独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書

 

 

 

2024年3月26日

株式会社KeyHolder

 

 

 

 

取締役会 御中

 

 

 

太陽有限責任監査法人

 

 

 東京事務所

 

 

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

岩 﨑   剛   印

 

 

指定有限責任社員

業務執行社員

 

公認会計士

今 川 義 弘   印

 

<財務諸表監査>

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられている株式会社KeyHolderの2023年1月1日から2023年12月31日までの連結会計年度の連結財務諸表、すなわち、連結財政状態計算書、連結損益計算書、連結包括利益計算書、連結持分変動計算書、連結キャッシュ・フロー計算書及び連結財務諸表注記について監査を行った。

当監査法人は、上記の連結財務諸表が、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条により規定された国際会計基準に準拠して、株式会社KeyHolder及び連結子会社の2023年12月31日現在の財政状態並びに同日をもって終了する連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「連結財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

強調事項

1.連結財務諸表注記41.後発事象に記載のとおり、会社は、2023年11月13日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社ノース・リバーが、主にゲームアプリの企画・開発・運営等を行う株式会社10ANTZの株式の一部を取得することにつき決議し、株式会社ノース・リバーは同日付で株式譲渡契約を締結し、2024年1月1日に取得した。

2.連結財務諸表注記41.後発事象に記載のとおり、会社は、2024年1月26日開催の取締役会において、2023年10月30日付けで東京地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行った株式会社トポスエンタープライズ(以下「トポス」という。)に対し、民事再生支援(以下「スポンサー支援」という。)についての意向表明を行うこと及びスポンサー支援の一環として、株式会社バンカーズから、トポスが所有する借地権付き建物に設定された根抵当権の被担保債権を譲受けする債権譲渡契約を締結することを決議し、同日付けで譲受けた。

 当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。

 

監査上の主要な検討事項

 監査上の主要な検討事項とは、当連結会計年度の連結財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、連結財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

のれんの評価

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

監査上の対応

 近年、会社は、積極的な組織再編により、事業を拡大しており、企業結合時にのれんが生じている。

 会社の当連結会計年度の連結財政状態計算書において計上されているのれん5,218,852千円(総資産の19.2%)には、連結財務諸表注記14.に記載のとおり、株式会社UNITED PRODUCTIONS(人材派遣を除く。以下、同様)に係るのれん2,023,253千円(総資産の7.4%)及び株式会社ゼストに係るのれん1,205,760千円(総資産の4.4%)が含まれており、金額的重要性が高い。

 会社は、国際会計基準第36号「資産の減損」に基づき株式会社UNITED PRODUCTIONS及び株式会社ゼスト(以下、「両社」という。)に係るのれんの減損テストを行った。

 会社は、減損テストで用いる回収可能価額として使用価値を採用している。使用価値は、のれんを配分した資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定しており、当該将来キャッシュ・フローの算定は、経営者によって承認された5か年の事業計画を基礎としたうえで、5か年計画後の期間については将来の不確実性を考慮した成長率を反映させることにより見積っている。

 使用価値の見積りにおける主要な仮定は、5か年の将来キャッシュ・フローの算定及び5か年計画後の成長率である。

 このうち、5か年の将来キャッシュ・フローの算定は各社の事業の特性により、下記の影響を受ける。

・ 株式会社UNITED PRODUCTIONSは、バラエティ番組制作、ドラマ制作、映画製作等の映像制作事業を営んでいる。5か年の将来キャッシュ・フローの算定は、主として映像制作案件の受注の動向、案件別の粗利率の影響を受ける。

・ 株式会社ゼストは、主としてタレント及びアイドル等の芸能プロダクション運営・管理や、イベントの企画・運営及びイベントスペース等の運営・管理を行っている。5か年の将来キャッシュ・フローの算定においては、会社がコンテンツホルダーとして権利を保有するアーティストの人気の推移、ヒット商品の有無が重要である。具体的には、興行回数、チケット販売枚数、グッズ販売客単価、年間リリースタイトル数及び楽曲CDやDVDのタイトル当たり販売枚数の影響を受け、将来の予測は、不確実性を伴う。

 また、5か年計画後の成長率については、両社の5か年の将来キャッシュ・フローの成長率に、将来の不確実性を加味したうえで決定している。

 のれんの減損テストは複雑であり、5か年の将来キャッシュ・フローの算定及び5か年計画後の成長率の見積りについては不確実性を伴い、経営者の判断が必要である。

 そのため、当該のれんの減損テストの監査手続は、複雑かつ職業的専門家としての判断を要する。

 以上のことから、当監査法人は当該事項を監査上の主要な検討事項に該当するものと判断した。

 当監査法人はのれんの評価を検討するに当たり主 として以下の監査手続を実施した。

1.内部統制の評価

(1)減損テストに使用する両社の事業計画に関して会社の検討及び承認プロセスに係る内部統制の整備状況の有効性を評価した

(2)のれんを配分した資金生成単位の減損損失の認識の要否の判定に関連する内部統制の整備状況の有効性を評価した

2.使用価値の見積りの合理性の評価

(1)将来キャッシュ・フローの算定については前連結会計年度の減損テストを実施するに当たり使用された事業計画に含まれる売上収益及び営業利益予測を当連結会計年度の実績と比較し達成状況を遡及的に検討し事業計画の見積りの不確実性を評価した

 また当連結会計年度の減損テストを実施するに当たり使用された事業計画に含まれる売上収益及び営業利益予測を裏付ける関連資料を閲覧のうえ両社の経営者及び事業責任者等に質問を実施し事業計画の合理性を検討した

 特に両社の事業計画に影響を及ぼすこととなる固有の特性については以下の監査手続を実施することにより予測の妥当性を評価した

(ⅰ)株式会社UNITED PRODUCTIONS

・ 映像制作案件の受注の動向

 主要な映像制作案件の発注元との交渉状況を把握できる資料を閲覧したまたテレビ局等の番組の改編方針を経営者及び事業責任者に質問し案件ごとの積み上げにより策定している事業計画との整合性を検証したさらに継続案件の場合には過去の視聴率の推移等を調査し継続可能性について検討した

・ 案件別の粗利率

 継続案件の場合には同案件の過去における粗利率実績との比較を実施し新規案件の場合には類似案件における過去の粗利率実績と比較した

(ⅱ)株式会社ゼスト

・ 興行回数

 会社がコンテンツホルダーとして権利を保有するアーティストのうち活動期間が相対的に長いアーティストについては当該アーティストの過去の興行実績に基づき趨勢分析を実施したまたデビュー後の活動期間がまだ短く、今後の成長が期待されるアーティストについては当該アーティストの今後の成長予測において参考となるアーティスト(以下、「参考アーティストという。)の過去における興行実績と比較した

・ チケット販売枚数

 会社がコンテンツホルダーとして権利を保有するアーティストの過去におけるチケット販売枚数又は参考アーティストの過去における観客動員数と比較した

・ グッズ販売客単価

 会社がコンテンツホルダーとして権利を保有するアーティストの過去におけるグッズ販売客単価実績と比較した。

・ 年間リリースタイトル数及び楽曲CDやDVDのタイ トル当たり販売枚数

 会社がコンテンツホルダーとして権利を保有するアーティスト又は参考アーティストの過去における年間リリースタイトル数やタイトル当たり販売枚数実績と比較した

(2)株式会社ゼストについては将来の予測に困難性を伴うため将来キャッシュ・フローの算定に対して監査人独自の将来の予測達成に係るリスクをより考慮した仮定を設けて減損テストへの影響を検証した

(3)5か年計画後の成長率については今後の事業戦略に関して両社の経営者及び事業責任者等に質問を実施しその合理性を検証した

(4)当監査法人のネットワーク・ファームの評価専門家を関与させ使用価値の算定における評価方法の適切性及び計算結果の正確性を検証した

(5)当連結会計年度の減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化した場合の使用価値についてのれんを配分した資金生成単位における帳簿価額と比較した

 

その他の記載内容

 その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査役及び監査役会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 当監査法人の連結財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

 連結財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と連結財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

 当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

 その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

連結財務諸表に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

経営者の責任は、国際会計基準に準拠して連結財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

連結財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき連結財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、国際会計基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

連結財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての連結財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、連結財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・ 連結財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・ 経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・ 経営者が継続企業を前提として連結財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において連結財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する連結財務諸表の注記事項が適切でない場合は、連結財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・ 連結財務諸表の表示及び注記事項が、国際会計基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた連結財務諸表の表示、構成及び内容、並びに連結財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・ 連結財務諸表に対する意見を表明するために、会社及び連結子会社の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、連結財務諸表の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 監査人は、監査役及び監査役会と協議した事項のうち、当連結会計年度の連結財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

内部統制監査>

監査意見

 当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第2項の規定に基づく監査証明を行うため、株式会社KeyHolderの2023年12月31日現在の内部統制報告書について監査を行った。

当監査法人は、株式会社KeyHolderが2023年12月31日現在の財務報告に係る内部統制は有効であると表示した上記の内部統制報告書が、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。

 

監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して内部統制監査を行った。財務報告に係る内部統制の監査の基準における当監査法人の責任は、「内部統制監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社及び連結子会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 

内部統制報告書に対する経営者並びに監査役及び監査役会の責任

 経営者の責任は、財務報告に係る内部統制を整備及び運用し、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して内部統制報告書を作成し適正に表示することにある。

監査役及び監査役会の責任は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用状況を監視、検証することにある。

なお、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性がある。

 

内部統制監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した内部統制監査に基づいて、内部統制報告書に重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、内部統制監査報告書において独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにある。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果について監査証拠を入手するための監査手続を実施する。内部統制監査の監査手続は、監査人の判断により、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性に基づいて選択及び適用される。

・ 財務報告に係る内部統制の評価範囲、評価手続及び評価結果について経営者が行った記載を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討する。

・ 内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、内部統制報告書の監査に関する指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、計画した内部統制監査の範囲とその実施時期、内部統制監査の実施結果、識別した内部統制の開示すべき重要な不備、その是正結果、及び内部統制の監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査役及び監査役会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

 

利害関係

会社及び連結子会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

 

以 上

 

※1.上記は、監査報告書の原本に記載された事項を電子化したものであり、その原本は当社(有価証券報告書提出会社)が別途保管しております。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

E05020-000 2024-03-27 jpcrp_cor:Row1Member E05020-000 2024-03-27