名称 釜屋電機株式会社
所在地 神奈川県大和市中央六丁目1番6号PSAビルディング
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、当社取締役8名のうち、焦佑衡、陳怡光及び陳明清を除く利害関係を有しない取締役5名全員が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員の一致により、下記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。
本項の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいて記載しております。
公開買付者は、抵抗器やヒューズ等を製造、販売する電子部品メーカーであり、現在、台湾法人である華新科技股份有限公司(Walsin Technology Corporation、以下「Walsin」といいます。)が、その完全子会社である開曼華新科技有限公司(Gallatown Developments Limited、以下「Gallatown」といいます。)を通じて発行済株式の100.0%を所有しているとのことです。公開買付者は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場している当社株式8,233,504株(所有割合(注1):48.15%)を所有し、また、Walsinは、当社株式167,200株(所有割合:0.98%)を所有するYUANTA Securities Co., Ltd - Retail Account及び当社株式163,600株(所有割合:0.96%)を所有するPhillip Securities (Hong Kong) Limitedを通じて実質的に当社株式330,800株(所有割合:1.93%)を所有し、Walsinと公開買付者は、合わせて当社株式8,564,304株(所有割合:50.08%)を所有しており、Walsinは当社を連結子会社としているとのことです。
(注1) 当社が2024年3月22日に提出した第82期有価証券報告書(以下「当社有価証券報告書」といいます。)に記載された2023年12月31日現在の発行済株式総数(17,102,504株)から、当社有価証券報告書に記載された2023年12月31日現在当社が所有する自己株式数(1,625株)を控除した株式数(17,100,879株)に占める割合をいい、その計算において小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、別途定義される場合を除き、所有割合の計算において同じとします。
この度、公開買付者は、2024年3月25日開催の取締役会において、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社化とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて2,027,024株(所有割合:11.85%)(注2)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,027,024株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
(注2) 買付予定数の下限は、本公開買付けが買付予定数の下限で成立した場合、公開買付者の所有割合が60.00%となるよう、当社有価証券報告書に記載された2023年12月31日現在の当社の発行済株式総数(17,102,504株)から、同日現在当社が所有する自己株式数(1,625株)を控除した株式数(17,100,879株)に60.00%を乗じた数(10,260,528株、小数点以下切り上げ。)から、本書提出日現在公開買付者が所有する当社株式の数(8,233,504株)を控除した数(2,027,024株)として設定しているとのことです。
買付予定数の下限(2,027,024株(所有割合:11.85%))は、①当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率(小数点以下第一位を四捨五入。以下、議決権行使率の計算において同じです。)が69%から76%と比較的低い水準にあり、さらに、同種事案(注3)の統計上、本臨時株主総会(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項))」に定義します。以下同じです。)のような二段階買収に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があること、及び②当社の株主(実質株主を含みます。)に取引条件の適否にかかわらず公開買付けへの応募を行わない方針をとるETF(上場投資信託)やその他のパッシブ・インデックス運用ファンド(注4)(以下「パッシブ・インデックス運用ファンド等」といいます。)が存在し、その保有する当社の議決権数が少なくとも当社の総株主の議決権数の2%から3%程度存在するものと見込まれていること(注5)に鑑み、本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化しつつ、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数が本臨時株主総会において、本株式併合(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)の議案が現実的に承認される水準となるよう、公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が、当社の総議決権の60%に相当する数以上となるよう設定しているとのことです。上述のとおり当社の過去3年間の定時株主総会における議決権行使率が69%から76%であるところ、当社の議決権行使率が90%程度以上にならない限り、公開買付者において当社の総議決権の60%を所有することにより、実際に行使される当社の総議決権のうちの3分の2以上の議決権を所有することになります。また、公開買付者としては、パッシブ・インデックス運用ファンド等の中には、注5のとおり、本公開買付けへの応募は行わない一方で、本公開買付けが成立した後、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が付議された場合には、同議案への賛成の議決権行使を行う者があり、このようなパッシブ・インデックス運用ファンド等が保有する当社の議決権数が少なくとも当社の総株主の議決権数の2%から3%程度存在するものと見込んでいるとのことです。したがいまして、公開買付者におきましては、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が承認される蓋然性は高いものと考えているとのことです。
(注3) 「同種事案」とは、2021年1月以降に公表された、発行者以外の者による完全子会社化を目的とする買付予定数の上限のない公開買付けで、スクイーズアウトの方法が株式併合であり、公開買付者の連結子会社である国内上場会社を当社とした公開買付け案件合計6件をいうとのことです(但し、上記案件のうち、当社の非公開化を企図するものの、完全子会社化を企図していない案件は、上記分析の対象から除外しているとのことです。)。公開買付者がかかる6件を分析した結果、①各社において直近の定時株主総会における議決権行使率(但し、公開買付者の行使個数は当該計算から除きます。)は、24%から89%で、平均値は61%である一方で、スクイーズアウトを目的とした株式併合に係る議案(以下、「スクイーズアウト議案」といいます。)に係る議決権行使率(但し、公開買付者の行使個数は当該計算から除きます。)は、11%から80%であり、平均値は45%であること、②当該6件のうちの5件においては、スクイーズアウト議案に係る議決権行使率が直近の定時株主総会における議決権行使率を下回っていること及び③当該5件における定時株主総会における議決権行使率と、スクイーズアウトを目的とした株式併合に係る議案における議決権行使率の差は、最大で32%、最小で10%であることを確認しているとのことです。
(注4) パッシブ・インデックス運用ファンドとは、株式をはじめとする投資対象資産の市場のベンチマークとなる株価指数等の指数(インデックス)と投資成果が連動することを目的として運用することにより、市場平均並みの収益率を確保することを目指すファンドを意味するとのことです。
(注5) 公開買付者は、2019年6月に経済産業省により策定された「公正なM&Aの在り方に関する指針」において「特に近年の我が国の資本市場の動向としてパッシブ・インデックス運用ファンドの規模が拡大しているところ、その中には、取引条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わない投資家も存在する」と指摘されているとおり、当社株式を所有するパッシブ・インデックス運用ファンド等の中には公開買付けの条件の適否にかかわらず、原則として公開買付けへの応募を行わないが、過去の事例に照らせば、その後のスクイーズアウトに係る臨時株主総会においては賛成の議決権行使を行う傾向であるものと認識しているとのことです。なお、公開買付者は、パッシブ・インデックス運用ファンド等のうち、当社の本株式併合に係る議案に関し、具体的に賛成が見込まれるファンドの存否については確認していないとのことです。
また、当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)である480円は2024年3月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値316円に対して51.9%(小数点以下第二位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)のプレミアムを加えた金額であり、本公開買付けは、当社の株主に対して当社株式のプレミアム価格での売却の機会を提供するものであるため、当社の株主の利益にも資するものであり、公開買付者は、上記の買付予定数の下限が設定された本公開買付け及び本公開買付けを含む本取引は適切であると判断しているとのことです。当社としても、仮に応募株券等の総数が買付予定数の下限と同数であったとしても、本公開買付け後の本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が可決される蓋然性が高いと考えていること、さらに、仮に本公開買付け後の本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が否決されたとしても、公開買付者は、当社株式の追加取得により当社の速やかな非公開化を図る予定であることからすると、上記の買付予定数の下限が設定されていたとしても、当社の株主に対して適切な応募判断の機会が提供されているといえることから、上記の買付予定数の下限の設定は問題が無いものであると判断しております。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の全てを取得できなかった場合には、本スクイーズアウト手続(下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に定義します。以下同じです。)を実施することを予定しているとのことです。
なお、上記のとおり、本公開買付けにおいては、買付予定数の下限を2,027,024株(所有割合にして11.85%)と設定していることから、本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合、本スクイーズアウト手続として行われる本株式併合に係る議案が本臨時株主総会において承認されないことも可能性としては想定されるとのことです。もっとも、当該承認が得られない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、市場株価の動向並びに本臨時株主総会における議決権行使率等も踏まえたうえで、本株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、あらゆる手法により、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を行う予定とのことです。当該追加取得に関し、現時点において決定している事項はないとのことですが、公開買付者は、市場内取引の場合は市場価格により、市場内取引以外の方法による場合には当社が株式併合又は株式分割をするなど調整を要する事象が発生しない限り、1株当たり本公開買付価格を下回らない価格により、当社株式を追加取得する方針とのことです。このような追加取得の具体的な時期及び方法並びにその後の株主総会による本株式併合に係る議案承認までに要する期間については、市況等の諸事情によるため現時点で決定することはできないとのことですが、公開買付者としては、実務上可能な限り速やかに本株式併合が実施されるよう最大限努める予定とのことです。
また、下記「(4) 上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合であっても、上述した水準の議決権行使率の下で、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案についてご承認を得た場合には、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があるとのことです。
公開買付者は、本公開買付けに係る決済等に要する資金として、自己資金並びにWalsin及びWalsin Technology Holding Corporation(HK) Limited.から届出日前に借り入れた資金を当てることを予定しているとのことです。
公開買付者は、1957年10月にソリッド抵抗器(注1)専門メーカーとして設立以来、「抵抗器の供給を通じて、世界に羽ばたく世界企業を目指そう」を経営理念として、電気・電子業界を通じて社会的な信頼を得て、抵抗器を通じて社会の発展に貢献してきたとのことです。また、電子部品の製品設計、生産革新、顧客サービス、コスト競争力へのたゆみない努力を通じて、卓越した技術革新の実現に努めてきたとのことです。現在は、チップ抵抗器やチップヒューズ抵抗器の製造販売をしており、民生用機器や車載品等の用途に幅広く使用されているとのことです。
(注1) ソリッド抵抗器は、炭素系の抵抗体にセラミック等の無機物を混合し焼き固めたものです。小型の抵抗器でありながら、幅広い抵抗値を出せることが特徴とのことです。
公開買付者は、1986年8月に三菱鉱業セメント株式会社(現三菱マテリアル株式会社、以下「三菱マテリアル」といいます。)と資本提携を実施し、さらに同年に三菱マテリアルからの追加出資を受けて三菱マテリアルの子会社となったとのことです。その後、三菱マテリアルが公開買付者による第三者割当増資を引き受ける方法により追加出資した結果、2004年には三菱マテリアルが公開買付者の議決権割合の95.8%に相当する株式を所有することとなったとのことです。公開買付者と三菱マテリアルは資本提携を実施して以降、協業を進めておりましたが、2006年4月に三菱マテリアルからWalsinに対して公開買付者の議決権割合の85.8%に相当する株式が譲渡され、その後、2007年3月にWalsinからその完全子会社であるGallatownに対して当該公開買付者の株式が譲渡され、さらに、2021年3月に三菱マテリアルからGallatownに対して三菱マテリアルが所有していた公開買付者の株式の全て(議決権割合の10%相当)が譲渡され、また、公開買付者のその他の株主が所有していた公開買付者の株式がGallatownに譲渡された結果、現在ではWalsinがその完全子会社であるGallatownを通して公開買付者の議決権割合の100.0%に相当する株式を所有しているとのことです。公開買付者は、アジアを中心にグローバルな販売網と様々な受動部品(注2)ラインナップを持つWalsinの総合力を活用し、マレーシア、香港、アメリカの拠点を通じてアジア地域や欧米地域を中心とした海外向けの販売の拡大が図られているだけでなく、高品質、低価格な製品供給と迅速な納期対応の実現で事業を拡大しているとのことです。
(注2) 受動部品とは、抵抗器、コンデンサ、コイル等のエネルギーを消費する電子回路部品を指しているとのことです。
Walsinは、国内子会社である公開買付者を通じて、子会社として当社及び日通工エレクトロニクス株式会社(以下「日通工エレクトロニクス」といいます。)を、また、関連会社として松尾電機株式会社(以下「松尾電機」といいます。)をそれぞれ所有しているとのことです。公開買付者、当社、日通工エレクトロニクス及び松尾電機は、Walsinのグループ会社のメンバーとして、主に日系企業向けの取引を行っており、公開買付者においては高精密な抵抗器の製造販売を、当社においてはノイズフィルタ及び積層誘電体フィルタ等の製造販売を、日通工エレクトロニクスはフィルムコンデンサの製造販売を、松尾電機はタンタルコンデンサ及び回路保護素子の製造販売を、それぞれ担っているとのことです。
Walsinは、1970年にWanpang Electronics(萬邦電子企業股份有限公司)として設立され、その後、Walsin Lihwa Corporation(華新麗華股份有限公司)のエレクトロニクス部門と統合し、1992年に華新科技股份有限公司に社名を変更したとのことです。また、同社は、1997年に台北証券取引所に上場し、2001年に台湾証券取引所に上場したとのことです。
Walsinは、受動部品の製造業者であり、ワンストップショップとしての多様な製品ラインナップを、国内外の流通センターを通じて、世界各国の顧客に提供しております。その製品ラインナップには、多層セラミックチップ(MLCC)、チップ抵抗器、高周波製品、ディスクコンデンサ、バリスタ、チップヒューズ、セラミック誘電粉末、ディスク型半導体コンデンサ部品、ダイオード、インダクタ等があり、家電、コンピュータ、通信機器、自動車及び製造業向けに販売しているとのことです。
Walsinは、マーケティング拠点を台湾から世界に拡大してまいりました。1997年には、アメリカ市場に進出するために米国支店を設立したとのことです。2001年、Walsinは、NECインフロンティア株式会社(現NECプラットフォームズ株式会社)の子会社であった日通工エレクトロニクス(日通工株式会社(その後、NECインフロンティア株式会社に商号変更。現NECプラットフォームズ株式会社)から電子コンポーネント事業を分離して同社の子会社として設立)の議決権割合の70.0%に相当する株式を取得して、同社を子会社化したとのことです(その後、同社の株式は2002年にWalsinから子会社のGallatownに、2007年にはさらに公開買付者に株式譲渡された結果、同社は現在公開買付者の子会社となっているとのことです。)。2005年には、ヨーロッパ市場に進出するために、ドイツのミュンヘンに支店を設立いたしました。加えて、中国の東莞市及び蘇州市に製造ライン及び配送拠点を設立したとのことです。
また、2020年、公開買付者は当社より第一回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」といいます。)について割当を受け、さらに、公開買付者は2021年1月に当社を公開買付者の連結子会社とすることを目的とした当社株式の公開買付け(以下「2020年公開買付け」といいます。)を行ったのちに、本新株予約権付社債にかかる新株予約権の行使による当社株式への転換及び東京証券取引所における市場買付けを通して(これらの一連の取引を総称して「本連結子会社化取引」といいます。)、当社を公開買付者の連結子会社としたとのことです。
また、Walsinは、2005年から2023年にかけて、オランダ、シンガポール及びマレーシア等においても子会社を設立したとのことです。各国に子会社を設立すると共に、Walsinは世界各国の主要な電子部品の代理店と戦略的提携を結びました。このようにして、世界の様々な地域に設立されたマーケティング拠点としての子会社と多様な製品ラインナップによって、Walsinはマーケティング戦略上の優位性を獲得し、地域毎に顧客に密接したサービスを提供することを実現しているとのことです。
Walsinは、30年近くにわたり受動部品の製造事業を行っており、その製造ラインの管理部門は、様々な操業要件に対応してきたとのことです。また、継続的に製造工程を改善し、効率化することで、コスト削減、利益増加に取り組んできたとのことです。Walsinには、2023年3月31日現在、10,910人の従業員がいるとのことです。
一方、当社は、1938年に天然鉱物の雲母を原料とした無線機に使用されるマイカコンデンサの専業メーカーの双信電機製作所として創業され、1944年4月に株式会社に改組し、双信電機株式会社に改称されました。創業者の思いが込められた社是「誠実」のもと、技術革新の進む今日の世界が要求するコンデンサ、及びその関連製品を製作、開発して世界水準にあるコンデンサメーカーとして科学技術の発展に寄与し社会の進歩に貢献すること、また、当社で仕事をすることに多くの時間をささげている社員が、人としてより大成する場を作り、それぞれの人が生かされ喜んで仕事に励み、安定した豊かな生活を得られるよう常に進歩するよりよい企業を作ることを目指し、時代の変化に合わせてマイカコンデンサ専業メーカーからノイズ関連製品等のパワーエレクトロニクス市場向け製品や積層誘電体フィルタ(注3)等の情報通信市場向けの製品を製造販売する電子部品メーカーへと、独自の技術による特長ある電子部品を提供することにより事業を拡大してまいりました。当社は、1989年11月に店頭登録銘柄として社団法人日本証券業協会に登録され、2000年12月に東京証券取引所市場第二部に上場し、2002年11月に東京証券取引所市場第一部に上場となり、現在は、2022年4月の東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所スタンダード市場へ移行しております。また、1990年2月に当時の親会社の日本碍子株式会社(以下「日本ガイシ」といいます。)との間で業務提携を実施し、さらに1991年には同社との間で資本提携を実施しており、その後も当社と日本ガイシの業務及び資本提携関係が継続する中、両社の技術をもとに新たに開発した通信機器に使用される積層誘電体フィルタは当社の主力製品に成長してまいりました。そのような中、2020年公開買付けにより、2021年1月12日付で公開買付者が当社普通株式6,254,800株(当時の所有割合:45.36%)を新たに取得したことを通じて、当社はWalsin及びその子会社53社によって構成される企業集団(以下、総称して「Walsinグループ」といい、当社を除き「公開買付者ら」といいます。)の一員となりました。現在は、Walsinの連結子会社として、公開買付者らのグローバルな販売、調達チャネルや低コストの製造技術などのリソースを最大限活用しながら、「収益力の向上」と「持続的な成長」を目指しております。また、当社の製品は、環境や省エネ技術の進歩に貢献する製品や、車・鉄道の安全・安心を支える製品、現代には欠かせない情報通信インフラや端末の小型化・高性能化に貢献する製品等、様々な分野で活躍し、社会の発展と人々の暮らしに貢献しております。
(注3) 積層誘電体フィルタは、不要な電波を除去し、必要な電波を取り出すもので、移動体通信基地局等に使用されております。特に、積層誘電体は設計自由度の高い内部構造とセラミック性能を活かし、小型、低損失かつ多機能なフィルタを展開しており、様々な高周波回路に用いられます。
当社を取り巻く事業環境は、安全・環境規制の強化、通信・交通インフラ網の拡充等、事業機会は今後とも増加が予測されるものの、長年当社を支えてきた一部製品は、顧客の設計変更や安価な競合品の台頭等によって構造的な減少局面に直面しております。また2020年初め以降顕著となった新型コロナウイルス感染症の影響により当社の主要市場では、世界的な自動車販売の低迷と生産設備の投資手控え等が生じ、車載市場と工作機械市場が最も大きく影響を受け、パワーエレクトロニクス事業、情報通信事業ともに車載関連製品と工作機械関連製品の業績が落ち込みました。加えて、パワーエレクトロニクス事業の中の電磁波ノイズ測定市場でも、国や地方自治体の緊急事態宣言等に伴う移動制限や自粛要請により、顧客工場等で電磁波ノイズ測定を行うことができない等新型コロナウイルス感染症の影響により業績が落ち込みました。当社が、そのような市場環境の中で、当社の基本方針である「持続的な成長」と「収益力の向上」を達成するには、ノイズ関連製品(注4)、積層誘電体フィルタ、厚膜印刷基板等、当社の強みを活かせる製品に経営資源を傾斜配分し、生産設備の自動化や生産拠点の再編等による生産性の向上、効率化を推進し収益性の改善を図る必要があるとの考えに至りました。そこで、当社は、1990年2月より当社の当時の親会社であった日本ガイシと人材交流や事業上の協働を行ってきたことを踏まえ、2020年6月29日付で日本ガイシ及び公開買付者に対して、本新株予約権付社債の発行を行いました。Walsinは、当社が金融機関経由で本新株予約権付社債の割当先を探した際に、当社との業務連携に関心を持った候補先であり、当社において検討した結果、Walsinの開発技術、低価格な製品供給力や販路等を活用した新製品の開発促進、製造コスト低減、客先拡大による売上増等、当社の成長と収益力の改善に資する可能性があると判断し、Walsinの国内子会社である公開買付者に本新株予約権付社債の一部の引受けを依頼しました。
(注4) ノイズ関連製品とは、産業機器等から発生する電気的なノイズによる周辺機器への電波障害や誤作動等を解決するノイズフィルタと、電磁波ノイズを測定し、診断、対策を行うノイズ測定事業になります。
当社と公開買付者は、当社が公開買付者に本新株予約権付社債を割当て、Walsin傘下の公開買付者と業務提携を検討し、Walsinの開発技術、低価格な製品供給力や販路等を活用した新製品の開発促進、製造コスト低減及び客先拡大による売上増等、当社の成長と収益力の改善に資することで、両者の企業価値向上を企図しました。
その後、2020年7月以降、公開買付者は、業務提携を視野に入れて様々な施策の協議を進めてきたとのことですが、当社を取り巻く事業環境を踏まえ、両者間の密接かつ迅速な意思疎通や、公開買付者らのノウハウの共有、当社において販売チャネル、製品、機能等やその他の公開買付者らの経営資源の活用も含めて、より柔軟かつ強固な連携を構築することが当社の更なる企業価値向上につながると判断し、業務上の提携にとどまらず、資本関係をより強固なものとすることにより、両者の一体的な事業活動を円滑に推進させることが必要だと認識したとのことです。そこで、2021年1月、公開買付者は、本連結子会社化取引により当社株式を8,233,504株(当時の所有割合48.15%。Walsinがグループで所有する当社株式は8,564,304株(当時の所有割合50.08%))所有するに至り当社をWalsinの連結子会社としたとのことです。
本連結子会社化取引以降、当社と公開買付者らが連携し、公開買付者らが所有するグローバルな販売、調達チャネルや低コストの製造技術などのリソースを当社が最大限活用することや当社が積層誘電体フィルタ事業を拡大することで、当社の掲げる2025年度営業利益率10%を目指してまいりました。その一方で、2023年度は、新型コロナウイルス感染症の収束により各国経済活動が正常化する一方で、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格上昇などにより長期化するインフレと、欧米諸国の度重なる金利上昇の影響などにより回復速度は鈍化しました。このような状況のもと、パワーエレクトロニクス事業は、工作機械市場、医用市場が堅調に推移したものの、半導体製造装置市場は在庫調整による落ち込みが鮮明になりました。一方、情報通信事業では、半導体不足緩和などによる車載市場の回復があったものの、高速大容量へ対応した新規格Wi-Fiや第5世代移動通信システム市場やリチウムイオン電池市場は、北米の金融引締めなどの影響に伴う設備投資の抑制や世界経済の減速などで落ち込み、売上高が116億72百万円、営業利益が3億20百万円(営業利益率2.7%(小数点以下第二位を四捨五入しています。))となりました。公開買付者らは、現在当社が置かれる市場環境を勘案すれば、当社が競争優位性を維持し、持続的に成長していくためには、当社を含むWalsinグループの経営資源をこれまで以上に迅速かつ柔軟に相互活用することにより、公開買付者らと当社のシナジーを最大化し、公開買付者らと当社の相互の企業規模の拡大や効率性を向上させることが不可欠だと認識したとのことです。
他方で、当社を含む公開買付者らの経営資源をこれまで以上に相互活用する際には、その有用性や取引としての客観的な公正性について、当社の少数株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になりますが、当社が上場企業として独立した経営を行っている現状においては、迅速かつ柔軟な意思決定を行う上で、一定の制約が生じる状況にあるとのことです。
公開買付者らの当社普通株式の所有割合が本書提出日現在において50.08%に留まる状況において公開買付者らから当社に経営資源を提供する場合には、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、かかる状況においてさらに公開買付者らが当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行うとすれば、利益の一部が公開買付者ら外に流出するといった問題が指摘される可能性もあり、公開買付者らとしても、当社の企業価値向上を図るための機動的かつ効果的な施策を実行することに慎重とならざるを得ない面があったとのことです。
このような状況の下、公開買付者らは、公開買付者ら及び当社双方の企業価値の最大化を図ることを目的として、当社との最適な資本関係・提携関係の在り方について、2023年11月下旬、改めて検討を開始し、その結果、当社の競争優位性の維持と持続的な成長のためには、意思決定の機動性・柔軟性及び当社を含むWalsinグループの経営資源の効果的な活用が必須と考え、公開買付者による当社の完全子会社化によって、当社を含むWalsinグループの経営資源を、会社の垣根を越えてこれまで以上に迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが、最善であるとの考えに至ったとのことです。
加えて、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な開示に要する費用や監査費用等の株式の上場を維持するために必要なコストは増大しているとのことです。また、当社が抱える経営課題には、東京証券取引所スタンダード市場の上場維持基準の継続的な充足や、PBR1倍を超える株価水準の維持及び株価水準がPBR1倍に満たない場合はPBR1倍割れに対する改善策の策定への対応があるものと認識しているとのことです。当社にとって、今後の上場維持を前提とすることは、上記の課題解決にあたって増加の一途をたどる上場維持及び開示充実化コストを負担する必要性を伴い、当社がめざす収益基盤の強化の妨げになることが懸念されると考えているとのことです。公開買付者らは、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とすることで、以下のような取り組みやシナジー効果を期待できると考えているとのことです。
当社の製品を、Walsinの販売チャネルを通じて、日本国外にさらなる拡販をするとのことです。Walsinグループにおいては、中華圏(中国・台湾・香港)での2023年12月31日時点の売上高がWalsinグループ全体の売上高の60%超を占めており、中華圏への販売チャネルを多く抱えているとのことです。加えて、同圏内において600社を超える多様な顧客を有しているとのことです。当社がWalsinの中華圏だけでなく、その他のアジア地域、欧州、北米での販売チャネルを通じて当社の製品を販売していくことで、当社の日本国外の新規顧客獲得を通じた収益拡大に貢献できると考えているとのことです。さらに、本連結子会社化取引後、Walsinグループの受動部品の分野を主として協業をしてまいりましたが、当社を公開買付者の完全子会社とすることを通じ、厚膜印刷基板等の他のビジネスにおいてもWalsinグループとの連携を深めることで、当社の持つ技術、製品をより効果的に拡販できると考えているとのことです。
Walsinの製品を当社顧客へ、当社の製品をWalsinグループ顧客基盤へとクロスセルによる販売機会の拡大をすることができると考えているとのことです。例えば、民生用製品に広く採用されるセラミック製品である積層誘電体フィルタは、当社とWalsinの双方が提供する製品であり、以下のとおり、当社顧客の便益をWalsinが補完することができると考えているとのことです。すなわち、当社の積層誘電体フィルタは通信等世界的に高い品質基準を求められる規制の厳しい業界向けのカスタム製品に強みを持ち、Walsinの積層誘電体フィルタはスマートフォンやウェアラブル向けの消費財に強みがあり、相互補完的な役割があると考えているとのことです。また、積層誘電体フィルタ以外にも、Walsinの様々な製品の中で、多層セラミックチップ(MLCC)、チップ抵抗器、高周波製品、ディスクコンデンサ、バリスタ、チップヒューズ、セラミック誘電粉末、ディスク型半導体コンデンサ部品、ダイオード、インダクタ等は、潜在的な当社の既存顧客のニーズを満たすと考えているとのことです。
Walsinのグローバル調達・物流・研究開発・販売マーケティング機能その他のグローバルな運営プラットフォームを当社に提供し、当社がこれを活用することにより、当社の収益拡大、コスト削減等が可能になると考えているとのことです。また、Walsinグループが有する研究開発プラットフォームを当社に提供することで、財務及び人材面において当社の開発リソースの強化に貢献できると考えているとのことです。
当社の汎用製品の製造をWalsinの工場が担うことにより、当社の製品のコスト競争力の強化につながると考えているとのことです。具体的には、Walsinの台湾とマレーシアの工場では、コスト競争力を高めるために、当社の製品のOEM生産を提供することが可能であり、また、当社の製品をWalsinの台湾、中国及びマレーシアの工場において製造することによりコスト削減が可能となり、ひいては当社のコスト競争力の強化につながると考えているとのことです。さらに、当社の完全子会社化を通じて、当社がWalsinグループの有する電子機器受託製造ビジネス等の経営資源を最大限に活用することで、これまで以上のコスト削減効果が期待できると考えているとのことです。
Walsinの国際法務や国際税務の機能・経験を当社に提供することにより、当社の事業のさらなる国際的な展開に資すると考えているとのことです。また、Walsinグループと当社との間における人材交流及び派遣を通して経営及び人事機能の統合を進めることが可能になると考えているとのことです。
上記の取り組みやシナジー効果を踏まえ、公開買付者らは、本取引についての具体的な検討や手続の準備を行うため、2023年12月中旬に、公開買付者ら及び当社から独立した財務アドバイザーとして野村證券株式会社を、法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任のうえ、2024年1月24日、当社に対して、当社を完全子会社化することを目的とした本公開買付けに関する意向表明書(以下「初期意向表明書」といいます。)を提出し、初期的な買付提案価格については、1株当たり410円(初期意向表明書提出前営業日である2024年1月23日の終値307円に対し33.6%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値300円(小数点以下第一位を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対し36.7%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値313円に対し31.0%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値328円に対し25.0%のプレミアム)にて提案をしたとのことです。これを受け、2024年2月29日に、当社及び本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯」に定義します。以下同じです。)から、公開買付者らに対し、2024年1月24日の提案価格が、少数株主に対して適正な対価が支払われる水準にないとして、公開買付者らに価格の再提案をするよう要請があったとのことです。2024年2月29日の価格の再提案要請を受けて、公開買付者らにて提案価格の再検討を実施し、足許の好調な日本の株式市場とは対照的に当社株式の市場株価は停滞しており、公開買付者らとして当初提案においても十分なプレミアムが付されていると考える一方、本特別委員会からの価格の再提案要請を踏まえ、提案価格の再検討を真摯に行い、2024年3月6日、公開買付者らは、1株当たり430円(再提案提出日である2024年3月6日の終値294円に対し46.3%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値294円に対し46.3%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値301円に対し42.9%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値317円に対し35.6%のプレミアム)にて再提案をしたとのことです。この再提案に対して、2024年3月8日に、当社及び本特別委員会は、2024年3月6日の再提案価格は当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはいえないとして、公開買付者らに改めて価格を提案するよう要請があったとのことです。2024年3月8日の本特別委員会からの価格の再提案要請を受けて、提案価格の再検討を真摯に行い、2024年3月13日、公開買付者らは、1株当たり460円(再提案提出日である2024年3月13日の終値309円に対し48.9%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値298円に対し54.4%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し53.3%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値315円に対し46.0%のプレミアム)にて再提案をしたとのことです。この再提案に対して、2024年3月14日に、当社及び本特別委員会は、2024年3月13日の再提案価格は依然として当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはいえないとして、公開買付者らに改めて価格を提案するよう要請があったとのことです。2024年3月14日の本特別委員会からの価格の再提案要請を受けて、提案価格の再検討を真摯に行い、2024年3月19日、公開買付者らは、1株当たり480円(再提案提出日の前営業日である2024年3月18日の終値305円に対し57.4%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値314円に対し52.9%のプレミアム)にて再提案したとのことです。この再提案に対して、2024年3月20日に、当社及び本特別委員会は、2024年3月19日の再提案は従前までの提案価格と異なり、当社及び本特別委員会において評価しうる範囲に至っているものの、当社一般株主の利益の最大化を追求する観点で、提案価格の更なる引上げ余地がないか、公開買付者らに再検討するよう要請しました。2024年3月20日の本特別委員会からの価格の再検討要請を受けて、提案価格の再検討を真摯に行った結果、2024年3月20日、公開買付者らは、2024年3月19日に公開買付者らが提案した1株当たり480円の価格は、当社株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、一般株主の利益に資するものであると判断し、価格の引き上げは行わない旨の回答をしたとのことです。その結果、2024年3月25日、当社及び本特別委員会から、公開買付者らの2024年3月19日の再提案価格を応諾する旨の回答を受領し、本公開買付価格を480円とすることで合意したとのことです。なお、公開買付者らは、当社及び本特別委員会に対し、本公開買付けは、買付予定数の下限を、公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が、当社の総議決権の60%に相当する数以上となるよう設定している点について、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、①当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が低い水準にあること、さらに、同種事案の統計上、本臨時株主総会のような二段階買収に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があること、及び②当社の株主(実質株主を含みます。)に取引条件の適否にかかわらず公開買付けへの応募を行わない方針をとるパッシブ・インデックス運用ファンド等が存在し、その保有する当社の議決権数が少なくとも当社の総株主の議決権数の2%から3%存在するものと見込んでいることに鑑み、本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化しつつ、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数が本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案が現実的に承認される水準となるよう設定している旨を説明したとのことです。
以上の経緯を踏まえ、公開買付者らは、2024年3月[25]日、本公開買付価格を480円として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社は2024年1月24日に、公開買付者らから、本取引に関する初期意向表明書を受領いたしました。これに対し、当社は、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引において公開買付者と公開買付者以外の当社一般株主との間で構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存することに鑑み、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、意思決定過程の公正性を担保するとともに、当社取締役会における意思決定が、当社の少数株主にとって不利益のないものでないか否かを確認することを目的として、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値向上及び当社の一般株主の皆様の利益確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を直ちに行いました。
具体的には、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年1月31日開催の取締役会における決議に基づき川澄晴雄氏(当社独立社外取締役)、山﨑頼良氏(当社独立社外取締役、公認会計士)、木下嘉隆氏(当社独立社外取締役)の3名から構成される独立した特別委員会(以下、「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、本取引の目的の合理性、本取引における手続の公正性、取引条件の妥当性等について委嘱しました(本特別委員会の委員の構成、具体的な委嘱事項、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。また、本特別委員会への委嘱にあたり、当社の取締役会が本取引に関する決定を行うに際して、本特別委員会の判断内容を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には本取引に賛同しないことを前提としております。
さらに、当社は、2024年1月下旬、初期意向表明書の内容について検討するため、本取引に関して、当社、Walsin及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社KPMG FAS(以下「KPMG FAS」といいます。)、当社、Walsin及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして神谷町法律事務所をそれぞれ選任しました。
また、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、Walsin及び公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けています。
当社は、KPMG FASから当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、神谷町法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について、初期意向表明書を受領した2024年1月24日から同年3月25日まで、慎重に検討を行ってきました。
当社は、2024年2月下旬、公開買付者に対して、本特別委員会からの助言も踏まえ、本取引の背景・目的・意義、本取引後の経営方針、といった内容を中心に質問を行いました。
これに対し、当社は、公開買付者から、2024年3月上旬に上記各質問に対する回答を受領し、本取引の意義・目的、本取引後に想定されるシナジー、等について協議を進めてまいりました。公開買付者からの回答の内容については、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」及び下記「(ⅲ)当社の意思決定の内容」をご参照ください。
また、本公開買付価格については、当社は、公開買付者から、2024年1月24日に、本公開買付価格を410円とする提案を受けました。これに対して、当社は、2024年2月29日に、同種事例のプレミアム水準と比較して設定されたプレミアムが低く少数株主の利益保護の観点から妥当な水準とはいえないこと等を理由として本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者は、かかる要請を踏まえ、本公開買付価格について再度検討し、2024年3月6日に、公開買付者から本公開買付価格を430円(再提案提出日である2024年3月6日の終値294円に対し46.3%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値294円に対し46.3%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値301円に対し42.9%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値317円に対し35.6%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月8日に、当社が作成した2024年12月期から2028年12月期までの事業計画を基礎として算定された第三者算定機関による当社株式価値の算定結果の見込みを踏まえると、当該提案価格は当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはいえないことを理由として、本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者は、かかる要請を踏まえ、本公開買付価格について再度検討し、2024年3月13日に、公開買付者から本公開買付価格を460円(再提案提出日である2024年3月13日の終値309円に対し48.9%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値298円に対し54.4%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し53.3%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値315円に対し46.0%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月14日に、引き続き本財務予測(下記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社株式に係る算定の概要」にて定義します。)を基礎として算出された第三者算定機関であるKPMG FASによる当社の株式価値の算定結果の見込みを踏まえると、依然として当該提案価格は当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはいえないことを理由として、本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者は、かかる要請を踏まえ、本公開買付価格について再度検討し、2024年3月19日に、公開買付者から本公開買付価格を480円(再提案提出日の前営業日である2024年3月18日の終値に対し57.4%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値314円に対し52.9%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月20日に、当該提案価格は本財務予測を基礎として算出された第三者算定機関による当社株式価値の算定結果の見込みを踏まえて、評価しうる範囲に至っているものの、当社の一般株主の利益を最大限追求するという観点より、本公開買付価格の更なる引き上げ余地がないか、再度検討するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者らは、2024年3月19日に公開買付者らが提案した1株当たり480円の価格は、当社株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、一般株主の利益に資するものであると判断したとのことであり、当社は、価格の引き上げは行わない旨の回答を受けました。
なお、当社及び本特別委員会は、公開買付者らより、本公開買付けは、買付予定数の下限を、公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が、当社の総議決権の60%に相当する数以上となるよう設定している点について、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、①当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が低い水準にあること、さらに、同種事案の統計上、本臨時株主総会のような二段階買収に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があること、及び②当社の株主(実質株主を含みます。)に取引条件の適否にかかわらず公開買付けへの応募を行わない方針をとるパッシブ・インデックス運用ファンド等が存在し、その保有する当社の議決権数が少なくとも当社の総株主の議決権数の2%から3%程度存在するものと見込まれていることに鑑み、本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化しつつ、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数が本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案が現実的に承認される水準となるよう設定している旨の説明を受けております。
以上の経緯のもとで、当社は、2024年3月25日開催の取締役会において、神谷町法律事務所から受けた法的助言、KPMG FASから受けた財務的見地からの助言及び同社から受領した2024年3月22日付株式価値算定書(以下、「本株式価値算定書(KPMG FAS)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書(下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断の内容」にて定義します。以下同じです。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。上記取締役会における協議及び検討の具体的内容は以下のとおりです。
当社グループを取り巻く事業環境は、安全・環境規制の強化、通信・交通インフラ網の拡充などにより中長期的には事業機会の拡大が期待できます。しかし、直近では世界情勢の不安定化やインフレ懸念による景気減速、半導体・通信関連市場での生産調整等による影響から需要の減退を迎えており、当社の業績も悪化しています。このような厳しい事業環境下において、当社の想定する当社の経営課題は以下のとおりとなります。
a.積層誘電体フィルタ事業の再構築
これまで積層誘電体フィルタ事業は情報通信事業本部の傘下にありましたが、次期より事業部として独立させます。また、同事業部長をWalsinグループより迎え、当社同事業とWalsinグループの高周波部門との一体運営を行います。2023年12月期、同事業は期首予想からの大幅な需要減により赤字となりました。需要減の直接的要因は通信関連投資抑制によるものですが、一方でマーケティング力の不足、お客様からのコスト低減・納期要求に十分対応できないことによる機会損失なども要因として挙げられました。この点を抜本的に是正するため、組織変更を伴うWalsinグループとの一体運営に踏み切ります。
既に販売面では協業体制を構築しており、Walsinグループとのマーケティング情報一元化を進め、当社商品戦略に反映させていきます。また、材料・製造プロセス共通化の技術開発も進んでおり、2024年12月期よりWalsinグループ製造ライン活用によるコスト低減、量的拡大を行います。
b.製品収益性の改善
2023年12月期より着手している代替部材によるコスト低減、納期遅延解消による航空輸送費抑制、生産性の改善を継続していきます。また、お客様に対しても、材料やエネルギー価格の上昇によるコスト増分の製品価格転嫁や、旧来の低収益製品の新規品への置換、終息もお願いしていきます。
本連結子会社化取引以降、当社と公開買付者らが連携し、公開買付者らが所有するグローバルな販売、調達チャネルや低コストの製造技術などのリソースを最大限活用することや積層誘電体フィルタ事業を拡大することで、上記課題の解消、及び当社の掲げる2025年度営業利益率10%を目指してまいりました。その一方で、2023年度は、新型コロナウイルス感染症の収束により各国経済活動が正常化する一方で、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格上昇などにより長期化するインフレと、欧米諸国の度重なる金利上昇の影響などにより回復速度は鈍化しました。このような状況のもと、パワーエレクトロニクス事業は、工作機械市場、医用市場が堅調に推移したものの、半導体製造装置市場は在庫調整による落ち込みが鮮明になりました。一方、情報通信事業では、半導体不足緩和などによる車載市場の回復があったものの、高速大容量へ対応した新規格Wi-Fiや第5世代移動通信システム市場やリチウムイオン電池市場は、北米の金融引締めなどの影響に伴う設備投資の抑制や世界経済の減速などで落ち込み、売上高が116億72百万円、営業利益が3億20百万円(営業利益率2.7%(小数点以下第二位を四捨五入しています。))となりました。このような状況を踏まえて、本取引に関する公開買付者からの提案内容及び本取引に関する回答において、公開買付者から、本取引による当社の完全子会社後においては、どのような具体的な施策が想定されているのかの質問に対して、以下のようなWalsinの経営資源の提供を含めたサポートが得られる見込みであることが明らかになりました。
・ Walsinの販売チャネルの活用
当社の製品を、Walsinの販売チャネルを通じて、日本国外にさらなる拡販をするとのことです。Walsinグループにおいては、中華圏(中国・台湾・香港)での2023年12月31日時点の売上高がWalsinグループ全体の売上高の60%超を占めており、中華圏への販売チャネルを多く抱えているとのことです。加えて、同圏内において600社を超える多様な顧客を有しているとのことです。当社がWalsinの中華圏だけでなく、その他のアジア地域、欧州、北米での販売チャネルを通じて当社の製品を販売していくことで、当社の日本国外の新規顧客獲得を通じた収益拡大に貢献できると考えているとのことです。さらに、本連結子会社化取引後、Walsinグループの受動部品の分野を主として協業をしてまいりましたが、当社を公開買付者の完全子会社とすることを通じ、厚膜印刷基板等の他のビジネスにおいてもWalsinグループとの連携を深めることで、当社の持つ技術、製品をより効果的に拡販できると考えているとのことです。
・ 製品ラインナップの拡充
Walsinの製品を当社顧客へ、当社の製品をWalsinグループ顧客基盤へとクロスセルによる販売機会の拡大をすることができると考えているとのことです。例えば、民生用製品に広く採用されるセラミック製品である積層誘電体フィルタは、当社とWalsinの双方が提供する製品であり、以下のとおり、当社顧客の便益をWalsinが補完することができると考えているとのことです。すなわち、当社の積層誘電体フィルタは通信等世界的に高い品質基準を求められる規制の厳しい業界向けのカスタム製品に強みを持ち、Walsinの積層誘電体フィルタはスマートフォンやウェアラブル向けの消費財に強みがあり、相互補完的な役割があると考えているとのことです。また、積層誘電体フィルタ以外にも、Walsinの様々な製品の中で、多層セラミックチップ(MLCC)、チップ抵抗器、高周波製品、ディスクコンデンサ、バリスタ、チップヒューズ、セラミック誘電粉末、ディスク型半導体コンデンサ部品、ダイオード、インダクタ等は、潜在的な当社の既存顧客のニーズを満たすと考えているとのことです。
・ Walsinの事業運営機能の活用
Walsinのグローバル調達・物流・研究開発・販売マーケティング機能その他のグローバルな運営プラットフォームを当社に提供し、当社がこれを活用することにより、当社の収益拡大、コスト削減等が可能になると考えているとのことです。また、Walsinグループが有する研究開発プラットフォームを当社に提供することで、財務及び人材面において当社の開発リソースの強化に貢献できると考えているとのことです。
・ コスト競争力の強化
当社の汎用製品の製造をWalsinの工場が担うことにより、当社の製品のコスト競争力の強化につながると考えているとのことです。具体的には、Walsinの台湾とマレーシアの工場では、コスト競争力を高めるために、当社の製品のOEM生産を提供することが可能であり、また、当社の製品をWalsinの台湾、中国及びマレーシアの工場において製造することによりコスト削減が可能となり、ひいては当社のコスト競争力の強化につながると考えているとのことです。さらに、当社の完全子会社化を通じて、当社がWalsinグループの有する電子機器受託製造ビジネス等の経営資源を最大限に活用することで、これまで以上のコスト削減効果が期待できると考えているとのことです。
・ Walsinの本社機能の活用
Walsinの国際法務や国際税務の機能・経験を当社に提供することにより、当社の事業のさらなる国際的な展開に資すると考えているとのことです。また、Walsinグループと当社との間における人材交流及び派遣を通して経営及び人事機能の統合を進めることが可能になると考えているとのことです。
以上のとおり、本連結子会社化取引以降の協業の目的を実現させる上で、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となり、当社と公開買付者の構造的な利益相反を解消し、Walsinグループの経営資源をこれまで以上に迅速かつ柔軟に活用することにより、当社事業の成長、競争力の向上等を通じて、当社の企業価値向上に資するものと考えるに至りました。
また、当社は、本公開買付けには本公開買付け後の公開買付者及びWalsinの所有割合が60%となる買付予定数の下限が付されており、本公開買付けが成立しても当社株式の非公開化が行われない可能性があるものの、当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が69%から76%と比較的低い水準であるところ、当社の議決権行使率が90%程度以上にならない限り、公開買付者において当社の総議決権の60%を所有することにより、実際に行使される当社の総議決権のうちの3分の2以上の議決権を所有することになるため、本公開買付け後の本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が承認される蓋然性が高いと考えています。当社は、上記のとおり本公開買付け後の本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が承認される蓋然性が高いと考えられることに加えて、仮に、本公開買付け後の本臨時株主総会において株式併合に係る議案が否決されたとしても、公開買付者は、当社株式の追加取得により当社の速やかな非公開化を図る予定であることからすると、本公開買付け後の公開買付者及びWalsinの所有割合が60%となる買付予定数の下限を設定することについては、問題ないと判断しました。
なお、当社が公開買付者の完全子会社となり、当社株式の上場が廃止された場合には、株式の非公開化に伴う一般的なデメリットとして、資本市場からの直接的な資金調達を行うことができなくなるといったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失することになります。しかしながら、市場環境及び当社の直近の業績を考慮すると、当面の間エクイティ・ファイナンスによる効果的な資金調達は容易でないと考えられること、また上場を維持するために求められる金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な開示体制への対応、上場維持に伴う各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)のコスト負担は年々増加しており、公開買付者らの完全子会社となり非公開化することによってこれらに係る業務及びコスト負担を軽減できること、さらに上記のとおりWalsinの販売網の利用、グローバル調達・物流・研究開発・販売マーケティング機能その他のグローバルな運営プラットフォームやその他コーポレート機能の提供、当社の汎用製品の製造の内製化等が達成されることが見込まれることに鑑みれば、当社株式の上場が廃止されることによるデメリットは、上記の当社の企業価値向上が見込まれるメリットを上回らないものと考えております。
また、本公開買付価格については、当社は、2024年3月25日、本公開買付価格である480円は、当社及び公開買付者らから独立した第三者者算定機関であるKPMG FASから取得した本件株式価値算定書(KPMG FAS)によれば、当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、類似会社比較法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下、「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内となっていること、2024年3月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社普通株式の終値316円に対して51.9%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月の終値単純平均値304円に対して57.9%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値単純平均値301円に対して59.5%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値単純平均値313円に対して53.4%のプレミアムを加えた価格となっているところ、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、かつ成立した連結子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例(マネジメント・バイアウトを含みません。)55件におけるプレミアム水準(平均値は公表日の前営業日に対するプレミアム率が40.6%、過去1ヶ月間が43.8%。過去3ヶ月間が42.8%、過去6ヶ月間が40.8%)との比較においても、相応のプレミアムが付されていると評価することができるものと判断したこと、かつ、2020年公開買付けにおける公開買付価格(以下、「2020年公開買付価格」といいます。)との関係においても、本公開買付価格は2020年公開買付価格の460円を上回っており、本連結子会社取引において引き続き当社株式を所有すること選択した株主の利益保護の観点からも妥当性を有すると考えられることから、公開買付者らに対し、上記価格提示に応諾する旨を回答し、当社及び公開買付者らは価格条件について最終的に合意しました。
上記内容の協議及び検討の結果、当社は、2024年3月25日、本取引が当社の企業価値向上に資する最善の選択であると判断し、同日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するともに、当社株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨することを決議いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の2023年12月31日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額707円(小数点以下を四捨五入しています。)を32.1%(小数点以下第二位を四捨五入しています。)下回っておりますが、当社の保有する工場施設を閉鎖し更地にして売却するためには、工場建物の解体費用などの各種費用が伴うものと考えられること、当社の資産の中には製造設備などをはじめとした事業用資産が多く含まれており、その流動性が必ずしも高いわけではなく、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生が考えられること、投資その他の資産の大部分を占める退職給付に係る資産についても、年金制度を終了した場合でも年金資産が当社に返還されるものではないこと、等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度毀損が見込まれると考えております(但し、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算する場合における純資産の毀損額の具体的な水準の把握までは行っておらず、したがって上記1株当たり純資産額に当該毀損額を反映した金額と本公開買付価格との関係についても確認しておりません。)。また、純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。
当該取締役会における決議の方法については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保する措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員である取締役を含む。)全員の承認」をご参照ください。
公開買付者らは、本取引後、当社を含むWalsinグループ内の連携を加速させるとともに意思決定を迅速化し、顧客基盤、事業基盤、財務基盤等のWalsinグループの経営資源の配分の最適化及び総合活用を図ることで、今後の事業環境の変化等にも対応し、当社の特性や強みを十分に活かしながら当社の事業強化及び持続的な収益成長を実現していく予定とのことです。また、中長期視点での競争力強化、機動的な経営施策の実行等により、当社を含むWalsinグループ全体の利益成長を加速させ、企業価値の向上に努めていくとのことです。
なお、本取引後の当社の経営体制につきましては、本書提出日現在において未定ですが、本取引後に期待される当社の競争力強化及び成長と、当社を含むWalsinグループ全体の中長期的成長をできる限り早期に実現することを目指して、当社の現在の経営体制を尊重することを基本としつつ、今後、当社と必要な施策及びその推進体制について協議のうえ、速やかに決定していく予定とのことです。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、Walsin、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関であるKPMG FASに当社の株式価値の算定を依頼し、2024年3月22日付で本株式価値算定書(KPMG FAS)を受領しています。なお、KPMG FASは、Walsin、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るKPMG FASの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載した措置等を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、KPMG FASから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していません。
KPMG FASは、当社普通株式の価値算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣から事業の現状及び将来の見通し等の情報を取得して説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社普通株式の価値算定を行っています。複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法をそれぞれ採用して、当社の株式価値を算定しています。KPMG FASが上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価平均法: 301円~316円
類似会社比較法: 310円~481円
DCF法: 449円~519円
市場株価平均法では、算定基準日を2024年3月22日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値316円、直近1ヶ月間の終値単純平均値304円、直近3ヶ月間の終値単純平均値301円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値313円を基に、当社普通株式1株当たりの株式価値の範囲を301円から316円と算定しています。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社普通株式1株当たり株式価値の範囲を310円から481円と算定しています。当社と類似性があると判断される上場会社として、コーセル株式会社、TDK株式会社、株式会社村田製作所、岡谷電機産業株式会社を選定し、企業価値に対するEBITDAの倍率、企業価値に対するEBIT(営業利益)の倍率を用いて株式価値を算定しています。
DCF法では、当社事業計画を基礎として、当社が、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して作成した、2024年12月期から2028年12月期までの財務予測(以下「本財務予測」といいます。)に基づき、2024年12月期以降に当社が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を算定し、当社普通株式1株当たりの株式価値の範囲を449円から519円と算定しています。その際、割引率(加重平均資本コスト)については、株式価値評価実務において一般的に用いられているCAPM(資本資産価格モデル)理論に基づき分析を行っており10.8%から11.8%を使用しております。また、継続価値の算定にあたっては、PA(Perpetuity Assumption)法を採用しており、その際、永久成長率については、0.0%から1.0%を使用しております。
KPMG FASがDCF法による分析において前提とした本財務予測は以下のとおりです。本財務予測については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しております。
なお、本財務予測については、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、2025年12月期に、2023年12月期より着手している収益性改善活動や、ノイズフィルタのメイン市場である半導体製造装置、工作機械市場の回復、パワーツール市場の市況回復によるヒューズ用印刷基板の売上増加による増益を見込んでいる他に、2026年12月期に前期からの増益効果に加え、パワーエレクトロニクス事業の新規量産が開始されることによる更なる増益を見込んでいます。2025年12月期においては、フリー・キャッシュ・フローの大幅な減少が見込まれていますが、2025年12月期における設備投資の増加、及び、増収に伴う運転資本の増加が主要因です。2028年12月期においてはフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加が見込まれていますが、上記記載の要因に伴う増益、計画期間において行っている在庫削減に伴う運転資本の減少及び設備投資が前年度対比減少していることが主要因です。その他の事業年度に関しては、フリー・キャッシュ・フローの大幅な変動は見込まれません。また、本財務予測は、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本財務予測及び価値算定には加味されておりませんが、上場関連費用の削減効果については考慮しております。
(単位:百万円)
KPMG FASは、当社の株式価値算定に際して、当社から提供を受けた情報、ヒアリングにより聴取した情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全であること、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でKPMG FASに対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っておりません。また、KPMG FASは、当社及びその子会社の資産及び負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債、その他偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。また、かかる算定において参照した当社の財務見通しについては、当社により現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたことを前提としていること、並びにかかる算定は2024年3月22日現在の情報と経済情勢を反映したものであることを前提としております。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、公開買付者は、下記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式の上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
また、本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の3分の2を下回る場合であっても、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案についてご承認を得た場合には、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。なお、本臨時株主総会において本株式併合が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式の非公開化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性、市場株価の動向並びに本臨時株主総会における議決権行使率等も踏まえたうえで、本株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、あらゆる手法により(なお、具体的な方法については現在検討中です。)、当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を行う予定ですが、当該追加取得に関し、現時点において決定している事項はないとのことです。
公開買付者は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、当社の株主を公開買付者のみとし当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を行うことを企図しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。
株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承認を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。そして、公開買付者は、売渡株主の所有していた当社株式の対価として、各売渡株主に対して本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者から株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会にてかかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、株式併合を行うこと(以下、「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合に係る議案についてご承認をいただいた場合には、当社の株主の皆様は、本株式併合がその効力を生ずる日において、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当該端数の株式を所有する当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるとのことです。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。なお、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社の株主が公開買付者のみとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。なお、当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する当社株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定とのことですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
また、本臨時株主総会において本株式併合に係る議案が承認されない場合であっても、公開買付者は、最終的に当社の完全子会社化を行う方針であることから、本公開買付けにおける応募状況や当社の株主の当社株式の所有状況及び属性並びに市場株価の動向等も勘案し、当社とも協議のうえ、本株式併合その他本スクイーズアウト手続に係る議案が当社の株主総会において現実的に承認される水準に至るまで、あらゆる手法により当社株式を追加取得し、当社株式の非公開化を行うことを予定しているとのことですが、当該追加取得に関し、現時点において決定している事項はないとのことです。公開買付者は、市場内取引の場合は市場価格又は市場内取引以外の方法による場合には市場価格に準じた価格により当社株式を追加取得する方針です。このような追加取得の具体的な時期及び方法並びにその後の株主総会による本株式併合に係る議案承認までに要する期間については、市況等の諸事情によるため現時点で決定することはできないとのことですが、公開買付者としては、実務上可能な限り速やかに本株式併合が実施されるよう最大限努める予定とのことです。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議のうえ、決定次第、速やかに公表する予定とのことです。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
当社は、当社が公開買付者の親会社であるWalsinの連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するため、以下の措置を講じております。
また、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を8,233,504株(所有割合:48.15%)所有し、また、Walsinは、当社株式を330,800株(所有割合:1.93%)実質的に所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び当社において以下の①乃至⑧の措置を講じていることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、当社、Walsin及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてKPMG FASに当社の株式価値の算定を依頼し、2024年3月22日付で本株式価値算定書(KPMG FAS)を受領しています。なお、KPMG FASは、Walsin、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るKPMG FASの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。なお、当社は、下記「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載した措置等を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、KPMG FASから本公開買付価格の公正性に関する評価(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
当社がKPMG FASから取得した当社の株式価値に関する本株式価値算定書(KPMG FAS)の概要については、上記「(3) 算定に関する事項」の「② 当社株式に係る算定の概要」をご参照ください。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、2024年1月31日開催の取締役会における決議に基づき、いずれもWalsin及び公開買付者から独立した委員である川澄晴雄(当社独立社外取締役)、山﨑頼良(当社独立社外取締役、公認会計士)、木下嘉隆(当社独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会を設置しました(なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更しておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は支払われず、本取引の成立を条件とする成功報酬は採用しておりません。)。
当社は、本特別委員会に対し、①本取引の目的に合理性(本取引が当社グループの企業価値の向上に資することを含む。)が認められるか否か、②本取引の取引条件に妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)が認められるか否か、③本取引の手続に公正性が認められるか否か(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)、④①乃至③その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することに賛同するか否か、⑤①乃至③その他事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することが当社の少数株主に不利益なものでないか否か(以下、これらを総称して「本委嘱事項」といいます。)について委嘱いたしました。また、当社は、本特別委員会への委嘱にあたり、当社の取締役会が本取引に関する決定(本公開買付けについて意見を表明することを含みます。)を行うに際して、本特別委員会の判断内容を最大限尊重すること、及び本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には、当社は本取引に賛同しないことを前提とするとともに、本特別委員会に以下の権限を付与しました。
(a) 本特別委員会は、必要と認めるときは、委員長の選定その他の本特別委員会の運営に関する事項を、委員の過半数の決議により定めることができること
(b) 本特別委員会は、当社の費用負担の下、本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本委嘱事項の検討及び判断に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含む。)を行うことができること
(c) 本特別委員会は、当社に対し、(ⅰ)本特別委員会としての提案その他の意見又は質問をWalsin(公開買付者を含む。)に伝達すること、及び(ⅱ)本特別委員会自ら、Walsin(公開買付者を含む。)と協議・交渉する機会を設定することを要望することができ、また、本特別委員会が当該(ⅱ)の機会の設定を要望しない場合であっても、当社は、Walsin(公開買付者を含む。)と協議・交渉を行った場合にはその内容を速やかに本特別委員会に報告し、本特別委員会は、当該内容を踏まえ、Walsin(公開買付者を含む。)との協議・交渉の方針について、当社に対して意見を述べ、また、必要な指示・要請を行うことができること
(d) 本特別委員会において答申に係る意見が全員一致により調わなかった場合は、委員の過半数により承認された結論を本特別委員会の答申内容とすること。但し、かかる答申内容の全部又は一部について異なる意見を有する委員は、自らの意見を答申内容に付記するよう求めることができること
(e) 議事運営上の便宜の観点から、本特別委員会に当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーが陪席する場合であっても、本特別委員会は、当該陪席者に対し、適宜、退席を求めることができること
(f) 本特別委員会は、必要と認めるときは、当社の費用負担の下、本特別委員会独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができること。また、本特別委員会は、本取引に係る当社のアドバイザーを指名し、又は変更を求めることができるほか、当社のアドバイザーに対して必要な指示を行うことができること
また、当社は、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるKPMG FAS及び当社のリーガル・アドバイザーである神谷町法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けています。
本特別委員会は、2024年2月14日から2024年3月25日まで合計8回、合計7時間にわたって開催され、本委嘱事項に関して、慎重に検討及び協議を実施しました。
本特別委員会は、その独立性及び専門性に問題がないことを確認のうえ、KPMG FASを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関とすること並びに神谷町法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとすることについて承認しました。その上で、本特別委員会は、KPMG FAS及び神谷町法律事務所から受けた助言を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、本取引に関する交渉の過程において、本取引の背景・経緯、本取引によって創出が見込まれるシナジーの有無や本取引の意義・目的、本取引後の経営方針、本取引における諸条件等についての公開買付者らの考えを確認することを含め、重要な交渉上の局面において当社に対して意見を述べております。また、本特別委員会は、当社に対して、本取引に係る公開買付者らの提案内容を踏まえ、当社の事業の状況、事業環境、経営課題、事業計画の内容、本取引の意義、本取引によるシナジーの創出、当社事業に対する影響等についての当社としての意見を確認しております。
加えて、本特別委員会は、当社から本財務予測の作成経緯及び内容の説明を受け、本財務予測の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について確認しております。その上で、上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、KPMG FASからは、本財務予測を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、KPMG FASから、実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件(継続価値算定の前提としてフリー・キャッシュ・フローを含む株式価値算定の前提となる計画値、DCF分析における割引率の計算根拠を含みます。)について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、その合理性を確認しております。
また、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、公開買付者から、2024年1月24日、本公開買付価格を410円(前営業日である2024年1月23日の終値307円に対し33.6%のプレミアム)とする初期意向表明書を受けました。これに対して、当社は、2024年2月29日に、同種事例のプレミアム水準と比較して設定されたプレミアムが低く少数株主の利益保護の観点から妥当な水準とはいえないことを理由として本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。さらに、当社は、公開買付者から、2024年3月6日に、本公開買付価格を430円(再提案提出日である2024年3月6日の終値294円に対し46.3%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値294円に対し46.3%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値301円に対し42.9%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値317円に対し35.6%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月8日に、当社の財務予測を基礎として算定された第三者算定機関による当社株式価値の算定結果の見込みを踏まえると、当該提案価格は当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはいえないことを理由として、本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者は、かかる要請を踏まえ、本公開買付価格について再度検討し、2024年3月13日に、公開買付者から本公開買付価格を460円(再提案提出日である2024年3月13日の終値309円に対し48.9%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値298円に対し54.4%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し53.3%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値315円に対し46.0%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月14日に、引き続き本財務予測を基礎として算出された第三者算定機関による当社株式価値の算定結果の見込みを踏まえると、依然として当該提案価格は当社が実現しうる本源的価値が少数株主に対して適切に分配される水準とはえいないことを理由として、本公開買付価格を再考するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者は、かかる要請を踏まえ、本公開買付価格について再度検討し、2024年3月19日に、公開買付者から本公開買付価格を480円(再提案提出日の前営業日である2024年3月18日の終値305円に対し57.4%、同日までの1ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの3ヶ月間の終値単純平均値300円に対し60.0%、同日までの6ヶ月間の終値単純平均値314円に対し52.9%のプレミアム)とする提案を受けました。これに対し、当社は、2024年3月20日に、当該提案価格は本財務予測を基礎として算出された第三者算定機関による当社株式価値の算定結果の見込みを踏まえて、評価しうる範囲に至っているものの、当社の一般株主の利益を最大限追求するという観点より、本公開買付価格の更なる引き上げ余地がないか、再度検討するよう要請いたしました。これに対して、公開買付者らは、2024年3月19日に公開買付者らが提案した1株当たり480円の価格は、当社株式の市場株価に対して十分なプレミアムが付されたものであり、一般株主の利益に資するものであると判断したとのことであり、当社は、価格の引き上げは行わない旨の回答を受けました。
なお、当社及び本特別委員会は、公開買付者らより、本公開買付けは、買付予定数の下限を、公開買付者が本公開買付け後において所有する当社の議決権の数が、当社の総議決権の60%に相当する数以上となるよう設定している点について、上記「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、①当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が低い水準にあること、さらに、同種事案の統計上、本臨時株主総会のような二段階買収に係る株主総会においては、その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があること、及び②当社の株主(実質株主を含みます。)に取引条件の適否にかかわらず公開買付けへの応募を行わない方針をとるパッシブ・インデックス運用ファンド等が存在し、その保有する当社の議決権数が少なくとも当社の総株主の議決権数の2%から3%程度存在するものと見込まれていることに鑑み、本公開買付けの成立を安定的なものとし、本取引の成立の蓋然性を最大化しつつ、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数が本臨時株主総会において、本株式併合に係る議案が現実的に承認される水準となるよう設定している旨の説明を受けております。
これらの交渉経緯において、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社及びKPMG FASから受けた財務的見地からの助言、神谷町法律事務所から受けた法的見地からの助言も踏まえて検討を行い、公開買付者に確認すべき事項及び当社として主張することが考えられる条件等について適宜意見を述べました。その結果、当社は、2024年3月20日、公開買付者らから、本公開買付価格を480円とすることを含む提案を受け、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である410円から480円にまで、17.1%(小数点以下第二位を四捨五入)引き上げております。
本特別委員会は、以上のような経緯のもと、本委嘱事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年3月25日付で、当社取締役会に対し、委員3名全員の一致で、大要以下の内容の答申書(以下、「本答申書」といいます。)を提出いたしました。
(a) 答申内容
1.本取引の目的には合理性(本取引が当社グループの企業価値の向上に資することを含む。)が認められる。
2.本取引の取引条件には妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)が認められる。
3.本取引の手続には公正性が認められる。
4.当社取締役会が、本公開買付けに関して賛同の意見を表明しかつ応募を推奨することを含む、本取引の実施を決定することに賛同する。
5.当社取締役会が、本公開買付けに関して賛同の意見を表明しかつ応募を推奨することを含む、本取引の実施を決定することは、当社の少数株主に不利益なものではない。
(b) 答申の理由
1.本取引の目的に合理性(本取引が当社グループの企業価値の向上に資することを含む。)が認められるか否か
以下の理由から、本取引は、当社及び当社グループの企業価値を向上させるものであり、本取引の目的は合理性が認められると考える。
・ 当社が、「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載される取り組みを中心にWalsinの販売チャネル、製品、機能等を活用し、最大限のシナジーを追求していきながら、公開買付者らと当社相互の企業規模拡大や効率性向上、そしてその先にある企業価値向上を目指していくことについては相応の正当性があるものと判断されること。
・ これまでは、公開買付者らから当社に経営資源を提供する場合、経営資源の供与者と受益者が必ずしも一致するわけではなく、かかる状況においてさらに公開買付者らが当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行うとすれば、利益の一部が公開買付者ら外に流出するといった問題が指摘される可能性もあり、公開買付者らとしても、当社の企業価値向上を図る為の機動的かつ効果的な施策を実行することに慎重とならざるを得ない面があったとのことである。このため、当社の企業価値を向上させるため、本公開買付けにより、当社を公開買付者の完全子会社とするという判断には合理性があると判断されること。
・ 本スクイーズアウト手続の実施により当社が非公開化されることについても、資本市場からの直接的な資金調達を行うといったこれまで上場会社として享受してきたメリットを喪失することになる一方で、市場環境及び当社の直近の業績を考慮すると、当面の間エクイティ・ファイナンスによる効果的な資金調達は容易でないと考えられること、また上場を維持するために求められる金融商品取引法上の有価証券報告書等の継続的な開示体制への対応、上場維持に伴う各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)のコスト負担は年々増加しており、公開買付者の完全子会社となり非公開化することによってこれらに係る業務及びコスト負担を軽減できること、さらに上記のとおりWalsinの販売網の利用、グローバル調達・物流・研究開発・販売マーケティング機能その他のグローバルな運営プラットフォームやその他コーポレート機能の提供、当社の汎用製品の製造の内製化等が達成されることが見込まれることに鑑みれば、当社株式の上場が廃止されることによるデメリットは、当社の企業価値向上が見込まれるメリットを上回らないものと考えられること。
2.本取引の取引条件に妥当性(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)が認められるか否か
以下の理由から、本取引の取引条件(本取引の実施方法や対価を含む。)には妥当性が認められると考える。
・ 本公開買付けには、買付予定数の下限(当社株式2,027,024株(所有割合:11.85%)が設定されているものの、本公開買付けがかかる下限で成立した場合に公開買付者の所有割合が60%となるよう設定されており、本公開買付け成立後、本スクイーズアウト手続として株主総会の特別決議による本株式併合を実施できるかどうかは確実ではない。これについて、公開買付者らは、①当社における直近3事業年度に係る定時株主総会の議決権行使率が69%から76%と比較的低い水準にあり、本スクイーズアウト手続のような二段階買収に係る株主総会においては統計上その他の通常の株主総会議案と比較して議決権行使率が低くなる傾向があること、また②当社の株主(実質株主を含む。)に取引条件の適否にかかわらず公開買付けへの応募を行わない方針をとるパッシブ・インデックス運用ファンド等が最低でも当社の総株主の議決権数の2%から3%程度存在するものと見込んでいることに鑑みると、本公開買付け成立後に公開買付者が当社の総株主の議決権数の3分の2を所有するに至らない場合でも、その所有する当社の議決権数によって本株式併合の議案が現実的に承認される水準にあると考えているとのことである。これに加え、仮に本株式併合の議案が可決されなかったとしても、公開買付者は、あらゆる手法で当社株式を追加取得することにより当社の速やかな非公開化を図る予定であるとのことである。公開買付者らの説明は一応合理性があり、当該買付予定数の下限が設定されていたとしても、本取引の実施方法として不合理であるとまではいえないこと。
・ 本スクイーズアウト手続として実施する株式売渡請求又は本株式併合の手続においては、法令上、本公開買付けに応募しなかった株主に対して、前者については売買価格の決定の申立てをする権利、後者については株式買取請求権が確保されている。また、公開買付者は、株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていると評価され、本スクイーズアウト手続に係る条件には、一定の合理性があると判断されること。
・ 当社において、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、当社株式の株式価値の算定のために当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関としてKPMG FASを選任し、KPMG FASから本株式価値算定書(KPMG FAS)を取得していること。また、本株式価値算定書(KPMG FAS)の結論に至る算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること。
・ 本株式価値算定書(KPMG FAS)によれば、本公開買付価格は、当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、類似会社比較法及びDCF法に基づく算定結果のレンジの範囲内となっていること、2024年3月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値316円に対して51.9%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月の終値単純平均値304円に対して57.9%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値単純平均値301円に対して59.5%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値単純平均値313円に対して53.4%のプレミアムを加えた価格となっているところ、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、かつ成立した連結子会社の完全子会社化を目的とした他の公開買付けの事例(マネジメント・バイアウトを含まない。)55件におけるプレミアム水準(平均値は公表日の前営業日に対するプレミアム率が40.6%、過去1ヶ月間が43.8%、過去3ヶ月間が42.8%、過去6ヶ月間が40.8%)との比較においても、相応のプレミアムが付されていると評価することができるものと判断したこと、かつ、2020年公開買付価格との関係においても、本公開買付価格は2020年公開買付価格の460円を上回っており、当該公開買付けにおいて引き続き当社株式を所有すること選択した株主の利益保護の観点からも妥当性を有すると考えられること、KPMG FASが株式価値の算定に用いた算定方法等について不合理な点は見当たらなかったことから、本公開買付価格には妥当性が認められると考えられること。
・ 本公開買付価格は、当社の2023年12月31日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額707円(小数点以下を四捨五入。)を32.1%(小数点以下第二位を四捨五入。)下回っているが、当社の保有する工場施設を閉鎖し更地にして売却するためには、工場建物の解体費用などの各種費用が伴うものと考えられること、当社の資産の中には製造設備などをはじめとした事業用資産が多く含まれており、その流動性が必ずしも高いわけではなく、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生が考えられること、投資その他の資産の大部分を占める退職給付に係る資産についても、年金制度を終了した場合でも年金資産が当社に返還されるものではないことなどを考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度毀損が見込まれると考えられる(ただし、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算する場合における純資産の毀損額の具体的な水準の把握までは行っておらず、したがって上記1株当たり純資産額に当該毀損額を反映した金額と本公開買付価格との関係についても確認していないとのことである。)。また、純資産額は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えられる。以上を踏まえると、本公開買付価格が当社の上記1株当たり純資産額を下回っていることをもって、直ちに、本公開買付価格の妥当性が損なわれるとまではいえないこと。
3.本取引の手続に公正性が認められるか否か(いかなる公正性担保措置をどの程度講じるべきかの検討を含む。)
以下の理由から、本取引の手続に公正性が認められると考える。
・ 当社は、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引において公開買付者と公開買付者以外の当社一般株主との間で構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存することに鑑み、本取引に係る当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、意思決定過程の公正性を担保するとともに、当社取締役会における意思決定が、当社の少数株主にとって不利益のないものでないか否かを確認することを目的として、2024年1月31日開催の取締役会における決議に基づき、当社独立社外取締役3名から構成される本特別委員会を設置していること。なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されていないこと。
・ 当社は、当社、Walsin及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーであるKPMG FASから当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、当社、Walsin及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーである神谷町法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行っていること。
・ 本特別委員会は、KPMG FAS及び神谷町法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、KPMG FASを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、並びに神谷町法律事務所をリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としてもこれらのアドバイザーから専門的助言を受けることに異議がない旨を確認していること。
・ 当社は、本特別委員会が事前に承認した交渉方針に従い、書面による質疑を含めて、本公開買付価格について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行った。具体的には、当社は、KPMG FASを通じて、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村証券株式会社を介して、本特別委員会が承認した交渉方針に基づく価格交渉を実施し、その交渉の結果として、1株当たり480円という本公開買付価格の決定に至るまでには、当社株式1株当たり410円とする公開買付者の当初の提案より、70円の価格引上げを引き出していること。
・ 当社は、2024年1月24日に公開買付者らから本公開買付けに関する初期意向表明書を受領した時点以降、本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、Walsin及び公開買付者の役職員を兼任若しくは兼務する、又はWalsin及び公開買付者からの出向者若しくは出身者である当社の役職員を関与させないこととし、代表取締役及び取締役経営企画室長並びに経営企画室に所属する職員3名のみが本取引に係る取引条件に関する交渉に関与している。当社の取締役のうち焦佑衡、陳怡光及び陳明清は、いずれも公開買付者の役職員であるため、本取引に係る取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本公開買付けに関する公開買付者との協議及び交渉に参加していない。以上を含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会において承認している。また、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程で、Walsin及び公開買付者その他の本取引に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められないこと。
・ 前述のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、独立した第三者算定機関であるKPMG FASに当社の株式価値の算定を依頼し、2024年3月22日付で本株式価値算定書(KPMG FAS)を受領しており、これを本取引に関する判断の基礎としていること。
・ 公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社と接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととしていること
・ 公開買付者は、本取引において、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、及び、株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であることを明らかにしていることから、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮していること。また、本公開買付けにおける買付け等の期間が法定の最短期間である20営業日よりも長い30営業日と設定されていることから、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会、及び公開買付者以外の者が当社株式の買付け等を行う機会が確保されていること。
・ 当社は、KPMG FASから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していない。また、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定していないこと。もっとも、上記の各公正性担保措置が講じられていることから、当社の少数株主の利益に十分な配慮がなされているということができ、かかる意見書の取得及び下限の設定がなされていないからといって、直ちに本取引の手続には公正性が認められないということにはならないと考えられること。
4.当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することに賛同するか否か
以下の理由から、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することに賛同する。
・ 上記1乃至3その他の事項を踏まえると、本取引の目的に合理性が認められ、本取引の取引条件に妥当性が認められ、また、本取引の手続に公正性が認められることから、当社取締役会が、本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む、本取引の実施を決定することに賛同することができると考えられること。
5.当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することが当社の少数株主に不利益なものでないか否か
以下の理由から、当社取締役会が本取引の実施(本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む。)を決定することは当社の少数株主に不利益なものでないと考える。
・ 上記1乃至3その他の事項を踏まえると、本取引の目的に合理性が認められ、本取引の取引条件に妥当性が認められ、また、本取引の手続に公正性が認められることから、当社取締役会が、本公開買付けに関する賛同の意見表明及び一般株主に対する応募推奨の意見表明を含む、本取引の実施を決定することは、当社の少数株主に不利益なものではないと考えられること。
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社、Walsin及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてKPMG FASを選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けています。
なお、KPMG FASは、当社、Walsin及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るKPMG FASの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社、Walsin及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして神谷町法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けています。
なお、神谷町法律事務所は、当社、Walsin及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、神谷町法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、Walsin及び公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築しています。
具体的には、当社は、2024年1月24日にWalsinから本公開買付けに関する初期意向表明書を受領した時点以降、当社と、Walsin及び公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、Walsin及び公開買付者の役職員を兼任若しくは兼務する、又はWalsin及び公開買付者からの出向者若しくは出身者である当社の役職員を関与させないこととし、代表取締役及び取締役経営企画室長並びに経営企画室に所属する職員3名のみが本取引に係る取引条件に関する交渉に関与することといたしました。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
当社は、KPMG FASから取得した本株式価値算定書(KPMG FAS)、KPMG FASからの財務的見地からの助言、神谷町法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けの諸条件について、慎重に協議及び検討を行っています。その結果、当社は、上記「(2) 本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年3月25日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明し、当社株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記取締役会決議においては、取締役8名のうち、焦佑衡氏、陳怡光氏及び陳明清氏を除く利害関係を有しない取締役5名全員が参加し、参加した取締役の全員の一致により決議いたしました。
なお、焦佑衡氏、陳怡光氏及び陳明清氏は、いずれも公開買付者の役職員であるため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本公開買付けに関する公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社と接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。
公開買付者は、上記「(5) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全て(但し、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)の株式売渡請求をすること又は本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日と設定しているとのことです。このように、公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間である20営業日よりも長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
該当事項はありません。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名は本書提出日現在のものです。
(注2) 所有株式数および議決権の数は2023年12月31日現在のものです。
(注3) 取締役 木下嘉隆、川澄晴雄、山﨑頼良は社外取締役です。
(注4) 所有株数及び議決権の数には、それぞれ当社の役員持株会を通じて間接的に所有する当社株式数(小数点以下切捨て)及びそれに係る議決権の数を含めております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】