第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

 

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(百万円)

11,701

10,960

7,633

9,898

10,659

経常利益

(百万円)

266

781

32

287

413

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

188

503

45

190

270

包括利益

(百万円)

392

637

12

260

1,005

純資産額

(百万円)

19,573

17,199

17,102

17,254

18,151

総資産額

(百万円)

22,977

19,991

19,983

19,991

22,201

1株当たり純資産額

(円)

7,031.46

7,821.33

7,779.53

7,849.16

8,260.21

1株当たり当期純利益

(円)

68.75

225.14

20.82

88.35

125.14

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

83.7

84.4

83.9

84.6

80.2

自己資本利益率

(%)

1.0

2.8

0.3

1.1

1.6

株価収益率

(倍)

72.7

16.4

167.9

32.6

22.1

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

247

3,113

573

1,246

1,552

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

374

145

434

454

679

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

138

3,011

108

111

110

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

8,233

8,479

8,233

6,423

8,544

従業員数

(人)

170

179

188

188

189

[外、平均臨時雇用者数]

[71]

[64]

[61]

[59]

[55]

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

 

(2)提出会社の経営指標等

 

回次

第69期

第70期

第71期

第72期

第73期

決算年月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

売上高

(百万円)

11,278

10,536

7,374

9,462

10,148

経常利益

(百万円)

282

775

36

274

377

当期純利益

(百万円)

201

503

46

185

249

資本金

(百万円)

1,000

1,000

1,000

1,000

1,000

発行済株式総数

(千株)

3,806

3,806

3,806

3,806

3,806

純資産額

(百万円)

19,027

16,652

16,561

16,705

17,569

総資産額

(百万円)

22,359

19,408

19,417

19,370

21,522

1株当たり純資産額

(円)

6,954.71

7,722.62

7,681.27

7,748.49

8,149.83

1株当たり配当額

(円)

50.00

50.00

50.00

50.00

50.00

(内1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

73.39

225.38

21.28

85.95

115.44

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

85.1

85.8

85.3

86.2

81.6

自己資本利益率

(%)

1.1

2.8

0.3

1.1

1.5

株価収益率

(倍)

68.1

16.4

164.3

33.5

24.0

配当性向

(%)

68.1

22.2

235.0

58.2

43.3

従業員数

(人)

162

170

180

180

182

[外、平均臨時雇用者数]

[65]

[59]

[55]

[53]

[49]

株主総利回り

(%)

110.0

82.8

79.4

67.1

65.8

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(118.1)

(126.8)

(143.0)

(139.5)

(178.9)

最高株価

(円)

5,000

5,170

3,925

3,650

2,975

最低株価

(円)

3,825

3,350

3,250

2,727

2,705

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(スタンダード市場)におけるものであり、それ以前は東京証券取引所(市場第二部)におけるものであります。

3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第72期の期首から適用しており、第72期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2【沿革】

 1935年4月、金下修三が土木請負業「金下組」を創業したのが当社の起源であります。その後、1951年4月組織を改め、資本金1百万円をもって現本店所在地に金下建設株式会社を設立しました。

 その後の変遷は次のとおりであります。

1954年7月

道路舗装工事部門に進出。宮津市に須津アスファルト合材所を設置。

1955年10月

建設業法により建設大臣(ヨ)第4579号の登録を完了。(以後2年毎に更新登録)

1955年12月

大阪市に大阪出張所(現・大阪支店)を開設。

1956年3月

京都市に京都出張所(現・京都支店)を開設。

1960年4月

建築工事部門に進出。

1961年9月

兵庫県養父郡八鹿町(現・養父市)に但馬アスファルト合材所を設置。

1962年7月

京都府船井郡丹波町(現・京丹波町)に丹波アスファルト合材所を設置。

1963年8月

兵庫県豊岡市に豊岡出張所(現・兵庫支店)を開設。

1972年7月

京都証券取引所に株式を上場。

1973年7月

大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。

1974年1月

建設業法の改正により建設大臣許可(特-48)第2794号。(以後3年毎に更新許可 1997年からは、5年毎に更新許可)

1990年4月

豊岡出張所を兵庫支店に昇格。

1996年4月

司建設株式会社(現・連結子会社)を設立。

2001年8月

司建設株式会社(現・連結子会社)が株式会社和田組(現・連結子会社)の株式を取得。

2005年11月

宅地建物取引法による京都府知事(1)第12240号の免許を取得。

2007年3月

株式会社KALSを設立。

2007年7月

建設業法による13業種の追加許可。

2010年10月

宅地建物取引法による国土交通大臣(1)第8050号の免許を取得。(以後5年毎に更新許可)

2013年7月

 

2016年12月

2018年4月

2019年3月

2022年4月

 

2024年3月

 

東京証券取引所と大阪証券取引所との現物市場の統合に伴い、東京証券取引所市場第二部に上場。

株式会社KALSの清算結了。

建設業法による造園工事業の取消し。

建設業法による解体工事業の追加許可。

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所の市場第二部からスタンダード市場に移行。

京都府宮津市に回転寿司店をオープンし飲食事業に進出。

 

3【事業の内容】

 当社グループは当社、子会社5社及び関連会社4社で構成され、建設事業を主な事業として、建設事業に関連附帯するその他の事業及び飲食事業を展開しております。

 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメント情報との関連は、次のとおりであります。

(建設事業)

 当社及び連結子会社である司建設㈱、㈱和田組並びに関連会社である㈱金下工務店、サンキ工業㈱は建設事業を営んでおります。当社は施工する工事の一部をこれらの関係会社へ発注するとともに、関係会社が受注した工事の一部について施工協力を行っております。

(製造・販売事業等)

 当社は、アスファルト製品等の製造販売、産業廃棄物の中間処理(リサイクル)及びその他建設資材の販売及び飲食事業による回転寿司店の運営等を行っております。

 非連結子会社の橋立生コンクリート工業㈱は生コンクリートの製造販売事業、非連結子会社の㈱ソーゴーギケンは建設コンサルタント事業、関連会社のサンキ工業㈱は建設資材の販売事業をそれぞれ営んでおります。当社はこれらの関係会社から資材の購入、役務の提供を受けております。また、非連結子会社のPFI舞鶴常団地㈱は公営住宅(舞鶴常団地)の維持管理に係る業務を行っており、持分法適用関連会社の宮津太陽光発電(同)及び丹後太陽光発電(同)は太陽光発電事業を営んでおります。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

0101010_001.png

 

 

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

司建設㈱

(注)1、2、3、4

京都市中京区

40

建設事業

45.0

(16.1)

[19.0]

当社の建設事業において施工協力しております。当社所有の建物を賃借しております。

㈱和田組

(注)1、2

京都府宮津市

90

建設事業

100.0

(100.0)

当社の建設事業において施工協力しております。

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

宮津太陽光発電(同)

(注)1

京都府宮津市

10

製造・販売事業等

33.3

当社所有の土地を賃借しております。

役員の兼任があります。

丹後太陽光発電(同)

(注)1

京都府宮津市

10

製造・販売事業等

33.3

当社所有の土地を賃借しております。

役員の兼任があります。

(注)1.主要な事業の内容欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。

2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

3.議決権の所有割合の[ ]内は、緊密な者又は同意している者の所有割合で外数であります。

4.持分は100分の50以下ですが、実質的に支配しているため子会社としたものであります。

 

 

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2023年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

163

[52]

製造・販売事業等

8

[3]

全社(共通)

18

[-]

合計

189

[55]

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

182

[49]

46.5

19.5

5,700,819

 

セグメントの名称

従業員数(人)

建設事業

156

[46]

製造・販売事業等

8

[3]

全社(共通)

18

[-]

合計

182

[49]

 (注)1.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

2.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は、年間の平均人員を[ ]外数で記載しております。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

(3)労働組合の状況

労働組合は結成されておらず、労使関係について現在特記すべき事項はありません。

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

 

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)

4.3

(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

提出会社における男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

②連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、「一、まず、『健康』であること 一、人には『親切』にすること 一、受けた『恩義』を忘れないこと」を社訓とし、経営理念として「社会から必要とされ続ける企業であるために、関わるすべての人々に感謝し、受けた恩義を忘れず、心身ともに健康な社員を育て、親切・丁寧なものづくりを通じて、世の中に貢献する企業を目指します。」と定めており、経営の基本方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上のため、安定的な収益確保を目指しており、経営指標として売上高、営業利益を重要視しております。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

建設業界を取り巻く環境は、建設資材価格・労務価格の高騰や慢性的な人材不足による建設コストの上昇、これに伴った受注競争の激化等が継続する中、品質の向上と生産性の向上、多様な人材が活躍できる労働環境の充実が求められる状況になると思われます。

このような状況の中、当社グループでは、社会・顧客からの信用を第一とし、経営環境の変化や不測の事態にも迅速かつ適切な対応ができる健全な経営基盤を維持し、親切・丁寧なモノづくりを通じて、豊かな社会環境と安心で安全な生活空間を提供し続けるとともに、企業価値最大化を目指しコーポレート・ガバナンスの充実に全社一丸となって取り組んでまいります。

新型コロナウイルスを含む各種感染症の対策につきましては、従来から取り組んでいるWEB会議、必要に応じたテレワークの実施、衛生管理等の基本的な予防対策の徹底により事業活動への影響を最小限に抑えるよう引き続き努めてまいります。

建設事業につきましては、受注及び収益の拡大に向け、今までに培ってきたノウハウ、経営資源を駆使し、既存顧客の深耕、新規顧客の開拓や有望市場への営業活動を引き続き積極的に展開するとともに、技術力、コスト競争力の強化に努めてまいります。

また、全社的なDX化を推進し、業務の効率化、生産性の向上に繋げ、健康的で安心して働ける労働環境を整備するとともに、多種多様な人材の確保・育成に向けた長期インターンシップの受け入れ、大学での企業特別講座の開催や次世代への技術力の継承にも、引き続き取り組んでまいります。

さらに、持続的な成長を目指し、再生可能エネルギーへの取り組みも引き続き推進するとともに、新たな可能性を求めた事業領域の拡大に向けた活動にも取り組み、地域社会の活性化に寄与してまいります。

今後も、安全管理と環境への配慮を徹底し、地域社会をはじめとする全てのステークホルダーから信頼され、必要とされ続ける企業を目指し、変革を恐れず、新たな価値創造に挑戦するとともに、コンプライアンスと企業の社会的責任を果たすための活動を推進してまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティを重要な経営課題の一つと位置付け、持続的な成長を目指し、モノづくりを通じて、豊かな社会環境と安心で安全な生活空間を提供し続けるとともに、企業価値最大化を目指しコーポレート・ガバナンスを充実させることが必要であると考えております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載しております。

 なお、サステナビリティについての取組みについては、下記のURLよりご参照下さい。

https://www.kaneshita.co.jp/sustainability/

 

(2)戦略

 当社グループでは、持続的な成長を目指し、再生可能エネルギーへの取り組みを推進するため、太陽光発電事業に取り組むとともに、環境方針として「企業活動の全ての段階で、環境との調和と負荷低減に取り組む」を掲げ、省資源、省エネルギー、建設副産物の発生抑制、リサイクル等にも取り組んでおります。

 また、多様な人材の確保に向け、長期インターンシップの受け入れや、大学での企業特別講座の実施等に取り組んでおり、人材育成については、従来から行っている社内教育や、OJT教育のほか外部講習にも積極的に参加するとともに、当社独自の奨学金制度を設ける等の制度面の充実にも力を入れております。

 

(3)リスク管理

 当社グループは、コンプライアンス、安全、環境、品質、財務及び情報セキュリティ等に係るリスクについて、社内諸規程の制定及び、それぞれの担当部門による教育を実施するとともに、事前に適切な対応策を準備する予防処置により、リスクを最小限にすべく組織的な対応を行っております。

 定期的に内部監査を実施し、監査結果等から、リスクの洗出しとリスクの対応策の見直しを行い、継続的改善に取り組んでおります。当社グループの事業等のリスクについては、「第2 事業の状況  3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、事業活動に必要な人材を広い範囲から登用することが妥当であると考えていることから、性別、国籍等によって登用の判断をすることもありませんので、多様性の確保にかかる目標値を定めておりません。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 建設市場の動向

建設事業にかかる環境の変化等により、建設市場が著しく縮小した場合には、競合他社との受注競争により業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、官民を問わずあらゆる市場を事業領域とし、また、市場動向の変化を察知できるよう情報収集に努めてまいります。

(2) 資材価格・労務単価の高騰及び資材・労働者の不足

原材料価格及び資材価格、労務単価が高騰し、その価格変動を請負金額に反映することが困難な場合や、資材・労働者の不足が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、最新の資材、労働者の動向を把握するため、価格調査や各業者との情報交換を行うとともに生産性の向上に努めております。

(3) 取引先の信用リスク

貸倒れが懸念される取引先や債務者について予想を超える貸倒れが発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、取引先の倒産予測値と新規取引先の経営状況を把握しており、貸倒れが懸念される場合は貸倒実績率及び個別検討により貸倒引当金を計上しております。

(4) 建設施工に伴う労働災害及び事故

建設施工に伴い、万一、法令違反又は人身や施工物等に関わる労働災害及び事故が発生した場合、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、建設業法、労働関係法令その他関連法令を遵守するとともに、建設工事の施工に際しては、安全教育の実施、危険予知活動や点検パトロール等、労働災害及び事故を撲滅するための活動を実施しております。

(5) 保有有価証券の時価下落

保有している有価証券の時価が著しく下落した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、時価を有する有価証券を保有しており定期的にその保有の意義を検証し、継続保有、縮減の判断を行っております。

(6) 感染症拡大による影響

新型コロナウイルス感染症を含む感染症拡大による工事の中断等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、新型コロナウイルスを含む各種感染症の対策につきましては、従来から取り組んでいるWEB会議、必要に応じたテレワークの実施、衛生管理等の基本的な予防対策の徹底により事業活動への影響を最小限に抑えるよう引き続き努めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制の緩和に伴う経済活動の正常化が進む中、個人消費が持ち直す等、景気の一部に緩やかな回復基調も見られましたが、資材、エネルギー価格の高騰や不安定な為替の変動等、景気の先行きは、依然として不透明な状況となりました。

建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移いたしましたが、民間設備投資に力強さが戻らない中、建設資材価格の高止まりや、慢性的な建設技術者・労働者不足の問題が継続しており、引き続き厳しい状況となりました。

このような状況の中、当連結会計年度の当社グループの売上高は、前期からの繰越工事が増加したこと等により106億5千9百万円(前期比7.7%増)となり、利益面につきましては、営業利益は、売上高が増加したこと等により売上総利益が増加したことから2億3千8百万円(前期比63.1%増)となり、経常利益は、受取配当金が増加したこと等により4億1千3百万円(前期比43.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億7千万円(前期比41.6%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(セグメントごとの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

(建設事業)

受注工事高は85億2千8百万円(前期比20.7%減)となりました。売上高は、前期からの繰越工事が増加したこと等により104億4千4百万円(前期比7.9%増)となり、セグメント利益は、売上高が増加したこと等により、売上総利益が増加し7億5千万円(前期比23.3%増)となりました。

(製造・販売事業等)

主にアスファルト合材の販売で、売上高は6億2千9百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント利益は4千3百万円(前期比26.7%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて21億2千1百万円の増加(前期は18億1千万円減少)し85億4千4百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは15億5千2百万円の増加(前期は12億4千6百万円の減少)となりました。増加した主な要因は、仕入債務が増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは6億7千9百万円の増加(前期は4億5千4百万円の減少)となりました。増加した主な要因は、有価証券の償還等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは1億1千万円の減少(前期は1億1千1百万円の減少)となりました。減少した主な要因は、配当金の支払い等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(1) 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

   至 2022年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

   至 2023年12月31日)

(百万円)

建設事業

10,747

8,528(20.7%減)

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

   至 2022年12月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

   至 2023年12月31日)

(百万円)

建設事業

9,677

10,444(7.9%増)

製造・販売事業等

221

215(2.6%減)

合計

 9,898

10,659(7.7%増)

 (注)1.当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

2.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。

セグメント名

前連結会計年度

当連結会計年度

相手先

金額(百万円)

割合(%)

相手先

金額(百万円)

割合(%)

建設事業、製造・販売事業等

京都府

1,291

13.0

京都府

2,146

20.1

建設事業

国土交通省

2,472

25.0

社会福祉法人北星会

1,281

12.0

建設事業

学校法人京都産業大学

1,179

11.9

国土交通省

1,176

11.0

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

1. 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

 

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

 

土木

2,392

4,897

7,289

5,128

2,162

建築

3,569

5,402

8,971

4,113

4,858

5,961

10,300

16,261

9,241

7,020

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

 

土木

2,162

3,736

5,898

4,558

1,340

建築

4,858

4,271

9,129

5,375

3,754

7,020

8,007

15,027

9,933

5,094

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

2. 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

土木工事

0.8

99.2

100

建築工事

5.8

94.2

100

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

土木工事

0.6

99.4

100

建築工事

26.6

73.4

100

 (注)百分比は請負金額比であります。

3. 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

土木工事

4,913

214

5,128

建築工事

146

3,967

4,113

5,059

4,182

9,241

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

土木工事

4,241

318

4,558

建築工事

261

5,113

5,375

4,502

5,431

9,933

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額2億円以上の主なもの

発注者

工事名称

学校法人京都産業大学

京都産業大学 (仮称)新本館 新築工事

社会福祉法人成光苑

ライフ・ステージ 夢咲新築工事

社会福祉法人松光会

社会福祉法人松光会 (仮称)地域密着型総合福祉施設ふなおか

新築工事

国土交通省

桂川桂上野上流地区河道掘削他工事

国土交通省

精華拡幅乾谷地区舗装他工事

 

当事業年度 請負金額5億円以上の主なもの

発注者

工事名称

京都府

小倉西舞鶴線 地方道路交付金工事(新白鳥トンネル(仮称))小倉西舞鶴線 地方道路交付金(加速化対策)工事(新白鳥トンネル(仮称))

ニチレキ㈱

(仮称)NSBプロジェクト(工事監理業務・施工業務)

㈱関西ケーズデンキ

(仮称)ケーズデンキ長吉出戸店新築工事

学校法人京都産業大学

京都産業大学 (仮称)4号館大規模リニューアル改修工事

国土交通省

大野油坂道路新塚原地区他舗装他工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

発注者

金額(百万円)

比率(%)

国土交通省

2,472

 

26.7

 

京都府

1,194

 

12.9

 

学校法人京都産業大学

1,179

 

12.8

 

 

当事業年度

発注者

金額(百万円)

比率(%)

京都府

2,007

 

20.2

 

社会福祉法人北星会

1,281

 

12.9

 

国土交通省

1,176

 

11.8

 

 

 

4. 次期繰越工事高(2023年12月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

土木工事

1,312

28

1,340

建築工事

1,117

2,638

3,754

2,428

2,666

5,094

(注)次期繰越工事のうち5億円以上の主なもの

発注者

工事名称

工期

㈱タクマ

大阪中央HT(株)/大阪府北部流域/設計建設工事

2027年6月完成予定

京都府

桂川右岸流域下水道洛西浄化センター建設工事(呑龍ポンプ場調整池)

2024年3月完成予定

医療福祉生活協同組合おおさか

医療生協かわち野生活協同組合 (仮称)はなぞの生協診療所医療介護複合施設新築工事

2024年5月完成予定

大中実業㈱

大中実業研修センター新築工事

2024年5月完成予定

ハーベストネクスト㈱

ハーベストネクスト㈱高浜工場新築工事

2024年6月完成予定

 

製造・販売事業等における売上高の状況

種別

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

製造・販売事業(百万円)

170

156

その他(百万円)

51

59

計(百万円)

221

215

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

1.財政状態

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加し130億5千6百万円となりました。増加した主な要因は、有価証券の償還による収入と工事代金の受入により現金預金が増加したこと等によるものであります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べ8億8千万円増加し91億4千5百万円となりました。増加した主な要因は、株価が前連結会計年度末に比べ上昇したことにより、投資有価証券が増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ9億7千7百万円増加し26億8千9百万円となりました。増加した主な要因は、工事未払金が増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億3千6百万円増加し13億6千1百万円となりました。増加した主な要因は、株価が前連結会計年度末に比べ上昇したことにより、繰延税金負債が増加したこと等によるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ8億9千7百万円増加し181億5千1百万円となりました。増加した主な要因は、株価が前連結会計年度末に比べ上昇したことにより、その他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。1株当たり純資産額は、8,260.21円(前連結会計年度は7,849.16円)、自己資本比率は80.2%(前連結会計年度は84.6%)となりました。

 

2.経営成績

(売上高)

当社グループの売上高は、106億5千9百万円(前期比7.7%増)となりました。増加した主な要因は、当連結会計年度の受注工事高は減少しましたが、前連結会計年度からの繰越工事が増加したこと等によるものであります。

(売上総利益)

売上総利益は、11億8千6百万円(前期比10.8%増)となりました。増加した主な要因は売上高が増加したこと等によるものであります。

(営業利益)

営業利益は、2億3千8百万円(前期比63.1%増)となりました。増加した主な要因は売上高が増加したこと等によるものであります。

(経常利益)

営業外収益は、1億9千6百万円(前期比22.2%増)となりました。増加した主な要因は、受取配当金が増加したこと等によるものであります。

営業外費用は、2千1百万円(前期比9.3%増)となりました。増加した主な要因は、不動産賃貸原価が増加したこと等によるものであります。

その結果、経常利益は、4億1千3百万円(前期比43.9%増)となりました。

(特別利益)

特別利益は、建設事業における工事機械の売却益等により4百万円となりました。

(法人税等)

法人税等は、1億3千5百万円(前期比26.3%増)となりました。増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加によるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、2億7千万円(前期比41.6%増)となりました。増加した主な要因は、売上総利益が増加したこと等によるものであります。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しております。)

(建設事業)

受注工事高は、民間工事が減少したこと等により、85億2千8百万円(前期比20.7%減)となりました。完成工事高は前期からの繰越工事が増加したことや大型工事が順調に進捗したことから104億4千4百万円(前期比7.9%増)となり、セグメント利益は、売上高が増加したことや工事の採算性の改善等により売上総利益が増加し7億5千万円(前期比23.3%増)となりました。

(製造・販売事業等)

主にアスファルト合材の販売で、売上高は6億2千9百万円(前期比2.3%減)となり、セグメント利益は4千3百万円(前期比26.7%増)となりました。

 

3.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「第一部 企業の状況  第2 事業の状況  1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループでは、社会・顧客からの信用を第一とし、経営環境の変化や不測の事態にも迅速かつ適切な対応ができる健全な経営基盤を維持し、親切・丁寧なモノづくりを通じて、豊かな社会環境と安心で安全な生活空間を提供し続けるとともに、企業価値最大化を目指しコーポレート・ガバナンスの充実に全社一丸となって取り組んでまいります。

当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある事項につきましては、「第一部 企業の状況  第2 事業の状況  3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べて21億2千1百万円増加し、85億4千4百万円となりました。その主な要因は、売上総利益の増加による税金等調整前当期純利益の増加と工事代金の回収による売上債権が減少したこと等により営業活動によるキャッシュ・フローが15億5千2百万円の増加になりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が1億2千3百万円ありましが、有価証券の償還が8億円あり、6億7千9百万円の増加となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により1億1千万円の減少になりました。

 

2.資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの運転資金需要の主なものは、建設事業に係る工事費、製造・販売事業等に係る原材料の仕入れ、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、建設事業に係る工事機械の取得や製造・販売事業等に係るアスファルト製造工場の更新を目的とした設備投資によるものであります。

これらの全額を自己資金でまかなっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債並びに収益、費用の金額の見積りにつきましては、一定の会計基準の範囲内で必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りに不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

重要な会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況  1連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項  重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

新型コロナウイルス感染症拡大による影響

当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算定することが困難であるため、新型コロナウイルス感染症の影響は会計上の見積りに反映しておりません。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。