第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第15期

第16期

第17期

第18期

第19期

決算年月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

2,759,466

2,625,315

2,813,160

2,787,412

2,621,639

経常利益

(千円)

154,513

26,037

116,722

187,358

302,135

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

90,349

112,919

184,147

121,830

261,559

包括利益

(千円)

90,134

112,674

184,779

122,699

261,837

純資産額

(千円)

784,498

680,880

887,018

909,393

988,527

総資産額

(千円)

2,022,343

2,193,823

2,439,990

2,335,838

2,305,072

1株当たり純資産額

(円)

347.98

298.91

382.41

403.89

489.55

1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

40.21

50.12

81.20

55.07

125.29

潜在株式調整後1株当たり当期

純利益金額

(円)

39.64

80.71

54.91

125.22

自己資本比率

(%)

38.8

30.7

35.7

37.9

41.7

自己資本利益率

(%)

12.4

23.9

13.9

28.3

株価収益率

(倍)

41.85

14.20

12.57

6.49

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

226,081

196,258

373,753

167,876

285,603

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

128,299

163,514

10,712

56,239

33

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

57,992

206,089

120,594

200,610

246,889

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,050,483

1,292,158

1,557,292

1,470,772

1,510,054

従業員数

(人)

109

146

137

134

126

(外、平均臨時雇用者数)

22

24

24

22

16

(注)1.第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

2.第16期の自己資本利益率及び株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載しておりません。

3.従業員数は就業人員(契約社員を含み、当社グループからグループ外への出向者を除く。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員(アルバイトを含む。)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第15期

第16期

第17期

第18期

第19期

決算年月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(千円)

2,584,684

2,492,695

2,674,893

2,669,394

2,621,639

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

233,016

156,701

83,780

185,902

299,719

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

169,483

357,362

151,710

120,844

259,596

資本金

(千円)

319,477

319,477

325,717

325,777

332,437

発行済株式総数

(株)

2,252,940

2,252,940

2,277,740

2,278,140

2,296,640

純資産額

(千円)

1,060,817

710,269

883,338

903,859

980,752

総資産額

(千円)

2,218,999

2,162,110

2,379,733

2,270,882

2,286,917

1株当たり純資産額

(円)

470.64

311.96

380.79

401.37

485.58

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

-)

-)

-)

-)

-)

1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額(△)

(円)

75.43

158.63

66.89

54.63

124.35

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

74.37

66.49

54.46

124.28

自己資本比率

(%)

47.8

32.5

36.4

38.7

41.7

自己資本利益率

(%)

17.5

19.3

13.8

28.3

株価収益率

(倍)

22.31

17.24

12.67

6.54

配当性向

(%)

従業員数

(人)

91

90

87

82

78

(外、平均臨時雇用者数)

21

22

19

17

16

株主総利回り

(%)

119.1

81.7

81.6

49.0

46.4

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(99.3)

(106.6)

(120.2)

(117.2)

(150.3)

最高株価

(円)

2,077

1,720

1,270

1,645

910

最低株価

(円)

1,460

950

1,013

663

678

(注)1.当社は配当を行っておりませんので、1株当たり配当額及び配当性向については、それぞれ記載しておりません。

2.従業員数は就業人員(契約社員を含み、当社から社外への出向者を除く。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員(アルバイトを含む。)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

3.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所グロース市場におけるものであり、それ以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであります。

4.第16期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失金額であるため記載しておりません。

5.第16期の自己資本利益率及び株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第18期の期首から適用しており、第18期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

 当社代表取締役社長 古俣大介は、デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」の運営を目的として、2005年8月に株式会社オンボードを設立しました。

 現在までの沿革は下表のとおりであります。

年月

概要

2005年8月

東京都渋谷区渋谷において株式会社オンボード設立

2006年5月

デジタル素材マーケットプレイス「PIXTA」をリリースし、写真素材の販売を開始

2007年6月

「PIXTA」上でイラスト素材の販売を開始

2009年4月

ピクスタ株式会社に商号変更

2009年4月

本社を東京都目黒区中目黒に移転

2010年2月

「PIXTA」上で動画素材の販売を開始

2010年11月

本社を東京都渋谷区渋谷に移転

2013年7月

「PIXTA」英語版サイトを開設

2013年11月

シンガポール共和国シンガポール市に現地法人PIXTA ASIA PTE.LTD.を設立

2013年12月

「PIXTA」中国語版サイトを開設

2014年4月

定額制デジタル素材マーケットプレイス「Imasia(イメージア)」をリリース

2015年4月

「Imasia」サイトを「PIXTA」サイトへ統合

2015年7月

台北市に台湾支店(日商匹克斯塔圖庫股份有限公司台湾分公司)を設立(2021年6月に清算)

2015年9月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2016年2月

「PIXTA」タイ語版サイトを開設(2020年5月に閉鎖)

2016年2月

出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」を開始

2016年5月

ベトナム社会主義共和国ハノイ市に現地法人PIXTA VIETNAM CO., LTD.を設立

2016年8月

子会社としてスナップマート株式会社を設立、当該子会社において株式会社オプトインキュベートよりSnapmart(スナップマート)事業を譲受け(2023年2月に全株式を売却)

2016年12月

タイ王国バンコク市に現地法人PIXTA (THAILAND) CO., LTD.を設立(2023年12月に清算)

2017年3月

韓国のTopic Images Inc.を子会社化(2020年12月に全株式を売却)

2017年7月

「PIXTA」韓国語版サイトを開設(2023年3月に閉鎖)

2017年10月

「PIXTA」上で音楽素材の販売を開始

2018年10月

出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」のサービス提供地域が全国47都道府県に拡大

2019年8月

「PIXTA」上で4K動画素材、MP4ファイル形式素材の販売を開始

2020年11月

「PIXTA」上で動画素材の定額制プランの販売を開始

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズから東京証券取引所グロース市場に移行

2022年11月

IPコンテンツプラットフォーム「PIXTA IPコンテンツ」を開始(2023年11月にサービス終了)

2023年9月

オリジナルストックフォト制作サービス「PIXTAカスタム」を開始

「PIXTA」上で機械学習用の画像・動画の新規撮り下ろしサービスを開始

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社(ピクスタ株式会社)及び連結子会社1社(PIXTA VIETNAM CO.,LTD.)によって構成されております。当社グループは、「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指しております。その理念のもと、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の仕入から販売までを行うオンラインマーケットプレイスの運営を主たる事業としながら、さまざまな分野で才能をつなぎ、無数の感動を生み出し、その集積によって、多数のクリエイティブ・プラットフォームからなる「クリエイティブ・プラットフォーム経済圏」を実現し、2030年に200億円以上の取扱高(※)を目指して事業展開をしております。

(※クリエイティブ・プラットフォーム経済圏において行われる取引の総額)

 

1.クリエイティブ・プラットフォームについて

(1)デジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」(PIXTA事業)について

① デジタル素材とは

 「PIXTA」は、インターネット上でデジタル素材の販売を行うマーケットプレイス型のサービスです。

 デジタル素材とは、広告やコンテンツを制作するうえで、ビジュアル効果を高めるための素材として利用される写真・イラスト・動画等の素材を指します。「PIXTA」では、このデジタル素材を国内外のクリエイターからクラウドソーシング形式で収集し、素材を必要とする法人・個人向けに販売しております。

 従前、新聞・書籍・チラシ・カタログ等の紙媒体を中心とする広告等に用いられる素材は、広告代理店、デザイン制作会社といった広告制作を専門とする企業によって使用されるのが一般的でした。しかし、インターネット環境の発展や技術革新によるデジタルコンテンツの制作コストの低下を主な背景として、動画広告を含むインターネット広告やデジタルサイネージ(注1)などのデジタル販売促進ツール、電子書籍やスマートフォン(以下、スマホ)アプリなど、デジタル素材の利用範囲の裾野も広がってきております。

 このような背景のもと、「PIXTA」が取り扱うデジタル素材は広告制作会社やデザイン制作会社のみならず、出版・印刷会社、その他企業・団体など幅広い業種の法人からフリーランス等の個人まで多様な属性の購入者に利用されています。また、利用される素材の種類も写真・イラストから動画等へと多様化してきております。

 また、このような素材は、これまでは専門業者によって制作されていましたが、デジタル一眼レフカメラをはじめとした撮影・編集機材の普及により、アマチュアでもクオリティの高い素材を制作することが可能となりました。「PIXTA」では、プロ・アマチュアを問わずオンラインで素材を投稿することができるため、会社員、主婦、学生、シニア等のアマチュアクリエイターからプロのフォトグラファー、イラストレーター、ビデオグラファーまで、国内外の幅広い層のクリエイターが、時間や距離、経歴や経験など既存の枠組みにとらわれることなく素材の提供を行っております。

 

② 「PIXTA」の特徴

 「PIXTA」の素材は、すべてロイヤリティフリー・ライセンス(注2)で提供されております。購入者は、利用対価を支払うことにより、利用規約で定められた範囲において何度でも自由に利用できるデジタル素材をダウンロードすることが可能です。また「PIXTA」では、都度1点から素材を購入できる「単品販売」と、契約期間中であれば一定数に達するまで定額料金で素材をダウンロードできる「定額制販売」という2種類の販売制度を展開しており、必要なときに無駄なく素材を購入したいニーズと大量・頻繁に素材を使用したいニーズの双方に応えられる体制を構築しております。

 購入者獲得に際しては、SEO・SEM(注3)などいわゆるオンラインマーケティングにより多くの見込み客を誘導する仕組みを構築しております。また、サイトを訪れた購入者が欲しい素材をすぐ探せるようにするための検索機能の改良や、会員登録から購入までの手続を簡素化するようなサイトの利便性を高める改善を常時行っております。

 素材を提供するクリエイターへは、当該素材が実際に売れた場合に、販売価格と当社で定める「コミッション率」に応じた「獲得クレジット」を付与します。クリエイターは、保有する「獲得クレジット」が当社の定める最低支払基準額を超えた時点で、希望する金額を、希望するタイミングで換金申請することができます。

 素材のクオリティを確保するため、素材の販売にあたっては独自の審査を行っております。また、一定のクオリティを有する素材を当社にのみ提供できるクリエイターに対しては「専属クリエイター」に登録できる制度を設け、報酬の支払いや審査において優遇を行っております。さらに、一定のニーズを有する人物素材を当社にのみ継続的に提供できるクリエイターを「人物専属クリエイター」と位置づけ、人物モデルを紹介するなどの撮影サポートを行っております。このような取り組みを通じて購入者のニーズに応える素材を提供できるクリエイターの活性化を図っております。

(注1)デジタルサイネージとは

屋外や店頭などに設置された、広告や案内情報を掲載するための映像表示装置のこと。

(注2)ロイヤリティフリー・ライセンスとは

事前に取り決められた使用許諾範囲内であれば、追加の使用料(ロイヤリティ)の発生が免除されている著作物の使用権のこと。一度データを購入すれば、その後は利用規約の定める範囲で何度でも使用可能。

(注3)SEO・SEMとは

SEOとは、検索エンジンの検索結果のページの表示順の上位に自らのWebサイトが表示されるように工夫すること。SEMとは検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法のひとつ。

 

(2)出張撮影プラットフォーム「fotowa(フォトワ)」(fotowa事業)について

 「fotowa」は、当社が2016年2月に開始した、撮影してほしい人とフォトグラファーをつなぐ出張撮影プラットフォームです。ニューボーン(新生児)撮影やハーフバースデー、お宮参りや七五三等の子どもの記念日・行事等において、インターネット上で好みのフォトグラファーと時間・場所を指定して予約し、ナチュラルでおしゃれな家族の記念写真を撮影することができます。

 ライフイベントの撮影需要増加やSNSの普及による写真共有の需要の高まりを受け、個人向けの撮影サービス市場は拡大傾向にあります。

 当社が「PIXTA」で培ったクリエイターネットワークとプラットフォーム運営ノウハウを活かして「fotowa」を運営していくことにより、この市場の需要に応え、また、フォトグラファーに新たな活躍の場を提供していきたいと考えております。

 

 

 

 当社グループの事業系統図は以下のとおりであります。

 

0101010_001.png

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の

所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

PIXTA VIETNAM CO.,LTD.

ベトナム共和国ハノイ市

30,000

USドル

当社グループ内のシステム開発事業

100.0

役員の兼任

当社からの業務委託

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

PIXTA事業

62

(15)

fotowa事業

23

(0)

報告セグメント計

85

(15)

その他

18

(-)

全社(共通)

23

(1)

合計

126

(16)

(注)1.従業員数は就業人員(契約社員を含み、当社グループからグループ外への出向者を除く。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員(アルバイトを含む。)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

2.「全社(共通)」として記載している従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

 

  2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

78

16

38.18

7.01

6,240

 

セグメントの名称

従業員数(人)

PIXTA事業

33

(15)

fotowa事業

16

(0)

報告セグメント計

49

(15)

その他

10

(-)

全社(共通)

19

(1)

合計

78

(16)

(注)1.従業員数は就業人員(契約社員を含み、当社から社外への出向者を除く。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時従業員(アルバイトを含む。)の年間平均雇用人員(1日8時間換算)であります。

2.平均年間給与は、基準外賃金を含んでおります。

3.「全社(共通)」として記載している従業員数は、特定の事業に区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は安定しております。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。