第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「気持ちに勝るものはない」を経営理念として、中古車販売並びに安心・快適・楽しいカーライフの提供を通じて「すべての人に感謝・感動・感激を与え続ける伝道師でありたい」をミッションに掲げ、その具現化を目指し、SUV・4WDに特化した中古車販売及びその附帯事業を東海エリアにて展開してまいりました。

 今後の方針としましては、顧客のニーズに的確に対応することはもとより、SUV・4WD販売の全国展開を進め、全国の顧客に当社グループのスローガンを伝えるとともに「SUVといえばグッドスピード」の認知度を向上させていきたいと考えており、顧客から信頼を得られる企業を目指してまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略

 当社グループの主軸事業が属する中古車業界におきましては、中古車販売店は小規模店が乱立する多数乱戦状態であります。全国には約3万店にのぼるの中古車販売店があると言われておりますが、業界大手でも、年間販売台数におけるそのシェアは5%程度であります。今後、大手販売店への集約が進むと予想されており、当社グループがそのシェアに入り込む余地は大きいと考えております。

 また、当連結会計年度における中古車業界は、世界的な半導体不足と、新型コロナウイルス感染症の流行によるロックダウンの影響で生産工場が稼働停止したことなどによる新車販売減少の影響を受け、厳しい状況となりました。しかしながら、今後はウィズコロナの新たな段階への移行が進められ景気が持ち直し、中古車の需要が回復していくことが期待されております。

 このような環境下で当社グループにおいては、中期経営計画における中期経営目標として「SUV販売台数日本一」をスローガンに掲げ、その足掛かりを作るため以下の経営戦略の下、事業活動を進めております。

 

1.店舗数の拡大

 引き続き、中古車販売店の店舗展開を積極的に進めることにより、業績の拡大を推進してまいります。

 また、販売チャンネルを拡大するため、新規出店は地域特性や競合の状況、店舗の規模等を勘案し、現在展開しているSUV・4WD、ミニバン、輸入車及びバイク以外の新しいジャンルの専門特化型店舗を展開してまいります。

 

2.カーライフサポートの拡充

 2018年9月期より開始した出張査定の件数拡大を図るとともに、2019年9月期に買取専門店を出店したことにより、買取機能の強化を行い、買取台数の増加を図ってまいります。これにより、売上高・売上総利益の拡大と同時に、高年式・低走行の良質な車両を仕入できる機会の増加につなげてまいります。

 また、需要が高まりつつあるマイカーリースの販売を本格的に展開し、中古車販売の拡大と同時に、リース契約期間終了後の高年式・低走行の良質な車両を仕入できる機会の増加につなげてまいります。

 現在も中古車の販売だけに留まらず、自動車保険、車検・整備やレンタカーなどお客様のカーライフをトータルサポートできる様々なサービス展開を行っておりますが、更に新しいサービスの拡充を図ってまいります。

 

3.来客数の増加

 販売促進、広告宣伝の強化によって、当社グループから車両を購入した顧客への営業を強化してまいります。具体的には、2018年9月期に一新したCRMシステム(顧客管理システム)の活用並びにコールセンターの体制強化を通じて、過去に販売した顧客の再来店(リピート率)を高めてまいります。

 また、リニューアルした自社在庫検索ページの強化や、他社専門サイトの活用を通じて、ブランドの認知度向上を図ってまいります。

 

4.顧客当たりの単価の維持・拡大

 GS WARRANTYやコーティングなどの既存附帯品及び附帯サービスの商品構成の見直しや、新規戦略商品の投入により、顧客当たりの単価向上を図ってまいります。

5.組織体制の強化

 当社グループの成長を支える重要な要素として、人材の確保と育成は不可欠であります。採用チームの体制強化、リファラル採用の活用、積極的な外国人登用や退職者の再雇用、経験者採用やM&Aによる即戦力雇用など、人材の確保に努めております。併せて従業員への賃金アップ、福利厚生の充実、教育訓練制度の実施により退職抑制を図っております。

 CS(顧客満足度)やブランド力向上のためには、商品知識・コミュニケーション能力・営業力を備えた従業員の育成が必要であります。当社では人材教育にあたって、現場の先輩社員から直接指導を得る実践型の人材教育(OJT)を重視しております。加えて、座学によるセミナー形式の研修も導入しております。人材教育を重ねることにより、社員が会社の方針を理解したうえで、目標設定することで人材の育成を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成の客観的な指標等

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として、売上高営業利益率を重視しております。当社グループの売上高営業利益率を高めるためには、小売販売台数を増加し、売上高を増加させることが重要であると認識しております。

 

売上高営業利益率の推移

指標

前連結会計年度

(2021年9月期)

当連結会計年度

(2022年9月期)

売上高

42,947,178千円

56,237,187千円

営業利益

251,559千円

871,814千円

売上高営業利益率

0.6%

1.6%

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 

1.既存店の収益性向上

当社グループは、「SUV販売台数日本一」をスローガンに掲げ、「店舗数拡大」、「カーライフサポート充実」及び「組織体制強化」などを推進し、販売台数を拡大しております。今後、競争が激化するなかで収益を確保し続けるためには、既存のお客様がリピーターになっていただくことが重要であると認識しております。引き続き車両販売のみならず、附帯商品の販売及びサービスの提供、自動車保険、車検・整備、ガソリンスタンドやレンタカーなど、お客様のカーライフをトータルサポートできるサービスの充実を図ることで、既存店の収益力向上に努めてまいります。

 

2.新規出店戦略

当社グループの持続的成長のために、前述の既存店の収益力向上に加え、新規出店による販売シェアの拡大は極めて重要であります。

新規出店につきましては、精緻なマーケティングを行い、計画的に出店を進めていく方針であります。新規出店資金を確保するため、資本市場、金融市場及び金融機関からの資金調達・借入を考えており、中期計画に沿って資金計画を策定し、金融機関と良好な関係を維持していくとともに、資本市場へ適切にアクセスしていく方針であります。

今後とも全社としてより収益力が高まるよう、新規出店の加速とローコスト化に取り組んでまいります。

 

3.仕入ルートの開拓

当社グループは、仕入の多くをオークションに依存しております。オークションによる仕入れにおいて、当社は、独自の評価基準を満たした車両のみを仕入れる他、仕入れした車両に対しては第三者機関による鑑定を受けることで、良質な車両の確保に努めております。今後、販売台数を増やしていくなかで、品質及び数量の双方で十分な仕入を確保することが課題と認識しており、オークションに依存しない仕入ルートの開拓、具体的には買取専門店の拡大を通じた買取事業の強化を進めております。

 

4.人材確保と育成

当社グループの成長を支える重要な要素として、人材の確保と育成は不可欠であります。採用チームの体制強化、リファラル採用の活用、積極的な外国人登用や退職者の再雇用、経験者採用やM&Aによる即戦力雇用など、人材の確保に努めております。併せて従業員への賃金アップ、福利厚生の充実、教育訓練制度の実施により退職抑制を図っております。

CS(顧客満足度)やブランド力向上のためには、商品知識・コミュニケーション能力・営業力を備えた従業員の育成が必要であります。当社では人材教育にあたって、現場の先輩社員から直接指導を得る実践型の人材教育(OJT)を重視しております。加えて、座学によるセミナー形式の研修も導入しております。人材教育を重ねることにより、社員が会社の方針を理解したうえで、目標設定することで人材の育成を進めてまいります。

 

5.販売後のサポート体制を含めた顧客管理体制の整備

当社グループは、お客様へのアンケートの実施、専門オペレーターを配置したコールセンターの体制強化、集約したお客様情報を分析する部署を設けることにより、お客様との関係強化を図っております。当社が提供する保証商品は保証期間を1年間から3年間まで、お客様に選択していただき、故障等の車両の受入は当社及び最寄りの整備工場で受付可能な体制を採っております。常にお客様目線でサービス提供ができるよう、お客様の意見を参考にしながら販売後のサポート体制を充実していきたいと考えております。

 

6.新型コロナウイルス感染症の対応

2020年初頭から新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、世界経済に甚大な影響を与えております。自動車産業にも需要と供給の両面で影響を与えており、人々の価値観や行動様式の変化により長期的な影響が懸念されています。

徐々にウィズコロナの考え方が浸透する中、当社においては、従業員の出勤、お客様の来店時に検温・体調確認、マスク着用・手洗いの奨励を行っております。またオンライン会議・商談を導入するなど感染防止対策を徹底しております。

新型コロナウイルス感染症によって人々の価値観や行動様式の変化がもたらされる新しい時代に向けて、市場からの信頼と積極的な業容拡大、生産性向上の加速、新しい働き方の構築により持続的な成長に繋げてまいります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢に係るリスク

新車市場及び中古車市場は、所得水準、物価水準等の変化に敏感であり、経済情勢に大きな影響を受けます。従って、経済情勢の急激な変化が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(2) 特定の仕入ルートへの依存について

当社グループは、販売用車両の仕入れの多くをオートオークションに依存しており、各オートオークション会場が定める規約を遵守し、継続的な仕入れが行えるよう、業務手続を整備、運用しております。しかしながら、当該規約に抵触し、取引停止等の処分を受けた場合には、車両の仕入れが滞り、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。また、オートオークション会場へと出品される車両が減少すること、または為替の変動などによる海外輸出の増加による需要急増などより仕入価格が上昇し、当該上昇分を販売価格に転嫁出来ない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(3) 仕入ルートの多角化に伴うコスト増加について

当社グループは、オートオークション会場からの仕入への依存を軽減するため、買取等、仕入ルートの多角化を図っております。しかしながら、買取等による仕入価格がオートオークション会場からの仕入価格を上回る等、仕入ルートの多角化に期待する効果が得られない場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 賃貸物件による店舗展開について

当社グループは、賃貸物件による店舗展開を基本としており、出店の際には賃貸人に対し、敷金・保証金及び建設協力金の差入れを行っております。しかしながら、賃貸人の財政状態が悪化した場合や当社グループ側の都合により賃貸借契約を中途解約した場合等には、契約内容によっては差入保証金等の全部又は一部が返還されない可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 人材獲得及び育成について

当社グループは、顧客にとって満足度の高いサービスを提供する方針の下に、事業の拡大を図っておりますが、その実現のためには継続的に優秀な人材を確保していく必要があると考えております。このため当社グループでは、人員計画を綿密に作成し、人事制度の刷新を図ることで、魅力的な職場環境の実現並びに適切な採用コストの管理に取り組んでおります。しかしながら、予想以上に人材獲得競争が激化し、期待する優秀な人材を獲得できない、あるいは採用コストが増加する可能性もあり、その場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

また、当社グループは、CS(顧客満足度)やブランド力の維持・向上のためには、人材育成を更に強化していくことも必要であると考えております。従って、教育研修制度の改善に継続的に取り組んでおりますが、充分な知識・技能を持った従業員の育成に時間を要した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(6) 情報管理に係るリスク

当社グループでは、顧客から個人情報を受領する機会があり、その管理について、研修等の啓蒙活動の実施により、役職員の個人情報保護に対する意識の向上に努めております。2016年12月6日には一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークを取得、また個人情報の具体的な取り扱いについて定めた「個人情報保護規程」を制定しております。情報セキュリティ面でも、アクセス権限を設定し、権限を持つ者以外のシステムへのアクセスを制限する等、情報漏えいを防止するための対策を講じております。しかしながら、このような対策にも関わらず、外部からの不正アクセス及びコンピュータ・ウイルス等の攻撃により、外部への情報漏えいが発生した場合には、当社グループへの社会的信用の著しい低下や損害賠償請求等につながり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

(7) 社会的信用力の低下リスクについて

当社グループが扱う中古車は同型車種であっても前所有者による使用状況や整備状況によって、それぞれ品質が異なります。このような特性を鑑み、当社グループでは仕入れた中古車の点検整備に細心の注意を払うとともに、購入後のアフターサービスとしての保証にも注力しておりますが、車両の故障等によりクレームが発生することがあります。当社グループがこのようなクレームに適切に対応できない状況が生じた場合、顧客及び社会からの信頼を失い、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 消費嗜好、生活スタイルの変化に伴うリスクについて

当社グループが扱う中古車の販売は、消費者の消費嗜好や生活スタイルに大きな影響を受けます。当社グループでは消費者のニーズに的確に対応できるよう専門性の高い店舗の運営を行っておりますが、燃料価格の高騰等により消費者が嗜好する車種が変化した場合、あるいは生活スタイルの急速な変化により自動車そのものに対するニーズに低迷が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(9) 同業他社との競合について

当社グループの事業は当社グループと同じく中古車の販売・買取を手掛ける業者のみならず、自動車メーカー系のディーラー等とも競合が生じることがあります。そのような中、当社グループでは取り扱い車種の選別による専門性の向上、ドミナント方式の店舗展開による地域販売シェアの拡大、更にはアフターサービスの充実等により差別化を図っておりますが、今後更に同業他社との競争が激化した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(10) 有利子負債への依存について

当社グループは、積極的な出店戦略による事業拡大を図っており、新規出店に際しては、金融機関からの借入れを行っております。そのため、有利子負債の残高は増加傾向にあり、有利子負債依存度も高い水準にあります(下表参照)。

当社グループでは、借入れに際し、取締役会で充分な協議・検討を重ね決議することとしておりますが、今後金融政策の変更等により市中金利に変動が生じた場合には、当社が販売する割賦売上の増加も見込まれますが、反面で支払利息の増加等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

 

2022年9月期末

有利子負債残高(千円)

22,738,454

有利子負債依存度(%)

71.3

 

(11) 法的規制等について

当社グループは、企業経営の基本として、会社法、金融商品取引法、不正競争防止法等の各種法令や諸規則及び金融商品取引所が定める関係規則等を遵守することを極めて重要な企業の責務と認識し、コンプライアンス体制及び内部管理体制の強化・徹底を図っております。

また、当社グループは、事業活動を行うにあたり、古物営業法、道路運送車両法、道路運送法、保険業法等の適用を受けており、これらの法規制を遵守すべく社内規程を整備しており、現在のところ運営の停止や許可の取消等の事態は発生しておりません。

しかしながら、これらの法令・規則や法的規制に抵触する重大な事態が生じた場合には、当社グループの業務運営に支障が生じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(12) 出店に係るリスクについて

当社グループでは投資効率が高い用地を主たる出店用地としており、建設費用等の出店コストも抑制しております。しかしながら、出店予定地域において、当社グループの希望する条件の用地が確保できない場合には、出店が遅延または中止、もしくは出店コストが増加することにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が生じる可能性があります。

また、新規出店する店舗へ配属する人員の確保や育成の進捗が著しく遅れた場合には、出店が遅延または中止となることも考えられるため、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(13) 風評リスクについて

当社グループでは、テレビ・ラジオCMやホームページ等のメディアを通じた集客に努めており、各メディアより発信される情報は顧客が当社グループを利用しようとする重要な判断材料となります。

その一方で、インターネット掲示板等を通じて当社グループの商品、サービス、役職員に対する悪評、誹謗・中傷等の風説が流布される可能性もあり、このような場合には、それら風説が事実であるか否かに関わらず、顧客の当社グループへの信頼や企業イメージの低下により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(14) 財務制限条項について

当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当該条項に抵触し、一括返済が必要となった場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(15) 自然災害の影響について

当社グループは東海エリアを中心とした各地域に店舗展開しております。各地域において大雪や台風、地震等、自然災害による被害が発生した場合、一部または全ての店舗で営業活動を行えなくなる可能性があります。自然災害の被害については、保険に加入しリスクを低減しておりますが、災害被害が保険の支払限度額を超えた場合には当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶ可能性があります。

 

(16) 新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大及びこれに対する政府等の要請により、消費者の外出自粛、新店舗オープンイベントの中止等により来客数が減少し、業績に大きな影響を受けております。また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大及び関連する問題は、様々な業界のビジネスや消費者にも悪影響を及ぼしております。当社グループにおいて2022年9月期の影響は限定的でありましたが、今後の新型コロナウイルスの収束時期や将来的な影響は依然として不透明であり、前述の影響やそれ以外の本書に記載されていない影響、及び新型コロナウイルスの最終的な影響については予測しがたく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶリスクがあります。

 

(17) 戦争の影響について

 政治・経済の不安定な局面などによる戦争のリスクに世界はさらされております。当社は国内で販売と仕入を完結させており、海外市場への販売が制限されるリスク、海外流通網の混乱による材料・部品・資材などの調達リスクは限定的と考えております。しかしながら、当該リスクが国内まで及んだ場合には、前述の影響やそれ以外の影響については予測しがたく、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響が及ぶリスクがあります。

 

(18) 季節変動について

当社グループでは、自動車販売業の小売販売が活況となる需要期の2月~3月を含む第2四半期に売上高が増加する傾向があります。

また当社グループは、SUV・ミニバンなどのレジャー向けの車両が多いため夏に購入需要が高まることと決算前に販売を強化することから、第4四半期も売上高が偏重する傾向があります。

2022年9月期

第1四半期

(10~12月期)

第2四半期

(1~3月期)

第3四半期

(4~6月期)

第4四半期

(7~9月期)

年度計

売上高(千円)

12,952,361

13,345,860

13,279,653

16,659,312

56,237,187

構成比(%)

23.0

23.7

23.6

29.6

100.0

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナへの移行が進み、景気が持ち直していくことが期待されております。しかしながら、ウクライナ情勢等を受けた資源価格の上昇や円安による物価の上昇、世界的な金融引き締めなどが続くなか、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっていることに十分注意する必要があります。

このような環境のなか、中古車業界におきましては、世界的な半導体不足と、新型コロナウイルス感染症の流行によるロックダウンの影響で生産工場が稼働停止したことなどによる新車販売減少の影響を受け、中古車流通も停滞したため、2021年10月から2022年9月までの国内中古車登録台数は、3,553,740台(前期比6.6%減)と前年同期間を下回る結果となりました。(出典:一般社団法人日本自動車販売協会連合会統計データ)

このような厳しい状況の下、当社グループにおきましては、2021年12月に岐阜県岐阜市にグッドスピード車検岐阜店、2022年2月に愛知県豊川市にグッドスピードMEGA SUV豊川御油店、2022年3月に静岡県浜松市にCHAMPION76浜松店、2022年4月に岐阜県大垣市にCHAMPION76大垣店、愛知県豊川市にCHAMPION76豊川御油店、2022年8月に愛知県名古屋市にグッドスピードMEGA輸入車名古屋昭和橋店、CHAMPION76名古屋昭和橋店をオープンするなど、車、バイクにおける新車・中古車販売の拡大及び買取や整備・鈑金・ガソリンスタンド、レンタカーサービス、保険代理店サービスを強化し、顧客の車に関する需要に対し、ワンストップでサービスを提供できる体制作りを積極的に進めてまいりました。

その結果、当連結会計年度における売上高は、56,237百万円(前期比30.9%増)、営業利益は871百万円(前期比246.6%増)、経常利益は644百万円(前期比625.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に株式会社チャンピオン(現 株式会社チャンピオン76)のM&Aに伴う特別利益117百万円の発生があったこと及び当期にMEGA SUV清水鳥坂店、CHAMPION76清水鳥坂店が台風被害にあったことにより145百万円の特別損失における災害による損失を計上しましたが、306百万円(前期比102.6%増)という結果となりました。MEGA SUV清水鳥坂店、CHAMPION76清水鳥坂店は、現在、復旧工事を進めており2023年第2四半期以降に被災前の状態に戻る見込みであります。

なお特別損失における災害による損失及び特別利益については見込みの金額を含んでおり、今後、見込み金額との差異が生じた場合には特別損益に追加の計上を行いますが、現時点ではその金額は軽微であると予想しております。

なお、当社は、自動車販売及びその附帯事業の単一セグメントのため、サービスごとの経営成績の内容を記載しており、セグメントごとの記載はしておりません。

 

(自動車販売関連)

 当連結会計年度は、2021年4月以降に出店したMEGA専門店4店舗が寄与し、小売販売台数は、14,877台(前期比22.7%増)となりました。加えて買取専門店出店と、子会社の株式会社チャンピオン76のバイク販売店出店が寄与し、当連結会計年度における売上高は52,563百万円(前期比31.6%増)となりました。なお、新車・中古車販売、買取を自動車販売関連としております。

 

(附帯サービス関連)

 自動車販売台数増加に伴う当社顧客数の拡大及び整備工場の新設により整備件数が増加したことと、沖縄の観光需要回復によるレンタカー事業拡大により、当連結会計年度における売上高は3,673百万円(前期比22.7%増)と好調に推移しました。なお、整備・鈑金・ガソリンスタンド、レンタカーサービス、保険代理店サービスを附帯サービス関連としております。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は20,652百万円で前連結会計年度末に比べ6,068百万円増加しております。主な要因は、商品が3,022百万円及び売掛金が1,301百万円増加したことなどによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は11,244百万円で前連結会計年度末に比べ2,207百万円増加しております。主な要因は、建物(純額)が1,072百万円及び建設仮勘定が436百万円増加したことなどによるものであります。

 

 

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は23,156百万円で前連結会計年度末に比べ5,987百万円増加しております。主な要因は、短期借入金が4,595百万円、1年内返済予定の長期借入金が469百万円増加したことなどによるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は6,455百万円で前連結会計年度末に比べ1,579百万円増加しております。主な要因は、長期借入金が1,198百万円及びリース債務が281百万円増加したことなどによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は2,284百万円で前連結会計年度末に比べ708百万円増加しております。主な要因は、資本金が257百万円、資本剰余金が257百万円及び利益剰余金が186百万円増加したことなどによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,026百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は3,641百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益489百万円、減価償却費654百万円、前受金及び長期前受金の増加額192百万円があった一方で、棚卸資産の増加額3,329百万円、売上債権の増加額1,301百万円、前払金及び長期前払金の増加額628百万円があったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は2,407百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,254百万円、保証金の支払による支出213百万円があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は6,598百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,722百万円、短期借入金の純増減額4,595百万円があった一方、長期借入金の返済による支出3,126百万円があったことなどによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

サービス別

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

前年同期比

販売高(百万円)

販売高(百万円)

自動車販売関連

39,952

52,563

31.6%

附帯サービス関連

2,994

3,673

22.7%

合計

42,947

56,237

30.9%

(注)1.総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。

2.当社は、自動車販売及びその附帯事業の単一セグメントのため、サービス別により記載しております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

(売上高)

当連結会計年度における売上高は56,237百万円(前年同期比30.9%増)となりました。主な要因としては、MEGA専門店を出店したこと、買取専門店を出店したこと、株式会社チャンピオン76のバイク販売店が出店したことに加え附帯サービス関連の売上が順調に推移したことによるものです。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は46,979百万円、売上総利益は9,257百万円となりました。その結果、売上総利益率は16.5%と好調な結果となりました。売上総利益率が好調な結果となったのは、原価削減の取り組みを進めたことによるものです。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、主に人件費、賃借料、販売促進費、広告宣伝費、減価償却費などの計上により8,385百万円となりました。この結果、営業利益は871百万円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は27百万円、営業外費用は主に支払利息の計上により255百万円となりました。この結果、経常利益は644百万円となりました。

 

(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益の計上により6百万円、特別損失は主に災害による損失の計上により161百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は306百万円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、前述「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、サービスの性質、コンプライアンス等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。

 

c.財政状態

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は20,652百万円となりました。主な内訳は、主に新規出店に伴い車両在庫台数が増加したことなどの要因により商品が12,561百万円となったことによるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産の残高は11,244百万円となりました。主な内訳は、新規出店及び改装に伴い有形固定資産が9,798百万円となったことによるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は23,156百万円となりました。主な内訳は、新規出店及び改装に伴う借入を行った結果、短期借入金が14,400百万円、1年内返済予定の長期借入金が2,232百万円となったことによるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は6,455百万円となりました。主な内訳は、新規出店及び改装に伴う設備投資を長期借入金で充当したことにより、長期借入金の残高が5,258百万円となったことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は2,284百万円となりました。内訳は資本金699百万円、資本剰余金718百万円、利益剰余金850百万円となっております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当社グループは、財務バランスを意識した経営に努めております。当連結会計年度における営業活動の結果、使用した資金は3,641百万円、投資活動の結果、使用した資金は2,407百万円、財務活動の結果、獲得した資金は6,598百万円となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、当期首に比べ549百万円増加し、2,026百万円となりました。

当社グループの資金需要のうち主なものは、事業規模拡大に伴い必要となる運転資金と新規出店に伴う設備投資であります。これらの資金は、主として銀行借入により調達しております。また、取引金融機関との関係も良好であり、資金繰りにつきましても安定した状態を維持しており、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。