第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「世界中の人と企業の創造がめぐる社会へ」というミッションのもと、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供やSNS活用を中心としたソリューション提供等により、顧客企業のマーケティングを支援する事業を国内・海外で展開し、企業価値・株主価値の向上を目指しております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループの中長期戦略としましては、マーケティングDX支援事業のオーガニック成長に加え、M&A及び新領域の開拓による業容拡大を模索し、非連続成長を実現することを掲げております。

オーガニック成長としては、プロダクトの進化、施策実行力の増強、提案メニューの拡充、カスタマーサクセス強化といったことを着実に実行してまいります。また、AI(人工知能)による業務効率化を当連結会計年度において推進してまいりましたが、今後も着実に実施してまいります。

国内SaaS事業につきましては、販促・制作におけるデジタルマーケティングにおいて、マルチプロダクト戦略により競争優位性を強化し、更なる成長加速をしてまいります。

海外SaaS事業につきましては、ゲーム業界で培った経験・アセットをもとに、グローバルの制作市場でのシェア獲得を推進してまいります。

ソリューション事業につきましては、高単価中心から低額かつアカウント数増加に戦略変更することで、四半期ごとの売上変動を少なくしていき、右肩上がりの業績推移を目指してまいります。

中国進出支援事業におきましては、マーケット影響を受けやすい事業性質であるため、ストック売上比率を増加させることで業績のブレを少なくしてまいります。

M&Aにつきましては、①既存事業とシナジーの高い企業の獲得、②新領域の事業性質を持つ企業の獲得を検討してまいります。

 

(3)経営環境

現在、日本企業を取り巻く環境は、人口の減少及び市場の超成熟化、政府が推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)による本格的なデジタル・ソーシャル時代の到来、インバウンド市場の拡大などを背景に、集客をグローバルに行う時代へと大きく変化しています。かかる変化に対応するため、当社グループが事業を行う企業のマーケティング領域においては、国内市場ではファンとの関係性を強化していくこと、デジタル・ソーシャルを積極的に活用していくこと、加えて国内市場のみならず越境・インバウンドも含めたグローバル市場からも新規顧客を獲得していくことが必要となっており、そのマーケティング手法やサービス形態が日々進化している段階であります。

当社グループは、デジタル・ソーシャル等を活用したマーケティング支援を行っており、当社の売上の多くは顧客企業における広告費予算のうち、インターネット広告費に区分されております。日本におきましては、2023年の日本の広告費全体が7兆3,167億円で前期比103.0%のところ、インターネット広告費は、3兆3,330億円と前期比107.8%増となっており、マスコミ四媒体広告費2兆3,161億円(前期比96.6%)を大きく上回る結果となりました。さらに、インターネット広告費のうち、ソーシャル広告は前期比13.3%増の9,735億円となり、インターネット広告媒体費全体の36.2%を占めるまでに一段と成長しております。また、当社のSaaS事業における売上の一部は、物販系ECプラットフォーム広告費としても分類されますが、2023年の同広告費は前期比110.1%となる2,101億円となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした生活者の行動様式の変化に伴い物販系ECプラットフォームを持つ企業が増加し、ECでの購買活動が浸透しつつあることに連動して、ECでの商品購入を促す目的の広告も増加しております。(※1)

当社グループは、このような環境を踏まえ、マーケットのニーズに合わせて各種事業の展開を図る方針であります。具体的には、ソフトウェアの機能追加・改良、自社サービスの認知度向上等に加え、プロフェッショナル人材の獲得に積極的な投資を行い、サービス拡大に努めてまいります。また、基幹事業で得たマーケティングに関連したデータを適切に蓄積し、効果的に活用するサービスを展開し、事業領域の拡大及び事業進化を目指してまいります。更に、国内で蓄積したノウハウや開発技術力を生かし、グローバルへの展開も進めてまいります。

(※1)「2023年日本の広告費」(株式会社電通)、「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(株式会社サイバー・コミュニケーションズ、株式会社D2C、株式会社電通、株式会社電通デジタル)

 

(4)目標とする経営指標

当社グループは継続的な事業の発展と企業価値向上のため、売上高、及び営業利益とそれぞれの成長率を重要な指標としております。

 

 

2023年12月期(実績)

(百万円)

2024年12月期(予想)

(百万円)

前期比

売上高

4,144

4,000

△3.5%

営業利益

258

250

△3.4%

経常利益

314

250

△20.4%

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△146

50

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①収益基盤の強化

グループ全体としての収益基盤を強化するうえで、各事業における対処すべき課題は次のとおりと認識しております。

 

<国内3事業>

国内3事業は安定的に収益を拡大しておりますが、マーケティング業界では、新たなサービスや競合他社が次々と現れることから、他社とのサービスの差別化、競合優位性の確立のために、SaaSツールの機能強化や開発体制の構築・維持、さらには当社グループが持つ企画力及び技術力等を活かしたクオリティの高い人材の採用及び育成が課題と認識しております。

そのため、当社グループでは、日本、ベトナム等グローバルでの人材獲得及び開発体制を構築し、常に最新の技術を取り入れるとともに、戦略立案・提案力や実行力のあるマーケティング人材の増強を図ってまいります。

 

<海外事業>

連結子会社であるCreadits Pte. Ltd.において広告クリエイティブの制作・提供を行っております。2023年度におきましてはメインターゲットであるゲーム業界において、新型コロナ情勢の落ち着きによる巣ごもり需要の減少およびiOS/アンドロイドのプライバシー強化に伴うターゲティング精度の低下などの環境の変化を受けて年初から業績が安定せず、さらに2023年後半も大規模な整理を実施した企業も見られるなどゲーム業界全体が不安定な事業環境が続いたことで、第4四半期で高単価顧客の解約が発生いたしました。また、下期から追加した「ゲーム制作の管理・運用支援」の本格展開が遅れ、想定したような業績への貢献を得ることができませんでした。さらには、一部顧客の売掛債権の回収が見込めなくなったことに伴い、貸倒引当金を特別損失として計上いたしました。これらの結果、グループ全体の業績を大きく引き下げることとなり、再度業績予想を下方修正いたしました。

このような状況は、事業環境の変化のみならず、管理体制の甘さも一因であると考えております。そのため、2024年におきましては、同社のガバナンス強化をグループの最優先課題と位置づけ、構造改革や体制強化を進めてまいります。

 

②財務基盤の維持・強化

当社グループの財務の方針は、健全な財務基盤を維持しつつ、マーケティングDX支援事業の中長期的な成長のための投資を行うことを基本方針としております。2023年12月末時点において、現預金1,844,956千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)は268,762千円であり、自己資本比率は73.1%であります。

投資については、営業キャッシュ・フローの範囲内で行うことを目標としておりますが、企業価値を大きく向上させる投資が必要な場合に備え、金融機関との良好な関係の維持等、資金調達の環境を整えてまいります。

また、投資有価証券の売却等、資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、負債を適正な水準に留め、資本コストを意識した経営を進めてまいります。

 

③コーポレート・ガバナンスの推進

現在、当社グループは成長期にありますが、今後の持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化が重要な課題であると考えております。具体的には、経営の健全化、公正性の観点からコーポレート・ガバナンスの実効性を一層強化するため、リスク管理、内部統制の体制を強固なものとし、さらにコンプライアンスへの取り組みを強化することが必要であると考えております。

これらの課題に対処するため、管理担当の取締役を選任するとともに、経営環境の変化に対応した投資戦略・財務管理の方針の策定や独立社外取締役の活用、取締役会の多様性など、信頼性の向上と自浄能力の増強に努めてまいります。加えて、改訂コーポレート・ガバナンス・コードへ的確に対応してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループはサステナビリティを企業経営にも取り入れ、環境、社会、ガバナンスの三つの要素をバランスよく考慮した経営を実践しています。

 以下は、当連結会計年度末現在における当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の主要なポイントです。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは「世界中の人と企業の創造がめぐる社会へ」をミッションとしており、達成には当社グループ自身もサステナブルな企業経営が不可欠だと考えております。そのため、サステナビリティに関連するリスクと機会を評価し、効果的に管理するためのガバナンス体制を整備いたします。そして、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて透明性・誠実性を高め、持続可能な企業文化を構築してまいります。

 なお、当社グループのコーポレート・ガバナンス体制は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載の通りであり、サステナビリティへの取り組みについても、この体制のもとで運営しております。

 

(2)戦略

 当社グループは人間の創造性こそが、変化の激しい現代社会における企業の最大の競争優位性であると考えております。常に新たな課題に直面する現代社会において、企業が生き残るためには、変化に対応できる柔軟な思考と、新たな価値を生み出す創造性が不可欠です。当社グループでは、従業員の多様性と包摂性に焦点を当て、失敗を恐れず挑戦を奨励する企業文化の醸成に取り組んでおります。そして、従業員が安心して自分のアイデアを表現し、自由に創造性を発揮することができる環境の整備を進め、企業全体の競争力強化を目指しております。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループでは、リスクの評価、対応について、現在は各部門やグループ会社で管理可能なリスクについては各組織が中心となって対応し、取締役会において進捗管理しております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。今後はより精度の高いリスク管理を目指し、リスクマネジメントの総合的アプローチを採用した専門委員会の設置も検討いたしております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、「(2) 戦略」で掲げる従業員の多様性と包摂性を重視した企業文化の醸成と事業環境の整備に積極的に取り組んでおりますが、本報告書提出日現在においては、これらの取り組みの効果を評価するためのデータ収集に努めており、具体的な目標設定は今後の課題としております。今後、収集したデータの分析に基づき、適切な目標設定及び開示項目を検討してまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業に関するリスク

① SNSに関するリスク

 当社グループでは、デジタル・ソーシャルに強いマーケティング支援を行っており、とりわけFacebook、Instagram、X(旧Twitter)などのSNSを活用したマーケティング支援を行っております。これらのSNSは、自社で運用しているものではないことから、1)新たなSNSの登場により既存のSNSの影響力が低下するリスク、2)SNS運営事業者の広告に関する方針変更により、当社グループが提供するサービスが突如として規制対象となるリスク、3)連携するSNSサービスの不具合により当社サービスが利用できなくなるリスク、4)顧客企業の広告予算の月ごとの変動により業績が変動しやすいリスクがあると認識しております。

 当社グループは、これらのリスクに対応するため、SNS運営事業者との連携を強化するとともに、特定のSNSに依存し過ぎないサービスの設計等を進めておりますが、これらのリスクが急激に発生・拡大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成に関するリスク

 当社グループでは、SaaSツールの提供とデジタルマーケティング人材によるソリューションの提供を2つの柱として事業を展開しておりますが、事業の展開及び拡大にあたってはSaaSツールの開発人材、営業人材、SNSを利用したマーケティング施策の立案・実行が可能な人材が必要不可欠となります。

 当社グループは今後の事業拡大に応じて必要な人材の確保と育成に努めていく方針でありますが、必要な人材の確保が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ システム障害のリスク

 当社グループが提供するソフトウエアの不具合、連携するSNSサービスの不具合、サイトへのアクセスの急増等の一時的な過負荷や電力供給の停止、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故等、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピューター又は当社サービスのシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。

 また、サーバーの作動不能や欠陥に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、損害賠償請求が発生する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)経営環境に関するリスク

① インターネット広告市場に関するリスク

 当社グループが対象とするインターネット広告市場は、2021年にマスコミ四媒体広告費を上回った以降も成長を続けており、今後も当該市場は拡大していくものと推測されます。

 しかしながら、企業の広告宣伝活動は景気動向や業績、事業方針の影響を受け易いものであり、また、インターネット広告は今後も他の広告媒体との競合が継続していくと考えられることから、今後においてこれらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、2023年10月に施行された『景品表示法』の改正により、ステルスマーケティング(※)を含む偽装広告や不正な情報操作が法律によって明確に禁止されました。当社グループでは、ガイドラインを作成し、適宜サイト内の確認を行う他、適法確認機能の開発等の対応を図っておりますが、広告主の不安が高まった場合等には、ソーシャルメディアを利用した広告市場の拡大に悪影響を与え、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 (※)ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。

 

 

② グローバル化によるリスク

 当社グループが事業展開しているインターネット業界は、日本、米国、欧州及び中国の社会・経済動向に大きく左右されます。さらに、それらの国または地域における、経済環境の変化やデジタル変革の進度から、国家間の紛争や政治的な問題まで、様々なリスク要因が常に存在しています。

 当社グループでは、日本、シンガポール、東南アジア地域、米国、欧州を中心に事業を展開していることから、これらのリスク動向を注視し適時に対策を講じておりますが、常に十分かつ適時の対策を講じられる保証はなく、またこのような経営環境の変化が予想を超えた場合等において、業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

③ ゲーム業界に関するリスク

 連結子会社であるCreadits Pte.Ltd.は、ゲーム業界をメインターゲットに広告クリエイティブの制作・提供を行っております。ゲーム業界は非常に変化の激しい産業であり、急激で大規模なレイオフが実際に何度も発生しております。ゲーム業界の景況感が急速に悪化する局面においては、Creadits Pte.Ltd.の業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)財務リスク

① 資金繰りに関するリスク

 当社グループは、営業活動から生じるキャッシュ・フローに加え、主として銀行からの借入金により手元資金を確保しております。取引銀行との間では良好な関係を築いておりますが、当社グループの財政状態・経営成績が悪化した場合には機動的な資金調達が困難となり、事業活動に支障が生じるリスクがあります。

 かかるリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外の連結子会社に対する貸付金に関するリスク

 当社は、海外の連結子会社Creadits Pte. Ltd.に対し、外貨建の貸付を行っております。

 当該子会社の業績は、将来の事業計画が想定どおりに進捗しなかった場合には、貸付金の全額が回収できないリスクがあります。また、当該貸付金に対し、急激な為替変動があった場合には、多額の為替差損が生じるリスクがあります。

 これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 新株予約権行使による株式価値の希薄化に関するリスク

 当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。

 今後においても同様の目的で新株予約権を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 個人情報管理に関するリスク

 当社グループはサービス提供にあたり、顧客、サービス利用会員等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。

 しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② サイトの健全性に関するリスク

 当社グループが提供するサービスを展開するSNS上では不特定多数の利用者同士が独自にコミュニケーションを図っており、こうしたコミュニケーションにおいては、他人の知的財産権、名誉、プライバシーその他の権利等の侵害が生じる危険性が存在しております。

 このため、当社グループサービスの利用者には利用規約に禁止事項を明記するとともに、利用規約に基づいた利用がされていることを確認するためにユーザーサポート体制を整備し、利用規約に違反した利用者に対してはユーザーサポートから改善要請等を行っているため、一定の健全性は維持されているものと認識しております。

 なお、利用規約に明記されている禁止事項の内容は以下となっております。

(ア)当社、他の利用者もしくは第三者の著作権、商標権等の知的財産権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為

(イ)他の会員もしくは第三者の財産、プライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、又は侵害するおそれのある行為

(ウ)特定個人の氏名・住所・電話番号・メールアドレス等第三者が見て個人を特定できる情報の提供

(エ)一人の利用者が複数のメールアドレスを利用して重複してIDを取得する行為

(オ)IDの使用を停止ないし無効にされた利用者に代わりIDを取得する行為

 しかしながら、急速な利用者数の増加による規模拡大に対しては、サイト内における不適切行為の有無等を完全に把握することは困難であり、サイト内においてトラブルが発生した場合には、規約の内容に関わらず、当社グループが法的責任を問われる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 法的規制に関するリスク

 当社グループ事業を規制する主な法規制として、(ア)「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」、(イ)「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(以下「プロバイダ責任制限法」という。)及び(ウ)「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(以下「不正アクセス禁止法」という。)があります。

 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律については、無差別かつ大量に短時間の内に送信される広告等といった迷惑メールを規制し、インターネット等を良好な環境に保つものです。また、当社グループは、プロバイダ責任制限法における「特定電気通信役務提供者」に該当し、不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信による情報の流通において他人の権利の侵害があった場合に、権利を侵害された者に対して、権利を侵害した情報を発信した者に関する情報の開示義務を課されております。また、権利を侵害した情報を当社グループが媒介したことを理由として、民法の不法行為に基づく損害賠償請求を受ける可能性もあり、これらの点に関し訴訟等の紛争が発生する可能性もあります。さらに、当社グループには、不正アクセス禁止法における「アクセス管理者」として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。

 上記に加え、公正取引委員会より2001年4月26日に公表されている「インターネット上で行われる懸賞企画の取扱いについて」、消費者庁より2011年10月28日に公表された「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」、及び2023年10月1日に施行された「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示の運用基準」についても、業界に対して影響を及ぼす可能性があります。

 その他、インターネット上の情報流通や電子商取引のあり方等については現在も様々な議論がなされており、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象として、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害・テロ・感染症等のリスク

 当社グループは、国内外に複数の事業拠点を有しております。各拠点では、不慮の災害や感染症発生等に対する防災・防疫対策等を施しておりますが、想定を超えた大規模な地震、台風や洪水等の自然災害やそれに起因する大規模停電、未知の感染症の流行、テロ等の犯罪行為等によって大きな被害を受ける可能性があります。

 それらの影響を受け、情報通信インフラの損壊・途絶及び中枢機能の障害もしくは顧客自身に大きな被害が生じた場合など、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、以下の経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 新型コロナウイルス禍を乗り越えつつある現在、日本のみならず世界全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の波は一段と強くなり、本格的なデジタル・ソーシャル時代が到来し、当社グループが事業を展開するマーケティング領域においてもDXの流れは加速しております。

 このような背景のもと、当社グループでは、企業のマーケティングDXへの対応を支援するため、自社開発のマーケティングSaaSツールの提供やSNS活用を中心としたソリューション提供といった『顧客企業と人をつなぐ』BtoBビジネスを展開しております。

 中期テーマとして「マーケティングDX支援企業として圧倒的ポジションの確立」を掲げており、2023年12月期のグループ方針といたしましては、『2025年の連結売上高100億円突破に向けて、新規顧客獲得強化とグループの総合力による更なる成長』を掲げて事業を展開いたしました。

 

イ.経営成績

 当第4四半期連結会計期間(10月-12月)においては、国内SaaS事業が四半期過去最高売上を更新するなど、国内3事業(国内SaaS事業・ソリューション事業・中国進出支援事業)については好調な推移となりました。一方、海外SaaS事業については多数の解約が発生したことを主因に売上高が大幅に減少し、営業赤字が拡大する結果となりました。ストック性が高い事業性質とは言うことができない状況となったため、ストック売上・ストック売上比率・ARR※等のKPIの開示については取り止めることといたしました。

 それに伴い、SaaSビジネスのKPIとして開示しておりました国内SaaS事業のARR+海外SaaS事業のARRの合計値であるSaaS ARR、また全社KPIとして開示しておりましたストック売上比率についても、開示を取り止めとさせていただきます。

 

※ARR:Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。ストック売上に該当するSaaSツールにおける各四半期末の

月次リカーリング売上高を12倍して算出。既存契約が更新のタイミングですべて更新される前提で、四半期末の翌月からの12ヶ月で得られると想定される売上高を表す指標

 

 通期業績といたしましては、国内は3事業全てが増収を達成し、国内3事業合計の売上高は過去最高の3,166,909千円(前期比12.0%増)となりました。しかしながら、海外事業の失速によって、当連結会計年度の売上高は4,144,860千円(前期比8.9%減)となり、売上総利益は3,111,833千円(前期比11.3%減)、営業利益は258,872千円(前期比74.5%減)、経常利益は314,242千円(前期比70.9%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は146,962千円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益806,971千円)で着地いたしました。

 

 当社の報告セグメントは、マーケティングDX支援事業の単一セグメントとしておりますが、事業区分ごとの概況は以下のとおりであります。

 

ⅰ)国内SaaS事業

 自社開発のマーケティングSaaSツールの提供及びSaaSで補いきれないマーケティングDX施策の提供、さらにはカスタマーサクセス人員がサポートすることによって、顧客企業のマーケティング人材の質的・量的な不足を補い、効率的かつ効果的に成果を上げるための支援を行っております。ダイレクトマーケティングの成果向上を実現するツール「Letro(レトロ)」、動画作成ツール「LetroStudio(レトロスタジオ)」、X(旧Twitter)によるプロモーションを効率的に行うためのツール「echoes(エコーズ)」が主要ツールとなっております。

 2023年は引き続き競争優位性を確立した「Letro」の成長に注力し、提案メニューの強化(早期立ち上げ)・営業人材の拡充等によって新規獲得を強化する戦略を主軸に事業を展開いたしました。「Letro」の新機能として、業界に先駆けて提供を開始した2023年2月の「UGC薬機法チェック機能」に続き、2023年7月に「UGC景表法チェック機能」を追加いたしました。また、LPや記事LPの制作・運用を行うサービスを「LetroSolution(レトロソリューション)」として2023年11月から正式に提供開始しました。プロダクト強化・提案メニュー拡充等により新規・既存顧客ともに単価向上を続けており、当連結会計年度末のLetro ARRは7.61億円(前年同期比64.0%増)に成長しております。また、「Letro」+「LetroStudio」のアカウント数も四半期ごとに順調な増加を続けております。

 その結果、第4四半期連結会計期間で四半期過去最高売上を更新し、当連結会計年度の売上高は1,514,594千円(前期比15.2%増)となりました。第4四半期連結会計期間のストック売上比率は62.7%(前年同期比8.0pt増)、当連結会計期間末のARRは10.80億円(前年同期比39.5%増)に拡大し、期末目標に沿った着地となりました。

 

 

ⅱ)海外SaaS事業

 シンガポールの連結子会社であるCreadits Pte. Ltd.(以下、「Creadits」という。)は、3D広告クリエイティブ制作における高品質・ハイスピード・低価格を実現する仕組みを提供するサービス「Craft(クラフト)」をグローバルに展開しております。顧客企業はメタバース時代を牽引する欧米のゲーム会社中心で、新興国分業体制による「リモートでつながったマイクロファクトリー(小型制作工場)」を構築していることが最大の強みとなっています。

 メインターゲットであるゲーム業界において、新型コロナ情勢の落ち着きによる巣ごもり需要の減少およびiOS/アンドロイドのプライバシー強化に伴うターゲティング精度の低下などにより2022年後半に売上が鈍化したことを受けて、第1四半期連結会計期間に不採算タイトルや人員の整理を行う企業が多く、広告予算を大幅に縮小する動きが見られ、複数の継続顧客(約10社)からの広告制作の一時休止が発生いたしました。その後、一時休止顧客のうち第2四半期連結会計期間では2社、第3四半期連結会計期間では3社が取引再開となるなど、ゲーム会社において収益性の高い既存タイトル・新規タイトルへのマーケティング投資は徐々に活発化し、第3四半期連結会計期間においては低単価の顧客が中心であったものの新規顧客が大幅増となり、売上は回復基調を見せました。

 しかしながら、年初にイチ早くタイトルや人員整理のアクションをした企業は膿を出し切った感がある一方で、2023年後半になってから大規模な整理を実施した企業も見られるなど不安定な事業環境が続いたことで、第4四半期連結会計期間で高単価顧客の解約が発生し、第3四半期連結会計期間で獲得した低単価顧客の多くが早期離脱したことによって、前四半期比で大幅な売上減となりました。また、下期から追加した『ゲーム制作の管理・運用支援』の本格展開が遅れ、想定通りの売上貢献を果たせなかったこと、新規獲得については一定の成果があったものの想定をビハインドしたこと等も第4四半期連結会計期間に業績が失速した原因となります。

 その結果、当連結会計年度の売上高は977,950千円(前期比43.3%減)での着地となりました。第4四半期連結会計期間での多数の解約発生を受けて、ストック性が高い事業性質とは言うことができない状況となったため、ストック売上・ストック売上比率・ARR等のKPIの開示については取り止めることといたしました。

 

ⅲ)ソリューション事業

 ファンの存在をマーケティングに活用し、ビジネスの成長を目指す概念が浸透しつつある中で、「SNS活用」や「ファンとの関係構築・強化」をキーワードに、顧客企業のマーケティングDX課題において企画立案から施策の実行までを包括的に支援する事業を行っております。売上成長の柱として顧客企業のSNS活用を支援する受託プロジェクト(SNSアカウント運用とデジタル広告運用)を中心に展開しており、昨今では、受託プロジェクトの業務効率や企画制作力を向上させるSaaSツールの開発・提供、Z世代のデジタル人材育成も推進しております。

 2023年は企画提案の強化・営業人材の拡充によって受託プロジェクトのアカウント数の増加を目指す他、低額SaaSツールをドアノック商材として業種・社数を拡大させる戦略を主軸に事業を展開いたしました。強みであるクリエイティブ制作力をベースにTikTokやYouTubeなど広告媒体を拡大させ、成果・企画提案力が向上しております。第3四半期連結会計期間は季節性による売上鈍化・一部既存顧客の広告予算削減による解約が発生したこと等により売上高が伸び悩んだものの、第4四半期連結会計期間で受託プロジェクトのアカウント数を大きく伸ばし、四半期過去最高売上となった第1四半期連結会計期間に迫る売上高となりました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は1,335,337千円(前期比7.9%増)で着地いたしました。ストック売上比率の高い事業性質ではなく、ストック売上比率は18.5%(前年同期比2.6pt減)と20%前後で推移しております。

 

ⅳ)中国進出支援事業

 近年急速に市場が拡大している越境ECへの出店による中国進出をしたい日本企業等に対し、日本の商品に愛着のある在日中国人や中華圏で人気のある日本人インフルエンサーの発信力を活用した越境ECプロモーション等の支援を展開しております。また、インバウンド市場において訪日外国人をターゲットに商品やサービスを提供したい企業への支援を行っております。

 2023年は営業人員の拡充・WEBセミナーなど露出増加によって新規獲得を強化し、インバウンド支援中心にプロジェクト数の増加を目指して事業を推進いたしました。第3四半期連結会計期間においては原発処理水放出問題の発生によって、中国で日本商品が売れにくくなったことで中国向け越境EC支援の需要が大幅減となり売上高が減少しました。第4四半期連結会計期間においては、中国SNSでの批判は10月下旬頃にピークを過ぎたものの、日本企業の中国向け越境プロモーションの抑制傾向が続き、中国ECの一大商戦期である『独身の日(11月11日)』関連の需要も減少するなど越境EC支援の売上は苦戦継続となりました。一方で、インバウンド支援については需要が更に拡大し、同支援のプロジェクト数が大幅に増加したことで、同支援売上の四半期過去最高を大幅に更新しました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は316,976千円(前期比15.2%増)で着地いたしました。ストック売上比率の高い事業性質ではないものの、ストック売上比率は17.6%(前年同期比4.0pt増)に拡大しております。

 

ロ.財政状態

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて473,839千円減少し、4,109,596千円となりました。これは主に、投資有価証券が336,473千円、現金及び預金が270,839千円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて350,171千円減少し1,013,358千円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が133,366千円、長期借入金が83,148千円、未払消費税等が59,810千円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて123,668千円減少し3,096,237千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したこと等により利益剰余金が146,962千円減少したこと等によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて270,839千円減少し、1,844,956千円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動により減少した資金は、118,552千円となりました(前年同期は338,954千円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益を103,050千円計上したこと及び減価償却費を103,959千円計上した一方で、法人税等の支払が268,362千円発生したこと、未払又は未収消費税等の増減額が116,628千円発生したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動により増加した資金は、49,088千円となりました(前年同期は66,632千円の減少)。これは主に、投資有価証券の売却による収入が199,967千円あった一方で、無形固定資産の取得による支出が128,346千円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動により減少した資金は、234,961千円となりました(前年同期は107,883千円の増加)。これは主に、長期借入金の返済による支出が216,514千円あったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループの事業はマーケティングDX支援事業を主な事業とする単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。

 

 イ.生産実績

 当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

 

 ロ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。

サービス

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

マーケティングサービス

2,821,710

76.2

927,825

72.9

CREADITSサービス

919,832

53,8

30,496

34.4

合計

3,741,542

69.1

958,321

70,4

(注)金額は、販売価格によっております。

 

 ハ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

サービス

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

マーケティングサービス

3,166,909

112.0

CREADITSサービス

977,950

56.7

合計

4,144,860

91.1

(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

イ.経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は4,144,860千円となりました。

SaaS事業の売上高が1,514,594千円、ソリューション事業の売上高が1,335,337千円、中国進出支援事業の売上高が316,976千円となり、国内3事業の売上高合計は3,166,909千円と過去最高収益を達成しました。国内3事業は好調に推移したといえます。一方、海外SaaS事業において、第4四半期連結会計期間において多くの解約が発生し、売上高が977,950千円となりました。海外SaaS事業は苦戦の1年となりました。

また、売上高の事業別推移は以下の通りであります。

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ロ.財政状態の分析

 第2四半期連結会計期間における投資有価証券売却により連結貸借対照表をスリム化しております。借入金返済や法人税等の納付により現金及び預金残高は1,844,956千円と前連結会計年度末比で270,839千円減少するも、自己資本比率は73.1%と前連結会計年度末比で4.3pt向上しております。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。

当社グループの事業活動における主な資金需要は、各事業の事業規模拡大や新規事業推進に伴う国内外の子会社における運転資本等であります。

当社グループは、主として内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達をおこなっており、これらの事業活動に必要となる資金の安定的な確保に努めております。

内部資金については、国内事業で安定的に利益剰余金を積み重ねることで維持している現預金を活用しております。

資金調達については、市場環境を勘案しながら慎重な判断のもと借入を行っております。また、当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達ができる環境を整えております。

なお、当連結会計年度末における現金及び預金残高は1,844,956千円、借入金残高は268,762千円となっております。今後も引き続き十分な手元資金を維持できるように努めてまいります。

 

③経営方針・経営戦略、経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年2月14日に公表した2024年12月期の業績予想である、売上高4,000百万円、営業利益250百万円、経常利益250百万円を目標としております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(取得による企業結合)

 当社は、2024年1月29日開催の取締役会において、Book & Entries Capital Pte.Ltd.の株式を取得して子会社化することを決議し、2024年3月18日に株式を取得いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(取得による企業結合)」に記載しております。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。