文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
藤田観光グループでは、「健全な憩いの場と温かいサービスを提供することによって、潤いのある豊かな社会の実現に貢献したいと願っております」を社是とし、これに基づいて具体的な指針となる経営指針および行動指針を定めております。
コロナ禍は未だ収束の兆しが見えず、さらなる長期化の様相を呈しており、2022年度業績についても相当程度の影響継続が見込まれております。この間、当社グループは、コロナ禍を生き延びる手段・再建策として、また、将来の持続的な成長の礎を築くために、「事業計画」を策定し、推進しております。
そのなかの構造改革の一環として、付加価値向上と生産性向上に全社共通課題として取り組んでおり、現時点では赤字解消までには至っておりませんが、固定費の圧縮等の面で成果が表れてきております。
今後も、コロナ禍によって顕在化した、WHG事業のビジネスモデル、ラグジュアリー&バンケット事業・リゾート事業の収益性等の根本課題に正面から取り組む「事業計画」を最重要課題として推進してまいります。
「事業計画」は、Ⅰ.構造改革の推進、Ⅱ.事業ポートフォリオの見直し、Ⅲ.経営管理体制の強化を主要戦略としております。
先ずは、迅速な意思決定を可能とする経営管理体制を築くと同時に、コロナ禍の影響を最小化し、コロナ禍収束後の収益最大化のための構造改革を進めております。また、これと並行して、その先の中長期的な将来の持続的な成長・収益拡大をも見据えた事業ポートフォリオの見直しを行っております。
Ⅰ.構造改革の推進
事業構造そのものの問題に切り込むべく、費用対策のみならず、組織・制度・契約の見直し・改廃を含めた根本的対策を実施しております。
Ⅱ.事業ポートフォリオの見直し
コロナ禍への対応等の短期的な視点のみならず、積年の課題となっている収益力向上を企図したビジネスモデルの見直しや再開発等、中長期的な視点で将来を見据えた事業ポートフォリオへと見直しを図っております。
<THE FUJITA MEMBERS>
会員プログラム「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」を刷新し、2022年4月11日に「THE FUJITA MEMBERS」へリニューアルいたします。当社施設の利用でポイントが「貯まる」、利用時にポイントが「使える」機能はそのままに、お客様のパーソナルな情報を登録していただくことにより、一人ひとりにあった商品や情報を提供します。顧客とのつながりを強化し、デジタルマーケティングの施策効果を高めてまいります。
Ⅲ.経営管理体制の強化
激変する市場環境・厳しい経営環境を踏まえて、迅速で適切な経営意思決定を行うべく、会議体・モニタリングの見直し等、体制と機能両面の見直しを図っております。
●セグメント別戦略
WHG事業
WHG事業は、最もコロナ禍の影響を受け、多額の赤字計上が続いております。現在、赤字の最小化と並行して将来の成長に向けた構造改革に取り組んでおります。
構造改革では、生産性向上諸対策に加えて、オペレーション改革、差別化戦略・マーケティング・リピーター対策の構築等の課題に対応することでビジネスモデルの変革を行っております。
ラグジュアリー&バンケット事業
2022年11月に開業70周年を迎える「ホテル椿山荘東京」においては、2020年より庭園の魅力度を最大限に活かした新たな取り組みとして「東京雲海」や「森のオーロラ」、「椿の植樹」等を手掛けてまいりました。これに関連した宿泊・料飲商品やイベントの造成により販売力・企画力を強めるとともに、付加価値の高い料理・接客サービスの提供により、「椿山荘ブランド」の価値を引き上げる対策に重点的に取り組んでおります。
リゾート事業
2023年7月の開業に向けて「箱根ホテル小涌園」の建替えを着実に進めることと並行し、「箱根小涌園ユネッサン」においても食事やアクティビティ等の機能を充実させます。多種多様な需要を取り込む事業ポートフォリオを再構築し、「箱根小涌園」エリア全体の魅力度を引き上げます。
早期に箱根小涌園再開発を完了させること、およびコロナ禍で評価を得てきたグランピング等の新規事業のさらなる付加価値向上により、早期に収益面での貢献度を高めてまいります。
本社その他共通
全社共通事項として、販管部門のスリム化や、現場運営体制の見直し等、生産性向上策を講じております。また、当該セグメントにおいても、所管事業の不採算面への対策を実施しております。
当面コロナ禍の影響が続くと予想されておりますが、そのような環境下であっても、しっかりと生き残り、持続的に成長していく会社へ再建するため、最重要課題である「事業計画」を継続推進いたします。また、コロナ禍の収束の見通しが可能となった段階で、今後の持続的成長を見据えた新たな「中期経営計画」等についても検討する予定です。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載いたします。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合はその対応に最大限の努力をする所存であります。
下記事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結決算年度末(2021年12月31日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
①株価の変動
当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を100億円保有しており、株価変動のリスクを負っております。当連結会計年度末で市場価格により評価すると含み益となっておりますが、今後の株価の動向次第で業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②減損損失の計上
当社グループは、ホテル建物等の有形固定資産を当連結会計年度末で477億円保有しておりますが、今後一定規模を上回る不動産価額の下落や事業収支の悪化が発生した場合、有形固定資産の一部について減損損失が発生する可能性があります。
③賃借した不動産の継続利用もしくは中途解約
ワシントンホテル等ホテル事業においては、ホテル不動産を長期に賃借しているものがあり、不動産の所有者が破綻等の状態に陥り、継続利用が困難となった場合には業績に悪影響が生じる可能性があります。また、長期賃貸借契約の途中で、何らかの事情に基づき当社グループの意図により契約を中途解約することがあった場合、残存期間分の未経過賃料822億円のうちの一部について、賃料の支払もしくは補填の義務が生じる可能性があります。
④自然災害および流行性疾患の発生
大地震、噴火、台風、異常気象等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症、新型インフルエンザ等の流行疾患が発生した場合は、営業の一時停止や旅行の取りやめ、海外からの入国規制や渡航自粛によるインバウンド需要の減退等により、当社グループの財政状態や業績に悪影響を与える可能性があります。
⑤不動産周辺事業からの撤退損失
当社グループでは従前、不動産分譲事業を活発に行なっていた時期があり、現在でも道路、水道等インフラや不動産管理等の周辺事業を引き続き行なっていますが、これらの多くのものは低採算または不採算であり、これらの事業からの撤退を決めた場合、相応の額の損失が一時的に発生する可能性があります。
⑥食中毒等の事故
安全衛生には十分注意を払っておりますが、万が一食中毒等が発生した場合は、お客さまの信認を損ね、また営業の一時停止などが生じる可能性があります。
⑦円金利の変動
当連結会計年度末における借入金582億円のうち、139億円は変動金利による借入となっており、今後国内景気の回復により円金利が上昇すると、金利負担の増大を招く可能性があります。
⑧為替の変動
当社グループは、海外事業の営業活動により生ずる収益・費用および債権・債務が外貨建てであり、海外連結対象会社の財務諸表を日本円に換算する際、為替変動により影響を受ける可能性があります。
⑨継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症再拡大に伴うまん延防止等重点措置の発出など、先行きが不透明な経営環境が継続しております。今後の感染状況やまん延防止等重点措置の解除時期によっては、収益の回復に想定以上の時間を要するなど、業績へのさらなる影響を及ぼす可能性があり、現時点においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していると考えられます。
このような状況の中、当社グループでは資産売却や優先株式発行により財務状況を改善させるとともに、当該影響が長期化した場合を想定した資金計画に基づき、事業資金を確保できる体制を構築しています。また、2021年3月に早期希望退職を実施した他、役員報酬や従業員賞与の減額、賃料減額の交渉などのコスト対策を実施するなど、構造改革推進による固定費の圧縮や付加価値向上施策に取り組むことで、早期の収益回復を図っております。
これらの対応策を継続して実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における観光業界は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、断続的に発出される緊急事態宣言に伴い宿泊や飲食等の自粛が継続する厳しい事業環境が続きました。緊急事態宣言が解除された2021年10月以降は回復の兆しが見られたものの、同年12月に入ると新たな変異株の世界的な流行を受け、国内でも感染拡大が懸念されるなど再び先行きが不透明な状況となりました。
このような環境の中、当社グループでは、独自に制定した「環境衛生方針」に沿ってお客様と従業員の安心・安全を最優先に営業を継続してまいりました。同時に、長期化するコロナ禍の影響により顕在化した課題に対処するため、以下の3点を主要戦略とした「事業計画」を策定し、取り組んでまいりました。
Ⅰ.事業ポートフォリオの見直し
Ⅱ.構造改革の推進
Ⅲ.経営管理体制の強化
特に「事業計画」の中核である構造改革の推進では、早期希望退職をはじめとする労務費対策のほか、外注業務の内製化や賃料減額交渉等により営業固定費の削減を進めました。
また、喫緊の課題であった財務状況改善のために、太閤園の土地・建物を含む資産売却および政府系金融機関である株式会社日本政策投資銀行の出資により組成されたDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に対するA種優先株式発行によって資本・資金を調達すると同時に、成長投資や構造改革の原資を確保いたしました。
これらの結果、当社グループ全体の売上高は前期比1,785百万円増収の28,433百万円、営業損失は前期比4,789百万円改善の15,822百万円となり、6.7%の増収に対し、20%を超える営業赤字縮小となりました。また、実質の前期比(2020年は営業休止中の営業固定費を特別損失に振り替えているため、振替前の実績値との比較)では34%の営業赤字縮小となっております。経常損失は前期比4,388百万円改善の16,542百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、資産売却等による特別利益を計上した結果、前期比35,103百万円増益の12,675百万円となりました。
当連結会計年度の業績の概要およびセグメント別の営業概況は以下のとおりです。
当連結会計年度の業績の概要 (単位:百万円)
セグメント別売上高・営業利益 (単位:百万円)
(注)調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用です。
(WHG事業)
WHG事業では、長期滞在やテレワーク、入国・帰国時の一時宿泊利用(レジデンストラック)等の新しいニーズの獲得に取り組んでまいりましたが、インバウンド需要消失の影響をカバーするには至りませんでした。一方で、販売・予約業務の集約による効率化およびコスト削減を実施した結果、実質の前期比(2020年は営業休止中の営業固定費を特別損失に振り替えているため、振替前の実績値との比較)では営業赤字を約19%(28億円)縮小したほか、7月および8月には東京2020オリンピック・パラリンピック関連利用を取り込み、東京都内事業所の客室稼働率が向上いたしました。加えて、国や自治体の要請を受け、「横浜伊勢佐木町ワシントンホテル」「東京ベイ有明ワシントンホテル」「ホテルグレイスリー新宿」の3ホテルを宿泊療養施設として提供し、地域医療の負担軽減に協力してまいりました。7月30日には「ホテルタビノス京都」、9月14日には「ホテルグレイスリー台北」を新規開業し、また、フランチャイズホテルとして12月に「関西エアポートワシントンホテル」の営業を開始し、同じエリアに「関空泉大津ワシントンホテル」が新たに加わりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は前期比で78百万円増収の10,434百万円、営業損失は1,574百万円改善の12,095百万円となりました。
(ラグジュアリー&バンケット事業)
ラグジュアリー&バンケット事業では、2022年11月に開業70周年を迎える「ホテル椿山荘東京」において庭園の魅力を最大限に活かしたプロジェクトを実施し、「東京雲海」や「森のオーロラ」等一年を通して様々な景色を楽しむことができる演出により付加価値向上に努めました。これらの商品展開により、客室単価が向上したことに加え、婚礼実施件数も前期比で増加いたしました。また、ゴルフ部門も回復基調となり、当セグメントの売上高は前期比で2,544百万円増収の12,441百万円、営業損失は2,849百万円改善の1,867百万円となりました。
(リゾート事業)
リゾート事業では、「箱根小涌園 天悠」において、全客室に温泉露天風呂を備えている強みを活かし部屋食付きおこもりプラン等コロナ禍における需要の取り込みを図りましたが、稼働率はGo Toトラベルキャンペーンが実施されていた前期との比較ではマイナスとなりました。一方、高単価食事メニューや渓谷庭園を利用したビアガーデン等の高付加価値商品を販売し、1人当たりの消費単価は前期並みの水準を確保いたしました。また、3密を回避できるプライベート感を有するグランピング施設「藤乃煌 富士御殿場」はアウトドア需要の高まりを受け、好調に推移いたしました。レジャー施設の「箱根小涌園ユネッサン」では、混雑緩和を目的に繁忙日の事前予約制および自動精算機を導入し、お客様と従業員の安心・安全の確保に努めてまいりました。
また、成長戦略の一環として箱根小涌園再開発を進めており、2023年7月の開業に向け「箱根ホテル小涌園」の建替え工事に着手しております。
これらの結果、当セグメントの売上高は471百万円減収の3,749百万円、営業損失は356百万円悪化の1,126百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して16,166百万円増加の112,762百万円となりました。流動資産は優先株式発行や資産売却に伴い現金及び預金が増加したことにより34,126百万円増加、固定資産は主に資産の売却により17,959百万円減少いたしました。
負債は借入金返済等により、前連結会計年度末と比較して11,319百万円減少の83,929百万円となりました。なお、当連結会計年度末の借入金残高は58,234百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益12,675百万円の計上や優先株式の発行15,000百万円等により、前連結会計年度末と比較して27,486百万円増加の28,833百万円となりました。これらに伴い、自己資本比率は25.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金および現金同等物(以下「資金」という)は38,619百万円となり、前連結会計年度末から34,921百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により支出した資金は、16,302百万円(前年同期は17,069百万円の支出)となりました。営業損失の計上に加え、早期希望退職を実施したことにより、同引当金が1,802百万円、退職給付に係る負債が3,013百万円減少したことが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、42,890百万円(前年同期は2,412百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の売却による収入39,732百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、8,319百万円(前年同期は19,831百万円の収入)となりました。優先株式発行による収入15,000百万円、長期借入金の返済による支出8,467百万円が主な要因です。
④生産、受注及び販売実績
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは、WHG事業、ラグジュアリー&バンケット事業およびリゾート事業の各事業を主な内容とし、更に各事業に関連するサービス等の事業活動を展開しています。
セグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
(注) 1. 調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用であります。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、この見積りは不確実性が伴うため実際の結果と異なる場合があり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は28,433百万円(前連結会計年度26,648百万円)となり、1,785百万円(6.7%)の増収となりました。婚礼実施件数の増加や、緊急事態宣言が解除された2021年10月以降に回復基調となった宿泊・飲食需要を取り込んだことが主な要因です。
(売上原価および売上総損失)
当連結会計年度の売上原価は41,631百万円(前連結会計年度44,091百万円)となり、2,460百万円(5.6%)の減少となりました。早期希望退職の実施やコスト削減により人件費および変動費が減少した結果、当連結会計年度の売上総損失は13,197百万円(前連結会計年度17,443百万円)となり、4,245百万円の改善となりました。
(販売費及び一般管理費ならびに営業損失)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,625百万円(前連結会計年度3,168百万円)となり、543百万円(17.2%)の減少となりました。当連結会計年度の営業損失は15,822百万円(前連結会計年度20,611百万円)と前期比4,789百万円の改善となりました。
(営業外損益および経常損失)
当連結会計年度の営業外損益は719百万円の損失(前連結会計年度318百万円)となりました。この結果、当連結会計年度の経常損失は16,542百万円(前連結会計年度20,930百万円)と、4,388百万円の改善となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は固定資産売却益等の計上により37,088百万円(前連結会計年度3,824百万円)となり、33,263百万円増加しました。
また、特別損失は減損損失等の計上により3,388百万円(前連結会計年度6,067百万円)となり、2,679百万円減少しました
(法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は4,469百万円(前連結会計年度△740百万円)となりました。これに非支配株主に帰属する当期純利益12百万円を減じた結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は12,675百万円(前連結会計年度は22,427百万円の損失)となり、35,103百万円の増益となりました。
③財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は44,276百万円(前連結会計年度末10,149百万円)となり、34,126百万円(336.2%)増加しました。主に優先株式の発行や資産売却に伴い、現金及び預金が増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は68,486百万円(前連結会計年度末86,446百万円)となり、17,959百万円(20.8%)減少しました。資産の売却が主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は23,935百万円(前連結会計年度末25,197百万円)となり、1,261百万円(5.0%)減少しました。早期退職引当金の取り崩しが主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は59,993百万円(前連結会計年度末70,051百万円)となり、10,057百万円(14.4%)減少しました。長期借入金が返済により8,079百万円減少したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は28,833百万円(前連結会計年度末1,347百万円)となり、27,486百万円(2,040.5%)増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益12,675百万円の計上や、優先株式の発行15,000百万円が主な要因です。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(ア)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(イ)資金調達と流動性
当社グループは、事業活動のための資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常に目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの確保に努めております。その施策の一つとして、キャッシュマネジメントシステムの導入によるグループ各社の余剰資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。また、複数の金融機関と総額で209億円の当座貸越契約およびコミットメントライン契約を締結することにより、資金調達リスクに対する補完措置がなされております。
また安定的な資金調達の一環として長期借入金の比率を高めており、当連結会計年度末の借入金残高は58,234百万円、その内訳として、短期借入金の残高は10,700百万円、長期借入金(一年以内に返済期限の到来する長期借入金を含む)の残高は47,533百万円となっております。
⑤戦略的現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、先行きは不透明な状況と認識しております。当社グループでは、引き続き最重要課題である事業計画を推進するとともに、まん延防止等重点措置解除後の需要回復に備えた施策を実施してまいります。事業計画の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。
2022年通期の業績予想は売上高は前期比11,366百万円増収の39,800百万円、営業損失は前期比9,822百万円改善の6,000百万円、経常損失は10,342百万円改善の6,200百万円となる見込みです。親会社株主に帰属する当期純損失は5,900百万円を見込んでおります。
なお、第1四半期中は国内におけるオミクロン株感染拡大に伴うまん延防止等重点措置等の影響が続くものと想定しておりますが、現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、実際の業績等は様々な要因により当該予想数値と異なる場合があります。
連結およびセグメント別の業績予想は下表のとおりです。
2022年12月期の連結業績予想(2022年1月1日~2022年12月31日) (単位:百万円)
(注)調整額は、セグメント間取引消去および各セグメントに配分していない全社費用です。
(1)固定資産の譲渡
当社は、2021年2月12日開催の取締役会において、固定資産の譲渡を決議し、同日付で譲渡契約を締結、同3月22日に譲渡しております。
①譲渡の理由
新型コロナウイルスの影響で悪化した財務状況の改善を目的として、下記の固定資産を譲渡することといたしました。
②譲渡資産の概要
③譲渡先の概要
譲渡の相手先(国内法人)については、相手先との取り決めにより非開示とさせて頂きます。
なお、相手先と当社との間には特筆すべき資本関係、人的関係及び取引関係はありません。
④譲渡の日程
契約締結日 2021年2月12日
引き渡し日 2021年3月22日
⑤損益に与える影響
当該固定資産の譲渡に伴う特別利益333億円については、2021年12月期の連結決算において計上しております。
(2)第三者割当増資
当社は、2021年7月16日開催の取締役会において、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合との間で、株式投資契約書を締結し、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に対して、第三者割当の方法により総額150億円のA種優先株式を発行することを決議いたしました。なお、2021年7月16日付で、当社及び優先株式割当先との間で株式投資契約書を締結しております。
(注)発行と同時に資本金の額及び資本準備金の額の減少を行い、その他資本剰余金へ振り替えております。
主に「Ⅰ.構造改革の推進」、「Ⅱ.事業ポートフォリオの見直し」、「Ⅲ.経営管理体制の強化」の3つの戦略を骨子とする事業計画の推進に充当いたします。
該当事項はありません。