第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当連結会計年度の当社グループを取り巻く外部環境において、世界的な物価上昇やインフレの進行、国内においては、働き手不足の深刻化や物価上昇による消費マインドの悪化が生じております。新型コロナウイルス感染症の5類移行や行動制限の解除等により社会経済活動が正常化に向かう中で、上記の景気の下振れ懸念要因が混在し、依然として先行き不透明な状態が続いております。

当社グループにおきましては、この影響が生じていることから、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループでは、これらの問題に対する対策として、収益の柱となる事業の創出と「小売事業」「飲食事業」「流通事業」の3事業セグメントにおいて、多層的な事業ポートフォリオによる収益体制の確立を進めてまいりました。

その結果、18の事業ブランド、547店舗、12ヵ所の配送拠点を展開するに至りました。

現時点において、「小売事業」「流通事業」の損失が続いておりますが、当期の取り組みにおいて、大幅な業績改善を果たしております。一方で、利益創出に向けては、更なる収益性の改善が必要であり、当連結会計年度において損失を計上した「海外における飲食事業」、及び和惣菜の製造販売を主業とするモリヨシの業績改善を含めて、以下の施策を実施致します。

 

・小売事業における多層的な収益の確立

「小僧寿し」の小売事業店舗化を推進し、スーパーマーケットを運営するだいまるとのシナジーを活用した小売商品のバリエーションの強化を行う事で、顧客にとって付加価値の高い商品の提供を可能とする店舗を開発致しいます。

 

・海外における飲食事業の拡充

欧州・欧米において更なる新店出店による事業規模の拡大を企図し、また、並行して海外事業を統括する本部の形成により、本部コストの最適化を図る事で収益化を果たしてまいります。

 

・流通事業の拡充

2023年5月に食品卸売事業を展開する、東洋商事株式会社、及び、その完全子会社であるモリヨシ株式会社を連結子会社とし、既存事業であるフード・デリバリーを含めた「流通事業セグメント」を形成し、更なる事業ポートフォリオの拡大を図っております。モリヨシ株式会社においては、原材料価格の高騰の影響及び新規顧客獲得へ向けた営業展開の遅れから、製造数が減少致しましたが、外食産業店舗を対象とした営業を推進し、同社の有する商品供給力の最大効率化を図ります。また一方で、当社グループの外食事業店舗においても、同社の商品を活用するなど、事業間シナジーを高めることで、当社グループにおける和惣菜の製造拠点としての機能を付加してまいります。

 

・適正なキャッシュ・フローの確立

前連結会計年度においては、複数の子会社の売却、第12回新株予約権並びに第13回新株予約権の発行を行うなどの資本増強策により、資金を確保し、キャッシュ・フローの適正化を図ってまいりました。また2024年1月には、第14回新株予約権の発行決議を行うなど、当社グループの収益改善を推進するための設備投資資金を確保し、中期経営計画を遂行することで、適正なキャッシュ・フローの確立に努めてまいります。

 

以上の施策を通じて、安定的な利益の確保と財務体質の改善を図ってまいります。従いまして、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは「食生活の未来を創造する企業へ」という経営理念のもと、多くのお客様においしい笑顔とおいしさをお届けするために努め、ステークホルダーの皆様とともに社会の課題に向き合い、当社グループの事業活動を通じ、社会と経済の双方の価値の両立を図ることで、持続可能な社会の実現と当社グループの持続可能な発展に繋げてまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティに関するリスクの監視及び管理を行う為のガバナンスの過程、統制手続き等について、コーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

 当社グループでは、サステナビリティの基本方針に基づき、「環境」「社会」「経済」のそれぞれの取り組みに対して、下記の点を重点項目としております。

 

① 食材の調達と廃棄物管理

 地域食材や季節の食材の活用を重視し、生産者をサポートしてまいります。また、食品ロスの削減や、廃棄物の分別処理を行い、リサイクルの促進へ繋げます。

 

② エネルギーの効率的使用

 当社が運営する各店舗、工場施設において、エネルギー効率の高い設備や機器の導入、LED照明等を積極的に活用し、エネルギ―の保全に努めます。

 

③ 地域社会への貢献

 当社が全国に展開する店舗や各施設を介して、地域コミュニティとの積極的な交流による地域社会への貢献を果たしてまいります。

 

④ 迅速かつ適切な経営判断を可能とする経営基盤の構築

 事業機能を有する重要な連結子会社との適切かつ迅速な経営判断を行う為、各連結子会社の取締役会と親会社との取締役会の連携を強化し、かつ経営会議等の重要な会議への積極的な連携を図る事で、経営の透明性を確保しつつ、適切な経営判断を行える経営基盤を構築してまいります。

 

(人的資本に関する方針)

[人材育成方針]

 従業員の労働意欲の向上と多様性の尊重を図るため、時間的な柔軟性を持った働き方によるライフワークバランスの実現、継続的な教育や研修機会の提供によるスキルやキャリアの形成や成長の促進を元に、従業員の労働意欲と満足度を高め、多様性を尊重する企業文化を醸成してまいります。

 

[環境整備方針]

 当社グループは、年齢や性別、国籍にかかわらず、多様な人材が最大限力を発揮できるように多様な雇用形態や仕事内容を提供することで働きやすく、働きがいのある職場環境を整備してまいります。

 

(3)指標及び目標

 サステナビリティ全般に関する「指標と目標」の記載につきましては、上記サステナビリティの基本方針に基づき、重点項目の具体的な策定段階にあるため、今後の進捗状況に応じて、指標及び目標の記載を検討してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業、経営成績等において、業績に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなリスクがあります。なお、本項につきましては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 食品衛生管理

当社グループが運営する各店舗は「食品衛生法」により規制を受けております。

「食品衛生法」は、食品の安全性確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講じることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ることを目的とした法律であります。飲食店を営業するにあたっては、食品衛生責任者を置き、厚生労働省令の定めるところにより都道府県知事の許可を受ける必要があります。

食中毒等の事故を起こした場合は、この法的規制により食品などの廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられるリスクがあります。

 

② 食材調達

当社グループは外食産業として、食の安全を第一と考え、良質な食材の調達に努めております。しかし、食材調達にあたっては、次のようなリスクが発生する可能性があります。当社グループでは、在庫水準の見直しや産地および取引先の分散化を進める等、これらのリスクを出来る限り回避するように取り組んでおります。

イ)疾病の発生

主に海外から輸入している食材については鳥インフルエンザやBSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫等の疾病の発生により、発生国からの輸入が停止となり、調達が困難になるリスクがあります。

ロ)天候不順・異常気象について

異常気象や冷夏等の天候不順の影響で、米・野菜・穀物等が不作となり、需給バランスが崩れることによって、価格の上昇および調達自体の難航といったリスクが生じる可能性があります。

ハ)資源環境の変化および国際的な漁獲制限について

異常気象や冷夏等の天候不順、水産資源の枯渇化、漁獲状況等による影響の他、主に海外から輸入している水産物食材については漁獲地での国策や国際的な漁獲制限で魚介類等が不足し、市場価格ならびに需給バランスが崩れる事によって、価格の上昇および調達自体の難航といったリスクが生じる可能性があります。

ニ)為替相場

当社グループは、寿し商品の主力使用食材として、海外漁獲による水産原料および生鮮加工商材の輸入品を多く使用しているため、国際市場価格ならびに外国為替相場の動向により、食材価格を変動させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に米の不作、魚介類の輸入禁止措置などが食材価格を変動させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 食品事故

当社グループの店舗において食品事故が発生した場合、当社グループの社会的イメージの失墜や損害賠償金支払い等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 労務

当社グループの店舗では、主に準社員が主力となって運営しておりますが、今後、短時間労働者に対する社会保険、労働条件などの諸制度に変更がある場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 減損会計

当社グループは減損会計を適用しており、店舗、本部、事業所において設備等を保有しているため、減損が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑥ 個人情報の漏洩

当社グループは社員、準社員の個人情報およびデリバリー事業等においては顧客情報を保有しております。これらの個人情報が漏洩した場合、当社グループの信用が失墜し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ FC加盟者

イ)加盟契約

当社グループは小僧寿しチェーンのフランチャイザーとしての機能を有しており、FC加盟者に対し商品製造、商品販売等に関する指導等を行い、ロイヤリティを得ております。フランチャイズ契約の継続が何らかの要因により困難となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

ロ)債権リスク

「債権リスク」とは、FC加盟者の金銭上の債務不履行等により訴訟が提訴され、損失を被るリスクを指し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 新型コロナウイルス感染症等に類する疫病の拡大による事業継続への懸念

新型コロナウイルスの世界的感染拡大など、疫病の拡大等による影響を受け、今後未曾有の事態へと発展し、事業活動自体の継続性について疑義が生じるリスクがございます。新型コロナウイルス感染症の対策は充分に行われており、営業店舗における最大限の衛生管理体制構築を遵守し、現時点で、運営停止等の営業上の問題は生じておりません。しかしながら、今後、疫病の拡大による店舗の運営並びに事業の停止等により、将来見通しが見定められない期間の事業への影響が生じた場合、飲食業に帰属した事業展開を行っている当社グループの売上高の大幅な減少が予想され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 連帯保証債務

2023年5月1日付で連結子会社と致しました東洋商事株式会社において、株式会社JFLAホールディングスの金銭債権に対する債務保証を行っており、当連結会見年度末の残高は、5,197,727千円となっております。

当該債務保証は複数社による連帯債務となっており、東洋商事株式会社が全額を負担する状況ではありませんが、株式会社JFLAホールディングスにおいて、業績が悪化するなど当該金銭債権の返済が不可能となった場合、東洋商事株式会社において当該連帯保証債務の一部の返済義務が生じる可能性があります。

 

⑩ 継続企業の前提に関する重要事象等

当連結会計年度の当社グループを取り巻く外部環境において、世界的な物価上昇やインフレの進行、国内においては、働き手不足の深刻化や物価上昇による消費マインドの悪化が生じております。新型コロナウイルス感染症の5類移行や行動制限の解除等により社会経済活動が正常化に向かう中で、上記の景気の下振れ懸念要因が混在し、依然として先行き不透明な状態が続いております。

当社グループにおきましては、この影響が生じていることから、前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当社グループでは、これらの問題に対する対策として、収益の柱となる事業の創出と「小売事業」「飲食事業」「流通事業」の3事業セグメントにおいて、多層的な事業ポートフォリオによる収益体制の確立を進めてまいりました。

その結果、18の事業ブランド、547店舗、12ヵ所の配送拠点を展開するに至りました。

現時点において、「小売事業」「流通事業」の損失が続いておりますが、当期の取り組みにおいて、大幅な業績改善を果たしております。一方で、利益創出に向けては、更なる収益性の改善が必要であり、当連結会計年度において損失を計上した「海外における飲食事業」、及び和惣菜の製造販売を主業とするモリヨシの業績改善を含めて、以下の施策を実施いたします。

 

・小売事業における多層的な収益の確立

「小僧寿し」の小売事業店舗化を推進し、スーパーマーケットを運営するだいまるとのシナジーを活用した小売商品のバリエーションの強化を行う事で、顧客にとって付加価値の高い商品の提供を可能とする店舗を開発します。

・海外における飲食事業の拡充

欧州・欧米において更なる新店出店による事業規模の拡大を企図し、また、並行して海外事業を統括する本部の形成により、本部コストの最適化を図る事で収益化を果たしてまいります。

・流通事業の拡充

2023年5月に食品卸売事業を展開する、東洋商事株式会社、及び、その完全子会社であるモリヨシ株式会社を連結子会社とし、既存事業であるフード・デリバリーを含めた「流通事業セグメント」を形成し、更なる事業ポートフォリオの拡大を図っております。モリヨシ株式会社においては、原材料価格の高騰の影響及び新規顧客獲得へ向けた営業展開の遅れから、製造数が減少致しましたが、外食産業店舗を対象とした営業を推進し、同社の有する商品供給力の最大効率化を図ります。また一方で、当社グループの外食事業店舗においても、同社の商品を活用するなど、事業間シナジーを高めることで、当社グループにおける和惣菜の製造拠点としての機能を付加してまいります。

・適正なキャッシュ・フローの確立

前連結会計年度においては、複数の子会社の売却、第12回新株予約権並びに第13回新株予約権の発行を行うなどの資本増強策により、資金を確保し、キャッシュ・フローの適正化を図ってまいりました。また2024年1月には、第14回新株予約権の発行決議を行うなど、当社グループの収益改善を推進するための設備投資資金を確保し、中期経営計画を遂行することで、適正なキャッシュ・フローの確立に努めてまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、世界的な物価上昇やインフレの進行、国内においては、働き手不足の深刻化や物価上昇による消費マインドの悪化が生じております。新型コロナウイルス感染症の5類移行や行動制限の解除等により社会経済活動が正常化に向かう中で、上記の景気の下振れ懸念要因が混在し、依然として先行き不透明な状態が続いております。

 このような環境下において、当社グループは、各事業セグメントの収益改善と事業成長を軸とした、2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画を策定し、当社グループの基本方針である「多様な食を、多様な形で、多様な顧客へ」のもと、食と顧客を繋ぐ「トータル・フード・プロバイダー」として、各社・各事業セグメントにおける取組みの推進、シナジーを活かした各事業の有機的な結合による、新たな事業の創出を行う為の取組みを進めております。

現時点における当社グループの取組みは、下記のとおりです。

 

[小売事業]

「小僧寿し」の小売事業店舗化を推進する一方で、2023年7月には「フードコート」に対応した新たな事業モデル店舗を出店するなど、更なる新事業モデルの開発及び推進を図っております。また、当第4四半期連結会計期間におきましては、地方圏におけるドミナント拠点とするべく、鳥取県に出店するFC加盟店3店舗を直営店舗に移管致しました。今後、地方圏において「飛び地」となっている直営店をドミナント化すべく、新たな出店戦略を構築し、更なる出店を企図しております。

 

[飲食事業]

飲食事業会社の統合による経営体制の効率化、将来にわたり中核となる事業会社を構築する事を目的に、2023年10月1日付で、株式会社Tlanseairを、アスラポート株式会社(以下「アスラポート」)といいます。)に吸収合併致しました。

[流通事業]

2023年5月1日付で、東洋商事株式会社及び同社完全子会社のモリヨシ株式会社を完全子会社とし、株式会社デリズ(以下「デリズ」といいます。)を含めて、当第3四半期連結会計期間より「デリバリー事業」から「流通事業」へとセグメントの名称を変更致しました。

フード・デリバリーの新たな取り組みとして、イベント需要などに多用される「お弁当」のデリバリーポータルサイト「くるめし弁当」での販売強化、販売エリアの広域化などを進めております。

また、モリヨシ株式会社で製造する和惣菜の、グループブランド各社への供給や、東洋商事株式会社の「配送機能」を活用した、流通コストの削減など、収益性の改善に向けた取り組みを推進しております。

 

以上の結果、上記に記載する事業の取組み、及び中食・外食業界における来店客数の増加等の影響により、「飲食事業」の売上高が増加しております。また、株式譲渡を行った会社の連結離脱による売上高減少の影響が生じた一方で、東洋商事株式会社、モリヨシ株式会社の収益連結の影響が生じたことから、当連結会計年度における売上高は、130億54百万円(前期比26.8%増加)となりました。なお、当社グループは、2022年6月以降に株式会社ミートクレスト、株式会社アニスピホールディングスの株式を譲渡し、前連結会計年度においては、当該会社の売上高が22億83百万円含まれております。

営業利益及び経常利益につきましては、各事業の取組みの効果により前連結会計年度から比較し、大幅に改善しておりますが、原材料価格の高騰、エネルギーコストの増加等による収益圧迫要因が継続していることから、「小売事業」「流通事業」において、営業損失を計上しております。また、「飲食事業」におきましては、営業利益を計上しているものの、当第4四半期連結会計期間におきまして、海外の新規出店店舗において、オペレーションの最適化を含めて収益化に至るまでに一定の期間を要した点などの一過性の要因により、当第4四半期連結会計期間においては損失を計上しております。以上の結果、営業損失は2億37百万円(前期は6億13百万円の営業損失)、経常損失は2億13百万円(前期は5億81百万円の経常損失)となりました。

また、特別利益として2023年5月1日付で完全子会社と致しました東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社において、当該株式の取得原価と両社の純資産の差額が生じ、負ののれん発生を84百万円計上致しました。一方、当第4四半期連結会計期間において、近年の原状回復工事費の実態から、資産除去債務の追加計上を行い当該資産除去債務を減損した点、収益性の減退した事業及び店舗の資産価値をゼロと評価した点により、「小売事業」「流通事業」において、減損損失79百万円を計上致しました。また、飲食事業等において、店舗の閉鎖及び長期間休業した店舗の固定費に関して、店舗閉鎖損失62百万円を計上致しました。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3億38百万円(前期は9億53百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

各事業セグメントの状況は以下のとおりです。

 

セグメント別の状況

1)小売事業

 小売事業は、株式会社小僧寿し及び食品スーパーマーケットを運営する株式会社だいまる(以下「だいまる」といいます。)によって構成されており、持ち帰り寿し店「小僧寿し」「茶月」を154店舗(直営75店舗、FC店舗82店舗)(前年同期は直営73店舗、FC店舗96店舗)、だいまるが展開するスーパーマーケット「だいまるストアー」を1店舗(同前年同期)展開しており、小売事業の店舗数は158店舗(前年同期比12店舗減少)となっております。

 同セグメントの売上高は、既存店の売上高は前期比で増加したものの、店舗数の減少に伴い、41億71百万円(前年同期比0.3%減少)となりました。セグメント利益に関しましては、昨年度において、海産物の原材料価格の高騰により、収益力の大幅な減退が生じておりましたが、販売価格の改定により収益力は大幅に改善しております。一方で、当初計画していた、小僧寿し店舗における、デリバリー販売網の拡充において、その成果が顕在化されるまでに一定の期間を要することから、セグメント損失は1億56百万円(前年同期は4億29百万円のセグメント損失)となりました。

 

2)飲食事業

 飲食事業は、連結子会社であるアスラポート、株式会社TBJ(以下「TBJ」といいます。)、株式会社スパイシークリエイト(以下「スパイシークリエイト」といいます。)において、外食・居酒屋業態のチェーン展開を行っております。(直営36店舗、FC店舗272店舗)(前年同期は直営29店舗、FC店舗278店舗)

 同セグメントにおいては、新型コロナウイルス感染症の緩和措置等の影響も生じ、来店客数が増加したことにより、売上高は堅調に推移し、また、前年同期は連結対象外でありましたアスラポートの各ブランド店舗、TBJの業績も寄与したことから、売上高は42億78百万円(前年同期比52.2%増加)と大幅な増収となりました。収益に関しても堅調に推移しておりますが、当第4四半期連結会計期間におきまして、「(1)当連結会計年度の事業の概要」に記載のとおり、「店舗閉鎖時の資産除去債務との履行差額の発生」「海外新規出店店舗のオペレーション最適化までのコストの発生」などの突発要因が発生したことにより、セグメント利益は4百万円(前年同期比73.5%減少)となりました。

 

3)流通事業

 流通事業は、フード・デリバリー店「デリズ」を運営するデリズ、業務用食材の卸売を主業とする東洋商事株式会社、和惣菜の製造販売を主業とするモリヨシ株式会社によって、構成されております。(総拠点数 86拠点)(前年同期は79拠点)

 フード・デリバリーのデリズに関しては、昨年度まで新規出店を積極的に実施してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響下において競争が激化したフード・デリバリー業界において、想定した売上高が確保出来ない不採算店舗の閉鎖を進め、また、自社WEBサイトの強化及び自社デリバリー機能の活用により、収益力の改善に努めてまいりました。当該取組みの推進により、収益力が改善され、直営店舗での収支は黒字化を果たしたものの、現段階においては、管理コストを吸収するまでの収益力を有していない状況が続いております。

 

 当第3四半期連結会計期間より収益連結を行いました東洋商事は堅調な事業推進のもと収益計上を果たしましたが、モリヨシ株式会社は、原材料価格の高騰によるコスト増加の影響が生じている状況であり、収益改善の途上にあります。上記により、流通事業の売上高は56億64百万円、セグメント損失は85百万円となりました。

 

 

 

 

(2)当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、税金等調整前純損益が2億71百万円の損失でありますが、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、現預金が前連結会計年度末に比べ5億58百万円増加し、9億95百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は2億3百万円(前期は6億6百万円の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益が2億71百万円の損失であった一方で、非資金支出である減損損失が79百万円、減価償却費が48百万円発生した点、及び、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、仕入債務が5億82百万円増加したことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の増加は3億2百万円(前期は2億20百万円の減少)となりました。これは主として、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得により、敷金・保証金の返還による収入が2億90百万円生じたことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は50百万円(前期は79百万円の増加)となりました。これは主として、長期借入金の支出1億4百万円が生じた一方で、株式の発行による収入2億8百万円が生じたことによるものです。

 

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1)商品仕入実績

 当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は「生産」を行っておりませんので、「生産実績」に代えて「商品仕入実績」を記載いたします。

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

小売事業

持ち帰り寿し

1,684,735

△31.0

流通事業

卸売・デリバリー

4,260,300

455.1

飲食事業

飲食店運営

1,896,558

112.4

合計

7,841,594

 

   (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

該当事項はありません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

小売事業

商品販売

3,282,149

1.5

食材販売

603,748

△14.2

ロイヤリティ収入等

93,228

△10.6

流通事業

商品販売

4,820,154

314.9

ロイヤリティ収入等

9,466

△54.0

飲食事業

商品販売

4,245,431

52.4

合計

13,054,179

 

   (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、過去の実績や状況に応じてその時点で合理的と考えられる要因を考慮したうえで継続的な評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末からの24億29百万円増加し、56億31百万円となりました。

 

(流動資産)

 流動資産は、前連結会計年度末より21億63百万円増加し、34億1百万円となりました。これは主に、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、現金及び預金が5億71百万円、売掛金が8億25百万円、商品が4億56百万円、短期貸付金が2億11百万円増加したことなどによるものです。

 

(固定資産)

 固定資産は、前連結会計年度末より2億65百万円増加し、22億30百万円となりました。これは主に、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、有形固定資産が2億29百万円増加したことによるものです。

 

(流動負債)

 流動負債は、前連結会計年度末より、19億93百万円増加し、35億72百万円となりました。これは主に、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、買掛金が15億76百万円、一年内返済長期借入金が1億60百万円増加したことなどによるものです。

 

(固定負債)

 固定負債は、前連結会計年度より、5億90百万円増加し、17億66百万円となりました。これは主に、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、長期借入金が5億13百万円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末より1億54百万円減少し、2億92百万円となりました。

 

(3)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は130億54百万円(前期比27億61百万円増加)となりました。これは主に流通事業セグメントに追加された子会社の売上が起因しております。

 

(売上総利益)

 当連結会計年度における売上総利益は51億73百万円(前期比70百万円増加)となりました。これは主に上記売上増加に起因しております。

 

(営業損益)

 当連結会計年度における営業損失は2億37百万円(前期は6億13百万円の営業損失)となりました。これは主に、小売事業及び流通事業の不振が起因しております。

 

(経常損益)

 当連結会計年度における経常損失は2億13百万円(前期は5億81百万円の経常損失)となりました。これは主に、小売事業及び流通事業の不振が起因しております。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は3億38百万円(前期は9億53百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。これは主に、小売事業及び流通事業の不振及び店舗閉鎖損失、減損損失の発生に起因しております。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、税金等調整前純損益が2億71百万円の損失でありますが、東洋商事株式会社及びモリヨシ株式会社の連結加入により、現預金が前連結会計年度末に比べ5億58百万円増加し、9億95百万円となりました。

キャッシュ・フローの増減要因の分析は、「第2 事業の状況 3 業績等の概要」に記載しております。

当社の運転資金需要のうち主なものは、食材等仕入高、給与手当を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規出店や店舗改装等に係る設備投資などであります。財務を目的とした資金需要は、主に有利子負債の返済であります。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保する事を基本方針としております。現状、事業運営上必要な運転資金は、主に自己資金及び第三者割当による新株発行等のエクイティファイナンスにより賄っております。

今後も、引き続き、安定した資金確保を努めてまいります。

 

(5)経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

株式取得契約

日付 : 2023年5月1日

取得価額 : 1,000円

対処会社 : 東洋商事株式会社及び同社の完全子会社であるモリヨシ株式会社

買取相手 : 株式会社JFLAホールディングス

その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合関係)

取得による企業結合」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。