第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第9期

第10期

第11期

第12期

第13期

決算年月

2019年9月

2020年9月

2021年9月

2022年9月

2023年9月

売上高

(千円)

2,268,123

2,215,551

1,938,488

1,715,420

1,556,259

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

99,899

274,055

356,299

755,368

535,644

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

155,849

324,030

358,590

859,681

612,200

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

100,000

95,000

616,711

41,167

33,560

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

687,364

10,612,504

11,627,804

11,838,374

14,910,374

A種優先株式

111,361

B種優先株式

134,638

C種優先株式

132,829

D種優先株式

101,731

純資産額

(千円)

692,754

429,529

1,114,136

304,926

392,945

総資産額

(千円)

1,055,457

1,533,832

1,727,887

1,673,133

1,271,208

1株当たり純資産額

(円)

120.97

40.45

95.80

25.74

26.36

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

16.68

33.23

31.28

73.10

42.56

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

64.7

28.0

64.5

18.2

30.9

自己資本利益率

(%)

25.8

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

46,089

626,039

439,734

558,219

284,400

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

11,122

36,847

61,185

8,744

42,637

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

76,674

731,432

671,482

832,331

219,747

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

391,384

459,205

629,158

894,623

872,606

従業員数

(人)

119

131

136

147

125

(外、平均臨時雇用者数)

(49)

(58)

(88)

(110)

(63)

株主総利回り

(%)

16.3

93.3

(比較指標:配当なしTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(-)

(90.4)

(126.6)

最高株価

(円)

2,870

1,379

352

最低株価

(円)

910

207

165

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

 

2.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在しないため記載しておりません。

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、第10期については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので、また、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第9期については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。第11期、第12期及び第13期については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。

4.第10期、第11期、第12期及び第13期の自己資本利益率については、当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.第9期及び第10期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。また、第11期、第12期及び第13期の株価収益率については、当期純損失であるため記載しておりません。

6.1株当たり配当額及び配当性向については、当社は配当を実施しておりませんので、記載しておりません。

7.従業員数は就業人員であり、平均臨時雇用者数(パートタイム含む)は年間平均人員を( )内にて外数で記載しております。

8.当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1963年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けております。

9.当社は、2020年3月10日付で株式1株につき8株の株式分割を行っておりますが、第9期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失を算出しております。

10.第9期から第11期の株主総利回り及び比較指標については、2020年10月30日に東京証券取引所マザーズ(提出日現在グロース市場)に上場したため、記載しておりません。

11.最高株価及び最低株価は、東京証券取引所マザーズ(提出日現在グロース市場)におけるものであります。

なお、2020年10月30日をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第12期の期首から適用しており、第12期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

2【沿革】

 当社は、「食を通じて世界中の人々をHappyに。」をビジョンとして、2010年に創業いたしました。

設立以降の当社に係る経緯は以下のとおりであります。

年月

概要

2010年11月

東京都港区において株式会社TopNotch(現 当社)設立

2011年6月

実名型グルメプラットフォーム「Retty」をWebサイト上にリリース

2011年8月

Retty株式会社に商号変更

2011年10月

「Retty」iPhone版リリース

2011年11月

「Retty」Android版リリース

2013年10月

「Retty」月間利用者数が100万人を突破

2013年11月

本社を東京都渋谷区に移転

2014年4月

飲食店向けのFRM(※1)有料サービス「Rettyお店会員」の販売を開始

2014年9月

企業のスマートフォンでの広告コンテンツサービス「タイアップ」の販売を開始

2015年4月

本社を東京都品川区に移転

2015年5月

「Retty」月間利用者数が1,000万人を突破

2016年5月

「Retty」月間利用者数が2,000万人を突破

2016年6月

「Rettyお店会員」が1,000店舗を突破

2016年12月

「Retty TOP USER」(※2)制度をスタート

2017年5月

「Retty」月間利用者数が3,000万人を突破

2017年6月

本社を東京都港区に移転

2018年4月

ヤフー株式会社と、グルメ情報サービス領域における戦略的パートナーシップ構築を合意

2018年9月

「Rettyお店会員」が5,000店舗を突破

2018年11月

「Retty」月間利用者数が4,000万人を突破

2019年4月

PayPay株式会社と飲食店における決済サービス拡充のための業務提携を開始

2019年10月

食領域のビックデータ連携基盤「Food Data Platform」の提供を開始

2020年10月

東京証券取引所マザーズに上場

2021年12月

「新たな食体験を創り上げ、人生をもっとHappyに。」へとビジョンをアップデート

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行

2022年12月

株式会社じげん及び同社CEO平尾丈氏と資本業務提携を締結

※1 FRMはFan Relationship Managementの略称です。

※2 Retty TOP USERとは、外食とその魅力を伝えることを楽しみ、特定のエリアやジャンルに詳しいと当社が認定したユーザーです。

 

3【事業の内容】

 当社は、「新たな食体験を創り上げ、人生をもっとHappyに。」をビジョンに掲げ、「自分にベストなお店が見つかる」実名型グルメプラットフォーム「Retty」(※)を運営しております。

 現在、インターネットメディアにおいて情報の信頼性が求められており、「誰が」書いたのかという視点も重要になってきております。これは飲食においても同様で、飲食店探しにおいて「友人・知人からの口コミ」が最も参考にされる情報源と当社は考えております。当社は、「食」の好みは人により千差万別であり、信頼できる「ヒト」から飲食店を探すのがベストであるという考えに基づいて「Retty」を設計・運用しております。

 具体的には、「Retty」を利用するユーザーは全国の飲食店情報を閲覧できるほか、実際に飲食店を訪れたことがあるユーザーをフォローしオススメ口コミ情報を閲覧することができるようになっております。「Retty」では実名型のサービスとなっているため、当該オススメ口コミ情報の信頼性が高く、また、趣味嗜好が合うユーザー同士で情報提供ができるSNS機能を組み込んでいるため、点数評価では実現できない「人々がHappy」になる空間を提供していると考えております。飲食店側においても、点数評価ではないオススメ口コミ情報が掲載されることから「Retty」を受け入れやすい仕様となっており、当該オススメ情報を投稿するユーザーやフォローするユーザー数を確認できるほか、SNS機能を通じて当該ユーザーとの接点を持つことができるため、単なる一次集客のみならず、二次、三次集客へとつなげることが可能となっております。

 このような設計にすることで「Retty」に蓄積される情報は多岐に及ぶことになり、現在は店舗データや実名口コミ情報にとどまらず、閲覧のログデータ、フォローや「いいね・行きたい」といったアクションデータなどが蓄積されております。これらのデータを分析しユーザーの閲覧、投稿、アクションから割り出された好みやシチュエーション、雰囲気などを考慮した、各ユーザーに最適化された飲食店情報を提供することができるようになっており、「Retty」の持続的な成長の源泉となっております。

 

「Retty」は、以下3つを特徴としております。

0101010_001.png

(※) 当社における「実名型」とは、利用者全員に対して本人確認をとっている状態を指すものではありませんが、Facebookアカウント等との連携により、個人がインターネット上において発信に責任が持てる環境を指しております。

 当社事業は、実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントでありますが、「FRM」、「広告コンテンツ」の2つのサービスを展開しております。

(1)FRM

 多くの飲食店は稼働率の向上を通じた売上の増加及び採算の改善による利益率の向上を至上命題としており、当社は「Retty」を通じたオンラインでの販促を提供することで、飲食店から毎月定額のサービス利用料収入を得ております。具体的には、契約した飲食店(以下、「有料店舗」といいます。)に対して、「Retty」内で上位に表示される仕組みや有料店舗の広告を掲載するサービスを提供するほか、飲食店に訪れたことがあるユーザーや当該ユーザーのオススメ口コミ情報及び当該ユーザーをフォローしているユーザーなど、多種にわたるユーザー情報を管理できる顧客管理システムを提供しております。当該顧客管理システムでは、ユーザーとコミュニケーションをとることができる当社独自の仕様となっているため、単なる広告を掲載するのみの販促ではなく、双方向型の販促を提供し、常連客作りに資する継続的な送客を有料店舗に提供しております。

 「Retty」には多くのユーザー情報が蓄積されており、ユーザーに対しては最適化された飲食店情報を、有料店舗に対しては二次集客・三次集客につながる販促ツールを提供することで、飲食業界の大きな課題である低い利益率、及びそれに伴う高い廃業率などの改善に大きく貢献できるものと考えております。なお、その想いを込めて当該サービスを「FRM」(Fan Relationship Managementの略称)と名付けております。

 当該サービスは、毎月定額の料金を有料店舗より頂くサブスクリプション型のビジネスモデルとなっており、当社は持続的かつ継続的に売上が積み重なっていくストック型の売上と位置づけております。

 

(2)広告コンテンツ

 当社の広告コンテンツは、①実名型グルメプラットフォーム「Retty」を活用した広告ソリューション、②当社がこれまで実名型グルメプラットフォーム「Retty」を運営、拡大してきた中で蓄積してきたコンテンツを活用したコンテンツソリューションの2つから成り立っております。

 

① 広告ソリューションは「Retty」の利用者数を飲食店以外の顧客に送客するサービスであり、「Retty」を積極的に利用するユーザーを対象にブランド認知向上等のプロモーションを行いたい広告主に対して「Retty」内にタイアップ広告、「Retty」上の広告枠を、テクノロジーを活かして効率的に運用することで広告掲載収入を得るアドテクノロジー、「Retty」上において同業他社の飲食店予約サービス機能との連携をするなど他社とアライアンスを組むことで送客手数料収入を得ているアライアンスがあります。
 

② コンテンツソリューション

 当社には、80万店に及ぶ店舗データや写真データ、実名口コミデータ、ユーザーログなどのコンテンツが蓄積されており、これをRettyのデータベースである「Food Data Platform」としてクライアントに継続的に提供することで、月額の利用料を頂いております。飲食業界以外の化粧品業界、アパレル業界、旅行業、不動産業といった幅広い業界のクライアントに向けて当社のコンテンツを提供することで、例えば自社の旅行サイトに当社の飲食店情報と口コミ情報を掲載する、当社の口コミ情報から外食トレンドの分析をするなど、自社サイトのコンテンツ制作、マーケティング、データ分析などに活用して頂いております。

 

 

0101010_002.png

 

 

 なお、当社の当事業年度の四半期ごとの業績の推移は以下のとおりであります。

 

第1四半期会計期間

(自 2022年10月1日

 至 2022年12月31日)

第2四半期会計期間

(自 2023年1月1日

 至 2023年3月31日)

第3四半期会計期間

自 2023年4月1日

 至 2023年6月30日)

第4四半期会計期間

自 2023年7月1日

 至 2023年9月30日)

金額

(千円)

対前年

同四半期

(%)

金額

(千円)

対前年

同四半期

(%)

金額

(千円)

対前年

同四半期

(%)

金額

(千円)

対前年

同四半期

(%)

 売上高

414,456

96.8

402,328

97.1

363,452

83.2

376,022

86.2

 うちFRM

305,906

98.0

303,864

102.7

279,205

87.4

278,308

87.3

 うち広告コンテンツ

108,549

93.8

98,463

83.0

84,247

71.6

97,713

83.3

 売上総利益

218,707

91.5

252,729

115.8

214,893

91.2

261,115

122.7

 販売費及び一般管理費

418,924

103.9

374,842

99.0

365,148

83.5

313,441

71.5

 営業損失(△)

△200,216

-

△122,113

-

△150,255

-

△52,325

-

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(その他の関係会社)

株式会社じげん

東京都港区

125,000

ライフサービスプラットフォーム事業

被所有1.5

[被所有19.7]

当社への役員の兼任1名

(注)1.有価証券報告書を提出しております。

   2.議決権の所有割合の[ ]内は、緊密な者又は同意している者の所有割合を外数で示しております。

   3.持分は100分の20未満ですが、実質的な影響力を受けているためその他の関係会社としております。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2023年9月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

125

63

30.9

3.7

5,759,193

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイム含む)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は実名型グルメプラットフォーム「Retty」運営事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載はしておりません。

 

(2)労働組合の状況

 当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、役員に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合

(%)

(注)1.

役員に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

20.8

28.6

100.0

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの

      であります。

    2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規

      定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成

      3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

(4)労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

全従業員(%)

従業員(%)

臨時雇用人員(%)

81.2

75.6

631.4

 (注)1.全従業員は、従業員と臨時雇用人員を含んでおります。

    2.「労働者の男女の賃金の差異」=女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100%として算出しておりま

      す。平均年間賃金=総賃金÷平均人員数として算出しております。

    3.従業員の賃金の差異について、賃金制度や体系において性別による差異はありません。賃金水準が相対的に

      高く、男性比率の高い職種であるエンジニアの比率が高いことから、賃金の差異が生じております。

    4.臨時雇用人員の賃金の差異について、女性はフルタイムで長期的に働く従業員が多い一方、男性は短時間・

      短期間で働く従業員が多かったことによるものであります。

 

(5)労働者の一月当たり平均残業時間、従業員の年次有給休暇取得率

当事業年度

労働者の一月当たり平均残業時間(時間)

年次有給休暇取得率(%)

8.8

102.8

 (注)1.年次有給休暇取得率について、前年以前に発生した有給休暇を取得する従業員が複数いたことから、取得率

      が100%を超えております。