文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、いい住まいの提供を通じ、人々の暮らしを良くすることが当社グループの存在意義であると考え、お客様、パートナーの皆様、取引先の皆様、そして従業員、当社グループに関わる全ての人々に「GOOD LIFE(いい人生)」を送っていただきたいという想いから、「GOOD LIFE」を経営理念として定めております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、政府の各種政策の効果もあり景気は持ち直しの動きがみられたものの、円安による物価上昇や中国経済の先行き懸念に加え、北朝鮮・中東情勢の地政学リスクなど、依然として先行き不透明な状況にあります。
このような環境である一方、マンション用地価格の上昇や建築資材価格の高騰等、懸念材料はあるものの日本銀行の金融緩和政策の継続を背景として、国内の投資用不動産に対する底堅い需要が想定されるため、その市場動向は堅調に推移しております。
建設業界においては、建設工事受注高は引き続き高水準で堅調に推移しております。一方で、建設技術者の有効求人倍率は依然として高い水準が維持されており、労働人口の減少に伴う建設技能労働者の不足が深刻化する恐れがあります。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループの安定的かつ持続的な成長には、入居者様及びオーナー様の満足度向上に努め、賃貸マンションの用地仕入、企画、設計・監理、施工及び売却を行う「アセットマネジメント事業」によるフロー収益と、入居募集、賃貸管理を行う「プロパティマネジメント事業」、主に当社が管理する物件に対してプロパンガスの供給を行う「エネルギー事業」からなるストック収益を継続的に確保して参ります。
これらの事業活動は現在、福岡、熊本、沖縄、札幌エリアで展開しており、引き続きエリアの拡大を行い事業の発展へと努めて参ります。
アセットマネジメント事業においては、用地の仕入れをより一層強化して参ります。当社グループの事業は主に、投資用新築一棟賃貸マンションをワンストップで提供するビジネスモデルであることから、その入口である用地の仕入れを強化することで、以降の工程である、企画、設計・監理、施工、入居募集、賃貸管理及び売却にまで好影響をもたらすと考えております。
プロパティマネジメント事業においては、他社管理物件の委託先替え強化に伴う管理戸数の増加とアセットマネジメント事業の加速によって増加する開発棟数及び管理戸数に加え、業務オペレーションの見直しによる業務効率化や、ITの活用等による生産性の向上により、管理物件の適切な運営管理による入居率の維持向上が入居者様及びオーナー様の満足度向上へつながると考えております。
エネルギー事業においては、主に当社が管理する物件の入居者様に対してプロパンガスの供給を行い、プロパンガス供給物件を増加させることで、当社グループにおける増収増益の確度の高いストック収益を積み上げて参ります。
これらに加え、経営理念である「GOOD LIFE」を提供するために当社グループが開発する賃貸マンション「LIBTH」のブランド認知、商品品質の向上を目的としたブランディング戦略や新商品開発を行って参ります。
また、経営基盤の強化として、IT推進による業務効率化、人材の確保及び育成の強化、M&Aによる更なる業容の拡大に努めて参ります。
(4)目標とする経営指標
当社グループでは、ROE(株主資本利益率)、自己資本比率を経営指標として重視しております。これは、投資効率を向上させる観点からROEの要素である総資産回転率を高水準に維持することが重要であると認識しているためです。また、用地の仕入れを加速させるため、借入による資金調達を行いながら事業の拡大を行って参ります。自己資本比率については概ね35%程度を目安とし、攻めの戦略と安定した経営基盤の確立を目指して参ります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、安定的な収益性の向上かつ持続的な成長に資する体制整備が最も重要であると認識し、以下の経営課題に取り組んで参ります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
用地仕入の体制、人材の確保と育成強化
当社グループは、用地情報の大半を不動産会社等の情報提供者から入手しておりますが、今後の継続的な成長を図るためにも更なる情報ルートの拡充が必要不可欠であると認識しております。そのため、既存情報提供者との良好な取引関係を維持するとともに、効率的な用地情報取得のために、営業支援ツール(SFA)の導入など、情報ルートの可視化、強化に努め、優良な情報の確保を進めることにより用地仕入の体制を強化する方針であります。
また、人材の確保と育成強化について当社グループでは、用地仕入の経験者・建築技術者の人材を継続して確保、育成することが中長期的な戦略として重要だと考えております。そのため、人材を積極的に採用するための投資や入社後も定期的に教育研修の機会を提供し、専門能力や知識の維持向上を図って参ります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
①事業エリアの拡大と新規事業の参入
当社グループは、現在福岡、熊本、沖縄、札幌へとエリアを拡大し事業を行っておりますが、今後も既存のエリアに注力するとともに、更なるエリア及び業容の拡大を行って参ります。
また、当社グループでは、新たな事業展開や質の高いサービスを提供するための一環として、業務提携やM&A等を有効に活用することとしておりますが、M&A等は将来予測を基に実施するものであり、不確実性が伴います。M&A等を実施する場合には、対象企業の財務内容や契約関係、関連資産等について、詳細な調査・検討を行うことで不確実性を極力排除するように努めておりますが、M&A後に、偶発債務等の発生や同事業の経済環境の変化等により計画どおりの事業展開を行えなかった場合は、のれんや関係会社株式の減損処理が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②販売手法の多様化
当社グループでは、投資用新築一棟賃貸マンションを「LIBTH」ブランドとして主に個人富裕層の投資家に販売を行っております。集客にあたっては、当社グループの主要な事業エリアである九州地方に在住の方を対象として、既存オーナー様及び金融機関からの紹介、自社ホームページを活用したインバウンドマーケティングを行っております。今後、販売棟数を増加させていくためには、より多くの不動産投資家の開拓と販路の拡大をしていく必要があると認識しております。このために、SNSの活用等を計画しております。
③商品品質の向上とラインナップの拡充
当社グループは、現在、主に個人富裕層向けに資産形成を目的とした投資用新築一棟賃貸マンション主体の事業を行っております。今後は、相続や節税といったオーナー様の多様な投資ニーズに対応していくために、投資用新築一棟賃貸マンション以外の商品開発を進めることにより、最適な投資提案を通じてオーナー様の資産価値向上に貢献して参ります。
また、現在提供している賃貸マンションの商品品質の向上を継続して行い、入居者様、オーナー様の満足度向上を追求して参ります。
④コンプライアンスの徹底
当社グループでは、不動産投資マネジメント事業、家賃滞納保証業務及びプロパンガス販売事業を行っていることから、現在、一級建築士事務所登録、宅地建物取引業免許、特定建設業許可、液化石油ガス販売事業登録、ガス小売事業者登録及び液化石油ガス保安機関認定を取得しており、各種法規制等のもとに事業展開しております。法令遵守は企業存続の基本であり、前提であることから、関係諸法令を遵守することは当然のことであるとの認識で事業活動を行っております。
当社グループでは、今後も、全社的にコンプライアンスを徹底することが必要であると考えており、経営陣のコンプライアンスに対する認識強化に加え、独立役員の牽制機能の強化(独立役員全員が出席する会議体の運営)、全社員を対象にした定期的な研修等を継続して実施して参ります。また、今後も新たな事業展開によって、子会社や関係会社が増加することに比例して、不正行為等による法令違反の発生リスクが増加していくと想定されるため、組織が健全かつ効果的に運営されるように、内部統制の実効性を高めるための環境、体制を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、経営の公正性・透明性を確保して参ります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、「GOOD LIFE」という経営理念のもと、お客様、株主・投資家の皆様、パートナーの皆様、地域社会の皆様、取引先の皆様、従業員、当社グループに関わる全てのステークホルダーとの対話を尊重し持続可能な社会の構築と企業価値の向上を目指します。この考えのもと、必要に応じて当社取締役会がサステナビリティ関連の個別の課題を抽出し、これに対する対応策を都度検討の上、決定する体制の整備を進めております。
(2)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
(人材育成方針)
当社グループでは、中長期的な企業価値向上のため、積極的に人材を採用し、教育することが重要であると認識しております。評価制度を通して、職位、職能ごとに求められる才能・専門知識に応じた評価基準を設定しております。また、達成度合いにより、性別・国籍・中途採用等の属性に関わらず管理職登用を行っております。
(社内環境整備方針)
中長期的な企業価値向上のため、当社グループは、社員が活躍できる環境を整備し、様々な制度の策定に注力しております。また、完全週休2日制の導入やリフレッシュ休暇(連続7日間の休暇)の取得推奨など従業員のワークライフバランスを大切にしながら安心して働ける環境づくりにも積極的に取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社グループにおける全社的なリスク管理は、代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、筆頭監査等委員及びその他指名された者により構成される、リスクマネジメント委員会において行っております。サステナビリティに係るリスクの識別・優先度・対策についても同委員会で検討しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、環境・社会に与える影響、お客様に与える影響等の発生可能性を踏まえ実施しております。
識別されたリスクへの対応状況は、構成員からリスクマネジメント委員会において発表され、モニタリングされます。
(4)指標及び目標
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況等の影響について
当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向、建設価格動向及び税制等の経済市況の影響を受けやすい傾向にあります。当社グループの主要な事業エリアである福岡市、熊本市及び那覇市における賃貸相場の下落や入居率の悪化による賃貸収入の減少及び市場金利の上昇や金融機関の融資動向の変化により、投資家の投資意欲が低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)仕入に関するリスクについて
用地情報の取得について
当社グループは、賃貸マンション経営を検討するオーナー様に対して、当社で収集した用地情報の紹介・提案を行っております。しかしながら、地価の上昇や他社との競合等により、優良な用地情報を計画的に入手することが困難になった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)資金調達について
当社グループは、収益用不動産の開発に係る用地仕入資金や収益用不動産を建売にて販売を行う場合の用地仕入資金及び賃貸マンション建設資金について、金融機関からの借入により調達をする場合があります。また、子会社である株式会社グッドライフエネルギーでは、既存のプロパンガス供給会社より供給設備を買い取る場合と建築工事の竣工時期に合わせて供給設備工事及び取付工事を完了させる場合があり、どちらの場合の設備投資も金融機関からの借入により調達する必要があります。
当連結会計年度末現在、当社グループと金融機関との関係は良好でありますが、金融機関の融資動向は金融情勢次第で大きく変化する可能性があります。今後、何らかの理由で金融機関が融資申し込みに応諾せず、当社グループが開発資金調達の代替手段を見いだせなかった場合、事業が計画どおりに展開できない可能性があります。また、市場金利が上昇する局面においては、支払利息等の資金調達コストが増加することが想定されるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)在庫に関するリスクについて
当社グループは、投資用新築一棟賃貸マンションの企画・販売を行うために、先行してマンション用地の仕入を行いますが、用地の販売契約・引渡時期までを短期間で行い、保有期間を短くしております。しかしながら、急激な景気の悪化、金融機関の金融情勢による金利の上昇及び住宅関連税制の改廃等の要因により、投資用不動産に対する需要が減退した場合、当社グループの販売計画の遂行が困難となり、プロジェクト計画の遅延による資金収支の悪化を招く可能性があります。また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」により、時価が取得原価を下回った販売用不動産又は仕掛販売用不動産等について評価損を計上した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)建築に関するリスクについて
①建築工事の元請について
当社グループは、賃貸マンション等の建築工事を元請として行っております。工事着手にあたっては、安全管理・施工品質管理を徹底し、入念な施工計画の立案等、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、万が一、重大な工事事故・品質事故・労働災害等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、工事途中での設計変更や手直し工事による予測が困難な追加原価の発生、建築資材の価格や建築工事にかかる人件費の上昇が想定を上回った場合等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②建築工事の外注について
当社グループは、賃貸マンション等を建売で販売する場合、建築工事を建設会社に外注する場合があります。外注先である建設会社の選定にあたっては、施工能力、施工実績、財務内容等を総合的に勘案した上で行い、また、建設会社の監理においては、当社の監理者が、概ね隔週で行う定例会議による進捗把握、仕様確認、条例、建築基準法等の法定事項実施の確認を行っております。しかしながら、外注先である建設会社に倒産等の予期せぬ事象が発生した場合や、工事中の事故、物件の品質に問題が発生した場合には、計画どおりの開発に支障をきたす可能性があります。また、施工完了後、建設会社の経営破綻等が発生し、工事請負契約に基づく建設会社の瑕疵担保責任が履行されなかった場合、当社グループに補修等の義務が生じ、想定外の費用が発生して、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)ガス事故発生のリスクについて
当社グループのエネルギー事業において、プロパンガスの供給や消費時に漏洩や爆発などの事故が発生した場合、直接的な損害に止まらず、社会的責任の発生等重大な影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)引渡時期等の変動による業績への影響と四半期損益の変動について
当社グループの不動産投資マネジメント事業において、一取引当たりの金額は高額となっており、また、年間の各取引の件数等が現状では必ずしも多くない(直近3期間における年間平均竣工棟数14件)状況にあります。そのため、天災や不測の事態、当社グループがコントロールの出来ない外部要因によって、建築確認許可が下りる時期、土地及び建売物件の引渡時期、建築工事の竣工・引渡時期に遅れが生じ、計画していた時期での収益の認識ができなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、同様の理由により、各期における四半期毎の経営成績及び財政状態は大きく変動する傾向にあり、特定の四半期業績等のみによって通期の業績見通しを判断することは困難な状況にあります。
(8)自然災害のリスクについて
当社グループが行う不動産投資マネジメント事業は、火災等の人的災害、地震・台風等の大規模自然災害の影響を受けやすい事業であります。当社グループの主要な事業エリアである福岡市、熊本市及び那覇市において、そのような自然災害が生じた場合、臨時又は追加的な支出を余儀なくされることや、建築資材等の確保が困難になる等の可能性があります。そのため、万が一の場合に備えて、各種保険への加入や、耐震性等に優れた賃貸マンションの開発及び外注業者等の複数化を図る等のリスクヘッジを行っておりますが、予測を超える事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)事業運営体制のリスクについて
①特定経営者への依存について
当社の代表取締役社長である髙村隼人は、当社設立以来、当社グループの経営方針及び経営戦略の決定等、事業活動の推進にあたり重要な役割を担って参りました。当社グループは、役員及び幹部社員の情報の共有化や権限の委譲を進め、同氏へ過度に依存しないような経営体制の整備を行っておりますが、同氏が職務を遂行できなくなるような不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②人材の確保に関するリスクについて
当社グループの事業では、用地仕入、企画、設計・監理、施工等の専門的な知識・経験及び資格が要求され、事業規模の拡大に伴って、更なる優秀な人材の獲得、有資格者の確保が重要であると認識しております。しかしながら、特定の役職員の社外流出や労働人口の減少に伴う高い求人倍率により計画どおりの採用及び育成ができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③システム障害のリスクについて
当社グループは、賃貸管理、原価管理、会計システム等業務の遂行において大部分がコンピューターシステム及びそのネットワークを活用しております。システム障害によるリスクを十分に認識してサーバーの安定的運用環境の確保やバックアップ体制の強化等施策を施しておりますが、万が一、大災害、停電や機器の欠陥、コンピューターウイルス等不測の事態により障害等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)サイバーセキュリティ関連リスクについて
近年、サイバー攻撃の技術は日々高度化しており、その手法も多様化しております。当社グループは、IT資産管理ツールの導入による各種情報セキュリティ対策を実施しておりますが、不正アクセスやサイバー攻撃を受け、重要なシステムの誤作動や停止、保有する機密情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)新規事業への投資リスクについて
当社グループは、今後も継続的な成長を実現するために、新規事業の取組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。新規事業に対し、先行してシステムへの投資や人件費等、追加的な支出が発生することによって、当社グループの全体の利益率が低下する可能性があります。また、将来の経営環境の変化等により新規事業の拡大・成長が当初の想定どおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)法務に関するリスクについて
①法的規制について
当社グループは、宅地建物取引業の免許及び特定建設業の許可を取得し、一級建築士事務所登録等を行って不動産販売や建築請負事業を展開しております。これに加え、プロパンガス販売事業を行っておりますが、これらを含む当社グループの事業は宅地建物取引業法、建設業法、建築士法、都市計画法、建築基準法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法等多くの法令や自治体の定める条例等による規制を受けております。当社グループでは法令遵守を徹底し、免許等の取消事由や更新欠格事由が発生しないように努めておりますが、将来、当社グループの免許等が何らかの理由により取消し等になった場合には、当社グループの事業活動が大幅に制約されることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
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許認可等の名称 |
許認可登録番号 |
有効期間 |
許認可等の取消事由 |
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宅地建物取引業免許 |
国土交通大臣 (2)第8754号 |
2020年2月20日から 2025年2月19日まで |
宅地建物取引業法 第66条、第67条 |
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特定建設業許可 |
熊本県知事許可 (特-4)第17313号 |
2022年8月20日から 2027年8月19日まで |
建設業法第29条 |
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国土交通大臣許可 (特-2)第27792号 |
2020年5月29日から 2025年5月28日まで |
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一級建築士事務所登録 |
福岡県知事登録 第1-62020号 |
2021年4月6日から 2026年4月5日まで |
建築士法第26条 |
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液化石油ガス販売事業登録 |
九州経済産業局 九州産業保安監督部 第57A0055号 |
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液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第25条、第26条 |
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液化石油ガス保安機関認定 |
九州産業保安監督部 第57A0126RA号 |
2021年1月5日から 2026年1月4日まで |
液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第35条 |
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特定液化石油ガス設備工事事業者 |
福岡県 2福中振第7号-5 |
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ガス小売事業者登録 |
九州経済産業局 第K0244 |
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ガス事業法第10条 |
②訴訟等の可能性について
現在、当社グループには将来の業績等に影響を及ぼす可能性のある訴訟の事実や顧客又は近隣住民との大きなトラブルはありません。賃貸マンション建設にあたり、関係する法令、各自治体の条例等を十分検討した上、周辺環境と調和した不動産開発を行うために、近隣住民に対する事前説明会等を実施しており、近隣住民との関係を重視して開発を行っております。しかしながら、建設中の騒音や日照問題、プライバシーへの配慮等を理由に近隣住民とのトラブルが発生する可能性があり、工事遅延や追加工事が発生する場合、計画の中止や変更が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③瑕疵担保責任について
当社グループは、当社施工の販売物件について瑕疵担保責任を負っており、瑕疵に備え住宅瑕疵担保責任保険に加入しております。しかしながら、当社グループが販売した物件に、当該保険の対象にならない重大な瑕疵があった場合、損害賠償請求や建替・補修工事費用が発生し、当社グループの社会的信用に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)個人情報の漏洩リスクについて
当社グループは、賃貸マンションの管理運営及びプロパンガスの供給を行う上でオーナー様(オーナー候補者を含む。)や入居者様の個人情報を保有しております。個人情報の管理については、関連する社内規程を整備し、役職者に係わらず当社グループ全体で個人情報保護に関する教育・研修を実施すること等により、情報管理の徹底に努めております。しかしながら、これらの対策にも係わらず、個人情報が外部に漏洩した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。これらの新株予約権の目的となる株式の数は、2024年2月29日現在126,300株となり、潜在株式数を含む発行済株式総数の2.87%となっております。現在付与している新株予約権について行使が行われた場合、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。
(15)配当について
当社グループは、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しておりますが、財務体質の強化を図るため、これまで配当を実施しておりません。将来的な利益還元については、経営体質の強化と事業拡大のために必要な内部留保を確保しながら、継続的かつ安定的な配当を実施していく方針であります。しかしながら、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については、未定であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和により社会経済活動の正常化が進み、30年振りとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済に前向きな動きが顕在化しております。しかしながら、原材料価格、エネルギー価格の高騰や、海外景気の下振れリスク、金融資本市場の変動等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
不動産業界におきましては、金融緩和政策の継続を背景として、不動産投資家の投資姿勢は引き続き旺盛であり、その市場動向は堅調に推移していくことが期待されるものの、マンション用地価格の上昇、原材料や建築資材の価格高騰の影響を今後も注視していく必要があります。
このような環境のもと、当社グループは、アセットマネジメント事業におけるフロー収益と、プロパティマネジメント事業におけるストック収益に加え、株式会社グッドライフエネルギーにおけるエネルギー事業との連携により、各事業間のシナジー効果創出に努めるとともに、営業力、技術力及びサービス品質の向上に努め、収益力の向上及び企業価値の最大化を図って参りました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は下記のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,159百万円増加し、8,347百万円となりました。主な要因は、仕掛販売用不動産が991百万円、販売用不動産が640百万円、契約資産が368百万円及び未成工事支出金が126百万円増加した一方、現金及び預金が92百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ191百万円増加し、1,013百万円となりました。要因は、有形固定資産が164百万円及び投資その他の資産が28百万円増加した一方、無形固定資産が1百万円減少したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ2,350百万円増加し、9,361百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,265百万円増加し、4,797百万円となりました。主な要因は、短期借入金が784百万円、工事未払金が258百万円、未払法人税等が185百万円及びその他の流動負債が105百万円増加した一方、契約負債が63百万円及び1年内返済予定の長期借入金が60百万円減少したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ404百万円増加し、1,304百万円となりました。要因は、長期借入金が397百万円及びリース債務が6百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,670百万円増加し、6,101百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ680百万円増加し、3,260百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が696百万円増加した一方、自己株式の取得により26百万円減少したことによります。
b.経営成績
当連結会計年度においては、前連結会計年度から開発を行っていた18物件が竣工したことにより、当連結会計年度末において当社が企画・開発に携わった物件の竣工棟数は累計146棟、管理戸数は5,579戸となりました。
この結果、売上高は11,435百万円(前連結会計年度比41.9%増)、営業利益1,061百万円(同85.6%増)、経常利益1,035百万円(同90.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益696百万円(同124.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(不動産投資マネジメント事業)
当事業は、資産形成・運用をお考えのオーナー様に対し、賃貸マンション用地の仕入、企画、設計・監理、施工及び売却をサポートするアセットマネジメント事業と、賃貸仲介及び賃貸管理サービスを提供するプロパティマネジメント事業によって構成されております。
アセットマネジメント事業につきましては、当連結会計年度において18物件が竣工するとともに、熊本における開発エリアの拡大や、引き続き積極的な用地取得を行って参りました。また、金融機関等との連携を強化し、地主様からの土地有効活用相談の獲得や顧客層拡大に注力したことから、当社開発に係る新規設計契約14件(うち用地販売を伴うもの9件)及び連結子会社である株式会社グッドライフ建設において建築に係る工事請負契約15件を受注し、当連結会計年度末における進行中の工事は17件となりました。
プロパティマネジメント事業につきましては、新築一棟マンション18物件の引渡し及び新規管理受託10物件による管理受託件数の増加のほか、業務オペレーションの見直しを行い、RPA及びコールセンターの導入により業務の効率化を図って参りました。また、管理物件の入居率の維持・向上を目指し、入居者アプリの導入や、新電力への切替えに伴う電気代の削減提案に加え、不動産オーナー向け資産管理運用アプリを活用した情報提供、屋上の有効活用を目的としたアンテナ設置やエレベーター保守費用の削減提案など、入居者様及びオーナー様の満足度向上につながる提案を積極的に行って参りました。
この結果、不動産投資マネジメント事業の売上高は11,246百万円(前連結会計年度比41.9%増)、セグメント利益は1,194百万円(同69.6%増)となりました。
(エネルギー事業)
当事業は、連結子会社である株式会社グッドライフエネルギーにおいて、主に当社が管理を行う物件の入居者様に対し、プロパンガスの供給を行っております。
積極的なプロパンガス供給会社の切替え提案及びガス供給設備の取得を行ったことにより、当連結会計年度末におけるプロパンガス供給棟数は116棟となっております。
この結果、エネルギー事業の売上高は189百万円(前連結会計年度比40.9%増)、セグメント損失は12百万円(前連結会計年度は22百万円のセグメント損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の2,352百万円に比べ、92百万円減少し、2,259百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は895百万円となりました。これは主に、仕掛販売用不動産の増加額932百万円、販売用不動産の増加額640百万円、売上債権及び契約資産の増加額388百万円、法人税等の支払額166百万円の資金の減少と、税金等調整前当期純利益1,035百万円及び仕入債務の増加額265百万円の資金の増加によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は285百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出278百万円、敷金及び保証金の差入による支出7百万円の資金の減少によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は1,087百万円となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,067百万円及び短期借入金の純増額784百万円の資金の増加と、長期借入金の返済による支出729百万円及び自己株式の取得による支出26百万円の資金の減少によります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、不動産投資マネジメント事業以外のセグメントについては、受注に相当する事項がないため、受注実績に関する記載はしておりません。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
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不動産投資マネジメント事業 |
10,321 |
121.8 |
4,866 |
99.3 |
(注)金額は、契約額によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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不動産投資マネジメント事業 |
11,246 |
141.9 |
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エネルギー事業 |
189 |
140.9 |
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報告セグメント計 |
11,435 |
141.9 |
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その他 |
- |
- |
|
合計 |
11,435 |
141.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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福岡地所株式会社 |
867 |
10.8 |
1,329 |
11.6 |
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株式会社ケイ・エル・アイ |
1,142 |
14.2 |
422 |
3.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、円安による原材料価格、エネルギー価格の高騰や、海外景気の下振れリスクなど、今後の社会経済活動や金融情勢は依然として不透明な状況にあります。
このような外部環境のもと、当社グループは、2024年12月期の重点施策として、不動産投資マネジメント事業における賃貸マンション用地の仕入れ強化、それに伴う人材の採用、確保及び退職の抑制を掲げております。採用については、賃貸マンションの建築工事件数の増加に対応するため、連結子会社である株式会社グッドライフ建設における現場監督を担える人材について引き続き積極的に採用を行うこととしております。
これら一連の諸施策により、当社グループの経営基盤を強化し、増収増益基調を確実にして企業価値を拡大して参ります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討結果につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、用地仕入資金、建築資金、設備投資資金及び運転資金であります。それらの財源については、自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。
このうち、金融機関からの借入に関して、収益用不動産の開発に係る用地仕入資金については、短期借入金で調達し、収益用不動産を建売にて販売を行う場合の用地仕入資金及び賃貸マンション建築資金並びにエネルギー事業におけるガス供給設備取得のための設備投資資金については、長期借入金での調達を行っております。
当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力及び借入金により、当社グループの成長を維持するため将来必要な用地仕入資金、建築資金、設備投資資金及び運転資金を調達することが可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。