(注) 1. 完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式であります。単元株式数は100株であります。
2. 提出日現在の発行数には2024年3月1日からこの有価証券報告書提出日までの新株予約権の行使により発行された株式数は含まれておりません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
③ 【その他の新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(注)1. 平均行使価額等は、円未満を四捨五入して表示しております。
2. 行使可能期間の終了に伴い、残存する新株予約権の全部は第三者割当て契約の定めに基づき割当先より当社が取得するとともに消滅しております。
(注) 平均行使価額等は、円未満を四捨五入して表示しております。
(注) 1. 第15回新株予約権(有償)の権利行使による増加であります。
2. 行使価額修正条項付き第16回新株予約権の権利行使による増加であります。
3. 譲渡制限付き株式報酬としての新株式発行による増加であります。
4. 行使価額修正条項付き第17回新株予約権の権利行使による増加であります。
5. 行使価額修正条項付き第18回新株予約権の権利行使による増加であります。
6. 2020年3月26日開催の定時株主総会の決議に基づき、財務基盤の強化を図るため繰越利益剰余金の欠損額を解消し、また、課税標準を抑制することを目的として、資本金の額を減少したものであります。なお、資本金の減資割合は89.3%となっています。
7. 行使価額修正条項付第19回新株予約権の権利行使による増加であります。
8. 行使価額修正条項付第20回新株予約権の権利行使による増加であります。
2023年12月31日現在
2023年12月31日現在
(注) 吉野公一郎氏の所有株式数には、役員持株会における持分を含めておりません。
2023年12月31日現在
2023年12月31日現在
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 当期間における保有自己株式数には、2024年3月1日から有価証券報告書提出日までの単元未満株式の買取り及び買増請求による売渡による株式数は含めておりません。
配当に関しては年1回の期末配当並びに業績に応じて中間配当を行うことを基本方針としておりますが、現時点においては繰越利益剰余金がマイナスであるため、創業以来利益配当は実施しておりません。
当社は、創薬及び創薬基盤技術の拡充のための先行投資として、研究開発費への積極的な資金投入を行ってまいりましたが、今後も引き続き研究開発活動へ積極的に資金を投入し、経営基盤の強化や収益力の向上を図る方針です。従って、当面は資金を研究開発活動に充当する方針ですが、株主への利益還元も、重要な経営課題と認識しており、今後の経営成績及び財政状態を勘案し、利益配当についても検討してまいります。
剰余金の配当は、毎年12月31日の期末配当並びに6月30日の中間配当を定款に定めております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当社は、当社及び当社子会社(以下「当社グループ」という)の経営の健全性ならびに透明性を高めることを通じて企業価値の最大化を図ることが重要であると考えております。このため、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と認識し、業務執行に対する厳正な監督機能の充実や内部統制システムに基づく業務執行の妥当性、違法性ならびに効率性のチェック・管理機能を有効に発揮させることによって、経営の健全性並びに透明性の向上に積極的に取り組んでおります。さらに役員及び従業員のコンプライアンスの徹底についても、重要施策として積極的に取り組んでおります。
2) 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、取締役の職務執行の監査等を担う監査等委員を取締役会の構成員とすることにより、取締役会の監督機能を強化し、さらなる監視体制の強化を通じてより一層のコーポレート・ガバナンスの充実を図るため、2020年3月26日の定時株主総会の決議により監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しております。
取締役会は、経営の重要事項に関する意思決定及び取締役の職務執行の監督機関として機能しており、監査等委員会は、取締役の職務執行を監査する体制といたします。
a.取締役会
取締役会は、本報告書提出日現在で10名の取締役(うち、社外取締役5名)で構成しております。取締役の10名のうち5名を社外取締役とすることで、社外の多角的な視点を取り入れたうえで、重要な意思決定を行うことができる仕組みを構築しております。
定時取締役会は月1回、臨時取締役会は必要に応じ随時開催し、当社グループの業務執行に関する意思決定を行い、取締役の職務執行を監督します。
b.監査等委員会
監査等委員会は監査等委員である取締役4名(4名全員が社外取締役、うち1名は常勤監査等委員)で構成されております。
監査等委員会は、毎月1回、定例の監査等委員会を開催するほか、必要に応じて臨時の監査等委員会を開催し、監査等委員会で定めた監査方針及び監査計画に従い、各部門の現状及び経営課題の聴取、監査状況の確認及び協議を行うほか、内部監査室及び会計監査人とも連携し、監査の有効性並びに効率性を高め、経営の適法性や効率性について総合的に監査する機関となります。また、各監査等委員は、監査等委員会が定めた監査の方針、業務分担に従い、取締役会、マネージメント会議及びその他の重要会議に出席するほか、取締役及び内部監査室からの報告内容の検証、会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行い、必要に応じて取締役及び取締役会に意見を表明する等、適宜、必要な業務監査及び会計監査を厳正に実施いたします。
なお、監査等委員は全員が社外取締役であることから、社外の独立した立場から経営に対する監査を行うことで、経営の透明性並びに公平性を一層高めております。
c.マネージメント会議
当社は、社内取締役、幹部社員(部長職)及び常勤監査等委員から構成されるマネージメント会議を設置し、定期的に開催しております。マネージメント会議は、取締役会で決定した基本方針に基づき、全社並びに各部門の経営課題等を審議するとともに、業務執行に係る協議並びに報告が適宜行われ、効率的な執行管理が行われております。なお、マネージメント会議で行われた業務執行に係る重要な協議及び報告の内容は、取締役会にて報告されております。
機関ごとの構成は次のとおりであります。(◎は議長または委員長、○は構成員を表しております。)
当社グループの会社の機関及びコーポレート・ガバナンスの状況は、次のとおりであります。

①内部統制システムの整備の状況
当社は、職務分掌規程及び職務権限規程の遵守により、業務を合理的に分担することで、特定の組織ならびに人に業務や権限が集中することを回避し、内部牽制機能が適切に働くような取り組みを行っております。
さらに、内部監査室が各部署の業務執行の妥当性、違法性並びに効率性についてのチェック並びに検証を実施するために、内部監査計画に基づく内部監査のほか、必要に応じて適時監査を行っております。また、内部監査室は、適宜監査等委員との意見交換を行い、内部監査の実効性向上に努めております。
②リスク管理体制の整備状況
当社グループは、事業活動全般にわたり発生する可能性のある様々なリスクのうち、経営戦略上の重大なリスクに関しては、関連部署と経営管理本部においてリスク分析及びその対応策等の検討を実施し、また必要に応じて外部の専門家に照会を行ったうえで、マネージメント会議または取締役会において当該リスク情報の共有化並びにリスク回避の方策に関する審議及び決定を行っております。また、業務上のリスクに関しては、関連部署と経営管理本部においてリスク分析及びその対応策等の検討を実施し、また必要に応じて外部専門家に照会を行ったうえで、リスクを最小限に留める適切な対処を行っております。内部監査室は、リスク管理状況を把握し、必要に応じ取締役会に報告しております。
また、定期的に実施される内部監査室による内部監査を通じて、様々なリスクを未然に防止するよう努めるとともに、リスク管理体制の有効性を検証しております。
さらに、企業運営において重要な経営リソースである情報システムに関しては、専任者を置き、システム障害時における早期復旧体制の構築ならびにコンピューターウィルス、マルウェア等によるシステム妨害、情報漏洩等を回避するために必要と考えられるセキュリティー対策、モニタリングならびに社員教育等を行い、当該システムに係るリスクの低減を図っております。
当社グループの業務の執行について、取締役会及びマネージメント会議等の重要会議で報告を求めるとともに、当社から役員の派遣を行い、日常的に業務の執行状況を把握しております。
また、内部監査室が作成した内部監査計画に基づき、当社グループの内部監査を実施するとともに、当社グループの内部統制システム全般の整備状況等に関し、各部門と内部監査室が協働し業務効率の改善及び内部管理体制の強化を図っております。監査等委員は上記内部監査に適宜同席するとともに、会社の重要会議に参加し、モニタリングを行います。また、監査計画に基づき各部門長から業務執行に係る重要事項を聴取し、意見交換を行うことで、監査の実効性を高めていきます。
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)は10名以内、監査等委員である取締役は4名以内とする旨を定款で定めております。
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行ない、累積投票によらない旨を定款で定めております。
当社は、会社法第309条第2項の定めによる株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行なう旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行なうことを目的とするものです。
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)の会社法第423条第1項の損害賠償責任について、善意でかつ重大な過失のない場合には、法令の定める限度額の範囲内で、取締役会の決議によって、その責任を免除することができる旨を定款で定めております。
当社は、定款に基づき、5名の社外取締役全員と会社法第423条第1項の損害賠償を限定する契約を締結しており、当該契約に基づく賠償責任の限度額は法令に定める額としております。
当社は、取締役を被保険者とする会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の内容の概要は、被保険者がその地位に基づいて行った行為に起因して損害賠償請求された場合の法律上の損害賠償金及び訴訟費用を当該保険契約により補填するものであります。ただし、被保険者の故意または重過失による法令違反に起因する損害賠償請求は当該保険契約により補填されません。なお、保険料は全額会社負担としており、被保険者の保険料負担はありません。
a.自己の株式の取得に関する事項
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して機動的な資本政策を遂行することを可能にするために、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
b.中間配当に関する事項
当社は、株主への利益還元を行なう機会を増加させるために、会社法第454条第5項の規定に基づき、取締役会決議によって中間配当を行なうことができる旨を定款で定めております。
当事業年度において当社は取締役会を19回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
(注)有村昭典は、2023年3月24日に取締役に就任しており、就任後の出席状況を記載しております。
取締役会での具体的な検討内容としましては、法令等に定める重要事項に関する決議、重要な契約及び投資、重要な人事及び組織変更、予算及び事業計画等の意思決定を行っており、また、決算及び事業の進捗状況について毎月報告を行い、目標達成に向けた進捗管理を行い、新たに生じた課題への対策など、企業価値向上に向けた審議を行っております。当事業年度における具体的な検討内容としては、各パイプラインの開発に関する内容を中心とした重要な契約や投資、各種規程の改訂、組織変更、決算承認、株主総会提案提出議案、その他重要な事項などであります。
1)役員一覧
男性
(注) 1. 2020年3月26日開催の定時株主総会において定款の変更が決議されたことにより、当社は同日付をもって監査等委員会設置会社へ移行しました。
2. 取締役鈴木香、有田篤雄、小笠原嗣朗、髙柳輝夫及び松井隆雄は、社外取締役であります。
3. 取締役(監査等委員である取締役を除く。)の任期は、2024年3月26日開催の定時株主総会終結の時から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。
4. 監査等委員である取締役の任期は、2024年3月26日開催の定時株主総会終結の時から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなっております。
5. 所有株式数には、役員持株会における各自の持分を含めておりません。
①社外取締役の員数
当社の社外取締役は5名であります。
②当社との人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係
社外取締役が所有する当社株式については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (2)役員の状況」の所有株式数欄に記載のとおりであります。その他、社外取締役と当社の間に人的関係、資本的関係及び取引関係その他の特別な利害関係はありません。
③社外取締役が企業統治において果たす機能・役割及び選任状況に関する考え方
取締役鈴木香は、国内外の製薬企業において、事業開発、パートナリング分野における要職を歴任し、豊富な経験と知見を有しており、その知見に基づき、客観的、中立的立場から当社経営に積極的な助言・提言を行うこととしております。取締役有田篤雄は、主に事業管理を長年にわたり経験する等、経営に関する豊富な経験に基づき、さらに財務部、関係会社監査役の経験により、財務会計の専門的な見地から、取締役の職務執行の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。取締役小笠原嗣朗は、主にグローバルな企業経営者としての豊富な経験に基づき、取締役の職務執行の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。取締役髙柳輝夫は、主に製薬企業における企業経営者としての豊富な経験と幅広い見識をもとに、取締役の職務執行の妥当性及び適正性を確保するための助言・提言を行っております。取締役松井隆雄は、主に公認会計士としての豊富な経験に基づき、取締役の職務執行の妥当性及び適正性を確保するための積極的な助言・提言を行うこととしております。
④当社からの独立性に関する基準又は方針
社外取締役を選任するための独立性に関する基準または方針は定めておりませんが、東京証券取引所が定める独立性に関する判断基準を参考にしております。
⑤社外取締役と内部監査、監査等委員会監査及び会計監査の相互連携ならびに内部統制部門との関係
社外取締役5名のうち4名は監査等委員であり、監査報告会へ出席するほか、定期的に会計監査人及び内部監査部門と情報及び意見交換を行っております。また、常勤の監査等委員が内部監査部門または会計監査人と共有・交換した情報についても監査等委員会等を通じて共有を行うことにより、連携強化に努めております。
(3) 【監査の状況】
監査等委員会は、提出日現在において監査等委員である取締役4名(4名全員が監査等委員である社外取締役)で構成しております。監査等委員会は、決定した監査の方針、監査計画に従い、取締役会、マネージメント会議及びその他の重要会議に出席するほか、取締役及び内部監査室からの報告内容の検証、会社の業務及び財産の状況に関する調査等を行い、必要に応じて取締役及び取締役会に意見を表明する等、適宜、必要な業務監査及び会計監査を厳正に実施してまいりました。また、会計監査人とは監査及び四半期計画、期末決算の会計監査結果及び四半期決算毎のレビュー結果の報告を受けるなど、業務遂行時における健全化、効率化及び実効性の向上に努めております。
また、常勤の監査等委員を設置することで、必要な情報の収集力強化を行い、監査体制の充実を図っております。
監査等委員の有田篤雄氏、松井隆雄氏は、財務会計に関する相当程度の知見を有しております。
監査等委員及び監査等委員会の活動状況
当事業年度において当社は監査等委員会を13回開催しており、個々の監査等委員の出席状況については次の通りであります。
監査等委員会における具体的な検討事項は、監査方針・監査計画の決定、取締役及び使用人からの業務執行状況のヒアリング、重要な決裁書類等の閲覧、内部監査責任者による監査結果の報告の確認、内部統制システムの整備・運用状況、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性等であります。
当社では、内部監査室長により、当社グループの主要部門を対象に必要な内部監査を定期的に実施したうえ、内部監査の結果をすべて代表取締役社長に報告し、常勤監査等委員に対しては、直接、監査実施内容及び改善状況の報告を適時行ってまいりました。また、内部監査室長は監査等委員会と密接な連携を取り、監査等委員会は常に内部監査状況を把握し、さらに、会計監査人と定期的に情報共有のための会合を開く等、連携を図ってまいりました。
有限責任監査法人トーマツ
2005年以降。
西方実
安場達哉
公認会計士2名、その他7名
監査等委員会は、監査法人の選定にあたって、会計監査人として必要とされる専門性、独立性、品質管理体制、監査報酬の適切性等を総合的に勘案し、有限責任監査法人トーマツを選定しております。
監査等委員会は、会計監査人の職務の執行に支障がある場合等、その必要があると判断した場合は、会計監査人の解任または不再任に関する議案を決定し、取締役会は当該決定に基づき、当該議案を株主総会の会議の目的とすることといたしますが、当事業年度の職務の執行状況において、当該事項に該当するような職務の執行はありませんでした。
監査等委員会は、会計監査人との間で定期的な会合を行い、監査計画、実施計画についての報告を聴取するとともに、意見交換を必要に応じて随時実施することにより、監査法人の評価を行っており、会計監査人として必要とされる専門性、独立性、品質管理体制、監査報酬の適切性等に問題がない旨、確認しております。
4) 監査報酬の内容等
前連結会計年度
該当事項はありません。
当連結会計年度
該当事項はありません。
前連結会計年度
該当事項はありません。
当連結会計年度
該当事項はありません。
監査日数等を勘案したうえで決定しております。
監査等委員会は、会計監査人の監査計画の内容、職務遂行状況及び報酬の見積りの算定根拠などを検証した結果、会計監査人の報酬額が合理的な水準であると判断し、同意致しました。
(4) 【役員の報酬等】
当社は、2021年1月21日開催の取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針等を決議しており、その内容は以下のとおりであります。取締役会は、当事業年度に係る取締役の個人別の報酬等について、報酬等の内容の決定方法および決定された報酬等の内容が当該決定方針と整合していることを確認しており、当該決定方針に沿うものであると判断しております。
なお、当社は、2024年2月22日開催の取締役会において、譲渡制限付株式報酬制度を廃止し、事後交付型業績連動型株式報酬制度(以下、「本制度」)の導入を決定しました。また、2024年3月26日開催の第21回株主総会において、本制度に基づき交付する株式数を合計年200,000株以内、支給する金銭報酬債権の額は合計年2億円以内とすることを決議頂いております。当社は、当該決議にともない、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針等を変更することを予定しております。
1. 基本方針
当社の取締役の報酬は、優秀な人材の確保および当社の企業価値の向上と持続的成長に向けた業務遂行のインセンティブとして十分に機能するようにすることを基本方針として決定する。取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬については固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬および株式報酬を支給し、監督機能を担う取締役(監査等委員)については、固定報酬を支給することとする。
2. 個人別の固定報酬の決定に関する方針
取締役の固定報酬は、同業他社等との比較、利用可能な外部専門機関による経営者報酬の調査データを踏まえた上で、個々の職務と責任に応じた額とする。
3. 業績連動報酬等の額の決定方針および個人別の報酬等の額の決定方針
業績連動報酬は、当社の事業が大きく進展した際、例えば、当社パイプラインの導出による契約一時金収入あるいはマイルストーン達成による収入が得られた際、自社臨床試験のステージアップが達成された場合などに、その規模、内容に基づき、各取締役(監査等委員である取締役を除く。)の貢献度を勘案して支払額を決定する。
4. 株式報酬の額の決定方針および個人別の報酬等の額の決定方針
当社の取締役(監査等委員である取締役を除く。)に、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えると共に、対象取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的として、株式報酬(譲渡制限付株式報酬)を支給する。その額は固定報酬とのバランスを取りながら決定するが、今後、報酬総額に占める株式報酬の割合を高めていく予定である。
5. 取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する事項
取締役の個人別の固定報酬額、業績連動報酬額および株式報酬の額については取締役会で代表取締役社長に一任することを決議した上で決定する。
当社は、2020年3月26日開催の定時株主総会において監査等委員会設置会社に移行し、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬額を年額2億円以内、監査等委員である取締役の報酬額を年額5千万円以内と決議いただいております。なお、決議時の員数は取締役(監査等委員である取締役を除く。)は4名、監査等委員である取締役は4名であります。
また、譲渡制限付株式の付与のために支給する金銭報酬の総額につきましては、上記報酬額とは別枠で、年額2億円以内と決議いただいております。譲渡制限付株式報酬制度は、当社の取締役(監査等委員である取締役を除く)に、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、対象取締役と株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的とした制度です。
取締役(監査等委員である取締役を除く。)の個人別の報酬額については、2021年3月25日開催の取締役会決議に基づき代表取締役社長 吉野公一郎氏がその具体的な内容の決定について委任を受けるものとし、その権限の内容は取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針等に照らして、株主総会において決議された報酬限度内で固定報酬額、業績連動報酬額および株式報酬の額を決定するものとします。当該委任は、会社全体の業績等を勘案しつつ各取締役の業績成果を適切に判断するには、代表取締役社長が適任であると判断したためであります。監査等委員については監査等委員会の協議により決定しております。
なお、当連結会計年度は業績連動報酬等として取締役(監査等委員を除く)に対して賞与を支給しております。業績連動報酬等の額は、画期的な医薬品を持続的に生み出す創薬企業へ成長する過程において、当社事業が大きく進捗した場合にその進捗の内容・規模等を指標とし、当社全体の状況等を総合的に勘案した上で決定しております。当連結会計年度につきましては、当連結会計年度に導出先からマイルストーン・ペイメントを受領したことから、各取締役に対してその貢献度に応じた業績連動報酬等の支給を決定いたしました。
②提出会社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
(注)当社は、2020年3月26日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しております。
譲渡制限付株式報酬は、譲渡制限付株式の付与のための報酬に係る当事業年度の費用計上額であります。
③役員ごとの連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
④使用人兼務役員の使用人給与のうち、重要なもの
取締役に対する使用人兼務取締役の使用人分給与は、支払っておりません。
(5) 【株式の保有状況】
① 投資株式の区分の基準及び考え方
当社は、保有目的が純投資目的の株式及び純投資目的以外の目的の株式のいずれも保有しておりません。
② 保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式
該当事項はありません。
③ 保有目的が純投資目的である投資株式
該当事項はありません。
<用語解説>(アルファベット、あいうえお順)
* ATP (Adenosine 5’-triphosphate)
ATPとは、アデノシン-5’-三リン酸の英名略称で、体の中でつくられる高エネルギー化合物のことです。ATPは、DNAの構成成分と同じヌクレオチドの一つで、分子内に3つのリン酸基をもっており、生体内では、このリン酸基が切れたり結合したりを繰り返しています。このリン酸基の授受が、様々な反応のエネルギー源となっており、キナーゼもこのATPを利用して生体内で様々なシグナルを伝えています。
* ELISA法 (Enzyme-linked ImmunoSorbent Assay)
ELISA法とは、抗体を用い、試料中に含まれる抗原などの目的物を検出・定量する測定方法の一つです。様々な試料の測定に用いることができますが、当社グループでは主にMobility Shift Assay法やIMAP®法で測定が難しいキナーゼの活性を測定する場合に、ELISA法を用いています。またELISA法で測定できるアッセイキットも販売しています。
* GCP (Good Clinical Practice)
GCPは、医薬品開発の国際的ルールとして、医薬品規制調和国際会議(ICH)が定めた臨床試験を実施するための基準です。日本においても、正しく治験を実施できるように厚生労働省により「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP省令)」として定められています。
* GLP (Good laboratory Practice)
GLPは、アメリカで最初に制定された医薬品等の非臨床試験の安全性に関する信頼性を確保するための基準で、日本でも薬事法により、医薬品等の開発のために行われる非臨床試験のデータの信頼性を確保するための実施基準として定められています。
* IMAP®法
IMAP®法は、蛍光偏光の原理を用いた測定法の一つで、モレキュラーデバイス社により開発されました。当社グループでは、一部のキナーゼ反応の測定にIMAP®法を採用しており、またIMAP®法で測定できるアッセイキットも販売しています。IMAP®は、Molecular Devices, LLC.の登録商標です。
* Mobility Shift Assay法
Mobility Shift Assay法は、試料中に含まれる物質が、その分子量や電荷の違いによって性質が異なることを利用して分離・測定する方法です。他の測定方法と比べて正確性が高いことから、当社グループでは、メインのキナーゼ活性測定方法として、Mobility Shift Assay法を採用しています。またMobility Shift Assay法で測定できるアッセイキットも販売しています。
* TR-FRET (Time-Resolved Fluorescence Resonance Energy Transfer)法
TR-FRET法は、時間分解蛍光と蛍光共鳴エネルギー転移という原理を組み合わせてタンパク質同士の相互作用を測定する方法です。アッセイにおける操作が簡便で測定時間も短いことから様々なアッセイに利用されています。当社グループでは、幅広いユーザーにキナーゼ測定を行っていただけるようにTR-FRET法で測定できるアッセイキットを販売しています。
* X線結晶構造解析
キナーゼなどのタンパク質は各々違う立体構造をとっており、創薬においては、その立体構造を解明することで、合理的な化合物のデザインが可能となります。X線散乱を利用するX線結晶構造解析はタンパク質の立体構造を決定する手法の一つであり、現在最も広く利用されている技術です。
* アッセイ
アッセイは、英語で「測定する」もしくは「測定法」という意味で、バイオの世界では、タンパク質や細胞などを用いた活性評価のことをアッセイと呼んでいます。
* アッセイプラットフォーム
創薬研究においては、様々な手法を用いて、化合物の評価を多面的に行うことが重要です。この様々なアッセイ方法の原理・手法のことをアッセイプラットフォームと呼びます。当社グループでは、ELISA法、IMAP®法、Mobility Shift Assay法、TR-FRET法などの様々なアッセイプラットフォームを提供しています。
* 化合物
化合物とは、2種類以上の元素からできている物質のことを指しますが、医薬品分野における化合物とは、有機化合物のことを意味し、さらに狭義では低分子有機化合物のことを指すこともあります。
* 基質
基質とは、酵素と結合したのち、化学反応を受けて変換される物質の総称です。当社グループが扱うキナーゼは、2つの基質と結合します。すなわち、キナーゼの反応では、全てのキナーゼに共通する基質であるATPと、個々のキナーゼに特異的な基質(タンパク質、脂質、糖など)が必要となります。キナーゼに結合した特異的な基質は、ATPを用いてリン酸化され、リン酸化基質とADP(Adenosine 5’-diphosphate, ATPからリン酸基が一つ減った物質)に変換されます。
* キナーゼ
キナーゼは、生体内の化学反応を触媒する酵素の一つで、特定の基質にリン酸基を付加させる反応(リン酸化といいます)を触媒します。このリン酸基の付加は、他の生体反応のスイッチとなることが多く、生体内の様々なシグナルを制御しています。生体の恒常性維持に非常に重要な機能を司っていることから、生体には沢山の種類のキナーゼが存在しています。当社グループでは、キナーゼを用いたプロファイリングサービス、アッセイキットを提供するとともに、研究で用いるために様々な加工をした「キナーゼタンパク質」も販売しています。
* キナーゼ阻害剤/キナーゼ阻害薬
キナーゼ阻害剤とは、キナーゼの酵素活性を阻害する化合物のことで、キナーゼ阻害剤のうち、医薬品として承認されたものをキナーゼ阻害薬と呼びます。
* キナーゼパネル
キナーゼは非常に沢山の種類が存在することから、キナーゼ阻害剤の研究では、標的とするキナーゼ以外に、どのようなキナーゼを阻害するかを明らかにすることが重要です。当社グループでは300種類以上のキナーゼに対する阻害活性が評価できるサービスを提供していますが、簡便に注文できるように目的別に種類分けした(これをパネルと呼びます)各種キナーゼパネルアッセイを提供しています。
* キナーゼプロファイリング
ヒトのキナーゼは、非常に沢山の種類が存在することから、キナーゼ阻害剤の研究では、標的とするキナーゼ以外に、どのようなキナーゼを阻害するかを明らかにすることが重要で、これをキナーゼ(選択性)プロファイリングと呼びます。キナーゼプロファイリングの結果から、対象疾患に対する効果や副作用を予測したりすることが可能となります。当社グループでは300種類以上のキナーゼを対象にしたキナーゼプロファイリングサービスを提供しています。
* 上市(じょうし)
上市とは、新薬が、臨床試験等を経て当局によって承認されたのち、市場に出ることをいいます。
* スクリーニング
スクリーニングとは、英語で「ふるい分け」を意味します。医薬品の研究開発では、研究の出発点となる化合物を得るために、化合物集団(化合物ライブラリ)から、アッセイにより目的の活性を有する化合物(ヒット化合物)を見出すことを意味し、特に数万から数百万種類の化合物ライブラリを用いる場合をハイスループットスクリーニング(HTS, high-throughput screening)と呼びます。
* セルベースアッセイ
医薬品の研究においては、沢山の化合物を同時に評価できる、組み換えタンパク質を用いたアッセイが標準的に用いられています。簡便な反面、このようなアッセイで効果があっても、動物試験で効果がないことがあります。そこで、動物試験との間を埋めるアッセイとして、実際の細胞を用いたアッセイを実施することで、効率的に動物試験で効果が高い化合物を選択することが可能となります。この細胞を用いたアッセイのことを、セルベースアッセイと呼びます。当社グループでは、様々な種類のセルベースアッセイを提供しています。
* 創薬研究
新しい薬の候補となる新薬候補化合物を生み出すための研究のことを創薬研究(もしくは探索研究)と言います。創薬研究で創出した新薬候補化合物は、その後、ヒトに投与するために必要な毒性・安全性などを検討する前臨床試験を含む開発研究、新薬候補化合物を実際にヒトに投与して効果や副作用などを検討する臨床開発に進みます。
* タンパク質間相互作用
実際の生体内では、タンパク質は単独ではなく、自己あるいは他のタンパク質と相互作用しながら様々な生物学的プロセスを制御しています。このような相互作用のことをタンパク質間相互作用と呼び、タンパク質間相互作用を解析することで、新しい創薬標的の発見につながることもあります。またタンパク質間相互作用自体を標的として創薬研究を実施することもあります。当社グループでは、タンパク質間相互作用の研究に役立つ様々なツールを提供しています。
* ビオチン化キナーゼタンパク質
当社グループでは、通常のキナーゼ蛋白質に加えて、ビオチン化したキナーゼ蛋白質を販売しています。ビオチンはビタミンの一種ですが、バイオ研究においては、ビオチンがアビジンと呼ばれる蛋白質に強く結合する性質を利用して、様々なアッセイに応用されています。当社グループでは、これまでに培ったキナーゼタンパク質を製造するノウハウを基に、ビオチン化キナーゼ蛋白質の開発に成功しています。
* 分子標的薬
近年、分子生物学の進歩により、様々な疾患の原因となる分子が特定されています。この分子を標的として特異的に治療することを分子標的治療といい、分子標的治療に用いられる薬のことを分子標的薬といいます。一般的に分子標的薬は治療効果が高く、副作用が少ないことが知られています。当社グループが研究開発しているキナーゼ阻害薬も分子標的薬の一つで、キナーゼ阻害薬は近年の癌治療の進歩に大きく貢献しています。
* 変異体キナーゼ/ミュータントキナーゼ
キナーゼが病気の原因となっているときは、そのキナーゼ自体が遺伝子レベルで異常になっている場合が多く(遺伝変異)、そのようなキナーゼを変異体キナーゼと呼びます。また分子標的薬による治療において、標的キナーゼが薬剤抵抗性の変異体キナーゼに変わってしまうことによって、突然、薬が効かなくなることがあり、治療上の問題となっています。当社グループでは、正常なキナーゼだけでなく、このような変異体キナーゼを多数取り揃えることで、キナーゼ創薬の推進に貢献しています。
* リード化合物
低分子化合物の探索研究では、研究の出発点となるヒット化合物が沢山見つかることがあります。このヒット化合物群から、化学構造変換や初期試験を経て生み出された新薬候補化合物の原型となる化合物のことをリード化合物と呼びます。創薬研究では、このリード化合物を基にして、薬理活性や薬物動態を指標に、詳細な化学構造変換を行い、新薬候補化合物を創出します。この過程を特に、「リード化合物の構造最適化」と呼びます。
* ルシフェラーゼ
生物の中には蛍のように自ら光を放つものがいます。この現象を生物発光といい、それらの体内では、ルシフェラーゼという酵素が、ルシフェリンという基質を用いて化学的エネルギーを光エネルギーに変換しています。当社グループでは、キナーゼのセルベースアッセイ(NanoBRET™)や、タンパク質間相互作用の解析にルシフェラーゼの生物発光を利用しています。