第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について

 当社グループは、新たな経営体制のもと、2024年12月期以降の中期テーマを「フォーカス&シナジー」とし、これまでに築いてきた人的資本経営を基盤に、当社グループの強みを進化させながら、事業セグメント間、また事業領域内でシナジーを生み出し、複数の強い事業を持つグループとなり、中長期での持続的成長と企業価値向上を目指してまいります。

 デジタルマーケティング事業においては、「マーケティング・コミュニケーション領域」「ダイレクトビジネス領域」「データ・ソリューション領域」の3領域に区分し、事業再編と強化を進めながら領域経営を展開してまいります。また、デジタルマーケティング事業のアセットを活用したグループシナジーの創出への取り組みと各領域内からの新規事業の創出を目指してまいります。

 また、成長投資として、オーガニック成長と新規事業創出に向けた投資とデジタルマーケティング事業の各領域の成長に向けたM&Aを検討してまいります。

 

 また、当社は、当連結会計年度に当社前代表取締役による経費の不適切利用(合計約2,200万円)が判明しておりますが、監査役会の調査結果を踏まえ、当社前代表取締役による当該不適切利用が生じた原因を分析の上、以下の再発防止策を策定・実施しております。なお、当社前代表取締役から当社に対して、当該不適切利用がなされた経費の全額が返還されております。

・ コンプライアンスの徹底を企図した、役員に対する再教育の実施

・ 役員から申請された経費の妥当性についてのチェック体制の改善及び強化

・ 役員の旅費交通費使用に関する規定の厳格化及び経費処理承認プロセスの厳格化

・ 役員のハイヤー利用に関する規程を新設

・ 内部監査における経費に関する確認項目の追加、並びに役員の経費支出に関する規程の適切性及び運用の有効性の監査を継続的に実施

 当社は、今後も内部統制システムを含む管理体制の定期的な見直し、強化を行い、経費の不適切利用の再発防止に努めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

 当社グループは、企業活動を通じて社会課題の解決に貢献することこそが、当社グループのミッション「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」の実現にむけて、ステークホルダーのみなさまから求められていることだと考え、サステナビリティ活動を推進しております。

 サステナビリティ活動においては、当社グループのミッション、ビジョンを基本方針として掲げ、グループの持続的成長、企業価値の向上、サステナブルな社会の実現を目指し、積極的に活動を推進しております。

 

①ガバナンス

 当社グループは、2022年1月にCSR委員会を改組し、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を立ち上げました。当社グループ社長執行役員が委員長を務め、30歳以下の将来世代社員、女性管理職、各報告セグメントにおけるESG推進責任者、外部アドバイザーなどが構成員として参画しています。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する方針、テーマ及び施策等の検討を行い、取締役会に対して定期的に活動状況を報告しております。またサステナビリティに関連する特に重要な事項については、取締役会での決議を図っております。

 

②戦略

 当社グループでは、当社グループの持続的成長、企業価値の向上を実現するための重要課題として、以下の4つのマテリアリティを設定いたしました。

Ⅰ.気候変動への対応

Ⅱ.新しい時代をつくる人の育成による企業価値の向上

Ⅲ.クリエイティビティとテクノロジーによるなめらかな社会の実現

Ⅳ.非連続成長を支える先進的なガバナンス体制の構築

 上記マテリアリティに取り組むことで、当社グループのビジョンの達成とミッション「ひとりひとりのアントレプレナーシップで世界を元気に」の実現を目指して参ります。

 

③リスク管理

 当社グループは、当社グループの事業経営に影響を与える重要な事象を認識し、事業の発展成長を阻害するリスクを識別・分析・評価し、リスクの回避、低減、移転等の対応を実施するため、「グループリスクマネジメント規程」を整備しております。また、当社グループとして共通の方針の下に、統合的、効果的に統括、管理する機関として、グループリスクマネジメント委員会を設置しており、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを構築している他、持続的な成長を実現するため、当社グループ全体でのリスクマネジメントの推進に取り組んでいます。サステナビリティに関するリスクについてもグループリスクマネジメント委員会とサステナビリティ委員会で連携し、リスクマネジメントの推進に取り組んでおります。

 

④指標及び目標

 当社グループでは、4つのマテリアリティに対し、小区分に紐づくKPIと目標を設定しております。

 サステナビリティ委員会が各指標の実績、進捗をモニタリングし、各マテリアリティ担当を中心に目標の達成に向けて取り組みを推進して参ります。

 取組の詳細については、下記当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.septeni-holdings.co.jp/csr/policy.html

 

(2)気候変動

 当社グループは、持続可能で健全な地球環境が存在してはじめて企業運営が可能であることから、気候変動への取り組みは重要度が高いと認識しており、サステナビリティ活動のマテリアリティに位置づけて活動しております。

 こうした背景から、2023年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、TCFD提言の枠組みに基づく情報開示を実施しております。

 

①ガバナンス

 取締役会の諮問機関であり、当社グループ社長執行役員が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、サステナビリティ活動及び気候関連問題について議論・検討を行っております。また気候関連問題に対する活動状況は定期的に取締役会に報告しております。

 

②戦略

 当社グループは、気候変動がもたらすリスク、対策及び機会について、シナリオ分析を実施しました。

 シナリオ分析の詳細については、下記当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.septeni-holdings.co.jp/csr/activity/environment.html

 

③リスク管理

 サステナビリティに関するテーマの一つとして気候変動に関するリスクを特定しています。サステナビリティ推進部門を中心に、気候変動に関連するリスクと機会について、それぞれを事業への影響度で評価し重要度を検討し、サステナビリティ委員会にて決定しています。評価にあたっては、必要に応じて関連するグループ会社及び部門にヒアリングを行っております。

 抽出された気候変動に関するリスクについては、当社グループのその他のリスクと統合的に管理するためグループリスクマネジメント委員会とサステナビリティ委員会で連携し、リスクマネジメントの推進に取り組んでおります。

 

④指標及び目標

 当社グループでは、温室効果ガス排出量に関連した目標を設定しております。

 温室効果ガス排出量の実績及び削減目標の詳細については、下記当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.septeni-holdings.co.jp/csr/activity/environment.html

 

(3)人的資本

 グループビジョンの一文節目に「新しい時代をつくる人が育つ場となる」と掲げているように、セプテーニグループでは最も価値ある資産を人と捉え、その育成に注力しています。

 デジタルマーケティング事業を開始した2000年以降は市場発展とともに事業拡大を続けてきた一方で、当該事業領域のような成長産業においては即戦力となる人材の獲得競争は熾烈を極めております。このような事業環境下においては、いかにポテンシャルの高い人材を採用・育成し、定着させるかが企業競争力を大きく左右する要素と捉えております。

 そのため、当社グループは「人材育成における個別最適化と再現性」と「個々が能力発揮しやすい環境の整備」の実現に注力してきました。これらの取り組みを通じ、人的資本価値の持続的な向上を目指しております。

 

①戦略

Ⅰ.人材育成方針

 当社グループでは人材育成の概念を「育てる」ではなく、「職場で良質な経験を重ねることで“育つ”」と定義しております。これは個々人が生まれ持った個性(P:Personality)と、その人を取り巻く環境(E:Environment)の相互作用が成長(G:Growth)に影響を及ぼすという考え方に基づいており、この考え方を「育成方程式(G=P×E)」として概念化しております。

 「育成方程式」を人材育成の根幹に据え、20年以上にわたり蓄積した人材データベースとそれを解析するテクノロジーを掛け合わせることで、人材育成の個別最適化と再現性の実現に取り組んでおります((注)1)。

 また、当社の人材育成のさらなる発展を目的として、2016年に当社の一組織に「人的資産研究所」を設立しました。社内外の専門家や研究者と緊密な連携体制を築きながら品質向上に取り組んでおります。

 人材育成に関する様々な取り組みや研究成果は、下記当社ウェブサイトをご参照ください。

 https://www.septeni-holdings.co.jp/csr/activity/new-era/hr.html

 

 

Ⅱ.社内環境整備方針

 当社グループは「個々の能力が発揮されやすい環境の整備」を目的とし、継続的な人的資本投資を実施してきました。例えば「誰もが時間も場所も選ばず、価値ある仕事で、自律して活躍している状態をつくる」をコンセプトに、これまでフレックスタイム制度、在宅勤務制度、副業制度など従業員それぞれにあったワークスタイルを選べる制度を整備してきました。

 また、以前より女性の能力開発プログラムや仕事と家庭の両立支援、育休復帰者に対する支援など女性が働きやすい環境への整備を行ってきました。こうした取り組みにとどまらず、性別・年齢・国籍・人種など他の属性へのエクイティとインクルージョンの実現を目指してまいります。

 従業員の多様な働き方を支援する取り組みに加え、人材市場における競争力向上と従業員のオーナーシップ醸成を目的として、過去2回にわたる給与水準引き上げや従業員持株会における奨励金付与率の引き上げを実施してまいりました。今後も人的資本への適切な投資を通じ、従業員の働きがい向上やパフォーマンスの最大化を図ることができる体制を構築することで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

(注) 従業員データについては、当社グループの人事データ利活用の基本方針「HRガイドライン」を制定・運用し、『企業価値の向上は個人の成長によって達成される』という理念のもと、適切な管理・運用体制を構築しております。

 

②指標及び目標

 当社グループでは、提出会社及び国内連結子会社における「管理職に占める女性労働者の割合」を多様な人材の活躍状況を測るKPIとして設定し、2030年度までに30%とすることを目標としております(2023年度実績25.8%)。

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から積極的に記載しております。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の事業等のリスクを慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 また、以下の記載のうち将来に関する事項は、別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 なお、当社グループは、当社グループの事業経営に影響を与える重要な事象を認識し、事業の発展成長を阻害するリスクを識別・分析・評価し、リスクの回避、低減、移転等の対応を実施するため、「グループリスクマネジメント規程」を整備しております。また、当社グループとして共通の方針の下に、統合的、効果的に統括、管理する機関として、「グループリスクマネジメント委員会」を設置しており、リスクマネジメント活動のPDCAサイクルを構築している他、持続的な成長を実現するため、当社グループ全体でのリスクマネジメントの推進に取り組んでいます。その他、当社グループ全体のリスクマネジメント方針並びに経営戦略及びM&A等の戦略的な意思決定に係るリスクの評価、対応については、当社取締役会の専決事項とし、これらの経営判断を行う際に適切なリスク評価を行っております。

 

①インターネット広告市場の動向及び競争環境について

 当社グループが主たる事業を展開するインターネット広告業界は、市場規模が過去十数年で急速に拡大いたしました。しかしながら、インターネットに限らず広告事業は一般的に景気動向の影響を受けやすい傾向があります。今後景気が悪化し、広告主が広告費用を削減する等、市場規模が想定したほど拡大しなければ、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 また、依然として激しい競争環境の中で、当社グループは競争優位性を確立し、競争力を高めるべく様々な施策を講じております。しかしながら、必ずしもこのような施策が奏功し競争優位性の確立につながるとは限らず、その場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

②人材の確保・育成について

 当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材を採用し育成することや、業容拡大及びグローバル展開に応じて人材を継続的に確保することは、当社にとって重要な課題であると認識しております。したがって、より良い労働環境の整備、充実したサポート体制の構築、働き方改革の推進等を通じて、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、人材獲得競争の激化や人材マーケットの需給バランスその他何らかの要因により、必要な人材の確保や育成ができなかった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

③新規事業について

 当社グループは、今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、新規事業の創出や育成、新たな事業領域への参入に積極的に取り組んでいきたいと考えております。しかしながら、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

④M&A(企業買収等)による事業拡大について

 当社グループは、事業拡大を加速する手段の一つとして、M&Aを有効に活用してまいる方針です。M&Aにあたっては、対象企業の財務内容や契約関係等についての詳細な事前調査を行い、十分にリスクを検討した上で決定しておりますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業の展開等が計画どおりに進まず、のれんの減損処理を行う必要が生じた場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、企業買収等により、当社グループが従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。

 

⑤海外事業について

 当社グループは、米国、アジア諸国等の多くの海外の国・地域で積極的に事業展開しており、海外事業の存在感は徐々に高まってきております。しかしながら、海外事業においては、グローバル経済や為替等の動向、投資や競争等に関する法令・各種規制の制定や改正、商習慣の相違、労使関係、紛争・テロ、国際政治等、様々なリスク要因があり、対策について最大限の努力を払っておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑥個人情報管理について

 当社グループでは、いくつかの会社がその事業を通じて個人情報を取り扱っております。それらの会社では、「個人情報の保護に関する法律」等に則った個人情報保護方針を策定し管理体制を整備している他、「プライバシーマーク」や「ISMS」といった情報セキュリティに関する認証を積極的に取得する等、個人情報の適切な管理と流出防止については細心の注意を払っております。加えて、EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)をはじめとする、各国の個人情報保護の枠組みについても各種検討及び取り組みを進めております。しかしながら、システム上の不具合、社内外の関係者による過失や故意、犯罪行為等によって個人情報が流出する可能性は皆無ではありません。そうした事態が発生した場合、当社グループに対する損害賠償請求や信用の失墜につながる恐れがあり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑦システムリスクについて

 メディアプラットフォーム事業の大部分及びデジタルマーケティング事業の一部のサービスにおいては、サーバを中心とするコンピュータシステムからインターネットを介して顧客にサービス提供しております。これらのサービスにおいては、システムの増強やバックアップ体制の強化等、安定稼動のために常に対策を講じておりますが、機器の不具合、自然災害、想定を超える急激なアクセス増、コンピュータウィルス等により、コンピュータシステムや通信ネットワークに障害が発生した場合や不正なアクセスによりプログラム等の内容が改ざんされた場合、サービスの停止を余儀なくされる他、状況によっては顧客からの信用が低下し、損害賠償を請求される等、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑧メディアプラットフォーム事業について

 当社グループが展開するメディアプラットフォーム事業にかかる市場は、ユーザーニーズの変化が激しく競合企業も多数存在しております。当社グループは、ユーザー満足度の高いメディア、プロダクト等を提供することに努め収益の増加を目指しておりますが、ユーザーニーズの変化や競争激化に対して適切な対応がとれず魅力的なメディア、プロダクト等を提供できない場合、収益が減少する等、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、メディアプラットフォーム事業においては、SNSやアプリマーケット等のプラットフォーム事業者を通じてユーザーにコンテンツを提供しております。そのため、これらの企業の事業方針の変更等により、取引条件が改変された場合やコンテンツの提供が継続できなくなった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑨知的財産権について

 当社グループは、知的財産権の保護や管理についてその重要性を認識しており、各事業の運営にあたっては、第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っております。しかしながら、手続き上の何らかの不備や役職員の過失等により第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償や使用差し止めの請求を受け、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 一方で、当社グループが提供するサービスやコンテンツに関する知的財産権が第三者から侵害されないよう、その適切な保護に努めておりますが、何らか事情により当社グループの知的財産権が侵害された場合、競争優位性の低下等により当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑩内部管理体制について

 当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置付け、多様な施策を講じております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じた場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑪特定顧客への依存について

 デジタルマーケティング事業においては、広告予算の増加やインターネット広告の費用対効果の向上等を背景に、特定の顧客との取引が大きく拡大し、売上構成比率が高まる可能性があります。このような場合、将来的に当該顧客企業の事業方針の変更や業績動向等、何らかの理由により当社グループとの取引が大きく縮小した場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑫法的規制について

 当社グループの主な事業領域においては、事業を展開する上で著しく制約を受ける法的規制は現時点ではありません。しかしながら、インターネットの利用形態が多様化する中で、今後、関連する法令等が新たに制定された場合、既存の法令等の改正や解釈の変化が生じた場合、あるいは法令等に準ずる位置付けで業界内の自主規制が制定されその遵守を求められるといった状況が生じた場合、その内容によっては当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑬事務リスクについて

 当社グループは、業務の遂行において担当者以外の第三者による二重確認の実施や各種情報システムの活用等、業務の正確性、効率性及びセキュリティレベルを高めるための様々な施策を講じております。しかしながら、人的な対応に委ねられている業務もあり、役職員の誤認識、誤操作等により事務処理のミスが発生する可能性があります。業務の性質によっては、事務処理のミスが、安定的なサービスの供給の妨げ、経済的な損失、個人情報等の流出等に繋がる可能性があり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、社内規程や事務処理プロセスの標準化及び文書化に取り組んでおりますが、当社グループの業容拡大に伴う組織の改編、社員の増加等により、業務遂行に必要な知識の共有、継承が不十分になる可能性があり、その結果生じ得る事務処理のミスの増加や生産性の低下が、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑭企業の社会的責任について

 当社グループは、社会の持続可能な発展のために、地球環境への配慮、労働環境の整備、人権の尊重等、企業の社会的責任を重要な経営課題と認識し、その実現に向けた行動を、サプライチェーンも含むあらゆる事業活動の中で取り組んでおります。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、事業活動において、環境汚染、労働災害の発生等の労働安全衛生に係る問題、又は外国人労働者への差別等の人権に係る問題等が生じた場合、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客からの取引停止又は一部事業からの撤退等により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑮保有有価証券の急激な資産価値変動について

 当社グループは、業務提携先や投資先等の株式、余剰資金の有効活用のための各種金融商品等、個別企業の業績や金融市場の動向によって価格が大きく変動(下落)する可能性がある有価証券を保有することがあります。経済環境の急激な変化等によりこれらの資産価値が大きく下落した場合、評価損や売却損の計上を余儀なくされ利益が減少する等、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑯災害等による影響について

 当社グループが事業展開する国・地域において、自然災害や火災、気候変動に起因する異常気象(集中豪雨、洪水、水不足等)、致死率の高い強毒性の感染症等の世界的な蔓延(パンデミック)、戦争、テロリストによる攻撃等が発生した場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 また、当社グループでは事前の減災対策を行なうとともに緊急時の復旧手順や行動要領等をまとめた事業継続計画(BCP)を策定し、社員安否確認システムの整備等を通じた対策や訓練・教育を実施しておりますが、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 加えて、ウクライナ情勢、イスラエル・パレスチナ情勢等に伴う地政学的リスクや、これによる経済への影響等については、継続的に注視し適切に対応してまいります。当社グループは、直接的な影響は少ないものと認識していますが、軍事的対立が激化・長期化した場合、原燃料価格の高止まりや、世界的なインフレの加速といった間接的なリスクが顕在化し、不確実性が高まることにより、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 また、ESGの浸透を背景として、気候変動対策等の環境意識の高まりや社会意識の急速な変化、それらに伴う世界的な環境規制の強化や災害対策等の政府が推進する各種政策の変更が生じる可能性があります。外部環境の動向や変化を逐次見極めながら、迅速な対応に努めてまいりますが、事業戦略や体制の見直しが必要となった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑰風評リスクについて

 SNS等各種メディアを通じ、当社グループの事業及び役職員に関する様々な内容の情報が流布されることがあります。これらの情報の流布は、正確な情報に基づいていないもの及び憶測に基づいたものが含まれている場合があり、内容の正確性や当社グループへの該当の有無に関わらず、顧客及びユーザー、投資者等の認識又は行動に影響を及ぼす可能性があります。当社の株価に重大な影響を与えかねない内容に関する不明確な情報が発生した場合、これらの不明確な情報に対する当社グループの見解を直ちに開示する等、投資者が正しい情報に則って当社株式の評価ができるよう資本市場に適切な情報を開示します。また同時に、当社グループのコーポレートサイトを通じて適切な情報発信に努めています。しかしながら、かかる情報の流布により結果的に当社グループの社会的信用が毀損され、顧客及びユーザーの離反を招く可能性があり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

⑱株式会社電通グループとの資本業務提携について

 当社は、2018年10月30日付で株式会社電通(現商号 株式会社電通グループ)との間で資本業務提携契約を締結し、また、2021年10月28日付で株式会社電通グループとの間で新たな資本業務提携契約を締結しております。現在、当該資本業務提携契約に基づき、上場会社としての当社の独立性・自主性を維持のうえ、株式会社電通グループとの間で密接な事業上の協働関係を構築し、事業シナジーを最大化させるべく様々な施策に取り組んでおりますが、事後的に発生した想定外の事象や環境の変化等によって、当初期待した効果が得られない可能性がある他、将来、何らかの事由により資本業務提携が終了する可能性があります。これらの要因により、株式会社電通グループとの資本業務提携は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績に関する分析

 当社は決算期変更に伴い、当連結会計年度は2022年10月1日から2023年12月31日までの15ヶ月間となっており、財務報告ベースでの連結業績の対前期増減率は記載しておりません。

 また、コミックスマート株式会社及びその子会社等の業績を非継続事業に組替表示しているため、収益、営業利益、Non-GAAP営業利益及び税引前当期利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。

 なお、参考として当社グループの会計期間を前期・当期ともに1月から12月までの12ヶ月間と仮定した場合の暦年ベースにおける損益の状況と対前期増減率を記載しております。

 

(当期の経営成績)

 国内における2022年のスマートフォン個人保有率は77.3%まで伸長し、とりわけ20〜50代においては9割以上の高水準で普及し、量的拡大が進行しております。それとともに保有者一人一人の利用目的についても、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用率の高まりに伴って多様化しており、質的にも顕著な変化がうかがわれます(出所:総務省「令和4年版通信利用動向調査」)。このようにスマートフォンがインターネット利用デバイスの主流となる中で、各種サービス・アプリケーション市場においては、動画、音楽、電子書籍を始めとするコンテンツへの拡大が加速しているほか、ソーシャルメディアの活用方法もコミュニケーションのみに留まらず、決済や購買などの領域にも広がり、その影響力をより一層強めていることから、それぞれのメディア特性やデータ、AIを活用したマーケティング支援の需要は一段と高まっております。また、2022年の日本の広告市場においてインターネット広告費は3兆912億円(前年比114.3%)に達し、マスコミ四媒体広告費(2兆3,985億円、前年比97.7%)を上回っています(出所:株式会社電通「2022年日本の広告費」)。このように、コロナ禍を契機にあらゆる産業界においてデジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)の大きな波が生まれ、広告業界においてもデジタルマーケティングの需要がより一層高まっております。

 このような環境のもと、主力であるデジタルマーケティング事業では、景気の影響を受けながらも新規顧客の獲得や既存案件の拡大、電通グループとの協業を推進いたしました。また、人的投資の強化を中心とした先行投資を実施いたしました。

 これらの結果、収益は34,267百万円、営業利益は4,949百万円、Non-GAAP営業利益は5,091百万円、税引前当期利益は6,652百万円、当期利益は4,267百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は4,319百万円となりました。

 

 当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下、Non-GAAP指標)及びIFRSに基づく指標の双方によって、連結経営成績を開示しております。Non-GAAP営業利益は、IFRSに基づく営業利益から、買収行為に関連する損益及び一時的要因を排除した、恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来の見通しを理解する上で有益な情報を提供できると判断しております。なお、買収行為に関連する損益とは、買収に伴う無形資産の償却費、M&Aに伴う費用等であり、一時的要因とは、将来見通し作成の観点から一定のルールに基づき除外すべきと当社グループが判断する株式報酬費用、減損損失、固定資産の売却損益等の一過性の利益や損失のことであります。

 

 営業利益からNon-GAAP営業利益への調整は次のとおりであります。なお、決算期変更に伴い、当連結会計年度は2022年10月1日から2023年12月31日までの15ヶ月間となっており、財務報告ベースでの連結業績の対前期増減率は記載しておりません。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

自 2021年10月1日

  至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

  至 2023年12月31日)

増減額

増減率

営業利益

6,166

4,949

調整額(買収により生じた無形資産の償却費)

31

51

 

調整額(株式報酬費用)

129

39

 

調整額(その他)

240

52

 

Non-GAAP営業利益

6,565

5,091

 

 報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、メディアプラットフォーム事業の収益及びNon-GAAP営業損失は、コミックスマート株式会社及びその子会社等の業績を非継続事業に組替表示する前の金額を記載しております。

 

①デジタルマーケティング事業

 デジタルマーケティングを中心として、企業のDXにおける総合的な支援を行う事業セグメントによって構成されております。

 当期においては、景気の影響を受けながらも新規顧客の獲得や既存案件の拡大、電通グループとの協業を推進いたしました。また、人的投資の強化を中心とした先行投資を実施いたしました。

 これらの結果、収益は32,112百万円、Non-GAAP営業利益は8,527百万円となりました。

 

②メディアプラットフォーム事業

 IPプラットフォーム事業「GANMA!」、就職・採用プラットフォーム事業「ViViViT」、社会貢献プラットフォーム事業「gooddo」、育児プラットフォーム事業「ベビフル」等の事業セグメントから構成されております。

 当期においては、IPプラットフォーム事業を中心に成長し、赤字幅が縮小しましたが、その他の事業はポストコロナの環境下で伸び悩む着地となりました。

 これらの結果、収益は5,839百万円、Non-GAAP営業損失は656百万円となりました。

 

(参考)

 当社グループの会計期間を前期・当期ともに1月から12月までの12ヶ月間と仮定した場合の暦年ベースにおける損益の状況と対前期増減率は次のとおりであります。

 なお、コミックスマート株式会社及びその子会社等の業績を非継続事業に組替表示しているため、収益、営業利益、Non-GAAP営業利益及び税引前当期利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。

 収益は27,674百万円(前期比0.6%減)、営業利益は3,922百万円(前期比22.3%減)、Non-GAAP営業利益は4,016百万円(前期比25.9%減)、税引前当期利益は5,660百万円(前期比27.2%減)、当期利益は3,699百万円(前期比26.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,736百万円(前期比25.9%減)となりました。

 

(2)財政状態に関する分析

 当期末の資産は、前連結会計年度に比べて、4,875百万円増加し、93,606百万円となりました。これは主に、営業債権が1,546百万円、持分法で会計処理されている投資が907百万円及び使用権資産が809百万円増加したことによるものであります。

 当期末の負債は、前連結会計年度に比べて、1,924百万円増加し、27,901百万円となりました。これは主に、営業債務が2,140百万円増加したことによるものであります。

 当期末の資本は、前連結会計年度に比べて、2,951百万円増加し、65,705百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による減少1,278百万円及び配当金の支払い963百万円があった一方で、当期利益4,267百万円の計上及び子会社の支配喪失を伴わない変動による増加658百万円があったことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当期における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度に比べて467百万円減少し、20,873百万円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

 当期における営業活動の結果、3,785百万円の資金流入(前連結会計年度は3,650百万円の資金流入)となりました。これは主に、持分法による投資利益1,851百万円の計上、営業債権の増加額1,909百万円及び法人所得税の支払額3,740百万円の発生があった一方で、継続事業からの税引前当期利益6,652百万円の計上、配当金の受取額1,856百万円及び営業債務の増加額2,271百万円が発生したことによるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 当期における投資活動の結果、2,020百万円の資金流出(前連結会計年度は30,553百万円の資金流出)となりました。これは主に、有価証券の取得による支出1,109百万円、持分法で会計処理されている投資の取得による支出933百万円及び条件付対価の決済による支出828百万円が発生したことによるものであります。

 

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 当期における財務活動の結果、1,835百万円の資金流出(前連結会計年度は31,229百万円の資金流入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額3,000百万円の発生があった一方で、長期借入金の返済による支出2,000百万円、自己株式の取得による支出1,278百万円、配当金の支払額963百万円及びリース負債の返済による支出752百万円が発生したことによるものであります。

 

(4)仕入及び販売の実績

①仕入実績

 仕入は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

②販売実績

 当連結会計年度におけるセグメントの販売実績(売上高)は次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

デジタルマーケティング事業

168,076

メディアプラットフォーム事業

5,839

調整額

△4,196

169,719

(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。

2 売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引を除く)であり、IFRSに準拠した開示ではありません。

3 決算期変更に伴い、当連結会計年度は2022年10月1日から2023年12月31日までの15ヶ月間となっており、対前期同期比については記載しておりません。

4 調整額は、持株会社運営に係る収益及び報告セグメント間の損益取引消去であります。また、メディアプラットフォーム事業に含まれるコミックスマート株式会社及びその子会社等の業績の非継続事業への組替額△3,014百万円を含んでおります。

5 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、決算期変更に伴い、当連結会計年度は2022年10月1日から2023年12月31日までの15ヶ月間となっております。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社電通

19,142

14.7

22,753

13.4

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に、経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。

 

(6)経営者の課題認識と今後の方針について

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営者の課題認識と今後の方針に相当する内容を記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(7)資金の財源及び資金の流動性について

 当社グループは、事業の競争力を維持・強化することによる持続的な成長を実現するため、また、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるために、新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これらの資金需要は、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて資金調達を実施いたします。

 流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に関する注記 29. 金融商品」に記載しております。

 

 

(8)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に関する注記 2.作成の基礎」及び「3.重要な会計方針」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)グループ経営管理契約

 当社は、国内子会社との間で当社が各社に対して行う経営管理に関し、それぞれ「セプテーニグループ経営管理サービスの提供に関する基本契約書」を締結しております。

 

(2)資本業務提携契約

 株式会社電通グループ及び当社は、2021年10月28日付で資本業務提携契約を締結しております。資本業務提携の内容は以下のとおりであります。

 

資本提携の内容

① 本株式交換

当社は、電通ダイレクトとの間で、2022年1月4日付で、本株式交換を実施し、(株)電通グループは、電通ダイレクトをして本株式交換を実施させる。本株式交換の株式交換比率は、電通ダイレクトの普通株式1株に対して、当社の普通株式3,274株とする。

② 本第三者割当

当社は、法令等に基づき必要な手続を経た上で、第三者割当の方法により、当社株式70,118,794株を(株)電通グループに割り当て、(株)電通グループはこれを引き受ける。

③ 本株式譲渡

当社は、(株)電通グループから、2022年1月4日付で、(株)電通グループが保有する電通デジタルの普通株式3,675株を31,249,998,675円を対価として譲り受ける。これにより、電通デジタルは、当社の持分法適用関連会社となる。

 

業務提携の内容

 当社及び(株)電通グループは、本資本業務提携において、以下の業務提携を行う。

① 電通グループ及び株式会社セプテーニ間の案件の協業

当社及び(株)電通グループのデジタル広告領域強化に向けて、株式会社電通の従業員の当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用会社等(関連会社・共同支配事業)及びその他の関係会社からなる企業グループをいう。以下同じ。)への出向等の仕組みを構築するとともに、電通グループ((株)電通グループ、連結子会社及び持分法適用関連会社からなる企業グループをいう。以下同じ。)のデジタル広告領域において、電通デジタル及び株式会社セプテーニに依頼する案件のうち、株式会社セプテーニに対して依頼する案件の割合を増加させ、株式会社セプテーニにおける売上高増加を目指すこと

② 電通デジタル及び当社グループ間の提携

(株)電通グループは電通デジタルをして、また、当社はSepteni Japan株式会社、株式会社FLINTERS、MANGO株式会社及びSepteni Ad Creative株式会社をして、以下の施策を実施させること

(a)株式会社FLINTERSによる電通デジタルに対する開発支援等による電通デジタルの開発体制の強化

(b)グループ戦略顧客対応及び営業協業の深化

(c)電通デジタルと、MANGO株式会社及びSepteni Ad Creative株式会社との間でのオペレーション支援としての連携

③ 電通ダイレクト及び電通グループ間のダイレクトマーケティング領域における提携

電通グループのダイレクトマーケティング領域の強化に向けて、電通グループにおけるダイレクトマーケティング領域の顧客を電通ダイレクトが中核を担う方針であることを確認し、案件商流につき別途協議

④ その他、電通グループ及び当社グループ間における以下の提携(詳細は別途協議)

(a)社内外、顧客向けマーケティング/広報の統合戦略

(b)デジタル人材の採用、教育、リテンションの統合運営プログラムの検討

(c)オンオフ統合マーケティングの協業深化

(d)ツールの相互活用

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。