第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社企業グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

 当社企業グループは、純粋持株会社である当社のもと、グループ共通の中核概念を制定し、「クリエイティブをサポートする企業集団」として、クリエイティブサービス事業を軸にビジネス展開を積極的に推進することで、お客様にとり必要不可欠な企業集団として企業価値の向上を図ってまいります。

 

(Vision) We craft your imagination.

お客さまが羽ばたかせるご自身のイマジネーション。私たちは、多様なリソースと先進技術を駆使して、それを確かなカタチにするお手伝いをしていきます。

 

(Mission)・チームワーク

お客さまのチームの一員との心持ちで最善を尽くし、ベスト・パートナーとなることをめざします。そのためにも、社内・グループ内のチームワークの強化に努めます。

・プロの真心と技

私たちは、お客さまのご満足と成功を願う真心と、それを支える技を兼ね備えたプロフェッショナルです。

・言い訳のない品質

納品物の品質はもとより、企画段階からアフター・フォローまでのプロセスとスピードにおいても、言い訳のない高い品質を実現します。

 

(Value)  ・プラスαの追求

私たちの最大の喜びは、お客さまにご期待を越える成果をお届けし、その笑顔を拝見すること。もっとその笑顔に出会うため、私たちは自らを鍛えながら、お客さまにとってのプラスαを追求し続けます。

・我が事として

私たちは、目の前の一人ひとりのお客さまのご要望や目的、お悩みやお困り事に真正面から向き合います。そして、そのご満足を我が事として、丁寧に、一所懸命に追求します。

・多様性の底力

私たちは、多様な個性、専門性、先進技術をもった人と会社が結びつき、切磋琢磨している集団です。そこに息づく多様性、先進性、独創性をいっそう発揮しながら、お客さまに新鮮な驚きをお届けしていきます。

・新しいカタチ

私たちは、伝統的な印刷をさらに進化させつつ、想像力と先進デジタル技術を駆使して、クライアントの想いを、今まで見たことのないカタチでターゲットの心に刻みつけていきます。

・良き市民

 私たちは、良き市民として、お客さま、投資家、協力企業、業界、社員、さらには地域社会

 や環境に対する責任を、誠意をもって、また積極的に果たしていきます。

 

 

 

(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社企業グループが属するクリエイティブサービス業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が懸念されるものの、ワクチン接種が進んだことやウィズコロナの新社会規範の浸透により経済活動についても回復することを想定しております。また、一部制限があるものの来日する外国人観光客が増加することが予想されております。しかしながら世界的なインフレ懸念、金利上昇や不安定な為替状況などのリスクが依然として残り、景気の先行きは不透明な状況であります。一方で、IoT、AI、ビックデータ分析、シェアリングエコノミーモデルなど、高度なIT技術、モバイル通信の高速化を含めたネットワーク環境の利便性向上に対応し高彩度モバイル端末やVR機器等が普及するなか、クライアントがご要望されるクリエイティブの表現方法、表現技術、表現手段は、さらに多種・多様化するものと考えております。当社企業グループは、伝統的な印刷製造技術のみならず、什器等のプロダクトを含む多様なデザイン力、3D-CAD・3D-CGを軸とする映像クリエイティブ、立体音響、AR・VRを含むIT構築力に加え、定期出版雑誌等の出版物、webメディアや映像を含めた情報配信ビジネスにも注力しており、トータルで専門技術を保持しつつ、環境変化に応じて事業資産の配分を変更させることで企業間競争において優位性を維持しております。

こうした環境認識の下、当社企業グループの対処すべき課題は以下のとおりであります。

① グループ各社の役割と事業責任の明確化、また、経営の機動性を向上させ、効果的な経営資源の調達及び配分を行うことでグループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。

② グループ各社が専門とする技術及びノウハウのさらなる向上を図るとともに、グループ各社の人材を含めたソリューションの連携強化、付加価値の高いサービスの開発、提供により顧客満足度の向上に取り組んでまいります。

③ 主力事業領域におけるシェア拡大、新規事業領域への挑戦、また不採算事業の改善等を、M&Aを含め機動的に取り組み、安定的な事業ポートフォリオの形成を目指してまいります。

④ 当社企業グループは事業拡大のため、人材の確保及び教育を重要な課題と認識しております。当社が中心となって、潜在能力の高い人材の獲得に向けて各種採用活動を進めるとともに、ワークライフバランスや教育を重視し、人材育成を積極的に進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社企業グループの中期経営計画において、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な指標としております。加えてEBITDA、自己資本比率、キャッシュ・フローを重視した経営により、企業の経営基盤を強化し、安定的な成長を図っていく所存であります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与え、当社企業グループの事業展開その他に対するリスク要因となる可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。当社企業グループの経営環境、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、以下のリスク要因のいずれによっても著しい悪影響を受ける可能性があり、当社株式の市場価格は、これらの要因のいずれによっても下落する可能性があります。

 当社企業グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本書の記載を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社企業グループが判断したものであります。

 

(1)経済動向による影響について

 当社企業グループにおける営業収入は、日本国内市場における広告宣伝活動の需要に大きく影響を受けます。国内経済の低迷が長期化した場合は、企業は収益の減少に伴い、広告宣伝活動を縮小する傾向があり、その結果、当社企業グループの経営成績及び財政状態等に大きな影響を及ぼす可能性があるため、特に重要なリスクであると認識しております。

 当社企業グループが属する市場の成長予測、各顧客のクリエイティブサービス関連の需要予測等入手可能な情報に基づいて、事業戦略を策定し、リスク軽減を講じますが、当社企業グループの予算編成及び業績予想の策定については、当社企業グループの業績予想は実績と乖離する可能性があります。

 

(2)競合について

 当社企業グループの製品・サービスにつきまして、競合他社と価格競争に陥るような状況になった場合、価格面において競争を優位に展開できる絶対的な保証はなく、当社企業グループの製品・サービスが激しい価格競争にさらされ、当社企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクであると認識しております。

 当社企業グループは、価格競争に対してより優位性を保持するため、顧客にとって付加価値の高い製品・サービスをワンストップで提供しているものと自負しておりますが、顧客の更なるクリエイティブサービスニーズの変化に対応するため、専門とする付加価値の高い技術及びノウハウ、最新の生産・製造設備の導入、M&A等により、常に商材・サービスを積極的に増強し、ワンストップで多様なクリエイティブサービスニーズを確かなカタチとして提供できるよう努めてまいります。

 

(3)売上債権管理上のリスクについて

 当社企業グループを取り巻く経営環境において、経済情勢の急速な悪化と情報媒体の急速な多様化による印刷関連企業の淘汰により、経営基盤の脆弱な企業等においては、経営状況が悪化する場合も考えられます。そのような予測不能な事態が生じた場合には売上債権の回収に支障をきたす可能性があるため、重要なリスクと認識しております。

 当社企業グループは、社内規定に基づいて、締結された顧客との契約をベースに売上債権を管理しております。また、新規取引毎に信用調査を実施し、信用度を確認したのち取引口座を設定し、債権管理担当者が日々入金状況を確認しており、債権管理において特段の問題は生じておりませんが、当社企業グループでは、今後、信用調査をより一層強化していく方針であります。

 

 

(4)自然災害等のリスクについて

 当社企業グループは、地震、津波、台風等の自然災害あるいはパンデミックの発生等によって、当社企業グループの製造拠点が壊滅的な損害を受けるもしくは操業不能に陥る可能性があります。当社企業グループの工場、事業所は一定の地震に耐え得る機能を有しております。しかしながら、工場、事業所、機械及びライフラインが壊滅的な損害を被った場合、また、新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症等の発生によって、従業員等の感染や、感染拡大防止のため従業員が出社できなくなった場合、製造業務が一時的に停止し、業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに工場・事業所、機械装置類の修復、修理または代替のために多額な費用を要する可能性もあり、その結果、当社企業グループの経営成績及び財政状態等に大きな影響を及ぼす可能性があるため、重要なリスクであると認識しております。

 これらリスクの発生を予見、また、先行きを正確に見通すことは困難でありますが、被災時の事業継続については、従業員等の安全の確保と事業の継続を目的として、一定の基準を超える災害発生時には、代表取締役社長を最高責任者とする緊急時対策本部を設置し、具体的な緊急時対応計画を策定し、臨機応変な対応を行ってまいります。また、新型コロナウイルス等の感染症対策としては、社員や協業者の安全の確保と事業遂行のバランスを考慮し、オンラインで可能な業務はオンラインで実施するなど従来とは異なる働き方を志向していくこととしております。

 新型コロナウイルス感染症によるビジネスの影響に対しては、例年以上に当社企業グループ、顧客の状況把握に努めるとともに、特にキャッシュ・フローについてきめ細かな状況把握に尽力し、いち早くリスクの顕在化時の資金手当等が可能になるように取り組んでまいります。

 

(5)情報システムとセキュリティについて

 インターネットをはじめとするコンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報システムの構築やセキュリティ対策の確立は事業活動を継続する上で、いまや不可欠となっております。これに対して、近年ソフト・ハードの不具合やコンピュータウイルス等による情報システムの停止、サイバー攻撃等による顧客情報の漏洩等さまざまなリスクの発生の可能性が高まっております。当社企業グループは、個人情報の保護に努め、システムとデータの保守・管理には万全を尽くしております。しかしながら、万一データの漏洩が発生した場合は、当社企業グループの社会的信用が低下し、今後の事業展開に多大な影響を与える可能性があり、重要なリスクであると認識しております。当該リスクを低減するため、当社企業グループは、情報セキュリティポリシーや個人情報保護方針を制定し、情報技術の進歩や社会情勢の変化に応じて見直しや改善を実施しております。

 

(6)法的規制等について

 当社企業グループは、製造物責任や廃棄物処理責任、環境・個人情報保護関連、税制関連等において、さまざまな法的規制を受けております。今後更に規制が強化された場合には、事業活動に対する制約の拡大やコストの増加も予想され、当社企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社企業グループは、企業行動規範を制定し、法令遵守、コンプライアンス経営の強化を基本として、コンプライアンスに係る情報を収集するための企業倫理ヘルプラインを設置し、監査等委員会および内部監査室が連携して業務プロセスを監査するなど、不正行為の早期発見と是正を図り、コンプライアンス違反行為防止のための体制を構築し事業を進めております。しかしながら、これらの対策を講じても、個人的な不正行為等、予見あるいは防止できない事象によるリスクを完全に回避することは困難であり、重大な法令違反等を起こした場合には、当社企業グループの社会的信用、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 当該状況を解消すべく、当社企業グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、スピードを持って対応していくよう努めております。

 当社企業グループでは、今後も「クリエイティブをサポートする企業集団」として、クリエイティブサービス事業を軸に事業を行ってまいります。またニーズの変化に対応するために、柔軟に商材ポートフォリオ、人材ポートフォリオ、事業ポートフォリオの最適化を進めてまいります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。「(1)経営成績等の状況の概要」における前連結会計年度との比較は、収益認識会計基準等を適用する前の前連結会計年度の連結業績を基礎とする基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。

 詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における当社企業グループの事業環境は、新型コロナウイルスオミクロン変異株の感染拡大により、まん延防止等重点措置が36都道府県に発出され、第7波、第8波の感染拡大により感染者数が増加し、個人の消費行動は停滞が続きました。また、米国金利引上げに起因する急激な円安進行により金融市場は大きく変動し、資源・エネルギー高による世界的なインフレの消費への影響が懸念されており、さらには、長期化が見込まれるウクライナ情勢、それに伴う国際的な物流への支障、物資の供給懸念など、経済状況は不安定であり、紙やインクなどを含めた原材料価格、物流価格は上昇の傾向にありました。一方で、感染症拡大防止への取り組みやオミクロン対応ワクチン接種も進み、イベントの開催が再開されるなど、企業活動は回復しつつあり、コロナ禍での新しい社会生活に即したサービスや販促ツール・サービスの需要が増加いたしました。

 当社企業グループは、お客さまに、より付加価値の高いサービスを提供するため、事業環境の変化や事業戦略に基づき将来の成長分野に事業資産を機動的に集中させております。岡山市の研精堂印刷株式会社では、枚葉・輪転印刷から製本までを一貫して行う新工場を稼働させ西日本地域での生産体制を強化いたしました。また、茨城県行方市にグラビア印刷機と各種用途に応じた自動製袋機を備え、様々な形状の商品生産と短納期対応を強みとする工場を持ち、パッケージ・包装資材および販促商品の企画・製造・販売を行う株式会社リングストンを連結子会社といたしました。さらに、広告宣伝の企画・立案・制作を事業とする株式会社ダイアモンドヘッズ、モデルマネジメントを事業とする株式会社バークインスタイル、「GetNavi」「CAPA」「ムー」「TV ライフ」「POTATO」「BOMB」「mer」「FYTTE」「学研キッズネット」など広く深く認知されている定期雑誌ブランドを保有する株式会社ワン・パブリッシング、映像・音響・ICTに関わるプロジェクトをワンストップで提供するジャパンブロードキャストソリューションズ株式会社、屋外広告・交通広告を中心に特化し独自のノウハウと実績をもつ大光宣伝株式会社およびその関係会社2社を連結子会社とし、メディア関連事業を強化いたしました。企画提案・製造・制作から配信までをトータルでカバーできるユニークな企業体として、クリエイティブサービス事業の領域拡大に取り組んでまいりました。

 その結果、当連結会計年度の経営成績の状況は、売上高644億16百万円(前連結会計年度比17.9%増)、営業利益32億48百万円(前連結会計年度比86.2%増)、経常利益は、助成金収入の減少に加え貸倒引当金繰入額の計上等がありましたが36億44百万円(前連結会計年度比50.6%増)となりました。経常利益に減価償却費、のれんの償却額および金融費用を加えたEBITDAは57億40百万円(前連結会計年度比26.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は20億3百万円(前連結会計年度比110.5%増)となりました。

 当連結会計年度末における財政状態は、当連結会計年度において、株式会社ダイアモンドヘッズ、株式会社バークインスタイル、株式会社ワン・パブリッシング、株式会社リングストン、ジャパンブロードキャストソリューションズ株式会社、大光宣伝株式会社および株式会社アムと株式会社大宣工房が連結子会社となったことにより、資産及び負債が総じて増加しております。

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、主に、現金及び預金、短期貸付金及び投資その他の資産のその他の減少がありましたが、受取手形、売掛金、電子記録債権、商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の増加により、前連結会計年度末に比べて11億76百万円増加し、677億71百万円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、主に、1年内返済予定の長期借入金及び長期借入金、退職給付に係る負債の減少がありましたが、買掛金、繰延税金負債、流動負債のその他及び固定負債のその他の増加により、前連結会計年度末に比べて7億83百万円増加し、550億35百万円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、主に、非支配株主持分の減少がありましたが、支払配当金を上回る親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べて3億92百万円増加し、127億36百万円となりました。

 なお、当社企業グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて18億61百万円減少し、103億55百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は22億38百万円(前連結会計年度比24億35百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益33億57百万円、減価償却費16億45百万円、減損損失4億95百万円、仕入債務の増加額2億14百万円により資金の増加がありましたが、売掛債権の増加額11億89百万円、棚卸資産の増加額6億13百万円、法人税等の支払額14億82百万円により資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2億3百万円(前連結会計年度比82億16百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入10億27百万円、投資有価証券の売却による収入3億48百万円、貸付金の回収による収入42億45百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出14億64百万円、投資有価証券の取得による支出2億90百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出19億40百万円、貸付けによる支出20億44百万円により資金の減少があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は39億1百万円(前連結会計年度は14億89百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入22億円がありましたが、長期借入金の返済による支出36億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出17億52百万円、配当金の支払額5億39百万円により資金の減少があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

64,390

117.9

 

b.受注実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

クリエイティブサービス事業

64,527

116.5

4,266

102.7

 

c.販売実績

 当社企業グループは、クリエイティブサービス事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

クリエイティブサービス事業

64,416

117.9

(注)総販売実績の10%以上を占める販売顧客に該当するものはありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社企業グループの当連結会計年度末における財政状態は、総資産677億71百万円(前連結会計年度末比1.8%増)、負債550億35百万円(前連結会計年度末比1.4%増)、純資産127億36百万円(前連結会計年度末比3.2%増)となりました。また、自己資本比率につきましては、前連結会計年度に比して1.7ポイント改善し18.1%となりました。総資産、負債及び純資産の概況及び詳細につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 当連結会計年度の経営成績につきましては次のとおりであります。

(売上高)

 売上高は、644億16百万円(前連結会計年度546億20百万円)となりました。売上高の概況及び詳細については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 売上原価は、464億24百万円(前連結会計年度395億76百万円)となりました。その結果、売上総利益は、179億92百万円(前連結会計年度150億44百万円)、売上総利益率が27.93%(前連結会計年度27.54%)となりました。

 販売費及び一般管理費は、エネルギー、燃料資源の価格高騰による運搬費、水道光熱費、維持管理費等の増加、また、新規連結による費用が増加となり、147億43百万円(前連結会計年度132億99百万円)となりました。

 以上の結果、営業利益は32億48百万円(前連結会計年度17億45百万円)となりました。

(営業外損益)

 営業外収益は、主に助成金収入が減少したため、9億99百万円(前連結会計年度13億55百万円)、営業外費用は、主に支払手数料が減少したため、6億3百万円(前連結会計年度6億80百万円)となりました。

 以上の結果、経常利益は36億44百万円(前連結会計年度24億20百万円)となりました。

(特別損益)

 特別利益は、固定資産売却益5億29百万円、投資有価証券売却益1億43百万円、負ののれん発生益50百万円、持分変動利益1億円等を計上した結果、9億1百万円(前連結会計年度2億87百万円)となりました。特別損失は、固定資産除却損35百万円、投資有価証券評価損94百万円と前連結会計年度に比して減少しましたが、固定資産売却損33百万円、減損損失4億95百万円、退職給付制度終了損4億20百万円、段階取得に係る差損54百万円、持分変動損失12百万円等を計上したため、11億89百万円(前連結会計年度8億1百万円)となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20億3百万円(前連結会計年度9億51百万円)となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 当社企業グループの経営成績に重要な影響を与える要因につましては「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照ください。

 

③ 経営方針・経営戦略の現状と見通し

 当社企業グループの経営方針・経営戦略の現状と見通しにつきましては「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますのでご参照ください。

 

④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社企業グループは「クリエイティブをサポートする企業集団」として、クリエイティブサービス事業を軸にビジネス展開を推進することで、お客さまにとって必要不可欠な企業集団として企業価値の向上を図るべく日々努めております。その実現のため、当社企業グループの中期経営計画において、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な指標としております。加えてEBITDA、自己資本比率、キャッシュ・フローを重視した経営により、企業の経営基盤を強化し、安定的な成長を図っていく所存であります。

 当連結会計年度における営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益及びEBITDAの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」を、キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」を、自己資本比率の分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析」をご参照ください。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況、資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

b.資本の財源及び資金の流動性

 当社企業グループの運転資金、設備投資等の所要資金につきましては、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、原則自己資金及び借入金で賄うこととしております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を、設備投資等や長期運転資金の調達は金融機関からの長期借入を基本としており、必要に応じて資金調達を実施いたします。また、当社企業グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。

 資金の流動性につきましては、安定的な営業キャッシュ・フロー及び自己資金に加え、金融機関からの借入等により十分な手元流動性を確保しております。

 

 

⑥ 重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。

 連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者の判断により一定の会計基準の範囲内で会計上の見積りを行う必要があり、会計上の見積りの金額が資産・負債、収益・費用の数値に反映されております。連結会計年度末における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、退職給付引当金、資産除去債務、繰延税金資産及び市場価格のない投資有価証券、固定資産の減損、のれんの評価であり、これらの見積り及びその基礎となる仮定は、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。

 連結財務諸表の作成にあたって、必要な会計上の見積りは合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響の仮定の判断につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。