文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、総合エンターテインメント事業、映像制作事業、広告代理店事業を展開するKeyHolderグループを形成し、「世の中の常識にとらわれない独創性と誠実さを通じて幸せで豊かな未来をつくります」というグループ企業理念のもと、グループ間の連携とシナジーを発揮し、グループ全体として発展していくことを通じて社会への貢献を目指してまいります。
また、当社は上場企業として、コンプライアンス(法令遵守)・内部統制の徹底は当然のこと、地域に密着した事業グループとして地域社会への貢献活動などの社会的責任も重視し、継続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの次期連結業績の見通しとして、売上収益32,000百万円、営業利益2,400百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,200百万円と計画しており、目標の達成に向けた経営を行っております。
(3) 経営戦略及び対処すべき課題
当社グループでは、積極的なM&Aの実施により現在の総合エンターテインメント系企業グル ープとして成長してまいりましたが、今後を見据えた課題といたしましては、“新たな独自IPコンテンツの創出”“グローバル基準の映像コンテンツの創出”“広告分野における新規販路開拓・デジタル領域の拡充”などを掲げており、それぞれへの注力により、持続的な事業領域及び規模の拡大を図ってまいります。
また、東京証券取引所による“資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた体制への取り組み”につきましても、当社における課題として認識しており、“PBR1倍割れの解消”や“高ROEの水準維持”並びに“持続的成長投資”を推進することにより、国内外の動向に対しては最大限の配慮をしつつ、企業としての社会的責任を全うするべく、機動的に必要かつ十分な対策を行いながら積極的な事業活動を展開してまいります。
〔総合エンターテインメント事業〕
ライブ・エンターテインメント部門につきましては、所属アーティスト・モデル・俳優・タレント・スポーツ選手等の様々な活動を通して、多くのファンの皆様にご支援いただけるプロダクション運営を行ってまいります。
大型イベントの開催等につきましては、乃木坂46が1月25日~27日の3日間で「34thSGアンダーライブ」を開催したほか、3月7日~10日までの4日間でさいたまスーパーアリーナにおいて「乃木坂46 12th YEAR BIRTHDAY LIVE」を開催しております。SKE48は、日々の劇場公演の開催のほか、ティーンズユニットとしてファン投票で選ばれた派生ユニットであるプリマステラが、1月12日~21日までの期間において4都市8公演のライブを開催いたしました。Novelbrightにつきましては、1月21日開催の「FUKUOKA MUSIC FES.2024」や3月16日開催の「めざましテレビ30周年フェス in 東京」等の大型フェスへの出演のほか、3都市において「NOVELCITY CARNIVAL Vol.4」のファンクラブイベントを開催しております。また、大型のツアーにつきましても、4月以降に4か月間をかけて、全国27都市を廻る「Novelbright LIVE TOUR 2024」の開催を予定しております。
タレント等につきましても、俳優としての評価が上がっている若月佑美や生駒里奈、小栗有以のほか、舞台などへの出演で評価を高めている古畑奈和や、SKE48を昨年末に卒業後、2024年1月1日からソロ活動を開始している江籠裕奈のソロ活動後初のシングルが春にリリースされる予定に加え、TikTokのフォロワー数700万人を誇る元ハンドボール日本代表キャプテンの土井レミイ杏利等の複数の所属アーティスト、タレントが活躍の幅を拡げており、引き続き積極的な活動を展開してまいります。
デジタル・コンテンツ部門につきましては、乃木坂46や櫻坂46、日向坂46の全坂道グループのスマートフォン向けのゲームアプリの企画・開発・運営を手掛け、プラットフォーム事業や映像・IP事業、デジタルマーケティング事業なども多角的に展開している株式会社10ANTZ(以下「TA」という。)の株式の51%を取得し、同社は当社グループの一員となっております。同社では引き続き、坂道グループに係るアプリ運営事業を継続する傍ら、今後はその開発リソースと、当社グループにおける自社IPコンテンツ及び映像制作など、既存事業とのグループシナジーによる新展開及び発展を図り、更なる事業規模の拡大に努めてまいります。また、2023年10月に、大規模なオーディション企画の開催と運営及び、マネジメントを展開する会社として、bijoux株式会社を新設しております。2024年3月20日に開催した最終審査会では著名な映画監督やプロデューサーを特別審査員として招聘し、グランプリを決定しております。引き続き新たな収益機会の創出に向けた取り組みとして、次世代のIP発掘と育成にも注力してまいります。
〔映像制作事業〕
現在の主流である、各テレビ局からの依頼に基づく制作案件を積極的に継続してきたことで、バラエティ番組では、企画・制作力を活かして、「千鳥の鬼レンチャン(フジテレビ)」や「イタズラジャーニー(フジテレビ)」「熱狂マニアさん!(TBS)」など、レギュラー番組16件の制作に携わっております。これらの実績が放送各局でも評価されており、年末年始を含む特番等の新規案件の獲得にも努めることで、着実に実績を積み上げてまいります。
そのほか、2023年10月10日から全世界190ヵ国以上で、株式会社UNITED PRODUCTIONS(以下「UP」という。)が制作プロダクションとして携わった作品Netflixコメディシリーズ「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~(Netflix)」のシーズン2の配信が開始されております。
映画製作及びドラマ制作につきましては、2020年公開の「佐々木、イン、マイマイン」で若者から圧倒的な支持を得て、各界の著名人からも大絶賛され、同映画で同年の映画祭等の新人賞を総なめにした内山拓也監督の商業長編デビュー作となる「若き見知らぬ者たち」は、主演に磯村勇斗さん、共演には福山翔大さんが務めるほか、海外配給会社の注目を集め、フランス、韓国、香港そして日本の4つの国と地域での共同製作映画となり、2024年の公開に向けて準備が進められております。さらに、UPがロケーション協力した大ヒットコミック「マイホームヒーロー」の映画化作品は、2024年3月8日より全国劇場公開されております。
新規事業の分野では、TOKYO ROCK STUDIO株式会社がグローバルスタンダードな映像制作現場のバックオフィス業務を担う制作経理業務及びグローバル向け作品の企画・制作を進めております。創業メンバーに全米ロケーションマネージャー協会(※)に日本人で初めて正式登録されたプロデューサーを含む強力な企画・制作陣が、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「アメリカンフィルムマーケット」やイギリス・ロンドンで開催された「FOCUS2023」などの全米、欧州等における映画、テレビ、広告、ゲーム、XRに関連した海外の映画祭や展示会に参加し、日本国内へのロケーション誘致や国際共同企画に関するロビー活動を行うなど、積極的な活動を展開しております。直近におきましては、アメリカのMax(旧HBO Max)とWOWOWが共同製作している「TOKYO VICE」のシーズン2に関する業務を行っており、こちらの映像作品は2024年4月6日より日本での放送・配信が開始されます。
今後も業況に合わせた社内体制や予算管理体制の更なる強化を図り、映像制作におけるノウハウと人材派遣で培った多くの制作会社や各放送局、各種配信プラットフォーム等とのリレーションを活かすと共に、開始するプロダクションバックオフィス事業を掛け合わせ、安定的かつ高品質の制作案件を継続的に手掛けることで、更なる収益構造の強化を目指します。
※映画やテレビ番組などの制作に関連し、撮影ロケーションの選定から現地における行政機関等との交渉や許可取りを専門的に担う業務で、能力・実績共に認められた者が世界各国から選出されている組合。グローバル標準の作品づくりにおいて“脚本を映像化する上でとても重要な役割で、監督の側近とも言える立場”とされており、ハリウッドを含め全米並びに世界各国からのあらゆる映像作品に係る情報収集も可能となる。
〔広告代理店事業〕
デジタル広告部門におきましては、YouTube等の動画配信プラットフォーム向けの広告案件を手掛けることにより、TikTokやInstagram、Facebook、LINE Ads Platform等、広告媒体としての活用度に拡がりをみせているデジタル広告プラットフォームに対して、インターネット広告事業及びインターネットメディア事業に関する事業を引き続き展開していくほか、TAが展開している、プラットフォーム事業や映像・IP事業、デジタルマーケティング事業等の実績に基づくグループシナジーによる広告案件の受注戦略をとるほか、不動産業界や金融業界等の新たな事業分野への積極的な展開によって、引き続き業容の拡大を図ってまいります。
広告代理店部門におきましては、引き続きセブン‐イレブン・ジャパンとの案件を中心に、乃木坂46公式ライバルグループの「僕が見たかった青空」に関しましても、広告代理店及びマーチャンダイジングの部分で本プロジェクトに資本参画しております。今期既に株式会社CHINTAIの「CHINTAI」の新CM案件などを担当しており、引き続き大型案件を含めた各種活動をサポートしてまいります。
さらに、佐久長聖高等学校との取り組みで、「パフォーミングアーツ」及び「ゲームプログラミング」の新コース設立に携わり、同校初となる在校生で構成されたアイドルグループ「7限目のフルール」の活動は、4月に2期目を迎えますが、入校生は当該グループのメンバーの2期生としての活動を視野に、体制を強化していくなどの支援を引き続き行うことで、積極的な活動を行ってまいります。また、4月以降には、株式会社ゼストがオンラインで学べる広域通信制・単位制のルネサンス高校グループとの事業提携により、「ゼスト エンタテインメント高等学院」を開校し、ダンス・歌唱・演技関連のレッスンを学業の一環として提供してまいります。現在、同校に関するオープンキャンパスを開講しており、大変多くの親子様にご来校いただいており、万全の態勢で開校できるよう鋭意準備を進めている段階です。
今後につきましても、イベントの企画・提案・開発のほか、企画に基づく商品企画のマネタイズもできる等、クライアントの要望を一手に引き受けられるノウハウを背景に、大手企業やスポーツチーム、著名アーティスト等とのタイアップを行い、グループの強みを生かした積極的な営業戦略によって、大小を問わず様々な案件に携わることで、事業規模の拡大に努めてまいります。
〔その他事業〕
不動産賃貸事業につきましては、引き続き安定した運用を行ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、コンプライアンス・リスク管理委員会(以下「CR委員会」という。)が当社グループ全体のリスクマネジメント全般を担っております。CR委員会は、サステナビリティに関するリスクも含めた課題の抽出、対策の検討や推進など実質的な活動を担うこととしております。
なお、概要につきましては、「
(2)戦略
当社グループは、サステナビリティに関する取組みのうち、人材は最も重要な経営資源であると考えており、従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。
具体的な取り組みとして、フレックスタイム制、育児時短勤務や在宅勤務など柔軟な働き方を可能とする制度を導入しております。
(3)リスク管理
当社グループでは、CR委員会を通じてリスクの識別・評価・管理を行うためのプロセスを整備し、リスクの未然防止及び会社損失の最小化に努めております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からのアドバイスを受けられる体制を構築しており、内部監査による監査を通じて、潜在的なリスクの早期発見に努めております。サステナビリティに関する事項についてもCR委員会において課題を抽出、対策の検討や推進など実質的な活動を担うこととしております。
CR委員会の活動は、定期的に取締役会へ報告し、重要な事案については、取締役会にて議論しております。
(4)指標及び目標
(人材育成の方針)
当社グループは、年齢、性別等を区別することなく、意欲と能力のある従業員に平等に管理職登用への機会を提供出来るよう人事制度を整備してまいります。
(社内環境整備方針)
当社グループは、従業員一人一人の多様な個性や志向を尊重し、従業員が最大限の能力を発揮できる職場環境や制度設計に努めてまいります。
(目標等)
現在、当社グループの男女割合は、男性:48.7%、女性51.3%にて推移しております。また、女性の管理職に占める割合は、現在23%(全女性従業員の7%)であり、具体的な目標値設定は、戦略・方針や事業成長に合わせた最適な組織構成とすることを念頭に行うこととしているため、現在は定めておりませんが、意欲と能力のある女性を積極的に管理職への登用を図ることで、女性の管理職に占める割合をさらに増加させられるよう努めてまいります。
当社グループの事業展開、経営成績などに関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクと考えていない事項についても、投資家の投資判断、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家への積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力を行なう所存であります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度につきましては、以下に記載した対応を行うことにより、合理的に予見している限りにおいて、低いものと考えられることから、顕在化の時期等も含めて具体的な言及は行っておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
A.総合エンターテインメント事業について
(ライブ・エンターテインメント部門)
ア 興行場法などの規制に関する影響について
当社グループの運営する劇場等の施設運営は「興行場法」及び関連法令による規制を受けております。その内容は、興行場の営業者は、施設を各都道府県などの条例で定める構造設備基準及び衛生管理基準に適合させることが義務付けられており、施設の構造・換気、照明、防湿及び清潔その他入場者の衛生に必要な措置を講ずる必要があるほか、同法に基づく所轄保健所長などの許可が必要となっております。当社グループは、同法及び関連法令の規制を遵守しつつ運営を行っておりますが、新たな法令の制定、同法及び関連法令の規制内容の変更などがなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ 出店政策について
当社グループは、現在、運営施設として新宿アルタ店で「KeyStudio」、名古屋市の栄で「SKE48劇場」と「ZEST MUSIC SCHOOL」、同スクールの福岡校の4施設を運営しております。規模の拡大を急がず、運営力を高めて収益力・マーケットシェアの確保を重視する方針でありますが、ライブやイベントなどの業界では、同業他社のみならず他の余暇産業業種との競合もあり、来店客数の低下、売上単価の低下などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当該施設は賃借しております。個々の契約は原則として賃貸借期間の定めがあり、その期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人の方針変更により、業績が好調であっても閉店を余儀なくされることがあります。さらに、賃貸人の倒産などの事由によっては、出店時に預託した敷金・保証金のうち全部又は一部が回収できなくなるリスクがあります。
ウ ライブ・イベントの企画、制作業務に関する業界の慣行について
ライブやイベントの制作は、企画、制作、運営及び管理など各工程によって構成されております。企画を立案し関係者との打合せを経て、制作から本番となる運営工程に進みますが、制作及び運営工程(開催期間中含む)において、ライブ・イベントの主催者からの追加発注や仕様変更の要請があるなど、直前に実施内容の変更などが行われることがあります。このように当初の基本計画からの内容変更などにより、予算金額からの変動が生じる場合があります。
また、イベント主催者側の広告費の削減や広告代理店の変更などにより、ライブ・イベント自体の受注がなくなることもあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(タレント・アイドル等)
ア アーティスト及びタレントについて
当社グループは、コンテンツホルダーとして保有するアーティストやタレントなどの権利を様々な事業へ活用しているほか、他社が保有するアーティストやタレントなどをクライアントへ紹介、仲介するキャスティング業務を行っておりますが、当社グループ所属のアーティストやタレントは勿論のこと、他の芸能事務所に所属するアーティストやタレントに関しても、当社グループがマネージメント業務を行う場合は基本的に「専属契約」を締結しております。
当社グループでは、長期的なマネージメントを行うことを前提としておりますが、アーティストやタレントとの専属契約が更新に至らなかった場合や取引先との契約違反等によるトラブルが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ アーティスト及びタレントビジネスについて
当社グループで行うプロダクション事業は、基本的に人気の上昇や低迷のほか、ヒット商品の有無により、その影響を受け易いビジネスモデルです。消費者の趣味、嗜好、流行などのニーズの多様化が進む中で、市場環境の変化も相まって、必ずしもヒットコンテンツが生み出される訳ではないため、消費者ニーズの変化などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、継続的にコンテンツを創出するべく様々な企画・提案を行うなど、新人アーティストやタレントの発掘、育成、マネージメントの体制を構築しておりますが、長期あるいは多額の投資をしても、当該本人の怪我や不祥事等による引退・活動休止等が発生する可能性や、当社及びコンテンツホルダーの事業戦略上の都合により、出演や活動を抑制した場合のほか、取引先との間で既に締結した契約を解除される可能性もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 著作権等の知的財産について
当社グループで行うプロダクション事業は、アーティストの楽曲などに紐づく著作権や当該本人等の肖像権のほか、契約等によって取り決めのある各種知的財産権の権利物を扱っております。こうした権利物を扱う場合には、権利関係の事前調査や顧問弁護士等への相談を徹底し、第三者の知的財産権等の権利侵害が発生しないように努めておりますが、第三者の権利を侵害してしまう可能性や、第三者から意図せずに著作権を侵害される可能性があります。
このような場合、損害賠償等に係る訴訟に発展する可能性もあり、当社グループの業績及び社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
エ コンサートなどのイベント及び出演作品による業績について
当社グループで行うプロダクション事業の主な収入源は、所属アーティストによるライブ・コンサートや各種イベントの実施によるチケット収入、楽曲CD及びDVDや公式グッズの販売による収入のほか、テレビ番組、ドラマ、映画、ラジオ、CMなどへの出演料によって構成されております。
コンサート等の実施は、会場の空き状況や実施時期、規模や出演者などによって観客動員数が変動するほか、行政機関や地方自治体からの要請に基づく入場規制等があった場合には、チケット収入等についてもその影響を受け易くなります。また、販売されたCDやDVD、グッズなどは、発売直後の短期間には収入が集中する傾向にありますが、引き続き同様の売上が続くとは限りません。そのほか、各種メディアへの出演に関しても、当社グループの意思に反して、各種メディアの都合によって出演契約の取り止めがあった場合や放送などの延期、中止などがあった場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オ ソーシャルメディアポリシーについて
当社グループは、「X(旧Twitter)」「Facebook」「Instagram」等の、所謂ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)を通じて、当社グループと関わり合うあらゆるステークホルダーと適切に情報共有を行い、マーケティングコミュニケーションを促進し、事業活動の活性化を目的として、SNSを活用しております。また、所属するアーティストやタレントについても、SNSのほか、「YouTube」や「TikTok」などの所謂動画共有プラットフォームを活用して、その活動及び各個人の私的活動においても、ファンとの交流やコミュニケーション等の一環として、SNSの利用を推進しております。
このような中、当社グループでは、ファンやお客さまを始めとする社会からの信頼を、その事業基盤としていることを踏まえ、職務上はもちろん、会社を離れた私的活動においても、この信頼を傷つけないよう、SNSに情報発信をすることによる、当社グループならびに個々人の責任と影響を十分に認識したうえで、情報発信や対応を行うために、SNSの取り扱いに関するガイドラインを作成し、所属するアーティストやタレント、従業員への社内啓蒙を行っております。
しかしながらSNS上では、発信した情報や当社の情報等が、本来の趣旨とは異なる形や受け取り方次第でネガティブな情報として拡散する可能性があり、その場合当社グループの業績及び社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
(デジタルコンテンツ)
ア インターネット・モバイルコンテンツ関連市場の動向
当社グループでは、多種多様な分野でのインターネットサービスが日々生み出されている中、スマートフォンやモバイル端末等の高性能端末の定着に伴って、今後も関連市場においては持続的な成長を続けていくものと予想しております。しかしながらこれらに伴って、当社グループが提供するサービスに関連した市場に大手企業などによる新規参入が相次いだ場合、シェアの急変や新たなビジネスモデルの登場等による市場の構造変化が起こることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ インターネット関連の技術革新について
当社グループでは、インターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、インターネット関連分野は新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が相次いで行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため、当社グループではエンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備のほか、特にスマートフォンなどのモバイルコンテンツに関する技術・知見・ノウハウの取得に注力しておりますが、エンジニアの人材確保ができない、または人材育成が図れない等により新技術に対する当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新技術に対応するためのシステム開発費、人件費などの多大な支出が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 他社との競合について
当社グループでは、IPコンテンツを利用したモバイルコンテンツゲームアプリを展開し、特色あるサービスの提供や最適なユーザビリティを追求したサービスの構築のほか、カスタマーサポートの充実等に取り組み、競争力の向上を図っております。しかしながら、当社グループと類似のサービスを提供している企業や新規参入による競争が激化することにより、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、何らかの要因によりユーザーニーズの的確な把握ができない場合や、ニーズに対応するコンテンツの提供ができない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
エ システムに関するリスクについて
当社グループの事業は、スマートフォン等のモバイル端末やPC等のコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに全面的に依存しており、自然災害や事故(社内外の人的要因によるものを含む)等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業及び業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、トラフィックの急激な過負担等によって当社グループ又は通信ネットワークのコンピュータシステムが動作不能な状態に陥った場合、あるいは、ハードウエアやプログラム、ソフトウエア等に不良箇所があった場合、正常にコンテンツ提供が行われない可能性があります。
さらに、当社グループのコンピュータシステムは、適切なセキュリティ手段を講じて外部からの不正アクセスを回避するよう努めておりますが、コンピュータウイルスの感染やハッカーの侵入等によるシステム障害、不正アクセス等による情報漏洩等が生じた場合、当社グループの業績及び社会的信頼に影響を及ぼす可能性があります。
オ モバイル端末のOS提供者及びプラットフォーム提供者に関して
当社グループは、AndroidやiOSといったOS(オペレーティングシステム)を搭載したスマートフォン等のモバイル端末向けのデジタルコンテンツを、Apple Inc.及びGoogle Inc.が提供しているプラットフォームを用いて展開しております。当該OS及びプラットフォームに関する事故等によってサービスが提供できなくなった場合、当該OS及びプラットフォーム上でサービスを提供する際に提供事業者より課される条件・ルール等の大幅な変更により従来どおりのサービスが提供できなくなった場合又は当該条件・ルール等の変更に対応するために多大な支出が必要となった場合には、当社グループの事業運営及び業績に影響を与える可能性があります。
B.映像制作事業について
(映像制作)
ア テレビ広告収入への依存による影響について
当社グループが運営する映像制作事業の収入源は、主に地上波放送事業及びBS放送事業を展開する在京キー局の番組制作費から支出されるもので構成されております。在京キー局の売上高の大半は、広告収入で構成されておりますが、広告の出稿金額及びサイクルは、広告主である企業の業績やその背景となる国内景気の影響を受け易く、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ メディアの多様化による影響について
テレビ放送事業においては近年、情報技術革新とデジタル化の波を受け、多くの家庭で高速通信回線の普及が進み、ケーブルテレビやインターネットを通じた映像視聴環境が整ってきたほか、スマートフォン及びタブレットといった新たな携帯型高機能端末が定着し、通信機能を通じた動画配信など、映像コンテンツへの接触機会は、ますます拡大しております。こうしたメディアの多様化により、若年層を中心にテレビ放送の視聴時間が減少傾向にあるなど、テレビ放送の媒体価値が低下することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、この点、当社グループにおいては、昨今若年層を中心に拡大が顕著であるインターネットを通じたメディアプラットフォームへの映像コンテンツの供給を確立すべく、事業体制の構築を図っておりますが、当該プラットフォームを提供している企業の約半数は外資系企業が担っていることから、当該国の政治・経済状況の変化又は法律の改正などの様々な国内外の情勢の変化によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 放送法などの規制に関する影響について
当社グループが運営する映像制作事業は、在京キー局複数社と取引を行っておりますが、取引先である在京キー局においては、放送事業を行うにあたって放送法・電波法などの法令による規制を受けております。また、在京キー局は認定放送持株会社制を採用されておりますが、認定放送持株会社は、総務大臣の認定を受けることが必要であります。当該認定を受けるためには、認定放送持株会社の資産に関する基準など、放送法で定める要件に適合する必要があり、これらの要件を満たさない場合、総務大臣から免許や認定の取り消しを受けるリスクがあり、また、新たな法令の制定、同法及び関連法令の規制内容の変更などがなされた場合、在京キー局の業績や動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(人材派遣)
ア 労働者派遣法
当社グループで展開している人材派遣事業は、国内においては「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)に基づき、労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者が、派遣元事業主としての欠格事由に該当し法令に違反した場合には、事業許可の取り消し又は事業停止等を命ぜられる可能性があります。
当社グループでは、法令はもとより、社内諸規程の制定やガバナンス体制の構築、内部統制やグループ監査による体制を整備し、徹底した社内啓蒙に努めることで、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、今後何らかの理由により当社グループ及び役職員による法令違反が発覚した場合等、事業許可の取り消し又は事業停止等の処分により、当該事業活動ができなくなる可能性があり、その場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ 取引先との関係
人材派遣事業は取引先の要望に応じて、最適な人材を派遣する必要がありますが、当社グループでは主に、民放各局で放送されている番組やドラマ、映画の製作等、所謂映像制作スタッフ(アシスタントディレクター、ディレクター、プロデューサー、監督等)の人材を有しており、取引先との労働者派遣契約に基づいて人材派遣を行っております。現時点におきましては、各取引先とは良好な関係を構築し、継続的な取引関係を有しておりますが、放送局(派遣先)や番組制作会社(派遣先)においては、映像制作のクライアントからの追加発注や仕様変更の要請があるなど、直前に実施内容の変更などが行われることがあります。このように、当初の制作計画からの内容変更などにより、予算金額の変動が生じる場合や、クライアント側の広告費の削減や制作会社の変更などにより、派遣自体が不要になるなどの影響を受ける可能性があり、労働者派遣契約の内容の見直しや派遣の停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
この点、当社グループでは映像制作会社自体を有する企業グループとして、リソースの有効活用ができる体制を整備しており、且つ、映像制作スタッフの教育・育成を行うなど競合他社との差別化を図っており、取引先や放送局の情勢に左右されない組織体制により、収益体質の最適化を図っております。
C.広告代理店事業について
ア 景気動向・市場環境の変動によるリスクについて
当社グループが運営する広告代理店事業の収入源は、主に広告主である国内企業からの支出によるもので構成されております。国内企業の広告費の支出は、広告主である企業の業績やその背景となる国内景気の影響を受け易く、広告支出を増減させる広告主があった場合などには、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
イ 広告媒体の構造変化によるリスクについて
当社グループは、様々なメディアを活用した広告事業を展開しており、いわゆるマス4媒体広告と言われる新聞・雑誌・ラジオ・テレビのほか、近年ではインターネット広告が、このマス4媒体を超える規模になってきておりますが、インターネットを活用した広告媒体は、新たな広告手法として、様々な媒体との親和性、相乗効果が高まるものと考えられ、当社グループとして、YouTube等のSNSを媒体としたインターネットを活用した広告事業を展開しております。しかしながら、当社グループを取り巻く環境は常に変化しており、急速な技術革新による様々な構造変化が起きております。このような状況のもと、当社グループで適切な対応ができない場合や新技術に対応するための新たな支出などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 広告主との取引慣行について
当社グループは、国内企業における広告主との間で、広告主からの要望にブランディングから、広告制作、メディアプランニング(バイイング)、マーケティング、イベントなどの各専門分野において様々な価値を見出すことで、継続的な取引関係を有しております。しかしながら、広告主の業績や市場動向などによって、広告計画の変更やそれに伴う広告費の削減に加え、取引関係の合理化など、取引関係による合意内容にかかわらず、広告主の都合によって変更が生じる可能性があります。当然、広告主との契約においては、最大限のリスク回避のための措置を講じておりますが、その水準が今後も保証されているものではなく、また、不測の事態が発生した場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
エ 広告会社との競合について
当社グループが運営している広告代理店事業においては、様々なメディアに対するノウハウを有する広告会社が様々な手法によって広告展開を行っております。大手広告代理店を中心とした競争に加え、海外広告代理店の日本市場への参入など、市場環境は常に変化しております。
当社グループでは、当社グループ独自のノウハウや各取引先の協力によって、専門的な広告手法を得意としており、市場内における他社との差別化を図っておりますが、同様の広告手法を行う新規参入企業の台頭や、市場のさらなる競争の激化などに晒された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
オ インターネット広告について
当社グループでは、「イ」で触れたとおり、マス4媒体への広告展開のほか、インターネット広告といわれる「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「アフィリエイト広告」「動画広告」「SNS広告」などを駆使したインターネット広告事業及びインターネットメディア事業を展開しております。マス広告と異なり、表示回数やクリック数でカウントされる成果報酬型の広告出稿が多く、広告効果を最適化することで、リーチ率が高いことがインターネット広告の魅力とされています。
しかしながら、近年、広告の表示回数やクリック数を不正に水増しする「アドフラウド(広告詐欺)」をはじめとして、違法サイト等に広告が掲載、配信されてしまうことで、違法な業者へ広告費が流出する事例や、広告主のブランド価値が毀損されたりすることで発生する「ブランドセーフティ」に関する懸念、また、配信された広告が、「ユーザーが見られる状態にあるかどうか」を示す「ビューアビリティ」といった課題意識が注目を集めております。当社グループでは、このような問題、課題に対して、特に上記のような懸念のあるサイト等への広告が掲載されることのないように、広告主、広告関連事業者と課題意識を持って取り組んでおりますが、急速な技術革新による様々な構造変化等によって、当社グループで適切な対応ができない場合や新技術に対応するための新たな支出などが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
カ 広告メディア(媒体)との関係について
当社グループの広告代理店事業は、マスメディア各社が運営するメディア(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ及びインターネット)や各種SNS媒体、インターネット広告掲載事業者等の広告協力によって、支えられております。当社グループが利用するメディア各社とは強い協力関係を構築しておりますが、メディア各社の広告ニーズなどの変化や業績及び市場動向によっては、継続的な取引が保証されているものではないため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
D.新規事業について
ア 特定の取引先・協力先との関係
当社グループの新規事業においては、その事業安定の早期化や確実性の向上、協業によるシナジー創出による独自性の確立のため、特定の取引先とのリレーションを軸にして、その事業を推進するものがあります。こうした関係においては、単純な収益メリットのみならず、双方の事業メリットを図るWin-Winとなることを前提としたスキームを構築するよう努めるほか、相手方の経営方針の変更などのリスクを保全した契約を締結するよう努めております。
E.その他のリスク
ア のれんの減損リスクについて
当社グループは、連結財務諸表について国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)を適用しております。IFRSについては、日本において一般に公正妥当と認められる会計基準とは異なり、のれんの定額償却は不要となりますが、一方、のれんの対象会社における経営成績悪化等により減損の兆候が生じ、回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理が必要となる可能性があります。また、日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRSではのれんの償却が行われないため、減損リスクは将来にわたり残り続けることになることから、減損処理を行った際の損益に与える影響は大きなものとなる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
イ 金利変動リスク
当社グループの銀行などからの借入金につきましては、変動金利の借入金も含まれております。今後の金融情勢次第ではありますが、金利の上昇変動によって支払利息の負担が上昇した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
ウ 人材の育成及び確保について
当社グループが強みとしているエンターテインメント運営ノウハウを活かすためには、全社員が当社グループ理念を共有するだけでなく、顧客満足度の追求や効率的な運営手法に対する深い理解を身につける必要があります。そのため、新入社員及び中途採用社員への教育・研修制度の充実、従来の年功序列型賃金体系の見直しや昇給昇格などの制度の見直しを図るほか、女性に向けた勤務体系やキャリアパスなど、優秀な人材の確保・育成に尽力しております。
しかしながらサービス業界全体を通して見ても、企業間の人材獲得競争は激しさを増しており、当社グループにとって重要な人材を十分に確保できない場合、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
エ 感染症等に関するリスク
季節性を含めた感染症による影響については、国民生活及び国内外経済においては市場環境の規制や制限等にあって、収束時期や感染拡大の懸念については不透明感の強い状況に陥ることがあるため、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしましては、このような状況下においても企業としての社会的責任を全うするべく、従業員及び顧客企業の安心・安全と健康確保及び感染拡大防止の観点を重視しながら、事業を継続させるべく様々な対策を講じることとしております。一例として、所謂テレワークを推奨するべく「在宅勤務規程」を定めて、自主勤務管理によるスーパーフレックス制度の推進を始め、オフピーク通勤やリモートによるWeb会議、Web営業の実施など、考え得る対策に取組みながら、影響を最小限に抑える活動・体制を構築しております。
しかしながら、感染症を取り巻く状況は常に変化しており、それに併せて国内外の社会経済活動への影響が世界経済を下振れさせるリスクがあり、また、金融資本市場の変動等の影響によって、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
オ 社会情勢による影響について
当社グループは、一般消費者を対象とした事業運営を展開しておりますが、顧客層の広がりから国内の景況感や消費者心理と、市場の活況との間には相応の相関を有する状況にあります。消費税の増税はもとより、所得税率の引上げや社会保険料の負担増による個人消費への抑制心理が働いた場合、また、国内市場における景気後退に伴う需要の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
カ 大規模災害等の発生について
大規模な災害の発生により、当社グループの保有する店舗や施設等への物理的な損害、役職員への人的被害又は顧客への被害があった場合や、災害に起因する社会的要請等があった場合には、事業所等の一時閉鎖又は営業継続が難しい状況に陥る可能性があります。
当社グループではBCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)に基づく災害対策本部の設置や緊急連絡体制の訓練を実施するなど、社員啓蒙を含めて迅速かつ円滑に対処ができる体制を強化しておりますが、想定を大きく超える災害等が発生した場合、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
また、直接的な被災地でなかった場合においても、想定を大幅に超える派生的な影響を地域或いは国内全体が受ける場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以
下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。しかしながら、全世界的な情勢への不安感や不透明感がみられる中で、物価の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による景気の下振れリスクに十分注意する必要があり、先行きは予断を許さない状況であります。
当社グループにおける、各事業を取り巻く環境も日々変化しており、一般消費動向の影響を受け易い事業も一部あるものの、機動的に必要かつ十分な対策を行うこととしております。
このような中、今後の経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行並びに組織再編等を見込み、当社普通株式400,000株(取得総額:381,220,724円)を取得いたしました。また、4月17日に株式会社UNITED PRODUCTIONS(以下「UP」という。)が、グローバル基準の映像作品の制作を行うコンテンツスタジオ「TOKYO ROCK STUDIO株式会社」を設立し、グローバルスタンダードな映像制作現場のバックオフィス業務において重要な役割を担う制作経理業務を取得し、国際案件の経験が豊富なプロデューサー陣を中心に国際共同企画作品の開発などを開始いたしております。10月17日には、大規模なオーディション企画の開催と運営及びマネジメントを展開する新会社として、bijoux株式会社を設立し、次世代のIPコンテンツの創出に向けたオーディションを開催しております。さらに、直近では、株式会社ノース・リバー(以下「NR」という。)が主にゲームアプリの企画・開発・運営等を行う株式会社10ANTZの株式の51%を取得しており、今後も積極的な投資活動による当社グループの更なる収益規模の拡大及び強化に向けた展開を図ってまいります。
総合エンターテインメント事業では、事業環境の改善に伴い、大型イベントの開催やライブ・ツアーなどのほか、その他のタレントにつきましても、ドラマや各種番組への出演等、積極的な活動を展開いたしました。
映像制作事業につきましては、既存の番組制作の進捗のほか、特番放送されていた番組がレギュラー化された事に加え、ドラマ制作や参画した映画製作案件が公開されるなど順調なほか、海外を含めた動画配信プラットフォーム向けの映像制作を行っております。
広告代理店事業につきましても、インターネット広告事業及びインターネットメディア事業が好調を維持しており、各種継続案件を着実に積み上げることで売上強化に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上収益27,514百万円(前期比+24.7%)、営業利益1,965百万円(前期比△2.9%)、税引前利益1,901百万円(前期比△12.6%)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,114百万円(前期比+12.6%)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
<セグメント別概況>
〔総合エンターテインメント事業〕
(ライブ・エンターテインメント部門)
同部門につきましては、株式会社ゼスト及びNR並びに株式会社A.M.Entertainment(以下「AME」という。)が、アーティストやタレント、スポーツ選手などのマネジメントを行っております。当社グループの主要アーティストの主な活動内容は以下のとおりであります。
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アーティスト名 |
実施時期 |
内容:備考欄 |
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SKE48 |
1月7日、8日 |
派生ユニット「プリマステラ」静岡出張公演2days |
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3月5日 |
6期生10周年記念ライブ |
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4月1日~ 5月5日 |
春のチームコンサート2023 |
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4月20日、 5月18日 |
シャチフレLIVE |
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5月26日、 6月27日 |
江籠裕奈 4th Solo Live |
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5月31日 |
熊崎晴香 ソロライブ |
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6月1日 |
末永桜花 ソロライブ2023 |
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6月15日~ 18日 |
プリマステラ 2023 LIVE |
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7月3日 |
31st「好きになっちゃった」リリース。7月11日発表の「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得し、27作連続・通算27作目のシングル1位に。 |
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8月2日~ 9月1日 |
SUMMER Tour 2023 |
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9月29日~ 10月1日 |
SKE48リクエストアワーセットリストベスト100 |
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10月1日 |
結成15周年ライブ |
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11月20日 |
STU48合同ライブ |
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12月11日 |
江籠裕奈 卒業記念 Solo Live |
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12月12日 |
カミングフレーバーLive |
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12月13日~15日 |
チーム別コンサート |
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12月17日 |
ドラフト1期生 10周年Live |
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乃木坂46 |
2月22日 |
「11th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY1」横浜アリーナ |
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2月23日 |
「11th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY2〜5期生ライブ〜」横浜アリーナ |
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2月24日 |
「11th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY3〜4期生ライブ〜」横浜アリーナ |
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2月25日 |
「11th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY4〜3期生ライブ〜」横浜アリーナ |
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2月26日 |
「11th YEAR BIRTHDAY LIVE DAY5〜秋元真夏 卒業コンサート〜」横浜アリーナ |
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3月28日 |
鈴木絢音 卒業セレモニー |
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3月29日 |
32nd「人は夢を二度見る」リリース。4月4日発表の最新「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得し、31作連続・通算31作目のシングル1位に。 |
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4月5日~ 4月27日 |
32nd シングルアンダーライブ |
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5月17、18日 |
齋藤飛鳥卒業コンサート(東京ドーム) |
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7月1日~ 8月28日 |
真夏の全国ツアー2023 |
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8月23日 |
33rd「おひとりさま天国」リリース。8月29日発表の最新「オリコン週間シングルランキング」で初登場1位を獲得し、32作連続・通算32作目のシングル1位に。 |
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9月29日~ 10月1日 |
33rd シングルアンダーライブ |
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11月21日~ 12月3日 |
新参者(5期生ライブ) |
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12月16日~17日 |
超・乃木坂スター誕生!LIVE |
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アーティスト名 |
実施時期 |
内容:備考欄 |
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Novel bright |
1月20日~ 2月4日 |
竹中雄大 口笛コンサート 〜Whistling Sound Vol.1〜 (兵庫、東京) |
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1月28日 |
「FUKUOKA MUSIC FES.2023」出演 |
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2月15日~ |
「ラストシーン」(TVアニメ『弱虫ペダル LIMIT BREAK』第2クールオープニングテーマ) |
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2月20日~ 3月15日 |
NOVELCITY CARNIVAL Vol.3(名古屋、東京、大阪) |
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2月28日~ 3月13日 |
KICK THE AGE TOUR Vol.2.5(福岡、大阪、名古屋) |
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3月15日 |
新曲「嫌嫌」配信リリース |
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4月9日~ |
新曲「Cantabile」がNHK Eテレ・アニメ「青のオーケストラ」 オープニングテーマに決定 |
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4月7日~ 7月29日 |
Novelbright LIVE TOUR 2023 ~ODYSSEY~ 19都市20公演敢行 |
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8月30日~ 9月13日 |
ビルボードライブ・ツアー |
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9月13日 |
新曲「面影」をリリース |
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9月24日 |
LIVE TOUR 2023 結成10周年記念ライブ:大阪城ホール |
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10月15日 |
LIVE TOUR 2023 結成10周年記念ライブ:横浜アリーナ 新曲「ODYSSEY」リリース。結成10周年記念シングル |
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10月22日 |
LIVE TOUR 2023 ~ODYSSEY~ in KOREA |
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12月13日 |
新曲「雪の音」をリリース。2024年1月6日より放送されているTVアニメ「ゆびさきと恋々」のオープニングテーマに決定 |
各種大型イベントやライブ等の開催における観客の声出しが可能になったことから、当社グループに所属するアーティストの活動におきましても、積極的かつ精力的な活動を展開したほか、併せてファン層の購買意欲も向上していることで、各種イベントにおけるグッズ売上やDVD等の原盤収入も想定を上回っており、業績の積み上げに寄与しております。
また、2023年3月末で乃木坂46を卒業した「鈴木絢音」が10月1日よりAMEの新所属となったほか、「et-アンド-」や「若月佑美」、「小栗有以」、「生駒里奈」、「古畑奈和」、「まるり」などの所属アーティストやタレントにつきましても、ドラマや各種イベント、情報番組への出演のほか、アニメや企業とのタイアップなど、様々な場面において活躍の場を増やしております。
(デジタル・コンテンツ部門)
同部門につきましては、アイドルとの恋愛疑似体験ができる恋愛シミュレーションアプリとして、2023年4月でリリースから7周年を迎えた乃木坂46公式の「乃木恋」や、2020年11月の発表より順調にダウンロード数を伸ばしている日向坂46公式の「ひなこい」など、スマートフォン向けのゲームアプリの企画・管理・運営やプロモーションに関わる支援を継続して行っております。
以上の結果、総合エンターテインメント事業の業績は、売上収益11,318百万円(前期比+7.4%)、セグメント利益2,125百万円(前期比△3.7%)となりました。
〔映像制作事業〕
同事業につきましては、UPが既存の人気バラエティ番組や、所属アーティストのMVの制作のほか、ドラマ制作、映画製作委員会への出資及び製作を行っております。映像制作における、主な成果(レギュラー化やドラマ、映画製作等)は以下のとおりであります。
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分類 |
放送・公開 開始日等 |
番組名(補足) |
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バラエティ |
4月11日~ |
TBSテレビ「再現できたら100万円!THE神業チャレンジ」が特番を経て、レギュラー番組に昇格 |
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4月16日 |
「運搬千鳥 それ、どうやって運ぶんじゃ?」(特番) |
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5月13日、 27日 |
「理系応援バラエティ 実験ジャパン」(特番) |
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5月20日 |
「企業満足度調査員 忌憚ナク蔵&ナク美」(特番) |
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6月10日 |
「オドオド×ハラハラ」(特番) |
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7月22、23日 |
「千鳥の鬼レンチャン(フジテレビ)」をメインにしたフジテレビ特番 「FNS27時間テレビ」を放送 |
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8月5日 |
「ファン1万人がガチで投票!高校野球総選挙2023」3時間SP(特番) |
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8月19日 |
「池上彰と林修が初タッグ!日本の「今」を徹底解説!学びコラボSP」3時間半SP(特番) |
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9月2日 |
「何を隠そう…ソレが!」(特番) |
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9月17日 |
「とみおたち」(特番) |
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10月3日~ |
新番組 テレビ朝日「新しい学校のリーダーズの課外授業」放送開始 |
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10月7日 |
テレビ朝日「1万人が選ぶ!ついに決定!令和vs平成vs昭和アニソンランキング」3時間半SP(特番) |
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10月10日~ |
「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~(Netflix)」のシーズン2が全世界同時配信開始 |
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10月14日 |
「オールスター感謝祭2023秋」5時間半SP(特番) |
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12月23日 |
テレビ朝日「今夜ついに決定!1万人が選ぶ! 令和・平成・昭和 お菓子ランキング」(年末特番) |
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12月25日 |
テレビ朝日「令和版 美食アカデミー」(年末特番) |
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ドラマ |
2月10日~ |
Hulu「社畜OLちえ丸日記」 |
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3月28日~ |
TBSドラマストリーム「私がヒモを飼うなんて」 |
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4月14日~ |
NTTドコモ「Lemino」のオリジナルドラマ「アクトレス」 |
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7月11日~ |
TBSドラマ「18/40(エイティーン/フォーティー)~ふたりなら夢も恋も~」 |
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9月17日~ |
MBS「女子高生、僧になる。」 |
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10月24日~ |
MBS「マイホームヒーロー」 |
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11月21日~ |
TBSドラマストリーム「恋愛のすゝめ」 |
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映画 |
6月23日~ |
企画・製作として、人気コミック作品の「君は放課後インソムニア」を原作とした同名映画化作品に携わる。全国136館で上映 |
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9月18日 |
2024年公開予定の映画「若き見知らぬ者たち」制作開始を発表 |
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9月29日~ |
横尾初喜監督の最新作、オール長崎ロケーション映画「こん、こん。」全国順次公開 |
その他にも、既存のバラエティ番組をはじめ、継続的に年末年始特番を多数制作しており、積極的に受注を獲得し、着実に実績を積み上げております。
株式会社TechCarryで展開しております、番組制作等でプロの技術者が使用する機材レンタル事業や編集作業を行うポスプロ事業につきましては、事業規模の拡大に必要な機材について、一定の商材確保が完了しており、着実に実績を積み上げております。
制作スタッフの派遣事業につきましては、派遣先である映像制作会社の状況に伴って、派遣の受け入れの変動はあるものの、引き続き順調に推移しております。
以上の結果、映像制作事業の業績は、売上収益6,719百万円(前期比+26.3%)と増収であったものの、一部の制作案件におきましては、コンテンツ内容の強化に費用を掛けたことにより、セグメント利益190百万円(前期比△39.0%)となりました。
〔広告代理店事業〕
株式会社FA Projectにて展開するデジタル広告部門では、インターネット広告事業及びインターネットメディア事業を展開しており、男性用脱毛サロンやフィットネスジム、ゴルフレッスンスクール等の顧客獲得の実績を積み上げており、クライアントの要望に基づく広告案件を、YouTube等の動画配信プラットフォームを中心としたSNS媒体向けに制作するほか、アフィリエイト広告等の戦略的な広告展開を図っております。
株式会社allfuzにて展開する広告代理店部門につきましては、特に株式会社セブン‐イレブン・ジャパンが展開しているセブンネットショッピングにおいて、年間を通して様々な取り組みを実施しております。また、同社は乃木坂46公式ライバルグループ「僕が見たかった青空」の立ち上げプロジェクトに資本参画しており、広告代理店として本プロジェクトにおけるマーチャンダイジングの部分で活動をサポートしております。広告代理店における、当連結会計年度における実績となった主な実施案件は以下のとおりであります。
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EC販売・ キャンペーン等開始日 |
案件名 |
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2022年6月1日~ |
go!go!vanillas オフィシャルグッズ販売 |
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2022年11月10日~ |
Dragon Ash 25周年記念 オリジナルグッズ販売 |
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2022年11月30日~ |
5ビースト オフィシャルアイテム販売 / フォロー&リツイート キャンペーン |
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2022年12月7日~ |
UNICORNデビュー35周年記念ギフト UNICORN×八天堂 記念セット |
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2022年12月12日~ |
UNICORNデビュー35周年記念ギフト UNICORN×酔心 鳳凰醉心 窮極の大吟醸 |
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2023年1月13日~ |
Live the SPEEDSTAR オリジナルグッズ販売 |
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2023年1月25日~ |
ゆず オリジナルグッズ販売 |
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2023年2月10日~ |
Dragon Ashドラマー 桜井誠プロデュース桜井食堂ダブルペッパーポークカレー |
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2023年5月9日~ |
まるり オフィシャルグッズ販売 |
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2023年7月22日~ 8月31日 |
お台場冒険王オフィシャルサポーター就任(僕が見たかった青空) |
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2023年7月22日~ |
セブンイレブン「セブンカフェスムージー」CM(僕が見たかった青空) |
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2023年7月31日~ |
SHE’S オフィシャルグッズ販売 |
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2023年8月2日~ |
EARTHSHAKER オフィシャルグッズ販売 |
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2023年8月19日~ |
「CHINTAI」の新イメージキャラクター就任(僕が見たかった青空) |
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2023年8月24日~ 9月13日 |
ABC-MART・ニューバランスのキャンペーン第1弾モデル就任(僕が見たかった青空) |
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2023年8月31日~ |
まるり×向井珍味堂 オリジナルきな粉 まるきなこ販売(受注販売) |
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2023年9月14日~ |
ABC-MART・ニューバランスのキャンペーン第2弾モデル就任(僕が見たかった青空) |
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2023年9月28日~ |
Dragon Ashドラマー 桜井誠プロデュース桜井食堂第2弾クリーミーコルマチキンカレー販売 |
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2023年11月1日~ |
全日本大学バスケ選手権のオフィシャルサポーター就任(僕が見たかった青空) |
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2023年11月22日~ |
KOSE「MAKE KEEP MIST」SNS広告(小栗有以) |
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2023年12月21日~ |
KOSE「MAKE KEEP MIST」広告動画(小栗有以) |
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2023年12月25日~ |
純烈 marimani 第1弾セラミックかっさ販売 |
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2024年1月4日~ |
「CHINTAI」の新CM(僕が見たかった青空) |
※販売開始時期やキャンペーン開始時期を問わず、当連結会計年度の積み上げ案件を列挙しております。
※広告代理店部門におきましては、相手先企業との契約上の兼ね合いから公表できる案件名は少なく、上記実績はその一
部となります。
上記のほか、有名スポーツ選手を起用したテレビCMに関する案件、スポーツ競技や各種イベント、著名アーティスト
の協賛に関わる業務、行政機関や各企業、学校法人等からの依頼案件において実績を積み上げております。
以上の結果、広告代理店事業の業績は、売上収益9,371百万円(前期比+58.9%)、セグメント利益279百万円(前期比+837.5%)となりました。
〔その他事業〕
同事業につきましては、当社において不動産賃貸事業を展開しております。
以上の結果、その他事業の業績は、2022年9月末に運送事業の全株式を譲渡したことにより、売上収益104百万円(前期比△65.3%)、セグメント利益18百万円(前期比△72.8%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ545百万円増加し5,084百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,072百万円の資金の増加(前期比△34.9%)となりました。これは主として法人所得税等の支払により資金が減少した一方で、税引前利益の計上により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、665百万円の資金の増加(前期比△56.3%)となりました。これは主として利息及び配当金の受取により資金が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,192百万円の資金の減少(前期は2,241百万円の資金の減少)となりました。これは主として自己株式の取得、利息及び配当金の支払、リース負債の返済によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.商品等仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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総合エンターテインメント事業 |
1,603,165 |
136.6 |
|
合計 |
1,603,165 |
136.6 |
(注)金額は仕入価格によっております。
c.受注実績
該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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総合エンターテインメント事業 |
11,318,396 |
107.4 |
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映像制作事業 |
6,719,928 |
126.3 |
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広告代理店事業 |
9,371,424 |
158.9 |
|
その他事業 |
104,497 |
34.7 |
|
合計 |
27,514,247 |
124.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであ
ります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
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モノセンス株式会社 |
3,547,076 |
16.1 |
- |
- |
|
株式会社クリア |
4,352,279 |
19.7 |
6,764,292 |
24.6 |
|
株式会社プロスパーグラフ |
- |
- |
4,588,806 |
16.7 |
(注)前連結会計年度における㈱プロスパーグラフ及び当連結会計年度におけるモノセンス㈱の販売実績の総販売実
績に対する割合は100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第
28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により国際財務
報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。
当社グループでは、連結財務諸表の作成にあたって、決算日における様々な事項に関し、見積り及び仮定の設定を
行い判断しなければなりません。そのため、過去の実績や状況に応じて合理的だと考えられる様々な要因に基づき、
見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能
性があります。
以下の事項について、連結財務諸表に与える重要性が高いと判断しております。
のれん及び無形資産の減損
のれん及び無形資産については、事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化、リスク調整後割引率の変
動等、減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に減損の判定を行っております。のれんについては、減損の兆候
の有無にかかわらず回収可能額を毎年同じ時期に見積っております。のれん及び無形資産を含む報告単位の将来キャ
ッシュ・フローや使用価値等を評価し、その価値等が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、そ
の下回る額について減損損失として計上することになります。
減損兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化に
より、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
当連結会計年度における減損の検討を行った結果、のれん及び無形資産の減損損失を認識することはありませんで
した。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における売上収益は、事業環境の改善に伴い、大幅な増収となりました。
各事業セグメントにおける売上収益は次のとおりであります。
総合エンターテインメント事業につきましては、11,318百万円(前期の売上収益は10,541百万円)となりました。各種イベントの開催により、グッズの販売が想定を上回り高収益を生み出したこと及び所属アーティストやタレントによるドラマやイベント、情報番組への出演、アニメや企業とのタイアップなどで活躍の場が増加したことに伴い増収となりました。
映像制作事業につきましては、売上収益6,719百万円(前期の売上収益は5,321百万円)となりました。特番放送されていた番組がレギュラー化されたことに加え、積極的に受注を獲得したことに伴い、大幅な増収となりました。
広告代理店事業につきましては、売上収益9,371百万円(前期の売上収益は5,897百万円)となりました。前期に取得したインターネット広告事業及びインターネットメディア事業が大きく貢献し、大幅な増収となりました。
売上原価につきましては、22,957百万円(前期の売上原価は17,820百万円)となりました。総合エンターテインメント事業におきまして、売上収益が増加したことに伴い、売上原価も増加したもののグッズ等の売上収益が大きく貢献し、増収増益となりました。映像制作事業におきましては、売上収益の増加に伴い売上原価も増加したことに加え、コンテンツ内容の強化に費用を掛けたことにより増収減益となりました。広告代理店事業におきましては、前期に取得したインターネット広告事業及びインターネットメディア事業の売上収益が大幅に増加し、売上原価についても大幅に増加しました。
以上の結果、売上総利益につきましては、4,556百万円(前期の売上総利益は4,241百万円)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、インターネット広告事業及びインターネットメディア事業の拡充に伴う業務委託費の増加及び株主優待引当金を計上したことにより増加し、3,855百万円(前期の販売費及び一般管理費は3,658百万円)となりました。また、NRが持分の50%を保有する乃木坂46合同会社の業績を「持分法による投資利益」に1,337百万円計上しておりますが、前期と同水準となっております。
以上の結果、営業利益につきましては、1,965百万円(前期は営業利益2,024百万円)となりました。
金融収益につきましては、前期に保有投資有価証券の売却に伴う売却益を211百万円計上したことにより、当期は大幅に減少し、8百万円(前期の金融収益は235百万円)となりました。
金融費用につきましては、前期と同様の支払利息等が計上され、72百万円(前期の金融費用は85百万円)となりました。
以上の結果、税引前利益につきましては、1,901百万円(前期は税引前利益2,175百万円)となりました。
法人所得税費用につきましては、新たにグループ通算制度の対象となった子会社の影響により、税務上の繰越欠損金等に対し税効果会計に基づく繰延税金資産を510百万円計上しました。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、2,114百万円(前期は親会社の所有者に帰属する当期利益1,877百万円)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」をご参照ください。
④ 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて793百万円増の27,215百万円となりました。これは主として無形資産が減少した一方で、現金及び現金同等物、持分法で会計処理している投資が増加したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて731百万円減の7,695百万円となりました。これは主としてその他の金融負債及び繰延税金負債が減少したことによるものであります。
資本につきましては、前連結会計年度末に比べて1,525百万円増の19,519百万円となりました。これは主として自己株式の取得により自己株式が増加した一方で、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
その結果、親会社所有者帰属持分比率は73.3%(前連結会計年度末は69.6%)となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、M&Aに伴う株式取得や事業譲受に係る支出であります。
また、営業費用の主なものは、総合エンターテインメント事業及び映像制作事業の制作費及び人件費の支出であります。
当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フローの他に別途必要に応じて財務活動による資金調達を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は期初に連結業績の計画を作成し、目標達成に向けた経営を行っております。
当連結会計年度の達成状況は、売上収益につきましては、計画比3,514百万円増加の27,514百万円(計画比+14.6%)となりました。これは主に、総合エンターテインメント事業において、各種イベントの開催に伴う売上及び関連グッズの販売が増加したことなどから、主に株式会社ノース・リバーの業績が好調に推移したことにより計画比1,851百万円の増加、映像制作事業においては、既存の番組制作の視聴率が好調であったことに伴い、番組の放送回数や時間枠の増加に加え、特番からレギュラー化への昇格、予算外の案件獲得などにより計画比1,634百万円の増加、広告代理店事業では、インターネット広告事業及びインターネットメディア事業のデジタル広告部門の売上は計画比減少となりましたが、広告代理店部門では乃木坂46公式ライバルグループのプロジェクトへ資本参画している「僕が見たかった青空」に係るイベント協賛やCM広告のキャスティングなどの売上を計上したことにより計画比19百万円の増加となり、その他の事業では、計画比8百万円の増加となりました。
営業利益につきましては、計画比234百万円減少の1,965百万円(計画比△10.7%)となりました。これは主に、総合エンターテインメント事業において、株式会社ゼストのスクール事業における業績不振に伴い減損損失を104百万円計上したものの、各種イベントの開催及び関連グッズに係る売上が増加したこと、また、持分法による投資利益については、概ね計画通りとなり計画比97百万円の増加、映像制作事業では、番組の放送回数や時間枠の増加に加え、特番からレギュラー化への昇格、予算外の案件獲得などによる売上が計画比大幅に増加した一方で、放送局の求めるコンテンツを実現するための制作コストの増加、事業規模拡充に伴う増床コストの増加などにより計画比72百万円の減少となりました。広告代理店事業では、デジタル広告部門の事業規模拡充に伴う人件費及び業務委託費が増加したことにより計画比117百万円減少する結果となりました。
金融収益及び金融費用につきましては、概ね計画通りとなり、法人所得税費用につきましては、新たにグループ通算制度の対象となった子会社の影響により、税務上の繰越欠損金等に対し税効果会計に基づく繰延税金資産を510百万円計上したことにより計画対比412百万円の減少となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益につきましては、計画比114百万円増加の2,114百万円(計画比+5.7%)となりました。
当社は、2023年11月13日開催の取締役会において、当社連結子会社である株式会社ノース・リバーが、主にゲームアプリの企画・開発・運営等を行う株式会社10ANTZの株式の一部を取得することにつき決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 「連結財務諸表注記 41.後発事象」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。