【注記事項】
(継続企業の前提に関する事項)

当社は2019年12月期より、4期連続して営業損失および経常損失を計上し、前事業年度である2022年12月期は当期純利益を計上したものの、2015年12月期より7期連続して当期純損失を計上しており、当事業年度においても、営業損失、経常損失および当期純損失を計上したことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しております。

当社は、足元の業績改善を進めることにより当該状況を解消するために、以下の対応策を講じることにより、事業面につきましては収益の確保および費用の削減を進めるとともに、財務基盤の一層の安定化に取り組んでおります。

 

事業・経営基盤の安定化

当社および連結子会社各社は、経営資源をグループIPビジネス(取得・開発・拡大)へ集中させる方針の下、前事業年度まではモバイルゲーム事業、キッチン雑貨事業の2つの事業セグメントを主軸に事業を進めてまいりましたが、今後はM&Aを含めた企業投資を促進し、投資したIP企業の価値を高めて最終的に株式を売却するまでの投資育成事業を重要な事業として位置づけ、当事業年度から、投資育成事業を追加した3つの事業セグメント(デジタルIP事業(旧モバイルゲーム事業)、ライフスタイルIP事業(旧キッチン雑貨事業)、IP投資育成事業(投資育成事業))に変更し、それぞれのセグメントにおいて以下のことを目指しております。また、今後は投資先の企業価値の管理およびグループ経営基盤の強化を目的に、経営管理室の人員を増強し、管掌取締役を新たに2名就任させる等のガバナンスを強化してまいります。

 

デジタルIP事業

デジタルIP事業につきましては、従来はグループ戦略を基にライセンスIPを使用したモバイルゲーム事業の他、エンターテインメントの潮流を見極め、多様なジャンルでの自社IP創出にチャレンジしてまいりました。近年は開発費の高騰や人気ライセンスIPの獲得競争が激化するなど、売れるゲームの開発がより困難になっております。また、当社グループおよび株式会社X-VERSEの成長戦略を追求していく中、戦略に沿わない既存事業であるライセンスIP事業に対しては経営資源の投入を制限していくという戦略的判断から、ライセンスIP事業の一部を新たに設立した株式会社X-VERSE PLUSに移管し、同社株式を2024年1月1日付で株式会社テンダに譲渡することにいたしました。そして、今後はデジタル分野でのリストラクチャリング(再構築)を完了させ、従来から掲げている「自社IP創出」へのチャレンジを更に推進してまいります。

 

ライフスタイルIP事業

ライフスタイルIP事業につきましては、「自社ECサイト及び百貨店のアップデート→ワクワク空間の創造」「フレキシブルなものづくり体制の確立」「『食』に関わる新規事業の創出」「マーケティング・ブランディング強化」の4つの成長戦略の下、キッチン雑貨「share with Kurihara harumi」を全国の百貨店およびECサイト、アウトレット等で販売する他、料理家の栗原はるみ氏、栗原心平氏による企業様へオリジナルレシピの提供や共同開発等のプロデュース事業および出版物のIPコンテンツ事業に力を入れてまいりました。

当事業年度におきましては、「share with Kurihara harumi」を栗原はるみ氏監修による店内ディスプレイの改装に加え、従来から実施している不採算店舗の撤退による収益力改善の効果等により、一店舗あたりの売上高および坪効率は直近の5事業年度において最高値を達成することができました。この他、2023年11月にはコーポレートブランドTVCMを東京、大阪、名古屋等で放映し、自社ECサイトの新規会員獲得する等、積極的に売上伸長に努めております。また、商品に関するプロデュース事業および出版物IPコンテンツ事業におけるロイヤリティ収入も好調で、全体の売上高に寄与しております。加えて、従来から進めている購買、在庫管理の徹底により売上原価、販売費及び一般管理費における主要コスト削減の効果が継続されており、当事業年度は営業利益を達成することができました。今後は、①デジタルマーケティングの加速、②クリエイティブデザインの活用、③データドリブンなアパレル受注販売の3つを意識した「販売戦略」、ユーザーデータを活用したマーケットイン型ものづくりを意識した「開発戦略」、そして、従来の案件に続くライセンスモデルの拡大を意識した「ライセンスビジネス」の3つを新たな成長戦略とし、更なる収益獲得を目指してまいります。

 

 

IP投資育成事業

IP投資育成事業につきましては、既存投資先のIP価値拡大支援および新規投資案件の推進を新たな成長戦略とし、投資したIP企業の価値を高めて投資リターンを得ることで収益獲得を目指してまいります。この他、保有する有価証券の一部譲渡を目指し、更なる収益獲得を目指してまいります。そして、IP投資育成事業の拡大を目指すにあたり、投資先戦略的パートナーの開拓を目的とする「投資戦略室」を新設し、管掌取締役を就任させる予定であります。

 

財務基盤の安定化    

財務基盤の安定化につきましては、前事業年度において実施した第三者割当による新株予約権の行使、連結子会社である株式会社ゆとりの空間の株式の一部譲渡、無担保転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権の発行および行使により1,031百万円の資金調達を実施し、当事業年度においては、連結子会社である株式会社X-VERSEの既存ライセンス事業の一部を会社分割(新設分割)により新設会社である株式会社X-VERSE PLUSへ承継した上で、2024年1月1日付で同社の株式を株式会社テンダへ譲渡価額50百万円で譲渡する株式譲渡契約を2023年11月10日付で締結したことから、当事業年度においても財務基盤の安定化を維持しております。 

しかしながら、今後の経済情勢等がこれらの施策に影響を及ぼし収益が計画どおり改善しない可能性があり、資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があるため、現時点では継続企業の前提に関する不確実性が認められます。

なお、財務諸表は継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。

 

(重要な会計方針)

(1)資産の評価基準および評価方法

    ①関係会社株式

       移動平均法による原価法によっております。

 

      ②その他有価証券(営業投資有価証券を含む)

       市場価格のない株式等

        移動平均法による原価法によっております。

        なお、投資事業有限責任組合およびそれに類する組合の出資(金融商品取引法第2条第2項により有価証券と

      みなされるもの)については、組合契約に規定される決算報告日に応じて入手可能な最近の決算書類を基礎と

      し、その持分相当額を純額で取り込む方法によっております。

 

(2)固定資産の減価償却の方法

      ①有形固定資産(リース資産を除く)

       定率法によっております。ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備については、定額法によって

      おります。

 

      ②無形固定資産(リース資産を除く)

        定額法によっております。ただし、自社利用のソフトウェアについては、社内における利用可能期間(5年)

      に基づく定額法によっております。

 

      ③リース資産

        所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

        リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。

 

(3)引当金の計上基準

      ①貸倒引当金

        債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権

      については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

 

      ②関係会社事業損失引当金

        関係会社の事業に係る損失等に備えるため、 関係会社の財政状態等を個別に勘案し、損失見込額を計上して

      おります。

 

(4)収益及び費用の計上基準

      当社の収益は、主に子会社からの業務委託料になります。業務委託料においては、子会社への契約内容に

   応じた受託業務を提供することが履行義務であり、業務を実施した時点で当社の履行義務が充足されること

   から、当該時点で収益を認識しております。

 

(5)その他財務諸表を作成するための基本となる重要な事項

      ①株式交付費

        支出時に全額費用として処理しております。

 

      ②外貨建資産又は負債の本邦通貨への換算基準

        外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しており

      ます。

 

(表示方法の変更)

(貸借対照表)

 前事業年度の貸借対照表において、「投資その他の資産」の「投資有価証券」および「関係会社株式」に表示しておりました、127,355千円は、投資育成用と目的を変更したため、当事業年度において「流動資産」の「営業投資有価証券」に組み替えております。

 

(重要な会計上の見積り)

1.営業投資有価証券の評価

(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額

 

前事業年度

当事業年度

営業投資有価証券

-千円

127,355千円

投資有価証券

120,505千円

-千円

投資有価証券評価損

1,699千円

-千円

 

 

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 営業投資有価証券については、重要な会計方針に係る事項に関する注記の(1)に記載のとおり計上しています。当該投資有価証券(営業投資有価証券)の実質価額が著しく低下した場合で、かつ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、相当の減額を行うこととしております。

 営業投資有価証券の実質価額の低下の把握や回復可能性の判定においては、個別投資先ごとに入手し得る直近の実績データを収集し、業績悪化の程度や投資先の事業計画の達成状況や市場環境等を総合的に評価して判断しております。

 上記の見積りおよび仮定について、将来の不確実な経営環境の変化等により見直しが必要になった場合には、営業投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。

 

2.関係会社株式の評価

(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額

 

前事業年度

当事業年度

関係会社株式

249,890千円

101,974千円

関係会社株式評価損

99,900千円

243,944千円

 

 

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 関係会社株式については、重要な会計方針に係る事項に関する注記の(1)に記載のとおり計上しています。当該株式の実質価額が著しく低下した場合で、かつ、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、相当の減額を行うこととしております。なお、関係会社株式のうち超過収益力を加味した価額で取得した株式については、実質価額に超過収益力を反映しております。超過収益力を考慮するに当たっては、最新の経営環境等を考慮して将来の事業計画を策定することによって超過収益力が毀損していないか検証しています。

 関係会社株式の実質価額の低下の把握や回復可能性の判定においては、対象となる子会社の取得時の将来計画と実績との比較および最新の将来計画に基づき検討しております。将来計画策定においては、新規タイトルのリリース、小売店舗の出退店の予定等を勘案しております。これらの仮定は、子会社の過去の実績や事業計画を基礎とし、将来の不確実性を考慮しています。

 上記の見積りおよび仮定について、将来の不確実な経営環境の変化等により見直しが必要になった場合には、関係会社株式の減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

3.貸倒引当金および関係会社事業損失引当金の計上

(1)当事業年度の財務諸表に計上した金額

 

前事業年度

当事業年度

貸倒引当金(注)

9,598千円

117,927千円

関係会社事業損失引当金

2,326千円

22,553千円

貸倒引当金戻入益(特別利益)

73,581千円

-千円

関係会社事業損失引当金戻入益(特別利益)

133,346千円

-千円

貸倒引当金繰入額(特別損失)

-千円

108,328千円

関係会社事業損失引当金繰入額(特別損失)

-千円

20,226千円

 

(注)流動資産および固定資産に表示されている貸倒引当金の合計額であります。

 

(2)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。子会社に対する金銭債権について、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 また、関係会社事業損失引当金は、関係会社の事業損失に備えるため、関係会社の財務状態等を勘案し、損失見込額を計上しております。

 貸倒引当金および関係会社事業損失引当金の計上額は、関係会社ごとに財務状況や将来キャッシュ・フローの見積総額を総合的に勘案し算定しております。

 将来キャッシュ・フローは、将来の売上高予測や営業利益予測等複数の仮定に基づいて算定しておりますが、これらは今後の市場の動向等により大きく影響を受ける可能性があり、不確実性を伴うものであります。

 

(会計方針の変更)

  該当事項はありません。

 

 

 

(貸借対照表関係)

※1 関係会社に対する金銭債権債務

 

前事業年度

(2022年12月31日)

当事業年度

(2023年12月31日)

短期金銭債権

6,717

千円

127,045

千円

短期金銭債務

19

 

825

 

 

 

(損益計算書関係)

※1 関係会社との取引高は次のとおりであります。

 

 

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

営業収益

38,076

千円

30,195

千円

営業費用

5,400

 

4,000

 

営業取引以外の取引高

1,874

 

10,524

 

 

 

 

※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度0%、当事業年度0%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度99%、当事業年度100%であります。

 販売費及び一般管理費並びに営業費用のうち主要な費目及び金額は次のとおりであります。

 

 

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

役員報酬

66,386

千円

59,622

千円

給料及び手当

71,525

 

66,959

 

地代家賃

35,182

 

34,850

 

減価償却費

15,123

 

876

 

支払報酬

34,594

 

33,582

 

業務委託費

25,072

 

32,445

 

 

 

 

※3 投資有価証券評価損の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

実質価額の低下により、損失額を特別損失に計上しております。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

該当事項はありません。

 

※4 関係会社事業損失引当金繰入額の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

該当はありません。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

連結子会社である株式会社X-VERSEおよび株式会社ゆとりの空間に係るものであります。

 

 

※5 関係会社株式評価損の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

連結子会社である株式会社モブキャストゲームスに係るものであります。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

連結子会社である株式会社モブキャストエージェントおよび株式会社ゆとりの空間に係るものであります。

 

※6 関係会社株式売却益は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

連結子会社である株式会社ゆとりの空間に係るものであります。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

該当事項はありません。

 

※7 関係会社事業損失引当金戻入益の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

連結子会社である株式会社モブキャストゲームスおよび株式会社ゆとりの空間に係るものであります。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

該当事項はありません。

 

※8 貸倒引当金戻入額の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

連結子会社である株式会社モブキャストゲームスおよび株式会社ゆとりの空間に係るものであります。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

該当事項はありません。

 

※9 貸倒引当金繰入額の内容は次のとおりであります。

前事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)

該当事項はありません。

 

当事業年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)

連結子会社である株式会社X-VERSEおよび株式会社ゆとりの空間ならびに株式会社モブキャストエージェントに係るものであります。

 

(有価証券関係)

前事業年度(2022年12月31日)

子会社株式(貸借対照表計上額 関係会社株式 247,890千円)および関連会社株式(貸借対照表計上額 関係会社株式 2,000千円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。

 

当事業年度(2023年12月31日)

営業投資有価証券127,355千円および関係会社株式(子会社株式)101,974千円は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。

 

 

(税効果会計関係)

1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

 

前事業年度
(2022年12月31日)

 

当事業年度
(2023年12月31日)

繰延税金資産

 

 

 

 

 

 関係会社株式評価損

866,821

 

 

1,060,436

 

 繰越欠損金

964,231

 

 

1,169,725

 

 関係会社事業損失

712

 

 

7,803

 

 出資金評価損

4,219

 

 

4,767

 

 事業撤退損

21,918

 

 

24,421

 

 投資有価証券評価損

140,625

 

 

156,902

 

 減価償却超過額

10,449

 

 

8,124

 

 貸倒引当金

2,939

 

 

40,802

 

 その他

785

 

 

2,881

 

繰延税金資産小計

2,012,702

 

 

2,475,866

 

 税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額

△964,231

 

 

△1,169,725

 

 将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△1,048,471

 

 

△1,306,141

 

評価性引当額小計

△2,012,702

 

 

△2,475,866

 

繰延税金資産合計

 

 

 

繰延税金負債

 

 

 

△99

 

繰延税金負債合計

 

 

△99

 

繰延税金資産負債純額

 

 

△99

 

 

 

 

2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった

  主要な項目別の内訳

 

 

前事業年度
(2022年12月31日)

 

当事業年度
(2023年12月31日)

法定実効税率

30.6%

 

(調整)

 

 

 

交際費等永久に損金に算入されない項目

3.4%

 

住民税均等割等

0.6%

 

評価性引当金の増減

△48.5%

 

繰越欠損金の期限切れ

14.5%

 

その他

0.0%

 

税効果会計適用後の法人税等の負担率

0.6%

 

 

(注)当事業年度における法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異については、

   税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。

 

(収益認識関係)

 収益を理解するための基礎となる情報は、「(重要な会計方針)(4)収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。

 

(重要な後発事象)

 該当事項はありません。