文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、以下に掲げる「MISSION」及びこの「MISSION」を実現するために、当社グループが目指す姿である「VISION」を掲げ、行動指針である「VALUE」を通じて企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としております。
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<MISSION> 経営者の支援と輩出を通じて、日本国経済に貢献する。 |
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<VISION> 挑戦者たちとパートナーとなり、相互の成長と広がりを実現する場。 |
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<VALUE> 経営に科学を、組織に熱量を、企業に変革を。 |
(2)経営環境
コンサルティング市場
IDC Japan株式会社が2023年8月に発行したレポート「国内ビジネスコンサルティング市場予測、2023年~2027年」によれば、2022年のわが国におけるビジネスコンサルティング市場の規模は前年比11.2%増の6,430億円となっております。その内、当社の提供する経営支援コンサルティング及び再生支援コンサルティングに係るCFO領域のサービスは、「財務/経理コンサルティング」、「業務改善コンサルティング」、「組織/変革コンサルティング」の市場に区別され前年比11.6%増の4,303億円となっております。こうした市場規模の拡大傾向が将来にわたって継続するものと予測されていることから今後もニーズは高まっていくものと考えております。なお、コンサルティング市場の内、当社グループが主たるターゲットとしている具体的な市場は以下の通りです。
PE投資市場
当社の経営支援コンサルティングの提供先は、プライベート・エクイティ・ファンド(以下PEファンド)が重要な割合を占めております。プライベート・エクイティ協会のデータでは、ここ数年PE市場におけるPEファンドによる投資件数は、2018年の65件から2022年の146件と増加傾向にあります。PEファンドによる投資エグジットに企業価値向上は必須であり、当社の提供するサービスは実際に現場で企業価値向上に直結するサービスを提供できる、実務実行型コンサルティングサービス(所謂、「ハンズオン」)であることから志向される傾向にあり、今後もニーズは高まっていくものと考えております。
事業再生市場
当社の再生支援コンサルティングのニーズは企業の倒産件数と連動しております。東京商工リサーチの「倒産件数・負債額推移」では、新型コロナウイルス感染症拡大により、急激な経済活動の変化があったものの、日本銀行や日本政策金融公庫を始めとする様々な機関の返済猶予延長により、2021年まで企業の倒産件数は、減少傾向にありましたが、2022年以降は増加傾向にあり、各種返済猶予の期間満了に伴い、今後もしばらくは増加傾向が続くものと考えられます。また、景気循環による景気の後退期においては企業再生支援件数の増加が見込まれることから、当該ニーズは一定程度存在し続けると考えられます。
海外進出支援市場
我が国経済においては今後少子高齢化が進むことが予想されており、日本企業の海外進出は今後さらに増加が見込まれ、海外進出支援へのニーズが高まっていくと考えられます。日本貿易振興機構の「日本の国・地域別対外直接投資(国際収支ベース、ネット、フロー)」によれば、日本企業によるアジア圏への対外直接投資残高は増加傾向にあります。2022年末時点では、アジア圏への直接投資残高は564,630百万ドルとなっており、今後も一定のニーズが存在していくものと考えられます。
特に当社グループが今後拡大していく方針であるグローバル企業の現地法人等における実務実行支援サービスといった現場改善のニーズは、ガバナンス体制が整備されていない海外諸国においてはより一層高いものであると認識しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「国内におけるプロジェクトマネージャーの育成強化」、「海外におけるコンサルティング売上の拡大」、「周辺事業への投資」により事業を拡大してまいります。
(国内におけるプロジェクトマネージャーの育成強化)
国内にて提供しているコンサルティングサービスにつきましてはプロジェクトマネージャーが不足していることによりプロジェクトチームが組成できず、顧客需要に対応しきれていない状況にあります。そのため、プロジェクトマネージャー数を増やすための育成に注力し、プロジェクト数を増加させることで事業を拡大してまいります。
(海外におけるコンサルティング売上の拡大)
海外にて提供しているサービスにつきましては、現状アウトソーシングサービスが大部分を占めております。今後はより付加価値の高いコンサルティングサービスを拡大することで、顧客単価の向上を図ってまいります。また、コンサルティングサービスの提供にあたっては、自社にて拠点を持つことに囚われず、業務提携等も活用し、アジア地域を中心としたサービス提供エリアの拡大を図ってまいります。
(周辺事業への投資)
周辺事業への投資につきましては、コンサルティング事業とシナジーのある周辺事業への投資を行うことでサービスカバレッジを拡大するとともに、コンサルティングによって業績・財務体質改善が見込まれる先に対して投資を行うことで、レバレッジの効いた収益構造への転換を図ってまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長の観点からコンサルタント数、コンサルタント一人当たり売上高及び営業利益率を重要な指標として位置付け、毎月取締役会や社内の各種会議体にてモニタリングを行っております。加えて当社グループは成長性と収益性を追及した企業価値の極大化の観点から、資本効率を計る尺度としてのROE20%を中長期の目標としており、毎年モニタリングを行っております。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①優秀な人材の採用と育成
当社グループは、人材こそが持続的な成長のために最も重要な経営資源であると認識しております。特に今後の事業展開においては、多様な領域の専門家や、複数の領域に渡ってサービス提供を行える優秀なコンサルタントの採用・育成が不可欠であると認識しております。
したがって、優秀な人材の確保に向けて、人事評価制度や賃金制度の見直し、多様な働き方を支える業務環境や福利厚生の改善、実践型研修の充実、成長支援のための1on1面談の実効性強化といった制度面での対応を積極的に進めていくとともに、採用手法の拡充や選考プロセスの見直しを継続して取り組んでまいります。
また、当社グループが輩出することを目指しているCFO人材には、特定の分野に限定されない、管理部門領域全般に関する幅広く深い知識と経験を有することが求められます。そこで、事業部の枠やサービス領域にとらわれない案件アサインメントを推進することで、コンサルタントにより多くの成長機会を提供し、高い付加価値を生み出すことのできるCFO人材の育成を図るとともに社内外問わず、CFO人材が流動的に行き来する仕組み(リボルビングドア)を構築したいと考えております。
そして、これらの取り組みを、ブランディング活動を通じて労働市場に対して訴求していくことにより、さらに多くの優秀な人材を惹きつける正のスパイラルを作り出すことを目指してまいります。
②財務上の課題
当社グループは十分な手元流動性を有しているとともに、金融機関からの借入等による資金調達も可能であることから、現時点で財務上の課題は認識しておりません。今後の事業展開等に備え、自己資本比率等の安全性に関する指標をモニタリングすることで財務の健全性を確保してまいります。
当社グループは、「経営者の支援と輩出を通じて日本国経済に貢献する」をMISSIONとして、変革フェーズにある企業に対してCFO機能をワンストップで提供しております。当社グループが持続的な事業成長および多様な価値創出を実現するには、人的資本の価値向上が重要な経営課題であると認識しております。今後も継続的にリスク管理及びモニタリングを行い、戦略の転換も含めて検討することで、人的資本の価値最大化を図り、継続的な企業価値向上を目指してまいります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
①ガバナンス
当社は、重要な経営課題について、当社の経営会議で検討し、取締役会に報告を行うこととしております。人的資本に関連する取り組みにつきましては、人材開発支援部が管掌しており、具体的な施策やその効果等については毎月取締役会に報告を行っております。当社グループのガバナンスに関する詳細は、「
②リスク管理
当社は、モニタリング体制として、代表取締役社長直轄の内部監査人及びリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク・コンプライアンス委員会では、コンプライアンス体制の維持・向上に関する事項、国内・海外における当社グループのビジネスに関連する法令改正事項、経営に影響を及ぼす可能性があるリスク等について3か月に一度審議しております。人的資本に関連するリスク管理については、ガバナンスと同様に人材開発支援部が管掌しており、リスクの特定・測定・評価は業務を所管している部門において行い、所管部門から人材開発支援部へエスカレーションの上、対処方針の立案と実行を行い、必要に応じて経営会議及び取締役会へ報告を行うこととしております。当社グループのリスクに関する詳細は、「
(2)当社グループの人的資本経営への取り組み
①戦略
当社が主として営んでいるコンサルティング事業においては、優秀なコンサルタントの採用・育成・定着が事業成長のキードライバーになります。人的資本経営にかかる取り組みは以下の通りです。
(a)採用
(多様性の推進)
多様な人材が持つ力を最大限発揮することで、当社が顧客に提供できる価値を最大化できると考えております。そのため、新卒採用・中途採用ともに性別・国籍・バックグラウンドにとらわれず、多様な人材の採用を積極的に行っております。
(全社的な採用活動)
当社は、思考が柔軟である優秀な人材を採用し、中長期的な育成ができるという観点で新卒採用に注力しております。そのため、新卒で入社し、企業変革の最前線で経験を積んだメンバーを人事へと異動させ、採用プロジェクトのマネジメントを託しております。求職者向けに実体験に基づく当社の魅力訴求を行うこと、当社への入社意欲を高めることで、加熱する新卒採用市場での競争力を維持しております。
また、新卒入社1年目からコラボレートパートナーまで幅広いレイヤーの社員が面接官を務める等、新卒採用に関与することで、求職者の会社理解を促進し、当社への入社意向度を向上させております。引き続き、競争が激化する採用市場から優秀な人員を採用すべく、全社一体で採用に取り組む風土づくりを進めてまいります。
(b)人材育成
(成長段階の明文化)
職種ごとに人事制度を分け、各メンバーの成長が最大化する仕組みを整備しております。主としてクライアントへコンサルティングサービスを提供する社員については、企業変革に必要なスキルをエンパワーメントスキル(以下、ES)とトランスフォーメーションスキル(以下、TS)に分けて、それぞれ段階別にスキルを定義しております。ESは、「仲間のパートナーとなり成長と広がりを実現するスキル」と定義し、組織に熱量を生み出すための力となります。一方、TSは、「顧客のパートナーとなり成長と広がりを実現するスキル」と定義しており、挑戦者のパートナーとして経営を科学する力であります。これらの明文化により、各メンバーがキャリアアップを考える際、現段階でどういったことが求められているか、次のレベルではどういったことを求められるかを共通認識として持つことで、感覚的になりやすい人材育成を体系化し、プロジェクトごとの育成のばらつきを軽減しております。
(成長環境の整備)
ESとTSを伸ばすための環境としてProject Based Learning(以下、PBL)とSubject Based Learning(以下、SBL)が循環する仕組みづくりを進めております。PBLは、変革期の企業の現場に入り込み、現場から企業全体を動かしていくことと向き合い続けることで企業変革に必要なスキルが身につくと考えております。しかし、現場を動かすには土台となる体系的な知識が必要となります。それらの知識を体系的に習得するSBLのために、書籍助成制度や資格取得支援制度といった福利厚生を用意することや、社員の成長を支援する役割として、全社員個別にガイドと呼ばれるメンターを設けております。ガイドによる1on1を定期的に行うことを人材開発支援部主導で推進しております。
(c)定着
(多様な働き方の推進)
ライフステージが多様化した昨今、画一的な働き方では社員がやりがいを感じながら、働くことが難しくなっております。そのため、当社ではライフステージの変化に対応しやすい制度および風土づくりを推進しております。現在導入しているコアタイムのないスーパーフレックス制度、在宅勤務、短時間勤務制度、働く時間の融通が利きやすいポジション・部署への異動などに加えて、今後も新たな制度導入を続けてまいります。
(子育てしやすい環境整備)
少子高齢化が進む現代において、社員が子どもを育てやすい業務環境であることが当社の社会的責任と考えております。そのため、2022年からWith Baby Programとして体系的な子育て支援制度を導入いたしました。現在は、母親・父親とも育児休業取得の推進、不妊治療費の助成、出産支援金の支給、託児施設利用費補助などを実施しております。今後もより一層の子育てしやすい環境となるよう制度・仕組みのアップデートを続けてまいります。
②指標及び目標
当社が考える人的資本経営とは、MISSIONに沿って、当社グループに属する人材が発揮する価値を最大化し、グループ全体で顧客へ提供する価値を最大化するための投資を行う考え方です。それに基づき、定量的な指標で現状のモニタリングを行っております。指標の詳細については、以下の通りであり、引き続き、各指標の向上を進めてまいります。なお、当該指標については、当社単体の数値であり連結子会社の数値は含んでおりません。
(ア)育児休業等(※)取得率
2023年度の育休取得率は100%となりました。社員が当社で長期的にキャリア形成できるよう、仕事とプライベートの両立を推進するため、With Baby Programとして制度を設け、法的水準を超える子育てできる環境整備を推進しております。育休取得率は、2023年度に出産(男性社員については配偶者が出産)した人員を分母とし、実際に育児休業を取得した人員を分子としております。
(※)育児目的休暇の取得を含む
(イ)女性社員比率
2023年度の女性社員比率は、19%(2023年12月末日時点)となりました。採用・育成・配置において、性別による影響なく、全社員が目指すキャリアを実現できるよう制度を拡充していきます。2024年度は、子育てなど各メンバーの状況に応じて、仕事しやすい環境を整備することで女性社員の採用力強化および定着を進めてまいります。
(ウ)外国籍社員比率
当社は、多様性の実現を人的資本経営の重要項目としており、それを定量化する指標として、外国籍社員比率を設定しております。2023年度の外国籍社員比率は、3.7%(2023年12月末日時点)となりました。新卒採用においても、外国籍社員が在籍し、活躍している様子を見て、入社を決める外国籍メンバーも出ております。多様な社員から新たな着想や意見を多面的に取り込むことで、価値創造に繋げてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由」に記載のとおり、当社は、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、当社グループの事業上の様々な経営リスクについてリスクの抽出、評価、対策等の協議・検討を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:中 影響度:小)
当社グループの経営支援コンサルティングは景気の悪化に伴う企業投資やIPOの減少等により、業績に影響を受ける可能性があります。
一方で、当社の再生支援コンサルティングは景気の悪化によりニーズが高まるものの、好況時にはニーズが減少する傾向にあり、業績に影響を受ける可能性があります。
当社グループの経営資源は、コンサルタント人材と考えており、景気の変動に伴ってサービスの需要が変化することに対応すべく、コンサルタントを部門横断的なアサイン体制で管理することにより経営資源の適切な配分に取り組んでおります。
(2)人的リソースに関するリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:中 影響度:大)
当社グループが提供するコンサルティングサービスは、個々のコンサルタントが保有する知識と専門性が、顧客に対して提供する付加価値の源泉であります。そのため、当社グループは知識と専門性を備えた人材を採用及び育成し、また相応の職位や給与体系を整備することで、人的リソースの基盤構築に取組んでおります。
しかしながら、人材の採用及び育成が計画どおりに進捗しなかった場合や、転職等の理由により優秀な人材が社外流出することで十分な人的リソースを確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)常駐支援に関するリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
当社グループはコンサルティングサービスについて実務支援を実効性ある形で提供するため、コンサルタントが顧客現場に常駐することで、会計・財務情報に限定されない広範な経営情報の収集・集約・分析に努めております。
しかしながら、コンサルタントが顧客現場に常駐してコンサルティングサービスを提供する際、顧客企業において不祥事が発生した場合には、コンサルタントが当該不祥事に関与してしまうことで損害賠償を求償されうること、または当該不祥事に関与しないまでもコンサルタントが常駐することで顧客企業と当社があたかも同一視され、当社が関与したかのような風評が発生することにより、当社に対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対し直接間接に損失を被ることが発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社では、常駐してコンサルティングサービスを提供する際、偽装請負と誤認されるリスクがあり、法的解釈に齟齬が生じないようにするため、重要な点について専門家等に事前問い合わせを実施したうえで、適切な業務形態について社内マニュアル、関係者への説明文書を作成して周知し、運用状況を定期的に確認することで、違法性を可能な限り排除しております。
(4)品質リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
当社グループはコンサルティングサービスを提供しておりますが、顧客が期待する品質のサービスが提供できない場合には、受注契約の継続性に支障を来し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策といたしましては、社内教育研修制度を充実させるとともに、引き続きOJTの機会を確保し、高品質なサービス提供を担保してまいります。
(5)海外事業に関するリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:中 影響度:小)
当社グループの海外事業は東南アジアを中心に事業展開を進めておりますが、各国の予期せぬ法律等の改正、政治及び経済情勢の変化、治安の悪化、戦争、為替変動、通信等のインフラ障害、取引先の信用リスク、労働環境の変化及び現地の優秀な人材の採用や確保ができないこと等のカントリーリスクを内在しています。当社グループでは、当社社員が現地に常駐することで、現地の政府当局や弁護士事務所などからの情報連携を強化し、早期に情報収集することでリスクの低減に努めておりますが、かかるリスクが顕在化し、現地での事業活動に悪影響が生じる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)投資に関するリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 生可能性:中 影響度:小)
当社グループは、複数の株式、投資事業有限責任組合への出資等を行なっております。投資に当たっては、財務内容などの詳細な事前調査を行い、検討・審議を経た上で意思決定を行っておりますが、今後の投資先企業の事業が計画通りに進捗せず、経営状況が悪化した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、投資先については定期的なモニタリングを行うことにより、可能な限りリスクを回避するように努めております。
また、投資先の持分の変動やファンドに対する支配の有無によって連結対象範囲の変更が行われることが想定されるため、連結対象に変動があった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)提携法人にかかるリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
提携法人である税理士法人エスネットワークス及び社会保険労務士法人エスネットワークス(以下、「両提携法人」という。)は、当社の関係会社ではございませんが、同一商号を利用している両提携法人の業務が適正に実施されない場合は、当社グループに対するレピュテーションに影響を与える可能性があることから、両提携法人を経営する社員税理士及び社員社会保険労務士と協力し、適正な運営にとり不可欠な職員の教育やインフラストラクチャ等の環境整備に努めております。
しかしながら、両提携法人が何らかの理由により適正に事業運営がなされない等のリスクが顕在化した場合には、同一の商号を使用していることから、当社グループと同一視されるリスクがあります。また、その場合には、現時点と同様の提携法人との協働を実施することが困難となり、結果として高い品質のサービスが提供できなくなる可能性があることから、受注契約の継続性に支障を来たし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、両提携法人との具体的な取引内容及び、取引金額及び取引条件等は以下の通りです。
(ロイヤリティ)
取引内容…ロゴや名称(商標権)の使用の対価として受領
取引金額・条件等…ブランド力・知名度向上のためのコストを、売上高に応じて配分する料率を設定
(顧客紹介)
取引内容…相互に顧客を紹介することによる一定料率の紹介料の支払/受領
取引金額・条件等…独立した第三者と同条件
(業務委託)
取引内容…個別の案件等のニーズに応じて相手方へ業務を委託
取引金額・条件等…独立した第三者と同条件
(出向)
取引内容…職業能力開発を目的とした従業員の出向
取引金額・条件等…人件費相当額について出向料として出向先が負担
また、取引の健全性及び、適正性を確保する体制は、毎月開催の定時取締役会において、取引の内容と金額推移についてモニタリングしております。金額の大きな増減など異常値を中心に取引状況を確認しております。
(8)事業継続リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:大)
事業活動が国内だけに留まらず海外にも展開するグローバル化や情報ネットワーク技術の進展等に伴い、大規模災害や大規模システム障害等、不測の事態が発生した場合に想定される被害規模は年々大きくなっており、企業としては更なる危機管理体制及び事業継続に対する取組みの強化が求められております。
このような状況において、当社グループは大規模災害や大規模システム障害等が発生した場合に備えて、危機管理体制の構築及び社内システム基盤の強化を行い、事業活動を円滑に続けられるよう取組みを行っております。
しかしながら、一企業ではコントロールすることが不可能な特別な事情や状況が発生し、事業継続が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:大)
当社グループにおける重要な情報セキュリティリスクは顧客情報の漏洩及びクラウドサービス利用によるシステム障害であります。
顧客情報の漏洩については、当社グループ役職員に対して、入退社時の誓約書提出を義務付け、情報セキュリティ基本規程に則り、情報管理を行っております。また、1年に2回情報セキュリティ研修を実施し、守秘義務の遵守並びに機密情報や個人情報等の情報管理の指導徹底を行うとともに、電子メールにおけるマルウェア対策及び誤送信防止ツール等の導入を行い、情報漏洩を防止する体制を整備しております。
また、当社グループは、サービスの基盤をインターネットやクラウドサービスに依存しているため、自然災害や事故等によりインターネット通信網が遮断された場合や、クラウドサービス事業者に対するサイバー攻撃等によって、当社グループの利用するシステムに大規模な障害が発生した場合には、顧客情報の漏洩リスクと併せて当社グループの信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コンプライアンスリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
当社グループは法令遵守体制を実効性のあるものとするため、「コンプライアンス規程」を定めると共に、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、年に一回コンプライアンス研修を実施することで、役職員に対して法令遵守意識を浸透させております。
しかしながら、万が一、当社グループの役職員がコンプライアンスに違反する行為を行った場合には、当社グループの信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)訴訟リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中~大)
当社グループは、顧客やビジネスパートナーとの契約条件などの決定にあたり、社内規程に則り、過大な損害賠償責任等のリスクを負わないよう管理を行っております。
しかしながら、何らかの理由により、他社から損害賠償請求等の訴訟を提起された場合、その判決結果によっては、当社グループの信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的規制リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
コンサルティング事業を展開するにあたり、業務委託契約による役務提供においては、直接的な規制を定める法令等はございません。
一方で、派遣契約及び職業紹介契約による役務提供は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律及び職業安定法の規制を受けております。
今後、コンサルティング事業にかかる法令等の制定・改正がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、会社法、金融商品取引法、税法等の法改正が行なわれることで、社会におけるコンサルティング事業へのニーズも変化する可能性があり、その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
各種法令遵守のため、内部監査や、リスク・コンプライアンス委員会を通じて各種法改正への対応状況を確認するとともに、社内外の弁護士等の専門家と定期的なコミュニケーションを行ってまいります。
(13)他社競合のリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:中 影響度:中)
コンサルティング事業の遂行にあたっては、当連結会計年度末時点で許認可制度や資格制限がないことに加え、大規模な設備投資が不要であることから、参入障壁が低い事業であると判断しております。このため大手事業者から個人事業者まで多数の事業者が事業を展開しており、今後も同業者間での競争が激しくなることが推測されます。こうした競合他社との価格・サービス競争に適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
このリスクへの対応を強固なものとするため、当社はCFO機能のサービス提供という独自の強みに加え、戦略や計画の立案のみならず、常駐型の実務実行支援を行う特徴を活かすことで、競合他社との差別化に取り組んで参ります。
(14)風評リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
当社グループは高品質なサービス提供、役職員に対する法令遵守浸透、厳格な情報管理、コンプライアンス体制の構築等の取組みを行うことにより、健全な企業経営に努めております。
しかしながら、悪意を持った第三者が、意図的に噂や憶測、ネガティブな評判等のあいまいな情報を流したり、あるいは何らかの事件事故等の発生に伴う風評が発生したりすることにより、当社グループに対する誤解、誤認、誇大解釈等が生じ、事業に対し直接間接に損失を被ることが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)配当政策に関するリスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:低 影響度:中)
当社グループでは、株主への安定した利益還元を通じた中長期的な企業価値の向上を経営上の重要課題の一つと捉えており、連結株主資本配当率(DOE)10%を配当金額決定の際の指標として採用しております。今後、各期の経営成績を踏まえた配当を予定しておりますが、事業投資や提携など新たに資金需要が発生し、より株主価値の向上に資すると判断する場合、あるいは、財務体質が脆弱化することによって株主価値の棄損が起こる可能性があると判断した場合、目標とする連結株主資本配当率を達成できない可能性があります。
(16)取引先の信用リスク(発生可能性のある時期:特定時期なし 発生可能性:中 影響度:中)
当社グループは、取引先への売上債権に基づく信用リスクが発生しております。当社グループでは、信用情報の分析に基づき、新規取引先については取引先毎に信用限度額を設定するとともに毎期一定期間ごとに継続取引先についても信用限度額の調査を行い、信用リスクの回避に努めておりますが取引先の倒産のような予期せぬ事態により債権回収に問題が発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化に関するリスク
(発生可能性のある時期:数年内 発生可能性:中 影響度:小)
当社はストック・オプション制度を採用しており、本書提出日現在でストック・オプションとして発行している新株予約権は377,500株相当であり、当社発行済株式総数3,048,100株の12.4%に相当しております。現在付与している新株予約権に加えて今後付与する新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
(18)調達資金の使途にかかるリスク(発生可能性のある時期:数年内 発生可能性:低 影響度:小)
当社が株式上場時に調達した資金の使途につきましては、人材採用費に充当する予定であります。しかしながら、調達した資金の使途が必ずしも当社グループの成長に寄与するとは限らず、期待通りの成果をあげられない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、資金使途に変更が生じた場合には速やかに適時開示を行います。
(19)当社株式の流通比率に係るリスク(発生可能性のある時期:数年内 発生可能性:低 影響度:小)
当社グループは、東京証券取引所の定める上場維持基準は25%であるところ、同比率は29.2%となっております。今後は、ストック・オプションの行使等による流通株式数の増加により、流動性の向上を図っていく方針ではあります。しかしながら、何らかの事情により流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,576,476千円となり、前連結会計年度末に比べ154,022千円減少いたしました。これは主に新たに営業投資有価証券を取得したことにより営業投資有価証券が60,000千円増加しましたが、現金及び預金が234,697千円減少したことによるものです。固定資産は641,702千円となり、前連結会計年度末に比べ7,745千円減少いたしました。これは主に本社移転に伴い建物(純額)が122,920千円増加し、有形固定資産のその他(純額)が19,765千円増加した一方で、旧本社の退去等に伴い、敷金及び保証金が120,288千円減少したこと、繰延税金資産が32,436千円減少したことによるものです。
この結果、総資産は2,218,179千円となり、前連結会計年度末に比べ161,768千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は595,472千円となり、前連結会計年度末に比べ104,683千円減少いたしました。これは主に子会社株式の譲渡に伴い、過年度の将来減算一時差異が認容されたことで未払法人税等が55,729千円減少し、約定弁済により1年内返済予定の長期借入金が38,331千円減少したことによるものです。固定負債は227,062千円となり、前連結会計年度末に比べ193,647千円減少いたしました。これは約定弁済により長期借入金が193,647千円減少したことによるものです。
この結果、負債合計は、822,534千円となり、前連結会計年度末に比べ298,330千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,395,645千円となり、前連結会計年度末に比べ136,561千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が136,800千円増加したこと及び、投資有価証券の評価替えに伴いその他有価証券評価差額金が39,306千円増加した一方で、剰余金の配当により、利益剰余金が114,843千円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は60.0%(前連結会計年度末は50.9%)となりました。
② 経営成績の状況
我が国の経済は新型コロナウィルス問題の回復による経済活動の正常化が進む等、一部に足踏みがみられるものの緩やかに持ち直し、先行きについては、各種政策の効果もあり景気の回復が継続することが期待されております。一方で中東情勢やロシア・ウクライナ情勢の長期化など、世界経済の不確実性が我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇・供給面での制約・金融資本市場の変動の影響等に十分な注意が必要です。
こうした状況の中、当社グループが主としてサービス提供を行っております、財務・会計といった専門性に依拠して経営支援の策定や実行を推進するCFO機能の提供におきましては、引き続きプライベート・エクイティ・ファンドによる企業買収の動きが活発化しており、対象会社の財政状態の適時適切な把握、経営成績の継続的なモニタリングの実施、また戦略策定のための継続的な分析といったニーズが高まっております。
当社において重要である人材獲得において、コンサルタント市場では引き続き競争が激しい状況が継続しているものの、採用活動において様々な取り組みを行い、新卒を含む若手人材の採用を積極的に行いました。
また、成長戦略の更なる深化により、子会社2社の株式譲渡を行い、実行支援サービスへの選択と集中を行いました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,711,258千円(前連結会計年度比2.3%増)、営業利益269,344千円(同35.5%増)、経常利益251,751千円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益136,800千円(同4.4%減)となりました。
なお、当社グループは「コンサルティング事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業(投資事業)については量的重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は1,098,645千円(前連結会計年度末は1,333,342千円)となりました。
(営業活動によるキャッシュフロー)
営業活動による資金の増加は124,453千円(前連結会計年度は132,045千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を189,514千円計上した一方で、営業投資有価証券の取得による支出60,000千円が発生したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュフロー)
投資活動による資金の減少は66,098千円(前連結会計年度は315,241千円の減少)となりました。これは主に敷金及び保証金の回収による収入111,487千円が発生した一方で、有形固定資産の取得による支出172,245千円が発生したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュフロー)
財務活動による資金の減少は315,475千円(前連結会計年度は178,735千円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出331,978千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
コンサルティング事業(千円) |
2,711,258 |
102.3 |
|
合計(千円) |
2,711,258 |
102.3 |
(注)1.その他セグメントについては当連結会計年度において収益が生じていないため、記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日医工株式会社 |
57,900 |
2.2 |
381,962 |
14.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社グループは「コンサルティング事業」を単一の報告セグメントとしており、その他の事業(投資事業)については量的重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえた合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、翌々連結会計年度以降においても同様に、重要な影響を及ぼす恐れがあります。
②財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりです。
③経営成績の分析
(売上高)
若手人材の採用を中心に採用活動に注力し、コンサルタント人員数を着実に伸ばしたことにより、売上高は2,711,258千円(前連結会計年度比2.3%増)となりました。詳細に関しては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は1,454,559千円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。これは、主に海外子会社の譲渡に伴い海外人員数が減少した一方で、給与単価の上昇及び国内人員数が増加したことによるものであります。その結果、売上総利益は1,256,698千円(同1.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は987,354千円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。これは主に地代家賃が減少したことによるものです。この結果、営業利益は269,344千円(同35.5%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は31,251千円(前連結会計年度比40.9%減)となりました。これは主に、為替差益の発生によるものです。また前連結会計年度にはM&A案件に係る紹介手数料(※)が含まれております。営業外費用は48,844千円(同197.5%増)となりました。これは主に上場関連費用の発生及び子会社株式譲渡に伴う弁護士費用等の支払によるものです。この結果、経常利益251,751千円(同7.0%増)となりました。
(※)提携法人である㈱ストライクへの事業譲渡に関連し、事業譲渡以前より当社にて関与していた顧客に対するクロージングによる収入を計上したものであります。
(特別利益、特別損失、法人税等合計及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益の発生はありませんでした。特別損失は62,237千円(前連結会計年度比229.5%増)となり、これは関係会社株式売却損の発生によるものであります。法人税等合計は39,268千円(同35.2%減)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は136,800千円(同4.4%減)となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本として、必要に応じて金融機関からの調達を実施する方針であります。
なお、現金及び現金同等物の残高は、当連結会計年度末において1,098,645千円であり、当社グループの事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。
⑥経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の指標を重視しており、過年度からの推移は以下の通りです。
当連結会計年度においては、親会社株主に帰属する当期純利益は概ね前連結会計年度と同水準で推移した一方で、公募に伴う自己資本の増加及び評価換算差額等の計上により自己資本が増加したことで、ROEは10.8%(前連結会計年度比1.3ポイント減)となりました、引き続き中長期の目標達成を意識し、当該指標の向上に努めてまいります。
また、前連結会計年度から当連結会計年度にかけて採用、育成に注力したことで国内コンサルタント数は増加しているものの、若手人材の採用を中心に行ったことで、比較的下位のレイヤーの割合が増加し一人当たり売上はやや減少しております。海外コンサルタント数については2023年7月に子会社株式を譲渡したことで減少しております。
また、全社的に付加価値の高いサービスの提供に注力したことで、営業利益率は改善しております。
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前連結会計年度 (2022年12月期) |
当連結会計年度 (2023年12月期) |
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ROE |
12.1% |
10.8% |
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営業利益率 |
7.5% |
9.9% |
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国内コンサルタント数※ |
85.8人 |
92.5人 |
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国内コンサルタント一人当たり売上高 |
26,028千円 |
25,286千円 |
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海外コンサルタント数※ |
90.6人 |
86.8人 |
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海外コンサルタント一人当たり売上高 |
5,019千円 |
4,641千円 |
※コンサルタント数はコンサルタントの各月末人数の合計を会計期間の月数で除して算出しております。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。