名称 センコーグループホールディングス株式会社
所在地 東京都江東区潮見二丁目8番10号 潮見SIFビル
普通株式
(1)第二回公開買付けに関する意見の内容
当社は、2023年12月12日、公開買付者から、2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了することを前提に2023年12月21日から第二回公開買付けを開始する方針である旨の連絡を受けました。そのため、本特別委員会(下記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。)は、当社取締役会が第二回公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、改めて、2023年11月13日から2023年12月20日までの状況を考慮して、本特別委員会が2023年11月13日付で提出した答申書(以下「本答申書」といいます。本答申書の概要については、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)の内容に変更がないか否かを検討いたしました。本特別委員会は、その結果、本答申書に影響を与える前提事実に変更がないことを確認し、2023年12月20日付で当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の確認書(以下「本確認書」といいます。本確認書の概要については、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」の「(ⅳ)本確認書の取得」をご参照ください。)を提出いたしました。当社は、2023年12月20日開催の取締役会において、本確認書の内容並びに市場株価及び当社グループの経営環境を踏まえ、第二回公開買付けに関する第二回公開買付価格を含む本取引に係る諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、第一回公開買付けの開始にあたって2023年11月13日開催の当社取締役会において決議した第二回公開買付けに係る当社の判断を変更する事情は特段ないと考えたため、同判断を維持し、改めて第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨を決議しました。なお、当社は公開買付者に対し、2023年11月13日、同日開催の取締役会において、第一回公開買付けについて賛同の意見を表明すること、及び第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとり、株主の皆様の判断に委ねること、また、同日時点においては、第二回公開買付けが行われた場合には第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明するべきであり、第二回公開買付けが開始される時点で改めてその旨の意見表明について決議するべきと考える旨が決議されたことを連絡しております。また、当社は公開買付者に対し、2023年12月20日、同日開催の取締役会において、第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨が決議されたことを連絡いたしました。
なお、上記の取締役会決議は、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由
以下の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本両公開買付けの概要
公開買付者は、2023年11月13日開催の取締役会において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、東京証券取引所グロース市場に上場している当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式(以下に定義します。)を除きます。)を、本両公開買付け及びその後に予定された一連の取引により取得することを決議したとのことです(以下、本両公開買付けを含むかかる一連の取引を「本取引」といいます。)。
公開買付者は、本取引の第一段階として当社の代表取締役社長であり、2023年11月13日当時の当社の主要株主かつ筆頭株主であった若濵久氏が所有していた当社株式(2023年11月13日当時の所有株式数:2,311,250株、所有割合(注1):36.58%)のうち、当社の取締役として割り当てられた譲渡制限付株式報酬として所有する譲渡制限付株式1,250株を除いた2,310,000株に、2023年11月13日当時、若濵久氏が役員持株会の名義で所有していた6,046株(所有割合:0.10%)を加算した2,316,046株(所有割合:36.66%、以下「第一回公開買付け応募合意株式」といいます。)を取得することを目的として、買付予定数の下限を第一回公開買付け応募合意株式と同数の2,316,046株(所有割合:36.66%)と設定し、買付予定数の上限を設定せず、2023年11月14日から2023年12月12日までを買付け等の期間(以下「第一回公開買付期間」といいます。)、当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「第一回公開買付価格」といいます。)を625円とする公開買付けを実施した結果、買付予定数の下限(2,316,046株)を上回る2,316,746株(所有割合:36.67%)の応募により、第一回公開買付けが成立し、2023年12月19日(以下「第一回公開買付け決済開始日」といいます。)に第一回公開買付けの決済が完了したことから、本日現在、当社株式2,316,746株(所有割合:36.67%)を取得するに至っているとのことです。公開買付者は、第一回公開買付けが成立し、また、第一回公開買付けの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを確認したことにより、第二回公開買付けを実施することを決定したとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2023年10月13日に提出した第8期第1四半期報告書に記載された2023年8月31日現在の当社の発行済普通株式総数(6,329,400株)から、当社が2023年10月13日に公表した「2024年5月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2023年8月31日現在の当社が所有する自己株式数(10,939株)を控除した株式数(6,318,461株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下所有割合の記載において同じとします。
また、公開買付者は、本取引の一環として、若濵久氏の妻である若濵由美子氏(以下「KDT株主」といいます。)がその発行済株式の全てを所有する資産管理会社であって当社の主要株主かつ第2位株主であるKDT(所有株式数:900,000株、所有割合:14.24%。以下、KDTが所有する当社株式を「KDT所有当社株式」といい、その株式数を「KDT所有当社株式数」といいます。)に関し、KDT株主との間で、(ⅰ)第一回公開買付けが成立した場合は、第一回公開買付け決済開始日と同日に、公開買付者が、KDT株主からKDTの発行済株式の全て(以下「KDT株式」といいます。)を現金対価により譲り受けること(以下「KDT株式取得」といいます。)、(ⅱ)KDT株主が、KDTをしてKDT所有当社株式の全て(所有株式数:900,000株、所有割合:14.24%)を本両公開買付けに応募させないこと、及び(ⅲ)KDT株主に対して支払われるKDT株式の譲渡価額(以下「KDT株式譲渡価額」といいます。)の算定方法等について、2023年11月13日付で合意し、上記のとおり第一回公開買付けが成立したことから、第一回公開買付け決済開始日付で、KDT株式取得を完了したとのことです。その結果、公開買付者は、本日現在、KDTの発行済株式の全てを取得しており、KDT所有当社株式と合わせて、当社株式を合計3,216,746株(所有割合:50.91%)所有するに至っているとのことです。
なお、公開買付者は、若濵久氏及びKDT株主は、KDTが第一回公開買付けの開始日(2023年11月14日)時点において、KDT所有当社株式、現預金及び税金資産以外の資産を有しない資産管理会社であることを踏まえて、KDT株式譲渡価額が、(ⅰ)KDT所有当社株式数(900,000株)に第一回公開買付価格と同額(625円)を乗じた額(562,500,000円)から、(ⅱ)KDTは第一回公開買付け決済開始日までの間に未払法人税等を除く債務を弁済済みとなる予定であり、第一回公開買付け決済開始日に存在するKDTの債務は未払法人税等のみであるところ、第一回公開買付け決済開始日においてKDTが負担する唯一の債務である未払法人税等(195,800円)を控除し、(ⅲ)第一回公開買付け決済開始日において存在するKDTの資産は、KDT所有当社株式のほか現預金及び税金資産のみであるところ、第一回公開買付け決済開始日において存在するKDTの資産からKDT所有当社株式を除いた資産(現預金(33,185円)及び税金資産(554,950円)(注2))の額を加算した額(562,892,335円)と設定することについて合意しているとのことです(注3)。KDT株式譲渡価額がKDT所有当社株式数(900,000株)に第一回公開買付価格を乗じた額から、第一回公開買付け決済開始日においてKDTが負担する未払法人税等を控除し、第一回公開買付け決済開始日におけるKDTの現預金及び税金資産の額を加算した額と設定される場合、KDT所有当社株式を第一回公開買付価格と同額に評価した上で、第一回公開買付け決済開始日においてKDTが所有するKDT所有当社株式以外の資産を加算し、KDTが負担する負債を控除することでKDT株式譲渡価額を算出していることから、KDT株主は、KDTがKDT所有当社株式を第一回公開買付けに応募した場合にKDTが受領することとなるのと同等の経済的価値を受領することとなったとのことです。したがって、公開買付者は、KDT株式取得は資産管理会社の株式の取得における価格に相当性がある場合に該当し、また、法第27条の2第3項及び令第8条第3項に定める公開買付価格の均一性に反しないと判断しているとのことです。若濵久氏及びKDT株主が、公開買付者に対し、公開買付者が公開買付けを通じてKDT所有当社株式を直接取得するのではなく、KDT株式を相対取引により取得することによりKDT所有当社株式を間接取得することを要請した経緯の詳細については、下記「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(注2) 第一回公開買付け決済開始日におけるKDTの税金資産の額は、公開買付者がKDTより取得した2023年10月31日付期末配当金計算書に記載されている金額を基にKDTが計算した税金資産の額(554,950円)を記載しております。
(注3) 第一回公開買付けの開始日(2023年11月14日)時点において、KDTが保有する資産はKDT所有当社株式のほか現預金及び税金資産のみだったとのことです。また、KDTは、同日以降、第一回公開買付け決済開始日までに新たに資産を取得していないとのことで、現預金(33,185円)及び税金資産(554,950円)の金額は変動していないとのことです。
公開買付者は、本取引の第二段階として、第一回公開買付けが成立して決済が完了してから速やかに、第一回公開買付け応募合意株式を除く当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的として、第二回公開買付けを開始することを2023年12月20日開催の公開買付者の取締役会にて決議しており、第一回公開買付けが成立した場合には、第一回公開買付けの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを条件として、2023年12月21日から2024年2月7日までを買付け等の期間(以下「第二回公開買付期間」といいます。)とする第二回公開買付けの実施を予定していたとのことです。公開買付者は、上記のとおり2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了し、2023年12月20日までに、第一回公開買付けの撤回等の条件のうち、(ⅰ)令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ソに掲げる事項を行うことについて、当社又はその子会社の業務執行機関が決定した事実が存在しないことについては、公開買付者において、当社の東京証券取引所の適時開示において該当する適時開示がなされていないことを確認するとともに、当社から、令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ソに掲げる事項について決定した事実は存在しない旨の報告を受けることにより、(ⅱ)令第14条第1項第3号イ乃至チ及びヌに掲げる事項が発生していないことについては、当社から、令第14条第1項第3号イ乃至チ及びヌに掲げる事項が発生した事実は認識していない旨の報告を受けることにより、これらの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを確認し、また、2023年12月20日までに、公開買付者に関し、第一回公開買付けの撤回等の条件のうち、令第14条第2項第3号乃至第6号に掲げる事項が生じていないことから、2023年11月13日開催の取締役会決議に基づき、本取引の第二段階として、公開買付者が第一回公開買付けで取得した当社株式以外の当社株式(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的として第二回公開買付けを実施するとのことです。なお、2023年11月14日に提出した第一回公開買付けに係る公開買付届出書に記載した第二回公開買付けの内容及び条件からの変更はないとのことです。
第二回公開買付けにおける当社株式の買付け等の価格(以下「第二回公開買付価格」といいます。)は、第一回公開買付価格625円に比べて252円(40.32%)高い877円としているとのことです。第二回公開買付価格の詳細は、下記「③ 第二回公開買付けに関する事項」をご参照ください。
なお、第二回公開買付けに下限を設定いたしますと第二回公開買付けが成立するか否かが不確実となるため、第二回公開買付価格での売却を希望される当社株主の皆様に売却の機会を確実に提供する観点から、第二回公開買付けには下限を設定しておらず、また、公開買付者は当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを本取引の目的としていることから、第二回公開買付けには上限も設定していないとのことです。
当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、第一回公開買付けについて、(ⅰ)賛同の意見を表明すること、及び、(ⅱ)第一回公開買付価格は公開買付者と当社の筆頭株主であり、代表取締役社長である若濵久氏との交渉により両者で合意したものであり、第一回公開買付けについては、若濵久氏のみが応募することが想定される一方で少数株主による応募は想定されていないこと、第一回公開買付けが成立した場合には、その決済の完了後速やかに、少数株主のために、第一回公開買付価格よりも高い価格を買付け等の価格として第二回公開買付けが実施される予定であることを踏まえ、第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとり、株主の皆様の判断に委ねることを決議いたしました。
また、公開買付者によれば、第一回公開買付けが成立した場合には、その決済が完了してから速やかに、公開買付者が第一回公開買付価格よりも高い価格での第二回公開買付けを実施する予定であるため、当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、同日時点においては、第二回公開買付けが行われた場合には、第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明するべきであり、第二回公開買付けが開始される時点で改めてその旨の意見表明について決議するべきと考える旨を併せて決議いたしました。
そして、当社は、2023年12月20日開催の取締役会において、第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨を決議いたしました。
当社取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
公開買付者は、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本両公開買付けによって、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDTが所有する当社株式を除きます。)を取得できなかった場合には、第二回公開買付け成立後に、下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。また、下記「(5)上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、第二回公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合であっても、本臨時株主総会(下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。)において株式併合(下記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に定義します。)の議案についてご承認を得た場合には、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があるとのことです。なお、第二回公開買付けにおいては、買付予定数の下限を設定していないことから、第二回公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合、本スクイーズアウト手続として行われる株式併合の議案が本臨時株主総会において承認されない可能性もあるとのことです。しかし、当該承認が得られない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的とし、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しておりますが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことです。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得により、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定ですが、現時点において決定している事項はないとのことです。
(ⅰ)第一回公開買付け実施前
(ⅱ)第一回公開買付け成立後
[第一回公開買付けの概要]
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買付け等の目的 |
第一回公開買付け応募合意株式の取得(若濵久氏からの応募のみを想定) |
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買付け等の価格 |
普通株式1株につき 金625円 |
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買付予定数 |
上限:なし 下限:第一回公開買付け応募合意株式と同数である2,316,046株 |
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買付け等の期間 |
2023年11月14日(火曜日)から2023年12月12日(火曜日)まで(20営業日) |
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決済の開始日 |
2023年12月19日(火曜日) |
(注1) 第一回公開買付けに応募された株式2,316,746株の所有割合であります。
(注2) 2023年11月13日時点で若濵久氏が当社の取締役として割り当てられた譲渡制限付株式報酬として所有する譲渡制限付株式1,250株の所有割合であります。
(ⅲ)第二回公開買付け成立後
[第二回公開買付けの概要]
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買付け等の目的 |
当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。なお、第一回公開買付け応募合意株式については全て買付け済とのことです。)の取得 |
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買付け等の価格 |
普通株式1株につき 金877円 |
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買付予定数 |
上限:なし 下限:なし |
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買付け等の期間 |
2023年12月21日(木曜日)から2024年2月7日(水曜日)まで(30営業日) |
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決済の開始日 |
2024年2月15日(木曜日) |
(ⅳ)本スクイーズアウト手続後
② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針
(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、1946年7月に扇興運輸商事株式会社として設立して以来、自動車運送事業、鉄道利用運送事業、海上運送事業、倉庫事業等の各種許認可の取得、輸送体制の充実及び拠点の拡充を図りながら積極的に事業を展開してきたとのことです。1961年10月に証券会員制法人大阪証券(その後、2001年4月に組織変更し、株式会社大阪証券取引所となっております。以下、組織変更後の同取引所を併せて「大阪証券取引所」といいます。)市場第二部に上場、1975年3月に大阪証券取引所市場第一部(なお、2013年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場が統合されました。)に一部指定、1990年2月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月4日の東京証券取引所の市場区分の変更に伴い、本日現在、東京証券取引所プライム市場に株式を上場しているとのことです。また、1946年11月に扇興運輸株式会社、1973年10月にセンコー株式会社に商号を変更し、2017年4月に持株会社体制に移行し、センコーグループホールディングス株式会社に商号を変更しているとのことです。
公開買付者並びに公開買付者の子会社168社及び関連会社16社(本日現在)で構成される企業グループ(以下「公開買付者グループ」といいます。)は、“人を育て、人々の生活を支援する企業グループとして物流・商事事業を核に、未来を動かすサービス・商品の新潮流の創造にたゆみなく挑戦し、真に豊かなグローバル社会の実現に貢献する、未来潮流を創る企業グループ”をミッション&ビジョンと掲げ、海外事業展開や新規事業の創出を図り、企業価値向上に努めているとのことです。
また、公開買付者は、2022年5月13日付で公表した「センコーグループ中期経営計画 2022年度~2026年度」において、2026年度に売上高1兆円、営業利益450億円の達成を目指し、「事業の深化と創出を通じて、人と社会に新しい価値を届け、持続的な成長を目指す」を基本方針として、(ⅰ)既存事業の拡大と深化、(ⅱ)成長事業の創出と育成、(ⅲ)ESG+H(健康)経営への取り組み、(ⅳ)グループ経営の高度化、(ⅴ)働きがいと個人の成長の実現の5つの重点課題に対する取り組みを進めているとのことです。
現在、公開買付者グループは、5つの事業セグメントを有しており、物流事業、商事・貿易事業、ライフサポート事業、ビジネスサポート事業及びプロダクト事業を営んでいるとのことです。とりわけ、ライフサポート事業では、保育事業、生活支援・家事代行サービス事業、クリーニング事業、総合卸売及び小売店事業、フィットネス事業、介護事業並びに外食事業等を営んでおり、2020年8月末には保育事業及び学童事業を営む株式会社プロケア(以下「プロケア」といいます。)の発行済株式の全てを取得して公開買付者グループに迎え入れ、他社との連携を含めて、保育事業及び学童事業の更なる成長拡大を目指しているとのことです。
本日現在の当社及び当社の連結子会社2社(以下総称して「当社グループ」といいます。)の沿革は次のとおりです。純粋持株会社である当社は、2016年6月1日の単独株式移転により、当社の中核子会社である株式会社セリオの完全親会社として設立されました。株式会社セリオは、2005年に会社設立し、子育て中の既婚女性の人材派遣を主とした就労支援事業を開始、現在は総合人材サービス「sacaso(サカソ)」として、育児や家事に従事する方にも働きやすいパートタイム型のお仕事を紹介し、女性がいきいきと社会で活躍するためのサポートを行っています。その後、女性の就労機会を創出し、未来を担う子どもたちの成長を応援する目的で、2010年に小学生を対象とした学童保育施設の運営を行う放課後事業、2012年には未就学児童を対象とした保育園の運営を行う保育事業を開始し、2018年3月には当社が東京証券取引所マザーズへ株式を上場しました。また、2015年に保育施設の不動産管理を主たる事業領域とする株式会社クオーレを株式会社セリオの100%出資の子会社として設立し、2020年に株式会社セリオガーデン(以下「セリオガーデン」といいます。)に商号変更しました。その後、2021年に、子どもたちへのより良い成長環境の創出のため、セリオガーデンにて教育・福祉施設の園庭芝生化事業を開始し、現在の当社グループの体制となり「家族の笑顔があふれる幸せ創造カンパニー」をビジョンに掲げ「仕事と家庭の両立応援」、「未来を担う子どもたちの成長応援」をミッションに事業活動を行っております。2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場に移行し、2023年8月時点で、全国で215の学童保育施設・保育園を運営、約2万人の子どもたちが当社グループの施設を利用しています。
当社グループは、2023年7月13日に公表した「2023年5月期決算補足説明資料」に記載の「中期経営計画2024~2026」では、2026年5月期において、連結売上高13,750百万円、連結営業利益766百万円を目標に掲げております。足元では、2023年10月13日に公表した「2024年5月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」及び「2024年5月期第1四半期決算補足説明資料」にて記載のとおり、2024年5月期計画における進捗は売上高、営業利益ともに第1四半期末時点で2024年5月期計画に対し26%台の進捗率と計画どおりに推移しております。その背景として、就労支援事業における新規顧客開拓及び派遣スタッフ獲得が順調に進んでいること、放課後事業及び保育事業において2023年4月の新規開設施設数が計画を上回ったことによる利用児童数の増加及び既存施設の利用児童数が順調に増加していることが売上高に寄与していることが挙げられます。営業利益においては2023年5月期中に不採算の事業及び施設の撤退を完了させていることに加え、ICT化(注1)や当社グループが支店展開をしている関西圏や関東圏を中心とした地域や自治体において集中した施設展開を行うことによる効率化の進展により各事業ともに管理コストが低減しており、2024年5月期の業績予想としては売上高が前年比13.5%増、営業利益が前年比114.5%増であり、2024年5月期第1四半期の売上高は前年同期比19.5%増、営業利益は前年同期比814.4%増となっております。また、現時点において2024年4月の新規開設施設計画における進捗も順調であることを踏まえ、2025年5月期以降においてもこの傾向は継続すると見込んでおり、2026年5月期の目標達成を目指しております。一方で、当社グループを取り巻く事業環境は少子化の進行と密接に関わっており、長期的には労働力人口の減少による就労支援事業の影響、出生数の減少といった社会変化に対処しつつ、就労支援事業、放課後事業、保育事業の成長を維持していくことは、当社グループにとって大きな経営課題であり、持続的な成長をし続けるためには、家庭、子ども、主婦を取り巻く周辺事業への展開、又は当社グループを既に利用している皆様の利便性を更に高めるべく事業を拡大していくことが欠かせません。
(注1) 「ICT」とは、Information and Communication Technology(情報通信技術)の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。
上記のような当社グループを取り巻く経営環境等を踏まえ、当社として様々な企業価値の向上に向けた経営戦略の検討を進める中で、当社の主要株主かつ筆頭株主であり、代表取締役社長である若濵久氏の健康上の理由を契機として、2023年3月上旬以降、資本政策及びパートナー候補の検討を開始しました。
公開買付者は、上記のとおり、2020年8月31日にプロケアの発行済株式の全てを取得して公開買付者グループに迎え入れ、他社との連携を含めて、保育事業及び学童事業の更なる成長拡大を目指しており、加えて、上記の「センコーグループ中期経営計画 2022年度~2026年度」の「セグメント別目標と重点施策」の「(3)ライフサポート事業」においても、健康、生活、食領域におけるM&Aの推進を掲げて、その達成及び実行に向けた検討を重ねたとのことです。
このような状況の中、公開買付者は、2023年4月7日に、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下「EY」といいます。)より、若濵久氏が所有する当社株式の全て及びKDT株式の譲渡に関する第一次入札プロセスへの参加打診を受け、2023年4月上旬から2023年5月中旬にかけて、若濵久氏が所有する当社株式の全て及びKDT株式の取得の是非について検討を行ったとのことです。なお、公開買付者は、2023年4月上旬、EYより、KDT株主が、KDT株主にとって税制上有利な方法を選択して課税後の譲渡対価を最大化させる観点から、公開買付けへの応募を通じてKDT所有当社株式を譲渡するのではなく、KDT株式を相対取引により譲渡することを希望している旨の説明を受け、また、EYから受領した第一次入札プロセスの概要が記載されたプロセスレターには、譲渡手段として、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株式の現金対価による譲渡を想定している旨の記載があったことを受けて、KDT株式の相対取引による取得についての検討も併せて行ったとのことです。また、公開買付者は、2020年8月31日にプロケアの発行済株式の全てを取得して公開買付者グループに迎え入れて、他社との連携を含めて、保育事業及び学童事業での成長拡大を目指していたところ、上記検討の結果、当社は、大阪府をはじめとする関西圏を中心に保育事業、学童事業及び就労支援事業を展開し、関西圏において高い競争力を有していることに加え、運営している事業に精通した人材が豊富に存在しており、今後の更なる事業発展が期待される一方で、プロケアは東京都をはじめとする首都圏を中心に保育事業及び学童事業を展開していることから、当社を公開買付者グループに迎え入れることで、首都圏と関西圏において事業上の補完関係を実現すること、教育研修や保育サービスの向上、ブランドの浸透及び同エリアにおけるプロケアと当社グループの人材採用の効率化と定着化を図ることができると考えるに至ったとのことです。
そこで、公開買付者は、2023年4月7日に上記の第一次入札プロセスの概要が記載されたプロセスレターを受領後、一次意向表明書提出に向けた検討を行い、2023年5月22日に、(ⅰ)当社の上場を維持する方針の下、買付予定数の上限を設けた公開買付け等を通じて、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株式の全ての取得を行う取引スキーム、又は、(ⅱ)当社を完全子会社化することを目的として、買付予定数の上限を設定しない公開買付け等を通じて、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株式の全ての取得を行う取引スキームを想定しつつも、いずれの取引スキームを選択するかについては継続的に検討していく旨の一次意向表明書を提出したとのことです。その後、2023年6月1日に、EYより、取引スキームを明確にした一次意向表明書の再提出を要請されたことから、公開買付者は、改めて取引スキームについて検討を行った結果、(ⅰ)本取引を通じて当社を完全子会社化することが望ましいこと(当社を連結子会社化するのではなく、完全子会社化することとした主な理由は、公開買付者と当社の少数株主の皆様の間に構造的利益相反関係が生じることを回避するためとのことですが、検討の経緯については後述いたします。)、(ⅱ)KDT株式の相対取引による取得によっても本取引の目的を達成できると考えたこと、(ⅲ)公開買付者が、KDT株主からKDT株式を相対取引によって取得することにより、KDT所有当社株式を間接的に取得することになるものの、KDT株式譲渡価額が(a)KDT所有当社株式数(900,000株)に第一回公開買付価格を乗じた額(562,500,000円)から、(b)KDTは第一回公開買付け決済開始日までの間に未払法人税等を除く債務を弁済済みとなる予定であり、第一回公開買付け決済開始日に存在するKDTの債務は未払法人税等のみであるところ、第一回公開買付け決済開始日においてKDTが負担する唯一の債務である未払法人税等(195,800円)を控除し、(c)第一回公開買付け決済開始日において存在するKDTの資産は、KDT所有当社株式のほか現預金及び税金資産のみであるところ、第一回公開買付け決済開始日において存在するKDTの資産からKDT所有当社株式を除いた資産(現預金(33,185円)及び税金資産(554,950円))の額を加算した額(562,892,335円)と設定される場合、KDT所有当社株式を第一回公開買付価格と同額に評価した上で、第一回公開買付け決済開始日においてKDTが所有するKDT所有当社株式以外の資産を加算し、KDTが負担する負債を控除することでKDT株式譲渡価額を算出していることから、KDT株主は、KDTがKDT所有当社株式を第一回公開買付けに応募した場合にKDTが受領することとなるのと同等の経済的価値を受領することとなるため、KDT株式取得は資産管理会社の株式の取得における価格に相当性がある場合に該当し、また、法第27条の2第3項及び令第8条第3項に定める公開買付価格の均一性に反しないと判断されること、(ⅳ)公開買付者が、KDT株主からKDT所有当社株式を間接的に取得することから、KDT以外の当社の株主の皆様にも、その所有する当社株式を売却する機会を確保するため、買付予定数の上限を設定せずに、公開買付けを実施する必要があると考えるに至ったとのことで、2023年6月20日に、当社を完全子会社化することを目的として、買付予定数の上限を設定しない公開買付け等を通じて、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株式の全ての取得を行う旨、並びに当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式を除きます。)の買付総額を記載した一次意向表明書を再度提出したとのことです。
その後、当社は、一次意向表明書の内容について当社の競争力の強化及び企業価値の向上に資するシナジーの発現可能性や公開買付けに係る条件といった観点から慎重に検討を行い、若濵久氏とも協議の上で、公開買付者のみに、当社に対するデュー・ディリジェンスの機会を提供することを決定し、公開買付者は2023年6月21日にEYより第二次入札プロセスへの参加が認められる旨の通知を受け、第二次入札プロセスに参加することとなったとのことです。そして、公開買付者は、2023年7月下旬に、公開買付者グループ、当社グループ、若濵久氏、KDT及びKDT株主(以下、総称して「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所(現 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業。以下「西村あさひ」といいます。)を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト」といいます。)をそれぞれ選任したとのことです。なお、西村あさひ及びデロイトは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、西村あさひに対する報酬には、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。一方で、デロイトに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことですが、公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系によりデロイトを公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。
公開買付者は、第二次入札プロセスにおいて、2023年7月下旬から2023年9月上旬まで、当社グループに対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社の経営陣及び財務・税務・法務・経営企画等を管轄する部署の実務担当者との当社グループの詳細を理解するための面談等を実施した結果、本取引の障害となる当社グループの事業、財務・税務及び法務等に関する特段の問題が検出されなかったことを踏まえて、公開買付者及び当社の実務担当者との間で公開買付者グループの事業基盤との連携を通じて当社グループの放課後・保育施設の首都圏への新設拡大、同施設のコンテンツ充実による保護者満足度及び利用者満足度の向上、公開買付者のグループ企業への派遣需要に対し当社グループの就労支援事業による売上機会の創出が期待できるか等、以下に記載する公開買付者グループと当社グループとの間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策、買収ストラクチャー及び公開買付者による当社の完全子会社化後の経営方針等について更なる分析及び検討を進めたとのことです。
かかる検討の結果、2023年10月中旬、公開買付者は、当社グループが取り組む事業(保育事業、放課後事業及び就労支援事業。以下、総称して「当社グループ事業」といいます。)は、昨今における女性の社会進出・働き方の多様化等を背景として継続的な成長が期待されている一方で、当社グループ事業のうち、特に保育事業及び放課後事業については、少子化による影響から園児・児童の確保が難しくなり、企業間における競争環境は今後一層激化していくとの想定に至ったとのことです。かかる競争環境の中で、利用者様に選ばれ続ける事業者となるためには、(ⅰ)継続的なサービス品質の向上並びにサービス品質を維持、向上するための人材の確保及び人材の育成、(ⅱ)継続的なサービス内容の拡充、(ⅲ)保育・放課後施設の新規開設等の施策を実行し、当社の企業価値向上を実現していくことが不可欠であると考えるに至ったとのことです。本取引を通じて当社グループが公開買付者グループに参画することは、当社にとっては「仕事と家庭の両立応援」、「未来を担う子どもたちの成長応援」という当社グループが掲げる事業目的を推進することに資することとなり、また公開買付者にとっても、本取引を通じて当社を完全子会社化することにより、以下のシナジー効果及びメリットを創出することができることに加えて、公開買付者が2022年5月13日付で公表した「センコーグループ中期経営計画2022年度~2026年度」の「セグメント別目標と重点施策」の「(3)ライフサポート事業」において掲げた2026年度の売上高及び営業利益目標並びに健康、生活、食領域におけるM&Aの推進に資するものと考えるに至ったとのことです。なお、上記のとおり、公開買付者は、当初、当社の上場を維持する取引スキーム及び当社を公開買付者の完全子会社とする取引スキームの双方について検討しておりましたが、当社の上場が維持された場合、公開買付者と当社の少数株主の皆様との間の構造的利益相反関係が存在することになるため、公開買付者グループと当社グループとの間で、ノウハウ、人材及び事業基盤等の経営資源の相互活用を進めていくに際しては、かかる利益相反関係を解消するための措置を講じる等当社の少数株主の皆様の利益を考慮した慎重な検討が求められることとなり、公開買付者としても当社の上場会社としての経営の独立性の維持に配慮する必要が生じることから、当社と連携した事業展開を迅速かつ柔軟に行う際に制約が生じることが懸念されるとのことです。上記を踏まえ、公開買付者は、以下のようなシナジー効果及びメリットを最大化し、公開買付者及び当社の中長期的な企業価値向上を実現するためには、当社を公開買付者の完全子会社とすることが不可欠であると考えるに至ったとのことです。一方で、当社を非公開化した場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達が行えなくなること、また、上場会社としての社会的な信用や知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼすことが考えられるとのことですが、エクイティ・ファイナンスによる資金調達については、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、現状、エクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は高くないものと考えており、また、公開買付者グループの信用力の下、より有利な条件での間接金融による資金調達も可能になると思われ代替可能であること、また、上場会社としての社会的な信用や知名度については、事業活動を通じて獲得される部分もあることに加え、上場会社である公開買付者の傘下に入ることで、公開買付者グループが有する社会的な信用や知名度も得られることからすれば、当社の非公開化に伴うデメリットは限定的であると考えているとのことです。
公開買付者が想定する当社グループにおけるシナジー効果及びメリットについては、具体的に以下を想定しているとのことです。
なお、上記のとおり、当社の上場が維持された場合、公開買付者と当社の少数株主の皆様との間の構造的利益相反関係が存在することになるところ、公開買付者としては、上記「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、必要に応じてスクイーズアウト手続にかかる議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得により当社株式を追加取得することを含め当社の非公開化を目指しているとのことで、第二回公開買付価格のプレミアム水準、当社の現在の株主状況、過去の当社の定時株主総会における議決権行使比率から算出される特別決議に必要な議決権割合を踏まえ、当社の非公開化が合理的に実現可能と考えているとのことから、当社の上場が維持された場合において生じるシナジーについては検討していないとのことです。
(ア)人員採用ノウハウ及び人材育成ノウハウの活用を通じたサービス品質の向上
上記のとおり、継続的なサービス品質の向上のためには、保育士等の人材や放課後指導員等の施設職員の確保及びより高い品質の保育サービスを提供できる人材の育成が必要と考えているところ、当社グループが公開買付者グループに参画することで、プロケア及び当社グループ(以下、総称して「両社」といいます。)が培ってきた求人・採用活動におけるノウハウを共有し、保育士や放課後指導員等の施設職員の採用活動を連携及び一体化することを通じて採用力を向上させるとともに、紹介料や媒体費等コスト削減にも繋がり、効率的な採用活動が可能になると考えているとのことです。また、両社が培ってきた人材教育・育成のノウハウを共有し、両社が合同で育成・研修等を実施することによって、より質の高いサービスを提供できる保育士や放課後指導員等の施設職員の育成も実現できると考えているとのことです。更に、両社の事業展開エリアの拡大と施設数増加により、保育士や放課後指導員等の施設職員の多様化する異動ニーズに応えるとともに、適正かつ効率的な人材配置が可能となり、人材の定着率向上に繋がるものと考えているとのことです。
(イ)事業基盤の相互活用によるサービスの拡充
上記のとおり、利用者様に選ばれ続ける保育・放課後施設とするためには継続的なサービス内容の拡充が必要であると考えているところ、公開買付者グループが有する事業基盤を有効活用することにより、当社グループの活動を多方面から支援し、保護者向けサービスも含めたサービスの品質向上や新規サービスの開発等が可能になると考えているとのことです。具体的には、(a)掃除代行、料理代行及びハウスクリーニング等の家庭向け生活支援サービスを展開している株式会社イエノナカカンパニー(注2)が提供する保育園でのカット野菜やエアコン清掃等の施設メンテナンスの利用、(b)ダイヤクリーニング株式会社(クリーニング店等の運営)による園児服のサブスクリプションサービス(注3)の受入れ、(c)株式会社COSPAウエルネス(スポーツ施設の運営)が展開するキッズ向けスクール(スイミング、テニス、ダンス)の活用、(d)公開買付者のライフサポート事業本部が管轄する公開買付者グループ各社の有効会員(約60万人)に対する当社グループの紹介を通じて、当社グループ及び当社グループが提供する各種サービスの認知度の向上等が可能になると考えているとのことです。
(注2) 株式会社イエノナカカンパニーは、公開買付者がその発行済株式の97%を所有する連結子会社であり、またダイヤクリーニング株式会社及び株式会社COSPAウエルネスは、公開買付者がその発行済株式の全てを所有する連結子会社であるとのことです。
(注3) サブスクリプションサービスとは、利用者が定額の料金を支払うことで、事業者の製品やサービスを一定期間利用できるサービスのことであるとのことです。
(ウ)経営資源の相互活用等を通じた保育・放課後施設の新規開設を含む成長投資の実行
上記のとおり、利用者様に選ばれ続ける保育・放課後施設とするためには施設の新規開設を行う必要があると考えているところ、両社が保有する、自治体への情報収集、各種コストと採算性試算等の保育・放課後施設開設ノウハウを共有することによって、より効率的に保育・放課後施設の開設に係る案件情報を獲得することや、入札応募数・落札率等の向上に繋げることができると考えているとのことです。
また、公開買付者は、公開買付者グループの信用力を最大限に活用することで、当社グループにおいて、保育・放課後施設物件等に係る設備投資やM&Aといった企業価値向上に資する成長投資のための資金調達を行うことが可能になると考えているとのことです。
(エ)その他
総務、経理、人事、監査等の本社機能及び情報システムを両社で共通化・一体化することで、経営機能及び管理体制の効率化を実現することが可能になると考えているとのことです。また、経営機能及び管理体制の効率化に伴い、当社における本社リソースの一部を上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を含む当社グループの中長期的な企業価値向上を実現するための各種施策の実行や、その他経営課題の解決に振り分けることが可能になると考えているとのことです。
公開買付者としては、上記のとおり、両社が培ってきた求人・採用活動におけるノウハウを共有し、保育士や放課後指導員等の施設職員の採用活動を連携及び一体化することを通じて当社グループだけではなくプロケアの採用力を向上させるとともに、当社グループだけではなくプロケアにおいて発生する紹介料や媒体費等コスト削減にも繋がり、効率的な採用活動が可能になること、両社が培ってきた人材教育・育成のノウハウを共有し、両社が合同で育成・研修等を実施することによって、当社グループだけではなくプロケアにおいても、より質の高いサービスを提供できる保育士や放課後指導員等の施設職員の育成も実現できること、また、両社の事業展開エリアの拡大と施設数増加により、プロケアの保育士や放課後指導員等の施設職員の多様化する異動ニーズに応えるとともに、適正かつ効率的な人材配置が可能となり、当社グループだけではなくプロケアにおける人材の定着率向上にも繋がること、更に、両社が保有する、自治体への情報収集、各種コストと採算性試算等の保育・放課後施設開設ノウハウを共有することによって、当社グループだけではなくプロケアにおいても、より効率的に保育・放課後施設の開設に係る案件情報を獲得することや、入札応募数・落札率等の向上に繋げることができることから、本取引は公開買付者グループの企業価値の向上にも資するものと考えているとのことです。
以上を踏まえ、公開買付者は、2023年8月8日に本特別委員会(以下に定義します。)より書面にて受領した、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(第二回公開買付価格を含みます。)の妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社の少数株主の皆様にとって不利益なものではない可能性についての質問に対し、複数回の書面での質疑を経て、2023年10月3日に回答を行い、口頭での説明も行ったとのことです。
また、公開買付者は、2023年10月16日に、2023年7月下旬から2023年9月上旬まで実施したデュー・ディリジェンスの結果及び当社株式の直近における市場株価の動向(2023年4月14日から2023年10月13日までの過去6ヶ月間における終値は528円から731円)等を総合的に勘案し、若濵久氏及び当社に対して、(ⅰ)第一回公開買付価格を625円(2023年10月16日の前営業日である2023年10月13日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値581円に対して7.57%(小数点以下第三位を四捨五入。以下同じです。)のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値644円に対して2.95%のディスカウント、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値648円に対して3.55%のディスカウント、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して1.63%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)、買付予定数の上限を設定せずに、買付予定数の下限を第一回公開買付け応募合意株式と同数である2,316,046株(所有割合:36.66%)とし、第一回公開買付け応募合意株式を取得することを目的として第一回公開買付けを行うこと、(ⅱ)第一回公開買付けが成立していることを条件に、第一回公開買付け決済開始日と同日に、KDT株式を現金対価により譲り受けること、(ⅲ)第一回公開買付けが撤回されていないことを条件に、公開買付者における当社株式の買付総額に制約がある中で、少数株主に対して一定のプレミアムが付された価格での売却機会を提供することを企図して、第二回公開買付価格を第一回公開買付価格に比べて177円(28.32%)高い802円(2023年10月16日の前営業日である2023年10月13日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値581円に対して38.04%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値644円に対して24.53%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値648円に対して23.77%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して30.41%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)、買付予定数の上限及び下限を設定せずに、公開買付者が第一回公開買付けで取得する第一回公開買付け応募合意株式以外の当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的として第二回公開買付けを行うこと、並びに(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)の取引を通じ、公開買付者及び当社の中長期的な企業価値向上を実現するため、当社を公開買付者の完全子会社とすること等を内容とする最終意向表明書を提出したとのことです。なお、本両公開買付けのストラクチャーを採用するに至った理由の詳細については、下記「③ 第二回公開買付けに関する事項」をご参照ください。
その後、公開買付者は、2023年10月17日に当社から、公開買付者が最終意向表明書にて提示した第二回公開買付価格(802円)は当社の公正価値を十分に反映した水準とはいえず、当社として少数株主に対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断したとして、第二回公開買付価格の再提示の要請を書面で受けたとのことから、2023年10月19日、第二回公開買付価格を835円(提案日の前営業日である2023年10月18日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値581円に対して43.72%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値634円に対して31.70%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値643円に対して29.86%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して35.77%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)とする提案を書面で行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、2023年10月20日に当社から、当該提案価格は引き続き当社の公正価値を十分に反映した水準とはいえず、当社として少数株主に対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断したとして、第二回公開買付価格の再提示の要請を書面で受けたとのことです。また、公開買付者は、2023年10月25日に当社から、少数株主から幅広い理解と賛同を得ることができる第二回公開買付価格として、第二回公開買付価格を910円へ引き上げることの要請を書面で受けたとのことで、2023年10月31日、第二回公開買付価格を855円(提案日の前営業日である2023年10月30日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値551円に対して55.17%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値591円に対して44.67%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値630円に対して35.71%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して38.80%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)とする提案を書面で行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、2023年11月1日に当社から、少数株主から幅広い理解と賛同を得るためにはプレミアムが期間平均株価を含め40%を下回らない水準であることを重視しているとして、第二回公開買付価格の再提示の要請を書面で受けたとのことで、2023年11月6日、第二回公開買付価格を865円(提案日の前営業日である2023年11月2日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値568円に対して52.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値585円に対して47.86%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値626円に対して38.18%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して40.42%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)とする提案を書面で行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、同日に当社から、当該提案価格は11月10日を基準日とした場合においても当社の市場株価3ヶ月平均対比でのプレミアムが40%を下回る可能性が高いものと想定されるとして、プレミアムが期間平均株価を含め40%を下回らない水準であること等を含めた検討の上での再提示の要請を書面で受けたとのことから、2023年11月9日、第二回公開買付価格を877円(提案日の前営業日である2023年11月8日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値607円に対して44.48%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値581円に対して50.95%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値626円に対して40.10%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して42.37%のプレミアムをそれぞれ反映した価格)とする提案を書面で行ったとのことです。これに対して、公開買付者は、同日に当社から、本特別委員会の意見も踏まえた検討の結果、当該提案価格は、少数株主にとって不利益ではないと考えられ、また、少数株主に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断したとして、最終的な意思決定は2023年11月13日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提に、第二回公開買付価格を877円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を受領したとのことです。なお、本取引後の経営方針や買付予定数の下限の設定を含む公開買付価格以外の条件については、2023年8月8日に本特別委員会より受領した質問に対する書面での回答及び2023年10月3日に実施した口頭での説明を通じて、関する両社の認識は概ね一致していたとのことから、本取引後の経営方針や公開買付価格以外の条件についての具体的な交渉は行っておらず、上記のとおり、公開買付価格について継続的に交渉を行ったとのことです。
以上の検討・交渉の結果を踏まえ、公開買付者は、2023年11月13日、第二回公開買付価格を877円とすることを決定したとのことです。
また、当該協議の過程において、2023年8月下旬から、公開買付者は、若濵久氏との間で、第一回公開買付け応募合意株式を第一回公開買付けに応募することに関する公開買付応募契約書(以下「本応募契約」といいます。)の具体的な内容について、若濵久氏及びKDT株主との間で、KDT株式取得に関する株式譲渡契約書(以下「本株式譲渡契約」といいます。)の具体的な内容について交渉を行っていたところ、2023年9月15日に、若濵久氏及びKDT株主は、健康上の理由から当社の取締役を退任する予定である若濵久氏が当社の取締役を退任した後も当社グループが今後更なる成長を実現し企業価値を向上させていくためには、安定した資本を有し、事業領域の面でシナジーが見込め、かつ当社グループの事業内容に対する理解がある公開買付者は最善の資本パートナーであると考えるに至ったとのことです。また、若濵久氏及びKDT株主は、公開買付者が、当社株式の買付総額に制約がある中で、少数株主に対して一定のプレミアムが付された価格での売却機会を提供することを企図して、公開買付者による少数株主の皆様からの応募を想定している第二回公開買付価格とは別の価格である第一回公開買付価格にて第一回公開買付け応募合意株式を取得したい旨の意向に対し、第一回公開買付け両公開買付けの成立に大株主として協力したいと強く考えたことから、第一回公開買付け応募合意株式について第二回公開買付価格(877円)に比べて252円低い価格である第一回公開買付価格(625円)で売却すること、及び、KDT株式について、KDT所有当社株式を第一回公開買付けに応募した場合にKDTが受領することとなるのと同等の経済的価値を受領することになるKDT株式譲渡価額で売却することを応諾したとのことです。また、2023年10月16日に公開買付者が当社に提出した最終意向表明書に記載の第一回公開買付価格を625円(2023年10月16日の前営業日である2023年10月13日時点の市場価格581円にプレミアム7.57%が付された価格)とする提案については、第一回公開買付けの成立を確実なものとし、また第二回公開買付けにおいて少数株主にとってより有利な公開買付価格が提示されることを確保する観点から応諾するとの結論に至ったとのことです。その後、2023年11月9日に、本応募契約及び本株式譲渡契約の内容に関しても認識の一致に至り、第一回公開買付けの公表日である2023年11月13日に、本応募契約及び本株式譲渡契約を締結することに関して合意したとのことです。
以上の検討・交渉の結果を踏まえ、公開買付者は、2023年11月13日、本取引の第一段階として、第一回公開買付価格を625円として第一回公開買付けを実施することを決定するとともに、若濵久氏との間で本応募契約を、またKDT株主との間で本株式譲渡契約を締結するに至ったとのことです。
その後、公開買付者は、2023年11月14日から2023年12月12日までを第一回公開買付期間、第一回公開買付価格を625円とする第一回公開買付けを実施した結果、買付予定数の下限(2,316,046株)を上回る2,316,746株(所有割合:36.67%)の応募により、第一回公開買付けが成立し、第一回公開買付け決済開始日(2023年12月19日)付で当社株式2,316,746株(所有割合:36.67%)を取得するに至ったとのことです。また、公開買付者は、第一回公開買付けが成立したことから、第一回公開買付け決済開始日付で、KDT株式取得を完了したとのことです。公開買付者は、第一回公開買付期間の末日である2023年12月12日、買付予定数の下限(2,316,046株)を上回る2,316,746株(所有割合:36.67%)の応募がなされたことを確認し、第一回公開買付けが成立することが判明したとのことから、同日、当社に対し、2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了すること、及び第一回公開買付けの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを前提に、第一回公開買付けに係る公開買付届出書に記載のとおり、2023年12月21日から第二回公開買付けを開始する方針であることを伝えたとのことです。そして、公開買付者は、当社から、第一回公開買付期間の末日である2023年12月12日、同日時点において、第一回公開買付けの撤回等の条件に該当する事象が生じていない旨、及び2023年12月20日開催の当社取締役会において第二回公開買付けについての意見表明に係る意思決定を行う予定である旨の連絡を受けたとのことです。その後、2023年12月19日時点で第一回公開買付けの決済が完了し、公開買付者において、2023年12月20日までに、第一回公開買付けの撤回等の条件のうち、(ⅰ)令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ソに掲げる事項を行うことについて、当社又はその子会社の業務執行機関が決定した事実が存在しないことについては、公開買付者において、当社の東京証券取引所の適時開示において該当する適時開示がなされていないことを確認するとともに、当社から、令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ソに掲げる事項について決定した事実は存在しない旨の報告を受けることにより、(ⅱ)令第14条第1項第3号イ乃至チ及びヌに掲げる事項が発生していないことについては、当社から、令第14条第1項第3号イ乃至チ及びヌに掲げる事項が発生した事実は認識していない旨の報告を受けることにより、これらの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを確認し、また、2023年12月20日までに、公開買付者に関し、第一回公開買付けの撤回等の条件のうち、令第14条第2項第3号乃至第6号に掲げる事項が生じていないことから、2023年11月13日開催の取締役会決議に基づき、本取引の第二段階として、公開買付者が第一回公開買付けで取得した当社株式以外の当社株式(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的として、2023年12月21日から2024年2月7日までを第二回公開買付期間、第二回公開買付価格を877円とする第二回公開買付けを実施することとしたとのことです。
(ⅱ)本両公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本取引成立後における当社の経営方針として、公開買付者グループとしての適切なガバナンスを目的として、公開買付者グループから当社へ代表取締役を含む取締役の過半数等を派遣すること等を想定しており、公開買付者及び若濵久氏は、本スクイーズアウト手続の完了日以降、若濵久氏が当社の取締役を退任し、公開買付者が指名する者を当社の取締役に選任するとともに、代表取締役に選定することについて合意しているとのことですが、代表取締役の候補者については現時点では未定であり、その他の詳細については、本取引成立後に公開買付者及び当社との間で協議して決定する予定とのことです。また、公開買付者は、健康上の理由から当社の取締役を退任する予定である若濵久氏を除いた当社グループの現経営陣には、引続き当社グループの運営に際して主導的な役割を果たしてほしいと考えているとのことです。
なお、公開買付者は、当社グループの従業員が有する知見及び経験が当社グループの運営に際して重要と考えているため、当社グループの従業員については原則として現在の雇用条件を維持することを予定しており、本取引成立後も変わらず当社グループの事業に引続き携ってほしいと考えているとのことです。
③ 第二回公開買付けに関する事項
(ⅰ)第二回公開買付けの概要
上記「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、2023年10月16日、第二回公開買付価格として、当社に対し、1株当たり802円としたい旨の提案を行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、2023年10月17日に当社から価格の引き上げの要請を受けたとのことから、2023年10月19日に第二回公開買付価格を835円とする提案を行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、2023年10月20日に当社から再度価格の引き上げを要請されたとのことで、また、2023年10月25日に、当社から第二回公開買付価格を910円とする旨の要請を受けたとのことから、2023年10月31日に第二回公開買付価格を855円とする提案を行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、2023年11月1日に当社から第二回公開買付価格の再提示の要請を受けたとのことから、2023年11月6日に第二回公開買付価格を865円とする提案を行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、同日に当社から第二回公開買付価格の再提示の要請を受けたとのことから、2023年11月9日に第二回公開買付価格を877円とする提案を行ったとのことです。これに対し、公開買付者は、同日に当社から、最終的な意思決定は2023年11月13日に開催される当社の取締役会での決議によることを前提に、第二回公開買付価格を877円とする公開買付者の提案に応諾する旨の回答を受領したとのことです。
また、公開買付者は、第二回公開買付価格を決定するにあたり、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるデロイトに対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。デロイトは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、デロイトに対する報酬には、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことですが、公開買付者は、報酬体系として成功報酬が含まれていることは同種の取引における一般的な実務慣行であることを勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもってデロイトの独立性が否定されるわけではなく、重要な利害関係を有しているとはいえないと判断したとのことで、上記の報酬体系によりデロイトを公開買付者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任したとのことです。
デロイトは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所グロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較的類似する事業を手がける上場会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにディスカウンテッド・キャッシュ・フロー(以下「DCF法」といいます。)を用いて、当社の株式価値の総額及び当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行い、公開買付者は、デロイトから2023年11月10日付で第二回公開買付価格に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において本両公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、デロイトから第二回公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者株式価値算定書によると、採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社の株式価値の総額及び株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
(株式価値の総額の範囲)
市場株価法 :3,670百万円~3,949百万円
類似会社比較法:3,340百万円~4,493百万円
DCF法 :4,469百万円~5,464百万円
(株式1株当たりの株式価値の範囲)
市場株価法 :581円~625円
類似会社比較法:529円~711円
DCF法 :707円~865円
市場株価法では、第一回公開買付けの公表日の前営業日である2023年11月10日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所グロース市場における算定基準日の終値601円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値581円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値625円及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値617円を基に、当社の株式価値の総額の範囲を3,670百万円から3,949百万円、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を581円から625円と算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を評価し、当社の株式価値の総額の範囲を3,340百万円から4,493百万円、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を529円から711円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2024年5月期から2026年5月期までの3ヵ年)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が当社に対して行ったデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2024年5月期第2四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社の株式価値の総額の範囲を4,469百万円から5,464百万円、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を707円から865円と算定しているとのことです。なお、デロイトがDCF法による算定に用いた当社の事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2024年5月期及び2025年5月期においては、就労支援事業における新規顧客開拓及び派遣スタッフ獲得が進むこと、放課後事業及び保育事業において新規開設施設数が増加することに加え、保育事業においては、新規開設後、年度を経る毎に各年齢児クラスの充足率が高まることにより利用児童数が増加し、これらにより売上高が増加するとのことです。更に、2023年5月期中に不採算の事業及び施設の撤退を完了させたこと、また、ICT化や当社グループが支店展開をしている関西圏や関東圏を中心とした地域や自治体において集中した施設展開を行うことによる効率化の進展により管理コストが低減することにより、対前年度比で大幅な増益となることを見込んでいるとのことです。また、本両公開買付けの実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映していないとのことです。
公開買付者は、デロイトから取得した公開買付者株式価値算定書の算定結果に加え、公開買付者において2023年7月下旬から2023年9月上旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本両公開買付けへの賛同の可否、当社株式の直近における市場株価の動向(2023年5月11日から2023年11月10日までの過去6ヶ月間における終値は528円から731円)及び第二回公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、かつ、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2023年11月13日の取締役会決議において、当社株式の買付総額を4,731百万円、第二回公開買付価格を877円とすることを決定したとのことです。
また、第二回公開買付価格である877円は、第一回公開買付けの公表日の前営業日である2023年11月10日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値601円に対して45.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値581円に対して50.95%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値625円に対して40.32%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値617円に対して42.14%のプレミアムをそれぞれ反映した価格となるとのことです。
なお、第二回公開買付価格である877円は、市場株価法、類似会社比較法及びDCF法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲の上限である865円を上回っているとのことですが、(ⅰ)第一回公開買付価格である625円に本応募合意株式2,316,046株を乗じた金額(1,447,528,750円)と、(ⅱ)KDT株式譲渡価額(562,892,335円)と、(ⅲ)第二回公開買付価格である877円に本基準株式数である6,318,461株から本応募合意株式2,316,046株及びKDT所有当社株式数900,000株を控除した3,102,415株を乗じた金額(2,720,817,955円)を合計することで算出される当社の買付総額4,731百万円は、上記に記載の市場株価法、類似会社比較法及びDCF法に基づいて算定された当社の株式価値の総額の算定結果の範囲内である3,340百万円から5,464百万円であり、また、DCF法に基づいて算定された当社の株式価値の総額の範囲である4,469百万円から5,464百万円の範囲内でもあることから、公開買付者は、本両公開買付けは公開買付者の株主の皆様の不利益となる取引ではないと考えているとのことです。
(注) デロイトは、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を与える可能性がある事実でデロイトに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、公開買付者及び当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。デロイトの算定は、2023年11月10日までの上記情報を反映したものとのことです。
(ⅱ)第一回公開買付価格と第二回公開買付価格とが異なる理由
公開買付者は、本両公開買付けによって、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを企図しているとのことです。上記「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、2023年11月13日、若濵久氏との間で、当社株式の買付総額に制約がある中で、少数株主に対して一定のプレミアムが付された価格での売却機会を提供することを企図して、第一回公開買付け応募合意株式を第二回公開買付価格に比べて252円低い価格である第一回公開買付価格(625円)にて取得すること、及びKDT株主との間でKDT株式譲渡価額にてKDT株式を取得することで合意したとのことです。並行して、公開買付者は、当社の少数株主の皆様に市場株価にプレミアムが付された価格での売却機会を提供することを目的として、当社との間で、当社の少数株主の皆様が所有する当社株式を、第一回公開買付価格とは異なる価格にて取得することについて検討し、当社との間で交渉したとのことです。第一回公開買付価格と第二回公開買付価格が異なるのは、(ⅰ)公開買付者とそれぞれ別の相手方との交渉を経て決められた価格であること、(ⅱ)若濵久氏及びKDT株主は、公開買付者が、当社の少数株主の皆様に対して一定のプレミアムを付す必要性があることに鑑み、公開買付者による少数株主の皆様からの応募を想定している第二回公開買付けとは別の価格である第一回公開買付価格にて第一回公開買付け応募合意株式を取得したい旨の意向に対し、第一回公開買付価格は重要ではあるものの、本両公開買付けを成立させるためには、第二回公開買付価格を少数株主の皆様の利益にかなう価格とする必要があることを理解するとともに、当社の企業価値向上をより効果的に進めるためには当社の非公開化が望ましく、本両公開買付けの成立に大株主として協力したいと強く考えたことから、若濵久氏及びKDT株主が受け取る当社株式1株当たりの対価が当社の少数株主の皆様が受け取る対価よりも低くなることを了解したことによるものとのことです。若濵久氏及びKDT株主が、当社グループが今後更なる成長を実現し企業価値を向上させていくためには、本取引を通じて公開買付者と一体の経営を実現し、経営資源の相互活用を進めていく必要があるとの考えの下、安定した資本を有し、事業領域の面でシナジーが見込め、かつ当社グループの事業内容に対する理解がある公開買付者が最善の資本パートナーであると考えるに至ったことが若濵久氏及びKDT株主が上記の了解をした理由とのことです。
(ⅲ)二段階公開買付けを実施する理由
公開買付者は、若濵久氏及びKDT以外の当社株主の皆様から当社株式を取得する場合、法に基づき公開買付けを実施する必要があるとのことです。上記「(ⅱ)第一回公開買付価格と第二回公開買付価格とが異なる理由」に記載のとおり、公開買付者は、第一回公開買付価格を第二回公開買付価格に比べて252円低くすることについて、若濵久氏と合意に至ったところ、法においては、一つの公開買付けにおいて同一種類の株式に対して異なる買付け等の価格を設定することは許容されておらず、異なる買付け等の価格での公開買付けを同時に実施することは、実務上許容されていないと指摘されているとのことです。そのため、公開買付者は、第一回公開買付けにおいて、第一回公開買付け応募合意株式を第二回公開買付価格より低い価格にて取得すること、及び第二回公開買付けにおいて、残りの当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を若濵久氏及びKDT以外の当社株主の皆様から第一回公開買付価格より高い価格にて取得することを目的として、二段階の公開買付けを実施することとしたとのことです。
④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯
当社の代表取締役社長であり主要株主かつ筆頭株主であった若濵久氏は、本書提出日現在の当社グループが今後更なる成長を実現するためには、当社グループ独自の経営努力に加え、外部の経営資源をも活用することが有益であると考え、当社グループの競争力の強化及び企業価値の向上を図る観点から新たな当社の資本パートナーを探索すること、また、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株主が所有するKDT株式を譲渡することを企図して、KDT株主からの委任を受けて、2023年3月9日、買付候補者の選定プロセスの検討を開始する旨を当社に連絡し、当該選定プロセスに係るデュー・ディリジェンスへの協力を当社へ要請いたしました。これを踏まえ、当社は、公開買付者による当社株式の公開買付け及びその後の一連の取引による取得の公正性を担保するために、2023年3月上旬、公開買付関連当事者主から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関としてEYを選任し、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株主が所有するKDT株式の売却に関する検討の一環として、当社の企業価値の向上に対し支援を見込むことができると考えた公開買付者を含む13社(事業会社10社及びプライベートエクイティファンド3社)に若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株主が所有するKDT株式の買収について打診を行いました。その後、2023年5月下旬に若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株主が所有するKDT株式の買収に関心を示した公開買付者を含む複数の候補先が一次意向表明書を提出したことから、リーガル・アドバイザーとして弁護士法人御堂筋法律事務所(以下「御堂筋法律事務所」といいます。)を選任しました。更に、非公開化を伴うスキームとなる可能性を踏まえ本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び少数株主の利益を図る立場から、その是非や取引条件の妥当性、手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、公開買付関連当事者から独立した社外取締役によって構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を2023年5月31日に設置いたしました。続いて、2023年6月26日、本特別委員会は、御堂筋法律事務所及びEYについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、それぞれ当社のリーガル・アドバイザー及び当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任することについて承認いたしました。これらの各措置については、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会の意見に基づいた上で、御堂筋法律事務所及びEYの助言も受けながら、一次意向表明書の内容及び公開買付者から示されていた相対での交渉意向について当社の競争力の強化及び企業価値の向上に資するシナジーの発現可能性を含む本取引の実現確度や公開買付けに係る条件といった観点から慎重に検討を行い、若濵久氏とも協議いたしました。その結果、(ⅰ)公開買付者は当社グループの事業に係る理解及び知見が深く、相互に連携して事業拡大に向けた活動が可能と考えられ、シナジーの発現可能性も高く、本取引が実現され当社が公開買付者の経営参画を得ることは、若濵久氏が当社の取締役を退任した後も当社グループが今後更なる成長を実現し企業価値を向上させていく最善の選択肢であると初期的ながら評価できたこと、(ⅱ)公開買付けに係る諸条件及び本取引に対する真摯な取組み姿勢を総合的に勘案の上、当社は公開買付者を最終的な候補者として本格的に検討を進めることとし、2023年6月21日に、当社に対するデュー・ディリジェンスの機会を公開買付者のみに提供することを決定いたしました。その後、当社は、公開買付者に対し、2023年6月21日にEYより第二次入札プロセスへの参加を認める旨を通知し、公開買付者は第二次入札プロセスに参加するに至ったとのことです。なお、2023年6月1日に、当社から公開買付者に対してEYを通じて、取引スキームを明確にした一次意向表明書の再提出の要請を行った結果、2023年6月20日に、当社を完全子会社化することを目的として、買付予定数の上限を設定しない公開買付け等を通じて、若濵久氏が所有する当社株式及びKDT株式の全ての取得を行う旨の一次意向表明書の再提出を受けました。
その後、当社は、2023年7月下旬から9月上旬にかけて、公開買付者によるデュー・ディリジェンスを受けるとともに公開買付者及び当社の実務担当者との間で面談等を実施する中で、当社は公開買付者グループの事業基盤との連携を通じて当社グループの放課後・保育施設の首都圏への新設拡大、同施設のコンテンツ充実による保護者満足度及び利用者満足度の向上、公開買付者のグループ企業への派遣需要に対し当社グループの就労支援事業による売上機会の創出が期待できるか等の事業シナジーの具体化に向けた検討を行いました。
一方で、本特別委員会においても、上記の事業シナジーを具体的に検証すること等を目的として、2023年8月8日に公開買付者に対し(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む)、(ⅱ)本取引の条件(第二回公開買付価格、公開買付期間及び下限を含む)の妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益でないかについての質問を書面にて行い、複数回の書面での質疑を経て、2023年10月3日に本特別委員会は公開買付者から上記の質問事項に対する回答を受領し、本取引の条件(第二回公開買付価格、公開買付期間及び下限を含む)等上記に(ⅰ)乃至(ⅳ)に関しての口頭での説明も受けました。
なお、2023年8月下旬から、公開買付者は、若濵久氏と本応募契約の具体的な内容について、若濵久氏及びKDT株主とKDT株式の譲渡に関する契約の具体的な内容について交渉を行っていたところ、2023年9月15日に、若濵久氏及びKDT株主は、若濵久氏が当社の取締役を退任した後も当社グループが今後更なる成長を実現し企業価値を向上させていくためには、安定した資本を有し、事業領域の面でシナジーが見込め、かつ当社の事業内容に対する理解がある公開買付者は最善の資本パートナーであると考えるに至ったとのことであり、本両公開買付けの成立に大株主として協力したいと強く考えたことから、第一回公開買付け応募合意株式について第二回公開買付価格より低い価格である第一回公開買付価格で売却すること、及び、KDT株式について、KDT所有当社株式を第一回公開買付けに応募した場合にKDTが受領することとなるのと同等の経済的価値を受領することになるKDT株式譲渡価額で売却することを応諾したとのことです。
当社は、公開買付者によるデュー・ディリジェンスを経て、上記「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、2023年10月16日に、公開買付者から第一回公開買付価格(625円)及び第二回公開買付価格(802円)を含む最終意向表明書を受領し、下記「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載のとおり、第二回公開買付価格、公開買付期間及び下限を含む本取引に係る諸取引条件についての協議・検討を進めました。なお、(ⅰ)第二回公開買付けの公開買付期間については、当社の一般株主において、第二回公開買付けへの応募について適切な判断機会を確保するため、類似の事案と同程度の期間として30営業日とすることについて公開買付者及び当社の間で合意し、また、(ⅱ)第二回公開買付けの下限については、公開買付者としては、第二回公開買付けに下限を設定すると第二回公開買付けが成立するか否かが不確実となるため、第二回公開買付価格での売却を希望される当社の株主の皆様に売却の機会を確実に提供する観点、及び、第二回公開買付けに下限を設定した場合、少数株主が第二回公開買付けに応募できないことを懸念して、不本意ながら、第一回公開買付けに応募する事態が生じることを防ぐ観点から、第二回公開買付けに下限を設定しない方針である旨説明したところ、当社はこれを応諾しました。
以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適宜、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行っております。具体的には、当社は、当社が作成した2024年5月期から2026年5月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けております。また、公開買付者からの買付条件に係る提案に対しては、都度、本特別委員会に対し、当社のファイナンシャル・アドバイザーによる提案内容の分析結果、交渉方針並びに回答方針及び回答案について説明が行われ、本特別委員会として、それらを審議の上、適宜意見を表明し、本特別委員会の意見が適切に反映にされた上で決定された交渉方針に従って対応を行っております。
そして当社は、2023年11月13日、本特別委員会から、2023年11月13日時点において、本両公開買付けが開始された場合には、当社取締役会が本両公開買付けに賛同し、当社の株主の皆様に第二回公開買付けへの応募を推奨する旨の意見表明に係る決議を行うことは相当であり、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書の提出を受けております(本答申書の概要につきましては、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)当社の意思決定の内容
以上の経緯の下で、当社は、当該最終意向表明書の内容及び公開買付者との協議内容に照らして検討を行った上で、第二回公開買付価格を含む本取引に係る諸条件について、本特別委員会からの意見、指示、要請等に基づいた上で、EY及び御堂筋法律事務所の助言を受けながら2023年9月下旬から2023年11月上旬まで、公開買付者との間で、複数回にわたる協議・検討を重ねました(なお、第一回公開買付価格については、第一回公開買付けには若濵久氏のみが応募することが想定される一方で、少数株主による応募は想定されていないため、当該価格の妥当性は検討の対象としていません。)。具体的には、公開買付者が2023年10月16日に当社に提出した最終意向表明書に記載の第二回公開買付価格を802円(提案前営業日である2023年10月13日の当社株式の終値581円に対して38.04%、2023年10月13日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値644円(小数点以下四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じとします。)に対して24.53%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、株価に対するプレミアムの数値(%)において同じとします。)、過去3ヶ月間の終値の単純平均値648円に対して23.77%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して30.41%のプレミアム)とする第一回の価格提案について、当社及び本特別委員会は、EYから、EYによるDCF法に基づく当社の株式価値の初期的な試算結果や公開買付者による提案の分析結果、交渉方針並びに回答方針及び回答案等について説明を受け、検討を行いました。その結果、第一回の価格提案は当社の公正価値を十分に反映した水準とは言えず当社として少数株主の皆様に対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断したため、当社は、本特別委員会の承認を得た上で、2023年10月17日、公開買付者に対して、第二回公開買付価格の引き上げを要請しました。なお、若濵久氏及びKDT株主は、2023年10月16日に公開買付者が当社に提出した最終意向表明書に記載の第一回公開買付価格625円(提案前営業日である2023年10月13日の当社株式の終値581円に対して7.57%のプレミアム、2023年10月13日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値644円に対して2.95%のディスカウント、過去3ヶ月間の終値の単純平均値648円に対して3.55%のディスカウント、過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して1.63%のプレミアム)とする提案については、その後の交渉を経て、第一回公開買付けの成立を確実なものとし、また第二回公開買付けにおいて少数株主の皆様にとってより有利な公開買付価格が提示されることを確保する観点から、若濵久氏及びKDT株主は、2023年11月13日に公開買付者との間で合意に至ったとのことです。その後、当社は、2023年10月19日に公開買付者から第二回公開買付価格を835円(提案前営業日である2023年10月18日の当社株式の終値581円に対して43.72%、2023年10月18日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値634円に対して31.70%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値643円に対して29.86%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値615円に対して35.77%のプレミアム)とする第二回の価格提案を受領し、EYから受けた、EYによる当社のDCF法に基づく試算結果や第二回の価格提案の分析結果、交渉方針並びに回答方針及び回答案等についての説明・助言及び御堂筋法律事務所の助言を踏まえ当社及び本特別委員会が検討を行い、本特別委員会の承認を得た上で、2023年10月20日、公開買付者に対して第二回の価格提案は、初回の価格提案よりも引き上げられているものの、引続き、当社の公正価値を十分に反映した水準とは言えず当社として少数株主の皆様に対して賛同表明を決議できる水準には達しないと判断したため、公開買付者に対して、第二回公開買付価格の引き上げを要請しました。この後、2023年10月24日、当社は、公開買付者から、足元の株価水準や今後の見通し等を踏まえつつ、慎重に検討する必要があるとの連絡を受領しました。これを受け、当社及び本特別委員会は、2023年10月25日の本特別委員会において、DCF法に基づく試算結果や当社の2023年10月24日時点での市場株価終値(557円)及び期間平均(1ヶ月(619円)、3ヶ月(637円)、6ヶ月(615円))から算出したプレミアムを踏まえ、DCF法による試算レンジの中央値を超え、終値及び期間平均(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)いずれのプレミアムでも40%を下回らないことを重視した交渉方針及び回答案等にかかるEYからの説明・助言及び御堂筋法律事務所の助言を踏まえ、検討を行い、本特別委員会の承認を得た上で、DCF法に基づく試算結果、当社の市場株価推移及びそれを踏まえたプレミアムに鑑み、少数株主の皆様から幅広い理解と賛同を頂くことができるよう、公開買付者に対して、第二回公開買付価格を910円へと引き上げるよう要請しました。その後、当社は、2023年10月31日に公開買付者から第二回公開買付価格を855円(提案前営業日である2023年10月30日の当社株式の終値551円に対して55.17%、2023年10月30日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値591円に対して44.67%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値630円に対して35.71%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して38.80%のプレミアム)とする第三回の価格提案を受け、2023年11月1日開催の本特別委員会において、当社および本特別委員会は、当該価格提案に至った背景や前提となる経済条件について、公開買付者より説明を受けるとともに質疑を行いました。同日その後に、当社および本特別委員会は、第三回の価格提案の分析結果、DCF法に基づく試算結果や当社の市場株価推移及びそれに基づくプレミアムを踏まえた交渉方針並びに回答方針及び回答案等についてのEYからの説明・助言及び御堂筋法律事務所の助言を受け、第三回の価格提案内容を慎重に検討いたしました。その結果、本特別委員会の承認を得た上で、EYによるDCF法に基づく試算結果、当社の市場株価推移及びそれを踏まえたプレミアム、当社の2024年5月期の配当がなくなることにより当社株主の皆様に不利益を生じさせない観点での配慮を含め、少数株主の皆様から幅広い理解と賛同を頂くことができるよう、2023年11月1日、公開買付者に対し第二回公開買付価格を引き上げるよう要請しました。そして、当社は、2023年11月6日に、公開買付者から第二回公開買付価格を865円(提案前営業日である2023年11月2日の当社株式の終値568円に対して52.29%、2023年11月2日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値585円に対して47.86%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値626円に対して38.18%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して40.42%のプレミアム)とする第四回の価格提案を受けました。これに対し、当社及び本特別委員会は、2023年11月6日開催の本特別委員会において第四回の価格提案の分析結果、DCF法に基づく試算結果や当社の市場株価推移及びそれに基づくプレミアムを踏まえた交渉方針並びに回答方針及び回答案等についてのEYからの説明・助言及び御堂筋法律事務所の助言を受け、第四回の価格提案内容を慎重に検討いたしました。その結果、本特別委員会の承認を得た上で、EYによるDCF法に基づく試算結果、当社の市場株価推移及びそれを踏まえたプレミアム、当社の2024年5月期の配当がなくなることにより当社株主の皆様に不利益を生じさせない観点での配慮を含め、少数株主の皆様から幅広い理解と賛同を頂くことができるよう、2023年11月6日、公開買付者に対し第二回公開買付価格の引き上げを要請しました。
これを受けて、公開買付者は、第二回公開買付価格の再検討を行い、2023年11月9日、当社は、公開買付者より第二回公開買付価格を1株当たり877円(提案前営業日である2023年11月8日の当社株式の終値607円に対して44.48%、2023年11月8日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値581円に対して50.95%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値626円に対して40.10%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値616円に対して42.37%のプレミアム)とする第五回の価格提案を受領し、EYから受けた、EYによる当社のDCF法に基づく試算結果や第五回の価格提案の分析結果、交渉方針並びに回答方針及び回答案等についての説明・助言及び御堂筋法律事務所の助言を踏まえ検討を行った結果、本特別委員会の意見を踏まえ第五回の価格提案については少数株主にとって不利益ではないと考えられ、また、少数株主に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断したことから、本特別委員会の承認を得た上で、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で当社取締役会での決議を経てなされるという前提のもと、2023年11月9日、公開買付者に対し、第五回の価格提案を応諾する旨の回答を行い、公開買付者との間で第二回公開買付価格を1株当たり877円とすることについて合意にいたりました。なお、本取引後の経営方針や買付予定数の下限の設定を含む公開買付価格以外の条件については、2023年8月8日の本特別委員会による質問に対する公開買付者の書面での回答及び2023年10月3日に実施された公開買付者による口頭での説明を通じて、両社の認識は概ね一致していたことから、本取引後の経営方針や公開買付価格以外の条件についての具体的な交渉は行っておらず、上記のとおり、公開買付価格について継続的に交渉を行いました。
また、当社及び本特別委員会は、上記「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、公開買付者との間で、事業シナジーを具体的に検証すること等を目的として、質問を書面にて行い、複数回の書面での質疑や口頭での説明も受け、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるかの協議・検討を進めました。また、当社は、2023年11月13日に、第三者算定機関であるEYから株式価値算定書(以下「EY株式価値算定書」といい、その概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」をご参照ください。)の提出を、本特別委員会から本答申書の提出をそれぞれ受けました。その上で、当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、EY株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、第二回公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。その結果、当社は、以下の理由から、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。すなわち、公開買付者グループの事業基盤との連携を通じて当社グループの放課後・保育施設の首都圏への新設拡大、同施設のコンテンツ充実による保護者満足度及び利用者満足度の向上、公開買付者のグループ企業への派遣需要に対し当社グループの就労支援事業による売上機会の創出が期待できること等から、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至り、また、本取引のストラクチャーが、公開買付けを通じてKDT所有当社株式を取得するのではなく、KDT株式を相対取引により取得することを希望する若濵久氏及びKDT株主の要請に応えるものであり、買付価格を625円とする第一回公開買付けの後、買付価格を877円、買付予定数の上限を設けない第二回公開買付けを実施するとの公開買付者の提案は、当社株式の売却を希望する当社の株主にとって、妥当な価格での売却の機会が確保されていると評価できることから、公開買付者が最適な資本パートナーであるとの結論に至りました。
公開買付者グループは、従業員2万人超、グループ会社179社を有す企業グループであり、物流事業を中核事業としながら、商事・貿易事業、ビジネスサポート事業等も展開する総合力を有し、中でもライフサポート事業として近年成長拡大させている生活関連事業の領域において、保育事業を展開するプロケア、生活支援・家事代行サービス事業、クリーニング事業、総合卸売及び小売店事業、フィットネス事業、介護事業並びに外食事業等を有しています。また、ライフサポート事業以外の関連事業として、ホテル・研修施設の運営事業、各種消費財の卸売業、大手小売業・流通業企業の商品センター運営及び店舗配送を行っています。
他方で、当社は、仕事と家庭の両立応援、未来を担う子どもたちの成長応援を事業ミッションとして子育て中の既婚女性の派遣を中心とした就労支援事業、放課後事業、保育事業を行っており、当社が公開買付者の経営参画を得ることは、当社の成長にとって共通の事業方向性を有し相互に連携して事業拡大に向けた活動が展開できると考えました。
相互連携の下での事業拡大が可能であると考えており、当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
(ア)首都圏に強いプロケアとの連携による放課後・保育の地域的補完
首都圏においてプロケアが展開し、当社グループが未展開の自治体は、保育事業で7自治体、放課後事業で3自治体あります。プロケアの基盤を活かし、関東圏での放課後・保育事業の進出を加速することが期待できるものと考えます。
(イ)公開買付者のグループへの派遣需要に対応する就労支援事業による売上機会の創出
公開買付者グループから当社グループに対し情報共有された公開買付者のグループへの派遣需要に対し就労支援事業が対応することにより、公開買付者グループの人材需要に迅速かつ的確に対応し、当社グループとしての売上機会の創出が期待できるものと考えます。
(ウ)公開買付者グループの有するサービスの提供を通じた利用者の満足度向上、サービス展開のスピード向上
当社グループの利用者に対し、公開買付者グループが有する多様な生活関連事業の提供機会を創出することにより、利用者の顧客満足度向上サービス展開のスピード向上が期待できるものと考えます。
(エ)当社グループの放課後・保育事業におけるコンテンツ充実
当社グループの放課後・保育施設では英語やリトミック等のプログラムを実施しており、「明日も来たい放課後施設」「選ばれる保育園」として利用者や保護者のニーズに合わせたコンテンツを積極的に導入することを今後も進めてまいります。公開買付者グループのフィットネス事業では、スイミング、テニス、ダンススクールの運営を行っており、当社グループにおけるそれらの導入を通じ、放課後・保育事業でのコンテンツ充実が期待できるものと考えます。
(オ)公開買付者の経営基盤の活用
公開買付者のライフサポート事業本部が管轄するグループ各社は60万人規模の会員情報を有し、当社グループ事業の情報提供による当社グループの利用者拡大、家庭、子ども、主婦を切り口にしたデータ活用による新たなサービス展開が期待できるものと考えます。また、今後当社グループが成長を遂げていくために必要な経営資源、主に人材面、金銭面、マーケット情報等をより幅広く活用していくことが可能となり、当社グループの事業成長、中長期的な企業価値の向上を確実にするものと考えます。
なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられますが、当社はエクイティ・ファイナンスによる資金調達については、上場以降、市場での資金調達を行っておらず、現下の間接金融における低金利環境等に鑑みると、影響は極めて軽微であり、また、知名度や社会的信用についても、保育事業、放課後事業及び就労支援事業は元より株式会社セリオが担っており、緑化事業を運営するのはセリオガーデンであるため、本取引によって当社が上場廃止に至ることによる特段の影響はなく、かつ、上場企業である公開買付者グループの傘下に入ることで、公開買付者グループが有する知名度や社会的信用も得られること、また、ガバナンス体制についても、上場会社である公開買付者からの支援やグループガバナンスの適用等により、当社の事業運営上で必要十分なガバナンス体制は維持できることからすれば、当社における株式の非公開化に伴うデメリットは限定的と考えております。
また、当社は、以下の点を考慮した結果、第二回公開買付価格である877円は、当社の少数株主の皆様にとって不利益ではないと考えられ、また、当社の少数株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
(a)第二回公開買付価格が、当社において、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本両公開買付けを含む本取引の公正性(第二回公開買付価格の公正性の担保を含みます。)を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b)第二回公開買付価格が、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のEYによる当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比準法による算定結果のレンジの上限を超えており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内であり、中央値を超えていること。
(c)第二回公開買付価格が、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、本取引の手続の公正性、本取引の取引条件の妥当性、また当社取締役会における本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益なものでないかといった点について検討した結果、妥当であると認められると判断されていること。
(d)第二回公開買付価格が、第一回公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2023年11月10日の当社株式の東京証券取引所グロース市場における終値601円に対して45.92%、過去1ヶ月間(2023年10月11日から2023年11月10日まで)の終値単純平均値581円に対して50.95%、過去3ヶ月間(2023年8月14日から2023年11月10日まで)の終値単純平均値625円に対して40.32%、過去6ヶ月間(2023年5月11日から2023年11月10日まで)の終値単純平均値617円に対して42.14%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、2020年10月1日から2023年9月30日までの3年間において公表された同種事例(上場会社の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例)138件のうち上位14件及び下位14件を除外した110件に係るプレミアムの平均値(公表日の前営業日40.47%、1ヶ月間で42.97%、3ヶ月間で44.98%、6ヶ月間で46.51%(小数点以下第三位を四捨五入))に対し、第一回公開買付けの実施についての公表日の前営業日及び1ヶ月間では上回り、3ヶ月間及び6ヶ月間では下回るものの40%は上回っており、40%を下回らないことを重視した交渉方針に基づき第二回公開買付価格のプレミアムは合理的な水準にあると認められること(なお、同種事例138件の単純平均値と中央値の乖離が大きかったことを踏まえ、極端に大きな値及び小さな値を除外する目的から、プレミアムの計算においては公表日の前営業日、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間それぞれデータ数の上下10%に相当する14件を除外した110件により算出をしております。)。
(e)下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の各措置を講じる等、当社の少数株主に対して配慮がなされていること。なお、第一回公開買付価格は公開買付者と若濵久氏との交渉により両者で合意したものであり、公開買付者は、若濵久氏との間で、第一回公開買付けが実施された場合、本応募合意株式の全てについて第一回公開買付けに応募する旨の本応募契約を締結しているところ、第一回公開買付けにおける当社株式の買付け等の価格は、1株当たり625円(第一回公開買付け公表日の前営業日である2023年11月10日の当社株式の終値601円に対して3.99%のプレミアム、同日を基準日とした過去1ヶ月間の終値の単純平均値581円に対して7.57%のプレミアム、過去3ヶ月間の終値の単純平均値625円に対して0.00%のプレミアム、過去6ヶ月間の終値の単純平均値617円に対して1.30%のプレミアム)であり、第一回公開買付けについては、若濵久氏のみが応募することが想定される一方で少数株主による応募は想定されていないため、当社として価格の妥当性について判断しておりません。
(f)第二回公開買付けに下限を設定した場合に少数株主が第二回公開買付けに応募できないことを懸念して不本意ながら第一回公開買付けに応募する事態が生じることを防ぐ観点、及び、第二回公開買付けに下限を設定すると第二回公開買付けが成立するか否かが不確実となるため、第二回公開買付価格での売却を希望される当社の株主の皆様に売却の機会を確実に提供する観点から、第二回公開買付けに下限が設定されていないため、本両公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社株式の議決権数が当社の総議決権の3分の2を下回る可能性があるものの、その場合であっても公開買付者は本スクイーズアウト手続を実行する方針であること、及び、仮に本両公開買付成立後の当社の株主の当社株式の所有状況によって本スクイーズアウト手続が実施されないこととなっても、公開買付者は、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しておりますが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことです。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得によって、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定であること。なお、当社の上場以降過去6年間における当社の定時株主総会における議決権行使比率から算出される特別決議に必要な議決権割合は、2018年で53.75%、2019年で50.91%、2020年で49.5%、2021年で48.1%、2022年で46.97%、2023年で46.21%であり、これら過去6年間での平均は49.24%であるところ、公開買付者は、第一回公開買付けが成立した場合、第一回公開買付けの決済の開始日と同日に、KDT株主からKDT株式を現金対価により譲り受ける予定であり、その結果、公開買付者による当社株式の実質的な議決権所有割合(KDTが保有する当社株式を含む。)は過半数となることに加えて、第二回公開買付けにおいては一般株主による応募も想定されることから、本両公開買付け成立後に本スクイーズアウト手続として行われる株式併合の議案が本臨時株主総会において承認される見込みも十分に認められること。
以上より、当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、決議に参加した取締役(若濵久氏を除く7名)の全員一致により、(ⅰ)第一回公開買付けについて賛同の意見を表明すること、及び、(ⅱ)第一回公開買付価格は、公開買付者と当社の主要株主かつ筆頭株主である若濵久氏との交渉により合意したものであり、第二回公開買付価格よりも低い価格であるため、第一回公開買付けについては、若濵久氏のみが応募することが想定される一方で少数株主による応募は想定されていないこと、第一回公開買付けが成立した場合には、その決済の完了後速やかに、少数株主のために、第一回公開買付けよりも高い価格を買付け等の価格として第二回公開買付けが実施される予定であることを踏まえ、第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとり、当社の株主の皆様の判断に委ねることを決議するとともに、同日時点における当社の意見として、第二回公開買付けが行われた場合には第二回公開買付けに賛同の意見を表明し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明するべきであり、第二回公開買付けが開始される時点で改めてその旨の意見表明について決議するべきと考える旨を併せて決議いたしました。
なお、上記「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者及びKDT株主は、2023年11月13日付で、KDT株式の譲渡に関する本株式譲渡契約を締結しているところ、KDT株主は、本株式譲渡契約において、KDTがKDT所有当社株式を第一回公開買付けに応募した場合にKDTが受領することとなるのと同等の経済的価値を受領することとなることから、当社としても、KDT株式取得は資産管理会社の株式の取得における価格に相当性がある場合に該当し、また、法第27条の2第3項及び令第8条第3項に定める公開買付価格の均一性に反しないと判断しております。
また、当社は、2023年12月12日、公開買付者から、2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了すること、及び第一回公開買付けの撤回等の条件に該当する事象が生じていないことを前提に2023年12月21日から第二回公開買付けを開始する方針である旨の連絡を受けました。そのため、本特別委員会は、当社取締役会が第二回公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、改めて、2023年11月13日から2023年12月20日までの状況を考慮して、本特別委員会が2023年11月13日付で提出した答申書の内容に変更がないか否かを検討いたしました。本特別委員会は、その結果、本答申書に影響を与える前提事実に変更がないことを確認し、2023年12月20日付で当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の確認書を提出いたしました。当社は2023年12月20日開催の取締役会において、本確認書の内容並びに市場株価及び当社グループの経営環境を踏まえ、第二回公開買付けに関する第二回公開買付価格を含む本取引に係る諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、第一回公開買付けの開始にあたって2023年11月13日開催の当社取締役会において決議した第二回公開買付けに係る当社の判断を変更する事情は特段ないと考えたため、同判断を維持し、改めて第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨を決議しました。
なお、当社は公開買付者に対し、2023年11月13日、同日開催の取締役会において、第一回公開買付けについて賛同の意見を表明すること、及び第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとり、株主の皆様の判断に委ねること、また、同日時点においては、第二回公開買付けが行われた場合には第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明するべきであり、第二回公開買付けが開始される時点で改めてその旨の意見表明について決議するべきと考える旨が決議されたことを連絡しております。また、当社は公開買付者に対し、2023年12月20日、同日開催の取締役会において、本確認書の内容並びに市場株価及び当社グループの経営環境を踏まえ、第二回公開買付けに関する第二回公開買付価格を含む本取引に係る諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、第一回公開買付けの開始にあたって2023年11月13日開催の当社取締役会において決議した第二回公開買付けに係る当社の判断を変更する事情は特段ないと考えたため、同判断を維持し、第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨が決議されたことを連絡いたしました。
当該取締役会決議の方法の詳細については、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、公開買付者から提示された第二回公開買付価格を検討し、第二回公開買付けに関する意見を決定するにあたり、上記のとおり若濵久氏と若濵久氏以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることから、公正性を担保するための措置として、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関であるEYに当社株式の価値算定を依頼し、2023年11月13日付で、EY株式価値算定書を取得しました。EYは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して、重要な利害関係を有しません。なお、本取引に係るEYの報酬には、本取引の過程に複数のマイルストーンを設定し、各マイルストーンに到達する都度支払われるマイルストーン報酬(但し、固定報酬であり、成立した本取引の株価に応じて変動するものではない。)が含まれておりますが、報酬の多くを占める部分がマイルストーン報酬以外として設定されており、仮に案件が成功しなくても当社に相応の金銭負担が生じること、本取引の成否が不透明な中において、報酬の一部をマイルストーン報酬とする方が当社の金銭的負担の観点からも望ましいと思われること、同種の取引におけるファイナンシャル・アドバイザーに関する報酬体系の実務慣行に鑑み、上記報酬体系によってEYが本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しております。また、当社は、公開買付者及び当社において、本両公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、EYから第二回公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
② 算定の概要
EYは、当社が上場しており市場株価が存在することから市場株価法を、また、当社には比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから(類似会社比準法)を、更に、将来の事業活動の状況を価値算定に反映するためにDCF法を用いてそれぞれ株式価値の算定を行いました。上記手法において算定された当社の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :581円から625円
類似会社比準法:549円から660円
DCF法 :752円から996円
市場株価法においては2023年11月10日を算定基準日とし、東京証券取引所グロース市場における当社株式の基準日終値601円、直近1ヶ月間の終値単純平均値581円、直近3ヶ月間の終値単純平均値625円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値617円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を581円から625円までと算定しております。
類似会社比準法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標に基づき、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を549円から660円までと算定しております。
DCF法では、2024年5月期第1四半期を除く2024年5月期から2026年5月期の本事業計画(なお、下記「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は当該事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認をしております。)における将来の収益や投資計画に基づき当社が2024年5月期第2四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を752円から996円までと算定しております。なお、EYがDCF法による算定に用いた本事業計画には大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、2024年5月期においては対2023年5月期比で営業利益計画は114.5%増と大幅な増益、また、2025年5月期においては対2024年5月期比で更なる40.1%増と大幅な増益を見込んでおります。本事業計画の根拠としては、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」、「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社においては就労支援事業における新規顧客開拓及び派遣スタッフ獲得が順調に進んでいること、放課後事業及び保育事業において2023年4月の新規開設施設数が計画を上回ったことによる利用児童数の増加及び既存施設の利用児童数が順調に増加していることが売上高に寄与、また、営業利益においては2023年5月期中に不採算の事業や施設の撤退を完了させていることに加え、ICT化や当社グループが支店展開をしている関西圏や関東圏を中心とした地域や自治体において集中した施設展開を行うことによる効率化の進展により各事業ともに管理コストが低減しており、2023年5月期比で大幅な増益となっております。現時点において2024年4月の新規開設施設計画における進捗も順調であることを踏まえ、2025年5月期以降においてもこの傾向は継続することを見込んでおります。また、本取引の実行により実現することができるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味していません。
(注) EYは、株式価値の算定に際して、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社とその関係会社の資産又は負債(偶発債務を含みます。)について、個別の各資産、各負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておりません。加えて、当社の財務予測については当社の経営陣による現時点で可能な最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。EYの株式価値算定は、2023年11月10日現在までの上記情報等と経済条件を前提としたものであります。
なお、当社取締役会は、2023年11月13日から2023年12月20日までの間に、EYから2023年11月13日付で取得した株式価値算定書に影響を与える前提事実の変更等は無く、当該株式価値算定書は引き続き有効であると考えております。
(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、本両公開買付けにより当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDTが所有する当社株式を除きます。)を取得できなかった場合には、第二回公開買付け成立後、以下の方法により、当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDTが所有する当社株式を除きます。)を取得することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式等売渡請求
公開買付者は、本両公開買付けの成立後に、公開買付者及びKDT(特別支配株主完全子法人)が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、第二回公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(但し、公開買付者、当社及びKDTを除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、第二回公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、当該各売渡株主に対し、第二回公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社取締役会は、公開買付者より株式売渡請求がなされた場合には、かかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本両公開買付けに応募されなかった売渡株主の皆様は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、当該申立てがなされた場合における、当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
② 株式併合
公開買付者は、本両公開買付けの成立後に、公開買付者及びKDT(特別支配株主完全子法人)が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、第二回公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及びKDTは、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2024年4月頃を予定しているとのことです。本両公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2を下回る場合、株式併合の議案が本臨時株主総会において承認されない可能性もあるとのことです。しかし、当該承認が得られない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得することを目的とし、当社株式の非公開化を行う方針であるとのことから、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しているとのことですが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことです。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得により、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定ですが、現時点において決定している事項はないとのことです。なお、2023年8月28日に当社が開催いたしました第7回定時株主総会における議決権行使比率は69.31%です。(当該議決権行使比率を前提とした株式併合を実施するために必要な議決権の所有割合(3分の2)は、46.21%です。)
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本両公開買付けに応募されなかった当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)に交付される金銭の額が、第二回公開買付価格に当該当社株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合(以下「株式併合比率」といいます。)は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を所有することとなるよう、本両公開買付けに応募されなかった当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。なお、本両公開買付けの結果、KDT所有当社株式と同数以上の当社株式を所有する株主が存在し、又は、株式併合の効力発生時点でかかる株主が生じることが見込まれる場合は、株式併合の効力発生後において、かかる株主が当社の株主として残存することがないよう、かかる株主が所有する当社株式及びKDT所有当社株式の数のいずれもが1株に満たない端数となるような株式併合比率を要請する予定とのことです。当社は、第二回公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められております。
上記のとおり、株式併合においては、本両公開買付けに応募されなかった当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行、当局の解釈等の状況によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本両公開買付けに応募されなかった当社株主の皆様(公開買付者、当社及びKDTを除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、第二回公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。なお、本両公開買付けは本臨時株主総会における当社株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本両公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場されていますが、公開買付者は、本両公開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本両公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本両公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、第二回公開買付け成立後に、上記「(4)本両公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所グロース市場において取引することはできません。
なお、本両公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2を下回る場合であっても、本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認を得た場合には、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があるとのことです。なお、本臨時株主総会において株式併合が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(但し、当社が所有する自己株式及びKDT所有当社株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的とし、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他のスクイーズアウト手続に係る議案が当社に株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しているとのことですが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことです。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得により、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定ですが、現時点において決定している事項はないとのことです。
(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置
第二回公開買付け及びスクイーズアウト手続と一連の行為となる第一回公開買付けが成立し、公開買付者、KDT所有当社株式と合わせて、当社株式を合計3,216,746株(所有割合:50.91%)所有するに至ったことに伴い、本日現在、当社は公開買付者の連結子会社であることから、第二回公開買付けは支配株主との重要な取引等に該当し、また、類型的に公開買付者と当社の一般株主との間に構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が存在する取引に該当することに鑑み、第二回公開買付けの公正性を担保するとともに、第二回公開買付けを含む本取引に関する意思決定の過程における恣意性を排除し、利益相反を回避する観点から、以下の措置を実施しております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することは予定されておらず、本両公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注1)にも該当いたしません。
(注1) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が当社の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって当社の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
公開買付者は、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)(以下「MoM」といいます。)の買付予定数の下限については、第一回公開買付けは、第一回公開買付け応募合意株式のみが応募されることが想定されており、また、第二回公開買付けにおいて、MoMの買付予定数の下限を設定すると、第二回公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって第二回公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本両公開買付けにおいてMoMの買付予定数の下限は設定していないとのことです。(なお、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、第二回公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合、公開買付者は、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しているとのことですが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことです。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得により、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定ですが、現時点において決定している事項はないとのことです。)。もっとも、公開買付者としては、公開買付者及び当社において、本両公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、当社及び本特別委員会としても、MoMの買付予定数の下限の設定は、合理的なM&Aの実現を阻害する効果があることが否定できず、少数株主の皆様の利益に資さない結果を招くおそれがあり、また、第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることを踏まえ、本両公開買付けにおいてMoMの買付予定数の下限を設定していないとしても、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、第二回公開買付価格の公正性を担保するため、第二回公開買付価格を決定するにあたり、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるデロイトに対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、デロイトは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、「(6)第一回公開買付価格及び第二回公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本両公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において本両公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施しているとのことから、デロイトから本両公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者がデロイトから取得した当社の株式価値に関する公開買付者株式価値算定書の概要については、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 第二回公開買付けに関する事項」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「(3)算定に関する事項」の「① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係」に記載のとおり、当社の代表取締役社長であり、主要株主かつ筆頭株主であった若濵久氏は公開買付者との間で本応募契約を締結しており、当社は、公開買付者から提示された第二回公開買付価格を検討し、第二回公開買付けに関する意見を決定するにあたり、上記のとおり若濵久氏と若濵久氏以外の当社の株主の皆様との利益が一致しない可能性があることから、公正性を担保するための措置として、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関であるEYに当社株式の価値算定を依頼し、2023年11月13日付で、EY株式価値算定書を取得しました。EYは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して、重要な利害関係を有しません。なお、本取引に係るEYの報酬には、本取引の過程に複数のマイルストーンを設定し、各マイルストーンに到達する都度支払われるマイルストーン報酬(但し、固定報酬であり、成立した本取引の株価に応じて変動するものではない。)が含まれておりますが、報酬の多くを占める部分がマイルストーン報酬以外として設定されており、仮に案件が成功しなくても当社に相応の金銭負担が生じること、本取引の成否が不透明な中において、報酬の一部をマイルストーン報酬とする方が当社の金銭的負担の観点からも望ましいと思われること、同種の取引におけるファイナンシャル・アドバイザーに関する報酬体系の実務慣行に鑑み、上記報酬体系によってEYが本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しております。EY株式価値算定書の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」をご参照ください。また、当社は、公開買付者及び当社において、本両公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、EYから第二回公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
③ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するため、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして御堂筋法律事務所を選任し、同法律事務所から本取引に関する当社取締役会の意思決定の方法、過程その他の留意点に関する法的助言を受けております。なお、御堂筋法律事務所は、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本両公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る御堂筋法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間制に基づく報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
④ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
当社は、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2023年5月31日に開催した当社取締役会において、当社の社外取締役である古谷礼理氏並びに社外取締役監査等委員である麻田祐司氏及び佐藤竜一氏の3名から構成される本特別委員会を設置する旨を決議しました。なお、当社は、本特別委員会の委員として設置当初からこの3名を選定しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。また、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定報酬又は回数に応じた報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。当社は、本特別委員会の委員について、いずれも公開買付者グループ、若濵久氏、KDT及びKDT株主からの独立性及び本取引の成否からの独立性を有することを確認しております。当社取締役会は、本特別委員会に対し(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の条件(第二回公開買付価格を含む。)の妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社の少数株主にとって不利益でないかについて検討し、当社取締役会に意見を述べること(以下、これらを総称して「本委嘱事項」といいます。)を委嘱しました。当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の条件の交渉過程に実質的に関与することができる権限、(ⅱ)当社の役職員から、本取引の検討及び判断に必要な情報を受領することができる権限、(ⅲ)当社取締役会が選任した外部専門家アドバイザーを承認する(事後承認を含む。)ことができる権限、(ⅳ)必要に応じ、本特別委員会独自の外部専門家アドバイザーを選任することができる権限を与えることを決定しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2023年6月26日から2023年11月13日までの間に合計13回にわたって開催されたほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行う等して、本委嘱事項に係る協議及び検討を行っております。具体的には、御堂筋法律事務所及びEYについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社のリーガル・アドバイザー及びファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任することについて承認しております。また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制に独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。その上で、本特別委員会は、当社による資本パートナーの選定手続及び経緯について、当社の役職員及びEYを通じて随時共有を受けた上で、その合理性を確認しております。また、本特別委員会は、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認をしております。上記「(3)算定に関する事項」の「② 算定の概要」に記載のとおり、EYは、本事業計画を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、EYから、実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。その他、本特別委員会は、(ⅰ)当社及び公開買付者より提出された各資料及び書類の検討、(ⅱ)公開買付者の役職員に対する、本取引の意義・目的、本取引による企業価値向上策・シナジー、本取引のディスシナジー、本取引後の経営方針、想定取引スキーム等に関する事項のヒアリング、(ⅲ)当社の役職員に対する、当社の事業の内容、外的環境、現在の経営課題、公開買付者の提案内容に対する考え方等に関する事項のヒアリングを行っております。また、本特別委員会は、当社から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2023年11月9日に公開買付者との間で第二回公開買付価格について合意するに至るまで、複数回にわたり意見を述べる等して、公開買付者との交渉過程に実質的に関与しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、上記のとおり本委嘱事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2023年11月13日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下を内容とする本答申書を提出しております。
1.答申内容
(1)本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的には合理性があるといえる。
(2)本取引の条件(第二回公開買付けにおける公開買付価格を含む。)は妥当なものであるといえる。
(3)本取引に至る交渉過程等の手続は公正なものといえる。
(4)上記(1)から(3)までを踏まえ、本取引は当社の一般株主にとって不利益ではないといえる。
本特別委員会としては、上記(1)から(4)までを踏まえ、本取引に関して、当社取締役会においては、(ⅰ)第一回公開買付けについて、①賛同の意見を表明すること、及び②第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては中立の立場をとり、株主の判断に委ねることを決議することが妥当と考える。
また、本特別委員会としては、上記決議の時点においては、(ⅱ)第二回公開買付けが行われた場合には、①第二回公開買付けに賛同の意見を表明すること、かつ、②当社株式を保有する株主に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明することが妥当と考える。
なお、本取引は、本両公開買付けを含む一連の取引であるが、第二回公開買付けが開始される時点において、念のため、上記意見表明時点において前提としていた事情等に変更がないことを確認のうえ、改めて、第二回公開買付けに対する上記意見を表明することについて決議することが妥当と考える。
2.検討
(1)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)
ア 公開買付者及び当社の現状、並びに公開買付者から本取引の提案を受けるに至った背景、経緯及び公開買付者が本取引の実施を決定するに至った意思決定の過程等
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」に記載の公開買付者及び当社の現状、並びに公開買付者から本取引の提案を受けるに至った背景、経緯及び公開買付者が本取引の実施を決定するに至った意思決定の過程について、特に不合理な点は認められない。
イ 当社及び公開買付者が想定している本取引後の企業価値向上策、本取引によるシナジー等
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が想定している本取引後の企業価値向上策及び本取引によるシナジー、並びに、「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載の当社が想定している本取引後の企業価値向上策及び本取引によるシナジーの内容は合理的であると認められ、本取引が実行されることによって、当社が公開買付者の完全子会社となり、各企業価値向上施策が実施されることに伴い、当社の企業価値の向上に資するものと合理的に認められる。
ウ 本取引後の経営方針等
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅱ)本両公開買付け後の経営方針」に記載の内容は、当社グループにおける従前の役職員(健康上の理由から当社の取締役を退任する予定である若濵久氏を除く。)の継続的な関与と主導的役割を尊重しつつ、当社グループの企業価値向上を図るものであり、合理的なものと認められる。
エ 本取引によるディスシナジーの懸念の有無及び程度
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本両公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)本両公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者が想定している本取引によるディスシナジー、及び、「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由)の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載の当社が想定している本取引によるディスシナジーの有無及び程度は、いずれも合理性があるものといえ、本件ディスシナジーの影響は限定的又は生じないものと認められる。
オ 本取引のスキーム選択の合理性
公開買付者は、本取引において想定されている当社の企業価値向上施策を推進していくためには、当社と公開買付者グループとの間でのノウハウ、人材及び事業基盤等の経営資源を相互活用し、一体感とスピード感をもって意思決定を行っていくことが必須と考えている一方で、今後、仮に当社が上場を維持した状態で、上記経営資源の相互活用を進めていくに際しては、当社の一般株主の利益を考慮した慎重な検討が求められることとなり、意思決定を迅速に行うことが困難になっていくことが想定されるため、当社を非公開化(完全子会社化)し、当社と公開買付者グループを一体化することによって、それぞれが保有する経営資源の相互活用を推進することができ、当社と公開買付者グループの中長期的な企業価値向上を図ることが可能になると考えているとのことである。
また、当社においては、今後考え得る企業価値向上のための施策を実行する場合、保育園の新設や放課後事業の新設において、積極的かつ十分な設備及び人的投資が先行して必要となるところ、当該施策の効果が実現するまでには、一定の時間を要する可能性があり、一時的に財務状況の悪化をもたらすリスクがあるため、上場を維持したまま各施策を実施した場合には、資本市場から十分な評価を得ることができず、当社株式の株価が下落し、株式価値を毀損する可能性があるところ、かかる悪影響を回避しつつ、中・長期的な視点で事業を推進する経営体制を構築することが必要であり、機動的かつ柔軟な経営判断を行い、上記施策の実効性を高める観点から有用であることから、公開買付者による非公開化は、本取引により当社の企業価値を向上させるために、最も適した効果的な方法であり、上記のとおりそのディスシナジーは限定的であると考えている。
公開買付者及び当社の本取引のスキームの選択に関する上記の見解は、いずれも合理的なものと認められ、中長期的な企業価値の向上の観点からは、貴社が上場を廃止して公開買付者の完全子会社となることが合理的といえる。
カ 小括
以上のとおり、公開買付者が本取引を行うに至った背景、目的及び意思決定の過程等には、特に不合理な点は認められず、本取引によるディスシナジーによる影響は限定的又は存在しないと認められること、想定されている本取引後の企業価値向上策、本取引によるシナジー、本取引後の経営方針等に鑑みれば、本取引のスキームとして当社を公開買付者の完全子会社にして上場を廃止する方法を選択することは、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、本取引の目的には合理性があるといえる。
(2)本取引の条件(第二回公開買付けにおける公開買付価格を含む。)の妥当性
ア 買収の方法及び買収対価の種類の妥当性
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、二段階に分けて公開買付けを実施することは、若濵久氏が所有する当社株式の取得価格を抑えて、一般株主が所有する当社株式の取得価格をより高い価格にすることを目的としているものであり、一般株主の利益保護に資するものといえ、妥当であると認められる。また、本スクイーズアウト手続としては、公開買付け後に株式売渡請求又は株式併合の方法が予定されているところ、いずれの手続も、一般株主には、価格の妥当性を法的に裁判所で争う手段が認められており、また、本両公開買付けにおける対価と同一の対価による取得が予定されているとのことであり、方法及び対価について妥当と認められる。加えて、本取引における買収対価の種類については、公開買付者の株式を対価とすることも一応考えられるが、公開買付者と当社の事業が一致するとまではいえないこと及び公開買付者の株価が下落するリスクを負うことを回避できることからすると、公開買付者の株式ではなく、金銭を買収対価とすることにも妥当性があると考えられる。
したがって、一連の本取引に関する買収の方法及び買収対価の種類については、妥当性があるものと認められる。
イ 第一回公開買付けの条件の妥当性
公開買付者によれば、第一回公開買付けは、若濵久氏のみの応募が想定されているため、第一回公開買付けの条件等について、①公開買付期間は20営業日を予定しており、②買付予定数の下限も本応募合意株式と同数と設定する予定とのことである。そのため、③応募株券等の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないことを想定しており、また、④第一回公開買付けにおいては買付予定数の上限を設定せず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うことを想定しているとのことである。
本取引において、一般株主による応募を前提とする第二回公開買付けとは別に、第一回公開買付けを実施する趣旨は、前述のとおり、若濵久氏が所有する当社株式の取得価格を抑えて、一般株主が所有する当社株式の取得価格をより高い価格にすることを目的としているものであり、その目的は妥当と認められるところ、第一回公開買付けに関する上記条件は、いずれも当該目的のために合理的な範囲で定められているものといえ、特に不合理なものとは認められない。
よって、第一回公開買付けの条件には妥当性があるものと認められるが、第一回公開買付けには、若濵久氏のみが応募することが想定される一方で、一般株主による応募は想定されていないため、本特別委員会として、当該価格の妥当性については検討の対象としていない。
ウ 第二回公開買付け及び本スクイーズアウト手続の対価及び条件の妥当性
(ア)株式価値算定書におけるDCF法による算定の基礎とされている事業計画の合理性の検討
以下の点より、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等において、特に不合理な点は認められない。
・DCF法による当社株式価値算定の基礎とされる事業計画書(以下「本事業計画」という。)の内容について、新規事業である緑化事業については、本事業計画においても大幅な成長が計画されており、かかる事業の成長率の確度については慎重に評価する必要があるものの、現時点の計画について特に不合理な点は認められない。
・本事業計画では、大幅な増益(2024年5月期においては対2023年5月期比で大幅な増益、また、2025年5月期においては対2024年5月期比で更なる大幅な増益。)を見込む内容が含まれているものの、その理由は、当社において就労支援事業における新規顧客開拓及び派遣スタッフ獲得が順調に進んでいること、放課後、保育両事業において2023年4月の新規開設施設数が計画を上回ったことによる利用児童数の増加及び既存施設の利用児童数が順調に増加していることが売上高に寄与すること、また、営業利益においては2023年5月期中に不採算の事業や施設の撤退を完了させていることに加え、ICT化や集中した施設展開による効率化の進展により各事業ともに管理コストが低減していることを受けてのことであり、現時点において2024年4月の新規開設施設計画における進捗も順調であることを踏まえ、2025年5月期以降においてもこの傾向は継続することを見込んでいるものであるため、特に不合理な点は認められない。
・本事業計画の内容については、第三者算定機関であるEYにおいて、当社の経営陣に複数回のインタビューを実施し、本事業計画が現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたものであることが確認されている。
・本特別委員会の委員は、いずれも当社社外取締役として、当社の事業計画の策定過程に関与していたところ、本事業計画の内容は、本特別委員会の委員が、当社社外取締役として関与の上策定された事業計画の内容と相違ないことが確認されており、当該事業計画の内容は、本取引の取引条件の妥当性を客観的かつ合理的に検証する目的で策定されるべき事業計画と相違するものではなく、本事業計画は、かかる目的に適う事業計画として妥当であることが、本特別委員会において、改めて確認された。
(イ)第三者算定機関による株式価値算定結果の検討
以下の点に鑑みて、EY株式価値算定書における株式価値算定方法及び算定内容については、特に不合理な点は見受けられず、妥当性が認められるものといえ、EYによる株式価値算定結果と比較すれば、第二回公開買付価格は、市場株価法及び類似会社比準法による算定結果の上限を超えており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内かつ中央値(874円)を超えているものと認められる。
・EY株式価値算定書において採用された株式価値算定手法である市場株価法、類似会社比準法及びDCF法は、いずれも一般的かつ合理的と認められる算定手法であり、また、EYによれば、いずれの算定方法についても、一般的な手法を用いて算定しているとのことである。
・本特別委員会において、EYより株式価値の報告を求め、EYに対する適宜の質疑応答を実施しているところ、EYによる説明はいずれも合理的なものであると認められた。
・当社担当者及びEYによれば、EY株式価値算定書作成時点以降、2023年11月13日に至るまでの間に、本事業計画を修正すべき事情は生じていないとのことであり、EYにおいてEY株式価値算定書の内容を変更すべき状況にはないとのことである。
(ウ)公表前日終値等との関係でのプレミアム
第二回公開買付価格である877円は、第一回公開買付けの公表日の前営業日である2023年11月10日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値601円に対して45.92%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値581円に対して50.95%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値625円に対して40.32%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値617円に対して42.14%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっており、2020年10月1日から2023年9月30日までの3年間において公表された同種事例(上場会社の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例)138件のうち上位14件及び下位14件を除外した110件に係るプレミアムの平均値(公表日の前営業日40.47%、1ヶ月間で42.97%、3ヶ月間で44.98%、6ヶ月間で46.51%(小数点以下第三位を四捨五入))に対し、第一回公開買付けの実施についての公表日の前営業日及び1ヶ月間では上回り、3ヶ月間及び6ヶ月間では下回るものの40%は上回っており、40%を下回らないことを重視した交渉方針に基づき第二回公開買付価格のプレミアムは合理的な水準にあると認められる(なお、同種事例138件の単純平均値と中央値の乖離が大きかったことを踏まえ、極端に大きな値及び小さな値を除外する目的から、プレミアムの計算においては公表日の前営業日、1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間それぞれデータ数の上下10%に相当する14件を除外した110件により算出をしております)。
(エ)公開買付者との交渉経緯
「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、当社と公開買付者における本取引の交渉過程に、複数回にわたり意見を述べるなどして実質的に関与してきたところ、当該交渉は、後述するとおり、本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分かつ真摯な交渉を重ねた結果、形成された価格であるといえる。
(オ)第二回公開買付けに関する公開買付価格以外の条件の妥当性について
第二回公開買付けにおける公開買付価格以外の条件についても、以下のとおり、第二回公開買付けの目的と整合的であり、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められるといえる。
・公開買付期間については、当社の一般株主において、第二回公開買付けへの応募について適切な判断機会を確保するため、類似の事案と同程度の期間として、30営業日を設定しているところ、第二回公開買付けの目的と整合的であり、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められる。
・公開買付者は、第二回公開買付けの買付予定数に上限は設けないことを予定しているところ、一般株主が第二回公開買付けに応募できないことを懸念して、不本意ながら、第一回公開買付けに応募する事態(強圧性)が生じることを防止する効果も有しているといえ、第二回公開買付けの目的と整合的であり、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められる。
・公開買付者は、第二回公開買付けに下限を設定すると第二回公開買付けが成立するか否かが不確実となるため、第二回公開買付価格での売却を希望される当社の株主の皆様に売却の機会を確実に提供する観点から、第二回公開買付けに下限が設定されていないため、本両公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社株式の議決権数が当社の総議決権の3分の2を下回る可能性があり、本スクイーズアウト手続として行われる株式併合の議案が本臨時株主総会において承認されない可能性もあるとのことであるが、当該承認が得られない場合であっても、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準(公開買付者及びKDTが所有する当社の議決権の合計数が当社の総議決権の3分の2以上となるような水準を想定しているが、具体的な水準は本臨時株主総会における議決権行使比率等を踏まえて決定するとのことである。)に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得によって、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定であることから、強圧性が生じることが防止されているといえ、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められる。
・公開買付者は、MoMを設定しないことを予定しているところ、第二回公開買付け開始時点において、KDT株式の全て、及び若濵久氏が保有する当社株式の全てを取得しているため、自ら及び完全子会社であるKDTを通じて保有する当社株式の発行済株式総数(自己株式を除く。)に占める保有割合は、約50.9%となり、第二回公開買付けにおいて、公開買付者が自ら及びKDTを通じて保有する当社株式を控除した上で、MoMの買付予定数の下限を設定すると、第二回公開買付けの成立を不安定なものとする可能性があり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められるにもかかわらず、MoMを設定すると、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考えられるところ、MoMを設定しないことで、一般株主に確実な売却機会を提供できるといえ、第二回公開買付けの目的と整合的であり、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められる。
(カ)本スクイーズアウト手続
本スクイーズアウト手続は、以下のとおり、本スクイーズアウト手続の内容及び具体的な方法に鑑みれば、一般的かつ株主の権利保護にも配慮した方法であるといえ、また、強圧性が生じないように十分配慮された内容となっていることから、本両公開買付けに応募しなかった一般株主の利益にも配慮されているものといえ、妥当と認められる。
・本スクイーズアウト手続は、株式売渡請求又は株式併合の方法によりスクイーズアウト手続を実行するところ、当該方法は、本取引のように、完全子会社化を目指して行われる公開買付けの成立後、全ての株式を取得するに至らなかった場合に、上場会社の完全子会社化において一般的に採用されている方法であるといえる。
・公開買付者は、本スクイーズアウト手続で採用が予定されている株式売渡請求又は株式併合のいずれの方法による場合でも、当該手続の結果、本両公開買付けに応募しなかった当社株主に交付される金銭の額が、第二回公開買付価格に当該当社株主が保有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で実行する予定とのことであり、本スクイーズアウト手続において交付される対価が第二回公開買付けにおける公開買付価格より低くなることを懸念して、不本意ながら、第二回公開買付けに応募するというような強圧性が生じないように配慮された条件になっているといえる。
・本スクイーズアウト手続で採用が予定されている株式売渡請求又は株式併合のいずれの方法による場合でも、本両公開買付けに応募しなかった当社株主が、本スクイーズアウト手続において交付される金銭の価額に不服がある場合には、法令上、本両公開買付けに応募しなかった株主において、裁判所に対し、自ら保有する当社株式の売買価格の価格決定請求権又は公正な価格による株式買取請求権が確保されており、最終的には、裁判所の判断を受ける道が確保されている。
・本取引は、一連のものとして行われることが予定されており、公開買付者によれば、第二回公開買付けは、第一回公開買付けの決済の完了後速やかに実施する予定であり、本スクイーズアウト手続は、第二回公開買付けの決済の完了後速やかに実施する予定とのことであるため、第二回公開買付けに応募しなかった当社株主も、可及的速やかに本スクイーズアウト手続によって、その保有する株式の対価を得ることができ、かかる観点からも、本スクイーズアウト手続がいつ行われるか不明であることへの懸念から、当社株主が、不本意ながら、第二回公開買付けに応募するという強圧性が生じないように配慮されているといえる。
エ 小括
以上のとおり、①買収の方法及び買収対価の種類に妥当性が認められること、②第一回公開買付けの条件に妥当性が認められること、③本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等において、特に不合理な点は認められないこと、④EY株式価値算定書における株式価値算定方法及び算定内容について妥当性が認められ、当該株式価値算定結果と比較すれば、第二回公開買付価格は市場株価法及び類似会社比準法による算定結果の上限を超えており、DCF法による算定結果のレンジの範囲内かつ中央値(874円)を超えているものであると認められること、⑤第二回公開買付けにおける公開買付価格のプレミアム率は、本件類似事例のプレミアム率の確認結果に比して、合理的な水準にあると認められること、⑥第二回公開買付けにおける公開買付価格に関する当社と公開買付者の交渉は、本両公開買付けの公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分かつ真摯な交渉を重ねた結果、形成された価格といえること、⑦第二回公開買付けにおける公開買付価格以外の条件についても、第二回公開買付けの目的と整合的であり、一般株主の利益保護の観点からも妥当性が認められること、⑧本スクイーズアウト手続は、一般的かつ株主の権利保護にも配慮した方法であるうえ、強圧性が生じないように十分配慮された内容となっており、本両公開買付けに応募しなかった一般株主の利益にも配慮されているものといえることから、本取引の条件(第二回公開買付けにおける公開買付価格を含む。)は妥当なものと認められる。
(3)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性
ア 本取引において講じられている公正性担保措置等
本取引においては、以下のとおり、取引条件の公正さを担保するための手続として十分な公正性担保措置が講じられており、公正な手続を通じた一般株主利益の確保への十分な配慮がなされているものと認められることから、本取引に至る交渉過程等の手続は公正なものといえる。
(ア)独立した特別委員会の設置及び答申書の取得
当社は、本取引に関し、独立した特別委員会の設置及び答申書の取得をしているところ、本特別委員会は、独立性を有する者で構成され、重要な情報を得た上で、企業価値の向上及び一般株主の利益を図る立場から、本取引の是非や取引条件の妥当性、手続の公正性について検討及び判断を行うことにより、取引条件の形成過程において、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題に対応し、当社の企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況を確保する機能を果たすことができたものといえ、実際にも、本特別委員会の実質的な関与の下、本取引に関する交渉が行われたものと認められるため、本特別委員会は、公正性担保措置の一環として有効に機能したものと評価できる。
(イ)第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本取引に関し、公開買付者関連当事者から独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得をしているところ、前述のとおり、EY株式価値算定書の内容には妥当性が認められるうえ、当社及び本特別委員会は、EY株式価値算定書の株式価値算定結果に加えて、算定の前提とされた本事業計画の内容、重要な前提条件、作成経緯の妥当性を確認した上で、同種のM&Aにおいて一般に付与されるプレミアムの水準にも鑑みて、取引条件の検討や公開買付者との交渉及び判断を行った。なお、当社は、第二回公開買付価格に関して、EYから公開買付価格の公正性に関する意見(以下「フェアネス・オピニオン」という。)は取得していないが、本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が適切に講じられていると認められるため、フェアネス・オピニオンを取得しなくとも、本取引にかかる交渉過程及び意思決定過程に至る手続の公正性が否定されるものではないといえる。
(ウ)独立した法律事務所からの助言
当社は、本取引に関し、独立した御堂筋法律事務所からの助言を得ているところ、本特別委員会は、御堂筋法律事務所の公開買付関連当事者からの独立性及び専門性を確認した上で、当社の法務アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会の運営においても、適宜、御堂筋法律事務所の専門的助言を得ながら、本特別委員会における検討、協議、判断を行っており、本取引の公正性担保措置の一環として有効に機能したものと認められる。
(エ)独立した検討体制の構築
当社は、独立した検討体制の構築として、当社取締役のうち、本取引に利害関係を有する若濵久氏について、本取引の検討、交渉及び判断等を行う社内検討体制から除外し、また、利害関係人の関連当事者に該当せず、本取引の成否についても一般株主と異なる重要な利害関係を有していない者を本取引における当社の主な担当者として指名し、公開買付者との交渉や本特別委員会の窓口等を務めさせており、当社は、利害関係人から独立し、本取引の成否についても一般株主と異なる重要な利害関係を有しない者による社内検討体制を構築したものと評価でき、本取引の公正性担保措置の一環として有効な措置が講じられたものと認められる。
(オ)利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
当社では、本両公開買付けに関する意見表明等を行うために開かれる取締役会において、本取引について利害関係を有する若濵久氏を除く取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の協議、検討に基づき、本取引の実施に対する当社取締役会の意見表明について決議する予定とのことであり、本取引の公正性担保措置の一環として有効な措置であると認められる。
(カ)他の買付者からの買付機会を確保するための措置(マーケットチェック)
貴社は、EYを通じて、貴社の企業価値の向上に対し支援を見込むことができると考えた公開買付者を含む37社(事業会社34社及びプライベートエクイティファンド3社)のうち、秘密保持誓約書を提出するに至った13社(事業会社10社及びプライベートエクイティファンド3社)に若濵久氏及びKDTが保有する貴社株式の買収について具体的な打診を行った上で、公開買付者による一次意向表明書の内容及び公開買付者から示されていた相対での交渉意向について貴社の競争力の強化及び企業価値の向上に資するシナジーの発現可能性を含む本取引の実現可能性や公開買付けにかかる条件といった観点から慎重に検討を行い、(ⅰ)公開買付者は当社グループの事業に係る理解及び知見が深く、相互に連携して事業拡大に向けた活動が可能と考えられ、シナジーの発現可能性も高く、本取引が実現され当社が公開買付者の経営参画を得ることは、若濵久氏が取締役を退任した後も当社グループが今後更なる成長を実現し企業価値を向上させていく最善の選択肢であると初期的ながら評価できたこと、(ⅱ)公開買付けに係る諸条件及び本取引に対する真摯な取組み姿勢等を総合的に勘案の上、公開買付者との間で本取引を実行することを決定しているとのことであるから、積極的マーケットチェックが実施されたといえる。
また、貴社は、公開買付者との間で、貴社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が貴社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っていない。加えて、本応募契約においては、若濵久氏による応募の前提条件として、貴社取締役会により、第一回公開買付けに賛同する旨の意見表明にかかる決議及び第二回公開買付けが開始される場合には第二回公開買付けに対して賛同し応募を推奨する旨の意見表明にかかる決議がなされ、これが公表されており、かつ、かかる意見表明が変更若しくは撤回され又はこれと矛盾する取締役会決議がなされていないこと、貴社に設置された特別委員会により、第一回公開買付け及び第二回公開買付けに関する貴社の決定が貴社の一般株主にとって不利益でない旨の答申が行われており、かつ、かかる答申が変更又は撤回されていないことなどが定められており、また、本応募契約において、若濵久氏は、(ⅰ)第一回公開買付けと実質的に矛盾若しくは抵触し、又は本公開買付けの実行を困難にするおそれのある取引に関連する合意をし、又はそのような取引に応じてはならず、また、(ⅱ)直接又は間接を問わず、そのような取引の申込み若しくは申込みの勧誘又は抵触取引に関するいかなる協議、交渉若しくは情報提供も行ってはならないものとされているものの、第三者が当社に対して抵触取引の提案を行い、当社の取締役会が本特別委員会の答申を受けてかかる抵触取引に賛同する旨の意見表明を行い、かつ、第一回公開買付けに係る賛同意見の撤回を行った場合は、この限りではないとされている。また、公開買付者は、第一回公開買付けにおける公開買付期間を法令に定められた最短期間である20営業日に設定する予定とのことであるが、第一回公開買付けは若濵久氏のみの応募が想定され、一般株主による応募は想定されないためであり、他方で、第二回公開買付けにおける公開買付期間については、30営業日に設定する予定とのことであるところ、公開買付者は、第一回公開買付けと同時に第二回公開買付けの実施を公表し、かつ、第二回公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保しているとのことである。
このように、本取引では、積極的マーケットチェックが実施された上で、対抗的な買付け等の機会を妨げないことによる間接的マーケットチェックも行われているものと評価することができ、本取引の公正性の担保に配慮された経緯及び条件設定がなされているものと認められる。
(キ)当社の株主が本公開買付に応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
本取引に際して、本取引にかかる取引条件の妥当性等についての当社の株主による判断のために相当な情報が開示される予定であり、また、本取引においては、一般株主による応募が想定されている第二公開買付けにおける公開買付期間を、法令に定められた最短期間の20営業日より長期の30営業日に設定することにより、当社株主が、上記開示内容を確認した上で、本取引の是非や第二回公開買付価格の妥当性について熟慮し、本両公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行うための機会が確保されているといえる。
(ク)MoM
本取引において、MoMに基づく買付予定数の下限を設定しないことが不合理であるとはいえず、前述のとおり、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められることや、本取引においては、MoM以外の公正性担保措置が十分に講じられていると認められることからすれば、本取引の公正性に影響を及ぼす事情とは認められない。
(ケ)強圧性の排除
本取引の条件や手続は、前述のとおり、①第二回公開買付けの公開買付期間が30日間であること、②上限を設定しないこと、③下限を設定しないこと、④本スクイーズアウト手続の対価が第二回公開買付価格と同一になるよう算定して実行される予定であること、⑤本スクイーズアウト手続において、本両公開買付けに応募しなかった当社株主が、本スクイーズアウト手続において交付される金銭の価額に不服がある場合には、法令上、本両公開買付けに応募しなかった株主において、裁判所に対し、自ら保有する貴社株式の売買価格の価格決定請求権又は公正な価格による株式買取請求権が確保されていること、⑥本取引後に本スクイーズアウト手続が速やかに実施される予定であること、並びに、⑦本両公開買付けの成立後、公開買付者及びKDTが所有する当社株式の議決権数が当社の総議決権の3分の2を下回る可能性があり、本スクイーズアウト手続として行われる株式併合の議案が本臨時株主総会において承認されない場合であっても、公開買付者は、本両公開買付けにおける応募状況や当該時点における当社の株主の所有状況及び属性並びに市場株価の動向も踏まえた上で、株式併合その他スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、市場内での買付け又は市場外での相対取得によって、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を目指す予定であることから、強圧性が生じないように十分配慮された内容となっているものと認められる。
イ 小括
以上のとおり、本取引においては、取引条件の公正さを担保するための手続として十分な公正性担保措置が講じられており、公正な手続を通じた一般株主利益の確保への十分な配慮がなされているものと認められることから、本取引に至る交渉過程等の手続は公正なものといえる。
(4)上記(1)から(3)までを踏まえ、本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか
以上の諮問事項(1)から(3)までにおいて評価したとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的には合理性があるといえ、また、本取引の条件は妥当なものと認められ、本取引に至る交渉過程等の手続は公正なものといえるため、本取引は当社の一般株主にとって不利益なものではないといえる。
(ⅳ)本確認書の取得
当社は、2023年12月12日、公開買付者から、2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了することを前提に2023年12月21日から第二回公開買付けを開始する方針である旨の連絡を受けました。そのため、本特別委員会は、当社取締役会が第二回公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、改めて、2023年11月13日から2023年12月20日までの状況を考慮して、本答申書の内容に変更がないか否かを検討いたしました。その結果、本特別委員会は、本答申書に影響を与える前提事実に変更がないことを確認し、2023年12月20日付で当社取締役会に対して、上記「(ⅲ)判断内容」の「1.答申内容」に記載の答申内容のうち、第二回公開買付けに係る部分については、「当社取締役会においては、①第二回公開買付けに賛同の意見を表明すること、かつ、②当社株式を保有する株主に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明することを決議することが妥当であると考える。」と読み替えて維持することを確認する旨の本確認書を提出いたしました。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認
当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、決議に参加した取締役(若濵久氏を除く7名)の全員一致により、(ⅰ)公開買付者が本取引を実施することを決定するに至った背景や両社が想定している本取引によるシナジー等に鑑みて、本取引の目的には合理性があり、本取引が当社の企業価値向上に資するものであると判断されたことから、第一回公開買付けについて賛同の意見を表明すること、及び、(ⅱ)第一回公開買付価格は、公開買付者と当社の主要株主かつ筆頭株主である若濵久氏との交渉により合意したものであり、第二回公開買付価格よりも低い価格であるため、第一回公開買付けについては、若濵久氏のみが応募することが想定される一方で少数株主による応募は想定されていないことを踏まえ、第一回公開買付価格の妥当性については意見を留保し、第一回公開買付けに応募するか否かについては当社の株主の皆様の判断に委ねることを決議するとともに、第二回公開買付価格である877円は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、第二回公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断したことから、同日時点における当社の意見として、第二回公開買付けが行われた場合には第二回公開買付けに賛同の意見を表明し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明するべきであり、第二回公開買付けが開始される時点で改めてその旨の意見表明について決議するべきと考える旨を併せて決議いたしました。
その後、当社は、2023年12月12日、公開買付者から、2023年12月19日に第一回公開買付けの決済が完了することを前提に2023年12月21日から第二回公開買付けを開始する方針である旨の連絡を受けました。そのため、本特別委員会は、当社取締役会が第二回公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、改めて、2023年11月13日から2023年12月20日までの状況を考慮して、本特別委員会が2023年11月13日付で提出した答申書の内容に変更がないか否かを検討いたしました。その結果、本特別委員会は、本答申書に影響を与える前提事実に変更がないことを確認し、2023年12月20日付で当社取締役会に対して、上記意見に変更がない旨の確認書を提出いたしました。
当社は、2023年12月20日開催の当社取締役会において、本確認書の内容及び当社の業況や本取引を取り巻く環境を踏まえ、第二回公開買付けに関する第二回公開買付価格を含む本取引に係る諸条件について改めて慎重に検討を行った結果、第一回公開買付けの開始にあたって2023年11月13日開催の当社取締役会において決議した第二回公開買付けに係る当社の判断を変更する事情は特段ないと考えたため、同判断を維持し、改めて第二回公開買付けに賛同し、かつ、当社株式を所有する株主の皆様に対しては第二回公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を表明する旨を決議しました。
本取引に係る当社の取締役会決議(上記の2023年12月20日付当社取締役会決議、2023年11月13日付当社取締役会決議及び本特別委員会設置に係る2023年5月31日付取締役会決議)に際しては、若濵久氏を除く当社取締役7名にて審議の上、その全員一致により当該決議を行いました。なお、若濵久氏については、本取引に関して若濵久氏と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを踏まえ、本両公開買付けを含む本取引にかかる当社の取締役会の意思決定において、公正性及び客観性を高め、利益相反の疑いを回避する観点から、本取引に関する審議及び決議には参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議・交渉にも参加しておりません。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本両公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、当社株式の売却に関する検討の一環として、当社の企業価値の向上に対し支援を見込むことができると考えた公開買付者を含む13社(事業会社10社及びプライベートエクイティファンド3社)に当社株式の買収について打診を行った上で、公開買付者との間で本取引を実行することを決定しており、本取引は、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等その他の取引機会が積極的に設けられた上で、実施されるに至ったものといえます。また、公開買付者は、当社との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。
なお、公開買付者は、第二回公開買付期間については、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しているとのことです。公開買付者は、第一回公開買付けと同時に第二回公開買付けの実施を公表し、かつ、第二回公開買付期間を第一回公開買付期間及び法定の最短期間に比べて比較的長期に設定することにより、当社の少数株主の皆様に本両公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本両公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)公開買付者と当社の株主との間における第一回公開買付けへの応募その他の本両公開買付けに係る重要な合意に関する事項
公開買付者は、第一回公開買付けに関連して、2023年11月13日付で、当社の代表取締役であり、2023年11月13日当時の当社の主要株主かつ筆頭株主であった若濵久氏との間で、若濵久氏が所有していた当社株式のうち、第一回公開買付け応募合意株式(2,316,046株)(所有割合:36.66%)を第一回公開買付けに応募する旨の本応募契約を締結し、また、若濵久氏及びKDT株主との間で、2023年11月13日当時、KDT株主がその発行済株式の全てを所有する資産管理会社であって当社の主要株主かつ第2位株主であるKDTの発行済株式の全てについて、第一回公開買付けが成立した場合に、第一回公開買付け決済開始日と同日に、現金対価により譲り受ける旨の本株式譲渡契約を締結していたとのことです。そして、上記「(2)本両公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本両公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付者は、第一回公開買付けにおいて、本応募契約に基づき、第一回公開買付け応募合意株式の応募を受けるとともに、本株式譲渡契約に基づき、KDT株式取得を完了しているとのことです。
なお、本応募契約において、若濵久氏は、本両公開買付けの成立及び本スクイーズアウトの完了に係る協力義務を、本株式譲渡契約において、KDT株主は、本両公開買付けの成立及び本スクイーズアウトの完了に係る協力義務をそれぞれ負っているとのことです。
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権数(個) |
|
若濵 久 |
代表取締役社長 |
1,250 |
12 |
|
中村 明裕 |
取締役 |
161,851 |
1,618 |
|
海老 雅和 |
取締役 |
129,005 |
1,290 |
|
後谷 耕司 |
取締役 |
2,456 |
24 |
|
古谷 礼理 |
取締役 |
1,727 |
17 |
|
藤原 齋光 |
取締役 監査等委員 |
20,746 |
207 |
|
麻田 祐司 |
取締役 監査等委員 |
41,798 |
417 |
|
佐藤 竜一 |
取締役 監査等委員 |
21,811 |
218 |
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 古谷礼理、麻田祐司及び佐藤竜一は社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権の数には、それぞれ当社役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)並びにそれらに係る議決権の数を含めた数を記載しております。
該当事項はありません。
以上