文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(経営方針)
当社グループが掲げる経営理念『日本のカルチャーを世界へ』の“日本のカルチャー”とは、日本の風土そのもの、またそれにより育まれた日本人の民族性、生活様式/習慣、或いはそれらに影響を受けた人々が生み出してきた哲学や思想、文化・芸術や技術の賜物です。当社は、そのような“日本のカルチャー”を1人でも多くの方に実感できる場を提供することを通じて、日本のみんなだけでなく世界のみんなを幸せにすることが、当社グループの存在意義であると考えております。
(経営戦略)
伝統と革新の両面で、日本という国を象徴するあらゆるモノとサービスを中心として提供しており、モノ事業の新規ブランドの開発、IT技術革新への対応及び新規出店の加速を実現し、その他事業を含めたさらなる事業拡大を目指してまいります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
店舗展開の見直し
2020年春以降、不採算店舗の退店と人員削減によるコスト削減を実施しております。2019年12月末に91店舗だった店舗を2023年12月末には22店舗まで縮小いたしました。また、モノ事業及びその他事業にリソースを集約し、経営資源の再分配を行っております。今後も店舗の採算に応じて店舗撤退の要否を判断いたしますが、効率経営を念頭に、好立地への出店及び催事の強化を実施することでコロナ禍後において利益が出る体質への変革を実行してまいります。
事業のIT化
モノ事業は店舗展開以外にECサイトにおける販売、OEMサービス等の強化により、収益の確保を図ってまいります。
新規事業
その他事業において静岡県を中心に空き家をリノベーションした不動産賃貸業及び宿泊施設を運営しております。今後は売上高の拡大を図ってまいります。
販売費及び一般管理費の削減
当社では、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小などを行ってまいりました。家賃減額交渉も継続しながら、本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の削減に努力してまいります。
財務状況の安定化
財務状況の安定化を図るために、取引金融機関の支援も得ながら以下の通りエクイティファイナンスを実行いたしました。
当社は2023年6月29日開催の臨時株主総会において、第三者割当による新株式の発行並びに第12回新株予約権の発行を決議し、同年6月30日に552,358千円の払込が完了しており、債務超過を解消し財務基盤は強化されております。
(経営環境及びその他の優先すべき対処すべき課題)
当社グループが対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。なお、当社グループが運営する事業は、物品の販売を行うモノ事業とその他事業に大別されます。
当社の事業発展には、好立地・好条件の物件への新規出店を継続的に行うことが重要と考えています。当社は複数ルートからの物件情報収集と積極的な条件交渉を行い、全国の主要都市や観光地への出店を再度推し進め、営業基盤を拡大してまいります。新規出店計画は当社の事業発展ならびに当社の収益に大きく影響を及ぼすものと認識しております。そのため、好立地・好条件の物件を獲得するためのネットワークを確立できるよう努めるとともに、ドミナント戦略の特性を活かした計画的かつ効率的な出店を行い、出店準備の内製化等の具体的施策も含め、更なる収益性の向上に努めてまいります。
近年、デバイスの多様化と進化に伴い、インターネット経由の消費が増加するとともにEC市場参入企業が増えており、競争力を強化する上でIT技術革新への迅速な対応が課題と考えています。モノ事業では集客手段としてインターネット上に複数のECサイトを運営しています。ECサイトの企画から開発、運営とwebマーケティングの運用を一貫して内製化することで迅速で高頻度な新コンテンツのリリース等に対応してきました。webマーケティング、ユーザビリティ及びコンテンツへの対応をすることにより、今後の競争力を強化してまいります。
アニメ・ゲームMD事業部のOEM事業は、キャラクターグッズ業界をはじめとしたコンテンツ産業に高いニーズがあります。アニメ・ゲームや漫画などへの消費は、経済変動による影響が大きいが、大手企業の人気IP商品を獲得することにより、景気に左右されない、安定した売上の確保が大きな課題と考えております。当社には、大手企業のゲーム・漫画やアニメキャラクターとのコラボ商品の開発及び販売実績が多数ありますが、さらに小売り部門の実店舗やECサイトを通じて得る市場トレンド・消費者ニーズに関するマーケティング情報や開発のノウハウをOEM事業の提案内容に織り込み、他社ではなし得ない、小売の強みを活かした提案で、競合他社との差別化を図っております。
当社は設立以来、商材の企画・開発を行い、主に商材ごとのマルチブランド展開戦略で成長を図ってまいりました。当社が事業の高い成長と企業価値の向上を継続的にさせていくためには、既存及び新規ブランドの店舗開発を積極的に進めていくとともに新規・周辺領域ビジネスにチャレンジしていくことが必要であると考えております。その他事業では、不動産賃貸事業及び宿泊施設運営を開始しております。今後もリスク管理体制の整備・運用を徹底した上で、新規及び周辺領域ビジネスの立上げによる収益の多角化を積極的に進めてまいります。
当社グループが継続的成長を遂げるためには、各分野に精通した優秀な人材の確保が重要であると考えております。中でも、当社が提供する商品やサービスのテーマとなる「日本のカルチャー」に関連する知識や経験を備えたデザイナーやECサイト運営に係るエンジニアの確保、熟練の着付け師の増員が重要な課題であると認識しており、当該人材の採用に注力してまいります。
入社時には正社員、アルバイトを問わず、全ての社員・スタッフに当社の企業理念や今後の事業についての研修を実施し、全社員・スタッフが統一した意識を持ち業務に当たるよう育成をしております。
当社グループは主要な集客手段としてインターネット上に複数の自社媒体を運営しており、多数の個人情報を有しているため、情報管理が最重要課題であると認識しております。当社においては、厳格な個人情報管理体制を構築しておりますが、今後も、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、セキュリティシステムの整備等を実施し、情報管理体制の維持及び強化を図ってまいります。また、社内業務の効率化と省力化を図るため、社内情報システムの整備を継続的に行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが掲げる経営理念『日本のカルチャーを世界へ』の“日本のカルチャー”とは、日本の風土そのもの、またそれにより育まれた日本人の民族性、生活様式/習慣、或いはそれらに影響を受けた人々が生み出してきた哲学や思想、文化・芸術や技術の賜物です。当社は、そのような“日本のカルチャー”を1人でも多くの方に実感できる場を提供することを通じて、日本の人々だけでなく世界の人々を幸せにすることが、当社グループの存在意義であると考えております。
経営理念『日本のカルチャーを世界へ』に基づき、お客様、お取引先様、株主様、従業員などすべてのステークホルダーの皆様と持続可能な社会の実現を目指してまいります。
当社グループは人材を重要な経営資源と考えており、グループにおける人材の多様性を尊重することで組織の活性化を図り企業競争力を高め、持続的な成長・発展を目指しております。従業員が安心して働くことができる職場環境を整備することで従業員満足の向上を図り、仲間と共に向き合い、取り組み、成長していきたいという企業風土を醸成してまいります。
①人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループでは、ライフステージや個々の状況に合わせ、時短勤務や出勤時間の選択などが出来るようになっております。また、髪色や髪型、ネイル、ピアスなど外見にとらわれることなく、個々の多様性を重んじた採用を行っております。
また働きやすい職場環境づくりとして、頑張るお母さんを応援したい、少しでも支えになりたいという想いから「シングルマザー手当制度」の導入や、急な出費にも対応できるよう雇用形態にかかわらず誰でも使える「給与前払いシステム」などを導入しております。
さらに、コロナ禍を契機に、組織と個人の生産性を維持・向上させるべく、コミュニケーションツールのデジタル化、社内決裁の簡素化・デジタル化等を行っております。
当社グループは、リスク管理規程を定め、全社的なリスク管理は管理部を中心に行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、取締役会や経営会議の中でより詳細な検討を行い共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ検討してまいります。
当社グループでは、具体的な目標は特に定めておりませんが、性別や国籍に関係なく優秀な人材を管理職に登用する方針であり、人材育成や環境整備に努めております。
なお、女性従業員の比率は社員79.4%、パート・アルバイト88.6%と女性従業員の比率が高くなっております。今後も個々の多様性を重んじた採用を行い、優秀な人材を管理職に登用いたしますとともに、女性管理職の登用にも努めてまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。また、当社として必ずしも事業遂行上のリスクとは捉えていない事項についても、投資者の投資判断上もしくは当社の事業を理解いただく上で重要と考えられる事項は、投資者に対する情報開示の観点から記載しております。
なお、本文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループの判断に基づくものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループが運営する事業は、物品の販売を行うモノ事業とその他事業に大別されますが、モノ事業(OEM部門)の一部案件を除き、いずれの事業においても一般消費者が最終顧客となることから、常に、商品・サービス・価格に関して国内外の競合企業と競争状態にあります。当社グループの商品・サービス・価格の競合他社に対する魅力が劣る等により事業競争力が相対的に低下し、顧客が競合他社を選択する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「日本のカルチャー」をテーマに、国内の主要都市/観光地で服飾雑貨や生活雑貨等のオリジナル商品の販売を営んでおります。外部環境の変化による気候状況、景気後退、大規模災害等に伴う消費縮小、来店客減少によって当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ事業を取り巻く市場環境は、日本文化を象徴するデザインや日本製の商品に対する好感度の高さなどにより需要が拡大している状態と考えております。市場規模の拡大から異業種企業の参入等、市場の構造変化が劇的に進んだ場合は当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、わが国における戦争・紛争・テロの発生、感染症等の疫病の流行、大規模地震や台風等の自然災害、外交関係の悪化による訪日外国人客の減少等の場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社モノ事業については「食品衛生法」「製造物責任法」「著作権法」「特定商取引法」「個人情報保護法」「電子消費者契約法」「商標法」「景品表示法」等の法的規制が存在しています。しかしながら、今後新たな法令等の制定や既存法令等の改正又は解釈の変更がなされ当社の事業の一部が制約を受ける場合、又は新たな対応を余儀なくされる場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業基盤として人材の確保が必要ですが、生産年齢人口の減少、雇用形態の変化等により、従業員の採用競争は厳しい状況にあります。こうした環境の中で適切な採用、人員配置が叶わない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、必要とする人員を確保するために非正規社員の時間給単価が上昇した場合には人件費比率が上昇し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはサービス提供にあたり会員情報等の個人情報を取得、利用しているため「個人情報保護法」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループは、これら情報の消失や外部への漏洩防止を目的として、自社媒体の開発及び保守・運用を委託する業者についてはサーバの選定等事細かな事項に至るまでの決裁権を保持する等、情報管理体制を強化しております。また、当社グループは店舗の損益管理、勤怠管理及び会計処理などの情報処理の運営管理について、専門のソフトウェアを利用しており、バックアップやウィルス対策など、データや情報処理のセキュリティを確保しております。しかしながら、不測の事態により個人情報の消失や外部への漏洩事故が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの社会的信用の失墜等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社はインターネット上に自社ECサイトを運営しており、事業の安定的な運用のためにシステム強化及びセキュリティ対策を行っております。しかしながら、予期せぬ自然災害や不慮の事故等により当社が運営する媒体のコンピューターシステムに障害が発生した場合や、想定を超える急激なアクセス増等の一時的な過負荷によってコンピューターシステムが動作不能に陥った場合、サービス停止により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの創業者であり創業以来の事業推進者である代表取締役森智宏は、当社グループの事業に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは過度に当該個人に依存しないよう、創業メンバーである専務取締役最上夢人をはじめとした経営幹部役職員を拡充し、権限委譲による分業体制と経営組織の強化に取り組んでおりますが、何等かの理由により当該各人による業務遂行が困難となり当社グループの業務の継続に支障が生じた場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社モノ事業は外部の製造会社に生産を委託しております。新商品の生産にあたっては、デザイナーによる試作品の事前チェックを通過しないものは発売日を延期する等、品質最優先で対応しております。しかしながら、商品の予期せぬ不具合やそれによる事故等の発生により、当社グループの商品の安心・安全・信頼が害され、品質に対する信用を失うことになった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社の出店は、当社が建物等を賃借する直営店舗の形態を取っているため、賃貸人が破綻等の状態に陥り、当該店舗の継続的使用や差入保証金等の債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新規出店は賃料、商圏人口、競合店の状況等を勘案し、総合的かつ慎重に検討を行いますが、条件に合致する物件が調達できない場合には計画通りの出店ができなくなり、さらに出店後においても店舗収益性が低下した場合等には、店舗資産の減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内の主要都市/観光地に出店している店舗からの売上比率が高いため、出店地域で悪天候が長期に及んだ場合、来店客数の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、インターネット上の掲示板への書き込みやそれを要因とするマスコミ報道等による風評・風説の流布が発生・拡散した場合、その内容の正確性にかかわらず、当社グループの経営にとってマイナスの影響が生じ、当社グループの業績及び財政状態、株価に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは未だ成長過程にあり、今後想定される業務拡大や新規事業の展開に対応するべく、継続的な人材の確保・育成、適切な人員配置、及び柔軟な組織改編により内部管理体制の強化を図っていく予定です。しかしながら、新たな人材の確保・育成、人員配置や組織改組が計画通りに進まず、内部管理体制の強化が進まない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは第三者の著作権侵害のないように体制の整備を進めておりますが、万が一当社グループの商品が第三者の知的財産権を侵害した場合等には、損害賠償等の訴訟を起こされる可能性がないとは言えません。その結果、当社グループの事業展開に対する支障の発生や企業イメージが低下するほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社モノ事業は生産の大半を海外の製造会社に委託しており、主な生産国は中国とタイです。そのため、当該地域に関係する市場リスク、信用リスクおよび地政学的リスク等や為替レートの大幅な変動等が当社の仕入れに影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新規出店による事業規模の拡大及び財務基盤の強化を目的として内部留保の充実を優先してきたため、設立以来配当を実施していません。当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、今後は経営成績及び財政状態等を総合的に勘案しながら、配当の実施を検討して参りますが、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定です。
当社は、取締役、従業員および社外協力者に対するインセンティブ付与を目的としたストック・オプション制度を採用しております。そのため、対象者により付与されている新株予約権の行使が行われた場合、既存株主の保有株式の株式価値が希薄化する可能性があります。
なお、本書提出日前月末現在における新株予約権による潜在株式数は2,726,400株であり、発行済株式総数6,302,500株の43.3%に相当します。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の悪影響を受けた結果、前連結会計年度末には連結純資産が△441百万円の債務超過となっておりましたが、当連結会計年度に実施した第三者割当による新株式の発行並びに第12回新株予約権の発行により、財務基盤は強化され、2023年12月期連結会計年度末の連結純資産が142百万円となり、債務超過を解消することとなりました。また、当連結会計年度には、不採算店舗の退店と人員削減等によるコスト削減を実施することにより、モノ事業における店舗数を33店舗(2021年12月期末時点)から22店舗(2023年12月期末時点)まで縮小いたしました。新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の制限が徐々に緩和されたことにより来店客数が戻りつつあり、不採算店舗の閉鎖と合わせて営業収益も黒字に転換しました。モノ事業における店舗展開以外に、ECサイトにおける販売、OEMサービス等の強化による収益も確保しており、その他事業における静岡県を中心とした空き家をリノベーションした不動産賃貸業及び宿泊施設の運営も順調です。
その結果、当連結会計年度において、営業利益48,646千円、経常利益11,187千円、親会社株主に帰属する当期純損失13,465千円を計上しました。
一方、当事業年度の個別決算では、27,933千円の営業利益を計上したものの、当期純損失は42,718千円となり、△662千円の債務超過となっており、継続企業の前提に疑義を与える状況は残っておりますが、残存する新株予約権の行使による資金調達が見込めることや、2024年度は更なる業績の回復が見込まれるため、2024年度にはこれらの残りの事象も解消する見込みです。
当社グループの今後の見通しにつきましては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行後、個人消費の持ち直し、インバウンド需要の復調など経済活動が正常化に向かう一方、ウクライナや中東地域をめぐる情勢長期化による資源や原材料価格の高騰など依然として先行き不透明な状況が続くことが考えられます。また、客数が順調に回復する中でも、エネルギー価格や原材料の仕入価格高騰及び円安による物価上昇、人件費の高騰などが懸念されており、今後も厳しい状況が続くものと予想しております。
当社グループのモノ事業は主に店舗運営により行っておりますが、条件に合致する物件の調達が進まないため、出店計画の見直しを行っております。2024年12月期は10店舗の出店を予定しております。
2024年12月期の見通しにつきましては、モノ事業は、引き続き催事の強化を進めてまいりますとともに、出店に関しましては、立地条件、契約条件、競合、収益性等を精査しながら総合的かつ慎重に検討を行い、家賃減額交渉も継続しながら、周辺領域への新規展開も行うことで収益の多様化を図ってまいります。
コスト面につきましては、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小などを行ってまいりました。本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の削減に努力してまいります。
以上により、2024年12月期の連結業績予想は、売上高1,560百万円、営業利益60百万円、経常利益60百万円、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円を見込んでおります。
このような状況を総合的に判断した結果、現時点において、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められなくなったと判断しております。
業績等の概要
当連結会計年度(自2023年1月1日至2023年12月31日)におけるわが国経済は、一部に足踏みもみられますが緩やかに回復しています。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されます。しかし、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、ウクライナや中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
当社グループの属する小売・サービス業界は、新型コロナウイルス感染症の5類移行などで客数が順調に回復する中でも、エネルギー価格や原材料の仕入価格高騰及び円安による物価上昇、人件費の高騰などが懸念されており、厳しい状況は続いております。
また、2023年の年間訪日外客数は、25,066,100人となりました。4月の水際措置撤廃以降、訪日外客数は右肩上がりで急回復を遂げ、単月では10月に初めて2019年同月比100%を超えており、年間累計では2019年比78.6%と8割程度まで回復が進みました。(出典:日本政府観光局(JNTO))
このような経済環境の下、当社は「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に「日本文化を感じるモノを作り販売する」モノ事業及びその他事業の強化に引き続き取り組みました。経済活動の制限が緩和し、個人消費や国内観光の回復、訪日外客数が増加していることから来店客数が増加(前年同期比52.5%増)したため増収となりました。
当連結会計年度においては退店が2店舗、出店が2店舗、当連結会計年度末の店舗数は合計22店舗(前連結会計年度末比7店舗減)となりました。一方で、店舗の閉鎖やコスト削減により、販売費及び一般管理費は860,555千円(前年同期比9.7%減)となりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,330,928千円(前年同期比33.5%増)、営業利益48,646千円(前年同期は203,296千円の損失)、経常利益11,187千円(前年同期は220,584千円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失13,465千円(前年同期は82,884千円の損失)となりました。
なお、前連結会計年度においてコト事業を事業譲渡したことに伴いコト事業を廃止しており、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(モノ事業)
モノ事業においては、コロナが5類に移行し、観光地に観光客が戻ってきたことにより、既存店である観光地の店舗の売上が増加しました。また、かんざしや傘に新商品の追加や新しいサウナグッズのブランドを導入するなど、売上増加に貢献いたしました。出店につきましては、条件に合う物件が少なく思うように進みませんでしたが、コロナ期間中にコスト削減が進み、利益を上げることができました。加えて前年、好調だった催事をさらに強化することにより収益向上を図った結果増収となりました。当連結会計年度末における店舗数は、出店2店、退店2店、合計22店舗(同±0)となりました。その他、ネット通販、OEMサービス等も行っております。
この結果、当連結会計年度におけるモノ事業の売上高は1,266,353千円(前年同期比72.5%増)、セグメント利益は629,733千円(前年同期比380.2%増)となりました。
(その他事業)
その他事業においては、静岡県を中心に空き家をリノベーションした不動産賃貸業及び宿泊施設を運営しております。
この結果、当連結会計年度におけるその他事業の売上高は64,575千円(前年同期比47.8%増)、セグメント利益は21,564千円(前年同期は1,977千円の損失)となりました。
当連結会計年度末における資金は284,139千円(前年同期比比161,501千円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は345,339千円(前年同期比219,209千円減)となりました。この主な要因は、売上債権の増加47,821千円、棚卸資産の増加101,854千円、未払消費税等の減少51,193千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は26,270千円(前年同期比75,463千円減)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出65,280千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は533,111千円(前年同期比460,363千円増)となりました。この主な要因は、株式の発行による収入592,237千円等によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.モノ事業で行っているOEM販売について集計しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積もりとは乖離が生じる可能性があります。
なお、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて370,770千円増加し669,648千円となりました。これは主に現金及び預金が161,501千円増加したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて11,867千円減少し355,056千円となりました。これは主に土地が22,487千円減少したことなどによります。
その結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて358,903千円増加し1,024,704千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて66,901千円減少し804,398千円となりました。これは主に未払消費税等が51,194千円減少、預り金が39,113千円減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて158,991千円減少し77,330千円となりました。これは主に長期借入金が163,479千円減少したことなどによります。
その結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて225,893千円減少し881,728千円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて584,796千円増加し142,975千円となりました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ296,163千円増加したことなどによります。
(売上高、売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上高は1,330,928千円となりました。新型コロナウイルス感染症の5類移行などで経済活動の制限が徐々に緩和されたことにより、来店客数が前年同期比152.5%と戻りつつあるため増収となりました。出退店につきましては、当連結会計年度において、退店が2店舗、出店が2店舗、当連結会計年度末の店舗数は合計22店舗(前連結会計年度末比7店舗減)となりました。また、売上原価は421,726千円となりました。その結果、売上総利益は909,201千円となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、店舗の閉鎖やコスト削減などにより860,555千円となりました。その結果、当連結会計年度における営業利益は48,646千円となりました。
(営業外損益及び経常損失)
営業外収益は、受取利息3千円、為替差益439千円、受取手数料6,000千円、その他の営業外収益2,899千円により合計9,342千円となり、営業外費用は、支払利息5,630千円、株式交付費13,183千円、貸倒損失14,633千円、持分法による投資損失12,854千円、その他の営業外費用500千円により合計46,802千円となりました。その結果、当連結会計年度における経常利益は11,187千円となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失)
特別利益は、固定資産売却益17,006千円、持分変動利益17,207千円により合計34,214千円となりました。特別損失は減損損失11,967千円、損害賠償金18,000千円、訴訟損失引当金繰入額4,671千円により合計34,639千円となりました。また、法人税、住人税及び事業税21,102千円を計上しました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は13,465千円となりました。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
運転資金及び設備投資資金など必要な資金需要に対応するため、金融機関からの借入及び資本市場からの資金調達などにより必要資金を確保する方針であります。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、市場環境・競合・経済情勢等の様々なリスク要因があり、それらが当社の業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しております。
今後の見通しにつきましては、2023年5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行後、個人消費の持ち直し、インバウンド需要の復調など経済活動が正常化に向かう一方、ウクライナや中東地域をめぐる情勢長期化による資源や原材料価格の高騰など依然として先行き不透明な状況が続くことが考えられます。また、客数が順調に回復する中でも、エネルギー価格や原材料の仕入価格高騰及び円安による物価上昇、人件費の高騰などが懸念されており、今後も厳しい状況が続くものと予想しております。
当社グループのモノ事業は主に店舗運営により行っておりますが、条件に合致する物件の調達が進まないため、出店計画の見直しを行っております。2024年12月期は10店舗の出店を予定しております。
2024年12月期の見通しにつきましては、モノ事業は、引き続き催事の強化を進めてまいりますとともに、出店に関しましては、立地条件、契約条件、競合、収益性等を精査しながら総合的かつ慎重に検討を行い、家賃減額交渉も継続しながら、周辺領域への新規展開も行うことで収益の多様化を図ってまいります。
コスト面につきましては、全店舗について家賃減額の交渉、人件費の削減、本社機能の縮小などを行ってまいりました。本社及び店舗の運営費用の削減等引き続き経費の削減に努力してまいります。
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり現在の事業環境並びに入手可能な情報に基づき、迅速かつ最善な経営戦略の立案、経営課題に対する施策の実施に努めております。また、当社が最も重要な経営資源と考える人材については、出店計画に応じて綿密に人員計画を策定することで採用活動を適時に行うほか、教育研修制度を充実させることで必要な人材の確保に努める方針であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。