当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針・経営戦略等
当社グループは『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、ビジネスを展開しております。
また、当社グループでは「情熱」「協働」「変化」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、ITを活用し、仕事の効率化や柔軟な働き方を実現する製品やサービスの開発・提供に取り組んでおります。
こうした経営方針のもと当社グループは、当社グループの主要なサービスである企業向けグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報共有アプリ「gamba!」、IR動画配信サービス「SmartVision IR」等の普及と、関連するサービスの提供により、お客様の働き方改革の実現や労働生産性の向上に貢献してまいります。
具体的な販売戦略としましては、販売パートナーとの関係強化を図り、当社グループ製品の販売強化を実施してまいります。また、販売パートナーとの関係強化だけでなく、各種マーケティング施策及び積極的な営業施策により、自社直接販売の強化を継続してまいります。
プロダクト開発においては、Google社及びセールスフォース社との関係を維持し、現製品の機能向上及び市場ニーズを踏まえた新たな製品を提供してまいります。また、カスタマーサクセスの強化により、お客様の継続的な利用、更にはアップセルに注力してまいります。
以上のような施策により、新規顧客の開拓に加え、新規及び既存のお客様のサービス満足度を向上させ、高い成長性の確保と継続的な収益の確保を実現していく方針であります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視するとともに、適正な人員規模・人材配置による事業運営に努めております。
また、「rakumo」、「gamba!」、「SmartVision IR」等は、料金を顧客企業の使用期間やユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、ユーザー数、利用企業数、ストック収益の成長率及び解約率を重視しております。
(3)当社グループを取り巻く経営環境
① 企業構造
当社グループは、当社及び連結子会社3社(RAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)、株式会社gamba、株式会社アイヴィジョン)により構成されております。
当社においては、SaaSサービスとして、企業向けグループウェア製品「rakumo」の開発・販売、他社ライセンスの代理店販売等、また、ソリューションサービスとして、当社及び他社SaaSサービスの導入支援や業務支援等のソリューションサービスに加え、ライセンスサービスに関連した他社ハードウェアの販売等を行っております。
また、株式会社gambaにおいては、SaaSサービスとして、社内SNS型日報共有アプリ「gamba!」の開発・販売を行っております。
株式会社アイヴィジョンにおいては、SaaSサービスとして、IR動画配信サービス「SmartVision IR」等の開発・販売を行っております。
RAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)においては、ITオフショア開発サービスの提供や当社製品の開発を行っております。
② 市場環境
国内企業においては、依然として「労働生産性の向上」が課題となっており、更なる業務効率化が求められております。また、ポストコロナでの「新しい働き方」の定着として政府は、テレワークの環境整備や活用、デジタル人材の育成、DXの加速等を進めております。
このような中、組織メンバー間のコミュニケーション円滑化や情報共有における課題が浮き彫りとなってきております。今後も感染症の状況や企業規模に関わらず、生産性向上や業務効率化など、「業務のデジタル化」に資するクラウドサービスへの需要は、継続・加速するものと考えております。
なお、当社グループが主なサービスプラットフォームとして利用しているGoogle社及びセールスフォース社においては、当社サービスと連携の深い両社の製品・サービスであるGoogle Workspace及びSales Cloudの利用者数が年々増加しております。
こうした環境を踏まえると当社グループは、多種多様なお客様のニーズに対応できるラインナップを保持していると認識しており、今後の更なる認知度向上に伴い、当社グループのサービスに対する需要も益々拡大していくものと考えております。
③ 競争優位性
当社グループの主要なサービスである「rakumo」は、ビジネスモデルの主な特徴として以下のような点が挙げられ、当該事項は当社グループの競争優位性に繋がっております。
a.世界的なクラウドプレーヤーが提供するプラットフォーム上でのビジネス展開
・世界的な信用力・知名度
・市場の継続的な拡大
・参入障壁(プラットフォームの仕様に合わせた製品開発及びメンテナンスの必要性)
b.2つの販売チャネルによる「rakumo」の拡販
・100社以上の販売パートナー等との関係
・インバウンドを主体とした自社販売チャネルの確立
c.多種多様なプロダクトの提供及び開発力
・2つのプラットフォーム上でのサービス展開
・多くのクライアントのニーズに対応可能な複数プロダクトの提供
・複数プロダクトを保持していることによるクロスセルの実現
d.強固な顧客基盤(業種規模を問わず、多種多様な多くのクライアントへのサービス提供)
詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)SaaSサービス」をご参照ください。
④ 顧客基盤及び販売網
「rakumo」は、導入・利用しやすい料金の実現やユーザー体験分析を基としたサービスデザイン、自社・他社サービスとの連携によるプロセスの自動化・効率化等により、業種・規模を問わず、多種多様な2,400社以上のクライアントにサービスを提供しております。
また、販売網に関しては、インターネットマーケティングの活用による、ネット経由でのクライアントからの直接アプローチを主体とした自社販売に加え、Google WorkspaceやSales Cloud等の代理店として販売する企業を中心に、100社以上の販売パートナー及び紹介パートナーを有しております。この2つの販売チャネルを効果的に機能させることで、導入企業数及びユーザー数の更なる増加による事業の安定性及び成長性の実現に尽力しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 既存サービスの強化による顧客満足度の向上と販売の拡大
当社グループの主要サービスである「SaaSサービス」が今後も継続的な成長を果たしていくためには、より幅広い業種・業態の顧客に選ばれるとともに、継続的に支持される必要があると考えております。そのためには、当該サービスの優位性となっているユーザビリティ(使いやすさ)の維持・向上が不可欠であると認識しております。
今後も顧客ニーズの変化を迅速に把握し、継続的なユーザー・インターフェースの改善、各種機能強化及び他社製品との連携といった製品機能強化に加え、顧客サポートの品質向上等により、市場優位性の保持に努めてまいります。
② 販売パートナーとのリレーション強化
当社グループの主要製品である「rakumo」は、2010年のサービス提供開始時から販売パートナーとの関係構築を進めており、現在ではGoogle WorkspaceやSales Cloudを販売する企業を中心に100社以上の販売パートナー等を有しております。これら販売パートナーとの関係は、当社グループのサービス展開における優位性となっております。
今後も市場拡大が見込まれる中、当社グループが更なる成長を果たしていくためには、販売体制の強化及び知名度の向上が重要であると認識しております。そのため、販売パートナーの新規開拓及び既存パートナーの深耕により、販売体制の強化を図ってまいります。また、販売パートナーがより当社製品を販売しやすくなるよう、展示会やセミナー等を実施するほか、個々の主要販売パートナーに合わせた対応を行ってまいります。
③ 自社販売体制(マーケティング含む)の更なる強化
当社グループは、主要製品である「rakumo」サービスが、Google WorkspaceやSales Cloudといったサービスとの連携の中で提供されるという性質上、Google社やセールスフォース社の顧客に向けたマーケティング・販売施策を主に実施しております。今後の更なる顧客認知と販売機会の獲得に向けて、現在実施しているインターネットマーケティングやイベント出展のほか、Google Workspace導入企業への当社からの積極的なアプローチやIT系メディアの露出を図る等、幅広い顧客に対する施策を検討してまいります。
また、これまでに獲得した顧客リード(見込み客)のうち、すぐには商談につながらないリードについては、商談につなげるための対策を十分に実施できておらず販売機会を逃すこともありましたが、マーケティングオートメーションの活用等により、顧客の検討意向を上げる情報提供を積極的に行ってまいります。
加えて、M&A等を通じて獲得した製品及び販売網を利用し、当社グループ全体として、クロスセル(複数製品販売)に取り組んでまいります。
④ 継続的な新サービスの提供及び投融資
当社グループが競争優位性を確保しながら持続的に成長するためには、前述した既存サービスの強化に加え、提供するサービス領域を拡大し、付加価値を高めていくことが重要であると考えております。
新サービスの開発や投融資(M&A)等を通じて、既存のGoogle WorkspaceやSalesforceプラットフォーム上でのサービス強化に加え、プラットフォーム非依存のビジネスSaaS領域(情報・コミュニケーション系)でのビジネス拡大を企図しております。これらにより、当社グループ提供サービスのビジネスインフラとしての価値向上に努めるとともに、収益基盤の強化にも注力してまいります。
⑤ 優秀な人材の継続的な採用と育成
当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えております。当社グループのビジョン及び事業方針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に引き続き取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループにおいては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となります。
詳細は、「
(2)戦略
当社グループは『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、ビジネスを展開しております。
また、当社グループでは「情熱」「協働」「変化」という3つの行動指針を共通の価値観として大切にしながら、ITを活用し、仕事の効率化や柔軟な働き方を実現する製品やサービスの開発・提供に取り組んでおります。
当社グループの持続的な成長や企業価値向上を実現するためには、人材は最も重要な経営資源であると考えており、優秀な人材の採用・育成、社内コミュニケーションの活性化、社内環境整備・人材の多様性確保に積極的に取り組んでおります。
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優秀な人材の確保に関する取り組み |
必要人材の定義・採用計画の立案・実施により、当社グループのビジョン及び事業方針に共感し、高い意欲を持った優秀な人材の採用に努めております。また、社員に対する各種サポート制度の充実を図っております。 |
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人材の育成に関する取り組み |
成果評価制度は、OKR(Objectives and Key Results)やコンピテンシー評価を採用しております。また、外部研修の活用や資格取得支援制度の運用等により、人材の育成に努めております。 |
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社内コミュニケーション活性化に関する取り組み |
一人ひとりが活躍できる組織風土づくりとして、当社グループのビジョンや事業方針・業績・情報共有等を目的に「月例会」や「四半期会」を実施しております。また、社内部活動や懇親会等の実施により、社員交流の機会を醸成しております。 |
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人材の多様性確保のための取り組み |
従業員の働き方については、多様な価値観やライフスタイルの変化に合わせて働くことができるよう、フレックスタイム制度や裁量労働制、リモートワーク制度の導入、記念日休暇等の整備を行っております。 |
(3)リスク管理
当社グループではサステナビリティ関連のリスクを、その他経営上のリスクと一体的に監視及び管理しております。
当社は、企業経営や災害・事故、社会環境等、当社を取り巻く様々なリスクへの発生防止や対応等、必要な措置を行うため、「リスク・コンプライアンス規程」を制定しております。
また、リスク・コンプライアンス委員会を設置の上、年に2回開催し、具体的な検討事項を各部門にて対応しております。当社に大きな影響を及ぼすリスクに対しては、リスク・コンプライアンス委員会主導の下、適切な対応を図るべく、組織体制整備の充実に努めております。
(4)指標及び目標
当社グループは、上記「(2) 戦略」に記載した方針に基づき、人材の育成・強化、社内環境の整備等に取り組むことで、持続的な成長や企業価値向上に努めております。
なお、具体的な指標及び目標については今後、当社グループにとって適切な指標や目標の設定に向け、検討を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
各リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、そのリスクの複雑性から明確化は難しいものの、当社グループの事業特性や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」と「重要なリスク」に分類しております。
また、当社グループはこれらリスクの発生可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生時の対応に努める方針でありますが、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響については、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク・コンプライアンス規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会で、企業経営や災害・事故、社会環境等、当社グループを取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
(1)事業環境について
① 経営環境の変化について
当社グループはITビジネスソリューション事業を展開しており、法人を主要顧客としております。また、当社グループは主力サービスとして、法人向けグループウェア「rakumo」を展開しており、勤怠管理やカレンダー、経費精算、稟議申請、社内掲示板等、顧客企業が日常的に使用する機能を幅広く提供しております。グループウェアの入れ替えには全社的な対応が必要となることも多く、容易に解約される性質の製品ではないと考えられ、ライセンスの販売額に対する月間解約率は低位(2023年度通期平均は0.57%)で推移しております。
また、サービス料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」を採用しております。
これらにより、サービスが複数年に渡り継続して利用されることで、解約数が新規契約数を上回らない限り、収益が前年度を上回るというストック型ビジネスとしての安定性がありながら、新規契約数の増加に伴う高い成長をも目指すことができるビジネスを展開しております。
しかしながら、今後の経済情勢や景気動向の変化等により、顧客企業の情報化への投資が抑制されるような場合、新規・追加受注が想定通り進まない場合又は解約率が当社の想定を上回った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② クラウド市場の動向について
当社グループは、法人向けグループウェア「rakumo」、社内SNS型日報共有アプリ「gamba!」及びIR動画配信サービス「SmartVision IR」等を展開しており、クラウド型でのサービス提供を行っております。クラウド市場は急速な成長を続けており、当社グループは今後もこの傾向は継続するものと見込んでおり、同市場での更なる事業展開を図っていく計画であります。
しかしながら、経済情勢や景気動向の変化による企業の情報化投資の抑制や、規制の導入等予期せぬ要因によりクラウド市場の成長が鈍化するような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業及びサービス展開について
① Google社及びセールスフォース社との関係について
当社が顧客に提供しているアプリケーションは、Google社が提供するクラウドプラットフォーム及びセールスフォース社が提供するクラウドプラットフォーム上に構築されております。
また、当社は、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社とGoogle Workspaceに関する再販売代理店契約を締結しており、株式会社セールスフォース・ジャパンとの間でも当社の製品と結合したソリューションの一部として、同社グループサービスの再販を可能とする契約をそれぞれ締結しております。
現時点において両社が日本から撤退する予定はなく、また、当社としては、両社と円滑な関係を維持できていると考えていることから、今後の契約関係も安定して継続するものと考えております。
しかしながら、両社の経営戦略の変更により日本でのプラットフォームの提供が廃止・停止となった場合、プラットフォームの機能に障害が発生して当社のアプリケーションに影響が生じた場合、プラットフォームに大きな機能変更が生じた場合、プラットフォームの競争優位性が失われた場合、プラットフォーム利用料及び各サービスの引上げを要求された場合、当社が解除事由に抵触したこと等を理由に契約を解除された場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② システムトラブルについて
当社グループが顧客に提供しているアプリケーションは、クラウドという特性上、インターネットを経由して行われており、インターネットに接続するための通信ネットワークやインフラストラクチャーに依存しております。当社はシステムトラブルを最大限回避すべく、企業向けクラウドプラットフォームとして信頼されているGoogle社が提供するクラウドプラットフォーム及びセールスフォース社が提供するクラウドプラットフォーム上にアプリケーションを構築しております。
しかしながら、自然災害や事故、プログラム不良、不正アクセス、その他何らかの要因により予期しえないトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こるような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報管理体制について
当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業に関する情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産の保護や漏洩リスクを回避するため、情報セキュリティ基本方針を定め、関連規程を整備・運用しております。
しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産の漏洩、消失、不正利用等が発生した場合、当社グループの信用失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(1)事業環境について
① 技術革新への対応について
当社グループが属するインターネット業界においては、新技術の開発や新サービス出現のスピードが早く、顧客ニーズも早期に変化する等、変化の激しい業界となっております。当社グループでは、最新の技術動向や環境変化に関する情報収集、優秀な人材の確保や教育によるノウハウの蓄積等に積極的に取り組み、技術革新や顧客ニーズの変化に迅速に対応できるよう努めております。
しかしながら、何らかの理由で技術革新や顧客ニーズへの対応が遅れた場合や、新技術への対応のため想定を超える投資が必要となった場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループが事業を展開する法人向けグループウェア市場は、競合企業が複数存在しており、今後クラウド市場の普及に伴い、規模の大小を問わず競合企業の新規参入が予測されます。これら競合他社の中には、当社グループに比べ大きな資本力や技術力、販売力等の経営資源及び顧客基盤等を保有している企業が含まれます。
当社グループは、製品開発力の強化や継続的な製品改修・サービス品質の向上等により、競争力の維持に努めておりますが、競合企業や新規参入企業との競争激化により、当社グループが想定している事業展開が図れない場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ ITオフショア開発サービス
当社グループでは、他社企業からの開発依頼にお応えするため、連結子会社であるRAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)を拠点として、ITオフショア開発サービスを提供しております。
メインに実施している「ラボ型」のシステム開発では、顧客ごとに特定のエンジニアを確保し、専属のチームを組成の上、一定期間継続的に開発業務を行っております。チームメンバーが固定されていることにより、企業独自の開発要件やノウハウ等の蓄積も可能となり、人材確保や人件費面以外においてもコスト削減メリットが生じます。
しかしながら、今後の経済情勢や景気動向の変化等により、顧客企業の情報化への投資が抑制されるような場合、新規・追加受注が想定通り進まない場合、または解約等が発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ ソフトウエアの減損について
当社グループでは、将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められた開発費用をソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)として資産計上しております。このソフトウエアについて、クライアントニーズへの適切な対応を実施することにより減損を発生させないよう努める方針ですが、重大な将来計画、使用状況等の変更やサービスの陳腐化等により、収益獲得又は費用削減効果が大幅に損なわれ、ソフトウエアの減損が必要となる場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ のれん及び顧客関連資産(以下「のれん等」という。)の減損リスクについて
当社は、2022年6月に株式会社gambaの全株式を取得、2023年7月に株式会社アイヴィジョンの全株式を取得し、のれん等を連結貸借対照表に計上しております。当該のれん等については、各社における将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、今後の事業環境の変化等により、将来の収益性が低下した場合には、当該のれん等について減損損失を計上する必要が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業及びサービス展開について
① 人材の確保や育成について
当社グループが継続して事業拡大を進めていくためには、優秀な人材の確保、育成及び定着が不可欠であると認識しております。そのため、継続的な人材採用や育成に加え、定着率向上に向けた各種施策を行っております。
しかしながら、優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合等には、経常的な業務運営及び事業拡大等に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 組織規模について
当社グループの連結従業員数は96名(2023年12月31日現在)であり、小規模な組織であると認識しております。現時点においては、当社グループの規模に対して適切な人員体制が構築出来ているものと考えておりますが、今後の事業拡大に応じて、人員増強、内部管理体制の充実を図っていく必要があると考えております。
しかしながら、事業の拡大に応じた人員増強が順調に進まなかった場合や内部管理体制の充実がなされなかった場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)その他
① 為替リスクについて
当社グループの在外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されるため、連結財務諸表作成時に円換算されることとなります。為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、クラウドインフラ利用料や一部仕入において、直接的または間接的に、外貨建てでの取引を行っております。オペレーションコストの継続的な見直しや、円建てでの取引契約への移行を進めることで為替リスクの低減を図っておりますが、当初想定した為替レートと実勢レートに著しい乖離が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 株式価値の希薄化について
当社は、2023年5月に第三者割当により、第8回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行を行っております。第8回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債がすべて行使又は転換された場合、1,432,700株(議決権の数は14,327個)の新株式が発行されることにより、2023年12月31日の当社の発行済株式総数5,773,200株(議決権の数は57,697個)に対して24.82%(議決権の総数に対する割合は24.83%)の希薄化率となることから、株式市場での需給バランスに変動が発生し、株価へ影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、当社といたしましては、本資金調達により、既存事業の成長や事業拡大を実現することが、経営の安定及び当社の企業価値の向上につながることになり、中長期的な観点から見れば、既存株主の株式価値向上につながるものであることから、株式価値の希薄化の規模は合理的であると判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,670,417千円となり、前連結会計年度末に比べ893,813千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が453,411千円、のれんが205,255千円、顧客関連資産が201,163千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,305,227千円となり、前連結会計年度末に比べ681,113千円増加いたしました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が500,000千円、契約負債が90,184千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,365,189千円となり、前連結会計年度末に比べ212,700千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益196,434千円を計上したことにより、利益剰余金が増加したことによるものであります。なお、純資産は堅調に増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の調達及び株式会社アイヴィジョンを連結子会社としたことにより、自己資本比率は50.9%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進む中、設備投資等一部に足踏みがみられるものの、企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られる等、緩やかに回復しました。先行きについては、雇用・所得環境が改善するもとで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇や中東地域をめぐる情勢、金融資本市場での変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として不透明な状況にあります。
当社グループが事業展開するソフトウェア業界におきましては、企業の生産性向上や業務効率化、テレワーク、DX等に関連したシステムへの投資需要拡大が引き続き見込まれます。ポストコロナでの「新しい働き方」の定着として政府は、テレワークの環境整備や活用、デジタル人材の育成、DXの加速等を進めております。
かかる状況のもと、当社は2023年5月にアドバンテッジアドバイザーズ株式会社との間において、事業提携契約を締結するとともに、同社親会社及び同社を含むアドバンテッジパートナーズグループの役職員が間接的に出資するファンドに対して、第8回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。
本事業提携及びファイナンスにより、当社の自己資本充実と財務基盤の健全化・強化を図りながら、同社から得られる経営戦略、事業戦略、人事戦略及びM&A戦略等に関するアドバイスにより経営改革を推し進めております。
また、2023年7月3日付で、企業の決算説明会等におけるIR動画や、会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を提供している株式会社アイヴィジョンの全株式を取得し、連結子会社といたしました。本連結子会社化により、当社グループ及び当社グループのパートナー網を活用し、同社サービスの利用社数拡大に取り組んでおります。加えて、同社が有する動画領域の特許技術や各種ノウハウを共有・吸収することで、当社グループのサービス開発・運営にも活かしてまいる所存です。
このような状況の中、当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、オフィスの生産性向上に貢献すべく、企業向けグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」等の機能強化及び更なる拡販に注力しました。
販売面においては、各種展示会への出展や販売パートナーとのセミナー実施等、売上増加に向けた関係強化に取り組みました。また、インサイドセールス(電話やメール等を活用したリード獲得)の内製化や、各種マーケティング施策にも積極的に取り組むことで、新たな案件創出に尽力しました。
加えて、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、製品の活用を促すための能動的なオンボーディング施策を実施する等、お客様満足度の向上や解約率の低減にも努めました。
費用面では、為替変動による影響や、子会社買収に伴うのれん償却額(顧客関連資産の償却費含む)の増加等があったものの、継続的な費用低減施策や、売上高の順調な成長により、売上原価率及び販管費率は改善いたしました。
なお、足元の為替相場における円安の著しい進行やインフレに伴い、サーバー費用や人件費を含む開発コスト、サービス提供費用等、各種費用の増加による事業環境の変化を受け、2024年4月1日より、一部rakumo製品の利用料金改定を行うことといたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,295,450千円(前連結会計年度比18.1%増)、営業利益は303,978千円(同30.9%増)、経常利益は296,851千円(同31.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は196,434千円(同6.4%増)となりました。
なお、当社グループはITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の経営成績は、以下の通りであります。
(SaaSサービス)
rakumo関連サービスにおいては、2023年12月末のクライアント数は2,442社(2022年12月末比108社増)、ユニークユーザー数は563千人(同61千人増)となりました。
売上増加に向け、自社セミナーの開催、Google社や販売パートナー主催セミナーへの参加、展示会・カンファレンスイベント等への出展を行いました。また、パートナーの特徴に応じた顧客アプローチを行うことで、販売パートナーとの関係強化に取り組みました。インサイドセールスの内製化による柔軟・迅速な顧客対応の実施や、各種マーケティング施策にも積極的に取り組むことで、新たな案件創出に尽力しました。
加えて、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、製品間連携を訴求したパック製品の販売強化、顧客属性に応じた能動的なサポート・オンボーディング(活用促進)施策を実施することで、新規クライアントの獲得や、ユニークユーザー数及びユーザー1人当たり単価の増加に取り組みました。
また、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」等においても同様に、拡販に努めました。
この結果、SaaSサービスの売上高は1,173,587千円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。
(ソリューションサービス)
当サ―ビスにおいては、既存顧客への業務支援案件が安定的に推移したことに加え、SaaSサービスに関する導入支援案件等も継続的に受注できたことから、売上高は51,901千円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。
(ITオフショア開発サービス)
当サービスにおいては、SaaSサービスに注力したこと、また、本サービスの縮小も図ったことから、前期比で減少いたしました。
この結果、売上高は69,961千円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ453,885千円増加し、当連結会計年度末には1,837,942千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は351,732千円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上297,840千円、減価償却費の計上52,015千円、未払金の減少額37,659千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は357,872千円(同287.9%増)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出287,533千円、無形固定資産の取得による支出53,119千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は455,610千円(前連結会計年度は47,290千円の使用)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入491,512千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
|
サービスの名称 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
前連結会計年度比(%) |
金額(千円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
SaaSサービス |
960,894 |
117.0 |
1,173,587 |
122.1 |
|
ソリューションサービス |
48,775 |
107.7 |
51,901 |
106.4 |
|
ITオフショア開発サービス |
87,161 |
89.9 |
69,961 |
80.3 |
|
合計 |
1,096,831 |
113.8 |
1,295,450 |
118.1 |
(注)1.当社グループは、ITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ソフトバンク株式会社 |
204,636 |
18.7 |
222,441 |
17.2 |
|
株式会社電算システム |
147,367 |
13.4 |
178,642 |
13.8 |
|
株式会社USEN Smart Works |
115,200 |
10.5 |
124,712 |
9.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
また、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
(売上高)
当社グループの主要サービスは、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、売上高及び営業利益を特に重視しております。
当連結会計年度における売上高は、1,295,450千円(前連結会計年度比18.1%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、463,663千円(前連結会計年度比16.0%増)となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の36.5%から0.7ポイント改善し、35.8%となりました。これは、当社グループの主要サービスである「SaaSサービス」において、売上高の成長に加え、変動費率((Google社向けサーバー費用+セールスフォース社のプラットフォーム利用料+連結子会社サーバー費用)÷SaaSサービス売上高)が当連結会計年度において引き続き低水準となり、高い限界利益率(約90%)を実現できたことによるものであります。
この結果、売上総利益は831,786千円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、527,807千円(前連結会計年度比13.6%増)となりましたが、売上高販管費率は前連結会計年度の42.4%から1.7ポイント改善し、40.7%となりました。これは、売上高の増加(子会社の取得による売上高の増加分含む)によるものであります。この結果、営業利益は303,978千円(前連結会計年度比30.9%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、226千円(前連結会計年度は48千円)となりました。これは主に、受取利息によるものであります。
また、営業外費用は7,354千円(前連結会計年度は6,845千円)となりました。これは主に、為替差損、新株予約権発行費償却、社債発行費償却、投資事業組合運用損によるものであります。
この結果、経常利益は296,851千円(前連結会計年度比31.6%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は989千円となりました(前連結会計年度は発生しておりません)。これは、受取和解金によるものであります。
また、特別損失は発生しておりません(前連結会計年度は3,670千円)。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は196,434千円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主な資金需要は、労務費、サービス提供のためのライセンス原価やプラットフォーム利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの営業費用及び成長に向けた投融資等の必要資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び各種資本政策等による資金調達等、財務状況のバランスを見ながら対応していくこととしております。
なお、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が1,888,966千円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも1,378,966千円あるため、当社グループにおきましては、当面の資金流動性に影響は与えないものと考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えている項目は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(無形固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくために、経営者は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
当社グループの経営上の重要な契約は次のとおりです。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約 締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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rakumo㈱ (当社) |
グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 |
日本 |
Google Workspace、 Google Cloud Platform |
2018年 6月8日 |
契約品目の当社による代理店販売 |
2018年6月8日から 期間の定めなし |
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rakumo㈱ (当社) |
株式会社セールスフォース・ジャパン |
日本 |
OEMサービス |
2012年 7月17日 |
契約品目を当社ブランド(rakumoソーシャルスケジューラー)に結合して仕入・販売 |
2012年7月17日から 2015年7月16日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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rakumo㈱ (当社) |
株式会社セールスフォース・ジャパン |
日本 |
ISVforceサービス |
2016年 4月19日 |
契約品目を当社ブランド(rakumo Sync)に結合して仕入・販売 |
2016年4月19日から 2019年4月18日まで 以後1年ごとの自動更新 |
当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』という事業方針(ビジョン)のもと、成長性・持続性のある組織づくりを支援する各種サービスを「クラウド」上で提供すべく、研究開発活動を行っていく方針であります。
なお、当連結会計年度において該当事項はありません。