当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 企業理念、方針と経営戦略等の全体像
② 企業理念
当社グループは、企業理念として「Mission」、「Vision」、「Value」を定めております。当社グループは、「Mission」として「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を掲げ、持続可能な社会の実現と企業としての持続的な成長の両立を目指しております。この企業理念をもとに、不動産事業を通して、環境問題や社会課題に積極的に取組み、お客様や従業員、全てのステークホルダーの皆様の豊かさの実現に貢献し、不動産業界のリーディングカンパニーを目指しております。
③ 「サステナビリティ方針」
当社グループは、投資用不動産業界ではいち早く環境配慮型不動産への取組みを開始し、さらに、当社グループの長期構想である「GLM VISION 2030」において「不動産×環境×DXにより、サステナブルな不動産開発・運用No.1」をゴールに置くなどして、サステナビリティを経営のベースに据えてきました。この度、当社グループ全体でのサステナビリティ推進を強化すべく「サステナビリティ方針」を策定しました。
当社グループの「サステナビリティ方針」は、以下のとおりです。
「サステナビリティ方針」
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GLMは、企業理念の一つとして「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を「Mission」に掲げ、 その実現に向けた大切な価値基準として「Value」を定めております。 「Value」には、「No.1」「挑戦」「共創」を掲げており、 社員、顧客、人と社会、地球環境を考慮することを3つの「Value」に込めております。
「Value」に基づき「Mission」を遂行するためには、GLMが注力すべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、中期経営計画の中に組み込んでアクションプランを立て、事業を通じて実行していくことが重要だと考えております。
GLMは、サステナブルな社会と持続的な企業価値の向上の両方を追求することで成長を目指します。 ・サステナビリティ推進のためのマネジメント体制を構築します。 ・長期ビジョンを掲げ、GLMが注力すべき「マテリアリティ(重要課題)」を特定します。 ・「マテリアリティ(重要課題)」のアクションプランを立て、事業を通じて実行します。
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④ 「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」
当社グループは、多様な社員一人ひとりがスキルを磨き活躍することが、唯一無二の価値創造や生産性の向上をもたらし、その結果が利益に還元される好循環の実現が経営方針を支える最も重要な要因であると考えております。
「Value」に掲げた「No.1」「挑戦」「共創」を踏まえ、当社グループが求める人材像について経営会議で議論を重ね、以下のとおりに、「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」を策定しました。
当社グループの「人材育成方針」及び「社内環境整備方針」は、以下のとおりです。
「人材育成方針」
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~Value(No.1・挑戦・共創)を実現する人材の育成を目指します~
当社は、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という企業理念のもと、社員一人ひとりを、 プロフェッショナルとして、主体的に挑戦し、新しい価値を創り出せる人材に育成します。
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「社内環境整備方針」
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~ウェルビーイングの実現に向けて社内環境整備を積極的に行います~
◆成長と育成 ・当社は、社員一人ひとりがプロフェッショナルであることを目指し、その成長機会を提供します。
◆挑戦への支援 ◆多様性の尊重 ・当社は、多様な価値観を尊重することにより、新しい価値を生み出す環境を整備します。 ◆心理的安全性の確保 ・当社は、個々を受け入れ、対話をしながら、心理的安全性の高い環境を整備します。 ◆働く環境の選択 ・当社は、社員の生産性・創造性・幸福感を向上させるため、多様な働く環境を整備します。 ◆社員の健康保持 ・当社は、社員一人ひとりが心身ともに健康で、最大限の能力を発揮できる環境を整備します。
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(2) 経営環境認識
① 外部環境認識
当社グループは、「GLM VISION 2030」のゴールに掲げる「不動産×環境×DXにより、サステナブルな不動産開発・運用No.1」に大きな影響を与える要因を調査・分析をしました。
SDGsに代表されるサステナビリティを巡る様々な課題、当社グループの事業を取り巻く環境の変化、日本国内における人々の住まいや働き方等に関する価値観・志向の変化等を踏まえ、当社グループが認識している特に注視すべき外部環境は、以下のとおりです。
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<中長期的に注視していく経営環境> ・労働人口の減少や人材獲得競争の激化 ・激甚化する自然災害の増加 ・都市の環境・エネルギー負荷増大 ・サイバー攻撃の増加(ネットを介した接続性の拡大) ・科学技術やイノベーションへの投資 ・サステナビリティ・ESGに対する意識の高まり
<短期的に注視すべき経営環境(不動産関連市場・資金調達環境・海外情勢)> ・住宅・建築物に対する環境規制の強化 ・建設資材の価格の上昇や人件費の高騰による原価の上昇 ・国内外の資金調達市場の変動 ・不動産売買マーケットの変動 ・デジタル・トランスフォーメーション(DX) ・グリーン・トランスフォーメーション(GX) ・サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)
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② 「GLM VISION 2030」
当社グループは、外部環境の認識を踏まえ、以下のとおり「GLM VISION 2030」を設定しました。
(注)「LCCM」とは、ライフサイクルカーボンマイナスの略称です。建設時、運用時、廃棄時において出来るだけ省CO2に取組み、さらに太陽光発電等を利用した再生可能エネルギーの創出により、ライフサイクルを通じたCO₂の収支をマイナスにする取組みです。
(3) 対処すべき課題「マテリアリティ」
① 「マテリアリティ」
当社グループは、「GLM VISION 2030」の達成を確実なものとするために、2030年を期限に、重点的に解決する課題として、9つの「マテリアリティ」を特定しました。「マテリアリティ」の評価では、ステークホルダーにとっての重大なESG課題はもちろんのこと、「GLM VISION 2030」を実現する上で必要な経営基盤の強化や、2030年、さらにその先に向けて企業価値を向上させることも考慮しております。
<マテリアリティ、2030年あるべき姿/ありたい姿、2030年のKGI>
② 「マテリアリティ」特定の目的とプロセス
当社グループは、「GLM VISION 2030」と「マテリアリティ」を連動させ、持続的な成長と企業価値の向上を達成し、事業を通じて社会課題の解決を図っていきます。そのために、「マテリアリティ」ごとに“2030年のあるべき姿/ありたい姿”と“2030年のKGI”を設定し、担当部署がKGI達成に向けたKPIと具体的なアクションプランを策定、それらを「年度経営計画」に反映させております。
<マテリアリティ特定のプロセス>
(4) 中期経営計画
当社グループでは「2022年中期経営計画」を策定しております。「2022年中期経営計画」では、①開発物件の資産価値の向上(環境配慮型建築「ZEH・ZEB等」への取組み)、②開発物件の販売効率・利益率向上(レジデンス:オフバランス開発強化・1棟バルク販売による営業効率改善と成長加速)、③時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設、用地仕入、ビルディング)、④事業エリアの拡大(開発エリアの拡大)を成長戦略として掲げております。
① 環境配慮型建築(ZEH・ZEB等)への取組み
開発物件の環境対応により資産価値の向上を図ってまいります。「(3)(対処すべき課題)「マテリアリティ」」においても特定しているように、サステナブルな社会を実現するために、カーボンニュートラルに向けた物件開発は必然であり、社会的ニーズはさらに高まるものと認識しております。そのニーズの高まりは、既に海外では、環境認証を取得した物件の成約価格や賃料が向上するというデータからもうかがうことが出来ます。当社グループでは、日本国内においてもZEH・ZEB・BELS等の環境認証取得が資産価値の向上に繋がると考えております。
当社グループは、2022年2月、経済産業省がネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の推進に向けて導入した登録制度である「ZEHデベロッパー」に認定されました。2024年12月期での自社開発物件の環境対応比率100%(ZEH-M Oriented・BELS認証取得)を達成し、開発物件の資産価値向上を図り、「マテリアリティ」の解決、企業理念(Mission)である「不動産を通じて、豊かな社会を実現する」ことを目指してまいります。
2023年12月期末までに、ZEH-M Oriented又はBELS認証取得済みの開発物件は22棟、そのうち7棟が竣工しております。
② レジデンス:「オフバランス開発」強化・「1棟バルク販売」による営業効率改善と成長加速
「オフバランス開発」とは、当社グループで物件開発の企画・検討を行い、パートナー企業に土地の購入や開発を行っていただく開発方法を言います。「オフバランス開発」では、当社グループのバランスシート上の資金制約を受けることがなくなるため、事業拡大の速度を速めることができます。今後パートナー企業の数を増やし、物件の供給量を増やしてまいります。
2023年12月期におきましては、仕入の約8割が「オフバランス開発」となっており有利子負債を抑制する一方で仕入戸数(パイプライン)を順調に積み上げ、「マテリアリティ」にある「資本効率の最適化と財務健全性の両立」の実現に貢献しております。
「1棟バルク販売」とは、開発物件を数棟から数十棟をまとめて販売することを言います。日本において土地価格の上昇や建築費の高騰の影響により物件供給量が伸び悩む中、機関投資家が複数物件を一度に購入できる「1棟バルク販売」へのニーズは強く、投資効率の向上の観点からも、引き続き強い需要が見込まれます。
当社グループは、「1棟バルク販売」を取り入れることで、機関投資家に対する竣工前の売買契約締結による営業活動の効率化を図っております。当社グループが仕入を進め確保している、豊富なパイプラインを背景に、機関投資家の「1棟バルク販売」へのニーズに応え、当社グループの更なるプレゼンス向上を図ってまいります。
③ 時代に即した新しいセグメントの確立(非レジデンス:物流施設開発、用地仕入、ビルディング)
主力事業であるレジデンス開発販売に加えて、非レジデンス領域においては、物流施設開発事業、用地仕入事業、ビルディング事業を検討してまいりました。物流施設開発事業につきましては、市場の過熱感もあり慎重に調査を継続しております。
用地仕入事業については、地権者等の権利関係を整理し用地の新たな価値創生後に売却することを目指し、事業を開始し、2023年12月期においては4案件の販売を完了し、既に収益貢献を実現しております。
ビルディング事業につきましては、既存のオフィスビルを購入し、環境対応・労働環境改善等のバリューアップ後の売却を目指して事業を開始し、2023年12月期においては情報収集に注力し、2024年12月期から収益に貢献する見通しです。
また、「GLM VISION 2030」及び「マテリアリティ」に関わるDX領域事業につきましても、IoT及びIT関連事業を行う中核子会社としてAtPeak株式会社を2023年12月18日に設立しております。
本項目についても、計画の前倒しが実現できている状況です。
④ 開発エリアの拡大
当社グループではこれまで東京23区内中心の開発を行ってまいりました。首都圏への人口流入・世帯数増加の傾向は継続すると考えております。一方で、リモートワーク等の普及により人口流入先が都心だけに限定されず、周辺広域まで拡大しております。こうした人口動態やニーズの変化等を柔軟に捉え、当社グループでは、1都3県にも開発エリアを拡げております。
<目標とする経営指標>
当社グループは中長期的な企業価値の増大を目指しております。この観点から、「2022年中期経営計画」においては、2024年12月期に達成すべき数値目標として売上高500億円、経常利益50億円を設定しておりましたが、直近の外部環境及び計画進捗状況を勘案し、売上高は上方修正を行い600億円、経常利益は50億円を設定しております。また、販売戸数につきましては1,300戸、環境対応比率自社開発物件100%を目指してまいります。
<利益目標>(注)1
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2022年12月期 (実績/計画) |
2023年12月期 (実績/計画) |
2024年12月期 (計画) |
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売上高 (億円) |
356/350 |
412/400 |
600 |
|
経常利益 (億円) |
22/20 |
42/33 |
50 |
<財務目標>(注)1
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|
2022年12月期 (実績/計画) |
2023年12月期 (実績/計画) |
2024年12月期 (計画) |
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売上高経常利益率 |
6.4%/5.7% |
10.3%/7.5% |
8.3% |
|
ROE |
22.7%/22.6% |
37.5%/27.5% |
30.0% |
|
販管費率 |
9.1%/9.4% |
7.6%/8.8% |
6.7% |
<事業指標>(注)1
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2022年12月期 (実績/計画) |
2023年12月期 (実績/計画) |
2024年12月期 (計画) |
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販売戸数合計 (戸) |
979/1,000 |
1,079/1,120 |
1,300 |
|
環境配慮対応比率 自社開発物件(注)2 |
― |
100.0%/100.0% |
100.0% |
|
環境配慮対応比率 当社取扱全物件 |
― |
21.2%/40.0% |
50.0% |
(注)1.計画値は、中期経営計画公表後に見直しを実施した項目については、見直し後の数値を記載しており
ます。
(注)2.自社開発物件における環境配慮認証取得件数
(2023年12月31日現在)
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環境認証 |
2022年12月期 竣工物件数 |
2023年12月期 竣工物件数 |
2024年12月期 竣工予定物件数 |
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BELS★★★★★ |
― |
2 |
7 |
|
BELS★★★★ |
― |
3 |
6 |
|
ZEH-M Oriented |
― |
2 |
2 |
|
合計 |
― |
7 |
15 |
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティにかかるガバナンス
当社グループは、2023年1月、サステナビリティ経営の推進を強化するために、代表取締役社長直下の経営企画室内に「ESG推進課」を設置し、主に「サステナビリティ方針」の策定や「マテリアリティ」の特定を行いました。
2024年1月より、サステナビリティ経営のさらなる強化を目指し「サステナビリティ推進部」を設置し、「マテリアリティ」の実行を通じてサステナビリティ経営の実践を確実なものとしております。
「マテリアリティ」の進捗などのサステナビリティ経営のモニタリングに当たっては、取締役会が、経営会議等において協議・審議されたサステナビリティの取組みについて、意思決定や監督等を行っております。
(2) サステナビリティにかかるリスク管理
当社グループでは、「マテリアリティ」への対応をより確実なものとするため、リスク管理体制の整備とその高度化に努めております。サステナビリティにかかるリスクについては、「戦略リスク」と位置づけ、全社的に共有・議論することで、実効的なリスク管理を行っております。
詳細は、「
(3) 戦略(気候変動に関するリスクと機会への取組み、人的資本に関する戦略)
当社グループは、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures「気候関連財務情報タスクフォース」)提言に沿った情報開示を進め、気候変動に関するリスクの抑制と機会の創出・獲得に向けた活動に取組んでおります。
また、人的資本に関しても、重要な経営課題として認識し、人的資本に関する方針を定め、改善に取組んでおります。
① 気候変動への取組みに関するガバナンス
上記「
② 気候変動に関するリスク管理
当社グループでは、気候変動に関するリスクを「戦略リスク」と位置づけ、全社的に共有・議論することで、実効的なリスク管理を行っております。
詳細は、「
③ 気候変動に対する戦略
当社グループでは、気候変動への規制や市場の変化や異常気象が当社グループに与える影響を特定するため、シナリオ分析を実施しております。シナリオ分析では、国際エネルギー機構(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオを参照の上、パリ協定の目標である「産業革命以前の水準より1.5℃の上昇に抑える」こと等を想定した政策移行の影響が大きいシナリオ(1.5℃から2℃シナリオ)及び環境規制が強化されず物理的リスクが高まるシナリオ(4℃シナリオ)の2通りにより気候変動した世界を想定しております。この2つのシナリオに基づき気候変動が当社グループの事業にもたらすリスクと機会を特定し、その財務的な影響の定量化に取組んでおります。
また、当社グループは気候変動に関するリスクを重要リスクと位置付けており、特定したリスク及び機会への対応は、「マテリアリティ」に連動させ、事業戦略として気候変動への対応を進めております。
<気候変動に関するリスク・機会と財務的影響>
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●期間設定(基準年度:2023年度) 短期:1年 中期:3年 長期:3年超
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項目 |
区分 |
主なリスク・機会の内容 と財務的影響 |
財務的影響が想定される期間 |
関連する主な マテリアリティ |
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移行リスク |
新たな規制リスク |
炭素税の導入がもたらす建築資材価格の高騰による、物件建築コストの増加 |
中期 長期 |
気候変動の緩和への貢献 |
|
不動産市場リスク |
不動産市場における環境配慮型不動産への要請の高まりへの対応の遅れによる、売上機会の喪失 |
中期 長期 |
環境配慮型不動産の企画開発・運用 |
|
|
評判リスク |
気候関連等の開示要請の高まりへの対応の不足・遅れがもたらす、投資家に代表されるステークホルダーの懸念の増加による、信用・企業価値の低下 |
中期 長期 |
誠実かつ透明性の高い企業行動 |
|
|
物理リスク |
急性リスク |
突発的な異常気象がもたらす災害による、自社取扱い物件の価値の低下及び対策コストの増加 |
短期 中期 長期 |
安全・安心な不動産の提供 |
|
慢性リスク |
中長期的な気候変動がもたらす被害による、自社取扱い物件の価値の低下及び対策コストの増加 |
短期 中期 長期 |
環境配慮型不動産の企画開発・運用 |
|
|
機会 |
製品とサービス |
投資用不動産市場における、環境配慮型不動産の需要の増加による売上機会の増加 |
短期 中期 長期 |
環境配慮型不動産の企画開発・運用 |
|
資本市場 |
気候関連等の情報開示の充実によるESG投資の資金還流機会の増大及び時価総額の向上 |
短期 中期 長期 |
誠実かつ透明性の高い企業行動 |
|
|
金融 |
積極的な環境配慮型不動産の開発、及びGHG排出量の削減がもたらすサステナブル・ファイナンスを通じた資金調達機会の増加 |
短期 中期 長期 |
資本効率の最適化と財務健全性の両立 |
④ 人的資本に関する戦略
当社グループでは、グループの持続的な成長のために、女性、外国籍、経験者等、様々なバックグランドを持つ人材の採用、起用を積極的かつ継続的に行い、それぞれが自分らしく、個々の特性や能力を最大限に発揮できる職場環境の整備を進めており、これまでも、在宅勤務及びフレックスタイム制度を導入する等、多様性の確保や職場環境を整えてまいりました。
今後は、「マテリアリティ」として定めた「人的資本経営の推進」を実現するため、「成長意欲がある人材に選ばれる企業になり、多様性に富んだ組織である」ことを目指し、取組んでまいります。
(4) 指標及び目標
当社グループのサステナビリティ及び人的資本に関する指標(KGI)については、
各KGIにおける具体的な目標につきましては、現在検討中であります。
なお、各項目の指標及び目標に関して参考となる内容を以下に記載しております。
①サステナビリティに関する指標及び目標
当社グループでは、Scope1、Scope2並びにScope3について温室効果ガス排出量を算定し、2023年度を基準年度として削減目標を設定、気候変動の対応を更に加速化、責務を果していきたいと考えております。
なお、温室効果ガス排出量の削減目標については、現在検討しており決定次第Webサイト等を通じて公表する予定であります。
<温室効果ガス排出量(当社単体※1/暫定値※2)>(単位:t-CO₂)
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2023年度(基準年度) |
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Scope1 |
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0 |
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Scope2 |
マーケットベース ※3 |
80 |
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ロケーションベース※4 |
82 |
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Scope3 |
|
117,664 |
※1 当連結会計年度における連結子会社等の温室効果ガス排出量は微小(かつ算定が困難)であるため、当社単体での開示としております。今後、連結子会社等における温室効果ガス排出量が当社グループ全体に影響を与える場合は、連結子会社等を含めた温室効果ガス排出量を開示する予定であります。
※2 当連結会計年度における温室効果ガス排出量の確定数値につきましては、第三者認証取得後、当社グループWebサイトを通じて公表する予定であります。
※3 電力等の契約に基づいて購入した電力等の排出係数により排出量を算定しております。
※4 国や地域の特定のロケーションにおける平均的な発電排出係数に基づいて排出量を算定しております。
②人的資本に関する指標及び目標
当社は、「一般事業主行動計画」及び「女性活躍促進法に基づく一般事業主行動計画」を策定・公表しており、従業員がともに仕事と子育てを両立させ、従業員全員が働きやすい環境を作ることによって、全ての従業員がその能力を十分に発揮できるように努めております。
現在の計画期間は2022年1月から2024年12月の3年間となっておりますので、人的資本に関する指標に対する具体的目標と併せて、2025年以降の計画についても、策定する予定であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) リスク管理体制
当社グループでは、「マテリアリティ」への対応をより確実なものとするため、リスク管理体制の整備とその高度化に努めております。
従来から当社グループでは、事業の円滑な運営を阻害するリスクについて、9つのリスク区分を設定し、リスクの把握、評価、対策を通じた全社的なリスク管理を行ってきましたが、サステナビリティ等の新たな領域のリスク管理の必要性を踏まえ、現在は、戦略の遂行において克服すべきリスクを包含した、新たなフレームワークによりリスク管理を行っております。
具体的には、戦略の遂行において克服すべきリスク領域(「戦略リスク」)において、新たに気候変動等のリスク区分を設定、また事業の円滑な運営を阻害するリスク領域(「オペレーショナルリスク」)に、従来からのリスク区分を集約し、これらのリスクを一元的に可視化、全社的に共有・議論することで、より実効的なリスク管理を行っております。
「戦略リスク」の領域では、下表の4つのリスク区分を設定し、リスクへの対策のみならず、機会への取組みを推進しております。「オペレーショナルリスク」の領域では、従来からの9つのリスク区分を設定し、継続してリスクへの対策を強化しております。
(2) リスク管理体制の運用
当社グループでは、ボトムアップ及びトップダウンの両面から、定期的にリスクを把握・評価し、リスクへの対策と機会への取組みを推進しております。
ボトムアップでの側面では、「戦略リスク」「オペレーショナルリスク」の全てのリスク区分において、各々のリスク管理部署が、リスクアセスメントによるリスクの把握、評価を通じて、優先的に対策し取組むべきリスクを特定しております。
トップダウンの側面では、ボトムアップで洗い出された優先的に対策し取組むべきリスクを参考に、経営陣としての中長期の戦略的視点や環境認識も含め、新たにリスクの把握、評価を行っております。その後、リスク対策・コンプライアンス委員会や取締役会での審議を経て、当社グループとして重点的に対策し取組むべき「重要リスク」を決定しております。
リスク対策・コンプライアンス委員会は、経営陣を中心に構成され、四半期毎に開催されております。そこでは「重要リスク」の審議やモニタリングを行っております。
(3) 重要リスク
当社グループとして決定した「重要リスク」は下表のとおりです。
これらのリスクの内容と対応策は「(4)重要リスクの内容と対策・取組み」に記述しております。
(4) 重要リスクの内容と対策・取組み
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1.気候変動リスク |
関連マテリアリティ |
環境配慮型不動産の企画開発・運用 気候変動の緩和への貢献 |
|
|
影響度 |
<経済損失>中、<信用・評判>大 |
将来の見通し |
↑ |
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内容 |
気候変動がもたらす風水害等の物理的リスクや、諸制度の変化等の移行リスクが顕在化した場合、当社グループの事業環境が想定を超えて変化する可能性や、リスクへの対応の不十分性が発露する可能性があり、売上高の減少や信用・評判の毀損等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
||
|
対策・ 取組み |
当社グループでは、気候変動への対応を「マテリアリティ」として位置づけ、アクションプランを推進し、企業理念「不動産を通じて豊かな社会を実現する」を追求してまいります。 |
||
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2.人材確保に関するリスク |
関連マテリアリティ |
人的資本経営の推進 |
|
|
影響度 |
<経済損失>中、<信用・評判>小 <事業継続>中 |
将来の見通し |
↑ |
|
内容 |
少子高齢化や感染症の拡大がもたらした行動変化、サステナビリティの重要性の高まり等により、当社グループを取り巻く社会構造や事業環境が大きく変化するなか、新たな価値を創造し続け、競争優位性を確保していくための原動力は人材であると考えております。人材の継続的な確保や育成ができない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
||
|
対策・ 取組み |
当社グループでは、長時間労働の削減や有給休暇の取得奨励はもちろん、フレックスタイム制や在宅勤務制度等、社員の多様な働き方に対応した施策を導入しております。また階層別やテーマ別での様々な研修を実施する等、社員の成長に向けた投資を推進しており、社員に選ばれる企業を目指しております。 |
||
|
3.新規事業等に関するリスク |
関連マテリアリティ |
収益構造の最適化 不動産×DXの推進 |
|
|
影響度 |
<経済損失>大、<信用・評判>小 |
将来の見通し |
↑ |
|
内容 |
収益構造の多様化による安定的な事業基盤の構築に向け、新規事業の立ち上げ等に取組んでおりますが、新規事業への参入には様々なリスクを伴います。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
||
|
対策・ 取組み |
当社グループでは、リスクを極小化し、またリスクが顕在化した場合の影響を最小限にとどめるため、「事業投資等に関する規程」を制定し、その推進体制や参入・撤退基準、並びにモニタリング方法を明確化する等の内部管理体制を整備しております。また新たな関係会社の増加に備え、「関係会社管理規程」を制定し、定期的に報告を求め、適宜指示する体制を整備しております。 |
||
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4.特定販売先・商品等への依存リスク |
関連マテリアリティ |
収益構造の最適化 |
|
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影響度 |
<経済損失>大 |
将来の見通し |
↑ |
|
内容 |
当社グループは機関投資家向けの1棟バルク販売に注力しております。金利政策の変更、世界的な景気後退、地政学的リスクの顕在化等により、機関投資家の購買意欲・価格目線が低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
||
|
対策・ 取組み |
当社グループでは、不動産の環境対応等により、差別化・高付加価値化等を図り、投資家への訴求力の最大化に努めております。中長期的には、新規事業やストックビジネスの強化により、景気変動等の外部環境変化に対応可能なビジネスモデルへの変革に取組んでまいります。 |
||
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5.有利子負債への依存リスク |
関連マテリアリティ |
資本効率の最適化と財務健全性の両立 |
|
|
影響度 |
<経済損失>中、<信用・評判>大 <事業継続>大 |
将来の見通し |
↑ |
|
内容 |
当社グループは、物件の仕入等において、必要資金の大部分を、金融機関からの有利子負債により賄っております。そのため市場金利の上昇局面においては、資金調達コストが増加する可能性があります。また財務の安全性指標の悪化等により、資金調達に支障を来すこととなる場合には、事業継続への影響や信用・評判への影響が生じ、売上高の減少等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
||
|
対策・ 取組み |
当社グループでは、オフバランス開発の強化に取組むとともに、中長期的な財務戦略のもと、取引金融機関の構成の見直しやバランスシート思考の推進等により、各種財務指標の改善に取組んでおります。 |
||
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6.重大な法令違反リスク |
関連マテリアリティ |
- |
|
|
影響度 |
<経済損失>小、<信用・評判>大 <事業継続>大 |
将来の見通し |
→ |
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内容 |
当社グループの属する不動産業界は、宅地建物取引業法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、不動産特定共同事業法、マンションの管理の適正化の推進に関する法律等、多数の法的規制を受けております。 法令対応等が疎漏した場合や法令違反が生じた場合は、業務停止等の行政処分が下される可能性があり、また信用・評判への影響から、売上高の減少等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対策・ 取組み |
当社グループでは、常時、法令等改正に係る情報収集に努めており、これらに迅速に対応する社内体制を整備しております。 またリスク対策・コンプライアンス委員会で審議したコンプライアンス計画に基づき、コンプライアンス研修を社員に対し定期的に行う等、コンプライアンスの徹底に努めております。 |
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7.サイバーセキュリティリスク |
関連マテリアリティ |
- |
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影響度 |
<経済損失>小、<信用・評判>大 <事業継続>中 |
将来の見通し |
→ |
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内容 |
サイバー攻撃や不正アクセス等により、情報システムが正常に利用できない場合や個人情報等が漏えいした場合、事業継続への影響や信用・評判への影響が生じ、売上高の減少等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対策・ 取組み |
当社グループでは、「マテリアリティ」としてDXへの取組みを推進しており、情報セキュリティの重要性はこれまで以上に高まっております。 ハード面では、ネットワーク防御機器(UTM)の強化等を推進し、サイバー攻撃に対する防御力の向上に努めております。ソフト面では、情報セキュリティ基本方針やプライバシーポリシー等を整備し、また社員への定期的な教育・啓蒙を図ることで、組織全体のセキュリティレベルの向上に努めております。 |
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8.災害・パンデミックリスク |
関連マテリアリティ |
- |
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影響度 |
<経済損失>大、<事業継続>中 <生命・身体>中 |
将来の見通し |
→ |
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内容 |
年初に発生した能登半島地震等の大地震や風水害等の自然災害、戦争やテロ等の人為的災害、並びに感染症の蔓延により、従業者や当社グループが保有・管理している資産が被災した場合、当社グループの事業継続や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対策・ 取組み |
当社グループでは、災害発生時の防災や減災を推進するため「事業継続管理規程」を制定し、各種の災害に対し、事業継続計画(BCP)を策定し、非常時の指揮命令系統、事業継続のための行動計画等を定めております。また通常時においては、同規程に基づき、定期的に大規模災害を想定した訓練を実施し、事業継続計画(BCP)に定められた対応の確認(役職員の生命や安全の確保、指揮命令系統の確立、事業復旧等)を行っております。 |
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9.品質不良に関するリスク |
関連マテリアリティ |
安全・安心な不動産の提供 |
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影響度 |
<経済損失>大、<信用・評判>大、 <生命・身体>小 |
将来の見通し |
→ |
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内容 |
不動産開発事業において設計・施工等の不備が発生した場合、またプロパティマネジメント事業において管理上の不備が発生した場合は、当社グループの信用の毀損、想定外の費用の発生及び開発計画の遅延が生じる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対策・ 取組み |
不動産開発事業においては、一定の信用力・技術力を有する第三者に建物の設計・施工業務等を発注し、その設計・施工における品質を確保するため、当社グループにて独自の品質基準を定め、設計・施工業務等の発注先による遵守徹底を図るとともに、発注者として施工状況の確認及び品質検査を実施しております。プロパティマネジメント事業においては、業務内容に応じたマニュアルを策定の上、研修・OJTを通じて業務品質を確保しております。 |
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10.原材料費・人件費高騰リスク |
関連マテリアリティ |
- |
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影響度 |
<経済損失>大 |
将来の見通し |
↑ |
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内容 |
当社グループの各事業は、建築工事費、エネルギーコスト、人件費等、各種原価の価格変動にさらされております。 当社グループの各事業において、各種原価の上昇分を販売価格や賃料等に反映できず、収益性が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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対策・ 取組み |
当社グループでは、各種原価の価格変動の要因・動向を注視し、適切な対策を講じることにより、各種原価のコントロールに努めております。 |
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(5) 危機管理体制
当社グループでは、リスク事象が発生した場合に備え「リスク事象報告」制度を設け、リスク管理部署による適切な原因分析と再発防止策の実施を推進しております。
またリスク事象が当社の定める緊急事態に相当する場合には、事業継続管理体制に基づく緊急対策本部が設置され、経営陣の指揮の下、トラブル対応、再発防止対応がなされる体制を整備しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
(資産)
流動資産は28,232,366千円(前連結会計年度末比2,319,372千円減)となりました。主な内訳は、仕掛販売用不動産14,805,345千円(同5,000,249千円減)、販売用不動産3,138,868千円(同2,808,732千円減)、現金及び預金8,648,909千円(同5,117,373千円増)であります。
当連結会計年度末において、固定資産は3,815,169千円(同2,047,119千円増)となりました。主な内訳は、有形固定資産3,209,419千円(同1,901,601千円増)であります。
(負債)
流動負債は14,041,739千円(同524,025千円減)となりました。主な内訳は、短期借入金2,628,042千円(同2,295,889千円減)、1年内返済予定の長期借入金8,230,907千円(同1,672,963千円増)、未払金1,628,914千円(同178,421千円減)であります。
当連結会計年度末において、固定負債9,066,279千円(同2,241,258千円減)となりました。主な内訳は、長期借入金8,707,854千円(同2,312,482千円減)であります。
(純資産)
純資産合計は8,939,516千円(同2,493,030千円増)となりました。主な内訳は、利益剰余金7,992,634千円(同2,460,809千円増)であります。
ロ.経営成績
当連結会計年度におきましては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果、また新型コロナウイルス感染症の
感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことによる規制の緩和やインバウンド需要の回復、個人消費の持
ち直し等、国内経済活動の正常化が進みました。一方で、原材料価格、エネルギー価格の高騰や物価上昇の継
続、また世界的な金融引き締めの影響など、世界経済は依然として先行き不透明な状況が続いており引き続き注
意を要する状況にあります。
当社グループが属する不動産業界におきましては、世界的な原材料高による建築コストの高騰や優良用地不足
による用地価格の高騰などの懸念はありますが、日本の低金利と円安を背景に国内及び海外投資家による、国内
不動産への投資需要は底堅く推移しております。
このような経済状況のもと、当社グループは、レジデンス(マンション)商品の開発・販売を中心として事業展
開をしてまいりました。当連結会計年度において、成長戦略に掲げているレジデンスの1棟バルク販売「まとめ
て販売」の推進により高付加価値化が実現した物件の引渡しが進み、1棟及び区分販売にて計1,079戸を販売いた
しました。また、非レジデンス領域の新規事業である用地仕入事業につきまして、4物件の土地企画販売を実現
しました。高付加価値化による売上総利益の向上、販売効率化による経費抑制、新規事業の計画前倒しが実現
し、順調に事業が進捗しました。
2022年に発表した3ヶ年の中期経営計画の進捗につきましても、ZEH、BELS認証を取得した環境配慮型建築物件
を含む物件仕入数について計画を上回っており、新規事業である非レジデンス領域の用地仕入事業、ビルディン
グ事業についても着実に推進できております。また、DX領域におけるIT関連事業を行う子会社を設立し、今後の
収益貢献が期待される事業を開始しております。2024年12月期は中期経営計画の最終年度になりますが、当初の
中期経営計画にて掲げた売上高500億円を上方修正し売上高は600億円、経常利益は計画どおり50億円の達成に向
けて引き続き順調な進捗状況であります。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高41,258,887千円(前年同期比15.7%増)、営業利益4,586,942千円
(同65.2%増)、経常利益4,260,665千円(同87.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,878,780千円(同
97.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度における当社グループの報告セグメントは、不動産ソリューション事業の単一セグメン
トとなったことから、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、8,571,907千円(前年同期比148.3%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により得られた資金は10,360,296千円(前年同期は8,290,205千円の支出)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額7,797,474千円、税金等調整前当期純利益の計上4,259,622千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により支出した資金は1,986,986千円(前年同期は4,921千円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,944,387千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により支出した資金は3,253,136千円(前年同期は9,306,171千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入れによる収入9,882,766千円、長期借入れによる収入6,416,406千円、短期借入金の返済による支出12,178,655千円、長期借入金の返済による支出7,107,747千円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
該当事項はありません。
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。当連結会計年度における当社グループの報告セグメントは、不動産ソリューション事業の単一セグメントとなったため、セグメント別の記載はしておりません。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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戸数 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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不動産ソリューション事業 |
1,079 |
41,258,887 |
115.7 |
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合計 |
1,079 |
41,258,887 |
115.7 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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販売先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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合同会社円海山 |
12,981,500 |
36.4 |
- |
- |
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合同会社筑波山 |
9,403,100 |
26.4 |
- |
- |
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JMガンマメンサ2合同会社 |
- |
- |
9,629,000 |
23.3 |
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合同会社オルタナ16 |
- |
- |
6,336,800 |
15.4 |
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JMガンマメンサ1合同会社 |
- |
- |
5,982,000 |
14.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末に比べて272,252千円減少し、32,047,535千円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて仕掛販売用不動産が5,000,249千円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債については、前連結会計年度末に比べて2,765,283千円減少し、23,108,018千円となりました。これは主に前連結会計年度末に比べて長期借入金が2,312,482千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産については、前連結会計年度末に比べて2,493,030千円増加し、8,939,516千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益2,878,780千円を計上したことによるものであります。
ロ.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は41,258,887千円となり、過去最高を更新いたしました。「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中期経営計画」において記載のとおり、2022年中期経営計画の成長戦略として進めている1棟バルク販売が計画どおりに進捗し、また、非レジデンス領域である用地仕入事業が計画を前倒して実績計上する等、売上高の計画達成に大きく寄与いたしました。当連結会計年度の総販売戸数1,079戸のうち、約90%に当たる971戸が1棟販売によるものであります。用地仕入事業は2024年12月期以降の収益貢献を見込んでおりましたが、事業法人等からの引き合いが多くあり4案件を売却しました。主な事業であるレジデンス領域のマンション仕入販売に加え、新規事業である非レジデンス領域の用地仕入事業等についても順調に推移しているため、中期経営計画を達成に向けて着実に進捗していると認識しております。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益率は18.7%となり、前連結会計年度の売上総利益率16.4%から2.2ポイント向上しました。売上高と同様に、売上総利益についても1棟バルク販売による高付加価値化を通じた結果であると認識しております。今後につきましても、1棟バルク販売及び環境配慮型建築物件の供給により付加価値を向上させ、更に売却タイミングの柔軟化(物件竣工前に開発プラン付き用地を売却)を行うことで、金利上昇や建築費高騰による原価の上昇に対応してまいります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は3,119,508千円となりました。1棟バルク販売の推進等により販売の効率化を進めることで、売上高及び売上総利益の伸長に対して販売費及び一般管理費の増加を抑制しました。その結果、当連結会計年度の営業利益率は11.1%となり、前連結会計年度の営業利益率7.8%から3.3ポイント上昇しました。
(営業外損益及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は投資事業組合運用益73,159千円、持分法による投資利益35,441千円の計上等により124,776千円となりました。当連結会計年度の営業外費用は支払利息354,876千円、支払手数料83,059千円の計上等により451,054千円となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は4,260,665千円となり、期初に予想した計画である3,300,000千円を960,665千円上回りました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,878,780千円となり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益につきましても、過去最高となりました。
なお、2024年12月期以降に販売する物件パイプラインの積み上げも計画どおり進んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、下記のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは販売用不動産・仕掛販売用不動産取得に伴うものであり、その調達手段は主として金融機関からの借入金によっております。販売用不動産・仕掛販売用不動産取得以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則としつつも一部借入を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制、不動産市況、事業体制等、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。このため、事業環境を注視するとともに、仕入ルートの拡充、優秀な人材の育成・採用、財務体質の強化、コーポレート・ガバナンスの強化等によりこれらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社は、2023年4月18日開催の取締役会において、譲渡制限付株式報酬として新株の発行を行うことを決議し、
2023年5月8日に払込が完了いたしました。
該当事項はありません。