当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループでは「我々は、絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念のもと、「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに掲げ、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し、快適な暮らしに貢献することを使命に事業を展開しております。
そのような中、当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きに伴って多くの国で経済活動が再開し、国・地域を超えた移動も増加傾向になり、景気の持ち直しが期待される一方で、原材料価格の高騰やエネルギーコスト上昇に伴う消費低迷の懸念や、地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続くと予想されます。
このような状況にあって、「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、今までにない付加価値のある新製品を開発し、お客様に提供してまいります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、将来にわたって持続的に成長していくために「2030年のありたい姿」を描き、そこからバックキャストの形で2023-25年の中期経営計画を策定しました。テーマを「私が“あったらいいな”をカタチにする」とし、これまで以上にチャレンジが歓迎・促進される風土の醸成に取り組むべく、3年間で実行すべきことを以下の通り定めました。
▶ 2023年-25年 中期経営計画の概要
テーマ:私が“あったらいいな”をカタチにする
~枠を超えたチャレンジ風土の醸成~
1.開発・育成の新しい挑戦
2.新しい海外サポート体制による製品提供力の強化
3.既存品の競争力強化
4.新規事業の積極的な創出
5.未来の小林製薬の基盤をつくる(DX・ESG)
戦略骨子1.開発・育成の新しい挑戦
当社では、経営指標として「新製品寄与率(全売上に占める新製品売上の割合)」を重要視しています。新製品寄与率の向上のため、近年はユニークなテーマについては通常の開発基準にこだわらず、スピード重視で開発を進めており、年間の新製品テーマ創出数が増加してきています。このように開発プロセスを一律ではなくハイブリッドで行っていくことで、毎年安定して多くの新製品が発売できるよう努めてまいります。
また、Webマーケティング強化への取り組みとして、ブランド毎にターゲットへの伝達コスト効率を測り、Web広告の比重を高めております。SNSやWebの活用により既存品の売上拡大はもちろん、新製品の発売時の売上最大化にも取り組んでまいります。
さらに、「店頭配荷が少なく、見つけにくいロングテール(注1)のニッチ製品」のWeb広告を強化し、ECでの育成に注力していくことで、当社のパーパス「見過ごされがちなお困りごとを解決し、人々の可能性を支援する」の実現を目指していきます。
戦略骨子2.新しい海外サポート体制による製品提供力の強化
国際事業は、利益率の高いヘルスケアへのシフトを高め、2030年にはヘルスケア構成比35%を目指しています。中国大陸では2022年春に本格販売をスタートしたアンメルツを中心にOTC医薬品の販売拡大に取り組んでおります。北米においては、2020年10月にM&Aにより買収したAlva社に加え、サプリメント・一般用医薬品を販売しているFocus社を2023年10月に買収しました。買収により獲得した基盤を活用し、当社の処方開発力とのシナジーを発揮させ、事業拡大を加速させていきます。東南アジアについては、インバウンドで好調なOTC医薬品を中心にラインアップ拡大を図ると同時に、ベトナムなどの新たな展開国や地域の拡大も検討してまいります。
戦略骨子3.既存品の競争力強化
新製品は発売して終わりではなく、発売後も強い表現を獲得し、リニューアルやラインアップ追加を繰り返すことで、他社に負けない競争力のあるブランドに育ってきました。
従来は、ブランドマネージャー、開発企画、研究開発、技術開発の四位一体で開発を行ってきましたが、今後は、これまで中長期の新規テーマの開発を主に担ってきた中央研究所の技術的サポートも加えることで、より競争力のある表現を獲得していきます。また、差別化された機能をもつ製品開発を進め、他社にない用途や機能を追加していくことで既存品の競争力強化を図ってまいります。
戦略骨子4.新規事業の積極的な創出
これまで当社では、持続性抗菌剤「KOBA-GUARD」や認知機能スクリーニングキット「ニンテスト」など、様々なテーマを通じて新規事業に関する知見を溜めてきました。それらの知見を活用し、「フェムテック」(注2)、「デジタルヘルステック」(注3)、「D2C」(注4)等の領域に注力し、例えばIoT尿検査デバイス「ハカレルシリーズ」やおりもののセルフチェックシステム等、現在は約50のテーマを事業化に向けて検討中です。2030年には合計で売上高80億円規模の新規事業創出を目指します。
戦略骨子5.未来の小林製薬の基盤をつくる(DX・ESG)
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にあたっては、個々の部門に留まることなく、全体最適の視点から的確な判断をスピーディに行う必要があります。そこで、2023年よりCDO(Chief Digital Officer)ユニットを社長直下に新設し、デジタルに関わる機能を集約しました。また、DX人財の積極的な採用、全社員アイデア提案制度の刷新と生成AIの活用などにより、「あったらいいな開発」のDXに取り組んでまいります。
社会からの要請に応え、持続的に企業価値を向上させるためには、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みの強化も欠かせません。そのため、これまで四半期に1回実施していた環境委員会を終了し、月1回のサステナビリティ委員会を新たに設定しました。
環境については「気候変動課題への挑戦」を重点テーマとし、売上あたりの化石資源由来のバージンプラスチック使用量を33%削減(2020年比)するという目標を新たに設定しました。この目標を達成すべく、今後も再生可能エネルギーの導入切替や、サプライヤーと連携した低炭素型の製品開発に取り組んでまいります。
社会については、「私が“あったらいいな”をカタチにする」という中期経営計画のテーマを実現するため、従業員の成長支援や、失敗を恐れぬ挑戦への後押しを行います。また、社会課題解決と持続的な企業価値の向上を目指すCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)活動も推進してまいります。
ガバナンスについては、持続的な企業価値向上を支えるために、多様性に富んだ取締役会と風通しの良い企業風土の強みを伸ばす体制づくりに注力してまいります。
(注)1.ロングテール:根強いファンがおり、細く長く売れ続けている商品。例)ワキガード
2.フェムテック:Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる商品(製品)やサービス。
3.デジタルヘルステック:IoT(製品をインターネットに接続して情報交換する技術)を用いたヘルスケア製品やサービス。
4.D2C:Direct to Consumerの略。一般に少数の商品カテゴリーに絞ってメーカーから消費者に直接販売する通販モデル。
▶ 業績目標
前提
原材料価格やエネルギーコストなど、様々なものが値上がりしていますが、今後も高止まりが続くと見込んでいます。
新型コロナウイルス感染症の落ち着きに伴って多くの国で経済活動が再開し、国内事業におけるインバウンド需要もほぼ回復しております。
将来の需要増や事業拡大に対応すべく、今後2年間で国内外の工場における新棟建設や増築、さらには中央研究所の移転・拡張を予定しています。そのため、2025年の減価償却費は2022年対比で約30億円増加する見通しで、現在の中期経営計画の期間中はEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)の増益を重視し、営業利益はほぼ横ばいとなる見込みです。
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2022年実績 |
2023-25年 中期経営計画期間 |
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2023年実績 |
2025年目標 |
3年間の 年平均成長率 |
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売上高 |
1,662億円 |
1,734億円 |
1,910億円以上 |
+4.7%以上 |
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営業利益 |
266億円 |
257億円 |
268億円以上 |
+0.1%以上 |
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営業利益率 |
16.0% |
14.9% |
14%以上 |
- |
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当期純利益 |
200億円 (25期連続増益) |
203億円 (26期連続増益) |
28期連続増益 |
- |
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EBITDA※ |
319億円 |
317億円 |
352億円以上 |
+3.2%以上 |
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ROE (株主資本利益率) |
10.2% |
10.1% |
9%以上 |
- |
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配当 |
90円 (24期連続増配) |
101円 (25期連続増配) |
27期連続増配 |
- |
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国内事業売上高 (通販含む) |
1,259億円 |
1,304億円 |
1,376億円以上 |
+2.9%以上 |
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国際事業売上高 |
396億円 |
422億円 |
533億円以上 |
+10.3%以上 |
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国際売上高比率 |
23.9% |
24.4% |
27%以上 |
- |
※ EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
(参考)2030年のありたい姿
グローバル経営を推し進め、2030年には、各国で毎年新市場を1つ創造しており、世界でもお困りごとを解決することで人と社会に貢献し、新市場(新習慣)を創造する企業として認知されつつある状態でありたい。
連結売上高2,800億円、うち国際事業900億円
-国内では「あったらいいな」開発と育成を究めている。
-その新製品を各国にスピーディにローカルフィットさせ広げている。
-全社員のデジタルリテラシーを高め、DXによる「あったらいいな」開発の刷新と、
デジタルを搭載した新製品の創出ができている。
-欧米・中国・アジアの3極でも「あったらいいな」開発の成功例が出ている。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ基本方針
当社グループは、「人と社会に素晴らしい『快』を提供する」経営理念の実践が、人、社会、環境との調和を図り、持続可能な社会への貢献と企業としての持続可能な成長につながると考えています。このことは、まさに「社会のサステナビリティ」と「当社グループのサステナビリティ」を同期化させることであり、これまで世の中にない製品を生み出すことで新しい生活習慣を作り、新市場を創造してきた当社グループに新たな成長の可能性をもたらします。さまざまな社会課題に視野を広げ、一人ひとりの暮らしの中の見過ごされがちな「お困りごと」を発見し、製品・サービスを通じて、「誰ひとり取り残さない社会」の実現に貢献します。
「人」、「社会」、「環境」と私たち
・人
社員一人ひとりが自分らしさを発揮して、“あったらいいな”をカタチにするために、多様なアイデアを生み出す自由闊達な企業風土を大切にしています。この企業風土を醸成する制度や仕組み、キャリア開発支援、成長実感をテーマとした人事制度、働き方の多様性を実現する環境整備等、社員一人ひとりから生み出される価値を最大化する取り組みに投資し、企業価値の創造につなげることを目指します。また、小林製薬グループ人権方針に従い、対話を通じてサプライチェーン全体の人権尊重に取り組みます。
・社会
一人ひとりのお困りごとを解決する“あったらいいな”の先にある社会課題にアプローチし、アイデアをカタチにすることで、健康と福祉の向上に貢献します。人々が暮らしの『快』を実感できる社会貢献活動の推進、さまざまなステークホルダーと連携し相互の強みを生かした取り組み、社員の専門的なスキルや知識を活かした活動等を行うことで、地域社会との共生と発展を目指します。
・環境
私たちは、豊かな自然や地球環境の支えがあるからこそ事業を営んでいることを忘れず、資源の有効な利用に努めます。また、カーボンニュートラルや循環型社会への移行、生物多様性の保全など、世界共通の環境課題に真剣に向き合い、ステークホルダーと力を合わせ、その解決のためのアイデアを製品・サービスとしてカタチにすることでこの課題に取り組みます。
①ガバナンス
2023年から取締役会直下にサステナビリティ委員会の設置を準備し、後述の「2+3のマテリアリティ」に紐づいた5つの推進会議を下部組織とした体制で運用しています。
②戦略
当社グループは、グループの事業を進めながら持続的な社会の実現に貢献していくことで、経済的価値の創造と社会的価値の創造をともに実現することを目指しています。2017年に「ステークホルダーからの期待・要請の高さ」と「当社ビジネスモデル・中期経営計画との関連性の高さ」の両観点から、当社グループが優先的に取り組むべきサステナビリティ課題について検討を重ね、25項目をマテリアリティとして特定しました。
2023年、これまでの当社の活動成果から、各項目について整理を行い、また当社のアイデンティティ、パーパス等を考慮した上で、「2+3のマテリアリティ」として更新しました。
今後はサステナビリティ委員会にてマテリアリティの達成進捗を管理していきます。
③リスク管理
リスクは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会にて、影響度と頻度の観点で評価しています。
経営が関与しながら低減に取り組むべき中長期的なリスクについては、「全社重点リスク」として選定し、リスク低減プランの承認や進捗管理を行うとともに、取締役会へ報告しています。
④指標及び目標
当社では、上記の戦略において記載した内容について、サステナビリティ委員会において指標と目標を検討し策定してまいります。
(2)気候変動への対応(TCFD提言への取組)
当社では、サステナビリティ課題の中でも気候変動対応を最重要課題と捉えています。2019年に賛同したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言を踏まえ、シナリオ分析に着手し、以下の枠組みで取り組みを進めています。
①ガバナンス
2023年から取締役会直下にサステナビリティ委員会の設置を準備し、前述の「2+3のマテリアリティ」に紐づいた5つの推進会議を下部組織とした体制で運用しています。その下部組織の環境推進会議内にTCFDタスクフォースを設置し、GHGの削減目標の設定、削減施策の検討、進捗状況のモニタリングなどの方針・計画案の作成及び取り組みを議論しています。
②戦略
2022年のシナリオ分析においては、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える努力を追求する 」というパリ協定の目標の達成と脱炭素社会の実現を見据え、1.5℃シナリオを検討しました。さらに世界的に気候変動対策が十分に進展しない場合も想定して、4℃シナリオも検討し、当社における気候変動リスク・機会を更新、財務影響度を算定しました。 その結果を2022年に経済産業省が公表した「TCFDガイダンス3.0」に沿って、以下の通り整理しました。
今後は各リスク・機会の対応策の更新や新たな機会の創出を検討いたします。
③リスク管理
気候関連リスクを含むすべてのリスクは、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会にて管理しています。詳細については「
④指標及び目標
当社は、2030年までにグループ全体のGHG排出量のうちScope1,2は51%、Scope3は15%削減する目標を設定しました。(基準年2018年)
※上記目標については、SBTイニシアティブの認定を取得済みです。
※Scope1,2,3とは
Scope1:事業者自らによる直接排出
Scope2:他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出
Scope3:Scope2以外のすべての間接排出
当社グループは、国内を中心に工場、オフィス、研究所などの拠点が存在します。特にScope1,2は国内工場による排出が多い状況です。そのため、削減施策として空調機の更新、冷熱設備の断熱強化、照明のLED化など、工場の電力使用量を抑える活動を進める一方、今後生産拡大によるエネルギー使用量の増加が予想されることから、国内主要工場の使用電力をCO2排出ゼロ電力へ切り替えています。仙台小林製薬㈱では2020年に切り替えを開始し、2021年に全量をCO2排出ゼロ電力に切り替えました。小林製薬プラックス㈱、愛媛小林製薬㈱、アロエ製薬㈱では太陽光発電を導入しています。これにより、2022年におけるScope1,2のGHG排出量は2018年比17%の削減となりました。2023年には、富山小林製薬㈱、小林製薬プラックス㈱の一部電力をCO2排出ゼロ電力に切り替えています。今後も段階的に国内の主要工場をCO2排出ゼロ電力に切り替えることや省エネ、創エネ活動により、2030年の長期排出削減目標の達成を目指していきます。
※数値については四捨五入しているため、合計が合わない場合があります。
(3)人的資本
当社のビジネスモデルであるニッチ戦略において最も大切なことは、「社会と生活者の様々な声から多様な“あったらいいな”を見つけ、カタチにする創造力」です。これらを実現できるのは、まさに「人」であることから、一人でも多くの社員が、自らの視点と創造力を活かしきり、持てる力を存分に発揮して多様なアイデアを生み出し、チャレンジできる、そんな会社であり続けたいと考えております。このような想いから、会社は社員が成長できる環境を整え、人材への投資を惜しまないという姿勢を「社員への約束事」として2022年11月に明文化しました。
この考えのもと、当社は「2030年のありたい姿」の実現に向けて、2023年からの3年間は、国内事業の安定成長を基盤とし、国際事業での成長加速とデジタル技術の習得に注力してまいります。これらの実現には、全社員で枠を超えたチャレンジを行うことが不可欠です。そのためにも、会社は多様な価値観を尊重し、チャレンジの場を提供することを通して、社員一人ひとりの成長を支援し、一人ひとりの個性により生み出される価値を最大化する取り組みに注力してまいります。
なお、当社の人的資本に関する考え方や取り組みの詳細については、2023年10月発行の「人的資本レポート」をご参照ください。https://www.kobayashi.co.jp/ir/humancapital/
①戦略
(1)“あったらいいな”開発を支える人材戦略
a.ダイバーシティ&インクルージョン
当社が考える多様性は、性別や国籍などの属性だけではなく、価値観や考え方、そこから生み出されるアイデアなどを広く指しております。私たちは、様々な生活者のお困りごとに耳を傾ける当社のビジネスモデルそのものが、社会や人々の多様性を尊重するものであると考えており、このビジネスモデルにおいては、多様な価値観を受け入れ、多様な視点でアイデアを生み出せる人材が不可欠と考えております。当社は「アイデアの会社」であり、アイデアの前に性別や年齢、役割や経験などは関係ありません。このような考えのもと、1980年代から全社員参加経営を掲げ、時代に先駆けてダイバーシティ経営の考え方を取り入れた様々な取り組みを実施してきました。今も続くこれらの取り組みによって培った自由闊達な風土の中で、2023-25年の新中期経営計画では、テーマを「私が“あったらいいな”をカタチにする」とし、枠を超えたチャレンジが起こる風土の醸成をさらに強化してまいります。
▼全社員参加経営に関する取り組み
2023年度件数
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アイデア提案制度 |
誰もが自由にアイデアを提案できる仕組み。今では年間3万件を超えるアイデアが寄せられる。 |
31,320件 |
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さん付け呼称 |
仕事の前では誰もが平等であることを前提に、役職名の呼称を廃止。 |
- |
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ホメホメメール |
良い取り組みを讃えるための制度。社長自らや、事業部長から社員に直接メールを送付。 |
86件 |
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青い鳥カード |
素晴らしい取り組みや改善例を自薦で社内表彰対象に立候補する制度。 |
1,275件 |
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LA&LA (Looking Around & Listening Around) |
会長が現場を訪問し、経営方針の理解や現場の諸問題について現場従業員と議論する取り組み。事業部長クラスも同様の目的でワークショップを開催している。 |
83回 |
これらの取り組みの効果として、ダイバーシティ経営の理解・実践度合いを可視化するため、2018年より毎年ダイバーシティインデックスを実施しております。結果については役員会議で協議し、改善に向けて必要な取り組みを検討・実施していきます。
b.採用
社員の多様性を維持・拡大するために、新卒/キャリア採用を継続的に実施しております。採用プロセスにおいては「応募者と企業の相互理解」を重視しており、入社前から高いエンゲージメントを醸成することを目指しています。そのために、新卒採用においては、学生に当社のことをしっかり理解し、共感した上でエントリーしてもらえるよう、当社の採用フローに仕事体験を多く取り入れております。また、よりリアルに小林製薬を理解してもらうために、人事部だけでなく現場の最前線で働く研究開発職や営業職などの社員も多く携わっています。選考においては、学術的な専門性や保有スキルよりも、求める人材像との親和性や当社の理念やパーパスへの共感度を重視しております。
今後は、中長期的な事業戦略の実行において重要となる人材の獲得に向けて、必要となる人材像をさらに具体化し、そのような人材を社外から引き寄せる採用力の強化に取り組んでまいります。
c.変化を促す人材配置
当社は、以下の3つの観点で積極的な人事ローテーションを実施しており、毎年25%前後の人材が異動しております。新しいポジションでの仕事は、社員にとって大きなチャレンジとなり、成長を促します。特に、海外での経験は成長を強力に促し、駐在を経験した社員は、その後も重要なポジションを担うことができる人材となり、会社の成長を支える存在となります。
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常に組織に変化をもたらす |
多様な人材の多様な価値観によって新しいものを生み出し続けるため、積極的に人材の入れ替えを行っています。一つのチームに様々なバックグラウンドを持つ人を混在させ、常に新しい考えを取り入れることで、創造性の維持に努めています。 |
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知識・経験の幅を広げる |
様々な部署で経験を積むことで、視野が広がり視座が高くなり、価値観や考え方が多様になっていくと考えています。また、知識と経験の幅を広げることがキャリアの選択肢を広げることにもつながります。 |
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一人ひとりのなりたい姿を支援する |
他部署への異動を希望する人、専門性を特定の部署で極めたい人など、社員一人ひとりのキャリアプランを尊重した人材配置を検討しています。また、異動を希望する所属先に直接応募できる社内FA制度も整えています。 |
d.キャリア支援
当社は、全社員参加経営に代表されるように、社員一人ひとりを主役とする考えを大切にしてまいりました。この考えは社員のキャリア形成においても同様で、社員一人ひとりが「自分のなりたい姿」に向けて主体的に成長することが大切だと考え、2022年より、社員のキャリア開発支援に注力しております。キャリアにおいても多様性を尊重し、一人ひとりのなりたい姿を引き出し、主体的な成長を支援する環境を整えることが必要だと考え、この環境を「自ら育つ環境」と名付けてキャリア開発支援を推進してまいります。「自ら育つ環境」は、一人ひとりがキャリアのことを考え、行動するための「4つの機会」と、最も身近な支援者となる上司との 1 on 1 形式で行われる「成長対話」によって構成されております。
e.経営人材の育成
今後も「“あったらいいな”をカタチにする」ことを継続していくためには、当社の理念を体現し、組織を牽引する経営人材が継続的に必要です。そのため、選抜研修とタフアサインメントにより、課長層から計画的に育成を行うことで、次期経営人材が継続的に輩出される仕組みづくりに取り組んでおります。
また、多様性に富む次世代の経営のためには、多様な経験・視点をもった経営人材が必要です。そのため、中期経営計画の中で重要指標と設定した女性管理職比率についても、早い段階で女性社員比率と同等まで引き上げるべく、まずは管理職候補人材を増やすための課題設定及び施策の実行に積極的に取り組んでまいります。
f.働き方の多様性
多様な社員が、制約を感じることなく最大限に能力を発揮するために、働きやすい環境づくりに取り組んでおります。近年では、フレックス制度や最大週2日の在宅勤務制度など、働く場所や時間にとらわれない柔軟な勤務制度の導入をしてきました。また、育児・介護との両立支援施策の拡充にも力を入れ、育児休業中でも在宅勤務で仕事ができる制度などを導入し、誰もがその時の自分に合った働き方でイキイキと働けるよう、環境整備を進めております。
g.健康経営の推進
当社は、少子高齢化による労働人口の減少が社会全体に与える影響を考慮し、従業員の健康と働きがいを重視した健康経営®を推進しております。従業員一人ひとりが健康でいきいきと働けることが、持続的な業績向上と企業価値向上につながると考えており、2022年には「小林製薬グループ健康経営宣言」を社内外に公表し、健康経営をさらに推進していくことを宣言しました。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
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小林製薬グループ健康経営宣言 |
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小林製薬グループは「あったらいいなをカタチにする」をコーポレートブランドスローガンとして掲げています。この「あったらいいなをカタチに」した製品やサービスは、社員一人ひとりのアイデアから生まれています。 その社員一人ひとりの健康を重要な経営資源ととらえ、健康経営に取り組んでまいります。 |
当社では、2022年「健康経営優良法人」を初申請、初認定され、今後「健康経営優良法人ホワイト500」の取得を目指し、取り組みを強化しております。
(2)グローバルを意識したキャリアの形成・能力開発
2030年ビジョンに向けた国際事業の推進・拡大に伴い、海外に関わる社員が増え続けています。すでに、日本国内に勤務する社員の約6分の1が外国語を必要とするレベルで海外事業に関わっており(2023年5月時点、単体)、今後もその人数は増えていく見込みです。これまでは、業務上のニーズが高い社員を中心に、語学学習支援を実施してきましたが、語学以外にもグローバルビジネスで必要となるスキルやマインドも多くあることから、2023年8月より「グローバル・キャリア・プログラム(以下、G-Cap)」を開始しました。G-Capは、社員一人ひとりが「グローバル視点で仕事・キャリアを考える」ことをコンセプトとしており、対象者ごとに3つのScopeで構成されております。一人ひとりのキャリア志向・業務ニーズに合わせて活用できるプログラムを充実させていくことでキャリア形成・能力開発を支援し、海外事業を推進できる人材の成長を促します。まずはScope1の領域に注力し、2023年10月には異文化交流の楽しさや難しさを体験するWorldCafeを実施し、11月からは語学力・異文化交流スキルの習得機会として新しい語学学習プラットフォーム「goFLUENT」を導入しました。
a.WorldCafe
グローバルをより身近に感じてもらうとともに、グローバルキャリアを考えるきっかけとしてWorldcafeを開催しました。Worldcafeには、公募で自ら手を挙げた社員が参加し、海外事業を担う役員や駐在員経験者との対話を通じて、当社におけるグローバルキャリアを知り、自身が歩みたいグローバルキャリアを考えることに取り組みました。更に、異文化において仕事をすることを体験し、その難しさと楽しさを知ることを目的とし、実際に社外の留学生とともに「世界のあったらいいなを考える」グループワークにも取り組みました。
b.新しい語学学習プラットフォーム「goFLUENT」
全社員が、いつでも自ら語学を学び・実践できる環境を提供し、グローバル化を加速するため、goFLUENT㈱が提供するオンライン語学学習プラットフォーム「ランゲージ・アカデミー」を導入しました。「goFLUENT ランゲージ・アカデミー」は一人ひとりのキャリア志向・業務ニーズに合わせて職種・語学レベルに応じて適切な教材を選択することができ、インプットした知識を実際に世界中の学習者との会話経験を通じてアウトプットすることができる総合学習プラットフォームです。この学習環境を全社員に提供し、異文化交流の心理的ハードルを下げていくことで、グローバルな視点でのキャリア形成・能力開発を支援し、海外事業を推進できる人材の成長を力強く促します。
(3)デジタル人材の育成と採用
当社は、各時代の生活における“あったらいいな”をカタチにし続けることで成長してきました。その過程は、新市場創造に必要な技術を習得し続ける、変革の繰り返しでした。現代においては、デジタルスキルを習得し活用することが当社の価値創造に大きな変革をもたらすと考えております。
そのため、2023年1月には代表取締役社長直下にCDOユニットを新設し、同年6月からは、当社の想いや取り組みに共感してくれるデジタル人材へダイレクトにアプローチするため、リファラル採用を新たに導入すると共に、デジタル系10職種の募集を開始しました。加えて、「当社のありのままの姿や働く場所としての魅力を発信するために、公式「note」を開設しました。noteを通じ、当社がDXで描く未来や、様々な取り組みをわかりやすく発信していくことで、デジタル領域を始めとしたキャリア採用を強化しております。更に、デジタル人材採用のみならず、オンボーディングまで一連の人事領域の支援を目的として、㈱Sun AsteriskをDX推進パートナーとして協業を開始しました。また、既存従業員に対しては学ぶ機会を提供し、デジタル技術の習得をサポートしていきます。これらの活動を通して、デジタル人材戦略を強化し、中長期成長基盤をより強固なものにしてまいります。
②リスク管理
各項目には「価値向上」と「リスク」双方の観点が含まれますが、ここではリスクの側面から当社が取り組んでいる対応策を記載しております。
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項目 |
リスクの概要 |
主な対応策の実施状況 |
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コンプライアンス |
・コンプライアンス違反による社会的信頼の喪失 ・職場環境の悪化 |
・毎月、コンプライアンス15分研修を実施 ・人権方針の策定と、教育・啓発の実施 ・人権デュー・ディリジェンスへの取り組み |
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労働慣行 |
・時間外労働による心身の不調、生産性の低下 |
・過剰・不当な労働時間の削減 ・長時間労働者の面接 |
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健康・安全 |
・心身の不調による業務の生産性の低下 |
・健康経営宣言の制定 ・法定基準を上回る健康診断の実施 ・全員メンタルヘルス面談の実施 |
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ダイバーシティ |
・多様性の欠如による新価値創造力の低下 ・性別・国籍等を問わない多様な人材の活躍推進の停滞 |
・積極的なローテーション ・キャリア採用の強化 ・フラットな企業風土により多様な人材の活躍を推進 ・多様なライフスタイルの人が活躍できる環境を整備 するために、在宅勤務制度、フレックス制度、副業制度、服装自由化を導入 |
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項目 |
リスクの概要 |
主な対応策の実施状況 |
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流動性 |
・退職者の増加 ・労働市場の競争激化への対応の遅れ(結果として採用が計画通りできない) |
・採用広報の強化 ・ダイレクトリクルーティングの強化 ・意欲醸成機会の増加 ・採用担当者の増員 |
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エンゲージメント |
・職場環境の悪化 ・製品・サービスの質の低下 ・従業員の企業貢献意識向上施策の不足 |
・従業員意識調査により課題を抽出し、対応策を検討・実施 ・チャレンジの場の提供 ・キャリア開発支援 |
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育成 |
・エンゲージメントの低下 ・社員と会社の成長鈍化 |
・キャリア開発支援 ・グローバルを意識したキャリア形成・能力開発の支援 ・選抜研修による後継者育成 ・上司と部下の成長対話による成長実感の醸成 |
③指標及び目標
a.戦略指標
※国内グループ連結
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対応戦略・測定するもの |
重要指標 |
2022年 |
2023年 |
2025年 目標 |
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従業員体験価値 |
「社員への約束事」の 体現度合い |
仕事を通じた成長実感 |
66.6% |
67.4% |
- |
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職場の多様性重視 |
60.8% |
61.6% |
- |
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職場での並外れた顧客志向の意識 |
55.7% |
57.6% |
- |
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チャレンジを受け入れ、推進する風土の存在 |
52.2% |
54.3% |
- |
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テーマへの納得度 |
従業員のキャリア開発支援の積極性 |
36.5% |
41.5% |
- |
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中期経営計画テーマ「私が“あったらいいな”をカタチにする」 |
テーマへの納得度 |
“あったらいいな”をカタチにしたいと思っている |
84.2% |
78.9% |
80%以上 |
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テーマの実践「体現」 |
“あったらいいな”をカタチにすることを実践できている |
53.2% |
41.1% |
60%以上 |
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既存の枠を超えた新しいチャレンジの実践 |
47.4% |
46.0% |
60%以上 |
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b.管理指標
※国内単体、当該年度12月31日時点
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対応戦略・測定するもの |
重要指標 |
2022年 |
2023年 |
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(1)“あったらいいな”開発を支える人材戦略 |
ダイバーシティ&インクルージョン |
社員数(注)1 |
男 |
1,061人 |
1,039人 |
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女 |
721人 |
723人 |
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計 |
1,782人 |
1,762人 |
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役員総数 (執行役員含む) |
男 |
13人 |
18人 |
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女 |
3人 |
4人 |
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計 |
16人 |
22人 |
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現地法人従業員数 |
860人 |
887人 |
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障がい者雇用率 |
3.05% |
3.04% |
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採用 |
新卒採用への投資(注)2 |
29百万円 |
22百万円 |
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キャリア採用への投資 |
44百万円 |
108百万円 |
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新卒採用人数(注)3 |
男 |
35人 |
31人 |
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女 |
23人 |
27人 |
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キャリア採用人数 |
男 |
19人 |
32人 |
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女 |
9人 |
22人 |
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変化を促す人材配置 |
異動率(注)4 |
27.7% |
26.1% |
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駐在員数 |
56人 |
58人 |
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新規赴任 |
14人 |
12人 |
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キャリア支援 |
副業人数 |
社内 |
11人 |
7人 |
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社外(注)5 |
32人 |
32人 |
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FA |
利用人数 |
51人 |
60人 |
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異動率(注)4 |
47% |
55% |
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経営人材の育成 |
女性管理職比率(注)6 |
13.4% |
15.6% |
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働き方の多様性 |
女性育休取得率 |
100% |
100% |
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男性育休取得率 |
89.4% |
88.2% |
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健康経営の推進 |
心身の不調により生産性が低下している社員(プレゼンティーイズム:東大1項目で測定) |
- |
13.5% |
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(2)グローバルを意識したキャリアの形成・能力開発 |
戦略推進を可視化する項目を検討中 |
- |
- |
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(3)デジタル人材の育成と採用 |
キャリア採用人数 |
1名 |
10名 |
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(注)1.臨時雇用者(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)の人員を含む
2.翌年度入社の新卒採用活動で採用活動に投資した費用(携わった社員の人件費除く)
3.翌年度入社の新卒採用人数
4.翌年の1月1日に所属を異動した正社員の人数
5.当該事業年度の申請人数
6.翌年の1月1日時点
当社グループは、企業が将来生み出す収益に対して影響を与えると考えられる、発生が不確定の事象を「経営リスク」と定めております。この経営リスクのマネジメントに関する全般的事項を「経営リスクマネジメント規程」として制定し、この規程に基づき、様々な経営リスクへの適切な対応と経営リスクが顕在化した場合の影響の極小化を図っております。
具体的には、代表取締役社長を委員長として「リスク管理委員会」を設置し、経営リスクのマネジメントシステムの構築、及び維持を目的とした活動を行っております。このリスク管理委員会では、小林製薬グループ全社で発生する経営リスクを網羅的に把握、評価し、対応の優先順位を検討しております。また、対応が必要と考えられたリスクについては、経営の関与の必要性を明確にし、対応の責任を負う担当部門を決め、責任部門における対策案の立案と実行を監督しております。リスク管理委員会における検討結果を取締役会にも報告し、取締役会においてその検証を行っております。
当社グループの経営に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、及びその対応策の実施状況は、次頁以降記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末後、有価証券報告書提出日までの間に、当社が販売する機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取された複数のお客様が腎疾患を発症されているとの報告を受けました。これを受け、当該製品及びそれに使用している紅麹原料(自社製造)の成分分析を行った結果、一部の紅麹原料に当社の想定しない成分が含まれていることが判明しました。現在、お客様の健康被害が拡大することを防ぐため、この紅麹原料を使用したすべての製品及び企業様向けに販売している紅麹原料の回収を進めております。また、この成分の特定や本製品の腎疾患等との関連性について調査を進めております。
本事案は、次頁以降に記載した各主要なリスクに横断的に影響するものであり、有価証券報告書提出日現在、本件が当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響の程度は明らかではなく、本事案により様々な悪影響が生じる可能性があります。
本事案の原因究明の結果を踏まえ、再発防止策を策定し、製品の安全性向上に向けた体制を一層強化してまいります。
以下、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(1)事業環境のリスク 当社グループの主要製品は、一般消費者向けの製品であります。当社グループは、消費者ニーズを満たす製品の提供を当社の使命と考え、消費者ニーズの変化に合わせて新製品を開発し、既存発売品の更新を行うことにより価値を創出し、他社との差別化を目指しております。 しかしながら、当社グループの想定を超える消費者ニーズの急激な変化が起こった場合、当社グループの製品への需要が大幅に縮小する可能性があります。 また当社グループの事業領域は、競合他社の新製品発売、得意先の統合による価格交渉力低下等の競争環境の変化にさらされております。そのため状況に応じて、新製品・既存発売品の需要喚起のための広告宣伝、販売促進費用や、開発費用を増加させる必要が生じる可能性があります。 さらに当社グループは、EC購買の増加や消費者の利用媒体の変化など消費者の購買行動の変化に対応し、広告宣伝手法の更新等、消費者との最適な関係構築を追究しておりますが、当社グループが想定していない購買行動の変化が起こった場合、事業効率が低下する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、消費者ニーズを見出し、製品のアイデアを検討する「アイデア創出」を起点としたバリューチェーンを構築しております。創出された製品アイデアについて、製品開発に向けた検討段階に進めるべきか判断する「アイデア会議」を月に1回の頻度で開催しており、消費者ニーズをタイムリーに反映した新製品の開発を持続的に行うことを目指しております。 一方、主要な既存ブランドについては、消費者ニーズの変化を捉えた訴求・表現等の見直しや、競合環境に対抗する施策などのブランド戦略のレビューと更新を半年に1回の頻度で行うことで、環境変化を精緻に捉えた戦略策定を実現するよう努めております。 これらの活動に加え、多種多様な製品をラインアップすることで、消費者ニーズが変化した際の影響を小さくするリスクヘッジが機能し、持続的に収益を確保することを目指す体制を構築しております。 また、当社グループはプロブレム解決型の製品を多く提供しているため、テレビ広告を中心とする広告投下によって、製品の特徴を消費者にわかりやすく伝えていくことが新製品の売上を確保するうえで重要であると認識しております。しかし、ターゲットとする消費者によってはWeb広告も投下し、常にこれらの広告と店頭消化との相関を把握することで、消費者の利用媒体の変化に関わらず広告効率が高く保たれるよう、広告施策を検討しております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(2)積極的に新製品を投入するビジネスモデルのリスク 当社グループでは成長戦略の中核的な柱として積極的な新製品の開発と市場への投入を進めており、毎年の春と秋に多くの新製品を発売しております。しかし、新製品アイデアの創出が難航し新製品の開発に着手できる品目の数が不足する場合や、開発中の製品について消費者ニーズの変化等により開発が中止となる場合、新製品発売時に競合他社からの類似製品の発売等によって市場環境が想定より厳しいものとなっている場合には、当社グループの新製品の売上が事前の想定を下回り、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
上述のとおり、当社グループは、消費者ニーズを見出し、製品のアイデアを検討する「アイデア創出」を起点としたバリューチェーンを構築しております。 新製品アイデアの継続的な創出のため、当社グループではその風土醸成を重視し、アイデア創出を基幹業務として位置づけ、十分な人的・物的なリソースの投入を継続するよう努力するとともに、全社員からアイデア提案を受け付ける制度の活用推奨、全社員アイデア大会の開催などの意識向上施策に取り組んでおります。 開発段階に進んだ新製品アイデアについては、発売予定品目をまとめた「新製品ポートフォリオ」を作成して将来の発売予定時期ごとに分類し、毎月の開発参与委員会で進捗状況を把握しております。この新製品ポートフォリオを活用し、開発中止となる品目の発生を予め想定した余裕のある開発品目数の確保と、発売スケジュールの調整を行い、常に十分な売上となる発売予定品目が確保できるよう努めております。 |
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(3)天候不順、気候変動による需要変動のリスク 当社グループの製品は、カイロ、感冒対策製品、暑さ対策製品、花粉症対策製品等、その製品需要が気温・天候により変動するものを含んでおります。そのため、各事業年度の気温・天候の如何により製品売上が影響を受ける可能性があります。 また、中長期的な気候変動が起こった場合、これらの製品への需要が縮小する可能性も否定出来ません。当社グループはこれらのリスクに対して、気候変動に呼応した新製品開発、既存発売品の更新による新規需要獲得で対応していく予定でありますが、急激なあるいは大きな気候変動が起こった場合、新規需要獲得が追いつかず、製品売上が減少する可能性があります。 一方、中長期的な気候変動の影響を低減させる方向での議論が進む、世界的な温室効果ガス削減の動きによって、当社グループの製品に関しても、将来的な炭素税の課税負荷及び環境への負荷が高いと見なされた製品に関する商流からの排除、さらには消費者のエシカル意識の高まりによる排除等の影響がある可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、多種多様な消費者ニーズに応え、多岐にわたる製品ラインアップを確保しており、一部製品の売上は、短期的な気温・天候による需要変動の影響を受けるものの、全体からみれば一定の規模に収まるという想定の下で気候変動リスクを受容しております。冬期の気温の動向により大きな影響を受け、一定の売上規模を持つカイロ事業については、気温に左右されにくいヘルスケア領域(温熱医療)の製品開発を進めるとともに、カイロの売上構成比が大きい米国については医薬品など気温・天候に左右されにくい他のカテゴリー製品の構成比を高める戦略を進めております。また、カイロ製品に限らず季節ごとに売上が変動する製品の返品を最小限に抑えるため、各種データを活用した漸次的な出荷調整等の活動により、リスクの最小化を図っております。 一方、中長期的な気候変動による製品需要の変化については、気候関連財務情報開示(TCFD)に関するガイダンスに基づいて、これを網羅的に予測し、リスク・機会の状況を検討しております。また、対応が必要なリスクについては、サステナビリティ委員会の環境推進会議にて対策を検討し実施しております。 また、社会的な温室効果ガス削減の推進による当社グループの事業への影響についても検討しており、Scope1・2及びScope3視点での温室効果ガス排出状況の算定を行っており、2030年に向けた削減目標についてSBTイニシアティブによる認定を取得しております。中でも構成比率の高いScope3に関しては、部署横断での削減PJを立ち上げ、中長期的な温室効果ガス排出量削減活動に着手しております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(4)海外事業のリスク 当社グループの海外売上の構成比は、海外の消費者ニーズに応えた事業展開によって上昇傾向にあります。また、海外事業の将来の成長を期待して、海外の現地工場や子会社の設立等の投資を行っております。そのため、事業を展開している各国の経済成長の鈍化、現地政府による規制の変更等によって、海外事業の業績が変動し、投資回収効率が低下する可能性があります。また、現地政府による資本流出規制によって、資本の流動性が低下する可能性があります。 さらに、在外連結子会社の売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての財務数値は、連結財務諸表の作成の際に円換算します。そのため、換算時の為替レートが大幅に変動した場合、円換算後の数値が大幅に変動する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 |
海外事業に対する投資に限らず、大型投資については、可能な限り段階的かつ合理的な予算で行うことを原則に、当社グループの投資判断は行われております。 経営判断を行う基礎となる投資計画についても、消費者ニーズ等の環境変化をタイムリーに反映させ、常に最新の投資計画を確認することで、投資回収リスクを低減するリスクヘッジを行っております。 また、当社グループが事業を展開している海外の拠点については、現地の経営状況、消費者動向、法規制、政治状況などをタイムリーにキャッチアップするために、毎月現地法人の社長から状況報告が行われております。 換算時の為替レートについては、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時社内での情報共有を行っております。そのうえで、必要に応じて、関係部門は為替変動の事業への影響を軽減する対策を検討しております。 |
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(5)事業買収・提携のリスク 当社グループは、国内外の当社グループ製品の市場の獲得と強化を目指し、製品ラインアップの強化、販売・製造拠点の確保(薬事規制対象製品に関する所要の認可等の確保を含みます)、販売力・事業遂行ノウハウの獲得を目的に、積極的なM&Aや事業提携を図っております。ただし、これらM&Aや業務提携については、事前に十分に把握しあるいは予想出来ない不確実な要素が存在する場合があるため、事後的に判明、あるいは発生した想定外の事象や環境変化によって、当初意図した成果が得られない可能性や、事業戦略の変更を行わざるを得なくなる可能性があります。 企業買収に際しては、多くの場合のれんや無形資産を相当額計上しておりますが、こうした資産が期待されるキャッシュ・フローを生み出せない場合には減損損失が生じるリスクがあります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
M&A、事業提携の実施にあたっては、過去の経験からノウハウを蓄積し、抜け漏れのないデュー・デリジェンス(買収監査)を実施して精緻な情報収集を行うよう努めております。 当社グループの実施するM&Aの多くのケースは、水平統合による事業拡大の性質を持つことから、買収事業の製品は、既存の多種多様な製品のラインアップの一部に加わります。また、実際に投資を行う際の投資金額も当社グループの事業規模を勘案して適切な予算の設定を行っております。従って、想定外の業績変動が発生するリスクによる影響は、全体からみれば限定的な範囲に収まるものと想定しております。一方、獲得した成長機会が目論見どおり実現された場合の業績へのプラスの影響は大きいものとなります。この成長機会と残存リスクのバランスを十分に議論したうえで、最終的な実施の判断を行い、リスクのマネジメントを実施しております。 |
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(6)人的資本確保・活用のリスク 当社グループは、新製品を継続的に発売するビジネスモデルを成立させるため、人的資本の確保・活用を重要視しております。特に海外事業の成長に対する人的投資のため、グローバル・マインドとスキルを持った人財の獲得・育成に努めております。しかしながら、性別・国籍等を問わない多様な人財の活躍推進の停滞や、退職者の増加、労働市場の競争激化への対応の遅れ、従業員の企業貢献意識を向上させる施策が適切に実施できない、というような事態が生じた場合、必要な人的資本を確保・活用できなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、「さん付け呼称」など役職に囚われず、フラットに発言出来る企業風土を作り上げるとともに、在宅勤務制度、フレックス制度、副業制度、服装自由化を導入し、多様な人財が活躍できる環境を整備しております。 また、SNSなどの活用により採用広報を強化し、当社で働くことの魅力を広く求職者の方々に知っていただく取り組みを行っております。 また、国内グループ全従業員に働きがいや働きやすさなどについて尋ねる従業員意識調査を毎年実施し、その回答結果から課題を抽出し対応策を検討・実施するとともに、社員一人ひとりが「自分のなりたい姿」に向けて主体的に成長できるようにするためのキャリア開発支援を提供しております。これらの取り組みの結果、従業員の企業貢献意識を維持・向上させることができると考えております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(7)製品安全性のリスク 当社グループの製品は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等を含みます。これら製品の品質管理には万全を期しておりますが、万一、設計不良、品質不良、あるいは副作用報告に応じた初期対応の誤りによって、消費者の健康及び資産に多大な被害等が発生した場合、その補償や、信用失墜によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの製品品質については、監査の役割を負った専門部門(信頼性保証本部)を責任部門として、品質管理上の不具合・脆弱点を洗い出して、その発生可能性を仕組みづくりによって低減する活動を繰り返す、連続的なPDCAの取り組みを行っております。このPDCAの対象は、生産プロセスだけでなく、製品設計プロセス、製品の裏面表示(消費者の読む注意書き)の是正等、製品の品質保全に関わる、広範な領域にわたっております。また、この日々の品質改善活動の結果は、年に1回の頻度でとりまとめられPDCAの実施状況について確認するよう努めております。 |
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(8)製品原材料調達のリスク 当社グループの製品事業は、原材料調達コストの変動リスクにさらされております。当社グループは継続的なコストダウン活動により製品原価の低減を図っておりますが、原材料の一部については国境を越えた調達を行っており、為替相場の変動や原油価格の急騰等によって調達コストが増大した場合、利益が圧迫される可能性があります。 また、原材料の調達が停止した場合、市場への製品供給が阻害され機会損失が起こる可能性があります。 一方、当社グループの販売する製品の原材料は、その品目数の多さに応じて多岐にわたっております。サプライチェーンの生物多様性保全等の環境側面、あるいは労働環境、人権等の社会側面において、社会的責任ある調達への取り組みが不十分であった場合、当社グループの原材料の持続的調達が困難になるとともに、その指摘によって当社グループのブランドイメージ、信用が低下する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの販売する製品の原材料は、その品目数の多さに応じて多岐にわたっているため、原材料の価格高騰等が限定的なものであれば、全社の業績に与える影響も軽微なものとなることが想定されます。 一方、自然災害・人為的災害・パンデミック・戦争等によって多岐にわたる原材料が供給不安に陥るケースを想定し、当社グループはBCP(事業継続計画)を定め、売上高上位の品目を中心に、原材料を複数の取引先から購入する体制を整えるなど、有事における事業への影響を最小限に留めることを目指しております。 また、当社グループは「小林製薬グループの調達基本方針」を示し、これに則った原材料の調達を行っております。2019年には、「小林製薬グループの調達基本方針」に、人権尊重の強化及び企業の社会的責任を果たしていく方針を追記したうえで、年に1回の頻度で、調達先に対して実施する「調達方針説明会」においてこの方針を共有するとともに、主要原材料取引先を対象とした、人権侵害のリスクを把握するためのアンケートを実施しております。今後、対応を進めるとともに、監査強化、環境保護視点の追加等を検討し、包括的なCSR調達の達成・維持を図ってまいります。 |
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(9)法的規制等のリスク 当社グループの製品は、医薬品、医薬部外品、化粧品等を含みます。そのため、医薬品医療機器等法等に関する法規の変更があった場合、製品の開発中止、販売中止等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループの売上の一部は、海外の得意先・消費者の製品輸入により成立しているため、輸出入の規制変更等によって、この売上が変動する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
国内、国外における、医薬品医療機器等法等の法令規制の変更については、信頼性保証本部が中心となって随時の情報収集に努めるとともに、先行した対応を心がけて事業影響を最小化するよう努めております。また、中国における法規の変化はスピードが激しいため、情報収集を実施する役割を明確に負った部署を現地に設置し、行政との関係性強化及び法規変更情報の中国生産拠点への水平化についても義務づけることで、対応に遅れが出ないことを目指した仕組みを構築しております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(10)情報セキュリティ関連のリスク 当社グループは、通販事業を中心に、消費者の個人情報を主とする多くの情報を保有しております。万一情報漏洩が発生した場合には、その補償や、信用失墜によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、開発中の新製品の情報、過去の製品販売実績に基づく各種ノウハウ等の情報資産を、デジタルデータとして保有しております。サイバー攻撃等により、このデータの外部流出あるいは喪失が発生した場合には、事業活動の一時的な中断、蓄積されたノウハウの一部喪失等により当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
情報セキュリティの確保については、社内管理体制を整備し、社内教育を徹底して、情報管理の充実には万全を期すよう努めております。 また、当社グループにおける情報セキュリティの対応レベルについて評価を行い、他社の対応レベルと照らし合わせて常に適切なセキュリティ能力が確保され続けている事を確認するよう努めております。 なお、当社の重要なデジタルデータは、毎日バックアップを更新し、遠隔地のサーバに保存しております。デジタルデータが改ざんされた、もしくは喪失した場合には、このバックアップデータをもとに復旧する仕組みとすることで、リスクヘッジを行っております。 |
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(11)コンプライアンス関連のリスク 当社グループは事業活動を行う上で、製品の品質・安全性の確保、健全な営業活動の実施、取引先との健全な関係構築、会計基準や税法の的確な運用等の観点で、様々な法令等の適用を受けております。 また当社グループにおいて、風通しの良い労働環境の確保と、多様性を認める価値観の醸成は、新製品のアイデア創出と人財育成を重視する事業を運営する観点でも重要な活動であります。 従って、当社グループは法令違反、ハラスメントの発生等のコンプライアンス上の問題が発生することを未然に防ぐためのコンプライアンスに関する教育・遵守に注力しておりますが、万一、当社グループもしくはその従業員が重大なコンプライアンス上の問題を起こした場合は、当社グループの信用、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは2012年より「グローバルコンプライアンス・ポリシー」を制定し、これに基づくコンプライアンスの推進を実施しております。 従業員及び社外取引先担当者を対象としたコンプライアンスアンケートを年に1回の頻度で実施し、スコアの推移を確認するとともに、向上に向けた研修施策等を計画・実行し、PDCAを回しております。 また、従業員からのコンプライアンス上の疑問・悩み・相談を受け付ける専用窓口として「従業員相談室」を設け、相談のしやすい環境整備を行っております。2013年より、海外の全ての関係会社を対象とした内部通報窓口も設置し、グローバルな情報収集体制を運用しております。 |
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(12)知的財産、及び訴訟関連のリスク 当社グループは、幅広い製品を、日本を含む諸外国で製造・販売しているため、管理すべき知的財産権も広範にわたります。従って、この知的財産権を効率よく管理することができなければ、管理コストが過大となります。 当社グループの製品ブランド及び関連する商標権等の知的財産権に関して第三者による侵害が生じた場合、当社グループは適切な対抗措置をもって対応しますが、これが認められなかった場合、損害を被る可能性があります。 一方、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、その補償が必要となり、また、信用失墜が起こる可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの事業遂行における知的財産権の侵害、非侵害のチェックは慎重に行い万全を期すように努めております。 また、デジタル技術を活用することで多くの品目数の知的財産権侵害を効率よくチェックする仕組みも導入し、知財管理コストの増大を抑える取り組みを行っております。 一方、製品の開発段階における積極的な知的財産権の創出と戦略的出願を実施し、事業領域での参入障壁の構築、模倣品の排除等の活動を継続的に行っております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
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(13)自然災害、人為的災害によるリスク 当社グループは日本をはじめ、欧米・中国・アジア等に事業拠点を持っております。また、多くの国から原材料や製品等を調達しております。これらの国々で地震、大雨・洪水等の自然災害及び紛争、戦争、テロ等の人為的災害が発生した場合、当社グループの業務停止・遅延、資産喪失、人的被害等が発生し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、各災害の発生を事業活動上いずれ顕在化するリスクとして織り込み、顕在化した際でも事業が継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定するとともに、有事にはスムーズに危機管理体制を稼働し、グローバルな情報収集、タイムリーな経営判断が可能となるような体制を整えております。 特に自然災害に関しては、本社機能が集中している大阪への甚大な影響が予想される、南海トラフ地震の対策に注力しており、大阪以外で有事の指揮が可能となる他拠点の機能強化など体制整備を進めております。 また、人為的災害に際しては、即座に情報を収集し、各リスクについて、毎週のグループ執行審議会で迅速に協議、対応を進めるようにしております。 |
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(14)レピュテーションに関するリスク 「当社は見過ごされがちなお困りごとを解決し、人々の可能性を支援する」というパーパスを掲げ、ニッチでユニークな製品を販売しております。ニッチでユニークな製品であることから、どのような製品であるかをお客様に理解していただくことが肝要であるため、テレビやウェブを通じた広告を重視し、数多くの広告を出稿しております。 万が一それらの広告における表現が不適切なものと見なされ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やインターネット等で批判的な評価が拡散した場合、当社グループのブランドイメージや信用が低下し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは全ての製品のパッケージや広告について、信頼性保証本部が必ず事前に目を通し、景品表示法等の関連する法令を遵守できているか、また倫理的に不適切な表現を使用していないかをチェックする体制を敷いております。当該チェックにより不適切な表現などの問題が発見された場合は、製品開発を担当する部門において再検討を行い、法令上、または倫理的に適切な表現への修正を行っております。 また、広告に限らず、レピュテーションリスクのある事象を認知した際には、事実関係の確認を行った上で、関係する部門が参集し、リスク顕在化の防止、および顕在化した際の影響を極小化するための対応について協議を行うことにしております。 |
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(2)経営成績
当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルス感染症の落ち着きに伴って多くの国で経済活動が再開し、国・地域を超えた移動も増加傾向になる中、原材料価格の高騰やエネルギーコスト上昇に伴う消費低迷の懸念や、地政学リスクの高まりなど、先行き不透明な状況が続きました。
そうした状況の中、当社グループは「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、お客様のニーズを満たす新製品の発売や、既存製品の育成、今後の成長事業への投資に努めてまいりました。
その結果、売上高は173,455百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益は25,780百万円(同3.3%減)、経常利益は27,330百万円(同3.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は20,338百万円(同1.6%増)となりました。
従来、国内事業・国際事業・通販事業・その他で開示しておりましたセグメント情報については、当連結会計年度の期首より、通販事業を国内事業に統合することとし、国内事業・国際事業・その他で開示しております。
この変更に伴い、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で記載・比較しております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
国内事業
当事業では、洗いたての気持ちいい香りでつめ替え可能な芳香・消臭剤「消臭元SAVON」や、繰り返すめまいに効く漢方薬「メイマック」など春に13品目、声が出にくい“声がれ”を、声帯の炎症を鎮めながら改善する漢方薬「コエキュア」、鼻をひたして水流で毛穴汚れを洗う、優しいデイリーケア製品「ケアナボン ひたし洗い液」など秋に17品目の新製品を発売し、売上に貢献しました。
また、訪日外国人数の増加に伴い、インバウンド需要も増加し、売上に貢献しました。
さらに、上期には芳香消臭剤市場低迷や競争環境の激化等の影響により苦戦しておりましたが、下期に広告費を増やしたことや、新製品が貢献したことで売上は回復傾向にあります。一方、通販は売上に大きく貢献する新製品を発売できず低迷しました。
当社では、原材料高騰を受け、製品の安定供給のために戦略的に値上げを実施し利益を確保した一方で、人材・研究開発・広告宣伝への積極的な投資を進めてまいりました。
その結果、売上高は136,539百万円(前連結会計年度比4.5%増)、セグメント利益は22,030百万円(同3.6%減)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では4,655百万円当連結会計年度では6,041百万円となっております。
なお、セグメントの変更に伴い、以下の外部顧客への売上高の内訳につきましても、スキンケアをヘルスケアに含め、日用品に含めていた医療用カイロをカイロに含める変更をしており、前連結会計年度との比較は前年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で記載しております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (2022年12月期) |
当連結会計年度 (2023年12月期) |
増減 |
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|
金額 |
増減率(%) |
|||
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ヘルスケア |
62,283 |
67,012 |
4,728 |
7.6 |
|
日用品 |
49,206 |
49,060 |
△145 |
△0.3 |
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カイロ |
6,050 |
6,917 |
867 |
14.3 |
|
通販 |
8,439 |
7,507 |
△932 |
△11.0 |
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合計 |
125,980 |
130,497 |
4,517 |
3.6 |
国際事業
当事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売しており、広告や販売促進など積極的に投資することで、売上拡大に努めました。
米国では、暖冬でカイロが苦戦しましたが、サプリメント・一般医薬品を販売しているFocus社を2023年10月に買収し、それによる売上貢献がありました。さらに、2022年にOTC医薬品メーカーAlva社で発生した一部製品の欠品が解消したことによる売上増に加え、為替変動の影響による売上の増加も寄与し、増収となりました。
中国は、米国同様に暖冬の影響でカイロが苦戦しましたが、前年のロックダウンの反動もあり増収となりました。
東南アジアでは、新型コロナウイルスの他、インフルエンザやデング熱など、各種感染症の罹患者が増加し、発熱対策として「熱さまシート」の需要が高まりました。これらに加え、円安による為替変動の影響による売上の増加も寄与し、増収となりました。
その結果、売上高は44,133百万円(前連結会計年度比6.2%増)、セグメント利益は3,218百万円(同0.5%減)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では1,877百万円、当連結会計年度では1,837百万円となっております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (2022年12月期) |
当連結会計年度 (2023年12月期) |
増減 |
|
|
金額 |
増減率(%) |
|||
|
米国 |
16,474 |
17,057 |
582 |
3.5 |
|
中国 |
12,482 |
13,652 |
1,169 |
9.4 |
|
東南アジア |
7,493 |
7,932 |
438 |
5.9 |
|
その他 |
3,225 |
3,653 |
428 |
13.3 |
|
合計 |
39,676 |
42,295 |
2,618 |
6.6 |
その他
その他には、運送業、合成樹脂容器の製造販売、不動産管理、広告企画制作等を含んでおり、各社は独立採算で経営し、資材やサービス提供についてその納入価格の見直しを適宜行いました。
その結果、売上高7,060百万円(前連結会計年度比3.1%増)、セグメント利益は493百万円(同6.6%減)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では6,243百万円、当連結会計年度では6,398百万円となっております。
(3)経営上の目標の達成状況について
当社グループは、将来にわたって持続的に成長していくために「2030年のありたい姿」を描き、そこからバックキャストの形で2023-25年の中期経営計画として「私が“あったらいいな”をカタチにする」をテーマに、「枠を超えたチャレンジ」を推進しながら、今までにない付加価値のある新製品を開発に取り組んでおります。2023年度は原材料高騰を受け、製品の安定供給のために戦略的に値上げを実施し利益を確保した一方で、人材・研究開発・広告宣伝への積極的な投資を進めてまいりました。その結果、営業利益は減益となりましたが、売上・利益ともに、連結目標数値は達成することができました。
今後も、新たに発生するお困りごとに対してスピーディに新製品開発を進めることで業績を伸ばしてまいります。
<業績目標>
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|
2023年 計画 |
2023年 実績 |
進捗 |
中期経営計画 2025年目標 |
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売上高 |
1,720億円 |
1,734億円 |
○ |
1,910億円以上 |
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営業利益 |
255億円 |
257億円 |
○ |
268億円以上 |
|
営業利益率 |
14.8% |
14.9% |
○ |
14%以上 |
|
親会社株主に 帰属する 当期純利益 |
202億円 (26期連続増益) |
203億円 (26期連続増益) |
○ |
28期連続増益 |
|
EBITDA(※) |
312億円 |
317億円 |
○ |
352億円以上 |
|
ROE |
10.0% |
10.1% |
○ |
9%以上 |
|
配当 |
92円 (25期連続増配) |
101円 (25期連続増配) |
○ |
27期連続増配 |
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国内事業売上高 |
1,294億円 |
1,304億円 |
○ |
1,376億円以上 |
|
国際事業売上高 |
420億円 |
422億円 |
○ |
533億円以上 |
|
国際売上比率 |
24.4% |
24.4% |
○ |
27%以上 |
※ EBITDA = 営業利益+減価償却費+のれん償却額
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
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国内事業 |
139,553 |
104.4 |
|
国際事業 |
44,211 |
114.4 |
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報告セグメント計 |
183,764 |
106.6 |
|
その他 |
13 |
35.9 |
|
合計 |
183,778 |
106.6 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
②受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内事業 |
136,539 |
104.5 |
|
国際事業 |
44,133 |
106.2 |
|
報告セグメント計 |
180,673 |
104.9 |
|
その他 |
7,060 |
103.1 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
△14,277 |
111.8 |
|
合計 |
173,455 |
104.3 |
(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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株式会社PALTAC |
72,689 |
43.7 |
78,671 |
45.4 |
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べ11,645百万円増加し、267,473百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少(24,697百万円)、受取手形及び売掛金の増加(5,146百万円)、商品及び製品の増加(3,322百万円)、建物及び構築物(純額)の増加(1,103百万円)、建設仮勘定の増加(11,552百万円)、のれんの増加(2,508百万円)、商標権の増加(5,517百万円)、投資有価証券の増加(3,615百万円)等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ4,729百万円増加し、62,656百万円となりました。主な要因は、未払金の増加(4,628百万円)等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ6,916百万円増加し、204,816百万円となり、自己資本比率は76.4%となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(11,396百万円)、自己株式の増加(10,283百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(2,473百万円)、為替換算調整勘定の増加(2,051百万円)等によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (2022年12月期) |
当連結会計年度 (2023年12月期) |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
31,914 |
18,360 |
△13,554 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△14,312 |
△19,576 |
△5,264 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
17,601 |
△1,216 |
△18,818 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△20,759 |
△19,463 |
1,295 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
79,480 |
59,690 |
△19,789 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は18,360百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が27,559百万円、減価償却費が4,929百万円、売上債権の増加額が3,781百万円、棚卸資産の増加額が3,175百万円、仕入債務の減少額が1,390百万円、未払金の増加額が1,918百万円、法人税等の支払額が8,358百万円あったためです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は19,576百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が45,132百万円、定期預金の払戻による収入が50,216百万円、有形固定資産の取得による支出が12,756百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が11,176百万円あったためです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は19,463百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が12,000百万円、配当金の支払額が7,223百万円あったためです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度より19,789百万円減少し59,690百万円となりました。
(注)フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
③資金需要
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資、製品導入等に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出による調達を基本としております。
手許の運転資金は、国内連結子会社の余剰資金を当社へ集中し、グループ管理を行うことで資金効率の向上を図っており、成長投資を進めながらも財務規律の維持に努めております。また、緊急時における資金需要は、金融機関との当座貸越契約で対応することとしております。
株主還元の方針としましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
(1) 合弁契約の合意解消と今後の見通し
2015年9月30日付でバードインターナショナル インクとの合弁解消の契約を締結し、2015年11月2日付で同社との合弁関係を友好的に解消するとともに同日付で当社が保有する株式会社メディコン株式(発行済株式総数の50%)全てを株式会社メディコンに譲渡いたしました。
なお、合弁解消後に関する合意事項を遵守する対価として、2024年12月期以降に以下の金額を受領し、営業外収益に計上する予定です。
2024年12月期 300百万円
2025年12月期 300百万円
(2) 持分取得による子会社化
当社は、2023年9月15日付で、北米におけるサプリメント及び一般用医薬品ビジネスの展開・拡大を目的として、Focus Consumer Healthcare,LLC(フォーカスコンシューマーヘルスケアエルエルシー、以下、「Focus社」)を、当社連結子会社であるKobayashi Healthcare International,Inc.を通じて子会社化することについて合意し、契約を締結いたしました。これに基づき、2023年10月6日付でFocus社の全持分を取得し、連結子会社化いたしました。
詳細につきましては、連結財務諸表「注記事項(企業結合等関係)(取得による企業結合)」をご参照下さい。
当社グループは「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、お客様の潜在的ニーズを掘り起こし、今までにない付加価値のある新製品を提供することで、お客様の生活を豊かにしていくことが使命と考えております。
当連結会計年度のグループ全体の研究開発費は
国内事業
当事業では、お客様が健康で快適な生活を送るために役立つ製品を提供すべく、ヘルスケア、日用品、スキンケア、カイロの4つのカテゴリーを研究開発対象として積極的な研究開発活動を行っております。
そして当社では、新製品4年寄与率(過去4年間に発売した新製品の当連結会計年度における売上高を、全売上高で割ったもの)を20%以上とすることを目標としております。当連結会計年度は、30品目の新製品を発売し、新製品4年寄与率は11.0%となりました。
主なカテゴリーの研究開発活動の成果は次のとおりであります。
ヘルスケア
繰り返すめまいに効く漢方薬「メイマック」、声が出にくい“声がれ”を、声帯の炎症を鎮めながら改善する漢方薬「コエキュア」、鼻をひたして水流で毛穴汚れを洗う、優しいデイリーケア製品「ケアナボン ひたし洗い液」など17品目を開発いたしました。
日用品
洗いたての気持ちいい香りでつめ替え可能な芳香・消臭剤「消臭元SAVON」、眠りを考えた香料を配合し心地よいやさしい香りで安眠空間をつくる機能性芳香剤「Sawaday+ @Sleep」、シリーズ史上最大冷感を実現した「熱中対策 シャツクール モンスタークール」などの13品目を開発いたしました。
結果、当事業に係る研究開発費は
国際事業
当事業では、海外のお客様が健康で快適な生活を送るために役立つ製品を提供すべく研究開発活動を行っており、当事業に係る研究開発費は
その他
研究開発活動は行っておりません。