第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第20期

第21期

第22期

第23期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

2,432,901

3,306,541

3,600,607

3,648,872

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

395,627

416,650

517,614

298,648

親会社株主に帰属する当期純利益

又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

299,041

245,260

418,991

75,878

包括利益

(千円)

289,962

300,414

494,568

105,345

純資産額

(千円)

1,309,402

1,643,217

2,873,409

2,942,024

総資産額

(千円)

2,248,856

3,121,427

4,399,922

4,305,462

1株当たり純資産額

(円)

766.18

943.07

1,310.62

1,267.61

1株当たり当期純利益

又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

174.98

142.10

238.61

32.87

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

58.2

52.6

65.3

68.3

自己資本利益率

(%)

16.6

18.6

2.6

株価収益率

(倍)

7.8

50.8

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

131,883

957,440

470,246

63,021

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

57,172

62,115

55,042

61,779

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

26,797

33,109

708,501

122,983

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,207,179

2,146,734

3,260,933

3,403,321

従業員数

(名)

167

145

147

158

〔ほか、平均臨時雇用人員〕

8

11

12

12

 

(注) 1.当社は、2022年9月16日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第20期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算定しております。

2.第20期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

  第21期から第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3.第20期において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業活動の制限による受注減、及びコーチングサービス提供実施の遅滞による売上減により、経常損失並びに親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、包括利益がマイナスとなっております。また、同様の理由により第20期の営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。

4.第20期の自己資本利益率は親会社株主に帰属する当期純損失のため記載しておりません。

5.第20期及び第21期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

6.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者人員は年間の平均人員(契約社員、アルバイトを含み、派遣社員は除く)を〔 〕内に外数で記載しております。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

8.第20期から第23期の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第19期

第20期

第21期

第22期

第23期

決算年月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

2,675,778

2,012,759

2,863,166

3,170,455

3,164,212

経常利益

又は経常損失(△)

(千円)

205,482

361,327

327,990

453,561

250,511

当期純利益

又は当期純損失(△)

(千円)

210,667

239,719

150,120

357,779

23,024

資本金

(千円)

100,000

100,000

100,000

480,880

589,813

発行済株式総数

(株)

854,500

854,500

871,200

2,192,400

2,320,953

純資産額

(千円)

1,615,743

1,351,805

1,616,801

2,817,970

2,822,380

総資産額

(千円)

2,396,294

2,172,540

2,995,661

4,192,453

4,086,871

1株当たり純資産額

(円)

1,890.86

790.99

927.91

1,285.34

1,216.06

1株当たり配当額

(円)

30.00

30.00

20.00

20.00

(1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

247.20

140.26

86.97

203.75

9.98

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

67.4

62.2

54.0

67.2

69.1

自己資本利益率

(%)

14.4

10.1

16.1

0.8

株価収益率

(倍)

9.1

167.4

配当性向

(%)

12.1

34.5

9.8

200.5

従業員数
〔ほか、平均臨時雇用人員〕

(名)

160

145

130

135

142

7

7

10

12

12

株主総利回り

(%)

92.3

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(128.3)

最高株価

(円)

2,569

2,192

最低株価

(円)

1,805

1,201

 

(注) 1.当社は、2022年9月16日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を行っております。第20期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算出しております。

2.第20期において、新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業活動の制限による受注減、及びコーチングサービス提供実施の遅滞による売上減により、経常損失並びに当期純損失を計上しております。

3.当社は、2018年11月12日開催の臨時株主総会決議に基づき、2019年1月24日を払込期日とする第三者割当増資による新株式の発行及び自己株式の処分を実施いたしました。この結果、第19期において、普通株式が32,400株増加しております。

4.当社は、2021年3月22日開催の定時株主総会決議及び2021年5月24日開催の取締役会決議に基づき、2021年6月30日を払込期日とする第三者割当増資による新株式の発行を実施いたしました。この結果、第21期において、普通株式が16,700株増加しております。

5.第19期、第21期、第22期及び第23期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
また、第20期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であり、また潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

6.当社は、2022年8月22日開催の取締役会決議に基づき、2022年9月16日付で普通株式1株につき普通株式2株の割合で株式分割を実施いたしました。この結果、第22期において、普通株式が871,200株増加し、発行済株式総数は1,742,400株となっております。

7.当社は、2022年11月17日開催の取締役会決議に基づき、2022年12月21日を払込期日とする公募増資を実施いたしました。この結果、第22期において、発行済株式総数が450,000株増加し、発行済株式総数は2,192,400株となっております。

 

8.当社は、第23期において、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行により、発行済株式総数が109,500株増加しております。

9.当社は、第23期において、譲渡制限付株式報酬の付与を目的とする新株式の発行により、発行済株式総数が19,053株増加しております。

10.第20期の自己資本利益率は当期純損失のため記載しておりません。

11.第19期から第21期の株価収益率は当社株式が非上場であるため記載しておりません。

12.第20期の1株当たり配当額及び配当性向は配当を実施していないため記載しておりません。

13.第20期から第23期の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、仰星監査法人により監査を受けております。
なお、第19期の財務諸表については、「会社計算規則」(2006年法務省令第13号)に基づき算出した各数値を記載しており、当該数値については金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく仰星監査法人の監査を受けておりません。

14.第19期から第22期の株主総利回り及び比較指標については、2022年12月22日に東京証券取引所スタンダード市場に上場したため、記載しておりません。なお、第23期の株主総利回り及び比較指標は、2022年12月末を基準として算定しております。

15.第19期から第21期の最高株価及び最低株価については、2022年12月22日に東京証券取引所スタンダード市場に上場したため、記載しておりません。

16.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第22期の期首から適用しており、第22期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

17.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者人員(契約社員、アルバイトを含み、派遣社員は除く)は年間の平均人員を〔 〕内に外数で記載しております。

 

2 【沿革】

 当社グループは、1997年10月に東京都千代田区においてコーチ養成機関として、当社の前身である「有限会社コーチ・トゥエンティワン」を創業いたしました。同月「CTP(コーチ・トレーニング・プログラム)」を開始し、コーチの育成に着手しました。その後、1999年4月に経営者向け「エグゼクティブ・コーチング」を開始し、1999年10月に「株式会社コーチ・トゥエンティワン」に組織変更しました。

 2001年8月には、法人事業部を分社化し、企業に特化したサービス提供を目的とする当社(株式会社コーチ・エィ)を設立しました。当社設立後は、次のとおりであります。

 

年月

概要

2001年8月

 

株式会社コーチ・トゥエンティワンが、法人事業部を分社化し、東京都千代田区一番町において株式会社コーチ・エィを設立

 

2001年10月

 

企業のマネジメント層を対象とした研修を中心に、エグゼクティブに対する1対1のコーチングの提供を開始

 

2007年2月

 

東京都千代田区九段南に本社を移転

 

2007年5月

 

コーチングが組織にもたらす成果についての研究及び新たなサービスの研究を行うため、コーチング研究所有限事業責任組合を設立

 

2010年6月

 

主要顧客の海外進出に合わせて、中国及びシンガポールで事業を開始するため、上海、香港及びシンガポールに、それぞれ高起企業管理咨詢 (上海) 有限公司、COACH A (Hong Kong) Co., Ltd.及び COACH A Pte. Ltd. (Singapore)を設立 (注)1

 

2011年1月

 

エグゼクティブを起点とした組織開発に注力するため、当社が株式会社コーチ・トゥエンティワンを吸収合併、併せて米国COACH A CO., LTD.の株式を取得

 

2011年1月

 

企業向けに社内コーチ育成を目的としたDriving Corporate Dynamism(DCD)の提供を開始

 

2013年5月

 

タイで事業を開始するため、バンコクにCOACH A (Thailand) Co., Ltd.を設立

 

2015年5月

 

企業の次世代リーダーに向けたコーチング型マネジメントを学ぶためのプログラムCoachacademia(コーチャカデミア)™(現コーチ・エィ アカデミア)の提供を開始

 

2016年8月

 

米国事業の拡大のため、新たにCOACH A Inc.を設立(米国COACH A CO., LTD.は2017年10月に清算)

 

2017年4月

 

コーチング研究所有限事業責任組合のリサーチ機能を機動的に活用するため、当社のコーチング研究所部門に機能を移行し、コーチング研究所有限事業責任組合は解散

 

2018年3月

 

中国での事業強化のため、香港の営業機能を当社及び上海に移行し、当社における香港支店を設立

 

2019年3月

 

COACH A Pte. Ltd. (Singapore)を清算 

 

2019年10月

 

米国事業の拡大を機動的に実施するため、ASHA SAN INC.(現COACH A INTERNATIONAL INC.)を設立

 

2019年11月

 

米国での事業拡大のため、ASHA SAN INC.がCoach Inc.com Inc.、Corporate Coaches, Inc.、Coach U, Inc.及びCorporate Coach U International, Inc.の4社を買収

 

2020年1月

 

米国の経営資源効率化のため、ASHA SAN INC.の子会社として新たにCOACH U, INC.を設立

 

2020年6月

 

組織変革をドライブさせるためのコミュニケーションを起こすサービス「3分間コーチ」の提供を開始

 

2020年12月

 

ASHA SAN INC.はCoach Inc.com Inc.、Corporate Coaches, Inc.、Coach U, Inc.及びCorporate Coach U International, Inc.の4社の株式を新設したCOACH U, INC.へ現物出資し、COACH U, INC. が4社を子会社化 (注)2

米国の組織再編を行うため、Coach Inc.com Inc.、Corporate Coaches, Inc.、Coach U, Inc.及び Corporate Coach U International, Inc.の4社を清算

 

2021年3月

 

ASHA SAN INC.からCOACH A INTERNATIONAL INC.に社名変更

 

2021年6月

 

米国COACH A Inc.を清算

 

2022年12月

東京証券取引所スタンダード市場に株式を上場

2023年3月

COACH A(Hong Kong)Co., Ltd.を清算

2023年5月

米国での事業拡大のため、COACH A Americas, Inc.を設立

2023年11月

AIコーチング「Amit」の販売を開始

 

(注)1.高起企業管理咨詢 (上海) 有限公司は、本書において、COACH A Co., Ltd. (Shanghai)の名称で統一しております。

  2.2020年1月に設立したCOACH U, INC.は、2020年12月に清算したCoach U, Inc.と同名であります。

 

3 【事業の内容】

当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下「当社」という。)及び連結子会社5社(COACH A Co., Ltd. (Shanghai)、COACH A (Thailand) Co., Ltd.、COACH A Americas, Inc.、COACH A INTERNATIONAL INC.及びCOACH U, INC.)の計6社で構成されており、日本国内及び海外において、コーチング事業を展開しております。コーチング事業は、システミック・コーチング™による組織開発ビジネスとコーチング人材開発ビジネスから構成されており、法人クライアントをメインターゲットとしております。なお、当社グループは、コーチング事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しております。

コーチングとは、対話を通して、目標達成に向けた能力、リソース、可能性を最大化するプロセスで、当社グループが提供するのはシステミック・コーチング™です。システミックとは、全体を不可分な一体と捉えることを意味します。問題のある部分を見つけて修正するのではなく、全体に働きかけるのが、システミックなアプローチです。組織の中では、様々な領域、階層において、人々が異なる意見や価値観を持ち寄り、互いに影響しあうことによって、様々なアイディアが共創されます。そのため、ある特定の個人をどれだけ強固なリーダーとして能力開発しても、その能力が発揮されるか否かは、周囲との関わり次第です。当社では「個人の能力開発」と「組織開発」は本来不可分なもので、両者は同時に開発されるのが自然であると捉えています。

当社グループはこれらの考え方を背景に、個人の能力開発だけでなく、周囲と「どう関わっていくか」という関係性までを扱うコーチングとして、システミック・コーチング™を提供しています。例えば、部門の生産性向上を目標と定めたリーダーにコーチングを行う場合、必要な能力取得に向けた意識や行動に関するテーマだけではなく、部下や部下間、他部門との関係などの関係性に関するテーマを多く扱います。これによって、コーチング対象者を起点に組織全体に新たな対話を起こし、対話から生まれるアイディアや部門間のコラボレーションを生み出すことで、リーダーとしての能力及び部門や組織のパフォーマンスを向上し、目標達成を目指します。

このように、システミック・コーチング™は組織変革、組織開発に向けたアプローチであるため、組織内にヒエラルキーや部門間の隔たりが存在することで生じる、コミュニケーションの減少や生産性の低下等の課題を潜在的に持つ企業が主なクライアント企業となります。

システミック・コーチング™には4つの特徴があります。

1つ目は、「リザルト・フォーカスト(Result focused)」です。「リザルト・フォーカスト」とは、組織にどのような変化を起こすかを具体的な目標として定め、それを達成することを指します。システミック・コーチング™では、組織変革が起きた結果生まれるビジネスインパクトを重要視します。

2つ目は、「プロセス・オリエンテッド (Process oriented)」です。「プロセス・オリエンテッド」とは、リーダーとその周囲のキーパーソンとの対話をベースにした関係性を重要視することを指します。システミック・コーチング™では、リーダーと周囲のキーパーソンに新たな対話を起こし、目標やビジネスインパクト、周囲との関係性を再構築させながら、組織変革を実現し、目標達成を目指します。

3つ目は、「エビデンス・ベースト(Evidence based)」です。「エビデンス・ベースト」とは、組織の変化を客観的なデータによって測定し明らかにすることを指します。専従のリサーチ・アナリストを擁するコーチング研究所と自社開発のリサーチツールにより、周囲との新たな関わりや目標に対する成果を測定・可視化します。そのデータに基づいて、システミック・コーチング™のアプローチを更新・修正し、組織変革による目標達成を目指します。

4つ目は「チームベースド・コーチング(Team-based coaching)」です。「チームベースド・コーチング」とは、顧客企業ごとにプロジェクトチームを組成し、1人だけではなく複数人に同時にコーチングを提供することです。当社は、正社員として雇用したコーチを、国際コーチング連盟の認定資格や一般財団法人生涯学習開発財団の認定資格者になるよう育成し、「チームベースド・コーチング」を実現しています。一般的なコーチングとは異なり、チーム で組織の課題や変化を共有し、コーチ同士のコミュニケーションによって顧客企業に最適化されたコーチングを提供します。

 

当社グループは、システミック・コーチング™による組織開発ビジネスとコーチング人材開発ビジネスの2つのビジネスから構成されています。主要ドメインはシステミック・コーチング™による組織開発ビジネスであり、主な取引先は上場企業です。主要なサービスは以下のとおりで、全てのサービスはオンラインでの提供が可能です。

 

 

サービス名(注1)(注2)

標準的な1クールあたりの提供期間

 

システミック・コーチング™による組織開発ビジネス

a


エグゼクティブ・コーチング (EC)

8~9ヵ月程度

b


Dialogue Activation for Innovative Business Execution(DAIBE)

6ヵ月程度

c


Driving Corporate Dynamism (DCD)

7~8ヵ月程度

d


分間コーチ

7時間

e


AIコーチング Amit

12ヵ月程度

 

コーチング人材開発ビジネス

f


コーチ・エィ アカデミア

(リーダー向けコース/プレミアムコース)

6ヵ月程度/12ヵ月程度

(リーダー向け/プレミアム)

g


Core Essential Program (CEP)

12ヵ月程度

h


Core Essential Fast Track Program (CEFTP)

6ヵ月程度

 

(注)1.a-d、fは、当社、COACH A Co., Ltd. (Shanghai)及びCOACH A (Thailand) Co., Ltd.が、eは、当社が、

     gとhは、COACH U, INC.が提供しています。

   2.a、c、e、f、g、hは、1受講者あたりの販売単価を設定しております。b、dにつきましては、1クール

     あたりの販売単価を設定しております。

 

a.エグゼクティブ・コーチング (EC)

  ECとは、取締役、CXO等のトップマネジメント層を対象に、目指す組織変革や成長を促進するために、エグゼクティブコーチとの1対1のコーチングを提供するサービスです。エグゼクティブが起点となって組織変革を行うために、下図のとおりにエグゼクティブとコーチの間に問いを置き、進行します。

 


 

  本サービスの特徴は、クライアント企業の組織変革に最適化されたコンテンツとフィードバックにあります。当社は、システミック・コーチング™に基づき、エグゼクティブのリーダーシップの洗練と組織全体の変革に向けて、当社のエグゼクティブコーチが培ってきた経験から、クライアント企業に最適化された問いやコンテンツを開発・アップデートし続けています。またフィードバックでは、コーチのフィードバックに加え、多様な独自のアセスメントやツールを用いて、システミック・コーチング™をベースとしたフィードバックを提供しています。主なアセスメントとしては、エグゼクティブのリーダーシップを棚卸する「360度リーダーシップアセスメント」、コーチによるキーパーソンへのインタビュー「キーパーソンインタビュー」、エグゼクティブとコーチが協同で設問を設計し、エグゼクティブのテーマをより明確化したオリジナルのアンケート「ブーメラン」等があります。
  

b.Dialogue Activation for Innovative Business Execution (DAIBE)

  DAIBEとは、対話型ワークショップとアセスメントを用いて、トップが実現したい経営チーム創りを支援する、経営チームを対象としたサービスです。本サービスは1対1のコーチングを提供するECとは異なり、経営チーム全体を対象としたワークショップです。下図のとおり、経営チームメンバーに向けた6回のワークショップ、トップとのワークショップ振り返り面談、当社独自のアセスメント「DAIBE Assessment」の3つの要素で構成されています。ワークショップでは、当社のコーチによるファシリテーションのもと、経営チーム全員でテーマに基づいた対話を行います。「DAIBE Assessment」では、経営チームメンバー間の関係性、リーダーシップ、コミュニケーションの現状を可視化します。

 


 

 

  本サービスの特徴は、システミック・コーチング™に基づき、組織変革の鍵である経営チームの「関係性」にアプローチし、組織の全体に持続的な変革を実現する点です。ワークショップとアセスメントを通じて、経営チームに対話を起こし、経営チームの一体感を醸成します。経営チーム内の関係性の変容を促進し、対話を活性化させることで、未来を共創するコラボレイティブな経営チームを構築します。

 

c.Driving Corporate Dynamism (DCD)

    DCDとは、1対1のコーチによるコーチングセッションと、クラスコーチと複数参加者によるオンラインクラス形式のコーチング学習プログラムを提供する、ミドルマネジメント層を対象としたサービスです。組織変革に向け、周囲のパフォーマンスを向上させるために、リーダーとしてコーチングを実践活用できるよう支援するサービスです。

    上記に向けて、本サービスは下図のとおり進行します。

①「ステークホルダーへのコーチング」では、DCD受講者がステークホルダー(組織変革のキーパーソンとなる次世代リーダー)をリーダーとして開発するために、コーチングを実践します。②「当社コーチとのコーチング」では、DCD受講者が行うステークホルダーへのコーチングや関係性を主なテーマに、当社のコーチがDCD受講者に対して1対1のコーチングを行います。受講者は、コーチングの学びと実践について継続的にフィードバックを受けます。③「オンラインクラスへの参加」では、オンライン形式で、当社のコーチのファシリテーションのもと、組織変革やリーダー開発に関する重要なテーマや対話について、様々なバックグラウンドを持つ他社のリーダーと共に学習します。④「アセスメント」では、これら3つのプロセスから起こるDCD受講者とステークホルダーの変化を、当社独自のアセスメントで可視化し、フィードバックします。

 


 

  本サービスの特徴は、「体験学習」というアプローチを用いる点です。「体験学習」とは、実践を繰り返す中で能力を開発していくアプローチを指します。DCDでは、研修やトレーニングのように講師が技法を伝えるのではなく、学習者が実践を通じてコーチングを習得するよう促します。

  これらのプロセスや特徴は、システミック・コーチング™に基づき、DCD受講者とステークホルダーが組織の中で多くの人と対話を起こすように設計しており、サービスを通じて、組織変革の加速を実現します。 

 

d.3分間コーチ

  3分間コーチとは、「Webアンケート」、「ワークショップ」、「フォローアップ」の3つのプロセスを通じて、参加者がクライアント企業の組織内で対話を起こすことで組織変革の加速を促す、全社員を対象としたサービスです。

  「Webアンケート」とは、コミュニケーションの特徴を可視化するアセスメントで、ワークショップで扱います。「ワークショップ」では、コーチのファシリテーションのもと、最大24名の参加者をランダムで2人から3人組に分け、すぐに実践できる3分間の様々なコーチング・エクササイズを行います。「フォローアップ」では、3ヵ月間、参加者にリーダーの行動促進に役立つ情報をメールで配信し、知識とスキルを定着させます。

 


 

  本サービスの特徴は、「変容的学習」というアプローチです。「変容的学習」とは、知識をインプットするのではなく、人とコミュニケーションを交わし、自分自身の考え方を変化させる学習アプローチです。このワークショップでは、システミック・コーチング™に基づき、コーチングのスキルを教え、個人の能力開発を行うのではなく、参加者同士がコミュニケーションを交わすことで、考え方や関係性の変化を生み出し、組織全体の変革を加速させることを実現します。
 

 

e.AIコーチング Amit

  AIコーチング Amitは、生成AIと独自の機械学習モデルの活用によって生み出される問いを通じ、利用者との対話を進める全社員向けのサービスです。組織に所属する大多数のメンバーに対し継続的にコーチングを提供することで、かつてないスピードで組織変革の実現を支援します。

 


 

  本サービスの特徴は、企業全体の組織課題に合わせたコーチングを組織全体に提供できる点や、匿名化された膨大なコーチングデータから、リアルな組織の状態がレポートによって可視化できる点です。

  AIコーチングを受けるユーザーは、日次や週次でのAIコーチングを受けることで思考が整理され、組織変革テーマに沿った成果創出に向けて行動が促進されます。導入企業にとっては、経営陣、ミドルマネジメントに対する人によるコーチングと、全役職員に対するAIコーチングの提供を組み合わせることで、かつてないスピードで、ありたい姿に向けた組織変革の実現が可能となります。

 

f.コーチ・エィ アカデミア

  コーチ・エィ アカデミアは、組織で働くコーチングを学びたい個人を主な対象としたサービスです。1対1のコーチによるコーチングセッションと、クラスコーチと複数参加者によるオンラインクラス形式のコーチング学習を通じて、基本的なコーチングスキルだけではなく、コーチング型マネジメントに関する理論、具体的かつ効果的な活用方法を継続的に学ぶ、実践的・体系的なプログラムを提供します。

  本サービスは、下図のとおり、3つのプロセスで構成されています。「理解」では、オンライン形式のクラス・トレーニングで、職種や役職、世代や国を超えた様々な立場の受講者同士が、コーチングについて共に学びます。クラスでは、インプットのみによる一方通行の学習ではなく、ディスカッションやロールプレイなど、アウトプットの機会を重視した「双方向」の学習アプローチを導入しています。「実践」では、オンラインクラスでの学びをアウトプットする場として、実際にコーチングを行います。コーチング実践のなかで得た課題や学びをオンラインクラスや1対1のコーチングで扱うことで、さらに学習を促進します。「コーチングを受ける」では、アカデミア受講者一人ひとりについたコーチから、目標達成と学習促進に向けたコーチングを受けます。コーチからの継続的なコーチングやフィードバックにより、受講者の目標達成やコーチ力向上を実現します。なお、本サービスは「リーダー向けコース」と「プレミアムコース」に分かれており、「プレミアムコース」は「リーダー向けコース」に比べ、オンラインクラスの内容、1対1コーチングの回数が多くなっています。

 


 

  本サービスのプレミアムコースは、国際コーチング連盟の基準を満たした、「Level 2 Accreditation」と認定されている世界基準のサービスとなっています。国際コーチング連盟とは、米国に本部を置き、世界中にコーチングやコーチという職業の健全な普及を目的として設立された非営利団体です。主に、コーチという職業を守るための倫理規定や、コーチングとは何かを定めたコーチのコア・コンピテンシ―の策定、プログラムの認定制度やコーチの資格制度の運営などを行っています。プレミアムコースの受講を修了し、当社が運営する認定試験に合格すると、国際コーチング連盟のコーチ資格の受験に必要な条件の一部を満たすことができます。なお、国際コーチング連盟の認定コーチの資格は、コーチングの練度に応じて、ACC(アソシエイト認定コーチの略称)、PCC(プロフェッショナル認定コーチの略称)、MCC(マスター認定コーチの略称)の3種類に分かれており、本サービスはこのACC及びPCCの取得条件の一部を満たすものです。加えて、専門的なコーチングトレーニングに参加・履修したことを証明する一般財団法人生涯学習開発財団認可資格の認定コーチ、認定プロフェッショナルコーチ、認定マスターコーチの取得も可能です。

 

g. Core Essential Program (CEP)/ Core Essential Fast Track Program (CEFTP)

  CEP及びCEFTPは、COACH U, INC.がプロのコーチを目指す個人を対象に提供する、コーチング学習サービスです。使用するマテリアルやクラスは英語で実施され、クラス・トレーニングは、オンライン形式で行います。CEPでは、15カ月にわたりプロのコーチに必要なコーチングスキルを様々な地域の受講者と学びます。一方CEFTPは、6日間の実践型及び体験型のワークショップを中心に、短期集中型でコーチングを学びます。

  これらのサービスの特徴は、「最先端の情報とツール」、「指導するコーチの品質の高さ」です。COACH U, INC.では、25年以上にわたって、コーチングモデルやアセスメントツールを研究・開発しています。指導するコーチ陣は、国際コーチング連盟のコーチ資格を保有しており、豊富な経験と高いクオリティを備えています。世界で活躍するコーチ陣が、長い歴史の中で培ってきた最先端技術や研究を用いて指導することで、実践的かつ効果的な学習サービスの提供を実現しています。またこれらのサービスは、世界各地で、英語で提供されており、国籍を越えて様々な文化や背景を持つ受講者とともに学ぶことができます。なお、これらのサービスも、国際コーチング連盟により、「Level 2 Accreditation」と認定されたプログラムとなります。

 

 

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 

(事業系統図)


 (注)当社のサービス提供は、主に正社員のコーチが行っておりますが、コーチ・エィ アカデミア及びCOACH U, INC.が提供するサービス等の一部を、社外コーチに業務委託しております。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の

所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

COACH A Co., Ltd. (Shanghai)

(注)4

中国

上海市

14,028千

人民元

コーチング事業

100.0

役員の兼任あり

コーチングの委託及び受託あり

COACH A (Thailand) Co., Ltd.

タイ国

バンコク市

3,000千

タイバーツ

コーチング事業

100.0

(1.3)

役員の兼任あり

コーチングの委託及び受託あり

COACH A INTERNATIONAL INC.

(注)4

米国

ニューヨーク州

1,500千
米ドル

純粋持株

会社

100.0

役員の兼任あり

資金貸付あり

COACH U, INC.

(注)4,5

米国

ニューヨーク州

100千

米ドル

コーチング事業

100.0

(100.0)

役員の兼任あり

コーチングの委託及び受託あり

COACH A Americas, Inc.

(注)4,5

米国

ニューヨーク州

1,500千
 米ドル

コーチング事業

100.0
  (100.0)

役員の兼任あり

 

 

(注) 1.当社グループは、コーチング事業の単一セグメントであります。

     2.「議決権の所有割合」欄の(内書)は間接所有であります。

     3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

     4.特定子会社であります。

     5.COACH A INTERNATIONAL INC.の100%子会社であります。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2023年12月31日現在

従業員数(名)

158

12

 

 (注)1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3.臨時従業員には、契約社員、アルバイトを含み、派遣社員は除いております。

4.当社グループは、単一セグメントであるためセグメントによる情報については、記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

142

12

38.7

6.6

8,636

 

(注) 1.従業員数は就業人員であります。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3. 臨時従業員には、契約社員、アルバイトを含み、派遣社員は除いております。

4.当社は、単一セグメントであるためセグメントによる情報については、記載を省略しております。

5.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。

 

(4)労働者に占める女性労働者の割合、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

提出会社

当事業年度

労働者

に占める女性労働者の割合(%)

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1

男性労働者の

育児休業取得率

(%)(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)3

63.4

56.8

100

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

93.2

92.5

113.7

 

(注)1.「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」

    (平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.労働者の男女の賃金差異は、「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号の規定に基づき算出したものであります。

    また、賃金は役職・等級により定めており、性別による処遇差はありません。