当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、自らの付加価値の向上と創造的変革に挑戦し、世の中の様々な課題に対し、サービス提供者として、最良のソリューションを提供することにより、社会に必要とされる企業となるとともに、ステークホルダーに満足を提供できる企業となることを目指してまいります。具体的には、「不動産事業」「スポーツ事業」「Web事業」「太陽光事業」「環境ソリューション事業」の5つの事業を展開し、新たな付加価値創造を図ることにより、企業価値の向上を目指しております。なお、今後は「環境ソリューション事業」を戦略的事業分野と位置付け、重点的に経営資源を配分することにより、売上高利益率及び中期成長率の向上を図ってまいります。本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(2)経営戦略等
(全般)
不動産事業においては、不動産や太陽光発電施設などの事業用資産の所有者や取得希望者に対して、直接金融の手法による資金調達について助言を行うことを試みてまいりましたが、今後は産業廃棄物中間処理施設の運営会社に対して、セール&リースバックを主軸とした資金調達に関する助言業務を提供することを予定しております。
スポーツ事業に関しては、当面、現行のフットサル施設運営事業での収益拡大を図るとともに健康増進事業として新たな収益源の確保を目指します。
Web事業では、従来の動画広告営業に加えて、今後当社グループが注力する環境ソリューション事業及び上記に記載した産業廃棄物処理業者に対する金融サービス事業と連携し、インターネット広告の分野で新たな事業及び収益源の確保を目指しておりましたが、当社グループの経営資源の選択と集中の観点から、2023年6月30日開催の取締役会において第3四半期連結会計期間の期首(2023年7月1日)より、Web事業を休止することを決議いたしました。
太陽光事業については、今後、二酸化炭素排出権取引が拡大することを見据え、太陽光発電施設取引仲介に加えて、当社グループの利益成長に伴う手元資金を活用し、太陽光発電施設を取得し保有することを検討しております。
環境ソリューション事業については、M&Aによる成長戦略を基本方針とし、2022年9月に取得した安定型最終処分場に加えて、産業廃棄物中間処理施設運営会社、最終処分場運営会社を取得し業容の拡大を図ります。
(人的資源の充実)
人的資源の充実は、中長期的成長を達成するための最重要課題であるとの認識の下、各事業において人材の充実を図るため、専門性の高い人材を採用するほか、教育、トレーニングを行い、顧客満足度の高い人材を育成してまいります。
(商品ブランド、企業ブランドの確立)
当社グループが提供するサービスでは、顧客に安心感を与え信頼できる内容のサービスを提供することで、商品ブランド・企業ブランドの構築を進めてまいります。
(3)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の持ち直しの動きが期待されておりますが、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想されます。
このような環境の中、当社グループにおいては、今後も成長性が期待される「環境ソリューション事業」に経営資源を注力してまいります。
また、「スポーツ事業」に関しましては、ジュニア層を中心にスクール事業における新規顧客獲得に努め、安定的な収益の維持を図ってまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、前連結会計年度において、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しておりました。当連結会計年度においては、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、今後の当社の売上及び利益の見通しについて不確実性が存在することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が引き続き存在しているものと認識しております。
当社グループは、当該状況を解消すべく、「3 事業等のリスク(10) 重要事象等について」に記載のとおり、施策を着実に実行することにより、当社グループの経営基盤の強化を図ってまいりますが、当該施策において最も重要である各事業における収益基盤の強化は外部要因に大きく依存することから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、以下を重要な指標として中期的な目標としております。
①営業利益率・・・・20%(当期実績 △159.5%)
②ROE ・・・・・・・8%(当期実績 △83.8%)
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する情報は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは、経営理念である「Link to the future~未来へつなぐ 新たな創造を~」に基づき、以下のとおり「持続可能な循環型社会」の実現を目指しております。
①SDGsとして掲げられた17の目標のうち、「11.住み続けられるまちづくりを」、「13.気候変動に具体的な対策を」、「15.陸の豊かさ守ろう」等の目標への取組みを図るべく、環境ソリューション事業、太陽光事業等からなる「環境関連事業」を主とし、クリーンエネルギーの拡大及び環境に配慮した廃棄物処理を追求することを目指しております。
②SDGsの目標のうち、「3.すべての人に健康と福祉を」、「4.質の高い教育をみんなに」への取組みを図るべく、スポーツ施設(フットサル施設2か所)の運営を通じて、地域の皆様の健康増進とスポーツを通じた青少年の育成を追求することを目指しております。
(2)取組
①サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス体制
当社グループは、サステナビリティに関連した重要な戦略や新たな施策について、管理本部が抽出したリスクとその対応策をコンプライアンス委員会及び取締役会に上程し、コンプライアンス委員会の審理及び意見聴取を経た上で取締役会にて決定する体制としております。
②人的資本に関する戦略
当社グループは、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備を、当社の中長期的な企業価値向上のための重要な要素であると考えており、人材の多様性の確保の観点から、性別、国籍、新卒・中途採用の区別なく、能力・成果に応じた登用を行うこと、また資質の向上を図るべく役職員を対象とした研修及び面談を定期的に実施することを基本方針としております。
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・評価・管理するために、該当する重要な戦略や新たな施策については、そのリスクとその対応策を管理本部にて抽出の上、コンプライアンス委員会の審理、意見聴取を踏まえた上で取締役会にて決定する管理プロセスを採用しております。加えて、当該決定後の進捗については、定期的にコンプライアンス委員会及び取締役会の報告事項とする体制の整備を進めております。
④指標及び目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)不動産事業について
当社グループの不動産事業においては、不動産や太陽光発電施設などの事業用資産の所有者等に対する資金調達に関する助言を行い、収益化を図る方針です。ただし、当該事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、将来の事業環境の変化等により、当該事業の売上が当社グループの目論見どおりに推移せず、当該事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)Web事業について
当社グループのWeb事業においては、インターネット広告市場の動向に左右される側面があります。インターネット広告市場は、テレビに次ぐ広告媒体として成長しており、今後もその市場規模は拡大すると期待されております。しかしながら、インターネット広告市場は、企業収益や景気の動向に影響を受けるほか、他の広告媒体との競争も激化する見込みであることから、これらの状況に変化が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの経営資源の選択と集中の観点から、2023年6月30日開催の取締役会において第3四半期連結会計期間の期首(2023年7月1日)より、Web事業を休止することを決議いたしました。
(3)スポーツ事業について
当社グループのスポーツ事業においては、2ヶ所のフットサル施設を運営しております。フットサル施設の運営は、フットサル競技人口の増減、周辺施設の開設・閉鎖の状況に影響を受けます。フットサル競技人口は増加傾向にありますが、当社グループが運営する施設の近隣に新たにフットサル施設が開設される場合には、当社グループの業績等に悪影響を与える可能性があります。
(4)太陽光事業について
当社グループの太陽光事業においては、太陽光発電施設売電事業に関し経済産業省が特別措置法に基づき定めるFIT制度(固定価格買取制度)にかかる許認可の全部又は一部が受けられない、あるいは取消等を受ける可能性があります。
(5)環境ソリューション事業について
① 法的規制について
当社グループでは環境ソリューション事業として廃棄物(産業廃棄物)処理事業を行っており、当該事業は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、「廃掃法」といいます。)」及びその関連法令等により規制されております。廃棄物処理業は許可制であり、当該業務を行うに際しては各都道府県知事または政令市長の許可を要する旨規定されています。当社グループは、廃掃法に基づき廃棄物の処理を行うために必要な許可を取得していますが、万一廃掃法に違反し、当該業務に関する営業の全部または一部の停止や許可の取消し等の行政処分を受けた場合には当社グループの事業や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 廃棄物処理業の更新及び取得について
廃掃法では、産業廃棄物処理業許可の有効期間は5年間とされており、当該有効期間を超えて事業を継続するには許可を更新する必要があります。また、当社グループが環境ソリューション事業を新たに展開するにあたり、事業範囲の変更許可あるいは事業許可の新規取得が必要となる場合には廃掃法に規定された基準に適合している必要があります。
現時点において当社グループは当該基準に適合しておりますが、今後の許可の更新あるいは新規許可取得時において当該グループが当該基準に不適合と見做された場合に更新や新規許可取得が認められないことがあり、当社グループの事業や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ 環境汚染に関するリスク
当社グループが運営する最終処分場においては、廃掃法や行政による規定に則り廃棄物の受入搬入時の検査、施設の点検、定期的な水質検査等の実施により周辺環境への影響を監視しておりますが、万一、大規模な自然災害や不測の事故等により環境汚染が生じることとなれば当社グループの事業や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 労働災害のリスク
当社グループが運営する最終処分場においては、大型の収集運搬車による搬入や重機を使用した作業を行っていることから、従業員への安全教育や施設内での安全管理等の事故防止対策を徹底しておりますが、万一重大な事故や労働災害が発生した場合には復旧費用や補償金等の負担が生じ、当社グループの事業や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ M&Aに関するリスク
当社グループでは、環境ソリューション事業の拡大のために必要に応じてM&Aによる既存事業の買収を行ってまいります。M&Aに際しては十分な市場調査と慎重なデューデリジェンスを行った上で実施してまいりますが、買収後に市場環境の変化や競合の激化等により当初想定した収益が得られないことや想定外の追加費用が生じることにより、当社グループの事業や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報保護等について
当社グループは、不動産購入顧客及び購入検討顧客など、多くの個人情報を保有しております。これら情報の取り扱いについては、社内ルールを設けるとともに、セキュリティポリシーを順次整備しながら、その管理を徹底し万全を期しておりますが、外部からの不正アクセスや犯罪行為などの不測事態により個人情報が外部に漏洩した場合、社会的信用を失うとともに、企業イメージを損ない、売上の減少、損害賠償の発生など当社グループの業績等に悪影響を与える可能性があります。
(7)法規制について
当社グループは、(5)①に記載の廃掃法に加えて、不動産事業において宅地建物取引業法、建物の区分所有等に関する法律、建築基準法、都市計画法等の法的規制を受けるほか、会社法、金融商品取引法、法人税法、独占禁止法など、様々な法的規制を受けており、社会情勢の変化により、改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(8)重要な訴訟等について
当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で取引先等から訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。また、それらの訴訟等で当社が勝訴するという保証はなく、それらの訴訟等が当社グループの将来的な事業活動に悪影響を与える可能性があることは否定できません。そのような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 当社は、当社元子会社である株式会社シナジー・コンサルティング(以下、「シナジー社」といいます。)の顧客(個人1名、以下、「相手方」といいます。)より、2021年2月10日付にて損害賠償請求訴訟(以下、「本訴」といいます。)を提起され、東京地方裁判所に係属中でありましたが、相手方が本訴における訴額について請求の拡張を申立て、当社は2021年8月26日付にて請求の拡張申立書を受領いたしました。
本訴は、相手方が過去にシナジー社と行った取引について、シナジー社、シナジー社代表取締役及び当社元代表取締役に対して、民法第709条等に基づき損害賠償を求めるとともに、当社に対して会社法第350条に基づく損害賠償を求め、訴訟提起を行ったものであります。当社に対する訴訟提起時の訴額は160万円であり、請求拡張後の訴額は1億2,431万2,773円であります。
当社では、相手方の主張は根拠のないものであり、当社が損害賠償責任を負う理由はないと考えております。既に、当社の正当性を主張して争っており、今後もその方針を継続してまいりますが、万が一当社グループの主張の一部又は全部が認められなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、本訴は、2024年3月5日付で和解が成立しております。和解内容は、当社が相手方に対して解決金として200万円を支払い、相手方は当社に対して当該解決金以外の一切の請求を放棄するというものであります。
② 当社の連結子会社である株式会社ジェイクレスト(以下、「ジェイクレスト社」といいます。)及び同社の子会社であるエイチビー株式会社(以下、「エイチビー社」といいます。)は、2023年7月12日付で岡山地方裁判所において訴訟(以下、「本訴」といいます。)の提起を受けました。
当社の連結子会社であるジェイクレスト社は、2022年9月29日付で、エイチビー社の発行済株式の全てを取得し、同社を完全子会社といたしました。本訴は、エイチビー社株式(以下、「本件株式」といいます。)の前々所有者の債権者と称する者(以下、「原告」といいます。)が、前々所有者に対する貸金請求に併せて、本件株式にかかる株主の地位確認等を請求するものであります。
原告は本件株式の前々所有者に対する金銭債権を原因に本件株式にかかる株主の地位を主張しているようでありますが、ジェイクレスト社及びエイチビー社としては、本件株式取得以降、原告からは何らの連絡も受けておらず、その真偽、事実関係について不明であります。ジェイクレスト社及びエイチビー社といたしましては、本件株式取得の正当性を主張して争っており、今後もその方針を継続してまいります。なお現時点では、将来発生した場合の債務の金額を合理的に見積もることができないため、当該偶発事象に係る損失について引当金は計上しておりません。
(9)重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しておりました。当連結会計年度においては、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、今後の当社の売上及び利益の見通しについて不確実性が存在することから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が引き続き存在しているものと認識しております。
当社グループは、こうした状況を解消するため、以下の施策を着実に実行してまいります。
①収益基盤の強化
<スポーツ事業>
スポーツ事業に関しましては、東山田店及びつかしん店ともに、顧客ニーズに即した施設の修繕等を行うとともに、顧客満足度の高いイベントを企画することにより集客増加を図ってまいります。
<不動産事業>
不動産事業に関しましては、当社連結子会社である株式会社ジェイリードパートナーズにおいて、産業廃棄物中間処理施設の運営会社に対して、セール&リースバックを主軸とした資金調達に関する助言業務を実施し、収益化を図ってまいります。
<Web事業>
当社100%子会社である株式会社アセット・ジーニアスが展開するWeb事業については、従来の動画広告営業に加えて、今後当社グループが注力する環境ソリューション事業及び産業廃棄物処理業者に対する金融サービス事業と連携し、インターネット広告の分野で新たな事業及び収益源を確保すべく試行してまいりました。しかしながら、第2四半期連結累計期間においても売上高を計上できず、営業損失を計上したことから、当社グループの経営資源の選択と集中の観点から、2023年6月30日開催の取締役会において2023年7月1日付でWeb事業を休止することといたしました。これにより、当社グループ全体としての損益改善を進めてまいります。
<太陽光事業>
太陽光事業に関しましては、今後、二酸化炭素排出権取引が拡大することを見据え、太陽光発電施設取引仲介に加えて、当社グループの利益成長に伴う手元資金を活用し、太陽光発電施設を取得し保有することにより売電収入を得ることを目指します。
<環境ソリューション事業>
当社連結子会社である株式会社ジェイクレストが2022年9月29日付で安定型最終処分場を運営するエイチビー株式会社の全株式を取得し、同年11月より当社グループの新規事業として環境ソリューション事業を開始することといたしました。同事業では、M&Aによる成長戦略を基本方針とし、同社に加えて、産業廃棄物中間処理施設運営会社、最終処分場運営会社を取得し業容の拡大を図ります。
②コスト削減
各部門の仕入原価、販売費及び一般管理費の見直しを引き続き継続するとともに、本社費の削減に取り組むことで、全社の利益率の向上に努めてまいります。
③財務基盤の強化と安定
当社は、財務基盤の強化と安定を図るため、第29期連結会計年度において第三者割当による新株及び新株予約権の発行により資金調達を行い、債務超過を解消いたしました。また、新株予約権の発行及び行使により前連結会計年度においては523,875千円、新株予約権の行使により当連結会計年度においては99,900千円の資金調達を行いました。今後、新株予約権の行使が進んだ場合には、さらに財務基盤が強化されることとなります。
また、上記の施策を着実に実行することにより、当社グループの経営基盤の強化を図ってまいりますが、当該施策において最も重要である各事業における収益基盤の強化は外部要因に大きく依存することから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策の継続などにより、企業収益や雇用環境について回復基調が見られるものの、円安傾向の進行による燃料価格及び原材料価格の高騰等により、当社グループが関連する業界等におきましても、先行きが不透明な状況は依然として続いております。
こうした環境下、当社グループは、
・ フットサル施設の運営及び当該施設を活用した事業を行う「スポーツ事業」
・ 不動産や太陽光発電施設などの事業用資産の所有者等に対する資金調達に関する助言を行い、収益化を図っている「不動産事業」
・ デジタル・マーケティング業務として動画広告営業を行っている「Web事業」
・ 太陽光発電施設の仕入、販売及び仲介事業を行う「太陽光事業」
・ 産業廃棄物処理施設の管理、運営等を行う「環境ソリューション事業」
の5つの事業を展開してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は331,097千円(前期比35.8%減)、負債合計48,649千円(前期比33.9%増)、純資産合計282,447千円(前期比41.1%減)、自己資本比率は77.5%となりました。
ロ 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高175,433千円(前期比56.9%増)、営業損失279,841千円(前期は201,040千円の営業損失)、経常損失279,261千円(前期は205,559千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失296,785千円(前期は270,200千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(スポーツ事業)
つかしん店(兵庫県)では、天候不順等による週末のフットサルイベントの中止が頻発したことなどから減収減益となりました。また、東山田店(神奈川県)では、個人を対象としたフットサルイベントの開催に注力したものの、施設の改善にかかる修繕費用の負担があったことから増収減益となりました。
その結果、売上高は111,013千円(前期比1.1%増)、営業利益は28,927千円(前期比9.6%減)となりました。
(不動産事業)
不動産や太陽光発電施設などの事業用資産の所有者等に対する資金調達に関する助言を行い、収益化を図る方針でしたが、当連結会計年度で売上高は計上されておらず、販売費及び一般管理費の負担があるため、営業損失は8,838千円(前期は7,936千円の営業損失)となりました。
(Web事業)
Web関連事業に関しましては、2023年6月末までに売上高が計上できず、2023年7月1日より事業を休止していることから当連結会計年度で売上高は計上されず(前期は2,000千円の売上高)、販売費及び一般管理費の負担があるため、営業損失は9,567千円(前期は9,094千円の営業損失)となりました。
(太陽光事業)
太陽光事業に関しましては、2020年10月1日より新規事業として販売用太陽光発電施設の仕入・販売・仲介事業を開始しました。当連結会計年度においては、太陽光発電施設の仕入・販売・仲介の実績がなかったため、売上高は計上されず(前期売上高は-千円)、営業損失は18,297千円(前期は9,994千円の営業損失)となりました。
(環境ソリューション事業)
当社連結子会社である株式会社ジェイクレストが2022年9月29日付で安定型最終処分場を運営するエイチビー株式会社の全株式を取得し、同社を子会社化いたしました。これにより、当社グループは新規事業として「環境ソリューション事業」を開始することといたしました。当連結会計年度においては、2023年3月17日より産業廃棄物の受入を開始したことにより売上高は64,420千円(前期売上高は-千円)となりましたが、開業準備費用及びのれん償却額の負担があるため、営業損失は108,337千円(前期は38,384千円の営業損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,926千円減少し、23,764千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
営業活動による資金の減少は198,038千円(前期は144,985千円の支出)、投資活動による資金の減少は2,165千円(前期は339,816千円の支出)、財務活動による資金の増加は99,276千円(前期は523,823千円の収入)となりました。
③仕入、受注及び販売の実績
イ 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
不動産事業 |
― |
― |
|
合計 |
― |
― |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.当連結会計年度において、不動産事業の仕入実績はありません。
ロ 受注実績
該当事項はありません。
ハ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
スポーツ事業 |
111,013 |
1.1 |
|
不動産事業 |
― |
― |
|
Web事業 |
― |
― |
|
太陽光事業 |
― |
― |
|
環境ソリューション事業 |
64,420 |
― |
|
合計 |
175,433 |
56.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度において、不動産事業、Web事業、太陽光事業の販売実績はありません。なお、2023年7月1日よりWeb事業は事業を休止しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
一般社団法人F・マリノススポーツクラブ(注) |
20,452 |
18.3 |
20,400 |
11.6 |
|
株式会社姫路環境開発 |
― |
― |
47,008 |
26.8 |
(注)2023年3月31日付契約上の地位承継の覚書により、契約当事者が横浜マリノス株式会社から一般社団法人F・マリノススポーツクラブに2023年3月31日付で移転しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、売上高175,433千円(前期比56.9%増)、営業損失279,841千円(前期は201,040千円の営業損失)、経常損失279,261千円(前期は205,559千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失296,785千円(前期は270,200千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(スポーツ事業)
つかしん店(兵庫県)では、天候不順等による週末のフットサルイベントの中止が頻発したことなどから減収減益となりました。また、東山田店(神奈川県)では、個人を対象としたフットサルイベントの開催に注力したものの、施設の改善にかかる修繕費用の負担があったことから増収減益となりました。
その結果、売上高は111,013千円(前期比1.1%増)、営業利益は28,927千円(前期比9.6%減)となりました。
(不動産事業)
不動産や太陽光発電施設などの事業用資産の所有者等に対する資金調達に関する助言を行い、収益化を図る方針でしたが、当連結会計年度で売上高は計上されておらず、販売費及び一般管理費の負担があるため、営業損失は8,838千円(前期は7,936千円の営業損失)となりました。
(Web事業)
Web関連事業に関しましては、2023年6月末までに売上高が計上できず、2023年7月1日より事業を休止していることから当連結会計年度で売上高は計上されず(前期は2,000千円の売上高)、販売費及び一般管理費の負担があるため、営業損失は9,567千円(前期は9,094千円の営業損失)となりました。
(太陽光事業)
太陽光事業に関しましては、2020年10月1日より新規事業として販売用太陽光発電施設の仕入・販売・仲介事業を開始しました。当連結会計年度においては、太陽光発電施設の仕入・販売・仲介の実績がなかったため、売上高は計上されず(前期売上高は-千円)、営業損失は18,297千円(前期は9,994千円の営業損失)となりました。
(環境ソリューション事業)
当社連結子会社である株式会社ジェイクレストが2022年9月29日付で安定型最終処分場を運営するエイチビー株式会社の全株式を取得し、同社を子会社化いたしました。これにより、当社グループは新規事業として「環境ソリューション事業」を開始することといたしました。当連結会計年度においては、2023年3月17日より産業廃棄物の受入を開始したことにより売上高は64,420千円(前期売上高は-千円)となりましたが、開業準備費用及びのれん償却額の負担があるため、営業損失は108,337千円(前期は38,384千円の営業損失)となりました。
ロ 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は331,097千円となり、前連結会計年度末に比べ184,570千円減少いたしました。その主な要因は、現金及び預金が100,926千円減少、売掛金が23,657千円増加、のれんが106,865千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は48,649千円となり、前連結会計年度末に比べ12,314千円増加いたしました。その主な要因は、未払消費税等が3,433千円増加、最終処分場維持管理引当金が5,576千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は282,447千円となり、前連結会計年度末に比べ196,885千円減少し、自己資本比率は77.5%となりました。その要因は、新株予約権の権利行使により資本金が50,699千円、資本準備金が50,699千円増加したこと、2023年5月31日付で減資の効力が発生し資本金が261,852千円及び資本準備金が78,220千円それぞれ減少し、利益剰余金が339,323千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が296,785千円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ100,926千円減少し、23,764千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は198,038千円(前期は144,985千円の支出)となりました。主な要因としては、税金等調整前当期純損失294,721千円に減価償却費8,318千円、のれん償却額106,865千円、減損損失118千円等を加味した上で、訴訟損失引当金繰入額20,000千円、売上債権の増加23,657千円、和解金の支払額20,000千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,165千円(前期は339,816千円の支出)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出6,430千円、投資有価証券の清算による収入4,314千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は99,276千円(前期は523,823千円の収入)となりました。主な要因としては、新株予約権の行使による株式の発行による収入99,900千円があったことによるものであります。
ロ 資金需要と調達
当社グループの資金需要のうち主なものは、太陽光施設等の購入代金及び販売費及び一般管理費の営業費用であります。営業費用のうち主なものは、人件費、地代家賃であります。
当連結会計年度において、金融機関等からの資金調達は実施しておりません。今後は営業活動によるキャッシュ・フローの増加を図ってまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
スポーツ事業に関する契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約期間 |
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株式会社ジェイスポーツ (連結子会社) |
一般社団法人F・マリノススポーツクラブ (注) |
(施設利用に関する契約) 当社が所有するフットサルコート施設1店舗の施設利用許諾に関する契約であります。 |
2024年3月31日を終期とする1年契約 (自動更新) |
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株式会社ジェイスポーツ (連結子会社) |
東急スポーツシステム株式会社 |
(施設利用に関する契約) 当社が所有するフットサルコート施設1店舗の施設利用許諾に関する契約であります。 |
2026年3月31日を終期とする2年契約 |
(注)2023年3月31日付契約上の地位承継の覚書により、契約当事者が横浜マリノス株式会社から一般社団法人F・マリノススポーツクラブに2023年3月31日付で移転しております。
環境ソリューション事業に関する契約
環境ソリューション事業(産業廃棄物処理施設運営事業)を行う当社連結子会社であるエイチビー株式会社が運営する産業廃物最終処分場「ジェイ・グリーンヒルズ倉敷」において産業廃棄物の受入を行うに先立ち、業法にて定められた産業廃棄物処分委託契約(以下、「本契約」といいます。)を産業廃棄物処理事業者との間で締結いたしました。
①本契約締結の目的
産業廃棄物処理事業の業法である「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、「廃掃法」といいます。)では、事業者が他社に廃棄物の処理を委託する場合に法定事項を記載した処分委託契約の締結が定められていることから(廃掃法第12条)、エイチビー社が産業廃棄物の受入を行うに先立ち本契約を締結したものであります。
②本契約の概要
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契約締結の相手方 |
産業廃棄物処理事業者11社でありますが、名称等につきましては、契約上の守秘義務により非開示とさせて頂きます。 |
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契約締結日 |
2023年3月1日から同年3月6日の期間で4社と契約を締結 2023年4月3日から同年6月19日の期間で7社と契約を締結 |
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契約期間 |
契約締結日から1年間 |
該当事項はありません。