第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

令和元年12月

令和2年12月

令和3年12月

令和4年12月

令和5年12月

売上高

(千円)

862,267

913,934

722,473

827,242

813,670

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

57,700

30,066

12,692

182,044

3,021

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

84,827

10,320

1,116

185,051

163,678

包括利益

(千円)

87,227

8,663

14,314

176,055

159,910

純資産額

(千円)

1,095,735

1,111,099

1,133,673

1,221,023

1,064,132

総資産額

(千円)

1,222,099

1,261,234

1,250,095

1,394,308

1,189,656

1株当たり純資産額

(円)

571.52

575.92

585.68

542.29

471.56

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

44.31

5.36

0.57

89.40

72.58

潜在株式調整後

1株当たり当期純利益

(円)

5.36

自己資本比率

(%)

89.6

88.1

90.7

87.6

89.4

自己資本利益率

(%)

7.5

0.9

0.1

15.7

14.3

株価収益率

(倍)

188.3

1,176.8

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

307,526

189,656

248,476

123,662

108,893

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

22,086

12,208

1,322

5,797

5,324

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

120,249

1,250

2,976

193,969

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

631,413

806,624

570,877

889,359

781,347

従業員数

(人)

55

57

53

51

49

 

(注) 1.第13期、第16期および第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、1株当たり当期純損失であったため、第15期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、希薄化効果を有している潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を第16期の期首から適用しており、第16期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

令和元年12月

令和2年12月

令和3年12月

令和4年12月

令和5年12月

売上高

(千円)

683,135

746,432

569,090

634,255

610,705

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

39,011

51,087

24,113

216,869

97,798

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

41,490

44,956

25,779

206,477

244,004

資本金

(千円)

509,769

510,394

511,882

10,000

10,000

発行済株式総数

(千株)

2,038

2,040

2,042

2,348

2,348

純資産額

(千円)

1,101,679

1,154,104

1,189,207

1,240,595

997,326

総資産額

(千円)

1,189,287

1,276,618

1,285,296

1,370,799

1,111,689

1株当たり純資産額

(円)

574.62

598.22

614.37

550.98

441.96

1株当たり配当額

(うち1株当たり中間配当額)

(円)

( -)

( -)

( -)

( -)

( -)

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

21.68

23.36

13.33

99.75

108.21

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

23.35

自己資本比率

(%)

92.6

90.4

92.5

90.5

89.7

自己資本利益率

(%)

3.7

4.0

2.2

17.0

21.8

株価収益率

(倍)

43.2

50.9

配当性向

(%)

従業員数

(人)

19

21

21

21

21

株主総利回り

(比較指標:東証グロース市場250指数)

(%)
(%)

147.2

148.4

99.9

87.1

81.5

(110.5)

(147.3)

(121.6)

(89.9)

(87.0)

最高株価

(円)

1,650

1,648

2,235

932

660

最低株価

(円)

650

380

656

580

537

 

(注) 1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第13期、第16期および第17期につきましては、1株当たり当期純損失であったため、第15期につきましては、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、令和4年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであり、令和4年4月3日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 令和2年3月31日)等を第16期の期首から適用しており、第16期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

4.第16期の資本金の減少は、令和4年12月6日に実施した無償減資により、資本金をその他資本剰余金へ振り替えたことによるものであります。

 

 

2 【沿革】

年月

事項

平成19年3月

ソフトウェア開発、販売を目的としてビデェイス株式会社を東京都港区南麻布に設立(資本金500千円)

平成19年5月

台湾に開発拠点となる子会社 VideAce Technology Co.を設立

平成19年11月

本社を東京都港区新橋へ移転

平成20年3月

上海に完全子会社の開発拠点VideAce Technology Inc. (現社名 sMedio Technology
(Shanghai) Inc. )を設立

平成21年1月

台湾のRolltech Technology Co. Ltdの株式の約95%を取得し子会社化

平成21年7月

子会社の台湾VideAce Technology co.の全株式を売却

平成21年9月

ロールテック株式会社に商号変更

平成22年4月

本社を東京都中央区日本橋本町へ移転

平成22年7月

台湾子会社のRolltech Technology Co. Ltdの全株式を売却

平成22年8月

株式会社sMedioに商号変更

平成23年7月

sMedio Technology (Shanghai) Inc.が中国成都に支店開設

平成23年10月

米国カリフォルニア州に完全子会社sMedio America Inc.を設立

平成24年2月

米国においてSyncable事業を取得

平成25年3月

台湾台北市に支店を開設、スマートデバイス事業の一部保守メンテナンスサービスを開始

平成26年2月

sMedio Technology (Shanghai) Inc. 成都支店を閉鎖

平成27年3月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

平成27年6月

株式会社情報スペースを子会社化

平成27年6月

本社を東京都港区三田へ移転

平成27年8月

株式会社ブイログを設立

平成28年7月

タオソフトウエア株式会社及びその子会社リスクファインダー株式会社を子会社化

平成29年4月

本社を東京都中央区新川へ移転

平成29年5月

株式会社ミックステクノロジーズを子会社化

平成29年7月

株式会社ブイログを吸収合併

平成30年1月

株式会社ミックステクノロジーズを吸収合併

平成30年2月

台湾支店閉鎖

令和3年11月

株式会社情報スペース清算

令和4年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場へ移行

令和4年7月

Kiwi Technology, Inc.社と資本業務提携及びキーウィテクノロジー株式会社を割当先とする第三者割当増資を実施

令和4年12月

資本金を10百万円に無償減資

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社および連結子会社(sMedio Technology (Shanghai) Inc.、sMedio America Inc.、タオソフトウエア㈱)の計4社より構成されております。

(1) 当社グループの事業内容について

当社グループのソフトウェア関連事業の概要は、下表のとおりであります。

関連事業

パソコン・デジタル家電組込ソフトウェア

建設DXサービス

セキュリティ&プライバシーソフトウェア

IoTソリューション

事業内容

映像(4K/8K)・音響再生・ブラウザ表示ソフトウェアを顧客製品に組込む。

映像の解析・分析をAIで行うサービスを顧客に提供する。

受託開発およびデータ移行・バックアップアプリを制作し、顧客に提供する。

センサーとゲートウェイ機器を組み合わせて、クラウドでデータ管理等のサービスを提供する。

顧客業界

デジタル家電メーカー、パソコンメーカー

建設業界

通信業界

流通・小売業界、建設業界

主力製品・サービス

VAlution BD

Tourbillon

切羽AI評価サービス

掘削サイクルAI解析サービス

覆工コンクリートAI評価サービス

濁水処理AI解析サービス

sMedio Cloud Backup

RiskFinder

JS記録保管

JS直接転送

温度管理ソリューション

CO2濃度モニタリングソリューション

主力アプリ

sMedio Smart Camera

sMedio Data Transfer

sMedio TV Suite

 

 

(2) 関係会社の事業内容及び位置付けについて

① sMedio Technology (Shanghai)Inc.

映像(4K/8K)・音響再生ソフトウェアを開発している拠点であります。また、開発技術の多様化を進めており、クラウドバックアップの開発も行っております。

② sMedio America Inc.

主に、米国における販売およびマーケティング活動を行っております。

③ タオソフトウエア㈱

セキュリティ・プライバシーソフトウェアの開発および販売を行っております。

[事業系統図](令和5年12月31日現在)

 

(3) 売上構成について

当社グループは、マルチメディア、ネットワークおよび関連するセキュリティ技術を中核とした製品開発と販売を中心とした事業活動を行い、建設DXサービス、セキュリティ&プライバシーソフトウェア事業に加え、当期よりIoTソリューション事業を展開しております。

売上の主力形態はロイヤリティ収入ですが、これらの基本製品を中心とした顧客要望を取り入れた受託開発および保守サービス・サポート収入も得ております。

① ライセンス・ロイヤリティ

当社ソフトウェアの組み込みや搭載を終えたメーカー等は、当社ソフトウェアを搭載した情報家電や携帯端末を販売いたしますが、その出荷数に応じて当社は、ロイヤリティ収入を受け取っております。通常ライセンス・ロイヤリティは四半期毎にメーカーより出荷報告書を受け取り、出荷報告書に記載されているライセンス使用期間に基づいて収益を認識しております。

② 受託開発

メーカー等からの発注により、情報家電、携帯端末向けに顧客仕様に合わせたソフトウェア製品開発を、当社固有技術をベースに請け負う、受託開発です。受注から顧客仕様のプログラム仕様設計、動作確認、評価を実施し、顧客の検収まで通常3ヶ月から9ヶ月かかります。

③ 保守サービス・サポート

顧客の要請により、製品納品後、定期的なメンテナンスを要する場合の保守サービスです。通常、当該サービスは、一定期間の役務提供の対価として収受する方式であります。また、顧客のために関連するクラウドサーバーを管理する運用サポートもこのカテゴリーに入ります。

 

(4) 具体的な製商品又はサービスの特徴 

(パソコン・デジタル家電向け組込ソフトウェア)

① ブルーレイ再生ソフトウェア (VAlution BD, True BD他)

ブルーレイ再生ソフトウェアは、デジタル家電、パソコン等で広く採用されております。

デジタル家電向けでは組込ソフトウェアとして「VAlution BD」として大手電機メーカーのブルーレイ機器に採用されております。また、パソコン向けでは当社の「True BD」エンジンをベースに大手PCメーカーのMedia playerとして搭載されています。

② tourbillonシリーズ

ブラウザに情報を表示するためのモジュールを提供し、組込み機器で軽量、高品質なユーザーインターフェースを実現しています。

③ sMedio Smart Camera

sMedio Smart Cameraは、撮影した映像をWindows®搭載パソコンにワイヤレス転送し、パソコン内蔵のWebカメラと同じように、一般的なビデオ会議アプリで使用することを可能にするアプリケーションになります。

④ sMedio DataTransfer

sMedio Data Transferは、簡単に「写真や動画、ドキュメント」をスマートフォンとパソコン間で転送することを可能にするアプリケーションになります。

⑤ TV Suite

ブルーレイレコーダー等に録画されたTV番組を再生視聴できるTVプレイヤーアプリケーションであります。ホームネットワーク内でも、外出先からも録画済み番組のストリーミング再生/ムーブ、受信中のTVのライブ再生も行えます。国内の主要メーカーのBDレコーダーに幅広く対応しております。

当社は近接接続から遠隔接続まであらゆる距離感のあるデバイス同士を接続するソリューション製品を開発、販売しており今後とも新製品および新サービスを提供していく予定です。

 

 

(建設DXサービス)

① 切羽AI評価サービス

トンネル掘削現場での切羽(掘削面)観察評価をAIが支援するサービスを提供しています。

② 掘削サイクルAI解析サービス

トンネル掘削現場における掘削サイクル(穿孔・装薬、発破、ずり搬出、吹付け、ロックボルト)のAIによる認識と工程の解析を支援するサービスを提供しています。

③ 覆工コンクリートAI評価サービス

トンネル覆工コンクリートの表層品質評価をAIが支援するサービスを提供しています。

④ 濁水処理AI解析サービス

トンネル掘削現場における濁水状態をAIによって監視し、薬剤量の調整を自動化するサービスを提供しています。

 

(セキュリティ&プライバシーソフトウェア)

① sMedio Cloud Backup

スマートフォンの個人データを、高速、安全、かつ簡単にバックアップを実現するアプリを、スマートフォン販売事業者やサービス事業者を通じて販売しています。

② RiskFinder

RiskFinderは、アップロードするだけで、AndroidTMアプリの脆弱性診断、リスク評価の結果レポート作成までを可能とするアプリになります。

同製品は、Androidソフトウェアの脆弱性を診断することで、顧客のセキュリティ対策に貢献し、大手携帯電話会社や大手ゲーム会社での導入実績を有しています。

③ JS記録保管

JS記録保管は、スマートフォンのデータバックアップ専用に設計したアプリを利用したサービスになります。

④ JS直接転送

JS直接転送は、スマートフォン買い替え時などのデータ転送専用に設計したアプリを利用したサービスになります。スマートフォン同士の直接無線接続を実現しているため、Wi-Fi接続環境がなくとも、また、データ通信容量の消費無しで、いつでもどこでもデータ転送が可能になります。

⑤ JSバックアップ

JSバックアップ は、簡単な操作で、スマートフォン間のデータ移行を可能にするアプリになります。同製品は、住所録やスケジュールなどスマートフォンの機種・OS依存度の高いデータについても、高い互換性を保持しています。

(IoTソリューション)

① 温度管理ソリューション

冷蔵庫や冷凍庫の温度の記録を自動収集して、異常検知のアラート通知やレポートなど様々な機能も標準実装したシステムと各種温度センサーとゲートウェイのシンプルなハードウェア構成で実現するワンストップソリューションになります。

② CO2濃度モニタリングソリューション

CO2濃度を計測し、パネル、専用表示器、インジケーターおよびWebダッシュボードを使って状態を一目で確認することができるソリューションを提供しています。

 

 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の
所有割合
(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

sMedio Technology

 (Shanghai) Inc.

(注)1

上海市黄浦区

(中国)

3,517千元

ソフトウェアの研究および開発

100.0

ソフトウェアの研究開発、開発委託取引
役員の兼任 有

sMedio America
Inc.
(注)1,3

Sunnyvale, CA USA

200千USD

ソフトウェアの販売

100.0

北米市場における販売活動
販売するソフトウェアはすべて当社より供与しております。
役員の兼任 有

タオソフトウエア㈱

(注)1,3

東京都中央区

10百万円

ソフトウェアの開発・販売

100.0

ソフトウェアの開発委託取引
役員の兼任 有

 

  (注)1.sMedio Technology(Shanghai)Inc.、sMedio America Inc.、タオソフトウエア㈱は特定子会社です。

2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3.sMedio America Inc.及びタオソフトウエア㈱については、売上高(連結相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

 

 

sMedio America Inc.

タオソフトウエア㈱

売上高(千円)

194,311

199,249

経常利益(千円)

39,877

61,068

当期純利益(千円)

39,471

41,765

純資産額(千円)

47,976

206,406

総資産額(千円)

48,741

242,002

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

令和5年12月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

ソフトウェア事業

44

全社(共通)

5

合計

49

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。

2.全社(共通)として、記載されている従業員数は、コーポレートコントロール本部に所属している者であります。

3.当社グループは、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

4.当社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であり、女性活躍推進法等の規定による公表をしておりません。そのため、女性管理職比率、男性育児休業取得率及び男女賃金差異等の記載を省略いたします。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

令和5年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

21

47.2

6.0

7,522

 

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。