2,412百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に一時的に発生したTOB関連費用を含む資金調達に伴う支払手数料の減少827百万円等によるものであります。

以上の結果、経常利益2,028百万円(前連結会計年度は経常損失1,360百万円)となりました。

 

(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の特別利益は、事業整理損失引当金戻入益5百万円の計上により、5百万円となりました。特別損失は固定資産除却損の計上等により、54百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利1,088百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,526百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)

当社グループの財政状態の分析等は「第2 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
 

(資金の流動性に関する分析)

週次で代表取締役社長含め関係者集めた資金繰会議及び月次での資金計画等により資金管理に努めており、また、複数の金融機関と、当座貸越契約締結やコミットメントライン等の確保により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、再生可能エネルギー事業を展開しております。当社グループの経営成績に影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④経営戦略の現状と見通し

当社グループの収益構造は、安定的な積み上げが期待できる売電事業及び発電所運営管理事業からのストック収

益と、発電所の売却等のフロー収益から構成されております。

今後は、開発した発電所を自社保有して安定的な売電収入を得ることに加え、発電所の一部を私募ファンド等に売却することでバランスシートをコントロールしつつ、その売却収入を再投資資金として新たな開発を行う循環モデルにより成長を加速させてまいります。加えて、売却先ファンドのAM業務や、O&M業務を受託することで、安定的なストック収益を確保していきます。また、O&M事業については、外部受注の拡大を進め、更なる成長を目指してまいります。
 

⑤経営上の目標及び達成状況の分析

当社グループは、多額の設備投資を必要とする発電事業の割合が高まっており、減価償却費等の割合が大きくなっております。減価償却費等の一過性の償却負担に過度に左右されることなく、株式価値の向上を目指すことが重要と認識していることから、EBITDAを目標とする経営指標としております。

当連結会計年度においては、発電所の運転開始及び新規取得に伴う、売上高及び減価償却費の増加等により前連結会計年度に比べ69%増加し、EBITDAは12,843百万円となりました。

今後もフロー型収益とストック型収益のバランスを取りながら、安定的なEBITDAの拡大を目指してまいります。
(注)EBITDA=経常利益+支払利息+支払手数料+減価償却費+のれん償却額+その他償却(EBITDAは、会計監査又は四半期レビューを受けておりません)

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めておりますが、直近の太陽光発電事業に対するビジネス環境の変化に鑑みますと、当社グループを取り巻く事業環境は、厳しさを増すことが予想されております。具体的には「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑦重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

資本業務提携契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の所在地

契約締結日

契約期間

契約内容

リニューアブル・ジャパン株式会社(当社)

東急不動産株式会社

東京都渋谷区

2017年8月10日

2017年8月10日より3年間

以後、1年毎の自動更新

再生可能エネルギー発電事業の共同推進

リニューアブル・ジャパン株式会社(当社)

東急不動産株式会社

東京都渋谷区

2019年3月29日

同上

再生可能エネルギー事業の領域において業務提携の強化(上記変更契約)

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。