名 称 KDDI株式会社
所在地 東京都新宿区西新宿二丁目3番2号
① 2015年3月25日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第14回新株予約権」といいます。)(行使期間は2015年4月10日から2035年3月24日まで)
② 2016年4月13日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第16回新株予約権」といいます。)(行使期間は2016年5月2日から2036年4月13日まで)
③ 2017年4月12日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第17回新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年5月1日から2037年4月11日まで)
④ 2017年7月5日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第18回新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年7月21日から2037年7月4日まで)
⑤ 2018年5月22日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第19回新株予約権」といいます。)(行使期間は2018年6月8日から2038年5月21日まで)
⑥ 2019年5月21日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第20回新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年6月7日から2039年5月20日まで)
⑦ 2020年5月27日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第21回新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年6月12日から2040年5月26日まで)
⑧ 2021年5月25日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第22回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年6月11日から2041年5月24日まで)
⑨ 2022年5月25日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第23回新株予約権」といいます。)(行使期間は2022年6月10日から2042年5月24日まで)
⑩ 2023年5月24日開催の当社取締役会の決議に基づいて発行された新株予約権(以下「第24回新株予約権」といいます。)(行使期間は2023年6月9日から2043年5月23日まで)
(上記①から⑩の新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。)
Citibank, N.A.及びDeutsche Bank Trust Company Americas(以下「本預託銀行」と総称します。)により米国で発行されている当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)に係る米国預託証券(以下「本米国預託証券」といいます。)
(注) Citibank, N.A.が2018年2月13日付で、Deutsche Bank Trust Company Americasが2018年4月2日付で、米国証券取引委員会に提出した本米国預託証券に係る届出書(Form F-6EF)(以下「本米国預託証券届出書」と総称します。)によれば、当社株式については、本米国預託証券が発行されていますが、本米国預託証券の発行には、当社は関与しておりません。本公開買付けにおいては、当社株式の全て(但し、公開買付者関係者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の取得を目指していることから、公開買付者は、法第27条の2第5項及び金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)第8条第5項第3号の規定に従い、当社の発行する全ての株券等について売付け等の申込みの勧誘を行う必要があるため、買付け等をする株券等の種類に本米国預託証券を含めているとのことです。一方で、本米国預託証券は、米国で発行されている証券であるところ、日本国の居住者である公開買付者が米国外で実施される本公開買付けにおいてその取得を行うに当たり、実務上、公開買付代理人としてその取扱いを行うことができる金融商品取引業者等が存在しないため、本公開買付けにおいて公開買付者が本米国預託証券自体の取得を行うことは困難であることが判明しているとのことです。そのため、本公開買付けにおいては当社株式及び本新株予約権の応募のみの受付けを行い、本米国預託証券自体の応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章している本預託銀行に預託された米国預託株式(以下「本米国預託株式」といいます。)に係る当社株式の応募の受付けを行うことにするとのことです。したがいまして、本公開買付けへの応募を希望する本米国預託証券の所有者の皆様においては、事前に、本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、ご応募ください。
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年2月6日開催の取締役会において、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をしておりました。上記取締役会においては、当社による意見表明に係る次の手順を決議しております。すなわち、本公開買付けが開始される際に、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2024年2月21日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2024年3月22日、当社は、公開買付者から、国内外(日本、中国、韓国及びEU)における競争法に基づき必要な手続及び対応(以下「本競争法対応手続」といいます。)が完了したことから、本基本契約に規定された前提条件(注)(以下「本前提条件」といいます。)が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。
(注) 本基本契約において、公開買付者による本公開買付けの開始は、(ⅰ)公開買付者関係者による表明及び保証(当該表明及び保証の概要については、下記「(7) 当社の株主による本公開買付けへの応募その他本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「② 本基本契約」をご参照ください。)が、それぞれ重要な点において全て真実かつ正確であること、(ⅱ)本最終契約(下記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)がいずれも有効かつ適法に締結され、有効に存続しており、本最終契約に基づき各当事者が本公開買付けの開始までに履行又は遵守すべき義務が、重要な点において全て履行又は遵守されていること、(ⅲ)当社取締役会が、利害関係を有しない取締役の全員一致をもって、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)を表明することを決議し、これが公表され、かつ、本賛同意見が維持されていること、(ⅳ)本公開買付けに関連して設置された本特別委員会(下記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に定義します。以下同じです。)が、当社取締役会に対して、本賛同意見を表明することは相当である旨の答申を行い、当該答申を行ったことが公表され、かつ、当該答申が維持されていること、(ⅴ)本競争法対応手続その他本取引(下記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。以下同じです。)の実行に関して必要となる関係当局等に対する一切の手続が完了していること、(ⅵ)本取引のいずれかの実施が法令等の違反を構成せず、本取引のいずれかの実施を制限又は禁止するいかなる関係当局等の判断等も存在していないこと、(ⅶ)本公開買付けの開始日において、当社に係る業務等に関する重要事実(法第166条第2項)で公表(法第166条第4項)されていないものが存在せず、また、当社株券等(下記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」において定義します。)に関する公開買付け等の実施に関する事実(法第167条第2項)であって公表(法第167条第4項)されていないものが存在しないこと、(ⅷ)2024年2月6日以降、当社グループ(下記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」において定義します。)の事業、財政状態、経営成績若しくはキャッシュ・フロー又はこれらの見通しに重大な悪影響を与える可能性のある事由その他本取引の目的の達成が困難となる事態が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが合理的に見込まれておらず、かつ、国内外の株式市況その他の市場環境、金融環境又は経済環境に重大な変化が発生又は判明しておらず、また発生又は判明することが合理的に見込まれていないことの充足が前提条件となっているとのことです。
これに対し、当社は、2024年3月25日、本特別委員会に対して、2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2024年3月26日付で、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して行った答申内容を変更する必要はないものと考える旨の答申書(以下「2024年3月26日付答申書」といいます。2024年3月26日付答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年2月6日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、2024年3月27日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が高まりこそすれ、薄れることはなく、2024年2月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年3月27日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年3月27日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。
なお、当社の上記の両取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されています。
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者関係者に関する記載については、公開買付者関係者から受けた説明に基づいております。
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式2,110,000株(所有割合(注1):2.11%)を所有しているとのことです。公開買付者は、2024年2月6日付で公表した「株式会社ローソン(証券コード:2651)に対する公開買付けの開始予定及び資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」(その後の訂正を含みます。)に記載のとおり、当社の親会社である三菱商事株式会社(以下「三菱商事」といい、公開買付者及び三菱商事を総称して「公開買付者関係者」といいます。)(所有株式数:50,150,100株、所有割合:50.06%)との間で、2024年2月6日付で当社の株券等を本公開買付けにより取得する旨を定めた基本契約書(以下「本基本契約」といいます。)及び株主間契約書(以下「本株主間契約」といい、本基本契約、本株主間契約及び公開買付者関係者との間の資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」といいます。)を総称して「本最終契約」といいます。)を締結し、公開買付者が当社株式(本米国預託株式に係る当社株式を含みます。但し、公開買付者関係者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権(以下、当社株式及び本新株予約権を総称して、「当社株券等」といいます。)の全てを取得することにより、当社の株主を公開買付者関係者のみとするための一連の取引(以下、本資本業務提携契約の締結と併せて、「本取引」といいます。)を実施することを決定したとのことです。さらに、公開買付者は、三菱商事及び当社との間で、2024年2月6日付で本資本業務提携契約を締結しております。本資本業務提携契約の概要については、下記「(7) 当社の株主による本公開買付けへの応募その他本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携契約」をご参照ください。
公開買付者は、本競争法対応手続を完了することその他本前提条件が充足されること(又は公開買付者関係者により放棄されていること)を条件に、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを予定していたとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2024年1月12日に提出した第49期第3四半期報告書(以下「当社第3四半期報告書」といいます。)に記載された2024年1月12日現在の発行済株式総数100,300,000株に、当社が2024年2月29日現在残存するものと報告した本新株予約権1,060個(注2)の目的である当社株式数の合計(106,000株)を加算した株式数から、当社が報告した2024年2月29日現在の当社が所有する自己株式数(222,085株)を控除した株式数(100,183,915株)(以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する当社株式の割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
(注2) 本新株予約権1,060個の内訳は以下の表のとおりです
本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の下限を14,458,500株(所有割合:14.43%)と設定しており、本公開買付けに応募された当社株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、公開買付者は応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は当社株式の非公開化を企図しておりますので、本公開買付けにおいては買付予定数の上限を設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上となった場合には、公開買付者は応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(14,458,500株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者関係者が所有する当社の議決権数の合計が当社の議決権総数(当社第3四半期報告書に記載された2024年1月12日現在の発行済株式総数(100,300,000株)から、当社が報告した2024年2月29日現在の当社が所有する自己株式数(222,085株)を控除した株式数(100,077,915株)に係る議決権の数である1,000,779個)の3分の2以上となるよう設定したものであるとのことです。
なお、本新株予約権の目的である当社株式の数(106,000株)について、(ⅰ)本新株予約権者は、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされているところ(上記の地位喪失に伴う各行使条件を、以下「本地位喪失行使条件」と総称します。)、本新株予約権者である当社の現取締役5名及び現執行役員13名のうち、本地位喪失行使条件の充足により本新株予約権の行使を予定している者はおらず、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「本公開買付期間」といいます。)中に本新株予約権が行使され、当社株式が本新株予約権者に対して発行又は移転されることは想定されていないこと、また、(ⅱ)下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者関係者は、本公開買付けが成立した場合には、当社に対して、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことであり、かつ、当社は、当該要請を受けた場合には、本公開買付けに係る決済の開始日以降速やかに、これに協力する意向であるため、公開買付者は、買付予定数の下限の設定に際し、本新株予約権の目的である当社株式の数(106,000株)を考慮していないとのことです。
また、上記のとおり公開買付者は、当社の株主を公開買付者関係者のみとすることを目的としているため、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて当社株券等の全て(但し、公開買付者関係者が所有する当社株式及びに当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付け後に予定された一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。なお、公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三菱UFJ銀行からの借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)によって賄うことを予定しており、本公開買付けの成立を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに本銀行融資を受けることを予定しているとのことです。
本取引として大要下記の各取引を実施することを予定しているとのことです。
本書提出日現在において、三菱商事が当社株式50,150,100株(所有割合:50.06%)、公開買付者が当社株式2,110,000株(所有割合:2.11%)、その他の少数株主が当社株式47,817,815株(所有割合:47.73%)及び本新株予約権1,060個(本新株予約権の目的である当社株式数106,000株(所有割合:0.11%))を所有しているとのことです。
公開買付者は、当社株式の非公開化を目的として、当社株券等の全てを取得することを目的とした本公開買付けを実施するとのことです。
公開買付者が、本公開買付けにより、当社株券等の全てを取得できなかった場合には、公開買付者は、三菱商事とともに、本公開買付けの成立及び決済完了を条件として、当社に対して本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」において定義します。以下同じです。)の手続の実行を要請するとのことであり、当社は当社の株主を公開買付者関係者のみとするための手続を実施いたします。本株式併合の割合について、公開買付者は、三菱商事とともに、当社に対して、当社における発行済株式総数を2株とする割合(但し、公開買付者関係者による協議の結果、異なる割合とすることを公開買付者関係者が合意した場合は当該割合)(以下「本併合割合」といいます。)(なお、異なる割合とする場合は、速やかに開示を行うとのことです。)とするよう要請する予定とのことです。また、本株式併合を実施することにより株式の数に1株に満たない端数(三菱商事が所有する当社株式に生じる端数を含みます。)が生じるときは、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式について、公開買付者が買い受ける予定とのことです。
本スクイーズアウト手続の完了後、当社に対する三菱商事及び公開買付者の議決権所有比率はそれぞれ50.00%ずつとなることを予定しているとのことです。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、下記「(4) 上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、本スクイーズアウト手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。
なお、2024年2月6日開催の当社取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議しておりました。
上記取締役会においては、当社による意見表明に係る次の手順を決議いたしました。すなわち、本公開買付けが開始される際に、「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社が本公開買付けに関して設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議しておりました。
その後、2024年2月21日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2024年3月22日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。
これに対し、当社は、2024年3月25日、本特別委員会に対して、2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2024年3月26日付で、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して行った答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2024年3月26日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年2月6日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、2024年3月27日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が高まりこそすれ、薄れることはなく、2024年2月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年3月27日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
当社取締役会の意思決定の過程に係る詳細については、下記「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」をご参照ください。
公開買付者は、1953年に設立された国際電信電話株式会社(KDD)、1984年に設立され、1985年に商号変更を行った第二電電株式会社(DDI)及び1987年に設立された日本移動通信株式会社(IDO)の3社が、「通信」を通じてお客さまの生活やビジネス、コミュニケーションをより豊かにしていくことを目的として、第二電電株式会社(DDI)を合併存続会社として、2000年に合併したことにより、株式会社ディーディーアイとして発足したとのことです。その後、移動体通信のセルラーグループ7社・ツーカー3社、電力系通信事業者である株式会社パワードコムの吸収合併等を通じて、モバイルと固定ブロードバンド(FTTH/CATV)サービス(注1)を1社で提供できる総合通信事業者として、お客さまに様々なサービスを提供しているとのことです。なお、DDIは1993年に東京証券取引所に株式を上場し、2001年にKDDI株式会社に商号変更しているとのことです。
(注1) 「固定ブロードバンド(FTTH/CATV)サービス」とは、高速で大容量の情報が送受信できる通信サービスをいい、光ファイバーを用いたものをFTTH、ケーブルテレビの回線を用いたものをCATVというとのことです。
現在、公開買付者グループ(公開買付者、連結子会社189社及び持分法適用関連会社43社(2023年9月30日現在)で構成される企業グループをいいます。)は、国内外における個人及び法人のお客さまに対する通信サービスの提供を事業の核としながら、様々な領域へビジネスを拡大しているとのことです。2022年5月には「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を公表し、あらゆる産業や生活シーンで付加価値を提供できる存在、「社会を支えるプラットフォーマー」を目指す姿と定めたとのことです。また、「新中期経営戦略(23.3期-25.3期)」では、パートナーとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す「サステナビリティ経営」を根幹に据え、5Gの特性を活かすことにより、「つなぐチカラ」を進化させ、あらゆるシーンに通信が「溶け込む」ことで、新たな価値が生まれる時代を目指しているとのことです。中でも、事業戦略として「サテライトグロース戦略」を掲げ、5つの注力領域としてDX、金融、エネルギー、LX、地域共創を定義し、5Gによる通信事業の進化と、通信を核としたシナジーの発揮による新たな事業領域の拡大を加速しているとのことです。
一方、当社は、1975年4月、ダイエーローソン株式会社として設立され、1996年6月に株式会社ローソンへ商号変更いたしました。その後、当社は、2000年7月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所プライム市場へ移行いたしました。現在、当社グループ(当社、連結子会社30社及び持分法適用関連会社9社(2023年11月30日現在)で構成される企業グループをいいます。)は、コンビニエンスストア「ローソン」のフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を主な事業として展開しております。
当社は、2000年2月に三菱商事との間で業務提携契約(その後の改定を含みます。以下同様です。)を締結して以来、三菱商事との相互の事業シナジーを追求し、国内有数のコンビニエンスストアチェーンとしての地位を確立してきました。さらに、当社は、創業50周年に当たる2025年に向けて2021年度に策定された中期経営ビジョン「Challenge 2025」において、グループ理念である「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」の実現を目指し、「新・マチの“ほっと”ステーション」(注2)の創出に力を入れ、「圧倒的な美味しさ」「人への優しさ」「地球(マチ)への優しさ」を軸に様々な取組みを実施してきました。
(注2) 「新・マチの“ほっと”ステーション」とは、日々の暮らしに安心とワクワク感と便利さを実現する誰もが「ほっ」とできる店舗という当社が目指す理想の店舗像をいいます。
当社グループの主な事業内容及び各事業内容の中長期的な経営戦略は、以下のとおりです。
当社は、国内コンビニエンスストア事業において、「ローソン」、「ナチュラルローソン」及び「ローソンストア100」のチェーン本部としてフランチャイズシステム及び直営店舗の運営を行っております。当社の連結子会社である株式会社ローソンアーバンワークスは東京・千葉を中心にコンビニエンスストア「ローソン」の店舗運営を、当社の連結子会社である株式会社ローソンストア100は、「ローソンストア100」の直営店舗の運営や経営のサポートを、当社の連結子会社である株式会社SCIは、原材料の調達から販売までのプロセスを総合的に管理する機能子会社として、工程全体の効率化と最適化をそれぞれ行っております。
消費者の行動に大きな変化を与えた新型コロナウイルス感染症の流行の中においては消費者の巣ごもり需要に対応するべく生鮮や冷凍食品などの日常使いの商品を強化、人流回復に伴う外出需要が進む現在の局面において、当社は、今まで以上にこの消費行動の変化に対応し、商品の刷新や買い物しやすい売場づくりを続けております。また、当社グループ内のデータ活用を含めたデジタル技術の活用と、共に働く仲間の働きがい、挑戦心を基盤に、「3つの約束」(注3)を追求し、これからの新しい便利を提供できる「新・マチの“ほっと”ステーション」を実現するべく変革を加速させております。なお、これらの取組みを戦略コンセプト「地域密着×個客・個店主義」(注4)の下、加速すべく、2022年度から一部導入しておりましたエリアカンパニー制(注5)を、2023年度から全国拡大しております。
また、当社は事業ポートフォリオ戦略において国内コンビニエンスストア事業をコア事業として位置づけており、今後も同事業への集中投資を通じた強化を図ると同時に、「新しい便利」の実践と持続可能な事業モデル創出に向けて、周辺事業を含むコンビニエンスストア事業の進化を加速していく方針であります。直近の主要な取組みとして、デリバリープラットフォーム各社とのシステム連携やデリバリー取扱商品の拡充を進めるなど、世界最速クイックコマースの実現に向けた取組みを進めております。
(注3) 「3つの約束」とは、当社がお客さまや社会に約束している「圧倒的な美味しさ」、「人への優しさ」、「地球(マチ)への優しさ」をいいます。
(注4) 「地域密着×個客・個店主義」とは、各地域のお客さまのニーズに即した最適な商品展開を目指すことをいいます。
(注5) 「エリアカンパニー制」とは、「地域密着×個客・個店主義」の実現のため全国8エリアに裁量の大きいカンパニーを設置し、お客さまに近い現場で、顧客価値の創造を徹底追及できるように構築された体制をいいます。
当社の連結子会社である株式会社成城石井においてスーパーマーケット「成城石井」の直営店181店舗(2023年11月末時点)及びフランチャイズシステムの運営を中心に事業を展開しております。輸入、物流、製造、卸売、小売業態での販売及び飲食業態といった流れを一貫して自社で行う「食の垂直統合」という独自のビジネスモデルを構築しております。強みである高品質な商品及びサービスに裏打ちされた高いブランド力を背景に、コロナ禍での巣ごもり需要を取り込むことに成功し、急速な事業規模拡大を果たしております。
2022年7月に新たな統合型セントラルキッチンである「大和第3セントラルキッチン」の操業を開始したことにより、製造能力が大幅に強化されたことを活かし、現在は、総菜部門の新たなカテゴリー商品開発の推進や、関東圏での更なる出店加速に加え、西日本エリアへの進出及び拡大に備えた物流体制の構築をすべく、新たな物流センターの開設を予定しております。また、EC事業についても、2022年3月よりAmazon.co.jp上で成城石井ネットスーパーを共同展開しており、EC強化やラストワンマイルビジネスの取組みを進めている状況にあります。
当社の連結子会社である株式会社ローソンエンタテインメントにおいて、ローソンチケットやローソントラベルなどのチケット事業、HMV店舗やEC等での音楽、映像ソフトの販売を行う物販事業などを展開しております。また、当社の連結子会社であるユナイテッド・シネマ株式会社において、41劇場(2023年12月末時点)の複合型映画館を運営するシネコン事業などを行っております。
事業ポートフォリオ戦略において2025年に収益の柱となる事業の一つと位置づけており、エンタメチケットとトラベルチケットのシームレスなサービス展開やM&Aやアライアンスの活用も視野に入れたトラベル事業の垂直立ち上げ、EC事業における新商品開発や品揃え強化に加え、シネコン事業におけるプレミアムシートなどの劇場施設の高付加価値化や映画以外の上映コンテンツの拡充などによるエンタメコンプレックス事業への深化を図っており、これらの取組みを通じて、唯一無二のエンタテインメント総合流通企業を目指しております。
当社の連結子会社である株式会社ローソン銀行において、全国のローソン店舗に設置した13,509台(2023年3月末時点)のATMを基盤としたATM事業及びリテール事業の展開に加え、ATMネットワークを通じて、ATM利用者と提携金融機関(385社、2023年3月末時点)やキャッシュレス事業会社を結ぶサービスを提供しております。
事業ポートフォリオ戦略において2025年に収益の柱となる事業の一つと位置づけており、提携金融機関の拡大やローソン銀行ATMのサービス拡充により、ATM利用者数の増加に取り組んでおります。また、年間36億人以上の店舗来店者を対象に、「お客さまにいちばん近い銀行」としての新しいリテール金融サービスの提供を目指しております。
当社は、海外事業として、中国、タイ、フィリピン、インドネシア及び米国ハワイ州において、各地域の運営会社が「ローソン」店舗を運営しております(注6)。
(注6) 中国、タイ、フィリピン及び米国ハワイ州については、当社による出資に基づく子会社を通じた事業運営を主として行っておりますが、インドネシアについては子会社を通じた事業運営ではなく、現地企業に対するエリアライセンスによるフランチャイズ事業を行っております。
当社の海外事業のうち、最大の事業規模を誇り、海外での営業収益の主な獲得地である中国においては、当社の中国子会社による出店に加えて、上海市、重慶市、瀋陽市、北京市などの各都市における地場の小売企業とのメガフランチャイズ契約による出店や、現地のパートナー企業が本部機能を持った上で指定されたエリアにおける運営及び開発の全般を担うエリアライセンス契約による出店などを進めており、出店エリアと店舗数の拡大を加速させております。具体的には、中国における店舗数は、2023年8月には6,000店舗を突破し、2023年11月末時点で6,251店舗(前期末比で631店舗の純増)となっております。当社は、中国において、2025年度に10,000店舗展開という目標を掲げた上で、その実現に向け、新規エリアへの出店加速、既存出店エリアでの規模拡大の取組みに加え、プライベートブランド強化などの商品戦略、デリバリー・OMO(注7)・EC強化などを進めております。当社は、今後、中国における事業の状況や地政学的リスクも踏まえつつ、事業パートナーとの提携、外部資本の受入れ、株式公開、事業再編、組織再編を含め、中国子会社の成長を加速させるための事業戦略及び資本政策に関する様々な選択肢を検討する可能性がありますが、本書提出日時点において具体的に決定した事実はありません。また、中国以外の地域においては、タイ、フィリピン、インドネシア及び米国ハワイ州において2023年11月末時点で964店舗を展開しています。経済成長が著しい東南アジアでは、中間層の拡大を受けコンビニエンスストアの需要が着実に伸長しており、当社は2025年度に3,000店舗の展開を目標として事業規模の拡大に努めております。更なる出店加速に向け、現地有力企業との提携を含めた取組みに加え、フィリピンではフランチャイズでの本格展開、多様な形態・立地での新規出店、インドネシアではジャカルタ以外の主要都市への出店エリア拡大を進めています。加えて、プライベートブランド商品やカウンターファストフードの拡充、ベンダー政策強化など、商品力の強化にも取組んでいく方針です。
(注7) 「OMO」とは、Online Merges with Offline(リアルとオンラインの融合)の略語であり、インターネットを通じた販売(電子商取引)と、実店舗における販売の区別を無くし、消費者の皆様の購買意欲を促す施策を指します。
当社グループは、当社創業50周年に当たる2025年に向けて策定した、2021年度から2025年度までの中期経営計画である「Challenge 2025」を実現すべく、世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、消費者の生活や価値観の変化が進む状況を踏まえ、2020年9月に当社グループ全体での成長戦略の具体化を検討するために「ローソングループ大変革実行委員会」を発足させており、同委員会の下、新しい便利の提供、従業員や店舗クルーの働きがい向上等にチャレンジしております。また、コア事業である国内コンビニエンスストア事業への集中投資による「企業価値の向上」、「成長投資と株主還元のバランシング」及び「グループ会社個社の成長とローソングループ全体の成長」を通じて2025年チャレンジ指標(ROE15%以上、EPS500円以上)の達成を目指しております。なお、当該チャレンジ目標につきまして、2025年度から2年前倒しでの達成を予定しております。
このような中、当社の属する小売業界を取り巻く環境は、業態を超えた競争環境の激化や消費者ニーズの多様化が進んでいることに加え、原材料費や人件費、物流費など各種コストの上昇が見込まれる局面にあり、このような厳しい状況において持続的な成長を実現するために、当社グループの各事業における付加価値の高い商品・サービスの提供、更なる規模拡大と効率性向上の追求、それらを実現するためのDXの深化が、当社の課題となっているものと考えております。また、当社は、持続可能な社会に対する要請が高まる中、社会課題の一つである気候変動等の激化する環境変化に対し、脱炭素活動、食品ロス及びプラスチック使用量削減等を通じた脱炭素社会の形成並びにSDGsに貢献すべく、環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」(注8)を策定しており、気候変動等の激化する環境変化を優先的に対処すべき事業上の課題として認識しております。
(注8) 「Lawson Blue Challenge 2050!」とは、①CO2排出量削減、②食品ロス削減及び③プラスチック使用量削減(容器包装、レジ袋)の3つに関して重点的に取組みを進めるべく、当社の環境ビジョンとして2019年に策定しました。
公開買付者と当社は、両社の顧客基盤を活かしたデータマーケティングの推進や先端テクノロジーの活用による新たな消費体験の創出を目的として、2019年12月に資本業務提携契約を締結し、ポイント等の連携を通じた顧客基盤の拡大や会員向けサービスの拡充等に取り組んできました。加えて、公開買付者は、2022年6月に当社、三菱商事及び公開買付者グループのmenu株式会社と業務提携契約を締結し、コンビニエンスストアの新しい消費体験の1つであるデリバリー事業の拡大を進めてきたとのことです。
このような提携を推進する中、公開買付者は、2023年5月下旬、当社の親会社である三菱商事より、公開買付者及び当初において参加を検討していた第三者(以下「当初パートナー候補者」といいます。)を、各社が有するリアル店舗網や顧客基盤を相互活用しながら、当社が日本全国に有するリアル店舗のネットワーク拡大や機能向上、当社のデジタルマーケティングへの活用を含むデジタル領域における機能拡充を支援する当社の新たなパートナー候補として、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者の3社による当社株式の非公開化を含む協業に関する共同検討を行いたいとの提案を受けたとのことです(以上の公開買付者関係者及び当初パートナー候補者による当社株式の非公開化に向けた取引を、以下「本取引(当初案)」といいます。)。なお、下記のとおり、当初パートナー候補者は本取引(当初案)の検討過程において、本取引(当初案)に係る提案を辞退しているとのことです。
三菱商事によると、同社は、1950年4月1日に設立され、1954年には東京証券取引所及び株式会社大阪証券取引所に株式を上場しているとのことです。三菱商事は、三菱商事並びに当社を含む連結子会社1,367社及び持分法適用会社410社(2023年9月30日現在)から成る企業グループ(以下「三菱商事グループ」といいます。)により構成され、国内外のネットワークを通して、天然ガス、総合素材、化学ソリューション、金属資源、産業インフラ、自動車・モビリティ、食品産業、コンシューマー産業、電力ソリューション、複合都市開発の10グループに産業DⅩ部門、次世代エネルギー部門を加えた体制で、幅広い産業を事業領域としており、貿易のみならず、様々なパートナーとともに世界中の現場で開発や生産・製造等の役割も自ら担っているとのことです。
三菱商事は、2022年5月に2022年度から3か年の「中期経営戦略2024」を策定し、多様な事業・インテリジェンス・人財・ステークホルダーを「つなげ」・「つながる」をキーワードに三菱商事グループの総合力強化による社会課題の解決を通じて、継続的に生み出されるスケールのあるMC Shared Value(共創価値)の創出を目指しているとのことです。中でもコンシューマー産業グループは、「生活者と生産者・リアルとデジタルをつないで、豊かな暮らしを共創する」をミッションとして、リアル分野とデジタル分野に跨る広い生活者(顧客)との接地面(接点)を活かし、異業種との協業や、DⅩによるサプライチェーンの効率化、デジタルマーケティングによる生活者ニーズに即した商品・サービス・情報の提供により、生活者にとって魅力度の高い消費体験及び利便性の高いサービスの提供の実現を目指しているとのことです。その中において、当社を中心としたリアル店舗網やPontaを中心としたデジタルサービスの接地面は、コンシューマー産業グループにおける価値創造の源泉であり、当社は、2000年2月に三菱商事と業務提携契約を締結して以来、三菱商事グループの川下事業領域における最重要事業を担っているとのことです。
三菱商事と当社の資本関係につきましては、三菱商事の完全子会社であった株式会社エム・シー・リテールインベストメント(以下「エム・シー・リテールインベストメント」といいます。)が、2001年2月に当社株式9,109,300株(当時の発行済株式数の7.93%)を取得し、2001年8月には22,980,000株(当時の発行済株式数の21.36%)を追加で取得(取得済みの9,109,300株と合わせて32,089,300株(当時の発行済株式数の29.82%))したことにより当社の筆頭株主となっておりましたが、2004年12月にエム・シー・リテールインベストメントから三菱商事が全株を取得したことにより、三菱商事が当社の筆頭株主となったとのことです。その後、市場内外からの取得や、2017年2月の連結子会社化を経て、四半世紀近くに亘って当社とともに事業を運営してきたとのことです。以上の経緯を経て、三菱商事は、本書提出日現在において、当社株式を50,150,100株(所有割合:50.06%)所有しているとのことです。
三菱商事は、日本全国約14,600の店舗ネットワークを用いて1日当たり約1,000万人のお客さまに価値を提供し続けている当社が、地域のお客さまにとってなくてはならない重要なインフラ機能を有している稀有な存在であると認識しているとのことです。そして、三菱商事は、当社の事業運営を支えているフランチャイズ加盟店やクルーの皆様、当社グループの従業員の皆様、物流・ベンダー事業等に従事している皆様を含む多くの方々のご尽力により、「マチの“ほっと”ステーション」である当社事業が成立していることを実感しているとのことです。こうしてお客さまにとって必要不可欠な存在となっている当社事業の広範囲に亘る生活者との接地面や顧客基盤は、三菱商事グループが川下分野で新たな事業構想を行う上で基盤となり得る貴重な事業資産と考えているとのことです。三菱商事としては、三菱商事グループが展開している金融・広告・ヘルスケア事業や、都市開発・電力・モビリティ・エネルギー分野における当社事業との連携の可能性含め、生活者にとって利便性及び利得性があるサービスを提供し、新たな顧客体験を創造して豊かな地域社会を支えることを今後も追求していくとのことです。
他方、三菱商事としては、当社の更なる企業価値向上に資する施策に関する社内検討を継続していたところ、2023年5月中旬までに、デジタル技術の進展や生活者ニーズの多様化、将来的な人口減少や異業種も含めた競争激化等の小売り事業を取り巻く環境変化が見込まれる中、これまで以上にリアル・デジタルが融合したサービス提供が生活者価値に繋がるとの認識の下、従来までの当社グループによるチャレンジや、三菱商事グループによる当社に対する支援体制に留まることなく、顧客基盤や豊富なデジタル知見を有する新たなパートナーと連携することが、が当社の更なる企業価値向上に資するとの考えに至ったとのことです。また、かかる継続的な社内検討と並行して、三菱商事は、公開買付者が2019年12月より当社と資本業務提携契約を締結したことを契機に、当社の企業価値向上に向けた更なる協業可能性について幅広く検討すべく、公開買付者との間で初期的な意見交換を行う機会を有していたとのことです。さらに、三菱商事は、当初パートナー候補者との間でも、同社から2022年12月下旬に当社との提携による協業可能性につき共同検討したい旨の打診があったことを契機として、それ以降、当初パートナー候補者と当社との提携の可能性についても検討すべく、初期的な意見交換を行っていたとのことです。
三菱商事としては、これらの公開買付者及び当初パートナー候補者との間の初期的な意見交換を通じて、両社ともに当社との間での事業上の協業に高い関心を有していることが確認できたことに加えて、公開買付者や当初パートナー候補者が有する「リアル」の拠点を中心とした社会インフラに、公開買付者が有するデジタル知見を掛け合わせることにより、あらゆるお客さまにとって身近な存在を目指すことができると考えるに至り、この2社が当社の更なる企業価値向上に資する新たなパートナー候補になり得るとの考えの下、当社株式の非公開化を含む協業に関する共同検討の打診を2023年5月中旬に当初パートナー候補者に、2023年5月下旬に公開買付者に、それぞれ個別に行ったとのことです。その後、当初パートナー候補者からは、2023年5月中旬に本取引(当初案)の検討に前向きである旨の意向が示され、また、公開買付者からは、下記のとおり、2023年6月下旬に本取引(当初案)の具体的な検討を進めることに合意する旨の意向が示されたとのことです。なお、三菱商事としては、公開買付者とともに、2025年に創業50周年を迎える当社の企業価値向上に取組み、さらに次の50年を見据えた「マチの“ほっと”ステーション」の実現にチャレンジしたいと考えているとのことです。
これを受けて、公開買付者は、本取引(当初案)の取組み意義や当社とのシナジーに関する初期的な議論を三菱商事と重ねてきたとのことです。公開買付者としては、当社の主力事業であるコンビニエンスストアは、社会インフラとして欠かせない存在であり、近年その重要性はますます高まっていると考えているとのことです。他方で、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした生活スタイル・消費行動の変化を始めとした生活者の価値観の多様化により、今後はリアル店舗に留まらない新たな価値提供が必要になると考えているとのことです。このような事業環境下、当社は、「地域密着×個客・個店主義」を戦略として掲げ、日本全国で約14,600店舗のコンビニエンスストア「ローソン」をはじめ、「ローソンストア100」や「ナチュラルローソン」等、特色ある店舗を展開し、地域のお客さまに密着した商品やサービスの提供により国内有数のコンビニエンスストアチェーンとしての地位を確立している他、高品質なオリジナル商品等の展開により高いブランド力を有するスーパーマーケット「成城石井」や、チケット販売や映画館運営等を行うエンタテインメント事業等を通じて、幅広いお客さま接点を有していると認識しております。公開買付者は、国内人口の減少や通信業界を取り巻く環境の変化に対応しながら、今後もお客さまに選ばれ続ける企業であるためには、これまで以上にお客さま接点の維持・強化が重要な経営課題であると認識しているところ、当社との連携により、より多くのお客さまとの接点構築が可能となり、また、公開買付者グループの有する通信をはじめとした様々なアセットの活用により、当社をデジタル面から支援することで、当社の店舗の利便性向上やお客さまへの新たな価値提供が可能になると考えたとのことです。
このような検討の結果、「リアル」のお客さまと身近な接点を持つ当社と、「デジタル」のお客さま接点を持つ公開買付者が提携をさらに深め、地域社会やお客さまのニーズに応えていくことは、公開買付者の目指す姿である「社会を支えるプラットフォーマー」とも合致するとの考えに至り、2023年6月下旬、公開買付者は三菱商事からの提案に賛同し、本取引(当初案)の具体的な検討を開始したとのことです。
公開買付者は、2023年6月下旬以降も三菱商事との間で、三菱商事からの当初パートナー候補者に関する説明を通じて、当初パートナー候補者を含む3社による本取引(当初案)に関する取引ストラクチャーや経営方針等の協議を継続し、また、三菱商事からの当社に関する説明を通じて当社への理解を深めるとともに、当社との具体的な協業施策について検討いたしました。
また、公開買付者は、2023年6月下旬、公開買付者関係者及び当社から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、2023年9月上旬、公開買付者関係者及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザーとしてUBS証券株式会社(以下「UBS証券」といいます。)を選任し、また、三菱商事は、2023年5月中旬、公開買付者関係者及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社を、公開買付者関係者及び当社から独立した法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任した上で、当初パートナー候補者を含む3社間で、2023年8月下旬以降、複数回に亘って、取引ストラクチャーやスケジュール等の基本事項の他、当社の企業価値向上に向けた具体的な方策について協議を行ったとのことです。その結果、2023年8月下旬、公開買付者は、三菱商事及び当初パートナー候補者との間で、公開買付者関係者、当初パートナー候補者及び当社がそれぞれの業界において有するネットワークや経営資源、知見を活用し、相互に連携して事業を推進することによって、当社の企業価値向上を図ることが可能になるとの認識を共有するに至ったとのことです。具体的には、食・日用品の提供を通じて全国の生活者を支える当社グループの事業に対して、通信の分野で国内有数のシェアを有するインフラ企業である公開買付者グループ、及び当初パートナー候補者の知見を活用し、リアル店舗の相互活用によるネットワークの拡大や店舗機能の拡充等を目指す「リアル」、ポイント経済圏の拡大やリアル・デジタル融合型サービスの展開等を目指す「デジタル」、環境負荷低減施策の推進等を目指す「グリーン」の各領域において、公開買付者関係者、当初パートナー候補者及び当社が連携することで、従来のコンビニエンスストアを超えた、「リアル×デジタル×グリーン」をコンセプトとする新しい業態の実現を通じた生活者価値の創出により、当社の企業価値向上への貢献が可能であると考えたとのことです。また、上記を実現するための手法については、経営資源の相互活用を加速し、当社の短期的利益に直結せずとも当社を中長期的に成長させることに繋がる様々な施策を行い、より強力な提携関係を構築することが、結果的には当社の企業価値向上に資するとの考えから、当社株式を非公開化することが最善であるとの判断に至ったとのことです。
上記のような協議を踏まえ、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者は、2023年9月1日付で、当社に対して、本取引(当初案)に関する初期的提案書を提出したところ、当社より、2023年9月上旬に本取引(当初案)の協議に向けた検討体制を整備する旨の意向が示されたとのことです。その後、2023年9月中旬以降、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者は、本取引(当初案)の実施に向けた当社との具体的な協議を開始するとともに、2023年10月中旬以降、当社に対するデュー・ディリジェンスを順次開始し、当社の事業内容及び当社を取り巻く事業環境、成長戦略、経営課題等に対する理解を深めると同時に、ビジネス、会計、税務、法務等の分野に関して確認を行ったとのことです。
かかる中、2023年12月下旬、公開買付者関係者は、当初パートナー候補者より、当初パートナー候補者事由による本取引(当初案)への影響に関する相談を受けたとのことです。公開買付者関係者及び当初パートナー候補者との協議の結果、このまま本取引(当初案)を継続することは難しいとの結論に至り、当初パートナー候補者より、本取引(当初案)からの辞退に関する申し入れを受けたとのことです。これを踏まえ、公開買付者関係者は、当社の企業価値向上に向けた最善の方策について、改めて協議を行ったとのことです。その結果、公開買付者関係者は、公開買付者関係者及び当社の企業価値の更なる向上のために、各社の人材及びノウハウ等の様々な経営資源を相互活用し、迅速な意思決定を推し進めることが必須であるとの考えを再確認したとのことです。一方で、公開買付者関係者は、各種施策を進めることで、一時的なコスト増による短期的な業績の下振れリスク及びそれらに起因して株価に悪影響を及ぼす可能性は否定できないとの問題意識を共有していることも確認したとのことです。そのため、公開買付者関係者は、当社株式を非公開化し、当社の少数株主の皆様に対して適切かつ合理的な当社株式の売却機会を提供することにより、当社の少数株主の皆様の利益が損なわれないようにする一方、当社の短期的利益に直結せずとも当社を中長期的に成長させることに繋がる様々な施策を行い、より強力な提携関係を構築することが、結果的には当社の企業価値向上に資するとの考えの下、当社株式の非公開化を行い、当社を公開買付者関係者による共同経営体制とすることが当社の企業価値向上には最善であるとの判断に至ったとのことです。
その後、当初パートナー候補者は、2023年12月25日付で、当社に対して本取引(当初案)に関する提案辞退の申し入れを正式に提出したとのことです。また、公開買付者関係者は、協議の結果、2023年12月26日付で、当社に対して、本取引(当初案)を、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者の3社による当社株式の非公開化を含む協業から、公開買付者関係者の2社による当社株式の非公開化を含む協業に変更した、本取引に関する初期的提案の変更提案書を提出したとのことです。
これに対して、当社及び本特別委員会は、初期的提案の変更に関する影響を精査するために、2024年1月4日に公開買付者関係者との間で面談を実施しました。当該面談において、当社及び本特別委員会は、公開買付者から、当初パートナー候補者の辞退を受けて当初パートナー候補者が提案する業務提携事項については提案の対象から除外されることになったものの、本取引後における公開買付者の議決権所有比率が50.00%に引き上げられることに伴い、公開買付者が提案する業務提携事項について、より強固なコミットメントに基づく迅速かつ手厚い支援が可能になる旨の説明を受けたことから、初期的提案の変更提案書の内容に関しては検討及び協議を深めていく価値があると考え、本取引に係る検討を継続することといたしました。
公開買付者関係者は、本取引により当社の株主を公開買付者関係者のみとし、当社と一体的な事業運営を行うことで、「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値の創出を通じて各領域におけるシナジーを期待しており、その実現に向けた施策として、以下の内容を検討しているとのことです。なお、公開買付者関係者は、当社が今後も持続可能な成長を遂げるために、新たな外部パートナーとの提携を本取引完了後の将来的な選択肢として検討する可能性があるとのことです。但し、本書提出日現在において、具体的な外部パートナーとの提携の検討の事実や、外部パートナーの招聘に向けた具体的な方針はないとのことです。
当社及び公開買付者の強みであるリアル店舗約16,800拠点(当社店舗:約14,600拠点、auショップ:約2,200拠点)について、国内有数のリアル店舗ネットワークの構築が可能と考えているとのことです。その上で、当社及び公開買付者関係者の機能・商材を活用した新たなサービスを提供することにより、当社の競争優位性の向上を期待しているとのことです。
具体的には、当社の店舗網拡大・機能強化施策として、auショップにおける当社の商品・サービスの取扱いや、当社店舗における公開買付者の通信を軸とした商材・サービスの提供(物販型通信サービス等)及びオンラインリモート接客導入によるお客さまの生活に寄り添うサービスの提供等、公開買付者のアセットの組み合わせによる新たなサービスの提供を検討しているとのことです。
当社及び公開買付者関係者が持つ会員情報(属性・購買情報等)連携による国内最大級の顧客データ基盤を活用することで、当社のお客さまにおける満足度とロイヤリティの向上を期待しているとのことです。
具体的には、公開買付者の会員基盤からの当社店舗への新規送客や、公開買付者及び当社の既存会員による当社店舗の利用拡大に向けた、会員向け新サービスの開発及び提供を検討しているとのことです。また、当社の収益拡大に向けた公開買付者とのデータ連携及び分析体制の構築や、当社の店舗オペレーションの最適化等、当社の店舗運営上の課題に対する公開買付者のDX知見や技術の提供を検討しているとのことです。
当社及び公開買付者関係者の事業基盤を最大限活用し、当社事業の脱炭素化に向けた取組みを推進することで、グリーンでサステナブルな社会の実現を期待しているとのことです。
具体的には、公開買付者による当社の店舗への太陽光パネルの設置及び発電等により、当社店舗のグリーン化推進を検討しているとのことです。また、当社の店舗で生じる廃食油を原料としたバイオディーゼルを製造する等のサーキュラーエコノミー事業の推進、当社事業におけるプラスチック容器及びペットボトル素材のバイオ系素材への置き換えにより、当社が掲げる「Lawson Blue Challenge 2050!」への貢献を検討していくとのことです。
並行して、公開買付者は、三菱商事とともに、当社との間で、2023年10月中旬以降継続して、本取引後の経営体制・事業方針等、具体的な業務提携の協議を重ねてきたとのことです。複数回に亘る協議の結果、2024年2月6日付で、公開買付者関係者及び当社との間で本資本業務提携契約を締結し、また、公開買付者関係者間で本株主間契約を締結するに至ったとのことです。本資本業務提携契約及び本株主間契約の概要については、下記「(7) 当社の株主による本公開買付けへの応募その他本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携契約」及び「③ 本株主間契約」をご参照ください。なお、本資本業務提携契約の締結に伴い、三菱商事と当社の間の2016年9月16日付の業務提携契約については、本資本業務提携契約の効力発生を条件として解消することとなりました。
また、公開買付者は、2023年10月中旬から2024年1月下旬にかけて実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、当社に対し、2023年12月26日に、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)として、当社株式1株当たりの本公開買付価格を8,650円(8,650円は、当該提案がなされた2023年12月26日の前営業日である2023年12月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値7,291円に対して18.64%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,270円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して18.98%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,102円に対して21.80%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値6,996円に対して23.64%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権価格」といいます。)を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を8,650円とする、初回提案(以下「初回提案」といいます。)を書面で行ったとのことです。初回提案に対し、公開買付者は、当社から、2023年12月27日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月4日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を9,000円(9,000円は、当該提案がなされた2024年1月4日の前営業日である2023年12月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値7,283円に対して23.58%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,253円に対して24.09%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,125円に対して26.32%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,024円に対して28.13%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を9,000円とする、第2回提案(以下「第2回提案」といいます。)を書面で行いました。第2回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月6日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、改めて本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月11日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を9,500円(9,500円は、当該提案がなされた2024年1月11日の前営業日である2024年1月10日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値7,316円に対して29.85%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,224円に対して31.51%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,170円に対して32.50%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,071円に対して34.35%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を9,500円とする、第3回提案(以下「第3回提案」といいます。)を書面で行いました。第3回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月12日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、改めて本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月18日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,000円(10,000円は、当該提案がなされた2024年1月18日の前営業日である2024年1月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,290円に対して20.63%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,395円に対して35.23%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,259円に対して37.76%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,112円に対して40.61%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,000円とする、第4回提案(以下「第4回提案」といいます。)を書面で行いました。第4回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月24日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、当社が2024年1月12日に公表した「2024年2月期第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)の内容を含む足許の業績の成長及び足許の株価が継続的に上昇している状況に鑑み、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月26日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,200円(10,200円は、当該提案がなされた2024年1月26日の前営業日である2024年1月25日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,266円に対して23.40%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,750円に対して31.61%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,392円に対して37.99%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,181円に対して42.04%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,200円とする、第5回提案(以下「第5回提案」といいます。)を書面で行いました。第5回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月28日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月29日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,290円(10,290円は、当該提案がなされた2024年1月29日の前営業日である2024年1月26日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,285円に対して24.20%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,801円に対して31.91%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,413円に対して38.81%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,192円に対して43.08%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,290円とする、第6回提案(以下「第6回提案」といいます。)を書面で行いました。第6回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月29日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月30日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,350円(10,350円は、当該提案がなされた2024年1月30日の前営業日である2024年1月29日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,414円に対して23.01%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,925円に対して30.60%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,436円に対して39.19%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,204円に対して43.67%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,350円とする、第7回提案(以下「第7回提案」といいます。)を書面で行いました。第7回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月31日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月31日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円(10,360円は、当該提案がなされた2024年1月31日の前営業日である2024年1月30日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,423円に対して23.00%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値7,953円に対して30.27%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,459円に対して38.89%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,214円に対して43.61%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とする、最終提案(以下「最終提案」といいます。)を書面で行いました。最終提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年2月2日に、最終提案における本公開買付価格は、公開買付者として提案できる最大限の価格であると受け止め、最終提案における本公開買付価格に応諾する旨の回答を受領しました。
上記の結果、公開買付者と当社は、2024年2月2日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円(10,360円は、当該合意がなされた2024年2月2日の前営業日である2024年2月1日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,634円に対して19.99%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値8,011円に対して29.32%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,502円に対して38.10%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,236円に対して43.17%のプレミアムをそれぞれ加えた金額です。)、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とすることに合意いたしました。なお、公開買付者は、2024年2月6日、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とすることにつき三菱商事との間でも合意しているとのことです。
そこで、公開買付者は、2024年2月6日付で、本基本契約を締結し、本競争法対応手続に一定期間を要することが見込まれることから、本前提条件が充足された場合(又は公開買付者関係者により放棄された場合)、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
その後、公開買付者は、2024年2月21日、当社に対して、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を行ったとのことです。そして、公開買付者は、2024年3月22日、当社に対して、本競争法対応手続が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を行ったとのことです。また、公開買付者は、当社から、2024年3月27日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を受けました。
今般、公開買付者は、本前提条件がいずれも充足されたことを確認したことから、2024年3月27日、本公開買付けを2024年3月28日より開始することとしたとのことです。
公開買付者関係者は、本公開買付けの成立後、上記「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の各効果を実現するための施策を講じるとともに、そのための適切な経営体制を構築することを目的として、公開買付者関係者が指名する者を当社の役員に就任させることを予定しておりますが、施策の具体的な内容並びに役員就任の具体的な時期及び候補者等については現時点では未定とのことです。これらの点を含む当社の経営体制の詳細については、本公開買付けの成立後、当社と協議しながら決定していく予定とのことです。
なお、公開買付者は、2024年2月6日付で、三菱商事との間で本株主間契約を締結し、本株主間契約において、本取引完了後の当社の取締役として、三菱商事が3名、公開買付者が3名をそれぞれ指名すること、当社の代表取締役を三菱商事及び公開買付者がそれぞれ1名ずつ指名することに合意しているとのことです。本株主間契約の概要については、下記「(7) 当社の株主による本公開買付けへの応募その他本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「③ 本株主間契約」をご参照ください。
また、本新株予約権については、本新株予約権価格が1円であること及び下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、公開買付者関係者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定であることから、本新株予約権者の利益を損なうことがないよう、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を手当てする新しい退職慰労金制度の導入について、本公開買付け成立後、本公開買付けに係る決済の開始日以降速やかに、当社及び本新株予約権者と協議しながら決定していく予定とのことです。なお、当該退職慰労金制度は、本新株予約権が退職慰労金相当の報酬として付与された経緯に鑑み、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を実質的に損なわないよう、本新株予約権者による本公開買付けへの応募が実施されることを条件とすることなく本新株予約権者による本公開買付けへの応募とは独立して、本公開買付け成立後に当社及び本新株予約権者と協議しながら決定する予定のものであるため、公開買付価格の均一性規制の趣旨に反するものではないと考えているとのことです。
当社は、上記「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2023年9月1日付で、本取引(当初案)に関する初期的提案書を受けたことを契機として、当社株式の価値算定、公開買付者関係者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で本取引(当初案)に関して、公開買付者関係者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、本取引(当初案)において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引(当初案)の諸手続並びに本取引(当初案)に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けるために、専門性及び実績等の検討を行った上で外部の法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。当社取締役会は、公開買付者関係者である三菱商事が、当社株式50,150,100株(所有割合:50.06%)を所有し、当社の親会社であることにより、本公開買付けを含む本取引(当初案)が支配株主との重要な取引等に該当する可能性があり、本取引(当初案)が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当する可能性があったことに鑑み、これらの問題に対応し、本取引(当初案)の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者関係者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引(当初案)に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2023年9月上旬から当社の独立社外取締役及び独立社外監査役から構成される本特別委員会の設置に向けた準備を進めました。その上で、2023年9月13日開催の当社取締役会における決議により、岩村水樹氏(当社独立社外取締役)、鈴木智子氏(当社独立社外取締役)及び五味祐子氏(当社独立社外監査役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。また、当社は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件(本公開買付価格を含みます。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、本米国預託証券の所有者に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び本新株予約権者に対しては本公開買付けへ応募するか否かを本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことが適切であると考えられるか、及び(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)のほか、本取引を行うことが、当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問することを決議しております(当社取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。)。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を、法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所をそれぞれ選任することの承認を受けております。また、本特別委員会は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2023年9月13日、独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を選任いたしました。
さらに、当社は、公開買付者関係者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の確認を受けております(かかる検討体制の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」をご参照ください。)。
当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってまいりました。
当社は、2023年10月12日に当社の企業概要を公開買付者関係者及び当初パートナー候補者に説明する面談を実施し、2023年10月中旬以降、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者との間で本取引(当初案)の意義及び目的、本取引(当初案)後の経営・事業運営の計画等について協議・交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社は、2023年10月6日、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者に対して、本取引(当初案)に関する質問書を送付し、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者から2023年10月27日に当該質問書に対する回答を書面で受領した上で、2023年10月30日に口頭でその趣旨の確認を実施いたしました。また、当社は、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者から受領した回答を踏まえ、2023年11月28日、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者に対して、本取引(当初案)に関する質問書を再度、送付いたしました。公開買付者関係者及び当初パートナー候補者から2023年12月4日に当該質問書に対する回答を書面にて受領した上で、当社は、2023年12月13日に口頭でその趣旨の確認を実施いたしました。
また、本特別委員会は、2023年11月17日、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者に対して、本取引(当初案)に関する質問書を送付し、2023年12月4日、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者から当該質問書に対する回答を書面で受領した上で、2023年12月7日に口頭にてその趣旨の確認を実施いたしました。
その後、当社は、2023年12月25日付で、当初パートナー候補者から本取引(当初案)に関する提案辞退の申し入れを受領するとともに、公開買付者関係者から2023年12月26日付で、本取引(当初案)を一部変更した、本取引に関する初期的提案の変更提案書を受領いたしました。当社及び本特別委員会は、初期的提案の変更に関する影響を精査するために、2024年1月4日に公開買付者関係者との間で面談を実施しました。当該面談において、当社及び本特別委員会は、公開買付者から、当初パートナー候補者の辞退を受けて当初パートナー候補者が提案する業務提携事項については提案の対象から除外されることになったものの、本取引後における公開買付者の議決権所有比率が50.00%に引き上げられることに伴い、公開買付者が提案する業務提携事項について、より強固なコミットメントに基づく迅速かつ手厚い支援が可能になる旨の説明を受けたことから、初期的提案の変更提案書の内容に関しては検討及び協議を深めていく価値があると考え、本取引に係る検討を継続することといたしました。
並行して、当社は、公開買付者関係者との間で、2023年10月以降、本取引後の経営体制・事業方針等、具体的な業務提携の協議を重ねてきました。複数回に亘る協議の結果、当社と公開買付者関係者との間で、2024年2月6日付で本資本業務提携契約を締結するに至りました。本資本業務提携契約の概要については、下記「(7) 当社の株主による本公開買付けへの応募その他本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」の「① 本資本業務提携契約」をご参照ください。なお、本資本業務提携契約の締結に伴い、三菱商事と当社の間の2016年9月16日付の業務提携契約については本資本業務提携契約の効力発生を条件として解消することとなりました。
また、当社は、公開買付者から、2023年12月26日に、本公開買付価格に係る初回提案を書面で受領しました。当社は、初回提案を受けて、公開買付者に対して、2023年12月27日付で、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請しました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から、2024年1月4日に、第2回提案を書面で受領しました。当社は、第2回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月6日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請しました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から、2024年1月11日に、第3回提案を書面で受領しました。当社は、第3回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月12日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを改めて検討するように要請しました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から、2024年1月18日に、第4回提案を書面で受領しました。当社は、第4回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月24日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、当社決算短信の内容を含む足許の業績の成長及び足許の株価が継続的に上昇している状況に鑑み、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請をしました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から2024年1月26日に、第5回提案を書面で受領しました。当社は、第5回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月28日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請をしました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から2024年1月29日に、第6回提案を書面で受領しました。当社は、第6回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月29日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請をしました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から2024年1月30日に、第7回提案を書面で受領しました。当社は、第7回提案を受けて、公開買付者に対して、2024年1月31日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請をしました。当社は、かかる要請を受けた公開買付者から2024年1月31日に、最終提案を書面で受領しました。当社は、最終提案を受けて、公開買付者に対して、2024年2月2日に、本公開買付価格10,360円、本新株予約権価格1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とすることを受諾する旨の回答を行いました。
以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適宜、当社、当社の財務アドバイザーであるSMBC日興証券及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から報告を受け、確認及び意見の申述等を行っております。具体的には、当社は、当社が作成した2024年2月期から2028年2月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けております。また、当社の財務アドバイザーであるSMBC日興証券は、公開買付者との交渉にあたっては、本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行っております。
そして、当社は、2024年2月5日、本特別委員会から、同日時点において、(a)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当かつ合理的であると認められる旨、(b)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められる旨、(c)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていることが認められる旨、(d)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に本公開買付けに応募することを推奨する旨、当社株式に係る本米国預託証券の所有者に対しては事前に当該本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、当該本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び本新株予約権者に対しては新株予約権に係る公開買付けへ応募するか否かを各本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは適切である旨、(e)上記(a)から(d)のほか、本取引を行うことの決定は、当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる旨の答申書(以下「2024年2月5日付答申書」といいます。)の提出を受けております(2024年2月5日付答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
以上の経緯の下で、当社は、2024年2月6日開催の当社取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、並びにSMBC日興証券から受けた助言及び2024年2月5日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、2024年2月5日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否か等について、慎重に検討・協議を行いました。
その結果、当社は、以下のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとの結論に至りました。
上記「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び以下の本取引に関するシナジーに記載のとおり、当社が属している小売業界は、業態を超えた競争環境の激化や消費者ニーズの多様化が進んでいることに加え、原材料費や人件費、物流費など各種コストの上昇が見込まれる厳しい状況にあります。当社は、このような状況下において、持続的な成長を実現するために、当社グループの各事業における付加価値の高い商品・サービスの提供、更なる規模拡大と効率性向上の追求、それらを実現するためのDXの深化が必要と考え、近年の新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした生活スタイル・消費行動の変化をはじめとした生活者の価値観の多様化が進む中で、従前のリアル店舗だけに依存したビジネスモデルから脱却する“Real × Tech Convenience”への変革を始めております。しかしながら、“Real × Tech Convenience”への変革に向けた各取組みの実行は、中長期的には当社の企業価値向上に資すると考えられるものの、短期的には初期費用・投資が先行し、当社の財務状況や業績に影響を与える可能性があるため、必ずしも資本市場から短期的には十分な評価が得られない可能性があり、上場を維持したままで、少数株主の利益を追求しつつ、各取組みを同時にかつ迅速に実行することには相応に困難であるとともに、当社の企業価値向上に資するという観点からも限界があると考えております。したがって、当社は、公開買付者が当社の株主を公開買付者関係者のみとし、“Real × Tech Convenience”への変革を一層迅速かつ大胆に進め、急激な環境変化に対応した当社の事業及び経営基盤の抜本的な強化を図るために積極的に各取組みを実行することで、下記ア乃至キのシナジーを早期にかつ着実に最大化し、当社の成長をより加速させることが、当社の企業価値向上にとって最善な手法であると2024年2月6日に判断いたしました。
当社が本取引によって実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
ア 経営資源の活用を通じた“Real × Tech Convenience”への変革の加速
当社は、変化対応業として、常に世の中を取り巻く環境の変化を捉えて、「便利」という切り口で事業を創出し、お客さまのご評価を得て成長を遂げて参りました。近年においても新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした生活スタイル・消費行動の変化をはじめとした生活者の価値観の多様化を捉えて商品を刷新し、店舗を改装するなど対応を進めて参りました。一方、更なる「便利」の追求において、「リアル」のお買い物の場としての店舗をECのセンターとして活用することにより世界で最も速いデリバリーサービス(Quickest E Commerceサービス:QEC)を展開できると考えております。Techを最大限活用し、「リアル」の小売店からTechによりQECを具備する“Real × Tech Convenience”への飛躍に挑戦しようとしております。
当社はこのTechをベースとした新しいサービスであるQECを拡大加速させていくために、2024年春頃を目途に消費者のスマートフォンで当社の各店舗の商品在庫を確認できるようにシステムを構築することで、QECの拠点となる当社の約14,600店舗の在庫拠点と約3,000品目が消費者とダイレクトに繋がり、最短15分で商品を届けることが可能となることを目指しております。デジタル分野に強みを持つ公開買付者グループが保有するリソース・アセットの更なる活用により、このQECがさらにお客さまにとって便利で使いやすいものとなり、事業としての成長を加速させ着実なものとする可能性が高いと考えております。具体的には、公開買付者からのエンジニア含む人財の派遣を通じたシステム開発をはじめとする技術体制の強化、サブスクリプションサービス会員者数1,300万人以上の公開買付者の顧客基盤や約3,100万人の通信キャリアならではの高解像度の位置情報ビッグデータを活かしたデジタルマーケティング体制の強化を図ることで、コンビニエンスストア業界において最速でお客さまに商品を提供できるQECを進め、“Real × Tech Convenience”への変革を加速していきます。
イ 顧客基盤の共有による収益力の強化
マーケティングの在り方は、近年、テレビCMに代表される従来の広告手法にとどまらず、SNSや自社アプリケーションといったデジタル上の新しい接点に加えて、DXの発展によって小売企業が実店舗で得られたデータを活用し、消費者ニーズに合わせた広告配信等を行うリテールメディアが注目されております。当社においても、「ローソングループ大変革実行委員会」における「グループデータ一元利活用プロジェクト」を通じて、店舗やグループ事業横断で収集した消費者データやオウンドメディアを活用したマーケティング事業の拡大を目指しております。当該事業の成長のためには、当社グループの会員基盤の強化とロイヤルカスタマーの拡大が必要であると考えております。
これらの実現に向け、公開買付者グループが有する約3,100万人の顧客基盤の活用と高解像度なマーケティング施策を推進していきたいと考えております。具体的には、公開買付者グループ経済圏からの新規送客や位置情報を活用した個店送客による消費者へのリーチと集客拡大に加えて、新サービスの開発及び提供を通じたアプリ・会員領域での新たな価値創出を図りたいと考えております。こうした施策を推進することで、豊富なビッグデータ収集から集計・分析・可視化等をワンストップで対応し、データの価値を最大化していくことで、クロスセルの推進や新事業・サービスの開発が検討可能となり、マーケティング事業の拡大が期待されます。
ウ 最先端技術を活用した社会インフラの提供による地域社会との共存
コンビニエンスストア事業者は、今や日常生活に不可欠な社会インフラとしての地位を確立しており、「街の便利屋さん」からスタートした当社においても、マチに暮らす人々の生活全般を支える“なくてはならない存在”であり続けるため、お客さま起点の「マチの“ほっと”ステーション」をさらに目指し、進化させております。社会インフラの提供の担い手として、地域が抱える課題の解決や地域の活性化を図り、地域社会との共存をより一層進めていくことが求められる中で、最先端技術を活用し、未来のコンビニエンスストアを創り上げることが必要であると考えております。
例えば、ドローンの社会実装が加速する中で、公開買付者グループが有する高度なドローン技術の活用を通じて、店舗を有さない地域にいる消費者の利便性の向上を図る等、地域の過疎化や高齢化などの課題解決が期待できます。また、通信事業者である公開買付者が有する5Gネットワークや衛星通信技術を活用することで、バイタルセンシングによる健康チェックで遠隔診断といった医療サービスの提供など、メタバースサービスを通じて自社アプリと連動させた拡張現実や仮想現実などでの店舗展開や商品提供が可能となります。こうした生活の様々な場面を支えるサービスの提供を通じて、テクノロジーの進化に伴う生活体験・行動へと革新し、社会課題の解決を図り、ひいては未来のコンビニエンスストアのスタンダードを築いていきたいと考えております。
エ 高度人財やノウハウ等の経営資源の活用による事業基盤の強化
当社は、デジタルやテクノロジーの活用を通じて、コア事業である国内コンビニエンスストアの進化及びグループシナジーが高いポートフォリオ事業の成長に向けた、経営資源の集中が求められています。他方で、AI等をより効果的に活用できるデジタル人財の育成・確保と各事業領域のノウハウの蓄積が必要と考えております。そのような中で、公開買付者グループ及び三菱商事グループと当社との間で人財交流等を促進し、相互に従業員の出向や派遣を含めた人財支援を実施することにより、人手不足の常態化への対策と人財育成を図ることも可能になると考えております。加えて、公開買付者グループで展開する金融事業に関するノウハウの活用やエンタテインメント領域での協業、三菱商事グループが有するグローバルネットワークの継続的な共有を通じて、当社グループのポートフォリオの強化及びグループのシナジーの最大化が期待できると考えております。
オ 脱炭素社会の実現に向けた環境分野における連携強化
今般、気候変動等に代表されるサステナビリティの重要性が喫緊の課題として認識される中で、当社としても、優先すべき経営課題として対応を進めております。とりわけ環境変化に対して、当社は、環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」を策定し、脱炭素活動、食品ロス及びプラスチック使用量削減等を通じた脱炭素社会の形成への貢献を進めております。具体的には、2030年までに、①CO2排出量の50%削減(1店舗当たり・2013年対比)、②食品ロスの50%削減(2018年対比)及び③プラスチック使用量の30%削減(2017年対比)、の目標設定をしており、足元では各目標に関し、上記①については30.6%削減、上記②については23.1%削減、上記③については25.1%削減(いずれも2022年実績)と着実に進捗しております。
今後、公開買付者グループ及び三菱商事グループが持つ機能を活用することで、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーの利活用や、膨大な位置情報や購買情報データを活用した消費期限間近の値引き食品の購買促進、また、プラスチック容器、ペットボトル素材のバイオマス素材への置き換え等を推進することにより、マイルストーンである2030年までに上記目標を達成のうえ、①CO2排出量の100%削減(1店舗当たり・2013年対比)、②食品ロスの100%削減(2018年対比)及び③オリジナル商品の容器包装において環境配慮型素材の100%使用の各KPIの2050年までの達成に向けて、グリーンでサステナブルな取組みをより一層強化・加速させることが可能になると考えております。
カ グループ会社事業の成長
“Real × Tech Convenience”を展開していく上でのリテール金融事業においては、三菱商事及び公開買付者グループが持つフィンテックを始めとする金融ノウハウの連携が期待されるところです。
また、当社の企業理念である「私たちは、“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」を実現するために、重要な事業の一つがエンタテインメント事業です。この分野においても三菱商事及び公開買付者グループが持つコンテンツやデジタルテックにかかる機能が当社の当事業領域における成長を加速させるものと考えております。その他、当社のスーパーマーケット事業や海外事業においても、スマートデジタル力やグローバル展開力は必須のものであり、両社との提携によってこれら事業の成長も加速できると考えております。
キ 上場維持コスト及び管理部門の業務負担の軽減とリソースの再配分
近年、上場維持のために必要となる人的・経済的コストの増加が指摘されており、このようなコスト増が当社の経営上の更なる負担となる可能性も否定できないと認識しております。当社は本取引を通じて当社株式が非公開化されることにより、これらの上場維持に伴うコストを回避しつつ、上述の様々な重要な取組みにリソースを振り分けていくことができるものと考えております。
なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることを挙げることができます。しかしながら、当社は、資金調達の面では、本取引の実行後であっても当社の取引先である金融機関から必要な資金調達を活用することもできると考えており、また、当社における人材採用面で重要となる当社の知名度・ブランド力や社会的な信用は事業活動を通じて獲得・維持されている部分が大きく、本取引の実行後においても事業遂行によりこれを獲得・維持することが可能であるため、上場廃止による影響は限定的となると考えております。さらに、当社は、当社の取締役及び執行役員に対して退職慰労金相当の報酬として本新株予約権を付与しているところ、本取引の実行により本新株予約権者の利益を損なうことがないよう、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を手当てする新しい退職慰労金制度の導入を予定していることから、本取引の実行に起因した当社の取締役及び執行役員の離職に伴う当社企業価値の棄損が生じるおそれは小さいと判断しております。
以上を踏まえ、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回り、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものと判断いたしました。
また、当社は、以下の点から、当社株式1株当たりの本公開買付価格である10,360円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、その他本公開買付けの条件は公正であることから、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 本公開買付価格が、当社において、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること
(b) 本公開買付価格が、下記「(3) 算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書(日興証券)におけるSMBC日興証券による当社株式の価値算定結果のうち、市場株価法に基づくレンジの上限値を超え、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づくレンジに収まる水準となっていること
(c) 本取引において、本公開買付期間は21営業日とされているものの、公開買付け予定の公表から実際の公開買付け開始までの期間が長期にわたるため、少数株主の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていること
(d) 本取引において、本公開買付けの下限は「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数には満たないものの、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、買付予定数の下限が「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に設定されていないことは本公開買付けの公正性を損なうものではないと考えられること
(e) 本取引において、本株式併合をする際に株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に本公開買付けに応募されなかった当社の各株主(但し、公開買付者関係者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であることから、少数株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること
(f) 本公開買付価格その他本公開買付けの条件は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2024年2月5日付答申書においても、本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められると判断されていること
以上より、当社は、2024年2月6日開催の当社取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
また、上記の当社取締役会においては、本公開買付けが開始される際に、当社が設置した本特別委員会に対して、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問すること、及びかかる本特別委員会の意見を踏まえ、本公開買付けが開始される時点で、改めて本公開買付けに関する意見表明を行うことを併せて決議いたしました。
その後、2024年2月21日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2024年3月22日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。
これに対し、当社は、2024年3月25日、本特別委員会に対して、2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2024年3月26日付で、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して行った答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2024年3月26日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年2月6日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、2024年3月27日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が高まりこそすれ、薄れることはなく、2024年2月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年3月27日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年3月27日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。
なお、当社取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関として、財務アドバイザーであるSMBC日興証券に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2024年2月5日付で、本株式価値算定書(日興証券)を取得いたしました。なお、SMBC日興証券は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、SMBC日興証券は、当社グループ、公開買付者グループ及び三菱商事グループに対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員でありますが、当社は、SMBC日興証券の第三者算定機関としての実績に鑑み、かつ、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規定に定める情報遮断措置が講じられていること、当社とSMBC日興証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため財務アドバイザー及び第三者算定機関としての独立性が確保されていること、SMBC日興証券は当社、公開買付者関係者の関連当事者には該当せず、当社がSMBC日興証券に対して当社株式の株式価値の算定を依頼することに関し、特段の問題はないと考えられることを踏まえた上で、SMBC日興証券を財務アドバイザー及び第三者算定機関に選任しております。本特別委員会は、初回の会合において、SMBC日興証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として承認しております。なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
(注) SMBC日興証券は、本株式価値算定書(日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本株式価値算定書(日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本株式価値算定書(日興証券)で使用している事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本株式価値算定書(日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が当社の依頼により、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的として当社に提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関として財務アドバイザーであるSMBC日興証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年2月5日付で、本株式価値算定書(日興証券)を取得いたしました。
SMBC日興証券は、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を採用して、当社株式の価値算定を行っております。
SMBC日興証券が上記各手法に基づき算定した当社株式の1株当たりの価値は以下のとおりです。
市場株価法:7,248円~8,039円
DCF法: 9,609円~14,907円
市場株価法においては、本公開買付けの開始予定の公表日の2営業日前である2024年2月2日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の直近1ヶ月間の終値単純平均値8,039円、直近3ヶ月間の終値単純平均値7,526円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値7,248円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を7,248円から8,039円までと算定しております。DCF法では、当社が作成した本事業計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年2月期第4四半期以降生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を9,609円から14,907円までと算定しております。SMBC日興証券がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2024年2月5日時点において具体的に見積もることが困難であったため、財務予測には加味しておりません。
本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関として、ファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対し、当社株式価値の算定を依頼し、2024年2月5日付で、当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)を取得いたしました。また、本特別委員会は、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関である大和証券から本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出を求め、2024年2月5日付で取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、初回の会合において、大和証券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
また、本取引に係る大和証券に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである大和証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年2月5日付で、本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。
大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、本特別委員会は、2024年2月5日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法: 7,264円から8,721円
DCF法: 7,037円から14,514円
市場株価法では、2024年2月5日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値8,721円、直近1ヶ月間の終値単純平均値8,154円、直近3ヶ月間の終値単純平均値7,545円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値7,264円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を7,264円から8,721円と算定しております。
DCF法においては、当社が作成した本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、成城石井事業、中国事業及び連結事業から成城石井事業及び中国事業を除いた全事業(以下「当社連結事業(成城石井事業及び中国事業を除く)」といいます。)をそれぞれ分析し、当社が2024年2月期第4四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定した結果、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を7,037円から14,514円と算定しております。大和証券がDCF法による算定に用いた当社作成の本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、当社連結事業(成城石井事業及び中国事業を除く)において、人流回復・値上げ等を通じた収益性の向上に伴うフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加(2026年2月期:44,551百万円、対前年比57.0%増、2027年2月期:60,948百万円、対前年比36.8%増)となることを見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、2024年2月5日時点において具体的に見積もることが困難であったため、財務予測には加味しておりません。
本特別委員会は、2024年2月5日付で、大和証券から、本公開買付けにおける当社株式の買付価格である1株当たり10,360円が、公開買付者関係者及びそれらの関係会社を除く当社の普通株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。
なお、本フェアネス・オピニオンは、事業見通しを含む財務情報の分析及び検討並びに特別委員会との質疑応答を経て、大和証券により実施された当社株式の価値算定結果の検討に加え、本公開買付けに賛同するに至る経緯・背景に係る当社及び特別委員会との質疑応答を踏まえ、大和証券におけるフェアネス・オピニオン承認会議による承認によって作成・提出の承認を受けております。
(注) 大和証券は、本フェアネス・オピニオン記載の意見を述べるにあたり、大和証券が分析及び検討の対象とした全ての資料及び情報が正確かつ完全であることを前提としており、これらの資料及び情報の正確性又は完全性に関し独自の検証を行っておらず、またその義務を負うものではありません。大和証券は、本フェアネス・オピニオン記載の意見を述べるにあたり、当社に関して大和証券に開示されていない当社の企業価値に影響を及ぼすような事象が、本フェアネス・オピニオン記載の意見を述べる日付時点で発生していないことを前提としております。大和証券は、当社及びそれらの関係会社の全ての資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みますが、これらに限られません。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、また第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。大和証券は、破産、支払不能又はこれらに類似する事項に関するいかなる適用法令の下における当社及びそれらの関係会社の支払能力又は信用力についても評価を行っておりません。大和証券は、当社及びそれらの関係会社のいかなる財産又は設備の実地の見分を行っておらず、またその義務を負うものではありません。
大和証券は、本フェアネス・オピニオン記載の意見を述べるにあたり、大和証券に提供された事業計画、財務予測その他将来に関する情報が、当社の経営陣による算定時点において可能な最善の予測と判断に基づき、合理的に作成されていることを前提としており、当社及び本特別委員会の同意を得て、独自に検証することなくこれらの情報に依拠しています。大和証券は、大和証券に提供された事業計画、財務予測その他将来に関する情報が、これらの作成又は提供日付以降、当社の資産、財務状況、事業又は将来予測に重大な影響を及ぼす状況の変化はないことを前提にしています。大和証券は、本フェアネス・オピニオン記載の意見の表明及びその前提となる分析を行うにあたって、業界状況、一般的なビジネス及び経済の状況並びにその他の事項について多数の前提を置いており、その多くは、当社及び公開買付者が制御できないものです。大和証券の当該分析に含まれる全ての予測は、必ずしも将来の結果や実際の価値を示すものではなく、かかる結果や価値は、当該予測によって示唆されるものに比して大幅に良くも悪くもなり得るものです。
大和証券は、本公開買付けの実行に必要な全ての政府、規制当局その他の者の同意又は許認可が、本公開買付けにより期待される利益に悪影響を与えることなく取得されることも前提としています。大和証券は、本公開買付けの実行に関する当社の意思決定、あるいは本公開買付けと他の戦略的選択肢の比較評価を検討することを当社及び本特別委員会から依頼されておらず、また検討しておりません。大和証券は、法律、会計及び税務のいずれの専門家でもなく、本公開買付けに関するいかなる事項の適法性及び有効性並びに会計及び税務上の処理の妥当性について独自に分析及び検討を行っておらず、それらの義務を負うものでもありません。
大和証券は、本公開買付けに関するアドバイザリー業務(以下「本アドバイザリー業務」といいます。)提供の対価として、本公開買付けの成否に問わず、当社から手数料を受領する予定です。当社は、大和証券の本アドバイザリー業務に関連して生じ得る一定の責任について補償することに同意しています。
大和証券及びその関係会社は、当社、公開買付者関係者及びそれらの関係会社に対して、有償で、有価証券関連サービスを含む投資・金融サービスを提供し又は今後提供することがあります。また、大和証券及びその関係会社は、当社及びそれらの関係会社の有価証券及び金融派生商品を含む金融商品を、自己若しくは顧客の勘定で取引若しくは保有することがあります。
本フェアネス・オピニオンは、本特別委員会が本公開買付価格を検討するための参考情報として利用することを唯一の目的として作成されたものです。大和証券は、本特別委員会に対して特定の買付価格について推奨するものではなく、また、特定の買付価格が唯一適切な買付価格であることについて推奨するものではありません。また、当社及び本特別委員会は、大和証券の書面による事前の同意なく、本フェアネス・オピニオンを第三者に開示、伝達又は参照させることはできません。本フェアネス・オピニオン記載の意見は、本特別委員会以外の第三者に宛てられるものではなく、当該第三者はいかなる目的においても、これを信頼し又はこれに依拠することはできません。さらに、本フェアネス・オピニオンに記載された大和証券の意見は、当社の普通株主に対して本公開買付けに関する議決権等の株主権の行使、当社株式の譲渡又は譲受けその他の関連する事項について何らの推奨又は勧誘を行うものではありません。
大和証券は、本フェアネス・オピニオンにおいて、公開買付者関係者及びそれらの関係会社を除く当社の普通株主にとって本公開買付価格が財務的見地から公正であるか否かについてのみ意見を述べるものであり、大和証券は、公開買付者関係者及びそれらの関係会社を除く当社の普通株主以外の第三者にとって公正であるか否か又はその他の事項についての意見を求められておらず、かつ、意見を述べておりません。大和証券は、本フェアネス・オピニオンにおいて、本公開買付価格の決定の基礎となる各前提事実若しくは仮定、又は当社の本公開買付けに関する意思決定について意見を述べるものではありません。また、大和証券は、本フェアネス・オピニオンにおいて、本フェアネス・オピニオンの日付以降に取引される当社の普通株式の価格について、いかなる意見を述べるものでもありません。大和証券は、本公開買付価格に関して、本公開買付けに関わるいかなる役員、取締役若しくは従業員、又は同様の者が受け取る予定のいかなる報酬の額や性質が公正であるか否かについて、意見を述べるものではありません。大和証券は、本フェアネス・オピニオンを作成するにあたり、当社の全部又はいかなる部分の買収についても、公開買付者以外の第三者が関心を示すよう勧誘を行う権限を、当社、当社取締役会又は本特別委員会から与えられておらず、また過去に当該勧誘を行っておりません。
本フェアネス・オピニオンに記載された大和証券の意見は、本フェアネス・オピニオンの日付現在における金融、経済、市場その他の状況を前提とし、当該日付現在までに大和証券が入手可能な情報に依拠しています。また、本フェアネス・オピニオンに記載された大和証券の意見は今後の状況の変化に伴い影響を受ける可能性がありますが、大和証券はその意見を更新、修正又は再確認する義務を負いません。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関として、フィナンシャル・アドバイザーであるUBS証券に当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、UBS証券は公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
(ア)普通株式
UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が存在し、類似企業比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して、下記(注)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っているとのことです。公開買付者は2024年2月5日付でUBS証券から株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(UBS証券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載された各措置を講じ、かつ当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、UBS証券から本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
UBS証券によれば、上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項については、下記(注)をご参照ください。
市場株価平均法: 7,264円~8,721円
類似企業比較法: 6,568円~8,835円
DCF法: 9,711円~13,038円
市場株価平均法では、2024年2月5日を算定基準日として、東京証券取引所における当社株式の基準日の終値8,721円、過去1ヶ月の終値単純平均値8,154円、同過去3ヶ月の終値単純平均値7,545円、同過去6ヶ月の終値単純平均値7,264円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を7,264円から8,721円までと算定しているとのことです。
類似企業比較法では、当社と比較的類似性があると判断される事業を営む上場企業の市場株価及び収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、潜在株式勘案後株式総数を用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を6,568円から8,835円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社から提供され公開買付者が確認した2024年2月期から2028年2月期までの事業計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2024年2月期以降の当社の将来の収益予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、潜在株式勘案後株式総数を用いて、当社株式の1株当たりの価値の範囲を9,711円から13,038円までと算定しているとのことです。
なお、DCF法の前提とした当社の事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、算定時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されておりません。
(注) 本株式価値算定書(UBS証券)は、公開買付者が当社株式に対する本公開買付価格を財務的見地から検討することのみを目的として提供されたものとのことです。なお、UBS証券は本新株予約権の価値の分析を行っていないとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引の取引形態、ストラクチャー等を含め本取引の条件その他の側面について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、公開買付者にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではないとのことです。また、本株式価値算定書(UBS証券)は、公開買付者及び公開買付者の取締役会に対して特定の買付価格について推奨するものではなく、また特定の買付価格が唯一の適切な買付価格であることについて推奨するものでもないとのことです。また、UBS証券は、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対して支払われるいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本公開買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見も見解も表明するものではないとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもないとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)の作成にあたり、UBS証券は、本株式価値算定書(UBS証券)作成のためにUBS証券が吟味した公開の又は公開買付者若しくは当社若しくはそれらの他のアドバイザーから提供された前提事項又は情報等の正確性及び完全性を前提とし、またそれらに依拠しているとのことです。当該前提事項又は情報等について、UBS証券又はその役職員、代理人、代表者、アドバイザーその他のいずれも、別途その内容を検証していないとのことです。
UBS証券又はその役職員、代理人、代表者若しくはアドバイザーのいずれも、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の正確性、完全性、信頼性及び充分性について、また、本株式価値算定書(UBS証券)の中で前提としている内容の妥当性について、明示されていると否とにかかわらず、何ら表明、保証又は約束するものではないとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)は公開買付者の利益のためにのみ提供され、公開買付者の株主又はその他いかなる者も、本株式価値算定書(UBS証券)に依拠してはならず、また本株式価値算定書(UBS証券)によって利益、権利又は救済を得られるものではないとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)を受領することにより、公開買付者は、法令上許容される限り、かつそれが詐欺による場合及び委託契約書に定める場合を除き、本株式価値算定書(UBS証券)又は本株式価値算定書(UBS証券)に関連して書面若しくは口頭により提供される情報、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の誤り又は本株式価値算定書(UBS証券)からの情報の脱漏から生じ得るあらゆる責任から、UBS証券並びにその役職員、代理人、代表者及びアドバイザーを明示的に免責することを確認し、承諾しているとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)には、公開買付者又は当社からUBS証券に提供された将来予想に関する記述、見通し、見積もり、予測、目標、及び意見(以下「将来予測」と総称します。)が含まれる可能性があり、UBS証券は将来予測の妥当性及び達成可能性(またそれらの前提及び根拠)について、公開買付者の意見に依拠しているとのことです。UBS証券は、かかる将来予測が、本株式価値算定書(UBS証券)の日付時点で入手可能な最善の公開買付者及び当社による評価及び判断を示すものであること、並びに、かかる将来予測が公開買付者及び当社が熟考した数値又は時期において実現することを前提としているとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)中の全ての前提事項は公開買付者と検討し、合意されているとのことです。かかる将来予測は、大きな前提と主観的判断を含んでおり、それらが正しいものとは限らず、また、いかなる将来予測も将来の業績の信頼性の高い指標であるとの保証はなく、また、それらが達成可能又は実現するとは限らないとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる将来予測は、その達成又は妥当性について何ら表明保証はなされておらず、また依拠されるべきものでもないとのとです。
本株式価値算定書(UBS証券)は、本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在における経済、規制、市況その他の状況、及び同日までにUBS証券が入手した情報に基づいて作成されたものであり、その後の状況の変化により、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報に影響が生じる可能性があるとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)の内容は本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在のものであり(本株式価値算定書(UBS証券)中で別途過去時点を示す場合を除きます。)、本株式価値算定書(UBS証券)の提供に際し、公開買付者に対し、①追加情報の提供、②本株式価値算定書(UBS証券)中の将来予測を含む情報の更新、改訂若しくは再確認、又は③内容の不正確が判明した場合の訂正につき、いかなる者も義務を負わず、また表明又は約束をするものではないとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)に記載されたUBS証券による分析は、UBS証券が本株式価値算定書(UBS証券)に関連して公開買付者に提示する主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(UBS証券)に関連してUBS証券が行った分析及び参照した情報を全て網羅するものではないとのことです。本株式価値算定書(UBS証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではないとのことです。UBS証券による分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、UBS証券の分析の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得られない可能性がないとのことです。UBS証券による分析に際して比較対象として検討されたいずれの会社も、当社、当社の事業部門又は子会社と同一ではなく、UBS証券による分析の目的において、当社と類似すると考えられる事業に従事する公開会社であるという理由により選択されたものであるとのことです。また、UBS証券による分析は、当社との比較対象として検討された会社の財務及び事業上の特性の相違、並びにこれらの会社に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因に関する、複雑な検討及び判断を必然的に伴っているとのことです。
本株式価値算定書(UBS証券)の作成においてUBS証券は、①本株式価値算定書(UBS証券)中で参照される当社又はその他の会社の物的資産・負債について何ら独立した評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価又は鑑定を提供されておらず、②本取引の商業的利点に関する検証を行っておらず、③本取引について法務、税務、会計又はその他の分析を行っておらず、適宜これらの分野に精通した専門家アドバイザーの判断のみに依拠しており、④本取引のために規制上の又は第三者の承認、同意及び免除を得るにあたり、当社、本株式価値算定書(UBS証券)中で言及される他の会社又は本取引に悪影響を与えるような遅延、制限、制約又は条件がないことを前提としているとのことです。
UBS証券は、本取引に関連して公開買付者のフィナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し報酬を受領しますが、かかる報酬は、本取引が成立した場合にのみ発生するとのことです。また、公開買付者は、UBS証券の関与に関してUBS証券が負担する費用及びUBS証券の業務から発生する一定の責任についてUBS証券に補償することを合意しているとのことです。
公開買付者は、UBS証券から2024年2月5日に取得した本株式価値算定書(UBS証券)の算定結果に加え、2023年10月中旬から2024年1月下旬までの期間において当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の市場株価の動向及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等も踏まえ、2024年2月6日付で、当社株式1株当たりの本公開買付価格を1株当たり10,360円とすることを決定したとのことです。
なお、当社株式1株当たりの本公開買付価格である10,360円は、本公開買付けの開始予定についての公表日の前営業日である2024年2月5日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値8,721円に対して18.79%、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値8,154円に対して27.05%、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値7,545円に対して37.31%、同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値7,264円に対して42.62%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
また、当社株式1株当たりの本公開買付価格である10,360円は、本株式価値算定書(UBS証券)の市場株価平均法、類似企業比較法に基づく算定結果レンジの上限を上回るとともに、DCF法による算定結果のレンジの範囲内の価格となるとのことです。
(イ)本新株予約権
本新株予約権は、当社の取締役及び執行役員に対して退職慰労金相当の役員報酬として付与されたものであり、その権利行使の条件として、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、公開買付者は、本新株予約権価格についてはいずれも1円としたとのことです。なお、公開買付者は、上記のとおり、本新株予約権価格を決定していることから、第三者算定機関からの算定書は取得していないとのことです。
(ウ)本米国預託証券
本米国預託証券については、本預託銀行に預託された本米国預託株式を表章するものであり、本米国預託株式1株は当社株式4分の1株に相当するものであるところ、本公開買付けにおいては、本米国預託証券自体の応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章している本米国預託株式に係る当社株式の応募の受付けを行うこととしていることに鑑み、本米国預託証券の買付け等の価格は、本米国預託株式を本預託銀行に引き渡すことにより交付を受けることとなる当社株式について、当該当社株式1株当たりの買付け等の価格を、本公開買付価格と同額である10,360円と設定しているとのことです。
(本公開買付価格の決定に至る経緯)
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者は、2023年6月下旬、公開買付者関係者及び当社から独立した法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を、2023年9月上旬、公開買付者関係者及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザーとしてUBS証券を選任の上、本取引(当初案)に関する具体的な検討を開始するとともに、2023年9月1日、三菱商事及び当初パートナー候補者とともに、当社に対して本取引(当初案)に関する初期的提案書を提出し、当社に対して当社の株主を公開買付者関係者及び当初パートナー候補者のみとする当社株式の非公開化の提案をしたとのことです。
その後、2023年9月中旬以降、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者は、本取引(当初案)の実施に向けた当社との具体的な協議を開始するとともに、2023年10月中旬以降、当社に対するデュー・ディリジェンスを順次開始したとのことです。
当初パートナー候補者が、2023年12月25日付で、当社に対して本取引(当初案)に関する提案辞退の申し入れを正式に提出した後、公開買付者関係者は、協議の結果、2023年12月26日付で、当社に対して、本取引(当初案)を、公開買付者関係者及び当初パートナー候補者の3社による当社株式の非公開化を含む協業から、公開買付者関係者の2社による当社株式の非公開化を含む協業に変更した、本取引に関する初期的提案の変更提案書を提出したとのことです。その後、公開買付者関係者及び当社は本取引に係る検討を継続したとのことです。
また、公開買付者は、2023年10月中旬から2024年1月下旬にかけて実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、当社に対し、2023年12月26日に、本公開買付価格として、当社株式1株当たりの本公開買付価格を8,650円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を8,650円とする、初回提案を書面で行ったとのことです。初回提案に対し、公開買付者は、当社から、2023年12月27日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月4日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を9,000円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を9,000円とする、第2回提案を書面で行ったとのことです。第2回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月6日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、改めて本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月11日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を9,500円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を9,500円とする、第3回提案を書面で行ったとのことです。第3回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月12日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、改めて本公開買付価格の見直しを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月18日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,000円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,000円とする、第4回提案を書面で行ったとのことです。第4回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月24日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、当社決算短信の内容を含む足許の業績の成長及び足許の株価が継続的に上昇している状況に鑑み、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月26日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,200円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,200円とする、第5回提案を書面で行ったとのことです。第5回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月28日に、当社の少数株主の利益に配慮する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格の更なる引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月29日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,290円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,290円とする、第6回提案を書面で行ったとのことです。第6回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月29日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月30日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,350円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,350円とする、第7回提案を書面で行ったとのことです。第7回提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年1月31日に、当社の少数株主の利益を十分に確保する観点から、本取引への賛同・応募推奨に向けて、本公開買付価格のもう一段の引き上げを検討するように要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年1月31日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とする、最終提案を書面で行ったとのことです。最終提案に対し、公開買付者は、当社から、2024年2月6日に、最終提案における本公開買付価格は、公開買付者として提案できる最大限の価格であると受け止め、最終提案における本公開買付価格に応諾する旨の回答を受領しました。
上記の結果、公開買付者と当社は、2024年2月2日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とすることに合意いたしました。なお、公開買付者は、2024年2月6日、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式の数1株当たりの本公開買付価格を10,360円とすることにつき三菱商事との間でも合意しているとのことです。
そして今般、公開買付者は、本前提条件がいずれも充足されたことを確認したことから、2024年3月27日、本公開買付けを2024年3月28日より開始することとしたとのことです。本公開買付価格については、当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円、本新株予約権価格を1円、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの本公開買付価格を10,360円とする点に変更はないとのことです。
(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、公開買付者関係者である三菱商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び少数株主との間の情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、本公開買付けを含む本取引において、公開買付者関係者及び当社は、本公開買付けの段階から本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、下記(ⅰ)乃至(x)の措置を実施いたしました。
(ⅰ)公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅱ)当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅲ)当社における独立した法務アドバイザーからの助言
(ⅳ)当社における独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(v)本特別委員会における独立した法務アドバイザーからの助言
(ⅵ)本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得及び本フェアネス・オピニオンの取得
(ⅶ)当社における独立した検討体制の構築
(ⅷ)当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
(ⅸ)他の買付者からの買付機会を確保するための措置
(x)当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。
また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けが成立し、その後下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者関係者のみとするための一連の手続を実施することを予定しておりますので、その場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
上場廃止を目的とする理由及び少数株主への影響及びそれに対する考え方については、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
公開買付者は、三菱商事とともに、本公開買付けにおいて公開買付者が当社株券等の全て(但し、公開買付者関係者が所有する当社株式及びに当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者関係者のみとするための一連の手続を実施することを予定しているとのことです。
具体的には、公開買付者は、三菱商事とともに、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)の開催を当社に要請する予定とのことです。また、本臨時株主総会の基準日は、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日となるように要請する予定とのことです。なお、公開買付者関係者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認いただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合を実施することにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者関係者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てが行われる予定とのことです。なお、本株式併合の割合について、公開買付者は、三菱商事とともに、当社に対して、本併合割合とするよう要請する予定とのことです。本併合割合は、公開買付者関係者が当社株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者関係者を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるよう決定される予定とのことです。
本株式併合の対象となる当社株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式も含まれていますので、上記の決定がなされた場合には、本預託銀行が本株式併合後に保有する当社株式の数も1株に満たない端数となる予定とのことです。この場合、本米国預託証券届出書によれば、本預託銀行は、本米国預託証券に記載の条項に基づき本米国預託証券を解除の上、本米国預託証券の各所有者に対して、その保有する本米国預託証券が表章する本米国預託株式の数に応じて、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭を交付することができるとのことです。
なお、上記に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主は、当社に対して自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。この方法による1株当たりの買取価格については、最終的に裁判所が判断することになります。
本米国預託証券の所有者が株式買取請求及び価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている当社株式の交付を受けた上で、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い株式買取請求及び価格決定の申立てを行う必要があります。
なお、公開買付者関係者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権者に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことです。当社は、当該要請を受けた場合には、本公開買付けに係る決済の開始日以降速やかに、これに協力する意向です。
上記手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格を同一になるよう算定する予定とのことです。なお、その場合、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式に関して本預託銀行に対して交付される金銭の額も同様となり、本米国預託証券届出書によれば、本預託銀行は、本米国預託証券に記載の条項に基づき本米国預託証券を解除の上、本米国預託証券の各所有者に対して、その保有する本米国預託証券の数に応じて、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭を交付することができるとのことです。
以上に関する具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
本書提出日現在において、当社は、公開買付者関係者である三菱商事の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び少数株主との間の情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、本公開買付けを含む本取引において、公開買付者関係者及び当社は、本公開買付けの段階から本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、下記①乃至⑩の措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者関係者において実施した措置については、公開買付者関係者から受けた説明に基づいております。
また、公開買付者関係者は、本書提出日現在、当社株式を合計52,260,100株(所有割合:52.16%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の下限を設定しておりませんが、公開買付者関係者及び当社において下記①乃至⑩の措置を講じていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者関係者及び当社から独立した第三者算定機関としてのフィナンシャルアドバイザーであるUBS証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼したとのことです。なお、UBS証券は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、本①及び下記②乃至⑩に記載された各措置を講じ、かつ当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、UBS証券から本公開買付価格の妥当性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
公開買付者がUBS証券から取得した本株式価値算定書(UBS証券)の詳細は、上記「(3) 算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2023年9月13日に開催された当社取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2023年9月上旬から、公開買付者関係者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するために、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、公開買付者関係者及び本取引との間で重要な利害関係を有しない当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の全員に対して、本取引(当初案)に関する初期的提案書を受領した旨並びに本取引は構造的な利益相反の問題及び少数株主との間の情報の非対称性の問題が類型的に存する取引であるため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明いたしました。また、当社は、並行して、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補者の検討を行いました。その上で、当社は、本特別委員会の委員の候補者が、公開買付者関係者からの独立性を有すること及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、上記当社の独立社外取締役及び独立社外監査役と協議し、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、岩村水樹氏、鈴木智子氏及び五味祐子氏の3名を本特別委員会の委員の候補として選定いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、成功報酬は採用しておりません。)。
その上で、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2023年9月13日開催の当社取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。
また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(a)諮問事項の検討にあたって、本特別委員会は、本取引に係る当社のアドバイザーを利用することができるほか、当社の株式価値評価及び本取引に係るフェアネス・オピニオンの提供その他本特別委員会が必要と判断する事項を第三者機関等に委託することができること、その場合の当該委託に係る合理的な費用は当社が負担すること、(b)本取引に関する当社取締役会の意思決定は本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないこと、(c)本特別委員会に対して、適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限を付与すること、及び(d)本特別委員会に対して、本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与することを決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役5名のうち、糸長雅之氏及び菊地清貴氏の2名を除く当社取締役3名(すなわち、竹増貞信氏、岩村水樹氏及び鈴木智子氏)にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行いました。また、上記の当社取締役会においては、監査役5名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。なお、糸長雅之氏は2022年4月1日までの間、三菱商事の子会社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社の役員を兼任していたこと、また、菊地清貴氏は三菱商事の常務執行役員を兼任していることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記の当社取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。他方で、竹増貞信氏は、三菱商事の出身者であるものの、三菱商事から当社へ転籍して約9年以上が経過しており、公開買付者関係者から指示を受ける立場にないこと、また、本取引に関して公開買付者関係者側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記の当社取締役会における審議及び決議に参加しております。
本特別委員会は、2023年9月13日から2024年2月5日までの間に合計22回、合計正味22時間超にわたって開催され、報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
本特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認し、その選任を承認しており、当社の法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当しないこと及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認の上、その選任を承認しております。また、本特別委員会は、本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券をその独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、選任し、本特別委員会の法務アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所について、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当しないこと及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないことを確認の上、選任しております。さらに、本特別委員会は、下記「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しております。
その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。また、本特別委員会は、大和証券から受けた助言も踏まえつつ、当社が作成した本事業計画について、当社からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認しております。
本特別委員会は、当社から、本取引の目的や意義、当社の事業に対する影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施し、公開買付者関係者に対して質問事項を提示し、公開買付者関係者から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施しております。
さらに、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 本特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、大和証券は、本事業計画を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、大和証券が実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。
加えて、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社及びSMBC日興証券から報告を受け、審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、公開買付者からの本公開買付価格に関する提案を受領次第、それぞれの提案について報告を受け、SMBC日興証券及び大和証券から対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての分析・意見を聴取した上で、大和証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえて検討を行いました。その上で、本特別委員会は当社に対し、当社としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与いたしました。その結果、当社は、2024年1月31日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり10,360円とすることを含む提案を受け、結果として、合計8回の提案を受け、最初の価格提案から19.77%の価格の引き上げを受けるに至っております。
さらに、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所及び中村・角田・松本法律事務所から、複数回、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係る2024年2月6日付「KDDI株式会社による当社株券等に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨並びに資本業務提携のお知らせ」(当社が2024年2月29日に公表いたしました「(訂正)『KDDI株式会社による当社株券等に対する公開買付けの開始予定に関する賛同の意見表明及び応募推奨並びに資本業務提携のお知らせ』の一部訂正に関するお知らせ」において訂正された事項を含みます。以下「2024年2月6日付当社プレスリリース」といいます。)のドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認しております。
本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた助言及び2024年2月5日付で提出を受けた本株式価値算定書(大和証券)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に検討・協議を重ねた結果、2024年2月5日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の2024年2月5日付答申書を提出しております。
(a) 答申内容
1.本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、その目的は正当かつ合理的であると認められる。
2.本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められる。
3.本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていることが認められる。
4.当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に本公開買付けに応募することを推奨する旨、当社株式に係る本米国預託証券の所有者に対しては事前に当該本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、当該本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び本新株予約権者に対しては新株予約権に係る公開買付けへ応募するか否かを各本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは適切である。
5.上記1から4のほか、本取引を行うことの決定は、当社の少数株主にとって不利益でないと考えられる。
(b) 答申理由
1.本諮問事項(ⅰ)(本取引の目的の正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。))に対する答申
以下の点より、本諮問事項(ⅰ)について、本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は正当性・合理性を有するものと認められる。
ア 当社の予測しているシナジー
本取引によるシナジーとして、以下のような点に期待ができる旨の説明がされた。
(ア)経営資源の活用を通じた“Real × Tech Convenience”への変革の加速
・当社はTechを最大限活用し、店舗をECのセンターとして活用することによる、世界で最も速いデリバリーサービス(Quickest E Commerceサービス:QEC)事業に挑戦しようとしている。
・本取引により、公開買付者からのエンジニアを含む人財の派遣を通じたシステム開発をはじめとする技術体制の強化及び公開買付者の顧客基盤や通信キャリアならではの高解像度の位置情報ビッグデータを活かしたデジタルマーケティング体制の強化を図ることで、コンビニエンスストア業界において最速でお客さまに商品を提供できるQECを進め、“Real × Tech Convenience”への変革を加速することが期待できる。
(イ)顧客基盤の共有による収益力の強化
・本取引により、公開買付者グループが有する約3,100万人の顧客基盤の活用と高解像度なマーケティング施策の推進が期待できる。
・具体的には、公開買付者グループ経済圏から新規送客や位置情報を活用した個店送客による消費者へのリーチと集客拡大に加えて、新サービスの開発及び提供を通じたアプリ・会員領域での新たな価値創出を図り、豊富なビッグデータ収集から集計・分析・可視化等をワンストップで対応し、データの価値を最大化していくことで、クロスセルの推進や新事業・サービスの開発が検討可能となり、マーケティング事業の拡大が期待できる。
(ウ)最先端技術を活用した社会インフラの提供による地域社会との共存
・本取引により、生活の様々な場面を支えるサービスの提供を通じて、テクノロジーの進化に伴う生活体験・行動を革新し、社会課題の解決を図ることが期待できる。
・具体的には、例えば、公開買付者グループが有する高度なドローン技術の活用を通じて、店舗を有さない地域にいる消費者の利便性の向上を図る等、地域の過疎化や高齢化などの課題解決が期待できる。
・また、通信事業者である公開買付者が有する5Gネットワークや衛星通信技術を活用することで、バイタルセンシングによる健康チェックで遠隔診断といった医療サービスの提供など、メタバースサービスを通じて自社アプリと連動させた拡張現実や仮想現実などでの店舗展開や商品提供が可能となることが期待できる。
(エ)高度人財やノウハウ等の経営資源の活用による事業基盤の強化
・公開買付者グループ及び三菱商事グループと当社との間で人財交流等を促進し、相互に従業員の出向や派遣を含めた人財支援を実施することにより、人手不足の常態化への対策と人財育成を図ることも可能になる。
・公開買付者グループで展開する金融事業に関するノウハウの活用やエンタテインメント領域での協業、三菱商事グループが有するグローバルネットワークの継続的な共有を通じて、当社グループのポートフォリオの強化及びグループのシナジーの最大化が期待できる。
(オ)脱炭素社会の実現に向けた環境分野における連携強化
・本取引の実行により、当社が策定している環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」の目標の達成に向けて、グリーンでサステナブルな取組みをより一層強化・加速させることが可能になる。
・具体的には、例えば、今後、公開買付者グループ及び三菱商事グループが持つ機能を活用することで、太陽光パネルで発電した再生可能エネルギーの利活用や、膨大な位置情報や購買情報データを活用した消費期限間近の値引き食品の購買促進、また、プラスチック容器、ペットボトル素材のバイオマス素材への置き換え等を推進することが期待できる。
(カ)グループ会社事業の成長
・リテール金融事業においては、三菱商事及び公開買付者グループが持つフィンテックを始めとする金融ノウハウの連携が期待される。
・エンタテインメント事業においても三菱商事及び公開買付者グループが持つコンテンツやデジタルテックにかかる機能が当社の成長を加速させるものと考えている。
・当社のスーパーマーケット事業や海外事業においても、スマートデジタル力やグローバル展開力は必須のものであり、両社との提携によってこれら事業の成長も加速できると考えられる。
(キ)上場維持コスト及び管理部門の業務負担の軽減とリソースの再配分
・本取引を通じて当社株式が非公開化されることにより、近年指摘されている当社の上場維持に伴う人的・経済的コストの増加を回避しつつ、上述の様々な重要な取組みにリソースを振り分けていくことができる。
イ 代替取引の有無
・企業価値の向上の観点から、本取引の代替となるような取引は特に見当たらないと考えられる。
ウ シナジーに関する当社の説明と公開買付者関係者の説明との一致
・本特別委員会は、本取引の当事者間における認識の齟齬がないかを確認するため、公開買付者関係者に対しても、本取引に関して当社に対するのとほぼ同様の質問を行った。
・その結果、まず公開買付者関係者からは、当社からの回答と矛盾する回答は行われなかったのみならず、2024年2月6日付当社プレスリリースに記載されている公開買付者の認識を勘案しても、本取引により期待されるシナジーに関する想定についても当社の認識との間に齟齬があるとは認められない。
2.本諮問事項(ⅲ)(本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか)に対する答申
以下の点より、本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められる。
ア 特別委員会の設置
・以下のような特別委員会の設置及び運用の状況からすれば、本特別委員会は公正性担保措置として有効に機能していると認められる。
(ア)本特別委員会は、取引条件が公開買付者と当社との間で決定される前の段階で設置されていること
(イ)本特別委員会は、経済産業省作成の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」という。)で最も特別委員会の委員としての適格性があるとされる社外取締役と、社外取締役を補完するものとして適格性を有するとされる社外監査役のみによって構成されていること
(ウ)当社が公開買付者と本公開買付価格について協議する場合には、事前又は事後速やかに本特別委員会に確認を求めており、これにより、本特別委員会は、適時に交渉状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行って、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保していること
(エ)本特別委員会は、複数のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、2023年9月13日、当社及び公開買付者関係者から独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、同日、当社及び公開買付者関係者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を選任し、手続の公正性や企業価値評価に関する専門的知見に基づき検討・判断をしてきたこと
(オ)本取引について予定されている契約や想定されるシナジーは多岐に亘り、その全ての詳細を一般に公開することは難しいところ、本特別委員会が、少数株主に代わり、本取引に関して当社が締結する予定の契約書の文案も含めて重要な情報を入手し、これを踏まえて検討・判断を行ったこと
(カ)当社取締役会は、本特別委員会に対する諮問事項について決議するに際し、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとする旨を決議していること
イ 当社における意思決定プロセス
・当社においては、本公開買付けに係る決議にあたり、公開買付者関係者である三菱商事又はその子会社の役職員である糸長雅之氏及び菊地清貴氏を除く3名(竹増貞信氏及び本特別委員会の委員である岩村水樹氏及び鈴木智子氏)が審議及び決議をすることが想定されている。
・なお、当社の取締役のうち代表取締役社長の竹増貞信氏は、三菱商事の出身者であるが、M&A指針においても、独立した特別委員会が設置されて有効に機能している場合には、現に公開買付者関係者の役職員を兼任する者が除外されれば足りるとの整理も考えられるとされていること、三菱商事から当社に転籍してからの期間が十分長いこと、竹増貞信氏は当社の代表取締役社長として当社の企業価値向上の観点から本取引の検討及び交渉をするにあたって不可欠で代替できない知識及び経験を有していること、当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所及び本特別委員会の独自のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえれば、同氏が本取引に関する検討及び買付者との交渉に参加することにつき、独立性及び公正性の観点から問題がないものと判断できる。
・以上からすれば、当社における意思決定プロセスに、公正性に疑義のある点は見当たらない。
ウ 外部専門家の専門的助言等の取得
(ア)法務アドバイザーからの助言の取得
・当社取締役会は、意思決定につき、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士から助言を受けている。当社は弁護士による独立したアドバイスを取得したと認められる。
(イ)第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
・当社取締役会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、独立した第三者算定機関であるSMBC日興証券から、当社株式の株式価値に関する資料として、本株式価値算定書(日興証券)を取得している。
・さらに、本株式価値算定書(日興証券)においては、複数の算定方法が採用されており、恣意的な価格の算定がされないよう配慮がされている。また、こうした算定の前提となる当社の事業計画の作成に当たって、公開買付者関係者の役職員による恣意的行動があった事実は認められず、算定に当たって公正性を疑わせるような事情も見当たらない。また、SMBC日興証券の独立性については確保されている。
・加えて、本特別委員会は、本取引に関する検討に際し、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を選任しており、大和証券からも当社株式の株式価値に関する資料として本株式価値算定書(大和証券)を取得している。
・大和証券の独立性についても、本特別委員会として大和証券のアドバイザーとしての独立性(公開買付者関係者及び当社からの独立性を含む。)について確認済である。
・以上から、本株式価値算定書(日興証券)及び本株式価値算定書(大和証券)は、いずれも、独立した第三者評価機関による株式価値算定書であると認められる。
(ウ)本フェアネス・オピニオンの取得
・さらに本特別委員会は、本公開買付価格の公正性を担保するために、大和証券から本公開買付価格が公開買付者関係者及びそれらの関係会社を除く当社の普通株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。
・本特別委員会は、本フェアネス・オピニオンをもって、公正性担保措置として積極的に評価することができるものと考える。
エ マーケット・チェック
・2024年2月6日付当社プレスリリースにおいて、本公開買付けの買付期間は、法令に定められた最短期間である20営業日に設定することを予定している旨が記載されている。もっとも、本公開買付けはいわゆる事前公表型の公開買付けであり、本公開買付けの開始まで比較的長期間が確保される旨も記載されており、当該期間を含めて考えれば、他の潜在的な買収者による対抗的な買収提案が行われる機会は相応にあるものと認められる。
・また、当社と公開買付者との間において、取引保護条項を含む対抗的買収提案者(下記「⑨ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置」において定義します。)との接触を制限する旨の合意は行われていないものと認められる。
このように、本取引では、公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境を構築した上でM&Aを実施することによる、いわゆる間接的なマーケット・チェックが実施されている。
オ マジョリティ・オブ・マイノリティ
・買付予定数の下限につきマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていない。
・本公開買付けの実施に際しては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定以外の公正性担保措置が多く採用されていることが認められる。したがって、本公開買付けの実施に際してマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方が採用されていないこと自体が本取引の取引条件の公正さを阻害しているとまでは認められない。
カ 一般株主への情報提供の充実とプロセスの透明性の向上
・2024年2月6日付当社プレスリリースにおいて、本株式価値算定書(日興証券)及び本株式価値算定書(大和証券)におけるDCF法の前提とした本事業計画に関する一定の内容が開示されている。
・最後にその他の情報についても、M&Aの実施に至るプロセスや交渉経緯についても、2024年2月6日付当社プレスリリースにおいて、充実した記載がされているものと認められる。
キ 強圧性の排除
・本取引のうち本スクイーズアウト手続は、株式併合方式を用いるスキームにより実行するとされている。株主には、会社法第182条の4及び第182条の5の規定により価格決定の申立てを行う権利が認められ、2024年2月6日付当社プレスリリースにおいてその旨が明示的に開示されている。
・さらに、2024年2月6日付当社プレスリリースでは、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われること、本スクイーズアウト手続の際に少数株主に対して交付される金銭について、本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者関係者を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定である旨が開示されている。
・以上からすれば、本取引については、強圧性を排除するための対応が行われていると認められる。
3.本諮問事項(ⅱ)(本取引の条件(本公開買付価格を含みます。)の公正性・妥当性が確保されているか)に対する答申
ア 交渉状況の確保
・実際の交渉状況については、本公開買付価格は、当社がSMBC日興証券の助言を受けながら公正に行われ、最終合意に至ったものである。本特別委員会からも当該説明の都度、交渉に関して意見を述べることで、交渉に主体的に関与した。
・以上の体制の下で、当社は、SMBC日興証券が算定した上記評価を参照し、かつ、本特別委員会での審議等も勘案して、価格交渉を複数回実施した上で最終合意に至った。また、最終的な本公開買付価格(10,360円)は、公開買付者が当初提示した価格(8,650円)よりも相当の上積みがされており、当社として、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して交渉がされた経緯が認められる。
・以上からすれば、本取引における合意は、当社と公開買付者との間において、独立当事者間に相当する客観的かつ整合性のある議論を踏まえた結果決定されたものであることが推認され、決定プロセスの透明性や公正性を疑わせるような事情は見当たらなかった。
イ 株式価値算定と本公開買付価格の関係
・以下の点により、本事業計画については、策定プロセスの観点や、その策定方法のいずれからみても、公開買付者関係者の恣意的な圧力が介在した事実は認められず、合理的なものと認められる。
(ア)事業計画
・本事業計画は、その策定及び更新につき、本特別委員会が本特別委員会の独自のアドバイザーである大和証券及び中村・角田・松本法律事務所の助言を受けながら確認を行った事業計画を基礎とするものであることが認められる。その結果として、策定及び改定に関して恣意的な点は見当たらなかった。
・スタンドアローン・ベースの本事業計画が算定の基礎とされていることも、不合理ではない。
・また、本事業計画の策定に関しては、2023年4月13日開催の当社取締役会において報告がされた「Challenge2025」(2023年度から2025年度までの3か年計画)及びその後の2023年8月になされた事業計画のアップデートについては、三菱商事からの出向者が関与している事実が認められるものの、本取引の検討が開始するより前に、本取引とは無関係に通常業務の過程で作成したものであることが認められる。また、2026年度及び2027年度の2か年計画については、本取引の検討開始後に作成されたものであるが、公開買付者関係者の関与がない体制で作成し、当社の代表取締役社長である竹増貞信氏の確認を受けて作成されたものと認められる。したがって、三菱商事からの出向者の本事業計画の策定過程への関与が本事業計画の内容の公正性に疑義を生じさせるものとまでは認められない。
・また、当社が本事業計画の策定に至るまでの過程において検討及び考慮した事項や将来予測の実現可能性について、本特別委員会の独自のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券からも、当社に対して必要な質問を行い、本事業計画が意図的に当社の株式価値評価を押し下げるために抑制されているものとは認められず、疑問のある点はない旨の意見を聴取している。
(イ)株式価値算定と本公開買付価格の関係
・本公開買付価格である1株当たり10,360円という価格は、(ⅰ)市場株価法の算定結果の上限を超えており、かつ、(ⅱ)当社の株式の本源的価値を表すものとされるDCF法により算定された当社1株当たり株式価値のレンジの範囲内にある。
・本特別委員会としても、本公開買付価格は、大和証券及びSMBC日興証券により算定された当社株式価値評価との比較の観点からしても、少数株主にとって不利益ではない水準に達していると考える。
(ウ)プレミアムの検討
・本公開買付価格は、2024年2月5日(以下、本段落において「直前日」という。)までの東京証券取引所における当社株式の終値に対して、直前日の終値で18.79%、直前日の過去1ヶ月の平均終値で27.05%、直前日の過去3ヶ月の平均終値で37.31%、直前日の過去6ヶ月の平均終値で42.62%のプレミアムを加えた金額となっている。
・他の案件と、本公開買付価格のプレミアム水準の比較の観点からみると、本公開買付価格のプレミアム水準は、直前日の終値ベース及び直前日の過去1ヶ月の平均終値ベースからみると、M&A指針の公表後である2019年7月以降に公表され、2023年12月31日までに成立した、時価総額1,000億円以上であり、かつ、対象となる株式が案件公表前からPBR1倍を超えている案件として抽出された11件の平均値及び中央値(直前日の終値ベース平均値・中央値(31.74%・30.24%)、直前日の過去1ヶ月の平均終値ベースのプレミアムの平均値・中央値(33.57%・34.98%))を下回るものの、直前日の過去3ヶ月の平均終値ベース及び直前日の過去6ヶ月の平均終値ベースでみれば、上記11件の平均値及び中央値(直前日の過去3ヶ月の平均終値ベースのプレミアムの平均値・中央値(35.17%・34.09%)、直前日の過去6ヶ月の平均終値ベースのプレミアムの平均値・中央値(34.87%・37.47%))を上回る水準にあることが認められる。
ウ スキーム等の妥当性
・本取引を実現するに当たって、公開買付者が当社株式(本米国預託株式に係る当社株式を含む。但し、公開買付者関係者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除く。)及び本新株予約権の全てを取得して当社株券等の全てを取得して当社の少数株主に投資回収の機会を付与するという本取引のスキームは、妥当なものといえる。
エ 本新株予約権の買付価格の妥当性
・本公開買付けにおいては、本新株予約権も対象となっているが、本新株予約権の買付価格はいずれも1円とされている。
・また、2024年2月6日付当社プレスリリースによれば、当社は、本公開買付けの公表時点で、本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者のご判断に委ねる旨の意見表明を行う予定である。
・以上に鑑み、本特別委員会は、本公開買付けにおける本新株予約権の価格の妥当性については意見を留保する。
4.本諮問事項(ⅳ)(当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、本米国預託証券の所有者に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び本新株予約権者に対しては本公開買付けへ応募するか否かを本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことが適切であると考えられるか)及び本諮問事項(ⅴ)(本諮問事項(ⅰ)から本諮問事項(ⅳ)のほか、本取引を行うことが、当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか)に対する答申
・本特別委員会の審議の結果、本諮問事項(ⅰ)から本諮問事項(ⅲ)までについて、いずれも問題があるとは考えられない。
・以上から、本特別委員会は、本諮問事項(ⅳ)及び本諮問事項(ⅴ)について、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に本公開買付けに応募することを推奨する旨、当社株式に係る本米国預託証券の所有者に対しては事前に当該本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、当該本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び本新株予約権者に対しては新株予約権に係る公開買付けへ応募するか否かを各本新株予約権者の判断に委ねる旨の意見表明を行うことは適切である旨の意見を答申する。
・但し、本取引の最初のフェーズである本公開買付けについては、公表から開始までに相応の期間を要することが想定されていることから、本特別委員会としては、本公開買付けの開始時点で、改めてこれらの点について追加の検討を行う予定である。
その後、2024年2月21日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2024年3月22日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。
当社は、2024年3月25日、本特別委員会に対して、本公開買付けが開始されるにあたり、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。
本特別委員会は、2024年3月25日開催の第23回特別委員会において、当社に対して、2024年2月5日以降本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、当該諮問事項について検討を行った結果、2024年2月5日以降、2024年3月26日までの事情を勘案しても2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見を変更すべき事情は見当たらないことを確認し、2024年3月26日に、委員全員の一致の決議により、当社取締役会に対して、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して行った答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2024年3月26日付答申書を提出しました。
当社は、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者関係者及び当社から独立した外部の法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所との間で法律顧問契約を締結しておりますが、同事務所は当社に限らず多数の依頼者に対しリーガル・サービスを提供する外部の法律事務所であり、当社も同事務所の依頼者の一つとして、その取扱分野や専門性を踏まえ都度の法律相談を行うために法律顧問契約を締結しているものであり、かかる契約を締結していることをもって同事務所の当社からの独立性は害されず、また、同事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていないことから、公開買付者関係者及び本公開買付けの成否からの独立性に問題はないと判断しております。また、本特別委員会も、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを第1回の本特別委員会において確認しております。
当社は、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者関係者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者算定機関としてSMBC日興証券を選任し、SMBC日興証券から当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年2月5日付で本株式価値算定書(日興証券)を取得しております。
なお、SMBC日興証券は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断から、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社の財務アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
本特別委員会は、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者関係者及び当社から独立した独自の法務アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、中村・角田・松本法律事務所から本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。中村・角田・松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
本特別委員会は、上記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、公開買付者関係者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を選任し、大和証券から当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年2月5日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しております。また、本特別委員会は、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を大和証券から2024年2月5日付で取得しております。
なお、大和証券は、公開買付者関係者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る大和証券に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び少数株主との間の情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、公開買付者関係者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2023年9月1日に、公開買付者関係者から本取引(当初案)を受けた後、本取引に関する検討(当社の株式価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者関係者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者関係者グループ(三菱商事以外の当社グループを除く。)各社の役職員を兼務していない当社の役職員のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。
また、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
当社取締役会は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた助言及び本株式価値算定書(日興証券)の内容を踏まえつつ、2024年2月5日付答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に検討・協議いたしました。
その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付価格である1株当たり10,360円は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、その他本公開買付けの条件は公正であることから、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年2月6日開催の当社取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
その後、2024年2月21日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が2024年3月下旬までに完了することを見込んでおり、かかる見込みを前提とすると、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2024年3月22日、当社は、公開買付者から、本競争法対応手続が完了したことから、本前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2024年3月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました。
これに対し、当社は、2024年3月25日、本特別委員会に対して、2024年2月5日付で当社取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2024年3月26日付で、本特別委員会が2024年2月5日付で当社取締役会に対して行った答申内容を変更する必要はないものと考える旨の2024年3月26日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2024年2月6日開催の取締役会以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、2024年3月27日時点においても、本取引を行うことが、当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的や当該目的を達成する意義や必要性が高まりこそすれ、薄れることはなく、2024年2月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更する要因はないと考えたことから、2024年3月27日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。また、当社は、公開買付者に対して、2024年3月27日、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。
上記の当社の両取締役会においては、当社の取締役5名のうち、糸長雅之氏及び菊地清貴氏の上記2名を除く当社取締役3名(すなわち、竹増貞信氏、岩村水樹氏及び鈴木智子氏)にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行いました。また、上記の当社の両取締役会においては、監査役5名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
なお、糸長雅之氏は2022年4月1日まで三菱商事の子会社である三菱商事フィナンシャルサービス株式会社の役員を兼任していたこと、また、菊地清貴氏は三菱商事の常務執行役員を兼任していることから、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記の当社取締役会に出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。他方で、竹増貞信氏は、三菱商事の出身者であるものの、三菱商事から当社へ転籍して約9年以上が経過しており、公開買付者関係者から指示を受ける立場にないこと、また、本取引に関して公開買付者関係者側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記の当社の両取締役会における審議及び決議に参加しております。
公開買付者は、本公開買付けの公表日である2024年2月6日から本公開買付け開始までの期間が長期に亘るため、当社の少数株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されているものと考えているとのことです。また、公開買付者関係者は、本基本契約において、本取引完了までの間、いかなる第三者に対しても、直接又は間接に、競合取引について、自らその提案、勧誘、情報提供又は協議をせず、競合取引に係る合意その他本取引と矛盾又は抵触する行為(本取引と矛盾又は抵触する当社株主総会での議決権の行使又は不行使を含みます。)を一切行わないことに合意しているとのことですが、公開買付者関係者は、当社との間で、当社が公開買付者関係者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておりません。このように、上記本公開買付けの開始までの期間と併せ、対抗的な買付けの機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ア)本公開買付けの決済の完了後速やかに、本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主及び本米国預託証券の所有者の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(イ)本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主及び本米国預託証券の所有者の皆様に対して本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者関係者は、本書提出日現在、当社株式を合計52,260,100株(所有割合:52.16%)所有しているため、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の下限を設定しておりませんが、公開買付者関係者及び当社において上記①乃至⑩の措置を講じていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。
当社は、公開買付者関係者との間で、2024年2月6日付で、本資本業務提携契約を締結いたしました。
本資本業務提携契約の概要は以下のとおりです。
・国内有数の生活者接点を活かし、「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出する、新世代の「マチの“ほっと”ステーション」の実現に向けた当社グループ各事業の強化による当社グループの企業価値最大化。
・当社グループの成長を通じた、三菱商事グループ及び公開買付者グループの事業基盤の拡大と新たな価値創出。
・本取引による、公開買付者関係者と当社との資本関係の構築(なお、本規定はクロージング日(本株式併合の効力発生後、当社に対する三菱商事及び公開買付者の議決権所有比率が50.00%ずつとなった日をいいます。以下同じです。)をもって発効する。)。
・大要、以下の提携分野での業務提携(以下「本業務提携」といいます。)の実行、及び以下の各種施策の推進への貢献・協力(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)、並びに、本業務提携の方針や進捗状況等に関する協議の場としての協業推進委員会の設置。
(イ)リアル店舗関連:当社及び公開買付者の強みであるリアル店舗において、各社の機能・商材を活用した新たなサービスを提供できる新たな店舗形態の創出。
(ロ)デジタル連携関連:公開買付者関係者及び当社それぞれのグループが保有する会員情報を連携し、その顧客データ基盤を活用した当社グループのサービスの利用顧客の拡大・ロイヤルカスタマー化。
(ハ)グリーン連携関連:公開買付者関係者及びそのグループの事業基盤を活用した当社グループの脱炭素化、サーキュラーエコノミー事業の推進。
(ニ)その他分野における業務提携:公開買付者関係者及び当社間による協議の上、協業推進委員会にて決定された、当社グループの企業価値の最大化を目的とするその他分野における取組みについての協力。
・(イ)公開買付者関係者及びそのグループが、その経営資源を経済合理性の範囲内で十分に当社グループに提供すること、及び、(ロ)当社グループが、その経営資源を経済合理性の範囲内で十分に公開買付者関係者及びそのグループに提供することを前提とした、本業務提携の施策内容及び各当事者の役割等の協議・検討(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
・本資本業務提携契約の締結日から12ヶ月以内の、上記協議・検討の結果を踏まえた、本業務提携の施策内容の詳細及び各当事者の具体的な役割に関する協業推進委員会における合意(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
・協業推進委員会において合意された施策(当該施策及び各当事者の役割等については、上記の合意時点から起算して、それぞれ3年ごとに見直される。)の、原則としてクロージング日から3年以内を目途とする実行(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
・当社グループの役職員が本業務提携を通じて、当社の既存事業の強化及び新規事業の開拓を行い、当社の企業価値を最大化するとともに、「生活者のLife Time Value向上」及び「日本の豊かな地域社会」を目指して運営していくことについての公開買付者関係者による確認(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
・公開買付者関係者による、クロージング日以前より存在する当社グループの契約関係及び取引関係(加盟店オーナーとの契約条件を含む。)に関する、当社グループの企業価値向上に資する範囲での、クロージング日以前からの当社の取引慣行の商業上合理的な範囲での最大限の尊重。
・当社グループの従業員の雇用を維持し、また、当該従業員の雇用条件が本資本業務提携契約の締結日時点の水準を実質的に下回らないように維持することについての、公開買付者関係者による義務(但し、定年退職、法令等及び社内規則に基づく懲戒処分による場合、市況又は事業環境の著しい変化に伴い、当社グループの従業員の雇用条件を変更する必要性が生じた場合その他当社グループの従前の確立した実務に従う場合には当該義務を負わない。)(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
・本資本業務提携契約の締結日現在存在する当社のストックオプション制度についての誠実協議。
・当社グループの各持株会が所有する当社株式の全てを、適法に本公開買付けに応募するための措置及び本公開買付けに適用のある法令等の遵守のために必要となる措置を講じることについての、当社による各持株会に対する商業上合理的な範囲での要請義務。
・本業務提携を効果的かつ実質的に推進することを目的とする、必要に応じた公開買付者関係者及びそのグループの役職員の当社グループへの派遣又は出向(なお、本規定はクロージング日をもって発効する。)。
公開買付者は、上記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者関係者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」のとおり、2024年2月6日付で、三菱商事との間で、本取引に関して、本基本契約を締結しているとのことです。本基本契約の概要は、以下のとおりとのことです。
・公開買付者関係者は、以下のとおり、本取引を実施する。
(イ)公開買付者が当社株式の非公開化を目的として、本公開買付けを行う。三菱商事は、その所有する当社株式を本公開買付けに応募しない。
(ロ)本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて当社株券等の全てが取得されなかった場合、当社の株主を公開買付者関係者のみとし、当社株式を非公開化するために、本スクイーズアウト手続を行う。
・公開買付者は、本前提条件が全て充足し又は公開買付者関係者により放棄されることを条件として、適用ある法令等及び本基本契約の定めに従い、本公開買付けを実施する。
・公開買付者関係者は、本取引完了までの間、いかなる第三者に対しても、直接又は間接に、当社株券等を対象とする公開買付けの実施その他の本取引と実質的に競合、矛盾若しくは抵触し、若しくは本取引の実行を困難にし、又はそれらの具体的なおそれのある取引(以下「競合取引」といいます。)について、自らその提案、勧誘、情報提供又は協議をせず、競合取引に係る合意その他本取引と矛盾又は抵触する行為(本取引と矛盾又は抵触する当社株主総会での議決権の行使又は不行使を含む。)を一切行わず、第三者から競合取引の提案を受け、又は係る提案が存在することを知った場合、合理的な範囲で速やかに、他の当事者に対し、その旨及び当該提案の内容を通知し、競合取引に対する対応につき誠実に協議する。
・本公開買付けにおいては、米国に所在する当社の株主への勧誘を行い、また、米国内からの本公開買付けへの応募を受け付けるものとし(但し、本米国預託証券については応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章している本米国預託株式に係る当社株式の応募のみを受け付ける。)、公開買付者関係者は、相互に協力(各当事者の子会社及び関連会社による合理的に必要な協力を含む。)して適用のある米国証券法の規定を遵守した対応を行う。
・その他、本基本契約において、(イ)三菱商事は、本基本契約の締結日から本公開買付けの決済完了までの間、本基本契約の規定に従い本取引を実行するために必要な場合又は両当事者で合意した場合を除き、当社をして、本基本契約の締結日以前と実質的に同一かつ通常の業務の範囲内での業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行わせ、一定の行為を行わせないよう、実務上合理的に可能な限り、商業上合理的に必要な範囲で最大限努力する旨の努力義務を負い、(ロ)公開買付者関係者は、本公開買付けの決済完了から本取引完了までの間、上記(イ)と同様の努力義務を負い、(ハ)公開買付者関係者は、本公開買付けの決済完了から本取引完了までの間、当社グループの事業運営に関して、誠実に協議する義務を負い、(ニ)公開買付者関係者は、本基本契約の締結日から本取引完了までの間、本最終契約の定めに従う場合又は他の当事者の事前の書面による承諾がある場合を除き、その所有する当社株式の譲渡等を行わない義務を負い、(ホ)公開買付者関係者は、本基本契約締結後実務上可能な限り速やかに、本取引の実行に関して自らが法令等に基づき義務を負う本競争法対応手続を適法に完了させる義務を負い、(ヘ)公開買付者関係者は、それぞれ表明保証(注1、2)を行い、(ト)公開買付者関係者は、当該表明保証又は本基本契約上の義務に違反した場合の損害等の補償義務を負う。
(注1) 三菱商事は、本基本契約において、大要、三菱商事に関して、(a)存続及び権限の有効性、(b)本最終契約の締結及び履行に関する権限の有効性、必要な手続の履践、(c)本最終契約の強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)法的倒産手続等の不存在、(f)当社株式の所有等について、また、当社グループに関して、(a)当社の存続及び権限の有効性、(b)当社の発行済株式総数、新株予約権数等、(c)法的倒産手続等の不存在、(d)反社会的勢力の非該当、(e)当社グループによる情報開示の正確性等について、表明及び保証を行っている。
(注2) 公開買付者は、本基本契約において、大要、公開買付者に関して、(a)存続及び権限の有効性、(b)本最終契約の締結及び履行に関する権限の有効性、必要な手続の履践、(c)本最終契約の強制執行可能性、(d)法令等との抵触の不存在、(e)法的倒産手続等の不存在、(f)当社株式の所有等について、表明及び保証を行っている。
公開買付者は、上記「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、2024年2月6日付で、三菱商事との間で、当社グループの共同運営等に関して、本株主間契約を締結しているとのことです。本株主間契約の概要は、以下のとおりとのことです。なお、本株主間契約は、一般条項等の一部の条項を除き、本スクイーズアウト手続が完了し、当社に対する三菱商事及び公開買付者の議決権所有比率が50.00%ずつとなった時に、その効力が生じることとされているとのことです。
・当社の機関設計(取締役会、監査役会、会計監査人設置会社)
・当社の定款、取締役会規則及び経営会議規則の変更
・当社の取締役の指名権(員数は6名、三菱商事及び公開買付者がそれぞれ3名ずつ指名)
・当社の代表取締役の指名権(人数は2名、三菱商事が代表取締役社長を1名指名、公開買付者が代表取締役副社長を1名指名。本取引完了日後5年間が経過した日の属する事業年度の翌事業年度以降の代表取締役社長及び代表取締役副社長を、いずれの当事者が指名するかについて、誠実に協議の上合意)
・当社の経営会議の設置
・公開買付者関係者間の本取引完了後5年間のステアリング・コミッティーの設置
・当社の監査役の指名権(員数は4名、そのうち三菱商事及び公開買付者がそれぞれ1名ずつ指名、残りの監査役について誠実に協議の上合意)
・当社の事業計画・年度予算案に関する誠実協議
・当社の連結配当性向(国際財務報告基準(IFRS)を基準として原則100%)
・デッドロックが生じた場合の手続等
・当社株式の譲渡制限
・本取引完了日から5年間経過後の公開買付者関係者の優先交渉権及び売却参加権
・本株主間契約違反時のコールオプション・プットオプション等
・その他、本株主間契約において、公開買付者関係者は、(イ)表明保証、(ロ)指名取締役が当社の事業と競合する可能性がある事業を行う会社等の役職員を兼任する場合に、当該取締役をして、当社取締役会における報告を行った上で承認を求めさせる義務、(ハ)当社グループの従業員等の引抜禁止、(ニ)当社グループに関する情報提供義務等について合意している。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の岩村水樹氏及び鈴木智子氏は、社外取締役であります。
(注3) 監査役の五味祐子氏、吉田惠子氏及び宮田裕子氏は、社外監査役であります。
(注4) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は本書提出日現在のものです。
(注2)代表取締役竹増貞信は、第14回新株予約権を27個、第16回新株予約権を38個、第17回新株予約権を62個、第19回新株予約権を57個、第20回新株予約権を64個、第21回新株予約権を90個、第22回新株予約権を112個、第23回新株予約権を112個、第24回新株予約権を137個所有しております。
(注3)取締役糸長雅之は、第24回新株予約権を28個所有しております。
(注4)取締役岩村水樹は、第20回新株予約権を5個、第21回新株予約権を5個、第22回新株予約権を5個、第23回新株予約権を5個、第24回新株予約権を5個所有しております。
(注5)取締役鈴木智子は、第22回新株予約権を5個、第23回新株予約権を5個、第24回新株予約権を5個所有しております。
(注6)取締役菊地清貴は、第23回新株予約権を5個、第24回新株予約権を5個所有しております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】