文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、ミッション「世界と自分をワクワクさせろ」の達成及び持続的な企業成長を果たすために、ゲーム事業を中心に成長路線を継続し、グローバルに展開するエンタテインメント企業として“KLabブランド”を確立することを経営方針としています。
当社グループでは、既存タイトルの長期的な安定運用をベースに新規ゲームタイトルを上積みすることで収益を拡大させること及びそのための機動的な投資戦略を実現させる安定した財務基盤の構築が、経営の最重要課題だと認識しております。こうした観点から、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益の経営指標を重視しております。
当社グループが事業を展開するオンラインゲーム市場においては、近年、世界的な通信網の整備やスマートフォンの普及に加え、商圏のボーダーレス化により、市場のすそ野はグローバルに拡大してまいりました。これに伴い、競合企業は国内のみならず、全世界のゲーム企業へと広まっております。さらに、市場競争力のあるゲームに求められる品質の高まりに伴い、開発期間が長期化しているほか、高度化及び多様化する開発に対応しうる人材の育成及び確保のための投資も必要なことから、1タイトルあたりの開発コストも増加傾向にあり、事業環境は厳しさをいっそう増しております。
市場概況につきましては、マーケットの成長が成熟期を迎えている国や地域もある一方で、世界のゲームプレイヤー人口は引き続き増加傾向にあることから、モバイルオンラインゲームを含む娯楽コンテンツは今後も幅広い客層において高いニーズを維持すると考えられます。よって当社グループが一段と飛躍していくための機会は十分あると認識しており、当社グループは引き続き、良質なモバイルオンラインゲームコンテンツをグローバルに提供することで事業を拡大させてまいります。
当社グループは、多くのファンを有する人気のIPを活用してモバイルオンラインゲームを開発し、それをグローバルで展開することを事業の主軸としております。また、これらをより長期で安定的に運用することで、持続的な事業成長を果たしてまいりました。上述の通り経営環境は激化しておりますが、当社が今後も中長期で持続的に事業成長を果たしていくために、中期経営計画を策定し、以下の4つの基本戦略に基づいて収益基盤の強化と新たな成長ドライバーとなるタイトルの創出の実現に注力してまいります。
<基本戦略>(※2023年2月公表版)
① 既存タイトルの安定運用で利益を積み上げる
・ 運営努力による減衰の抑制、配信エリアの拡大やマネタイズ手法の追加等により
トップラインの維持に努める
・ 開発・運営の効率化によりコストを圧縮、利益を確保
② 新規タイトルのヒットで売上・利益を積み上げる
・ 高い人気と熱量を有しているIPを獲得し、グローバルで配信
・ 得意ジャンルに絞り、当社の強みを活かしたゲームを開発
・ 実績のある外部開発会社との取り組みを増やすことで、パイプラインを増やす
③ 従来のゲーム開発・運営以外の収益源を確保する
・ カジュアルゲームや支援モデルで従来のゲーム以外でも収益を獲得
・ ゲーム事業とシナジーのある周辺事業を模索
④ ブロックチェーン関連事業への参入
・ これまでのモバイルオンラインゲーム事業にて培った知見を活かし、
IPを活用したブロックチェーンゲーム等を開発
当社グループが現時点で認識している課題は、以下のとおりです。
当社グループの企業価値向上のためには、今後リリースする新作タイトルのヒット率を上げ、収益を拡大させることが重要であると認識しています。
そのため、まずはグローバルで人気のあるIPを用いたゲームをグローバルに展開することで、より多くのユーザーを獲得することを前提とし、戦略的に大型IPのプロジェクトに取り組んでおります。
また、開発ジャンルを当社が得意なアクションRPG及びスポーツシミュレーションに絞り、これまでの開発及び運営を通じて蓄積した知見を用いてゲームを開発することで、ヒット率の向上を図っております。
さらに、ゲームの開発過程においては、早い段階からのゲームレビューを繰り返し実施することでクオリティの向上に努めるほか、ヒットの可能性が低いと判断したゲームは開発を中止し、ヒットの可能性が高いタイトルへ開発リソースを集中させるなど、経営判断を迅速かつ柔軟に行うことで、更なるヒット率の向上を目指します。
新作タイトルの開発期間が長期化しているため、企業が継続して成長していくためには、既存タイトルの減衰を小幅に留め、長期的な運用を実現することが不可欠となります。ユーザーに長きに渡って楽しんで頂くために、ゲームのアップデートなど新しい価値を提供し、減衰率の低減を目指してまいります。
また、1タイトル当たりの売上をより一層拡大させていくためには、海外での収益獲得も重要な課題の一つであると認識しています。主要な欧米や中華圏に加え、中東や成長著しい東南アジア及び中南米へ積極的に事業展開していきます。その他、PCなどの他プラットフォームや別デバイスへのゲーム提供、コストコントロール並びに生産性向上にも取り組んでまいります。
業界全体の傾向として、年々高まるゲームの品質に合わせ、開発期間の長期化並びに開発体制の大規模化が大きな課題となっております。あわせて、近年はパイプラインの増強を図るべく、パートナー企業との共同事業も増加していることから、新規開発の管理はより一層難しさを増しております。計画通りにリリースするために、開発マイルストーンの緻密化や、横断組織などの第三者が課題や問題を検知するなど、随時開発プロセスの改善を図ってまいります。
一方で、計画を優先するために品質が低い状態でリリースすることは、ヒット率を著しく下げてしまう要因となります。当社グループの基本方針としては、計画通りリリースできるよう最大限の努力を払いつつも、市場競争力のある品質が担保できていない場合は、リリース計画を変更し、品質向上を優先いたします。
開発期間の長期化及び開発体制の大規模化に伴い、総開発コストが高騰傾向にあるなか、売上のボラティリティが高いゲーム事業を運営しながらも安定的に利益を創出するためには、コストコントロールが重要と考えております。内部開発におきましては、外部発注や業務委託を多用し外製比率を高めることでコストを変動費化し、売上のボラティリティへの対応力を高めるほか、費用の大きな割合を占める広告宣伝費におきましても、精密にKPI分析と広告の効果測定を行うことで費用対効果の高いマーケティングを展開していきます。
さらに、開発タイトルの一部をパートナー企業様と共同事業とすることで、開発費用を分担しリスク分散を図っていきます。
当社グループが属するモバイルオンラインゲーム業界は、技術革新が絶え間なく行われています。
当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、こうした様々な新技術をゲーム開発に活かすべく、研究開発していく必要があると認識しています。そのため、ゲームタイトル毎に編成されるプロジェクトチームとは別に、研究開発および共通基盤開発の各部署を設けて、研究開発を進めています。
当社グループの主力事業であるモバイルオンラインゲームは、1タイトル当たりの開発費の高騰や競争激化により、事業リスクは年々増加傾向にあります。このような事業環境の中、当社グループの強みやノウハウを活かし、新規事業へ挑戦していくことは、企業の持続的な成長及び安定的な収益基盤確立のためには重要であると認識していることから、中長期を見据え積極的に取り組んでいきます。
⑦ サービスの健全性向上と消費者の安全性確保
業界全体が一体となり利用者が安全かつ安心して利用できる環境を提供し続けていくことが、業界に対する信頼性の向上ひいては業界全体の発展に寄与するものと認識しています。
関係機関や同業他社等と適時適切に連携し、ユーザーが安心して当社グループのサービスを利用できるよう努めていきます。
当社グループは今後より一層の事業拡大のために、人材の確保及び育成を重要な課題と認識しております。優秀な人材を採用することはもちろん、当社グループのミッション、ビジョンを体現し、将来的に企業を牽引していく人材を育成すべく、採用活動、教育研修、人事制度改革などに継続して取り組んでまいります。
当社グループが持続的な成長を維持し、長期にわたって事業継続していくためには、ステークホルダーとの信頼と期待に応えるべく、経営の健全性・透明性のある体制を確保することが重要な課題であると認識しております。その実現のため、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化、充実に努めていきます。
当社グループが事業を展開するモバイルオンラインゲーム領域のなかでも、特にグローバル展開を目指すような大型タイトルの新規開発においては、多額の資金を必要とします。
しかしながら、当社グループは、営業赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続しており、今後、新作タイトルがリリースされなかった場合や新作の大型タイトルをリリースした後においても十分な売上高が獲得できない場合には、営業赤字、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続する可能性があります。
そのような場合に備え、手元流動性確保のため、投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、金融機関との良好な取引関係を維持し、資金調達を継続的に行うことで財務基盤の更なる強化を図ってまいります。
当社グループは、「世界と自分をワクワクさせろ」を企業ミッションに掲げ、エンタテインメントコンテンツで世界中のユーザーをひとつにつなげるべく、日本のみならず世界に向けてモバイルオンラインゲームを配信しております。
当社の事業の主軸であるモバイルオンラインゲームは、世界共通のエンタテインメントコンテンツのひとつではありますが、配信先の国やエリア、ユーザーのバックグラウンドは様々です。当社グループは、グローバルに向けてコンテンツを配信するにあたり、国や人種、宗教、年齢、性別等に関係なく、全てのユーザーに安心安全にゲームを楽しんで頂けるよう、サービスの安定運営及び健全な経営への努力を絶やさぬことで、当社グループの長期的な企業成長を果たし、ステークホルダーへの還元はもとより、モバイルオンラインゲーム市場のさらなる拡大、持続可能な社会の実現にも貢献してまいります。
当社は、中長期的な企業価値向上の観点から、サステナビリティに対応する課題への対応は経営の重要課題と認識しております。当該課題に対しては、リスクマネジメント委員会においてリスクマネジメント規程及びコンプライアンス規程に基づき審議・検討を行い、重要事項は取締役会に報告する体制を整えて運用しております。
当社グループは、その基本方針及び管理体制に基づきリスクの未然防止を図るべく、代表取締役社長を委員長とし、取締役をメンバーに含むグループ会社の横断的な組織であるリスク管理委員会を設置しております。リスクマネジメント委員会を設置し、事業活動に潜むリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っています。
個別のリスクを含むリスクマネジメントの詳細につきましては、「
当社グループは、モバイルオンラインゲームというデジタル商品の開発及び販売等を主力事業としていることから、気候変動にかかるリスク及び収益機会への影響が比較的少ないものと考えております。よって、当社における実施の必要性及び必要とするコスト等から総合的に勘案した結果、これらに関連するデータ収集及び分析並びに開示につきましては、現時点では実施しておりません。
なお、今後も社会的な情勢や必要性に応じて、継続的に実施の是非を検討してまいります。
当社グループは、「世界と自分をワクワクさせろ」のミッションのもと、全従業員が当社で働くことを楽しみ、ひとりひとりが持つ能力を十分に発揮できる職場環境の整備や人材育成の支援が、ひいては事業の成長に資すると考え、人材育成及び社内環境整備に関する方針を策定しております。
<人材育成及び社内環境整備に関する方針>
当社では、多様性の確保を含めた人材の育成・強化のため、従業員がその能力を発揮・成長できる、評価・表彰制度、ワークライフバランスの確保、各種研修制度等の導入など、労働環境の整備に努めることを方針としております。
当社グループは、この方針のもと、組織の協働力や生産性の向上を促し事業のさらなる成長を図るべく、様々な取り組みを行っています。
取り組みの詳細につきましては、コーポレートサイトに記載の情報をご参照ください。
▼投資家向け情報「人材に関する取り組み」
▼KLabについて「働く環境」
当社グループの人材育成及び社内環境整備に関する方針のもと、多様性の確保、人材育成、社内環境整備の観点から各種指標を定期的にモニタリングしております。
なお、当社は、新卒・中途採用、性別、年齢、国籍に関わりなく、実力に応じて抜擢することとしております。この考え方に基づき、中核人材の登用等における人数、割合等の測定可能な目標を考慮するよりも、従業員の実力を随時適切に評価することが最も重要であると考えておりますため、当該目標を設定しておりません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針を「リスクマネジメント方針」として制定し、その管理体制を「リスクマネジメント管理規程」において定めております。その基本方針及び管理体制に基づきリスクの未然防止を図るべく、代表取締役社長を委員長とし、取締役をメンバーに含むグループ会社の横断的な組織であるリスク管理委員会を設置しております。
モバイルオンラインゲームは世界共通のエンタテインメントであることから、各国のディベロッパーやパブリッシャーによって常に新たなゲームが投入されております。
このため当社グループは、グローバルで人気のあるIPを獲得し、それを当社が得意とするゲームジャンルと掛け合わせることで、他のモバイルオンラインゲームとの差別化を図り、競争力の維持に努めております。
しかしながら、今後も同業他社や他のエンタテインメント業種・業者の新規参入などにより競争が一層激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
インターネット関連分野は新しい技術の開発及びそれに基づく新サービスの開発が日々行われており、変化の激しい業界です。この新しい技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社グループの競争力が低下し業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため当社では、最新の技術動向や環境変化の把握できる体制の整備、優秀な人材の獲得及び育成などに努め、新たな技術やサービスへの早期対応を図っております。
海外においては政治・経済の状況、社会情勢、法令や規制等の予期せぬ変更により、当社グループの想定通りに事業を展開できない可能性があります。
また、外国人の嗜好や消費行動は日本人と大きく異なることがあります。この違いにより海外市場において想定通りに事業を拡大していくことができない可能性があります。
なお、海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されますが、連結財務諸表上は円換算されます。為替相場の変動が、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
海外展開を積極的に推進する当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性が存在するものと考えていることから、これら海外における様々な状況の把握に努め、都度適切な対応を行うことでリスクの低減を図ってまいります。
当社グループのゲーム事業については、現状Apple Inc. 及びGoogle Inc. の2つのプラットフォーマーへの収益依存が大きく、これらプラットフォーマーの規約の変更、手数料率等の変更等が行われた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業所在地近辺において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、合理的な予測を超える事態の発生により、当社グループの事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、このような場合においても重要な事業を継続または早期復旧できるよう、リスクマネジメント規程に基づき体制を整備しているほか、これら災害に対する対策が取られたオフィスやサーバー設備を利用するなどの対策を取っております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に関しまして、当社グループでは、早期に在宅勤務体制を整備し、事業運営にあたってまいりました。今後も、状況に応じて施策の実施及び事業体制の迅速な整備等に努め、安定して事業を運営できる体制の構築を図ってまいりますが、将来、さらに感染が拡大した場合及び新たに重篤な感染症の流行が発生した場合、当社グループの従業員や重要な取引先における集団での感染などによる業務の大幅な遅延により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、IPを活用したモバイルオンラインゲームをグローバルに展開し、多くのユーザーに長期にわたり遊んでいただくことで収益を獲得しており、業績はゲームタイトルのヒット度合いに大きく左右されます。そのため、ゲームがヒットしなかった場合や運用中のゲームが計画よりも早く減衰した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、共同事業スキームにおいては、協業パートナーの方針や意思決定によっても影響を及ぼす可能性があります。
このため当社グループは、これまでのゲーム開発及び運営によって獲得してきた知見の活用、有力IPの獲得、得意ジャンルの絞り込みなどを通じて、開発の効率化やヒット率向上に継続的に取り組んでおります。またリリース後のゲーム運営においても、長期にわたって収益の減衰を抑制するべく、継続的な商材の投入やイベント開催、海外での配信エリア追加などによる新規ユーザー獲得及び減衰率の抑制に取り組み、トップラインの維持に努めてまいります。
当社グループのゲームの中には、第三者が権利を保有するキャラクター等についてライセンス契約を締結したうえで使用しているものがあります。何らかの理由によりキャラクター等の使用ができなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの事業の成長・拡大を効率的に行うために、国内外を問わずM&Aや業務提携等を検討・実行しております。M&Aの実施にあたり、対象企業の財務内容や契約関係などについての詳細な事前審査を行い十分にリスク検討をしておりますが、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、その対象企業との融合又は提携先との関係構築や強化が計画どおりに進捗しない場合、提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合、その他何らかの理由により当該提携を解消した場合などにおいては、投資に要した資金や時間その他の負担に見合った利益を回収できないなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、モバイル端末やPC等のコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用し、サービスを提供しております。よって、コンピュータシステムや通信ネットワークの障害、電力供給に関する障害、自然災害や事故(社内外の人的要因のものを含む)など、運営サービスのサーバーが何らかの理由により停止した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
また、運営サービスについて不正行為が発覚した場合にも、当社サービスへの信頼性やブランドが毀損されることでユーザー離れに繋がる可能性があります。
さらに、上記対応や問題解決のため、設備投資の前倒しや当初計画よりも大きな費用負担が発生した場合も、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクを軽減するため、当社グループでは、クラウドインフラとデータセンターに設置した自社サーバーインフラの両方を利用することで、特定のインフラに大きく依存することがない状態を維持することに努めております。
また、いずれのインフラにおいても通信ネットワークやコンピュータシステムの障害の影響を低減すべく、設備の二重化等の対策を講じたうえで、不正行為の予防を目的として複数のセキュリティ対策を実施し、必要に応じて社内外の有識者によりその対策の妥当性の確認を行っています。
当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実を経営の重要課題と位置づけ、内部統制が有効に機能する体制の構築、整備、運用に努めております。
しかしながら、事業の急速な拡大や発生したトラブルへの適切な対応のための内部管理体制の構築に不十分な状況が生じる場合には、円滑な事業運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、社内規程を整備し、適切なデータ管理体制を設けたうえで、従業員に向けて情報の取扱いに関する教育研修の機会を定期的に設けるなど、情報漏洩のリスク低減に努めております。
しかしながら、何らかの理由で重要な情報が外部に漏えいした場合には、当事者への賠償、ビジネス機会の喪失、社会的信頼の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、3期連続の営業赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
一方で、当社グループは現在、海外大手のゲームパブリッシャーと共に開発しているタイトル「EA SPORTS FC™ TACTICAL」においてはリリースまでの期間が長期化しているものの、国内大手のディベロッパーと開発しているIP名未公表のタイトルやTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」のIPを活用したタイトルといった大型のモバイルオンラインゲームのリリースに向けて事業を推進しております。
加えて、従来のモバイルオンラインゲームとは収益構造が異なるハイブリッドカジュアルゲームの新規開発も推進しており、新たな事業領域の開拓にも取り組んでおります。
また、費用面では、足元の売上貢献度の低い施策を見直すこと等により、外注費や人件費等の削減を行ってまいります。
さらに、財務面においては、手元流動性確保のため、投資有価証券等の売却や、政策保有株式を含めた資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、金融機関からの資金調達を継続的に行うことで財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、共同事業スキームによる開発費用の分担や、グループ全体での資金の効率的な活用も併せて進めてまいります。
以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
当社グループで、適用される法令を調査し、その把握に努めたうえで、社内規程の整備、従業員への教育等を通じた周知徹底、及びサービスにおける法令遵守を事前に確認する体制を構築し、法令への適合を確保する体制の構築に努めております。
しかしながら、不測の事態等により、関連する法令・規則への抵触が生じた場合、行政処分や罰金の支払い、重要な取引先との取引関係の喪失等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。また、関連する法令や規制の強化、新たな法令等が施行されることにより、当社グループの営む事業が制約を受け、必要な対応のための支出が発生した場合、当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは社内規程の整備及び確認体制の構築を行うとともに、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)及び一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)へ加入し、各種法的規制や業界の自主規制を順守し対応にあたっております。また、従業員に向けても、事業運営に必要な法令及びコンプライアンス等に関する教育研修の機会を定期的に設けることで、不適切行為の防止に努めております。
しかしながら、何らかの理由で不適切行為が発生した場合及び法的責任が問われない場合であっても、ブランドイメージの悪化により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
ユーザー、取引先、競合企業、その他第三者との予期せぬトラブル・訴訟等が発生した場合、訴訟対応費用の発生やブランドイメージの悪化により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、第三者が保有する知的財産権を侵害しないよう、当社グループ内の確認体制を構築するとともに、必要に応じて弁護士、弁理士等に確認するなど、十分に注意を払っておりますが、当社グループが運営するサービスによる第三者の知的財産権の侵害等が発覚した場合、当該第三者より損害賠償や使用差止め、当該権利使用のための対価の支払を請求される可能性があり、その場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
ゲーム事業
ブロックチェーン関連事業
その他
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は17,754,928千円となり、前連結会計年度末と比較して3,104,859千円減少いたしました。これは主として、ソフトウエア仮勘定が1,799,188千円増加した一方で、現金及び預金が3,806,232千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における総負債は6,045,632千円となり、前連結会計年度末と比較して1,660,598千円減少いたしました。これは主として、短期借入金が1,000,000千円減少したこと、買掛金が688,592千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は11,709,295千円となり、前連結会計年度末と比較して1,444,261千円減少いたしました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が1,819,661千円減少したことによるものです。
当社グループは、マンガやアニメなどのIPを用いたモバイルオンラインゲームの企画・開発・運営を主軸として事業を展開しております。
当連結会計年度においては、既存タイトルの安定運用による業績の維持に努めつつ、今後の事業成長を担う新作タイトルの開発に注力しました。加えて成長分野への事業投資として、カジュアルゲーム及びブロックチェーンゲームの新規開発にも取り組みました。
既存タイトルについては、「BLEACH Brave Souls」において、イベント商材等の販売が好調だったことに加え、2022年10月から始まったテレビアニメ放送が新規ユーザー及び復帰ユーザーの獲得に寄与したことなどにより、年間を通して安定的に推移しました。また「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」においても、コアユーザーのニーズを捉えた商材販売により、前年を上回るペースでの推移となりました。一方で、「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」は、各種KPI回復に向けてゲームバランスの改善に取り組んだものの、軟調な推移となりました。
開発中の新作タイトルについては、想定していたリリース時期からは遅れることとなったものの、オープンベータテストのエリアを拡大し、KPIのチェック及び更なる数値向上のための開発に注力しました。
カジュアルゲームについては、子会社のグローバルギアにおいて、月に1タイトル程度のハイペースでカジュアルゲームの新作タイトルをリリースしたことに加え、複数タイトルがヒットしたこともあり、安定した広告収入を獲得しました。さらに、グローバルギアと当社の共同開発としてIPを活用した運営型カジュアルゲームをリリースし、課金収入の獲得にも繋げるなど、収益源の多様化に取り組みました。
以上の結果、売上高は10,717,075千円(前期比36.5%の減少)となりました。
費用面においては、運営における人員体制及びグループ全体での詳細な費用について継続して見直しを実施し、コストコントロールに努めましたが、売上高の減少により利益も減少し、営業損失1,218,681千円 (前期は営業損失598,112千円)となりました。
また、当社グループが保有する外貨建債権債務の決済及び為替レートによる評価替等において為替差益239,844千円及び暗号資産評価益206,915千円を計上したことなどにより、経常損失は852,680千円(前期は経常損失73,471千円)となりました。
なお、第4四半期において「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル」におけるソフトウエア資産について減損損失を計上したことなどにより特別損失は841,066千円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は1,819,661千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失541,922千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,806,232千円減少し、2,211,236千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により支出した資金は、1,533,812千円(前連結会計年度は186,966千円の支出)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失1,658,747千円により資金が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、2,332,911千円(前連結会計年度は1,356,560千円の支出)となりました。これは主として、無形固定資産の取得による支出2,823,402千円により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、66,936千円(前連結会計年度は3,536,052千円の収入)となりました。これは主として、長期借入れによる収入2,000,000千円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出1,328,936千円、短期借入金の減少1,000,000千円により資金が減少したことによるものです。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の分析、②経営成績の分析」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
運転資金需要の主なものは、ゲーム事業における開発費、運用費及び広告宣伝費等の営業費用であり、営業活動によるキャッシュ・フローを基本としつつ、財務安全性や資金調達コストを勘案の上、必要に応じて、金融機関からの借入、投資有価証券の売却、増資等によって資金調達を実施いたします。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
会計上の見積りについては、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断した結果を、資産・負債や収益・費用の数値に反映しており、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。しかしながら、会計上の見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りと異なることがあります。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
なお、2024年度の通期業績予想につきましては、2024年内にリリースを控える「EA SPORTS FC TACTICAL」について、業績への大きな貢献を見込むものの、当社にとって過去最大級のプロジェクトであることから、合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難であると考え、非開示としております。
今後の進捗を踏まえ、算定が可能になり次第速やかに開示する方針です。
該当事項はありません。
当社グループは将来を見据えた研究開発や新規事業の創出が重要な課題であると考え、中長期の競争力確保につながる研究開発及びノウハウの蓄積を継続的に行っております。
当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は、
なお、上記の研究開発費の金額は特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。