文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「AI×セキュリティで新しい価値を創る」をビジョンに掲げ、入退室管理システムや監視カメラシステムなどの物理セキュリティシステムにAI(画像認識)技術を掛け合わせた付加価値の高いソリューションを開発・提供しております。これまでの実績で培ってきたセキュリティソリューション事業で基盤を固め、さらなるAI(画像認識)技術の実装力を強化し活用することで新規ビジネスの成長を加速させ、「Make place Secure upgrade place Smart」安心安全な空間を提供し、空間をデータ化することでスマートな社会の実現を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社グループは、主にオフィス、商業施設、工場における中堅・大企業をメインターゲットとして、「SECURE AC(入退室管理システム)」「SECURE VS(監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを、各企業のニーズに合ったデバイスとソフトウェアを組み合わせて、ワンストップで提供する「セキュリティソリューション事業」を単一セグメントとして事業展開しております。今後、販売パートナーの深掘と発掘による顧客接点のさらなる拡大を図り、企業で顕在化するセキュリティニーズの適切な把握と営業提案手法の最適化によるソリューション力の強化や、高度化するセキュリティニーズに対応するためのAI(画像認識)実装力の強化による商品機能の拡充、SaaS系サービスの強化による収益力向上を実現させることで、当社事業を継続的に発展させてまいります。また、新たな事業領域としてのレジレス・無人決済店舗「AI STORE LAB」の事業化や、韓国子会社を起点とした海外への展開等を推進し、さらなる事業規模の拡大を促進させてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおける経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、事業規模の拡張性を示す売上高成長率、事業活動の成果を示す営業利益、収益性の判断指標である売上総利益率になります。また、当社グループでは、非財務指標としてシステム単位での導入件数(※)を活用しています。当社グループの主たる収益源は、SECURE AC(入退室管理システム)とSECURE VS(監視カメラシステム)のシステム案件に係る売上であり、システム単位での導入件数を増加させることで将来の収益拡大が見込まれます。
※導入件数とは、SECURE AC(入退室管理システム)は20万円以上、SECURE VS(監視カメラシステム)は10万円以上のシステム案件としており、不具合対応やOEM等のプロジェクトは対象外としております。
(4)経営環境
国内のセキュリティ市場全体では2027年の予測で1兆2,125億円(2022年実績と比較すると約17%増)、うち監視カメラ分野は1,627億円、入退室管理分野は815億円で合計は2,442億円(同約39%増)であり、一定の成長率で推移しておりますが(出典:富士経済「DXを実現するセキュリティ関連技術・市場の将来展望2023」)、企業においては、内部不正やバイトテロなど、内部からの脅威が拡大するとともに、働き方改革に伴うシェアオフィスの利用拡大や、人手不足による無人化・省力化の促進など、物理セキュリティに求められる技術水準は高度化しております。また、コロナ禍以降は入退室管理の方法として、セキュリティへの意識や接触への意識の変化から、カードキーや指紋認証ではなく、顔認証による認証方式の需要は増加しているものと考えております。
物理セキュリティシステムは複雑化する一方で、ITの専門的人材の不足が露呈してきていることを背景に、AIなどの新しいITサービスとの連携が困難になるとともに、コスト負担の拡大が各企業の皆さまにおいての重要な経営課題となってきていることを踏まえ、物理セキュリティと先端技術との総合的でリーズナブルなソリューション、いわゆるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が急速に高まってきているものと考えております。そのような環境のなか、当社グループの見通しとしては、監視カメラと入退室管理のセキュリティ市場は将来的にはIoT市場10兆4,001億円(出典:出典:「DXを実現するセキュリティ関連技術・市場の将来展望 2023」およびIDC Japan「国内IoT市場予測」に基づき当社で作成」)との垣根がなくなり成長性の高い巨大な1つの市場を形成するものと予測しており、無人店舗やスマートシティ等に利用される高付加価値な監視カメラの潜在台数はとても大きくなると考えております。

こうした機運の高まりを踏まえ、セキュリティ業界においては、企業の規模や業種等によって求められるセキュリティニーズは様々でありそうした様々なニーズに柔軟に対応するためにも、より付加価値の高いサービスの提供が求められており、高品質のハードウェアの提供はもとより、常に最先端のIT・ICT(※)技術を駆使し、AIを活用した画像解析技術の革新に邁進していくことにより、高度化するお客さまのニーズに迅速かつ柔軟にお応えしていくことが最大の経営課題であると認識しています。
(※)「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略
・様々なセキュリティニーズ(当社作成)

(5)事業上および財務上の対処すべき課題
当社グループが継続企業として成長し続けるために対処しなければならない課題を以下のように考えております。
① 研究開発活動における課題
当社グループにおける主要なテクノロジーである画像関連技術の分野は、ディープラーニングを活用したAI技術の進歩による技術革新によって、商品・サービスの価値も飛躍的に向上します。
従って、当社グループでは、ディープラーニングをはじめとした高度な画像関連技術の応用に取組み、実証実験に基づく実効性あるデータを蓄積しながら、実用化に向けて常に改良を重ねていかなければならないと認識しております。またその一環として2020年9月にクラウド型入退室管理システム「SECURE AI Office Base」を開発するなどSaaS型のサービス強化にも取組んでおり、今後従来のオンプレ型の商品に加えてクラウド型(SaaS型)のサービス拡充のため積極的な研究開発は重要な課題だと考えております。
こうした課題に対処するため、当社グループでは「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB 2.0」という2つのラボ(研究開発施設)と、韓国京畿道城南市にある子会社「SECURE KOREA, Inc.」にて、AI実装サービスの拡充や、画像解析精度の向上などのAIとセキュリティを掛け合わせたシステムの価値の向上およびSaaS型サービスの強化を推し進めるためにも積極的な研究開発に取組んでおります。また現在、「SECURE AI STORE LAB 2.0」の収益化にも取組んでおります。
② 営業活動における課題
当社グループでは、主にオフィス・商業施設・工場における中堅・大企業をメインターゲットとして、常に他社より競争優位性のあるシステムを提案し続けていくことが課題であると認識しております。
こうした課題に対処するため、多様な顧客ニーズに対応が可能となる優れたデバイスの調達と、新たな販売パートナーの開拓、さらに既存の販売パートナーの深掘に取組んでおります。
今後は、トレーニング用コンテンツの拡充や新サービスの共同開発等による既存パートナー企業の深掘やセミナー・展示会の開催等による新規パートナーの発掘、当社韓国子会社である「SECURE KOREA, Inc.」を拠点に海外でのセキュリティニーズの対応にも取組んでいきたいと考えております。
また、「オフィス・商業施設・工場」などで培った技術基盤を基軸に、「データセンター・ホテル・マンション」などの領域への横展開を図っていきたいと考えております。
③ 内部管理・統制体制における課題
当社グループが各ステークホルダーに幅広く信頼される企業集団となり、今後のさらなる事業拡大に向けて効率的かつ適正な業務運営体制を構築することが課題であると認識しております。そのため、管理部門による内部管理体制の拡充・強化に努めるとともに、営業面に対するバックオフィスとしての営業アシスタントの機能強化や、機器の障害・トラブルに迅速に対応するカスタマーサービスとしての機能強化、在庫の適正化と商品受配送の円滑化を担う物流センターの機能強化にも積極的に取組んでおります。
こうした管理部門やバックオフィス機能と営業・開発部門との有機的な連携体制を構築し、実効性のある内部管理・統制体制の構築に努めております。
④ 人材の育成・確保における課題
当社グループの提供するシステムは、ハードウェアのみならずソフトウェア、サーバー構築、デバイスの選定、ネットワーク構築、システム設計、設置環境、AI(画像認識)技術に加えてセキュリティに関する専門的な知識など、非常に幅広い技術分野をカバーしたソリューションとなるため、優秀な人材の育成・確保が重要な課題であると認識しております。
従って、こうした専門性を持った人材を積極的に採用する一方で、「Security System Lab」を活用した人材トレーニングを有効に活用しながら、戦力として活躍できる人材の育成に積極的に取組んでおります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、執行役員会等の会議体の場において、当社グループのサステナビリティに関する様々なリスクおよび機会について、他のリスクや機会と合わせて一元的に俯瞰し、これらの監視および管理に努めるとともに、新たなリスクや機会の抽出、対応方法の協議等を行うこととしております。執行役員会等の議論内容のうち、重要事項については取締役会に報告を行うこととしており、これらの監視および管理体制が適切に機能しているかというチェック機能は取締役会が有しております。
(2)人材の育成および社内環境整備に関する方針、戦略
当社グループにおいては、「人財」が最も重要な資本であり、「人的資本」への投資は、今後の持続的な成長における重要な課題であると認識しております。そのため、高度な専門的知識、技能および経験を有する、多様な人財の確保および育成が不可欠だと考えており、以下のような各種施策を検討、実行することでサステナビリティの実現や人的資本の向上に積極的に取り組んでおります。
①人財リソースの確保
当社における重要な成長戦略の一つとして、セールス・マーケティング部門を中心に、年間を通じて、積極的に人財の採用を継続しています。採用にあたっては、専門性やスキルはもちろんのこと、当社の『Mission』『Vision』および『セキュアが大切にする5つのこと』への共感を大切にし、ともに企業価値の向上ひいては自己の成長、社会への貢献を実現できる人財の確保に努めております。
また、優秀な新卒者の確保と若年層採用による労務構成の維持を図りつつも、年間を通じて経験者採用を中心とした即戦力の強化を行っております。直近3年度の採用状況は以下の通りです。
②人財の育成
当社は、従業員は価値創造の源泉となる重要な資本であり、企業の持続的成長と従業員一人ひとりの自律的な成長は経営戦略の両輪であると考えております。そうした認識のもと、人事総務部内に人材開発センターとして人材育成専任者を配置し、「人が育ち 人が育てる SECURE」の人財育成方針のもと、「自ら学ぶ環境の構築」「主体的なキャリア形成の支援」「社内コミュニケーションの活性化」を軸に人財育成の強化に取り組んでおります。
現在は、社内独自資格制度であるセキュア『星認定制度』の活用、社内外の研修・教育訓練の提供、e-Learningの活用による自己啓発の機会提供、書籍購入促進制度(要約サービス)など、社員の能力開発・自律的なキャリア形成のための支援施策を推進しており、さらに、新卒入社社員に対しては、S&P(Senior Grade & Primary Grade)制度により、各組織における人材育成のリーダーを任命し、組織を挙げた人材育成の主導役を担っています。
今後も、更なる施策を講じることで、人を育てる文化の醸成、従業員エンゲージメントの向上に取り組んでまいります。
③人財の多様性の確保
仕事と育児の両立支援については、出産前や育児における休暇・休業、時差勤務制度、小学校就学前までの短時間勤務制度、時間単位有給休暇制度を設けるなど、働きやすい職場環境の整備に努めております。また、新卒・キャリア採用ともに性別に関係なく積極的な採用を継続することで、女性従業員の比率も向上しております。直近3年度の女性従業員比率は以下の通りです。
④より柔軟な働き方の実現
社員一人一人が、その能力をいかんなく発揮し更なる自己成長を果たすことが、当社の持続的かつ安定した成長には不可欠であるとの考えのもと、テレワーク制度やサテライトオフィス、勤務間インターバル制度や時間単位有給休暇制度など、柔軟な働き方につながる各種制度を創設しています。
当社グループは、サステナビリティに関するリスクに対して課題解決やリスクの未然防止、極小化のために組織横断的なリスクマネジメント体制を構築する為、リスク管理・コンプライアンス委員会を設置し、当社グループ全体のリスクを網羅、総括的管理を行っております。
また、リスクに対して迅速かつ的確な対応を実践するため、「リスク管理規程」を整備し、全社的かつ総合的なリスク管理を実施しております。当社グループ全体のリスクを網羅、総括的に管理するとともに、リスクが顕在化した場合には、必要に応じて社内横断的なリスク対策本部を設置するなど、社内外への適切な情報伝達と初動対応により、被害・損害の拡大を最小限に止めることとしております。
当社グループは、優秀な人財の確保と生産性の向上を目的として、多様性を尊重した人財の採用と育成、および働く従業員のエンゲージメントの向上につながるような社内環境の整備に取り組んでおりますが、本報告書提出日現在においては、当該指標についての目標を設定しておりません。サステナビリティ関連のリスクおよび機会に関する当社の実績を長期的に評価、管理するための指標および目標については、人財育成方針および社内環境の整備に関する方針を含め、引き続き検討してまいります。人財育成方針の見直しや社内環境の整備については、今後も引き続き推進してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、必ずしも事業展開上のリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断において重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。また、当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、顕在化を極力回避するとともに、顕在化した場合には影響を極力最小限とするよう適切な対応に努める方針ではありますが、当社株式に関する投資判断は、本項および本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業環境について
①競争激化に関するリスク
当社グループの事業分野に対して新規参入が相次いだ場合、マーケットシェアの低下に伴う売上減少が見込まれます。また、価格競争が激化することにより、収益が低下することが予想されます。当社グループでは、AIを駆使した常に最先端のテクノロジーに基づく最適なソリューションを展開することで、優位性を確立していると考えておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
②技術開発の遅れに関するリスク
当社グループが主として事業を展開しているAI・IoT分野は、技術革新のスピードが非常に速く、万一新技術への対応に遅れが生じ、提供しているソリューション・サービスが陳腐化する場合や、採用した新技術が浸透しなかった場合には、競合他社に対する競争力の低下が予想されます。当社グループでは、顧客やパートナー企業、および外部機関などから常に最新の情報・テクノロジーを収集し、市場動向の変化を分析しつつ、新規製品・サービスの開発や市場の開拓に取組んでおりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③世界情勢に関するリスク
当社グループが属する業界は技術的に中国・韓国・台湾などが世界の先進地域であり、カメラを中心としたデバイス関連は主に韓国から仕入を行っておりますが、米中の貿易摩擦や日韓の政治・外交問題、北朝鮮の動向などにより、我が国とこれらの技術先進国との間の関係悪化により、取引機会の縮小による影響が予想されます。また、世界的な半導体不足によりこれらの国の製造メーカーにおいて安定した部品調達が困難となり、当社の仕入に支障が発生することも予想されます。当社グループでは、中国・韓国・台湾など以外において、先進的な技術を有する製造メーカーなどを開拓し、ソリューションの幅を拡大するよう取組みを行っておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④為替相場の変動に関するリスク
当社グループが取扱う製品は海外からの輸入が多く、米ドル建てにより資金決済を行っておりますが、特に円安基調に推移した場合には仕入コストが増加する可能性があります。当社グループでは、仕入先の現地通貨ではなく米ドル建てでの取引とすることや、為替予約の実施によりリスクヘッジに取組んでおりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
⑤法的規制に関するリスク
当社グループは、会社法および金融商品取引法のほか、建設業法・電気用品安全法・電波法・個人情報保護法など各種法的規制のもとで業務運営を行っておりますが、今後、これらの法的規制の改廃や、当社グループの業務運営上不利となるような新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
(2)事業体制について
①人材確保に関するリスク
当社グループが提供するセキュリティソリューション事業は、高度な知識と技術力を必要としており、有能な人材を確保できない場合には、当社グループが求める高い水準のテクノロジーやソリューションの提供が、継続困難となることが予想されます。当社グループでは、新卒も含めて積極的かつ継続的な人材採用に努める一方、「安全」「安心」を提供することを通じて広く社会に貢献する意識を醸成するとともに、人材育成の高度化や労働環境の改善などによる退職率の低減など、様々な人事政策に取組んでおりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
②事業拡大に伴う管理運営に関するリスク
当社グループは、これまでに急速に事業を拡大してきた経緯があり、今後もさらなる事業拡大に向けた各種施策を展開していく方針でありますが、それに伴い、事業運営上の各種マネジメントの拡充が必要となります。当社グループでは、各事業部門の重要ポストについての後継者育成(サクセッションプラン)を常に意識し、コーポレート・ガバナンスの拡充や経営層・マネジメント層の人材育成、経営企画・管理部門の機能強化や外部専門機関との連携強化などを行っておりますが、事業拡大に比してマネジメントの拡充が追従できない事態が顕在化することにより、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
③特定の仕入先への依存に関するリスク
当社グループが取扱うセキュリティ機器については、当社グループが提供する高水準のテクノロジーやソリューションを実現するとともに、エンドユーザーにご満足いただける機器である必要性から、監視カメラメーカーとしてグローバルに展開する世界有数の企業であるIDIS Co.,Ltd.(本社所在地:韓国京畿道城南市)との間で、監視カメラについての日本国内における販売総代理店契約を締結し、同社からの仕入額が当社グループの2023年12月期仕入総額の47.8%を占めております。この契約により、当社グループは日本国内における同社ブランドの普及と同社製カメラデバイスの拡販に寄与しております。この契約には1年毎の自動更新条項が付され、これまで1年毎に円滑に契約を更新しており、現時点においても当該契約の継続に支障となる要因は発生しておりませんが、将来において何らかの予期せぬ要因により同社の事業戦略などに変更が生じ、契約の変更や取引の縮小などが生じた場合には、当社グループの事業および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、エンドユーザーの幅広いニーズにお応えすべく、特定の仕入先に過度に依存しないよう仕入先の分散化を図っておりますが、こうした特定の仕入先からの仕入継続が困難な状況に陥った場合や、当該仕入先の製品において不良品やリコールが発生した場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
④知的財産権に関するリスク
当社グループの事業に現在利用されている技術などと類似した特許権や商標権などの知的財産権を、第三者が既に取得している可能性や、将来的に第三者に取得される可能性を完全に否定することはできず、知的財産権に関する侵害訴訟の結果として当社グループに損害賠償責任が課せられたり、事業の全部又は一部が差し止められて継続できなくなることも予想されます。当社グループでは、特許事務所と連携しながら、当社グループにおける知的財産権の管理・活用について慎重に対応しておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤商品の在庫管理に関するリスク
当社グループで取扱う商品については、販売予測に基づいて基本的に自ら仕入を行い、自社在庫として保有した上で販売を行っております。当社グループが管理する商品在庫において、販売予測に誤りが生じた場合に、在庫不足による販売機会のロスや過剰在庫による商品価値の陳腐化が発生する可能性があります。当社グループでは、適切な在庫管理と販売予測により、販売機会のロス削減と過剰在庫の防止に取組んでおりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
⑥特定の販売先に関するリスク
当社グループのソリューションは、特定の販売パートナーを通じてエンドユーザーに提供される取引が多く、販売先の上位4社による売上シェアが売上高の58.3%(2023年12月期実績)を占めています。当社グループはこれらの販売パートナーと良好な関係を構築していると考えておりますが、パートナー企業における予期せぬ販売方針の変更や業績不振などにより、円滑な取引継続が困難な事態となった場合、あるいは感染症など疾病の蔓延その他天災などにより販売パートナーによる顧客開拓の遅延又は中止という事態が発生した場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦取引先に対する信用リスク
当社グループの販売先の中には、大口取引を継続している特定の販売パートナー企業もあり、こうした企業の信用状態に重大な変動が生じた場合には、資金繰り面に支障が生じるとともに、回収不能な不良債権が発生することが予想されます。当社グループでは、個別の販売先毎に財務状況などを勘案した与信限度額を設定するなど、適切な与信管理・債権管理を行いながら必要に応じ貸倒引当金を計上しておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
⑧基幹システムの稼働に関するリスク
当社グループでは、販売管理の基幹システムを採用し、効率的かつ戦略的な営業推進体制を構築しておりますが、通信回線の異常やサイバー攻撃によるウイルス感染、人為的なオペレーションミスなどにより安定稼働が維持できない状態となった場合、平常の営業活動に支障が生じる可能性があります。当社グループでは、経営企画部内に情報システム専門の人材を配置し、基幹システムの安定稼働に努めておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨情報漏洩・流出に関するリスク
当社グループでは、取引先の経営機密情報や個人情報に加え、当社グループ内の各種テクノロジーに関連する知的重要情報や独自のノウハウ、および各種インサイダー情報などの極めて重要な情報を取扱っておりますが、こうした重要情報が、外部からのサイバー攻撃や当社グループ内の人為的な不正などにより漏洩・流出した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜など、事業継続に大きな支障が生じる可能性があります。当社グループでは、人事総務部が主管となり、情報管理・個人情報管理について「個人情報保護規程」「特定個人情報等取扱規程」「情報管理規程」の制定や、社内の研修体制の整備など、経営の最重要課題の一つとしてコンプライアンス体制の整備を図っておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑩コンプライアンスに関するリスク
当社グループにおいて、各種法令・規則や企業倫理に反する行為などが発生した場合には、その直接的被害に加えて、損害賠償請求や社会的信用の失墜など、事業継続に大きな支障が生じる可能性があります。当社グループでは、人事総務部が主管となり、コンプライアンスの基本方針に基づく「コンプライアンス規程」「コンプライアンスホットライン規程」「反社会的勢力対策規程」「インサイダー取引管理規程」などの制定や、社内の研修体制の整備など、経営の最重要課題の一つとして体制整備を図っておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑪レピュテーションに関するリスク
当社グループにおいて、各種リスクの顕在化や、事故発生や訴訟問題などに伴う社会的評価の低下、提供サービスの品質の低下、社員などによるSNSへの問題投稿などに伴い、当社グループに対する各種風評が拡散し、不買運動などが発生することが予想されます。当社グループでは、こうした風評発生の要因となる事象の未然防止を図るとともに、各種レピュテーションのモニタリングや内部管理体制の強化などに取組んでおりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)その他
①自然災害等の発生に関するリスク
当社グループが事業を展開する地域において、大規模な自然災害やパンデミックなどが発生した場合、事業を継続することが困難な状況に陥ることが予想されます。当社グループでは、今後様々な危機に際しての事業継続計画(BCP)策定に向け、各種協議・検討を行っておりますが、こうしたリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
②特定の人物に対する依存に関するリスク
当社代表取締役社長である谷口辰成は、当社の設立者であるとともに大株主であり、経営方針や事業戦略の決定において重要な役割を果たしております。このため、当社グループは、谷口辰成に過度に依存しない体制を構築するために、取締役会などにおける役員相互の情報共有や経営組織の強化を図っております。しかし、現状において、何らかの理由により谷口辰成が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
③税務上の繰越欠損金に関するリスク
当社グループは、当連結会計年度末時点において税務上の繰越欠損金が存在しており、当社グループの業績が順調に推移することにより、期限内にこれら繰越欠損金の繰越控除を受ける予定であります。しかし、当社グループの業績の下振れなどにより繰越期限の失効する繰越欠損金が発生した場合は、課税所得からの控除が受けられなくなることから、その場合、課税所得に対して通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が課されることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④投資有価証券の減損リスク
当社グループでは、業務上の関係構築を目的に取引先などの投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は発行会社の財政状態や経営成績などに依存しており、当社グループでは投資先の経営状態を把握できる様に情報収集を行い、事前にリスクの軽減に努めておりますが、実質価額が低下した場合、投資有価証券評価損の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤配当政策に関するリスク
当社は設立以来、配当を実施しておりません。当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的に業績の成長に見合った成果を配当する方針としております。したがって、各期の財政状態および経営成績を勘案しながら将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、利益還元実施を検討する所存でありますが、現時点において配当実施の可能性およびその実施時期などについては未定であります。
⑥新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク
当社グループは、主に当社グループの役職員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を発行し付与しております。本書提出日の前月末現在で、新株予約権による潜在株式総数は362,500株であり、同日時点の発行済株式総数4,744,920株の7.64%に相当しております。これらの新株予約権が行使された場合、既存の株式価値に希薄化が生じる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに起因する行動制限の緩和による経済活動の正常化が進み、個人消費や設備投資は継続的に持ち直されるなど景気に緩やかな回復基調が見受けられた一方、原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇、海外景気の下振れ懸念、地政学リスクの高まりなど、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループでは、コロナ禍における新しい生活様式の中でも「安心・安全に働く環境」を創出するため、最先端のAI(画像認識)技術とセキュリティ専門企業としての長年の実績・ノウハウを駆使し、最適なソリューションの提供に努めてまいりました。
売上高においては、「SECURE AC(入退室管理システム)」では、データセンターや工場、オフィスへの導入が順調に推移した結果、着実に導入企業数を増加させたとともに、計画に対して好調に進捗いたしました。
「SECURE VS(監視カメラシステム)」では、シリーズ案件の獲得や中小型案件の導入が順調に推移した結果、着実に導入企業数を増加させたとともに、概ね計画通りに進捗いたしました。
当連結会計年度の事業進捗状況ですが、前期から取組みを強化しているセールス・マーケティング部門の強化に関しては、採用活動は計画通りに進捗し当連結会計年度末で65名と2022年12月期末比で15名増加いたしました。また、来期以降の案件獲得のためのマーケティング投資として、「働き方改革Week2023」、「第8回スマート ビルディング EXPO」、「危機管理産業展2023(RISCON TOKYO)」、「リテールテックJAPAN2023」、「フードセーフティジャパン(FSJ)2023」の展示会に出展いたしました。引き続き、事業の拡大を目指して優秀な人財の確保に努めるとともに、顧客開拓や商品価値向上のためのマーケティング活動の拡充に取組んでまいります。また、全国での営業活動を促進すべく、横浜、大宮、広島において新たな拠点を開設しました。
「SECURE AI STORE LAB」の取組みに関しては、2月にシリコンバレーのスタートアップAiFi Incと提携し、7月には独自AIを活用した「SECURE AI STORE LAB 2.0」を新宿住友ビル地下1階にオープンしました。当店舗では従来使用していた重量センサーや赤外線センサーを使用せずに、監視カメラ映像のみで誰がどんな商品を手に取ったかをAIが認識し、レジ操作無くそのまま退店頂けるレジレス店舗を実現しております。また、11月にはNTT東日本グループのテルウェル東日本株式会社との共同実験を開始しており、収益化に向けて実証実験に取組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は5,191,074千円(前連結会計年度比53.4%増)、営業利益は187,985千円(前年同期は営業損失169,596千円)、経常利益は175,425千円(前年同期は経常損失183,605千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は168,790千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失227,627千円)となりました。
なお、当社グループは「セキュリティソリューション事業」の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は2,749,733千円となり、前連結会計年度末に比べ756,732千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加334,755千円、受取手形及び売掛金の増加327,114千円、商品の増加104,566千円があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,727,425千円となり、前連結会計年度末に比べ576,563千円増加しました。これは主に、長期借入金の増加202,007千円、買掛金の増加115,356千円、未払消費税等の増加76,026千円、1年内返済予定の長期借入金の増加69,612千円、前受金の増加48,048千円、未払法人税等の増加35,457千円、長期前受金の増加24,057千円があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,022,308千円となり、前連結会計年度末に比べ180,169千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益計上により利益剰余金の増加168,790千円があったことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、808,950千円となり、前連結会計年度末に比べ334,755千円増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は99,185千円(前年同期は268,301千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上171,504千円、仕入債務の増加115,356千円があったものの、売上債権の増加327,114千円、棚卸資産の増加106,732千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は36,117千円(前年同期は144,709千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出21,491千円、投資有価証券の取得による支出10,013千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は270,575千円(前年同期は210,163千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入450,000千円があったものの、長期借入金の返済による支出178,381千円があったことによるものであります。
当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
当社グループが営む事業は、受注から納品までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはセキュリティソリューション事業の単一セグメントであるため、当社が提供するサービス区分別に記載しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの当連結会計年度については、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えうるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期しえなかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ1,806,566千円増加の5,191,074千円となりました。うち、SECURE AC(入退室管理システム)については、小規模案件から中・大型案件へのシフトに取組み、データセンターや工場、オフィスへの導入が順調に推移した結果、前連結会計年度に比べ49.5%増加となる1,471,880千円を計上しました。また、SECURE VS(監視カメラシステム)については、シリーズ案件の獲得や中小型案件の導入が順調に推移し、前連結会計年度に比べ56.4%増加となる3,547,505千円を計上しました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、半導体不足による資材価格の高騰や円安による仕入原価上昇の影響を受け、前連結会計年度に比べ1,102,593千円増加の3,175,097千円となりました。
この結果、売上総利益は、前連結会計年度に比べ703,973千円増加の2,015,976千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ346,390千円増加の1,827,991千円となりました。これは主に社員の増加や人材採用による人件費関連費用の増加に加え、広告宣伝費や研究開発費等の戦略費の増加によるものであります。
その結果、営業利益は、187,985千円(前連結会計年度は営業損失169,596千円)となりました。
(営業外損益・経常利益)
営業外収益は552千円となりました。これは主に受取補填金によるものであります。
営業外費用は13,112千円となりました。これは主に借入利息の発生によるものであります。
その結果、経常利益は、175,425千円(前連結会計年度は経常損失183,605千円)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度においては、特別利益は発生しておりません。
特別損失は、3,920千円となりました。これは減損損失の計上によるものであります。
その結果、税金等調整前当期純利益は、171,504千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失197,082千円)となりました。
法人税、住民税及び事業税は28,848千円、法人税等調整額は△26,134千円を計上し、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、168,790千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失227,627千円)となりました。
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況及び ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、販売用商品の仕入、開発活動に係る人件費及び研究開発費、販売費及び一般管理費における営業関連費用であります。これらの資金につきましては、営業活動によって得られる資金でまかなうことを基本としておりますが、必要に応じて金融機関からの調達を実施する方針であります。
「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループは経営目標の達成状況を判断するための経営上の指標として、システム単位での導入件数(※)を活用しています。当社グループの主たる収益源は、SECURE AC(入退室管理システム)とSECURE VS(監視カメラシステム)のシステム案件に係る売上であり、システム単位での導入件数を増加させることで将来の収益拡大が見込まれます。
当該指標については、SECURE AC(入退室管理システム)が、2019年12月期は721件、2020年12月期は907件、2021年12月期は966件、2022年12月期は960件、2023年12月期は1,109件、SECURE VS(監視カメラシステム)が、2019年12月期は896件、2020年12月期は2,035件、2021年12月期は2,296件、2022年12月期は2,798件、2023年12月期は4,482件となっております。
2023年12月期においては、シリーズ案件の獲得や中小型案件の導入が順調に推移したことで、SECURE VS(監視カメラシステム)を中心に導入件数が大幅に増加しました。今後も、AI実装サービスの拡充や、パートナー企業との新サービスの共同開発等を通して、システム導入件数を増大させることで収益拡大に取組んでまいります。
※導入件数とは、SECURE AC(入退室管理システム)は販売単価が20万円以上、SECURE VS(監視カメラシステム)は販売単価が10万円以上のシステム案件としており、不具合対応やOEM等のプロジェクトは対象外としております。
セキュリティ製品の開発は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせが重要となっています。そのため当社グループでは、「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB2.0」という2つのラボと、韓国京畿道城南市に「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、ハードウェアとソフトウェアを掛け合わせたシステムの最適化・価値を向上させるための研究開発を行なってまいりました。
「Security System Lab」ではハードウェアとソフトウェアを組み合わせたセキュリティシステムの最適化に向けたシステム研究として、無数にあるシステムの構築パターンから、顧客が求めるパフォーマンス・安定性・コストなどを考慮した最適化されたシステムの研究に取組んでおります。
「SECURE AI STORE LAB2.0」ではさらなる認証技術の活用方法の研究として、従来使用していた重量センサーや赤外線センサーを使用せずに、監視カメラ映像のみで誰がどんな商品を手に取ったかをAI(画像認識)が認識し、レジ操作無くそのまま退店できるレジレス店舗の実験運用を行っております。これら実験運用を行うことで獲得するデータ等を基に実際のリテールのシーンで活用可能なAIの開発のみならず、リテール企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)のための商品開発にも取組んでおります。
「SECURE KOREA, Inc.」は新たなサービスの開発の拠点として、グローバルな視点における顔認証技術に関する最先端かつ高度な知識と経験を有する技術者を配置して、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発に取組んでおります。
当社グループでは、これらの顔認証を得意とするディープラーニング技術やIoT技術といった新技術の習得に積極的に取組み、顧客により付加価値の高いサービスを提供できるように研究開発に取組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
なお当社グループは、セキュリティソリューション事業の単一セグメントであります。