文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営指針
当社グループの事業範囲は、北海道全域であり、北海道の健全な発展がなければ、当社グループの事業も成り立ちません。道民の皆様と支えあいながら、社会的責任を果たしていくため、経営理念として
「私たちは知的に活性化された豊かで創発的な社会に貢献します。」
を制定し、以下の経営指針を定めています。
1.生活者やパートナーに「さわやかさと潤い」を提供します。
2.生活者やパートナーとの共存共栄を図るとともに地域社会に貢献します。
3.変革にチャレンジし活力ある創発的な会社をつくります。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、原材料資材費やエネルギー費の高騰、労働人口の減少による働き手不足など、厳しい状況が継続するものと想定しております。
また、DX対応、サイバーセキュリティ、天災リスクなどへの対応も経営課題として急務となっております。
当社グループは、このような環境変化に対しても収益を確保できる強靭な企業体質を実現するため中期経営計画を策定し、実行しております。
(3)中期経営戦略
当社グループは、中期経営計画(2024年~2026年)の目標として2026年12月期までに売上高652億円、営業利益30億円、ROE4.0%を設定し、達成を目指してまいります。
≪中期経営計画の基本戦略≫
■飲料関連事業戦略 ~飲料ビジネスの安定基盤構築~
①ビジネス安定基盤の再構築
②ポテンシャル領域での投資効果の最大化
③飲料ビジネス成長のための基盤構築投資
④環境負荷軽減とサプライチェーンマネジメントの安定拡大
■財務戦略 ~持続的成長に向けた資本配分の適正化~
①基盤・成長投資の原資となる営業キャッシュ・フローを創出
②基盤構築及び戦略成長分野への投資増
③長期的な安定配当の継続
■非財務戦略 ~人的資本の強化と社会/環境取組み強化~
①個の力の最大化と生産性向上
②新しい価値創造のための風土醸成
③サスティナビリティ活動の深化
④社会課題を解決する価値の創出
また、「地域に信頼され、認められる企業」を目指して、「SDGs(持続可能な開発目標)」を新たな指標とした地域課題に取り組んでいくとともに、内部統制システムの構築と運用によるコーポレート・ガバナンスの充実及びコカ・コーラ独自の統合的なマネジメントシステムである「KORE(コア)」による品質・安全性・環境の維持向上に努めてまいります。
北海道コカ・コーラグループのサスティナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において北海道コカ・コーラグループが判断したものであります。
北海道コカ・コーラグループの事業範囲は北海道全域であるため、持続可能な北海道の上で初めて、豊かで魅力ある自然環境の継承、健全な社会と経済の発展、心身ともに健やかで安心・安全な人々の暮らしが成り立つと捉えています。近年は特に、環境・社会・経済が急激に変化しており、経営に影響を与えるリスク(変動要素)もますます複雑かつ広範囲に及んでおります。
このような中、北海道コカ・コーラグループは「北の大地とともに」をスローガンに、「環境」「社会」「経済」の領域に沿って、責任あるどさんこ企業として、北海道の持続可能な社会の実現を目指した活動を幅広く実施するとともに、北海道コカ・コーラグループの持続的な成長をさらに推進していくため、「サスティナビリティ経営」の実現を目指しております。
(1)ガバナンス
北海道コカ・コーラグループでは、サスティナビリティ経営を推進するために、地域社会と事業の持続的な発展に向けて、「サスティナビリティ会議」を毎月開催しております。
サスティナビリティ会議は、環境・品質を含むリスク対応および予防的リスクマネジメントなどを行っている「リスクマネジメント委員会」、公正かつ公明な企業活動を遂行するための「企業倫理行動委員会」、内部統制の整備・運用状況の監督組織である「内部統制実行委員会」のほか、特定の法令等を主管する本社各部門やグループ各社などと連携・協議することで、全社的リスクを網羅し、柔軟で強靭なガバナンス体制を構築しております。
また、サスティナビリティ会議は、サスティナビリティに係る北海道コカ・コーラグループの在り方を適切に経営戦略に反映していくことを目的として、以下の内容の協議などを行い、取締役会に報告と提言を行います。
①サスティナビリティに関する中長期的な経営リスク管理、事業機会の把握及び経営戦略への反映
②サスティナビリティ活動方針の構築と各部門での実行の統括
③サスティナビリティに関する課題の掌握、目標・計画の策定、計画推進・活動状況の評価及び是正・改善
④長期環境ビジョンの達成に向けた活動の推進
取締役会は、当会議で協議・決議された事項の報告・提言を受け、サスティナビリティに関するリスク及び成長機会への対応方針並びに実行計画等について、審議・監督を行っております。
(2)戦略
なお、最新の取り組み状況・進捗については、当社のホームページにて発信しております。
① 環境への取り組み
北海道コカ・コーラグループは「責任ある企業市民として、地球環境の保全に配慮した事業活動を行い、地域社会の豊かな環境の維持と社会の継続的な発展に貢献する」を環境方針に掲げ、事業エリアである「北海道の限りある資源を次世代へとつなぐ」をテーマに、北海道の資源を未来へと引き渡していくためにさまざまな取り組みを行っております。
a.温室効果ガス(GHG)
温室効果ガスの増加により、気候変動や、農作物の変化等に加えて社会・消費者の需要や事業機会が変化することで当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
北海道コカ・コーラグループは、これらのリスクを低減するため、コカ・コーラシステムの「Climate Vision2030」に基づき、バリューチェーン全体における温室効果ガス削減を目指し、省エネ活動や再エネ導入等を推進しております。
b.容器
使用済みペットボトルなどのプラスチックごみによって、海洋汚染やGHG排出量増加の問題が拡大することにより、ペットボトルの販売禁止等が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
北海道コカ・コーラグループは、これらのリスクを低減するためコカ・コーラシステムの「容器の2030年ビジョン」に基づき、容器をサスティナブルなものにしていく、販売した同等量の容器を回収するなど「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指し、リサイクルPET樹脂の使用率向上、さらなる軽量化容器の開発、より効果的な使用済みペットボトルの回収、生活者に向けた啓発活動などの取り組みを実施しております。
c.水資源
当社は貴重な水資源を利用して事業活動を行っており、水質の異常や水資源が枯渇した場合には事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
北海道コカ・コーラグループは、これらのリスクを低減するため、コカ・コーラシステムの「2030年水資源保全戦略」に基づき、製造過程における水使用量の削減、製造過程で使用する水の循環、地域の水源保護の3つの側面で水資源保護活動を推進しております。
② 社会への取り組み
北海道コカ・コーラグループは、「ネットワークを活かし、社会課題解決に貢献する」をテーマに、日々の事業活動を通して、地域が抱える課題や問題の解決にも積極的に貢献していくことを目指しております。
a.地域の課題解決
ステークホルダーの皆さまとともに地域社会の課題解決に貢献していくことを目的とし、北海道コカ・コーラグループの経営資源を活用し、さまざまな取り組みを実施しております。特に寄付型自動販売機については、設置契約者様や購入者の皆さまが、飲料の購入を通じて社会とのかかわりを深め、社会貢献活動を支援できる仕組みとして、積極的な取り組みを推進しております。
b.多様な性の尊重
北海道コカ・コーラグループは、コカ・コーラシステムで掲げる「多様性の尊重(Inclusion)」をサスティナビリティ戦略の柱の一つとし、「ジェンダー」「年齢/世代」「障がい者支援」「LGBTQ」の分野において取り組みを推進しています。なかでも「LGBTQ」においては、戸籍上同性のパートナーにも対応した福利厚生および就業規則を整備し運用している他、アライ(共感者)を増やすための「LGBTQ+アライのためのハンドブック」を導入し、道内の企業や団体に対して無償で公開しております。
c.地域と取り組むまちづくり
北海道コカ・コーラグループは、北海道を事業エリアとするどさんこ企業であり、全道各地に事業所を展開しております。その強みを活用し、各地域が目指すまちづくりの実現や持続性の向上に貢献することを目指しております。具体的には、北海道や札幌市、旭川市、函館市、釧路市、帯広市、北広島市、広尾町との包括連携協定の他、札幌市と周辺11市町村で発足した「さっぽろ連携中枢都市圏」、北海道警察、北海道開発局、地域の企業や団体などと協力協定を締結し、地域の課題や願いに寄り添った取り組みを展開しております。なかでも、地域の安心・安全を守り育むための取り組みにおいては、道内全179市町村及び北海道と防災に関する協定を結び、「電光掲示板付き災害対応型自動販売機」を活用した市町村との取り組みの他、道内各地の防災訓練に参加して、緊急物資の輸送訓練やフリーベンドの実演などを行うことで、災害への備えを啓蒙しております。
③ 経済への取り組み
北海道コカ・コーラグループは、「ワークとライフの充実で新たな価値を提供する」をテーマに、北海道の豊かさに貢献するため、持続的な成長と社員の働きがいを結ぶ取り組みを実施しております。
a.新しい価値の提供
北海道コカ・コーラグループは、新しい価値を創造・提供することで、企業としての持続性と北海道の持続性をともに向上させる事業活動を展開しております。特にグループ総合力を基盤とした新たな事業領域の創出は、地域経済の発展に貢献することに加え、変化し続ける経営環境において、成長基盤の構築による事業の持続性向上に寄与する重要な取り組みとして実施しております。具体的には、物流を担当するグループ会社の幸楽輸送株式会社とともに、EC(Eコマース)と共同配送の一体型青果流通を実現する新しい仕組み「やさいバス北海道」の展開や、札幌工場から排出されたドリップ後のコーヒー豆の出し殻をアップサイクルした「BathCafé」ブランドにて石鹼や入浴剤などを展開しております。
b.地産地消
北海道コカ・コーラグループが販売している製品のおよそ9割は札幌工場で製造しており、使用される水は同じ清田区に位置する白旗山が水源となっている地下水、牛乳は100%北海道産であり、地産地消に貢献するとともに、フードマイレージを抑えた環境負荷低減に寄与しております。また、どさんこ企業として地域経済の発展に貢献するため、北海道限定製品の製造・販売を積極的に推進しております。
c.人的資本・多様性
価値創出の要であり、企業の持続性向上の最も重要な原動力である「人的資本」に対しては、「人的資本の充実と生産性向上」を掲げ、個の力の最大化と新しい価値創造に向けた風土醸成を推進するため、以下の具体的な取り組みを実施しております。
・ワークショップ
人事戦略の柱の1つである「個の力の最大化」の一環として、部門横断的に交流の場をつくり、各人のスキル向上の機会とするために、ワークショップを開催しております。また、本ワークショップのテーマは経営戦略に基づき設定され、提言会も実施していることから、経営における課題解決に向けたヒントや気づきを得る機会としても貢献しております。
・コークカレッジ
自律型人材の育成に向けて、社員が自主的に学び自らのスキルを向上させるための環境づくりと社員の交流の活性化を目的に、任意の参加者による自由参加の社内勉強会「コークカレッジ」を開始しております。本勉強会は、自主的な学びの第一歩として多くの社員参加を推進するため、「ワークとライフの充実」につながるもの、業務のスキルを向上させるもの、社会生活を送るうえで必要な知識を身につけるものなど、社員のニーズにあわせてテーマを選定しており、働き甲斐醸成やコミュニケーションの活性化などの効果をもたらしております。
・エンゲージメントサーベイ
人材に関する経営課題を見える化し、改善のための対話などを通じて働きがいを高めることで社員一人ひとりの個の力の最大化を図り、企業としての持続性向上を目指すため、月1回のエンゲージメントサーベイを実施しております。これにより、エンゲージメント向上のためのさまざまな施策によるスコアの推移を確認することで、より効果的な施策を実行し、働きがいの醸成による社員の更なる成長や生産性向上を図っております。
・育児に関する支援
2022年10月に新設された「産後パパ育休」をはじめとした法に基づく休業に加え、妊娠休暇や子どもが小学校4年生まで取得できる短時間勤務制度等を整備し、育児中の社員を支援しています。
こうした取り組みを通じて、人材への投資を企業価値の向上に結び付けていく中で、社員が自律し、新しい価値を創造することで、一人ひとりが地域の持続性向上に貢献することを目指しております。
(3)リスク管理
北海道コカ・コーラグループは、柔軟で強靭なガバナンス体制のもとに、変動要素(リスク)によるマイナスの影響を最小限に抑えるとともに、事業機会の拡大につなげるため、統合的なリスクマネジメントを推進しております。
「環境」「社会」「経済」に関するリスクは、年に4回開催される「リスクマネジメント委員会」にて重点リスクを特定し、事業計画や財務的影響、ステークホルダーの関心や環境・社会に与える影響の大きさ、発生可能性等の観点を踏まえ、活動の優先順位付けや目標の設定を行い経営に反映させております。特に重要度や優先度が高いリスクについては、経営会議の協議を経て事業戦略・計画に反映され、責任者及びモニタリングを行う部門を任命の上、リスクへの対応策を立案・実施しております。
なお、重要な意思決定事項については、取締役会で更なる議論を行い、審議・決議を行っております。
北海道コカ・コーラグループは、サスティナビリティに関する取り組みについて、的確な進捗管理と着実な実行のため、具体的な指標と目標を設定しております。これらの進捗状況は、サスティナビリティ会議にて計画推進・活動状況の評価及び是正・改善について報告・協議しております。特に重要度や優先度が高い取り組みについては、経営会議及び取締役会においても審議・監督を行っております。
環境及び人的資本・多様性への主な取り組みについては、次の指標を用いております。
① 環境への取り組み
※「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材と、植物由来PET素材の合計
② 人的資本・多様性
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ザ コカ・コーラカンパニー及び日本コカ・コーラ株式会社との契約について
当社は、ザ コカ・コーラカンパニー及び日本コカ・コーラ株式会社との間で、北海道を対象地域としてコカ・コーラ製品の製造・販売及び商標使用等の付与を受けるボトラー契約を締結しております。
当社グループの売上の大部分は、ザ コカ・コーラカンパニーが所有する商標(以下「コカ・コーラ商標」という)を使用した飲料の売上から生じていることから、コカ・コーラ商標の侵害及びそのブランドの毀損は、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、ボトラー契約は定期的に更新され現在に至ります。
当社グループは、お客様に高品質で安心してお飲み頂ける商品を提供するため、札幌工場にて品質マネジメントシステム「ISO9001」、食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」の認証を取得しております。
製品の安全性はもちろんのこと、お客様の一層の満足度向上をはかるため、社員の意識向上や品質に関する事故の予防活動を推進しておりますが、万一、品質に関する事故が発生した場合には、その発生が当社グループに起因するものであるか否かを問わず、ブランドイメージを著しく損ねる恐れがあります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
① 市場競争
飲料市場においては、近年市場が成熟状態にあるといわれており、当面市場の大きな伸びは期待できない状況にあります。また、飲料各社間の販売シェア獲得競争は激しく、スーパーマーケット等における販売シェアが減少した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 天候要因
当社グループが事業を展開する飲料の売上は、その商品の特性上、天候等の影響を受けやすい傾向にあります。特に最需要期の冷夏や冬季の大雪等も当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
① 道内景気と消費動向
当社グループは、北海道の市場を中心として事業活動を展開しております。現在の北海道内の景気の状況から、今後の個人消費が急激に回復するとは想定しておりませんが、急速に個人消費が減少した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 保有資産の価値変動
当社グループが保有する土地や有価証券等の価値が変動することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、有価証券につきましては、時価を有するものはすべて時価にて評価しているため、株式市場等における時価の変動の影響を受けます。
③ 年金資産の時価変動リスク
当社グループにおきましては、確定給付型の企業年金基金制度を有しております。このため、有価証券で構成されている年金資産の運用が悪化した場合には、退職給付費用が増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが営む飲料の製造・販売事業におきましては、「食品衛生法」、「製造物責任(PL)法」、「道路交通法」、「廃棄物処理法」、「容器包装リサイクル法」など、さまざまな規制が存在しております。当社グループは、これらすべての規制を遵守し、安全かつ安心な商品の提供につとめてまいります。従いまして、これらの規制が強化された場合には、規制遵守にかかわる費用などが新たに発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで販売している酒類は国内において酒税等を定める酒税法の規制を受けております。当社グループはその酒税法に基づき酒類卸売業免許を取得しております。今後の事業展開においては酒税法の規制を受けるほか、酒税の税率の変更によって販売価格・動向に影響を受ける可能性があります。なお、酒類は一般的に適度の飲酒ならば様々な効能があるとされていますが、慢性的飲酒による各種弊害も指摘されております。これらのアルコールに関連する諸問題が社会的に一層深刻となった場合には、販売活動に何らかの影響・規制が及ぶ恐れがあり、酒類の将来性、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
① 水資源
当社グループは貴重な水資源を利用して事業活動を行っております。製造過程における水使用量の削減、製造過程で使用する水の循環、地域の水源保護の3つの側面で水資源保護活動を推進しております。万一、水質の異常や水資源が枯渇した場合には事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② 容器
コカ・コーラシステムの「2030年容器ビジョン」に基づき、容器をサスティナブルなものにしていく、販売した同等量の容器を回収するなど「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を目指して活動しております。しかし、海洋プラスチック問題の拡大により、ペットボトルの販売禁止等が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
③ 気候変動
コカ・コーラシステムの「Climate Vision2030」に基づき、バリューチェーン全体における温室効果ガス削減を目指し、省エネ活動や再エネ導入等を推進しております。温室効果ガスの増加により、気候変動や、農作物の変化等に加えて社会・消費者の需要や事業機会が変化することで当社グループの事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要な生産設備、販売拠点は本店所在地に集中しており、地震・火災などに見舞われた場合は、生産活動の停止、あるいは製品供給の不全に陥る可能性があり、それらは当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、災害等に対して主要設備の防火、耐震対策などを実施するとともに、製品の分散保管、ITインフラの分散設置を実施し、BCP(事業継続計画)を策定しております。
新型コロナウイルスに代表される感染症の流行により、市民生活の変化や日本経済の停滞が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、飲食店や交通機関、レジャー、イベント施設の衰退は当社グループの経営成績と密接な関係にあります。
感染症が流行した場合には、従業員についてはマスクの着用や在宅勤務など感染症予防に努めます。また、感染症流行下でも衰退しない販売チャネルに傾注した営業活動を続けることで、売上高の減少を抑えます。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
また、当社グループは、飲料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の売上高は56,371百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は1,725百万円(前年同期比183.8%増)、経常利益は1,727百万円(前年同期比107.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,312百万円(前年同期比136.0%増)になりました。
財政状態につきましては、資産は前連結会計年度に比べ3,058百万円増加の51,073百万円となりました。負債は、2,039百万円増加の10,220百万円となりました。純資産は、1,018百万円増加の40,853百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ621百万円増加し、9,372百万円になりました。
活動ごとのキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によって得られた資金は、3,253百万円(前連結会計年度は1,995百万円の収入)になりました。これは、税金等調整前当期純利益1,973百万円、減価償却費1,883百万円、仕入債務の増加494百万円などに対し、売上債権の増加514百万円などによるものです。
投資活動の結果によって使用した資金は、1,947百万円(前連結会計年度は2,032百万円の使用)になりました。これは、主に製造設備や販売機器などの有形固定資産の取得による支出2,059百万円、無形固定資産の取得による支出374百万円、投資有価証券の売却による収入443百万円などによるものです。
財務活動の結果によって使用した資金は、684百万円(前連結会計年度は675百万円の使用)になりました。これは、配当金の支払額407百万円、リース債務の返済による支出274百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは飲料の製造・販売事業の単一セグメントであり、開示対象となるセグメントはありませんが、当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
当社グループは受注を主体とした生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。
当社グループは飲料の製造・販売事業の単一セグメントであり、開示対象となるセグメントはありませんが、当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 相手先別販売実績において、総販売実績に対する該当割合が10%以上の相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は、人流の回復や猛暑などの需要増を捉えた営業活動により販売数量が増加したほか、価格改定が寄与し、売上高は56,371百万円(前年同期比9.2%増)となりました。利益面では、原材料資材・エネルギー価格の高騰影響は受けたものの、販売伸長による利益貢献に加え、継続したコスト削減の取り組みにより、営業利益は1,725百万円(前年同期比183.8%増)、経常利益は1,727百万円(前年同期比107.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,312百万円(前年同期比136.0%増)となりました。
<活動内容>
a 飲料事業の収益力の向上
スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの量販店においては、人流データなどを活用した適切な品揃えの提案により販売ロスを防ぐ活動と、カスタマーの人手不足に対応するべく、オペレーション効率の良い売り場展開を行い、当社・カスタマー双方の売上拡大をはかりました。さらに、物価高の影響を受ける家計を応援するため、お買い得な商品のまとめ売りを実施するなど、オンラインでの専用商品販売と合わせて、生活者の需要に対応する商品の提供活動に注力しました。
自動販売機ビジネスにおいては、人気の高い全国プロモーション「ドラクエウォークコラボ」や「2本目無料キャンペーン」を実施し、従来のアプリ訴求に加え自動販売機でのPOP訴求を追加して集客を拡大しました。また、北海道独自の取り組みとして、職域で最も販売需要が高まる朝にターゲットを絞ったCoke ONの時間帯限定プロモーションを実施し販売拡大をはかりました。
飲食店においては、新規メニューの追加などで販売を拡大したほか、24時間対応のWEB受注システムを導入し、カスタマーの利便性向上とともに当社の受注効率を改善しました。
新商品としては、「プラズマ乳酸菌 免疫ケアシリーズ」を地域限定発売したほか、2012年の発売以来、北海道の皆さまから高い支持を得ている北海道限定商品「ジョージアミルクコーヒー」シリーズの第2弾として「ジョージアバナナミルクコーヒー」を発売しました。また、北海道内のコンビニエンスストア限定で「スプライト500ml缶」を発売しました。アルコール飲料においては、新ブランドとして「ジャックダニエル&コカ・コーラ」を発売し、既存ブランドの「檸檬堂」に加えてアルコール飲料の商品選択肢の拡充をはかりました。
b グループビジネスの成長
グループビジネスにおいては、主力である「一般貨物輸送事業」が堅調に推移したほか、需要の高まる倉庫保管や流通加工などの輸送周辺事業を展開しました。
また、自動販売機のメンテナンス技術を活用し、新たに食品機器や住宅設備機器類の「メンテナンス事業」を推進したほか、「バックオフィス事業」として、コールセンターや事務業務、自治体関連業務の受託を進め、事業領域の拡大をはかりました。
c 経営基盤の強化
「北の大地とともに」を合言葉に、SDGsを新たな指標ととらえ、環境やサスティナビリティ活動に注力してきました。
環境に対する取り組みとして、コカ・コーラシステムでは、日本国内のバリューチェーン全体における温室効果ガスを2030年までにスコープ1、2(工場やオフィス、エネルギーに起因する排出量)で50%、スコープ3(原料の加工、自動販売機などの排出量)で30%(いずれも2015年比)削減する目標を策定しました。この目標達成のためのコカ・コーラシステムでは、『「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現』をスローガンに、2030年までに全てのペットボトルを100%サスティナブル素材へ切り替えること、日本国内で販売した同等量のペットボトル容器を回収することなどを目指して取り組みを進めてまいります。
北海道における具体的な取り組みとしては、北海道電力株式会社及び合同会社HARE(はれ)晴(ば)れ(以下「HARE晴れ」)と、太陽光発電によるオフサイトPPA(電力販売契約)に関する契約を締結し、北海道電力を通じてHARE晴れの太陽光発電所が発電する再生可能エネルギー電力を札幌工場の電力の一部で使用します。これにより、当社は、従来比で年間約700トンのCO2削減(札幌工場の製品を約1,600万本分製造する際に排出されるCO2に相当)を実現し、当社が掲げる「スコープ1と2」の目標達成に向けて大きく前進するものと考えています。
サスティナビリティ活動としては、上士幌町と「ペットボトル資源循環リサイクルに関する事業連携協定」を締結し、同町が回収する使用済みペットボトルを粉砕・洗浄・再原料化する、地域で排出されるペットボトルの資源循環型リサイクルのモデル事業を展開しました。本事業で再生されたペットボトル原料は、当社が製造・販売するコカ・コーラ社製品の容器に使用いたします。あわせて、生活者へのペットボトル資源循環のリサイクル啓蒙を目的に「はずす はがす かえす つぎのボトルへリサイクル!」のロゴを新たに作成し、新聞広告や環境イベントなどで継続的に展開しております。
また、札幌市が目指す『ウェルネス(健康寿命延伸)』を支援すべく、同市と「さっぽろウェルネスパートナー協定」を締結し、北海道の豊かな大地で育まれた良質な原材料を使って安全安心な商品をお届けすることで、北海道の皆様の健全なライフスタイルに貢献しております。
さらに、当社が創立60周年を迎えた記念として、当社やコカ・コーラの歴史、北海道における取り組みなどを、生活者の皆さまに楽しみながら知っていただくためのコーポレートサイト「どさんこーく広場」を開設したほか、札幌工場で生産する製品に使用される水が、同工場と同じ清田区に位置する白旗山からの水源であり「道産」であることを北海道の皆さまに広く知っていただくための記念CMや、記念ロゴの制作などを実施しました。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度における資産は、前連結会計年度に比べ3,058百万円増加の51,073百万円となりました。これは主に、退職給付に係る資産や現金及び預金が増加したことによるものです。
負債は、2,039百万円増加の10,220百万円となりました。これは主に未払法人税等や買掛金の増加によるものです。
純資産は、1,018百万円増加の40,853百万円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したことによるものです。
この結果自己資本比率は80.0%となり、当連結会計年度の1株当たり純資産額は3,002円29銭となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
a キャッシュ・フロー分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b 資金需要、資金調達
資金需要としては、商品及び原材料仕入等の運転資金のほか、将来の成長に向けた自動販売機を中心とした販売機器や生産設備等の設備投資資金等があります。また、株主の皆様への利益還元を経営の重点政策と位置づけています。利益の配分については、株主の皆様へ安定配当を行うことを基本とし、財政状態及び経営成績を総合的に判断して実行していきます。
資金調達については、基本的に自己資金で賄うこととしていますが、資金需要の内容、規模、今後の情勢等を勘案し、継続的に最適な資金調達方法の検討を進めていきます。
c 資金の流動性
当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、各グループ会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことにより、資金効率の向上を図っております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率、ROEを重要な経営指標としており、その状況については以下のとおりであります。
(単位:百万円)
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、(3)中期経営戦略」に記載のとおりであり、今後も中期経営計画に基づき引き続き企業価値向上を図っていきます。
(3) 重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、ザ コカ・コーラカンパニー及び日本コカ・コーラ株式会社との間で、北海道を販売地域とするコカ・コーラ等の製造・販売及び商標使用等に関するボトラー契約を締結しております。
該当事項はありません。