文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
当社は、インターネット広告分野だけではなく、分析 × データ × AI の技術連携によるSaaS関連やスポーツメディアの運営を展開、顧客課題を解決するための企画提案型受託開発などデータ解析力と開発力を強みとした幅広い事業を展開し、更なる多角経営を推進しております。
そして2024年から新たなステージへと進むべく、私たちはミッション、ビジョン、バリューの一新を行いました。これまでの「喜びをカタチにする」ことはもちろんのこと、新しい価値観で「今までの常識」を打破し挑戦、開拓していきます。
Mission:思いやりのあるテクノロジーで世界を変化させていく
先進的な技術やテクノロジーを用いて、お客様やユーザーのライフスタイルに寄り添った、人間中心のサービスやプロダクトを開発、展開していきます。
Vision:世界で一番、やさしく、つよく、おもろいテックカンパニー
私達が目指すのは、人にやさしいだけでなく世界に立ち向かえる信念や強さを持ち、お笑いの中心・大阪からワクワクさせるテックカンパニーを目指します。
Value:Humanitech [Humanity x Technology]
Humanitechは人間性とテクノロジーの単語をかけ合わせた造語です。人が中心とした先進的なテクノロジーを推進して、学び、ご提供できるよう邁進します。
また、社名の由来でもある「喜びをカタチにする」ために、仕事を通じて自社の社員とその家族、取引先を幸せにする連鎖を生み出すため、下記10項目のバリューであるGC WAY(グラッドキューブウェイ)を会社の行動指針とし、事業の発展を図っております。
① 約束は必ず守ろう:目標達成に向けてスケジュール管理を徹底し、約束ごとを守ります。
② プロ意識を持とう:ウェブマーケティングのプロフェッショナルとしてスピード感を持ち、解決策を生み出します。
③ 先手を取ろう:見えない課題を発見し、期待を超える提案をします。
④ 分析オタクになろう:行き当たりばったりの提案・行動ではなく、緻密な分析と考察を通して、未来を切り拓きます。
⑤ 考えながら走り、走りながら考えろ:常に頭を使って個人の成長と事業スピードを加速させていきます。
⑥ 本音でぶつかろう:立場、役職、年齢など関係なく、一つの目的、目標に向かって本音でぶつかりあう関係を作っていきます。
⑦ 諦めない心:失敗したら挽回する、その気概を持つことが成長に繋がることを信じて諦めない心を持ち続けます。
⑧ 毎日新しい発見を:自分に過信することなく素直な心、謙虚な姿勢で物事に向き合い、日々の新しい発見に気づく力を養っていきます。
⑨ 楽しみ、楽しませよう:どんなときも遊び心を忘れず、笑顔を絶やしません。
⑩ お客様に最高の喜びを:お客様の喜びは、私たちの喜び。最高の「Glad」を提供するために、喜びをカタチにしていく組織であり続けます。
当社は、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上成長率及び経常利益を重視する経営指標と捉えております。
インターネット関連市場においては、「2023年 日本の広告費」(出所:株式会社電通 2024年2月発表)によると、日本の総広告費は過去最高の7兆3,167億円(前年比103.0%)となりました。その中でインターネット広告費は継続して高い成長率を保ち3兆3,330億円(前年比107.8%)となりました。「マスコミ四媒体広告費」及び「プロモーションメディア広告費」については前年比で減少しており、インターネット広告費によって日本の総広告費を押し上げる形となりました。また「2022年国内動画広告の市場調査」(出所:株式会社サイバーエージェント 2023年2月発表)によると、日本の動画広告市場は5,601億円(前年比133.2%)となりました。大手動画配信サービスにおける動画広告の需要が引き続き大きく増加し、コネクテッドテレビにおける動画配信の普及も増加に寄与しております。
競馬関連市場においては、JRAにおける「売得金額・入場人員」(出所:日本中央競馬会 2024年1月発表)によると、売得金額は3兆2,754億円(前年比100.7%)、総参加人員は1億9,644万人(前年比99.8%)と高く推移しております。また、NARの「令和4年事業報告書附属資料」(出所:地方競馬全国協会 2023年発表)によると、総売得金額は1兆703億円(前年比107.8%)となり、継続的な増加を維持しております。
このような環境の中、当社はデジタルマーケティングを中心とした顧客支援、自社開発のAIを活用したサービス開発を基に更なる成長を目指してまいります。
当社が、対処すべき課題は、以下の項目と認識しております。
① 事業の収益基盤の強化及び加速
当社は、SaaS事業、マーケティングソリューション事業、SPAIA事業の3つの事業に加え、2023年10月24日付でworkhouse株式会社の一部の事業譲受により、受託開発に関する事業を展開していますが、全体の収益基盤について、一層の強化が必要であると考えております。この課題解決に対する1つの施策として、2024年より事業セグメントをプロモーション統括本部 マーケティングDX事業部とイノベーション統括本部 テクノロジー事業部の2事業部体制に変更いたしました。さらに、収益基盤を強化するために重要となるのが、プロモーション統括本部 マーケティングDX事業部のSaaS関連においては、平均単価の向上及び顧客数、ネット広告関連においては顧客数、イノベーション統括本部 テクノロジー事業部のSPAIA関連については、サブスクリプション利用のユーザー数の増加、受託開発関連については、プロダクト開発、AI領域における研究開発やウェブサービスに関する新たな受託数の増加であると考えております。かかる課題に対処するために、効果的なプロモーション活動を通じて各事業の認知度向上に努めてまいりたいと考えております。
② マーケティングDX事業における新規開発ツールへの取組み
現在 マーケティングDX事業のSaaS関連においては、SiTestのサブスクリプション収益がSaaS事業部の売上高の大半を占めております。そのため、今後の収益拡大においては、SiTestのみならず、需要が高くかつ安定して収益を生むプロダクトを複数提供することが必要だと考えております。かかる課題に対処するため、現段階でのウェブサイト市況やマーケティング市況を踏まえ、既存プロダクトやサービスだけでなく、新規事業を創出し、新たなプロモーション支援活動を確立させていく考えであります。
③ 優秀な人材の確保
当社は、事業の拡大や新規事業への進出を行っていく中で、人材の採用及び育成を重要な経営課題と捉えており、人材の採用及び育成に関する各種施策を継続的に講じてまいります。
④ 情報セキュリティのリスク対応強化
当社は、ウイルスや不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システム障害及び役職員、パートナー事業者の過誤による損害を防止するために、引き続き優秀な技術者の確保及び職場環境の整備、社内教育による情報セキュリティの強化を図ってまいります。
⑤ 迅速な意思決定を行うための組織体制の強化
組織が拡大しても、引き続き高い成長力を維持していくためには、効率的かつ迅速に経営意思決定を行う必要があります。具体的には、経営上の重要な意思決定を迅速に行うために必要な、主要なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)や財務数値を社内においてタイムリーに把握できる体制・仕組みを構築してまいりたいと考えております。また、内部牽制体制とのバランスを図りながら、意思決定を迅速に行うため役職員への適切な権限付与を整備することが重要と考えております。
⑥ 内部管理体制の強化
継続的に当社が成長を遂げていくためには、経営上のリスクを適切に把握し当該リスクを適切にコントロールするための体制強化や、未然の不正防止や業務の適正性を確保するための内部統制システムの強化が重要な課題と考えております。具体的には、内部監査部門が、内部監査規程に基づき内部監査を実施します。内部監査の結果は、被監査部門にフィードバックされるとともに代表取締役CEOに報告されます。各監査役が取締役会等に積極的に参加し、高い専門的見地から取締役の意思決定・業務執行について適宜意見を述べることにより、取締役会への監査・監督機能の一層の強化を図ってまいります。監査役、内部監査部門及び会計監査人による会合を定期的に開催することにより、監査・監督機能がより有効・適切に機能するよう努めてまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日において、当社が判断したものであります。
当社は、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会といったステークホルダーの利益を考慮しつつ、持続可能な社会の構築に積極的に役割を果たすとともに、企業価値の向上に努めます。
当社は、持続可能な環境や社会への貢献と持続的な企業価値の向上が重要な経営課題であるとの認識に立ち、当社の環境・社会・ガバナンスへの取り組みをより一層推進するため「サステナビリティ推進委員会」を新たに設置しております。
本推進委員会は、当社のサステナビリティに関する基本方針の策定を行い、その取り組みを推進いたします。また、経営方針や経営計画に対するサステナビリティ視点での検証を行うとともに、事業におけるリスクと機会の把握等を行います。
サステナビリティ推進委員会体制

当社は、株主をはじめ、顧客、取引先、従業員、地域社会といったステークホルダーの利益を考慮しつつ、持続可能な社会の構築に積極的に役割を果たすとともに、企業価値の向上に努めることを目標に掲げ、自社のサービスやプロダクトを通して社会貢献活動を目指しております。今後、事業活動を取り巻く社会情勢が大きく変動する可能性がある中で、目標の遂行、安定的な経営を図るために、人的資本の重要性を認識しております。人材の成長と事業成長が継続的に連動しており、社員個人の特性や能力を最大限に活かすことが、組織力の強化に繋がるため、優秀な人材の確保・育成、専門性の高い知識の習得、社員の労働意欲が高まる社内環境・制度の整備・拡充に努めております。また、人材の多様性を確保するために、透明性の高い独自の評価制度を導入しており、管理職への登用についても、性別、国籍、採用形態による制約は一切設けておりません。
(3)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
人材の確保・育成に対する取組
①ダイバーシティ&インクルージョン
当社は、採用地や性別によらず、あらゆる差別を禁止し人権を尊重し、社員一人ひとりがお互いを認め合う環境づくりに力を入れております。また、すべての社員は公正な競争と評価により活躍の機会を得られ、さまざまな属性を持つ人材が適材適所で活躍することを推進しております。当社では、予てよりすべてのジェンダーに平等な採用活動や次世代リーダー育成に力を入れております。この取り組みが評価され、2022年度「大阪市女性活躍推進リーディングカンパニー」認証事業において、最高ランクの三つ星認証を取得しております。
(基本的な考え)
a.創業時からDE&Iを原理原則としており、当社では、予てよりすべてのジェンダーに平等な採用活動や次世代リーダー育成に力を入れております。
b.多様性を受け入れて尊重し、促進するだけでなく、多様性を活かすことにも力をいれております。また、ジェンダーによる賃金差も存在せず、採用基準や従事する業務、「リーダー公募制度」やスペシャリストを目指すなどキャリアパスにおいても公平にチャンスは与えられております。
c.様々な国籍やバックグラウンドを持つ社員が増えることで良い刺激が生まれ、組織の活性化につなげております。
②人材育成の取り組み
当社は、組織目標と個人目標のベクトルを合わせ、目標を自分ごと化することが人材の育成に重要だと考えております。この考えに至った理由として、目標達成のために社員一人ひとりが自走しながら必要な決断ができる状態が生まれるからであります。
(基本的な考え)
a. GC WAYを土台として原理原則、礼儀礼節を大切にしながら社名の由来である「喜びをカタチにする」ことを目指し、スキルや経験だけでなく、人間やビジネスパーソンとしての成長を促しております。企業文化の根底となる、行動指針のGC WAYは全社員でつくった10項目のバリューから構成されており、グラッドキューブの一員らしさを象徴するもので、行動に迷ったときはGC WAYで判断を促しております。
(https://corp.glad-cube.com/company/value-way/)
b. 積極的な挑戦による失敗は叱らず、いつでも挽回のチャンスを与え、失敗や叱られることを恐れず挑戦と成長を促しております。
c. 妥協、限定、惰性、満足しない、プロを自覚しプロの仕事をすることを促しております。
d. 各々の成長を阻害する要因を排除するため、働き方や福利厚生を改善し続ける体制を意識しております。
当社は、リスク管理規程を定めリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。サステナビリティ課題を取り組む際のリスクと機会の抽出、全社的なリスクの洗い出し、潜在・顕在化するリスクの確認とその対策について検討及び評価を行っております。これらの内容につきましては、取締役会に定期的に報告しております。
(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
当社は、提出日現在において、人材育成方針や社内環境整備方針に関する具体的な指標及び目標は設定しておりません。しかしながら、当社が描くサステナビリティを推進するために、より働きやすい環境の実現や社内制度の改善に向けての取り組みを推進してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社の事業展開上、リスク要因となりうる主な事項を記載しており、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで、その発生の予防及び発生時の対応に努める方針でありますが、当社の経営及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があるものと考えております。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
① インターネット関連市場の動向について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:大
当社はサイト解析ツールSiTestの運営とインターネット上における広告代理店事業の運営を事業基盤としており、インターネット及び関連サービス等の更なる発展が、当社の今後の成長を図るうえで重要であると考えております。現在、国内のインターネット人口普及率は13歳~59歳の各年齢層で9割に達しており、スマートフォン保有の世帯割合は90%を超え(出所:総務省「通信利用動向調査」2023年5月発表)、今後についても同様の傾向が続くと思われます。
しかしながら、インターネット利用に関する新たな規制やその他予期せぬ要因により、インターネット利用環境が急激な変化に見舞われ、インターネット利用の発展が阻害された場合、当社の事業展開に支障が生じ、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネット広告市場について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:小
2023年国内の総広告費は7兆3,167億円(前年比103.0%)となりました。その中でインターネット広告費は継続して高い成長率を保ち3兆3,330億円(前年比107.8%)となりました。(出所:電通「2023年 日本の広告費」2024年2月発表)
しかしながら、インターネット広告市場やその中で行う広告販売代理事業は、一般的に景気変動の影響を受けやすい傾向があります。そのため景況が悪化した場合には、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 季節変動が業績に与える影響
発生可能性:高 発生する可能性のある時期:1年以内 影響度:大
当社のマーケティングソリューション事業部の売上は、広告主の広告予算をベースに構成されるため、広告主の予算の月ごとの配分の影響を受けます。特に年度末に予算が配分される広告主との取引は、多くの広告主が年度末として設定している12月及び3月に売上が集中する傾向があります。また、8月はインターネット広告市場全体でインターネット広告費用の使用額が他の四半期よりも少なくなる傾向があり(出所:経済産業省 特定サービス産業動態統計調査 毎月公表)、当社の顧客の広告費使用額も減少する傾向があります。したがって、安定的に月次業績が推移する業種に比し売上及び利益の変動が起こりやすいほか、繁忙時に業務を継続するための労働力を確保する必要があり、変動が大きく下振れが顕著な場合には当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:中
当社が事業を展開するSaaS事業部及びマーケティングソリューション事業部は、競合企業が複数存在しており、今後インターネット市場の拡大に伴い、規模の大小を問わず競合企業の新規参入が予測されます。SaaS事業部及びマーケティングソリューション事業部のサービスを組み合わせて提供することにより、競争優位性の確保に努めており、さらに独自の教育体制により企画から制作、運用、コンサルティングに至るまでをワンストップで提供できる体制の構築、競合優位性の確保に努めております。しかしながら、競争の激化等により新規顧客の減少や、既存顧客との取引が終了する場合に、収益性の低下を招き、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 特定仕入先の依存について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社のマーケティングソリューション事業部においては、グーグル合同会社及びヤフー株式会社からの仕入に大きく依存しております。第17期事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)の依存率はGoogle LLCが5.9%、Meta Platforms, Inc.が20.4%、LINEヤフー株式会社が16.5%であります。上記3社以外のメディアから新しい広告商材を仕入れて取り扱うこと等の取組みは継続しております。また、上記3社とは良好な関係を築いており、現時点において取引関係等に支障を来たす事象は生じておらず、当社としては今後も継続的な取引が維持されるものと見込んでおります。しかしながら、上記3社における経営方針、販売方針・販売施策の変更及び取引条件の変更が生ずる場合等には、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、今後も主要取引先との取引拡大に加え、他社からの仕入拡大にも努めることで、当該特定仕入先への依存率低下を図り、リスク低減に努める方針であります。
⑥ 与信管理と債権回収について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:小
当社は、取引開始の事前に与信調査を行うとともに、取引開始後も継続的に与信調査を行っておりますが、通常予測しえない何らかの事情により、顧客の信用力が急激に悪化し、債権回収の不調等による経済的損失が発生した場合、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制の変化について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社における事業の直接的な法的規制又は業界の自主規制はありませんが、インターネット関連分野においては、「特定商取引に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等が存在しております。インターネット取引やソーシャルメディアが普及する一方で、インターネットやソーシャルメディアを悪用した犯罪が頻発する等、社会情勢に影響を及ぼした場合、インターネットやソーシャルメディアの事業に係る法的規制又は自主規制の強化等がなされた場合に、当社の事業において何らかの制約を受け、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネット広告においては、「不当景品類及び不当表示防止法」、「著作権法」、「医療法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等が存在しております。当社では、上記の各種法的規制に抵触しないように、具体的な注意点を記した法令チェックリストを整備し、広告制作担当者やその上長、必要に応じて担当役員が慎重に確認を行っております。広告主がこれらの法律に違反しても直ちに当社の広告取引が違法となるわけではありませんが、当社が広告主の違法行為を助長させているとみなされた場合は、当社の社会的信用が失墜する等、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
公営競技において、運営者が掛け金に対する手数料率の変更や法的規制の変化があった場合に、公営競技の利用者の動向を通して、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 検索エンジンへの依存について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社が提供するSaaS事業部及びマーケティングソリューション事業部ならびにSPAIA事業部は特定の検索エンジン(「Google」、「Yahoo! JAPAN」等)の検索結果を受けて営業活動及び集客を行っております。そのため、当社ではSEO(検索エンジンの最適化)対策等の必要な施策を講じております。
しかしながら、検索エンジンにおける表示結果順位は、特定の検索エンジン事業運営者のシステムや判断によるものであり、運営者の方針やシステム変更等により、これまでのSEO対策が有効に機能しなくなった場合に、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ SaaS事業部のSiTestの解約リスクについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
SiTestの利用規約上、サービスの契約期間は基本的に1年間となっており、その後、顧客の意思に従って契約の更新又は解約がなされます。当社としては、できる限りSiTestの利用契約が継続されるよう、契約締結後、充実したカスタマーサポートの提供、営業活動を通じた顧客ニーズの継続的な把握及び当該ニーズを反映するための機能改善開発に取組んでおります。かかる取組みに加え、顧客属性は分散していることから、解約数が急激に増加するリスクは低いと考えておりますが、万が一解約数が急激に増加した場合は、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ データサプライヤーとの契約解除リスクについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社は、SPAIAに格納しているプロ野球等の試合データ等について、複数のデータサプライヤーと契約を締結し、有償提供を受けております。当社は、継続的により良質なデータサプライヤーの開拓に努めるとともに、既存データサプライヤーとの良好な関係の維持に努めておりますが、データサプライヤーの契約更新が拒絶された場合、あるいは契約が解除された場合には、ユーザーへの安定的なコンテンツ提供、サブスクリプションユーザーの解約数の増加及び収益性等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ SPAIA事業部の先行投資について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:小
当社が展開するSPAIA事業は、開発人員及びクリエイティブ人員の採用、開発の外注、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当事業部は発足以来営業損失を継続して計上しております。
これまでの投資内容のうち、内容的金額的に重要性の高かったものは、SPAIA及びSPAIA競馬の開発に係る人件費及び外注費であります。
今後も、より多くの顧客の獲得を目指し、開発や営業などにおける優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、魅力あるコンテンツの追加開発、知名度と信頼度の向上のための広報・プロモーション活動、顧客獲得のためのマーケティングコスト投下などを効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定どおりの採用・育成が進まない場合、開発が遅延する場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社の事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 新規事業・プロダクトの開発・提供が当社の計画どおりに進まないリスクについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:中
新規プロダクトの開発・ローンチが計画どおりに進まない場合、想定外の追加投資や、開発・ローンチに大幅な遅れ、中止・中断が生じる可能性があります。また、それに伴い当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 支配株主との関係について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社支配株主である金島弘樹は、当社の創業者であり代表取締役CEOであります。当社株主である金島由樹は、当社の取締役であり、金島弘樹の実弟であります。金島弘樹と金島由樹、金島弘樹の資産管理会社である株式会社ゴールドアイランドの所有株式数を含めると、本書提出日現在で発行済株式総数の67.93%を所有しております。今後、市場で当該株式の売却が行われた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先へ譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、議決権行使の状況及び当社の経営戦略等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 現預金の保有残高について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:小
当社では、プロモーション統括本部 マーケティングDX事業のネット広告関連において顧客のインターネット広告費用の立替が常時必要であることから、売上規模が同水準の他社と比較して多くの現預金を保有しております。既存顧客の広告費用の立替に備えるのみならず、新規案件の受注に備えるためでもありますが、今後、有利子負債にかかる支払利息により当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 特定人物への依存について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社の創業者は、代表取締役CEOである金島弘樹であります。金島弘樹は、専門的な知識、技術及び経験を数多く有しており、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定等の事業運営において重要な役割を果たしております。当社は、特定の役職員に依存しない組織的な経営体制の構築に努め、社外取締役を配置し取締役体制を強化しておりますが、金島弘樹に何らかの理由によって不測の事態が生じた場合、又は、金島弘樹が早期に退任するような事態が発生した場合には、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材採用育成について
発生可能性:高 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社は、事業の拡大や新規事業への進出を行っていく中で、人材の採用及び育成を重要な経営課題と捉えており、人材の採用及び育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、優秀な人材を十分に確保することが困難となった場合や、急激な人員増加により当社の各事業現場において運営に大きな支障が生じる場合には、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 業容の拡大に伴う内部管理体制の充実について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社は、事業の適切で効率的な運営のため、内部管理体制の一層の充実を図っておりますが、業容の急拡大により、必要な人員の確保ができない場合や、管理体制の整備に遅れが生じる場合には、内部管理体制の充実を図れず、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
① 自然災害等について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
地震や台風等の自然災害、戦争・紛争やテロ攻撃といった事象が発生した場合、当社の事業が大きな影響を受け、混乱状態に陥る可能性があります。当社は、こうした自然災害等が発生した場合には、適切かつ速やかに危機管理対策、復旧対応を行うよう努めておりますが、自然災害、コンピューターシステムの停止、データベースの漏洩・消失等により、当社の事業活動の停止のみならず、物的・人的な損害等が発生する可能性があり、その場合には当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 風評被害や不適切な業務遂行について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社及び当社が属するインターネット広告販売代理業界に対して何らかの否定的な風評が広まった場合や、当社が展開するSPAIA競馬に対する会員及び非会員からの意見・不満等クレームを受けた場合、当社の役職員による機密情報の漏洩、事務処理のミス、不当な労務管理、取引先とのトラブル、その他不正・不適切な行為等が発生した場合には、当社の信用や事業の信頼が低下する可能性があります。
当社は、倫理規程の周知やコンプライアンス研修の実施により役職員のコンプライアンス意識を醸成し、リスク管理規程及びコンプライアンス規程に基づきリスク発生の未然防止やリスク発生時の対応を行っておりますが、それにも関わらず役職員による不正・不適切な行為が発生したり、否定的な風評が広まったりした場合には、顧客離れが生じるなどし、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ システムトラブルについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社が顧客及び一般消費者に提供しているサービスは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われており、インターネットに接続するための通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。当社は、システムトラブルを最大限回避すべく、企業向けクラウドプラットフォームとして信頼されているグーグル合同会社が提供するクラウドプラットフォーム及びアマゾンジャパン合同会社が提供しているクラウドプラットフォーム上にアプリケーションを構築しております。しかしながら、自然災害や事故、プログラム不良、不正アクセス、その他何らかの要因により予期しえないトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こるような場合には、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 個人情報の漏えいについて
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社は事業遂行上、「個人情報保護法」の適用を受ける顧客の個人情報等を取得することがあります。当社では個人情報の取得・利用・管理・廃棄等に関して管理者を定めるなど、情報管理には万全を期しておりますが、外部からの不正アクセスや業務上の過失等により、万一情報漏えい等の事故が発生した場合には、当社の社会的信用が失われ、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社の事業では個人情報に該当する情報を取得しておりませんが、年に数回、SPAIA事業においてプレゼント企画の当選者へ当選物発送のため住所等の個人情報を取得する場合があります。
⑤ 情報セキュリティについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
コンピューターウイルスの混入、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、役職員の過誤等による社内インフラの停止、重要なデータの消去又は不正流出等の事態が発生した場合には、当社に直接的・間接的な損害が発生する可能性があるほか、当社が提供するサービスへの信頼の低下等、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社が事業活動を行うに当たり、第三者が保有する商標権、著作権、特許権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払い、定期的な著作権に関する社内研修の実施や知的財産権専門の弁護士に随時相談する体制の構築などの対策を行っておりますが、万が一、第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者より、損害賠償請求、使用差止請求、ロイヤリティの支払い要求等が発生する可能性があります。その対策として、コンテンツ事業者向けの保険加入により損害額の減少に努めているものの、実際に当該事象が発生した場合には、当社の事業展開、財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 訴訟について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:大
当社では、コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させること、法令遵守や社会倫理に関する研修を行うことで、法令違反などの発生リスクの低減に努めております。しかしながら、当社及び役職員の法令違反等の有無に関わらず、ユーザーや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。また、知的財産による訴訟についても前述のとおり訴訟発生リスクがあるものと考えております。提起された訴訟の内容及び結果によっては、当社の事業展開、財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用や企業ブランドイメージの悪化等により、当社の事業展開、財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性もあります。
⑧ 新型コロナウイルスをはじめとする未知の感染症拡大の当社事業におけるリスクについて
発生可能性:高 発生する可能性のある時期:1年以内 影響度:小
新型コロナウイルスをはじめとする未知の感染症拡大へのリスクについて、当社としてはリモートワークやウェブ会議、ウェビナーを推進するなど働き方改革を推進しつつ状況を注視しております。
しかしながら、感染症が長期化することによる経済活動の停滞で、市場経済の減退によるSaaS案件・ネット広告案件の減少といったリスクがあると考えております。これらのリスクが顕在化することで既存取引先の減少や新規取引先の獲得ができない場合は、当社の財政状態及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:小
当社は、役員及び従業員のモチベーション向上のためストック・オプションを付与しており、本提出日の前月末現在(2024年2月29日)、その数は338,800株、発行済株式総数の4.1%となっております。なお、これらストック・オプションが行使された場合、既存株主の株式価値を希薄化させる可能性があります。
⑩ 調達資金の使途について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:中
当社の公募増資による資金使途は、システム開発費、広告宣伝費等への充当を考えております。 しかしながら、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に伴い、当該資金が想定どおりの使途に充当されない可能性があります。また、計画どおりに資金を使用したとしても、期待どおりの効果をあげられない可能性があります。そのような場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクを踏まえ、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化については適時その動向を注視するとともに、変化に応じた投資計画・資金計画の見直しを行うことで、当該リスクに対応してまいります。
⑪ 配当政策について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:小
当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来は財務状況及び業績を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存であります。現時点においては、開発資金を優先していくことが企業価値向上、ひいては株主利益の最大化に繋がるものと考えております。
⑫ 当社株式の流動性について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社は、東京証券取引所グロース市場における当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、取引所の定める流通株式比率は本書提出日現在28.7%にとどまる見込みです。今後は、当社の事業計画に沿った成長資金としての公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 海外展開について
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:短期的 影響度:小
当社は、現時点では海外展開に対する具体的な計画はありません。ただし、高い成長を実現するため将来的には海外展開を進めていく方針であり、数年以内に海外展開候補先の調査等を進めていくことを検討しております。海外における商習慣や事業環境の差異等を含め、国内における事業展開以上に高いリスクが存在することは否めず、そのリスクに対応しきれない場合や国内と比較してマーケットの開拓や収益化が想定どおり進まない場合には、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ M&A(企業買収等)に係るリスクについて
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社は、顧客基盤の拡大につながるM&Aを積極的に考えており、既存事業とのシナジー効果による、事業の拡充や新たな事業領域への参入を行い、更なる収益の多角化を考えております。対象企業について事前に可能な限り詳細な審査を行い、十分にリスクを検討した上で、M&Aを進めてまいりますが、買収後に未確認の債務の判明や偶発債務の発生等事前の調査で把握できなかった問題が生じること、買収後の事業の展開等が計画通りに進まないこと等が生じた場合には、当社の業績、財務状況及び今後の事業展開に影響を与える可能性があります。
⑮ 法的規制に関するリスクについて
発生可能性:低 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社の事業において、税制や商取引、労働問題、知的財産権など様々な法的規制を受けております。万が一これらの法規制、ルールを遵守できなかった場合、当社の財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 固定資産の減損について
発生可能性:中 発生する可能性のある時期:長期的 影響度:中
当社が保有する固定資産について、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなる可能性があります。その結果、減損損失を認識するに至った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度における日本国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限の緩和等により経済活動が徐々に正常化に向かっている一方で、全世界的なインフレの長期化や為替相場の変動による消費者物価の上昇、頻発する異常気象など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社が属するデジタルトランスフォーメーション市場は引き続き成長するものと見込まれており、デジタルマーケティングを支援するサービスへの需要は一層高まっております。また、株式会社電通「2023年日本の広告費」によると、インターネット広告の市場規模は2023年に前年比7.8%増の3兆3,330億円となり、引き続き拡大傾向にあり、堅調な成長を続けております。
上記のような経済環境の中、サイト解析ツールの機能拡充、IT導入支援事業者として認定、動画制作体制の強化、競馬予想AIのサービス拡大、オンラインセミナーの実施、YouTubeチャンネルでの発信等、拡大を続けるインターネット広告市場と、インターネット利用者のニーズに応えるべくソリューションを提供してまいりました。また、2023年10月24日付でworkhouse株式会社の一部の事業譲受により、AI領域におけるコア人材を確保し新たな技術力を獲得できたことから、新たなプロダクト開発、AI領域における研究開発やウェブサービスなどの受託開発も行ってまいりました。
この結果、当社の当事業年度の経営成績は、売上高1,523,120千円(前期比2.9%増)、営業利益142,907千円(前期比69.0%減)、経常利益143,037千円(前期比68.6%減)、当期純利益59,491千円(前期比80.0%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(SaaS事業)
SaaS事業においては、「SiTest(サイテスト)」のツール販売だけでなく、SiTestを活用した付随する解析サービスの提供によって、堅調に売上を増加させることができました。それが実現できた理由といたしましては、現状まで培われたデジタルマーケティングにおける実績やノウハウ、今期よりアウトバウンド部隊の立ち上げによる営業体制の強化が寄与しております。セールス、カスタマーサクセス、コンサルタントの人材教育によって、一人当たりの受注獲得件数や運用担当件数が増加したことにより、安定的な収益基盤を築くことができました。また、関連するサービスとして、ウェブサイトやランディングページの制作、コンサルティングの売上が伸長してきていることも要因の1つです。
この結果、当事業年度における売上高は619,057千円(前期比6.8%増)、セグメント利益は334,785千円(前期比4.9%減)となりました。
(マーケティングソリューション事業)
マーケティングソリューション事業においては、取り組みとして従来のインバウンド営業に加え、今期よりアウトバウンド部隊の立ち上げによる営業体制の強化により、既存顧客からの継続的な発注依頼、協業パートナー企業からの案件受注を推し進めております。業務提携先企業への人材派遣ではマーケティング支援を行いながら広告案件依頼に繋げる取り組みができており、広告予算案件の受注に繋がっております。動画をはじめとしたクオリティの高いクリエイティブ制作の受注も逓増しており、市場の動向から特に動画広告の需要がより高まることも想定されるため今後の案件増加にも期待できます。なお、前年同期比で売上が減少している要因としましては、前年の大型のスポット案件獲得によるものでありますが、継続的な大型案件の獲得も進み、更なる新規の獲得を進めてまいります。
この結果、当事業年度における売上高は696,945千円(前期比6.8%減)、セグメント利益は299,461千円(前期比32.9%減)となりました。
(SPAIA事業)
SPAIA事業においては、SPAIA競馬では、顧客満足度向上を目的としたシステム開発・サービス改善施策を実施したことやシェア獲得の強化へ重点をシフトし無料会員の獲得の強化をしたことにより、有料会員数は漸減したものの、無料会員数は前事業年度末日に比べ117.3%増加し、99,178人となりました。プロ野球やJリーグの勝敗予想コンテンツを兼ね備えたスポーツメディアプラットフォームのSPAIAでは、他のプロスポーツ及び海外のスポーツデータも取入れたことにより、会員数は前事業年度末日に比べ126.0%増加し、25,755人となりました。
新たな展開として、スポーツエンターテインメント分野において、あらゆるスポーツ・競技の魅力を最大限にファンにお届けするプロジェクトを進めることとし、その一環としてスポーツデータセンター「DRAGON DATA CENTER(ドラゴン データセンター)」の開設に向けてプロジェクトを開始いたしました。
また、2023年10月24日付でworkhouse株式会社の一部の事業譲受により、AI領域におけるコア人材を確保し新たな技術力を獲得できたことから、新たなプロダクト開発、AI領域における研究開発及びウェブサービスなどの受託開発も行いました。
この結果、当事業年度における売上高は207,118千円(前期比35.5%増)、セグメント損失は211,793千円(前期は115,331千円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産の残高は3,224,518千円となり、前事業年度末に比べ316,448千円増加いたしました。これは主にworkhouse株式会社の一部の事業譲受等による現金及び預金の減少419,286千円、売掛金及び契約資産の増加187,834千円、事業譲受に伴うのれんの増加263,796千円、投資事業組合への出資による投資有価証券の増加87,204千円、繰延税金資産の増加123,844千円、投資その他の資産のその他の増加57,557千円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は1,846,434千円となり、前事業年度末に比べ255,338千円増加いたしました。これは主に新規借入による長期借入金の増加286,331千円、買掛金の増加98,933千円、未払法人税等の減少106,258千円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,378,084千円となり、前事業年度末に比べ61,110千円増加いたしました。これは主に利益の計上による利益剰余金の増加59,491千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は1,738,947千円となり、前事業年度末に比べ419,286千円減少しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、148,820千円の支出となりました。これは主に税引前当期純利益94,463千円の計上、仕入債務の増加98,933千円があったものの、売上債権及び契約資産の増加187,834千円、法人税等の支払額162,858千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、604,417千円の支出となりました。これは主に事業譲受による支出400,000千円、投資有価証券の取得による支出90,000千円、敷金の差入による支出58,937千円、無形固定資産の取得による支出50,210千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、333,951千円の収入となりました。これは主に長期借入による収入550,000千円、長期借入金の返済による支出177,443千円、社債の償還による支出40,000千円があったことによるものです。
当社は生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引はありません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定を必要としております。これらの見積り及び仮定については、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に際して採用する会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
a.キャッシュ・フローの状況分析
キャッシュ・フローの状況分析の詳細につきましては、「第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金は、主に金融機関からの借入であります。当事業年度末における現金及び現金同等物は1,738,947千円であり、十分な流動性を確保しております。当社は、インターネット広告運用代行における広告費が大部分を占めており、今後も安定した運用環境の維持及び大型案件、M&A等へ備えるための十分な資金を確保する方針であります。必要な資金につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入によるデットファイナンス等により、資金調達を行う方針であります。
経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2「事業の状況」 1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(2)目標とする経営指標」に記載のとおり、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上成長率及び経常利益を重視する経営指標と捉えております。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2「事業の状況」1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、3「事業等のリスク」及び4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定」に記載しているとおりであります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2「事業の状況」1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」」をご参照下さい。
(注)2024年1月1日付で2024年1月1日から2024年12月31日までを契約期間として契約を更新しております。
(事業の一部譲受)
当社は2023年10月23日開催の取締役会において、workhouse株式会社との事業の一部譲受に関する契約を締結することについて決議し、同日付で本契約の締結を行い、同年10月24日付で当該事業の事業譲受を完了致しました。
詳細につきましては、「第5 「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。